JP2009125402A - 生体情報計測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 無侵襲によって生体の代謝に伴う生体情報を用いて生体内部の状態を詳細に観察できる生体情報計測装置を提供すること。
【解決手段】 光出射部1は制御部3からの駆動信号に基づいて異なる特定波長を有する近赤外光を生体内部に出射する。光検出部2は生体内部を伝播した近赤外光の光量に対応して生体の代謝に伴う電気的な生体情報信号を制御部3に出力する。制御部3においては、出力された生体情報信号をLPF33およびHPF34によって低域の生体情報信号と高域の生体情報信号とに分離し、低域信号用メモリ37aと高域信号用メモリ37bに記憶する。そして、生体情報演算部38は、低域の生体情報信号を用いて生体内全体における血流変化を演算し、高域の生体情報信号を用いて生体内部における心拍動に伴う酸素飽和度を演算する。また、表示部4は演算された血流変化と酸素飽和度とを表示する。
【選択図】 図4

Description

生体の密度、水分、血中酸素濃度、酸素飽和度、グルコース濃度、血糖値、脈拍、その他の様々な生体の代謝に応じて、生体内の光伝播が伝播する光の波長により異なる変化を生ずる性質に着目して生体内部の情報を計測する生体情報計測装置に関する。
近年、生体内部を簡便に無侵襲で計測できる装置として、生体表面に配置された光源から生体内部に光を出射し、生体内部を散乱・吸収されながら伝播して再び生体表面に到達した反射光を受光することにより、生体内部の情報を計測する装置が積極的に提案されている。例えば、下記特許文献1には、スペクトラム拡散変調を用いて光を出射し、生体内部を伝播した光をスペクトラム逆拡散復調して生体内部の情報を計測する生体情報測定装置が開示されている。
この生体情報測定装置は、擬似雑音系列を用いてスペクトラム拡散変調した近赤外光を出射する光出射部と、受光したスペクトラム拡散変調された近赤外光に対応する電気的な信号をスペクトラム逆拡散復調して検出信号を出力する光検出部とを備えている。そして、この生体情報測定装置によれば、高速かつ高SN比を確保した状態で生体情報を正確に計測することができる。
特開2002−248104号公報
ところで、上記従来の生体情報測定装置にように、生体内部に出射する光として近赤外光を用いた場合には、得られる生体情報として、例えば、生体内部における血流変化を表す情報が正確に得られる。すなわち、生体内部を流れる血液は、酸素と結合したヘモグロビンと酸素と結合していないヘモグロビンを有しており、これらヘモグロビンは、それぞれ、近赤外光を異なる吸光特定によって吸光することが知られている。このため、近赤外光を生体内部に出射した場合には、酸素と結合したヘモグロビン量(濃度)と酸素と結合していないヘモグロビン量(濃度)の比に応じて、生体内部を伝播した後に受光される近赤外光の光量が変化することになる。このため、受光される近赤外光の光量に対応して得られる生体情報を用いることによって、計測領域内における血流変化を計測することができる。
しかし、このように得られる生体情報には、計測領域内に存在する動脈血や静脈血における全ての酸素と結合したヘモグロビンと酸素と結合していないヘモグロビンによる吸光の影響と、生体における心拍動を伴っている動脈血における酸素と結合したヘモグロビンと酸素と結合していないヘモグロビンによる吸光の影響とが含まれる。すなわち、計測領域内に存在する動脈血や静脈血における全ての酸素と結合したヘモグロビン量(濃度)と酸素と結合していないヘモグロビン量(濃度)の比はいわば生体内全体での変化であり、心拍動を伴う動脈血における酸素と結合したヘモグロビン量(濃度)と酸素と結合していないヘモグロビン量(濃度)のより細かい変化はこの生体内全体の変化に含まれる。したがって、単に生体内部を伝播した近赤外光の光量に対応して得られる生体情報を用いて血流変化を計測した場合には、生体内全体における、言い換えれば、心拍動を伴う動脈血を無視した血流変化が観察できるのみであり、より詳細な観察を行う場合には、心拍動を伴う動脈血に着目した変化を分離して観察できるようにすることが望まれている。
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、無侵襲によって、生体の代謝に伴う生体情報を用いて生体内部の状態を詳細に計測できる生体情報計測装置を提供することにある。
本発明の特徴は、少なくとも2つの光源を有していて、所定の駆動信号に基づいて前記光源を発光させて異なる特定波長を有する近赤外光を生体内部に出射する光出射部と、同光出射部から出射されて生体内部を伝播した近赤外光を受光して検出するとともに同検出した近赤外光の光量に対応して生体の代謝に関連する電気的な生体情報信号を出力する光検出部と、前記光出射部と前記光検出部の作動を統括的に制御する制御部とを備えた生体情報計測装置において、前記光検出部から出力された生体情報信号の帯域うち、予め設定された周波数未満の帯域を有する低域の生体情報信号を通過させるローパスフィルタと、前記光検出部から出力された生体情報信号の帯域うち、前記予め設定された周波数以上の帯域を有する高域の生体情報信号を通過させるハイパスフィルタと、前記ローパスフィルタを通過した低域の生体情報信号を記憶する低域信号用メモリと、前記ハイパスフィルタを通過した高域の生体情報信号を記憶する高域信号用メモリと、前記低域用メモリに記憶された低域の生体情報信号を用いて生体の代謝に関連する第1生体情報を演算するとともに、前記高域用メモリに記憶された高域の生体情報信号を用いて生体の代謝に関連する第2生体情報を演算する生体情報演算手段とを備えたことにある。
この場合、さらに、前記生体情報演算手段によって演算された第1生体情報と前記第2生体情報とに基づいて視認可能な画像データを生成する画像データ生成手段と、前記生成された画像データに基づき、前記第1生体情報と前記第2生体情報を表示する表示手段とを備えているとよい。また、前記生体情報演算手段によって演算される第1生体情報は、生体の血管中における酸素と結合した酸素化ヘモグロビン量と酸素と結合していない還元ヘモグロビン量との比に基づく血流変化を表す情報であり、前記生体情報演算手段によって演算される第2生体情報は、生体の動脈における心拍動に伴って変化する酸素飽和度を表す情報であるとよい。
また、前記光出射部は、例えば、前記制御部から所定の時間間隔を有して供給される前記所定の駆動信号を取得し、前記各光源が前記取得した所定の駆動信号に基づいて順次発光して、異なる特定波長を有する近赤外光を前記所定の時間間隔を有して順次出射するとよい。また、前記光出射部は、前記制御部から供給される前記所定の駆動信号をスペクトラム拡散変調して二次駆動信号を生成するスペクトラム拡散変調手段と、前記各光源が前記二次駆動信号に基づいて発光して出射した異なる特定波長を有する近赤外光を光学的に合成する光合成手段とを有し、前記光検出部は、前記電気的な生体情報信号をスペクトラム逆拡散して復調する復調手段を有するとよい。さらに、前記光出射部は、前記制御部から供給される前記所定の駆動信号を周波数分割多重変調して二次駆動信号を生成する周波数分割多重変調手段と、前記各光源が前記二次駆動信号に基づいて発光して出射した異なる特定波長を有する近赤外光を光学的に合成する光合成手段とを有し、前記光検出部は、前記電気的な生体情報信号を周波数分割多重復調する復調手段を有するとよい。
これらによれば、光出射部は、例えば、制御部から所定の短い時間間隔有して供給された所定の駆動信号に基づき、あるいは、制御部から供給された所定の駆動信号をスペクトラム拡散変調または周波数分割多重変量した二次駆動信号に基づき、光源を発光させて複数の特定波長を有する近赤外光を生体内部に向けて出射することができる。一方、光検出部は、生体内部を伝播した近赤外光を受光し、この受光した近赤外光すなわち生体内部の伝播に伴って減衰した近赤外光の光量に対応して生体の代謝に関連する電気的な生体情報信号を出力することができる。ここで、光出射部が所定の駆動信号をスペクトラム拡散変調または周波数分割多重変量した二次駆動信号に基づいて光源を発光させて複数の特定波長を有する近赤外光を生体内部に向けて出射する場合には、光検出部は、電気的な生体情報信号をスペクトラム逆拡散復調または周波数分割多重変調することができる。
そして、出力された電気的な生体情報信号は、ローパスフィルタを通過することによって所定の周波数未満の帯域を有する低域の生体情報信号とされて低域信号用メモリに記憶される。また、出力された電気的な生体情報信号は、ハイパスフィルタを通過することによって所定の周波数以上の帯域を有する高域の生体情報信号とされて高域信号用メモリに記憶される。このように、生体内部を伝播した近赤外光の減衰した光量に対応する生体情報信号を低域の生体情報信号と高域の生体情報信号とに分離することにより、低域の生体情報信号を用いて第1生体情報、例えば、生体の血管中における酸素と結合した酸素化ヘモグロビン量と酸素と結合していない還元ヘモグロビン量との比に基づく血流変化を表す情報を演算し、高域の生体情報信号を用いて第2生体情報、例えば、生体の動脈における心拍動に伴って変化する酸素飽和度を表す情報を演算することができる。
すなわち、全信号帯域を含む電気的な生体情報信号から低域の生体情報信号のみを分離し、この低域の生体情報信号を用いて第1生体情報としての、例えば、動脈血と静脈血の全体を含む血流変化を表す情報を演算することによって、生体内全体の血流変化を観察することができる。一方、全信号帯域を含む電気的な生体情報信号から高域の生体情報信号のみを分離し、この高域の生体情報信号を用いて第2生体情報としての、例えば、酸素飽和度を表す情報を演算することによって、生体内部における心拍動を伴う動脈血に着目した変化を観察することができる。
そして、この場合、第1生体情報と第2生体情報とに基づいて視認可能な画像データを生成し、この画像データに基づき第1生体情報(例えば、血流変化)や第2生体情報(例えば、酸素飽和度)を表示することができる。この場合、表示態様として、例えば、2次元的な表示や3次元的な表示、あるいは、第1生体情報と第2生体情報を別々に表示したり重ねて(合成して)表示したりすることによって、より容易にかつより詳細に生体内部を観察することができる。
a.第1実施形態
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。図1は、第1実施形態ないし第3実施形態に共通する生体情報計測装置Sの構成を概略的に示したブロック図である。図1に示すように、生体情報計測装置Sは、特定波長成分を含む光を発生する複数の光出射部1と、光出射部1から出射された光が生体の内部を反射しながら伝播した後の光を検出する複数の光検出部2とを備えている。また、生体情報計測装置Sは、CPU、ROM、RAM、タイマなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品とし、光出射部1および光検出部2の作動を統括的に制御するとともに生体の代謝に関連する生体情報を演算する制御部3と、制御部3によって演算された生体情報を画像として表示する表示部4とを備えている。
光出射部1は、図2に示すように、異なる特定波長を有する光を発生させる複数の光発生器10から構成されている。なお、以下の説明においては、光出射部1を2つの光発生器10から構成して、言い換えれば、1つの光出射部1が2つの特定波長を有する光を発生するように構成して実施する。しかしながら、光出射部1を構成する光発生器10の数すなわち出射する光の特定波長の数については、限定されるものではなく、光出射部1を、例えば、3つ以上の光発生器10から構成して実施可能であることはいうまでもない。このように、光発生器10を多数設けることにより、後述する生体情報の算出において定量性が十分に確保される。また、複数の光発生器10から構成される光出射部1の数についても、限定されるものではなく、必要に応じて複数設けて実施可能である。
光発生器10は、制御部3から供給される駆動信号を取得する光源ドライバ11を備えている。光源ドライバ11は、制御部3から取得した駆動信号に基づいて、光源12を駆動(発光)させるものである。光源12は、例えば、半導体レーザーダイオードやLEDなどの近赤外発光素子から構成されている。これにより、光源12は、特定波長を有する近赤外光を発光する。ここで、光源12の発光する近赤外光の特定波長としては、例えば、600nm〜900nm程度の波長範囲から選択されるとよく、以下の説明においては、2つの光源12のうち、一方の光源12は、例えば、830nmの特定波長を有する近赤外光を発光し、他方の光源12は、例えば、690nmの特定波長を有する近赤外光を発光するものとして説明する。
そして、各光発生器10から交互に出射された近赤外光は、光ファイバー13を介して生体内部に向けて出射されるようになっている。なお、この場合、光ファイバー13を省略して、直接、生体内部に向けて近赤外光を入射するように実施することも可能である。
ここで、この第1実施形態における光出射部1は、上述したように、制御部3から供給される駆動信号に基づいて複数(具体的には2つ)の近赤外光を出射する。このとき、制御部3は、所定の短い時間間隔により駆動信号を交互に2つの光発生器10に供給する。これにより、光出射部1における2つの光発生器10は、所定の短い時間間隔によって交互に(パルス的に)発光を繰り返す。
すなわち、光出射部1を構成する830nmの近赤外光を発光する光発生器10および690nmの近赤外光を発光する光発生器10においては、所定の短い時間間隔で制御部3から交互に供給された駆動信号をそれぞれの光源ドライバ11によって取得する。これにより、それぞれの光源ドライバ11は取得した駆動信号に基づいて対応する光源12をパルス発光させるため、各光出射部1は830nmの近赤外光と690nmの近赤外光を交互に出射することができる。
光検出部2は、光出射部1から出射されて生体内部を反射しながら伝播した近赤外光を検出し、同検出した近赤外光が有する生体情報に関連する生体情報信号を出力するものである。このため、光検出部2は、図3に示すように、光ファイバー21を介して、生体中を伝播して出射された近赤外光を受光する受光器22を備えている。なお、この場合、光ファイバー21を省略して、直接、生体中を伝播して出射された近赤外光を受光器22が受光するように実施することも可能である。
受光器22は、例えば、フォトダイオードやホトマルチプライヤなどを主要構成部品とするものであり、近赤外光を受光すると、同受光した近赤外光が生体中を伝播することにより減衰した光量に対応する電気的な検出信号を時系列的に増幅器23に出力する。増幅器23は、受光器22から出力された電気的な検出信号の強度を増幅するものであり、増幅した電気的な検出信号すなわち生体情報信号を制御部3に出力する。ここで、光検出部2は、生体の計測領域内に複数設けられる。そして、光検出部2は、制御部3から所定の短い時間間隔により供給される駆動信号の供給タイミングに合わせて、言い換えれば、光出射部1による近赤外光の出射タイミングに合わせて作動が制御される。
制御部3は、図4に示すように、光出射部1を構成する各光発生器10に対して駆動信号を供給する駆動信号発生器31を備えている。駆動信号発生器31は、駆動信号として、例えば、直流信号を所定の短い時間間隔により発生するようになっている。また、制御部3は、各光検出部2の増幅器23から出力された生体情報信号を入力して出力するマルチプレクサ32を備えている。マルチプレクサ32は、駆動信号発生器31が駆動信号を供給する供給タイミングに合わせて作動するものであり、入力した生体情報信号をローパスフィルタ33(以下、単にLPF33という)およびハイパスフィルタ34(以下、単にHPF34という)に対して出力する。
LPF33は、マルチプレクサ32から出力された生体情報信号のうち、予め設定された周波数(例えば、生体における心拍動の周波数を考慮した0.5Hz程度)未満の帯域を有する生体情報信号(この生体情報信号を低域の生体情報信号という)を通過させるものである。一方、HPF34は、マルチプレクサ32から出力された生体情報信号のうち、前記予め設定された周波数以上の信号を有する生体情報信号(この生体情報信号を高域の生体情報信号という)を通過させるものである。そして、LPF33を通過した低域の生体情報信号はマルチプレクサ35に出力され、HPF34を通過した高域の生体情報信号はマルチプレクサ36に出力される。マルチプレクサ35,36は、ともに、駆動信号発生器31による駆動信号の供給タイミングに合わせて制御されるものであり、それぞれ、低域の生体情報信号と高域の生体情報信号を制御部3に設けられたメモリ群37に対して分配するものである。
具体的に説明すると、マルチプレクサ35は、LPF33を通過した低域の生体情報信号を記憶する低域信号用メモリ37aに対して分配する。また、マルチプレクサ36は、HPF34を通過した高域の生体情報信号を記憶する高域信号用メモリ37bに対して分配する。
メモリ群37を形成する低域信号用メモリ37aおよび高域信号用メモリ37bは、それぞれ、駆動信号発生器31による駆動信号の供給タイミングに合わせて記憶動作が制御されるものである。そして、低域信号用メモリ37aはマルチプレクサ35によって分配された低域の生体情報信号を近赤外光を発光した光出射部1に対応するように、より詳しくは、後述する図5に示す各光検出部2に対応する各受光位置A〜Fごとであってかつ1つの光出射部1を構成する2つの光発生器10ごとに設定された記憶位置に記憶し、高域信号用メモリ37bはマルチプレクサ36によって分配された高域の生体情報信号を近赤外光を発光した光出射部1に対応するように、より詳しくは、後述する図5に示す各光検出部2に対応する各受光位置A〜Fごとであってかつ1つの光出射部1を構成する2つの光発生器10ごとに設定された記憶位置に記憶する。
また、制御部3は、メモリ群37に記憶された低域の生体情報信号および高域の生体情報信号を用いて、生体情報を演算する生体情報演算器38を備えている。以下、この生体情報演算器38を詳細に説明する。
生体における血液は、酸素と結合したヘモグロビン(以下、このヘモグロビンを酸素化ヘモグロビンという)と酸素と結合していないヘモグロビン(以下、このヘモグロビンを還元ヘモグロビンという)とを含んでいる。そして、血液中におけるこれら酸素化ヘモグロビン量(濃度)と還元ヘモグロビン量(濃度)の比は生体の活動によって変化するため、酸素化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンによる近赤外光の吸光度合いの差からこの比を算出することによって生体中における血流変化が観察できることが知られている。ところが、血流変化は比較的短周期で変化する心拍動の影響を受けており、比較的長周期で変化する酸素化ヘモグロビン量(濃度)と還元ヘモグロビン量(濃度)の比に基づいて血流変化を精度よく観察する場合には、心拍動の影響を排除する必要がある。一方で、比較的短周期で変化する心拍動に伴う血流変化を捉えることにより、血液中の酸素飽和度を良好に計測できることが知られている。
これらのことに基づき、生体情報演算器38は、後述するように、低域信号用メモリ37aに記憶された低域の生体情報信号、言い換えれば、心拍動の影響を排除した生体情報信号を用いて、血液中における酸素化ヘモグロビン量(濃度)と還元ヘモグロビン量(濃度)との比すなわち第1生体情報としての血流変化を演算する。また、生体情報演算器38は、後述するように、高域信号用メモリ37bに記憶された高域の生体情報信号、言い換えれば、心拍動のみを反映した生体情報信号を用いて、同心拍動に伴う血液中の酸素化ヘモグロビン量(濃度)と還元ヘモグロビン量(濃度)とから第2生体情報としての酸素飽和度を演算する。
さらに、制御部3は、生体情報演算器38によって演算された血流変化および酸素飽和度を可視化して表示するために、画像処理器39を備えている。画像処理器39は、周知の画像生成回路を備えており、血流変化を表す画像データおよび酸素飽和度を表す画像データを生成して表示部4のディスプレイに所定の態様により表示させる。
次に、上記のように構成した第1実施形態に係る生体情報計測装置Sの作動について、生体における脳内の血流変化および酸素飽和度を計測する場合を例示して説明する。
この脳内における血流変化および酸素飽和度の計測においては、図5に示すように、頭部Tの表面にて、丸印で示す位置a〜f(以下、入射位置a〜fという)にそれぞれ光出射部1から出射された近赤外光が入射される。また、脳内を反射しながら伝播し、四角印で示す位置A〜F(以下、受光位置A〜Fという)に到達した近赤外光(以下、この近赤外光を反射光ともいう)がそれぞれの光検出部2によって検出される。そして、入射位置a〜fと受光位置A〜Fとは、例えば、互いにマトリックス状に配置される。なお、以下の作動説明においては、入射位置a〜fに近赤外光を出射する各光出射部1を光出射部a〜fと示し、受光位置A〜Fに到達した反射光を検出する各光検出部2を光検出部A〜Fと示す。
ここで、図5は、生体情報計測装置Sのごく一部を示したものである。このため、入射位置と受光位置の数すなわちチャンネルの数については、図示した数に限定されるものではない。したがって、より多くの入射位置と受光位置を、例えば、マトリックス状に配置して脳内の血流変化および酸素飽和度を計測することもできる。また、チャンネルの配置に関しては、マトリックス状以外に、例えば、千鳥配置やある光出射部1を中心として周囲に光検出部2を複数配置するドーナツ状の配置などを採用して実施することも可能である。
このように被験者の頭部Tに光出射部a〜fおよび光検出部A〜Fを配置した状態において、医師またはオペレータは、制御部3に接続された図示しない入力装置を操作して、近赤外光の出射開始を指示する。この指示に応じて、制御部3の駆動信号発生器31は、光出射部a〜fをそれぞれ構成する2つの光発生器10に対して、所定の短い時間間隔とした供給タイミングによって交互に駆動信号を供給する。
光出射部a〜fにおいては、2つの光発生器10を構成するそれぞれの光源ドライバ11が所定の短い時間間隔により交互に駆動信号を取得し、同取得した駆動信号に基づいて光源12をパルス発光させる。これにより、光出射部a〜fは、入射位置a〜fにて、それぞれ、所定の短い時間間隔により、830nmの近赤外光と690nmの近赤外光とを交互に出射する。そして、出射された近赤外光は、頭部Tの頭蓋骨を透過して脳表層に入射し、脳表層内を乱反射しながら、言い換えれば、減衰しながら伝播し、再び頭部Tの頭蓋骨を透過して頭部Tの表面に到達する。
光検出部A〜Fにおいては、頭部Tの表面における受光位置A〜Fに到達した近赤外光を反射光として検出(受光)し、この反射光が有する生体情報を表す生体情報信号を出力する。具体的には、光検出部A〜Fのそれぞれの受光器22が受光位置A〜Fに到達した反射光を受光し、同受光した反射光の受光強度に比例する電気的な検出信号を増幅器23に出力する。そして、増幅器23が電気的な検出信号を増幅し、同増幅した信号を生体情報信号として制御部3に出力する。
制御部3においては、マルチプレクサ32が光検出部A〜Fから出力された各生体情報信号をLPF33およびHPF34に出力する。これにより、LPF33を通過した各生体情報信号は、その高域成分が除去され、低域の生体情報信号としてマルチプレクサ35に出力される。そして、マルチプレクサ35は、LPF33を通過した低域の生体情報信号をメモリ群37の低域信号用メモリ37aに出力する。一方、HPF34を通過した各生体情報信号は、その低域成分が除去され、高域の生体情報信号としてマルチプレクサ36に出力される。そして、マルチプレクサ36は、HPF34を通過した高域の生体情報信号をメモリ群37の高域信号用メモリ37bに出力する。なお、この場合、増幅器23からメモリ群37までの区間において、例えば、増幅器23の直後にADコンバータを設けて増幅器23から出力された生体情報信号をデジタル信号に変換し、制御部3における各処理をデジタル信号で処理するように実施可能であることはいうまでもない。また、例えば、増幅器23から出力されたアナログの生体情報信号がLPF33およびHPF34を通過し、この通過したアナログの生体情報信号をLPF33およびHPF34の直後に設けたADコンバータがデジタル信号に変換するようにして、メモリ群37に記憶するように実施可能であることはいうまでもない。
メモリ群37においては、駆動信号発生器31による供給タイミングに合わせて、マルチプレクサ35から出力された低域の生体情報信号を低域信号用メモリ37aに予め設定された所定の記憶位置に順次記憶する。また、駆動信号発生器31による供給タイミングに合わせて、マルチプレクサ36から出力された高域の生体情報信号を高域信号用メモリ37bに予め設定された所定の記憶位置に順次記憶する。
このように、低域の生体情報信号と高域の生体情報信号とがメモリ群37の低域信号用メモリ37aと高域信号用メモリ37bに記憶されると、生体情報演算器38は、低域の生体情報信号を用いて血流変化すなわち酸素化ヘモグロビン量(濃度)と還元ヘモグロビン量(濃度)の比を演算し、高域の生体情報を用いて酸素飽和度を演算する。以下、この生体情報演算器38による演算を具体的に説明するが、血流変化および酸素飽和度の計算方法自体については、本発明の特徴とする部分ではない。すなわち、血流変化および酸素飽和度は本発明に係る生体情報計測装置によって計測可能な生体情報として例示的に示すものである。このため、血流変化および酸素飽和度の計算方法については、従来から周知の種々の方法を採用することができ、以下に説明することは計算方法を限定することを意図するものではない。
一般的に広く知られているように、血液中における酸素化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンは、異なる吸光特性によって近赤外光を吸光する。この酸素化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンにおける近赤外光の吸光特性は、文献(例えば、株式会社日立メディコ、MEDIX,vol.29など)にも示されているように、ランバート・ベール(Lambert-Beer)の法則に従って、下記式1で表すことができる。
−ln(R(λ)/Ro(λ))=εoxy(λ)×Coxy×d+εdeoxy(λ)×Cdeoxy×d+α(λ)+S(λ) …式1
ただし、前記式1中のR(λ)、Ro(λ)およびdは、図6に概略的に示すように、それぞれ、波長λの検出光量、波長λの出射光量および検出領域の光路長を表すものである。また、前記式1中のεoxy(λ)は、波長λに対する酸素化ヘモグロビンの分子吸光係数を表し、εdeoxy(λ)は、波長λに対する還元ヘモグロビンの分子吸光係数を表すものである。また、前記式1中のCoxyは、酸素化ヘモグロビンの濃度を表し、Cdeoxyは、還元ヘモグロビンの濃度を表すものである。さらに、前記式1中のα(λ)は、血液中のヘモグロビン以外の色素(例えば、細胞中のミトコンドリアでの酸素の需供を反映するチトクロームaa33など)の光吸収による減衰量を表し、S(λ)は、生体組織の光散乱による減衰量を表すものである。
このように、前記式1に従えば、830nmの波長を有する近赤外光と690nmの波長を有する近赤外光を用いた場合における酸素化ヘモグロビンの濃度Coxyと還元ヘモグロビンの濃度Cdeoxyを計算することができる。したがって、これら酸素化ヘモグロビンの濃度Coxyと還元ヘモグロビンの濃度Cdeoxyの比Coxy/Cdeoxyを計算することにより、血流変化を計算することができる。
また、前記式1に従って表される血液中のヘモグロビンの吸光特性に基づき、例えば、心拍動に伴う血管中の血流変化に着目して血流変化前後の差分を考慮することにより、血液の酸素飽和度SpO2を算出することができる。具体的に説明すると、例えば、脳内に存在する毛細血管について、血流変化前の吸光特性を前記式1に従って表せば、血流変化後の吸光特性は下記式2に示すように表すことができる。
−ln(growthR(λ)/Ro(λ))=εoxy(λ)×growthCoxy×d+εdeoxy(λ)×growthCdeoxy×d+growthα(λ)+S(λ) …式2
ただし、前記式2中のgrowthR(λ)、growthCoxy、growthCdeoxyおよびgrowthα(λ)は、心拍動に伴う血流変化によって増加または減少変化した値を表すものであって、それぞれ、血流変化後の検出光量、血流変化後の酸素化ヘモグロビンの濃度、血流変化後の還元ヘモグロビンの濃度および血流変化後のヘモグロビン以外の色素の光吸収による減衰量を表すものである。
ここで、血液中のヘモグロビンの光吸収量は、ヘモグロビン以外の色素の光吸収量に比して極めて大きいため、前記式1中のα(λ)をα(λ)=growthα(λ)とすることができる。これにより、前記式2から前記式1を差し引けば、下記式3が成立する。
−ln(growthR(λ)/R(λ))=εoxy(λ)×ΔCoxy+εdeoxy(λ)×ΔCdeoxy …式3
ここで、前記式3中のΔCoxyおよびΔCdeoxyは、それぞれ、下記式4および式5によって表されるものである。
ΔCoxy=(growthCoxy−Coxy)×d …式4
ΔCdeoxy=(growthCdeoxy−Cdeoxy)×d …式5
そして、図7にてヘモグロビンの光吸光スペクトルを概略的に示すように、吸光特性のコントラスト比が明確となる特定波長としてλ=690nmや830nmの近赤外光を用いて計測した結果に基づいて、前記式3を解くことによって、酸素化ヘモグロビン濃度変化ΔCoxy、還元ヘモグロビン濃度変化ΔCdeoxyおよび全ヘモグロビン濃度変化(ΔCoxy+ΔCdeoxy)を相対的に計算することができる。そして、これらの各値を計算することによって、下記式6によって表される相対的な酸素飽和度SpO2を計算することができる。
SpO2=ΔCoxy/(ΔCoxy+ΔCdeoxy) …式6
ところで、光検出部A〜Fにおいては、830nmの波長を有する反射光と690nmの波長を有する反射光が受光される。これら反射光は、光出射部1から出射された830nmの波長を有する近赤外光および690nmの波長を有する近赤外光が脳内を伝播した後の近赤外光であるため、光検出部A〜Fによって受光される受光強度は、脳内の血管(より詳しくは毛細血管)内を流れる血液中のヘモグロビンによる吸光の影響を受けたものとなる。すなわち、反射光の受光強度は、図8に概略的に示すように、心拍動に伴って変化する酸素化ヘモグロビン量(濃度)と還元ヘモグロビン量(濃度)の影響を含んだものとなるため、光検出部A〜Fによって出力される受光強度に比例する生体情報信号は低域の生体情報信号と高域の生体情報信号とを含んだものとなる。
ここで、例えば、生体情報演算器38が、図8に示すような低域の生体情報信号と高域の生体情報信号を含む生体情報信号を用いて、酸素化ヘモグロビン量(濃度)と還元ヘモグロビン量(濃度)を前記式1に従って計算すると、図9に示すような計算結果が得られる。すなわち、図9からも明らかなように、ベースとなる酸素化ヘモグロビン量(濃度)と還元ヘモグロビン量(濃度)の時間変化に対して、パルス的な心拍動に伴う酸素化ヘモグロビン量(濃度)と還元ヘモグロビン量(濃度)の変化が重なるため、ベースとなる酸素化ヘモグロビン量(濃度)と還元ヘモグロビン量(濃度)の時間変化に基づく生体内全体の血流変化を正確に観察することが難しくなる。
これに対して、生体情報演算器38が低域信号用メモリ37aに記憶された低域の生体情報信号を用いて、酸素化ヘモグロビン量(濃度)と還元ヘモグロビン量(濃度)を前記式1に従って計算すると、図10に示すような計算結果が得られる。すなわち、図10からも明らかなように、この場合には、パルス的な心拍動に伴う酸素化ヘモグロビン量(濃度)と還元ヘモグロビン量(濃度)の変化が除去されるため、酸素化ヘモグロビン量(濃度)と還元ヘモグロビン量(濃度)の変化、すなわち、生体内全体の血流変化を正確に観察することができる。
一方で、図8に示した生体情報信号から高域成分のみを取り出した高域の生体情報信号は、図11に示すようになる。すなわち、高域信号用メモリ37bに記憶される高域の生体情報信号は、パルス的な心拍動に伴って変化する酸素化ヘモグロビン量(濃度)と還元ヘモグロビン量(濃度)の影響のみ含んだものとなる。したがって、生体情報演算器38が、高域信号用メモリ37bに記憶された高域の生体情報信号を用いて酸素飽和度SpO2を前記式6に従って計算することにより、心拍動に伴う酸素飽和度の変化を正確に観察することができる。
このように血流変化および酸素飽和度が生体情報演算器38によって計算されると、画像処理器39がこれら計算された血流変化および酸素飽和度を可視化する画像データを生成する。具体的には、画像処理器39は、頭部Tに配置された入射位置a〜f(光出射部a〜f)と受光位置A〜F(光検出部A〜F)との間に存在する計測点にて生体情報演算器38によって計算された結果を画像として表すとともに、これら計測点間にて補間処理を行うことによって計測領域全体の血流変化および酸素飽和度を表す画像データを生成する。なお、画像処理器39が生成する画像データについては、2次元的に可視化する画像データまたは3次元的に可視化する画像データであるとよい。
このように画像データが生成されると、表示部4は、同画像データに基づいて、ディスプレイ上にて、同じ計測時間内に同時に(マクロ的に)取得された血流変化を図12(a)に概略的に示すように表示したり、酸素飽和度を図12(b)に概略的に示すように表示したりする。この場合、血流変化または酸素飽和度のみをそれぞれ表示したり、同時に両方を表示したりする。これにより、医師またはオペレータは、脳内における血流変化や酸素飽和度を容易にかつ詳細に観察することができる。
以上の説明からも理解できるように、この第1実施形態によれば、受光器22から出力された電気的な検出信号すなわち生体情報信号を、制御部3におけるLPF33を通過させることによって低域の生体情報信号として分離することができ、HPF34を通過させることによって高域の生体情報信号として分離することができる。そして、分離した低域の生体情報信号を用いて生体内全体における血流変化を演算することができ、分離した高域の生体情報信号を用いて生体内部における心拍動に伴う酸素飽和度を演算することができる。また、これら演算した血流変化および酸素飽和度を表示部4に表示することができる。したがって、生体内部の代謝に伴う変化を、例えば、心拍動を伴う動脈血に着目して分離して、詳細に観察することができる。
b.第2実施形態
上記第1実施形態においては、制御部3の駆動信号発生器31が所定の短い時間間隔で駆動信号を供給することによって、光出射部1の2つの光発生器10の発光タイミングを異ならせるように実施した。すなわち、上記第1実施形態においては、光出射部1が830nmの近赤外光と690nmの近赤外光をパルス発光により交互に出射するように実施した。これに対し、これらの光発生器10が発生する近赤外光をスペクトラム拡散変調することにより、発光タイミングを略同時とすることも可能である。以下、この第2実施形態を説明するが、上記第1実施形態と同一部分に同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
この第2実施形態における生体情報計測装置Sの光出射部1は、特定波長を有する近赤外光をスペクトラム拡散変調して出射するようになっている。このため、この第2実施形態における光発生器10は、図13に示すように、拡散符号系列として、「+1」と「−1」からなるPN(Pseudorandom Noise)系列を発生させるための拡散符号系列発生器14を備えている。この拡散符号系列発生器14は、例えば、アダマール系列やM系列、あるいは、ゴールド符号系列をPN系列として発生する。
なお、上記したアダマール系列、M系列、あるいは、ゴールド符号系列は、一般的にスペクトラム拡散変調に用いられるものと同様であるため、その発生方法に関する詳細な説明は省略するが、以下に簡単に説明しておく。アダマール系列は、「+1」と「−1」からなるアダマール行列の各行または各列を取り出して得られる系列である。M系列は、「0」または「+1」の状態を記憶する1ビットのレジスタをn段並べたシフトレジスタを用い、同シフトレジスタの中間から帰還した値と最終段における値との排他的論理和を初段に接続することにより得られる2値系列である。ただし、この2値系列をPN系列とするために、レベル変換を行い、値「0」を「−1」に変換する必要がある。ゴールド符号系列は、基本的には、2種類のM系列を用意し、これらを加算して得られる符号系列である。このため、ゴールド符号系列は、M系列に比して、格段に系列数を増やすことができる系列である。そして、これらの系列の特徴として、異なる系列は互いに直交する性質を有しており、積和演算を行うことによって「0」、すなわち、自己以外には相関が「0」となることが挙げられる。
このように、拡散符号系列発生器14の発生したPN系列は、制御部3に出力されるとともに、掛け算器15に出力される。掛け算器15は、制御部3の駆動信号発生器31から供給される駆動信号(一次駆動信号)と拡散符号系列発生器14から供給されるPN系列との積を取る。これにより、駆動信号(一次駆動信号)をスペクトラム拡散変調することができる。なお、この第2実施形態における制御部3の駆動信号発生器31は、光出射部1を構成する2つの光発生器10のそれぞれの掛け算器15に対して同時に駆動信号を供給するようになっている。そして、掛け算器15はスペクトラム拡散変調した駆動信号すなわち二次駆動信号を光源ドライバ11に供給し、光源ドライバ11は供給された二次駆動信号に基づいて光源12を駆動(発光)させる。
また、この第2実施形態における光検出部2は、図14に示すように、光出射部1の特定の光発生器10から出射された近赤外光を選択的に受光するために、拡散符号系列取得器24を備えている。拡散符号系列取得器24は、制御部3と接続されていて、受光すべき特定の光発生器10からの近赤外光が有する拡散符号系列すなわちPN系列を制御部3から取得するものである。そして、拡散符号系列取得器24は、取得したPN系列をそれぞれの掛け算器26に供給する。
掛け算器26は、増幅器23からADコンバータ25を介して取得した電気的な検出信号と拡散符号系列取得器24から供給されたPN系列との積を取る。そして、掛け算器26は、計算した検出信号とPN系列との積の値を累算器27に出力する。累算器27は、供給された積の値をPN系列の1周期以上に渡り加算する。そして、累算器27は、特定の光発生器10から出射されて脳内を反射して伝播した反射光に対応する検出信号を制御部3に出力する。
次に、上記のように構成された第2実施形態に係る生体情報計測装置Sの作動について、上記第1実施形態と同様に、脳内における血流変化および酸素飽和度を計測する場合を例示して説明する。
この第2実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、被験者の頭部Tに光出射部a〜fと光検出部A〜Fを配置する。そして、医師またはオペレータは、制御部3の入力装置を操作して、近赤外光の出射開始を指示する。これにより、制御部3の駆動信号発生器31は、光出射部a〜fを構成する2つの光発生器10のそれぞれに対して一次駆動信号を供給する。これにより、2つの光発生器10は、同時にその作動を開始し、それぞれ、830nmの近赤外光と690nmの近赤外光を出射する。
すなわち、各光発生器10においては、拡散符号系列発生器14が、例えば、PN系列としてゴールド符号系列を発生する。そして、拡散符号系列発生器14は、発生したPN系列を制御部3に対して出力するとともに、掛け算器15に出力する。掛け算器15は、制御部3の駆動信号発生器31から供給された一次駆動信号とPN系列との積を取り、一次駆動信号をスペクトラム拡散変調する。そして、スペクトラム拡散変調された一次駆動信号すなわち二次駆動信号が光源ドライバ11に供給されることにより、光源ドライバ11は光源12を駆動(発光)させる。
このように、光出射部a〜fのそれぞれから出射された2つの近赤外光は、光ファイバ13により光学的に合成される。そして、2つの近赤外光は、頭部Tの入射位置a〜fから入射されて脳内を伝播した後、受光位置A〜Fに到達すると光検出部A〜Fによって検出(受光)される。
光検出部A〜Fにおいては、上記第1実施形態と同様に、それぞれの受光器22が反射光を受光する。このとき、各受光器22には、各光出射部a〜fのうちの複数の光出射部1から出射された近赤外光に対応する830nmと690nmの波長を有する反射光が到達する。このような状況において、制御部3は、受光器22が到達した反射光のうち特定の光出射部1から出射された近赤外光に基づく反射光を選択して受光するように、光検出部A〜Fを制御する。以下、この制御部3による制御を具体的に説明する。
制御部3は、上述したように、光出射部a〜fに対して一次駆動信号を供給した後、各光出射部a〜fの拡散符号系列発生器14から取得したPN系列を、反射光を受光すべき光検出部A〜Fに対して供給する。これにより、反射光を受光すべき各光検出部A〜Fにおける拡散符号系列取得器24は、供給されたPN系列を取得し、取得したPN系列を掛け算器26に供給する。一方で、ADコンバータ25は、受光器22が出力し増幅器23が増幅した電気的な検出信号を時系列的にデジタル信号に変換し、同変換したデジタル検出信号を掛け算器26に出力している。
この状態において、掛け算器26は、ADコンバータ25から出力されたデジタル検出信号と、拡散符号系列取得器24から供給されたPN系列との積を取る。そして、掛け算器26は計算した積の値を累算器27に出力し、累算器27は出力された積の値をPN系列の1周期以上に渡り加算する。このように、掛け算器26と累算器27による積和処理(スペクトラム逆拡散復調処理)により、デジタル検出信号と供給されたPN系列との相関を取ることができ、特定の光出射部1からの近赤外光、すなわち、830nmおよび690nmの波長を有する反射光に対応した検出信号のみを選択して出力することができる。
すなわち、上述したように、PN系列に関しては、異なる系列が互いに直交する性質、言い換えれば、異なる系列同士の積の和が「0」となる性質を有している。このため、拡散符号系列取得器24が掛け算器26に対して、光出射部a〜fのうちから特定の光出射部1のPN系列を供給した場合には、ADコンバータ25から出力された検出信号のうちの特定の光出射部1から出射された近赤外光(反射光)に対応する検出信号以外の検出信号と供給されたPN系列との積の値は「0」となる。これにより、累算器27によってPN系列の1周期以上に渡り加算される値も「0」となり、相関は「0」となる。したがって、拡散符号系列取得器24から供給されたPN系列を有しない(または一致しない)検出信号、言い換えれば、特定の光出射部1以外から出射された近赤外光の反射光は選択的に排除され、特定の光出射部1から出射された近赤外光の反射光に対応する検出信号すなわち生体情報信号のみが制御部3に出力される。
ところで、この第2実施形態においては、上記第1実施形態の場合と異なり、図15に示すように、制御部3のマルチプレクサ32,35,36が省略される。そして、この第2実施形態においては、光検出部A〜Fから出力された生体情報信号は、各光出射部1の光発生器10ごとすなわち光出射部1が発生する近赤外光の波長ごとに設けられたLPF33およびHPF34に出力される。このため、各LPF33を通過した生体情報信号は、その高域成分が除去され、低域の生体情報信号としてメモリ群37の低域信号用メモリ37aに出力されて記憶される。また、各HPF34を通過した生体情報信号は、その低域成分が除去され、高域の生体情報信号としてメモリ群37の高域信号用メモリ37bに出力されて記憶される。
このように、低域の生体情報信号と高域の生体情報信号とがメモリ群37の低域信号用メモリ37aと高域信号用メモリ37bに記憶されると、上記第1実施形態と同様に、生体情報演算器38は、低域の生体情報信号を用いて血流変化を演算し、高域の生体情報信号を用いて酸素飽和度を演算して画像処理器39に出力する。これにより、画像処理器39は血流変化および酸素飽和度を表す画像データを生成し、同生成した画像データを表示部4に出力する。したがって、表示部4は、上記第1実施形態と同様に、図12(a)に示したような血流変化や図12(b)に示したような酸素飽和度を表示することができ、医師またはオペレータは、脳内における血流変化や酸素飽和度を詳細にかつ容易に観察することができる。
以上の説明からも理解できるように、この第2実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この第2実施形態においては、830nmの近赤外光と690nmの近赤外光が互いに干渉することなく同時に出射することができ、さらに、これら近赤外光の反射光を同時に検出(受光)することができる。したがって、ある時間における血流変化や酸素飽和度を極めて正確に計測することができ、医師またはオペレータはある時間における血流変化や酸素飽和度を詳細に観察することができる。
c.第3実施形態
上記第1実施形態においては、制御部3の駆動信号発生器31が所定の短い時間間隔で駆動信号を供給することによって、光出射部1の2つの光発生器10の発光タイミングを異ならせるように実施した。すなわち、上記第1実施形態においては、光出射部1が830nmの近赤外光と690nmの近赤外光をパルス発光により交互に出射するように実施した。これに対し、これらの光発生器10が発生する近赤外光を周波数多重分割(Frequency Division Multiple Access:FDMA)変調することにより、上記第2実施形態と同様に、発光タイミングを略同時とすることも可能である。以下、この第3実施形態を詳細に説明するが、上記第1実施形態と同一部分に同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
この第3実施形態における生体情報計測装置Sの光出射部1は、特定波長を有する近赤外光をFDMA変調して出射するようになっている。このため、この第3実施形態における光発生器10は、図16に示すように、周波数分割多重変換器16が設けられている。この周波数分割多重変換器16は、制御部3の駆動信号発生器31から供給される駆動信号(一次駆動信号)を所定の周波数ごとに分割多重変調して二次駆動信号を生成するものである。なお、分割多重変調における所定の周波数は、制御部3によって管理されるものであり、予め設定された周波数であってもよいし、適宜変更される周波数であってもよい。また、FDMA変調における周波数分割については、周知の方法を採用することができるため、その詳細な説明を省略する。そして、周波数分割多重変換器16によって生成された二次駆動信号は光源ドライバ11に供給され、光源ドライバ11は供給された二次駆動信号に基づいて光源12を駆動(発光)させる。
また、この第3実施形態における光検出部2は、図17に示すように、光出射部1の光発生器10からFDMA変調されて出射された近赤外光を選択的に受光するために、複数(この第3実施形態においては2つ)の同期検波回路27を備えている。同期検波回路27は、制御部3と接続されていて、同制御部3によって管理される所定の周波数に基づいて増幅器23から取得した電気的な検出信号をFMDA復調し、同復調した電気的な検出信号すなわち生体情報信号を制御部3に出力するものである。
次に、上記のように構成された第3実施形態に係る生体情報計測装置Sの作動について、上記第1実施形態と同様に、脳内における血流変化および酸素飽和度を計測する場合を例示して説明する。
この第3実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、被験者の頭部Tに光出射部a〜fと光検出部A〜Fを配置する。そして、医師またはオペレータは、制御部3の入力装置を操作して、近赤外光の出射開始を指示する。これにより、制御部3の駆動信号発生器31は、光出射部a〜fを構成する2つの光発生器10のそれぞれに対して一次駆動信号を供給する。これにより、2つの光発生器10は、同時にその作動を開始し、それぞれ、830nmの近赤外光と690nmの近赤外光を出射する。
すなわち、各光発生器10においては、周波数分割多重変換器16が制御部3の駆動信号発生器31から供給された一次駆動信号を所定の周波数ごとに分割してFDMA変調する。そして、FDMA変調された一次駆動信号すなわち二次駆動信号が光源ドライバ11に供給されることにより、光源ドライバ11は光源12を駆動(発光)させる。このように、光出射部a〜fのそれぞれから出射された2つの近赤外光は、光ファイバ13により光学的に合成される。そして、2つの近赤外光は、頭部Tの入射位置a〜fから入射されて脳内を伝播した後、受光位置A〜Fに到達すると光検出部A〜Fによって検出(受光)される。
光検出部A〜Fにおいては、上記第1実施形態と同様に、それぞれの受光器22が反射光を受光する。このとき、各受光器22には、830nmと690nmの波長を有する反射光が到達し、受光器22および増幅器23は、これらの波長を有する近赤外光(反射光)に対応する電気的な検出信号を同期検波回路27に出力する。この状況において、各同期検波回路27においては、制御部3が管理する所定の周波数に基づいて、830nmの反射光に対応する電気的な検出信号と690nmの反射光に対応する電気的な検出信号とにそれぞれ分離(FDMA復調)し、同復調した電気的な検出信号を生体情報信号として制御部3に出力する。
ところで、この第3実施形態においても、上記第2実施形態と同様、図15に示すように、制御部3のマルチプレクサ32,35,36が省略されている。そして、光検出部A〜Fから出力された生体情報信号は、各光出射部1の光発生器10ごとすなわち光出射部1が発生する近赤外光の波長ごとに設けられたLPF33およびHPF34に出力される。このため、各LPF33を通過した生体情報信号は、その高域成分が除去され、低域の生体情報信号としてメモリ群37の低域信号用メモリ37aに出力される。また、各HPF34を通過した生体情報信号は、その低域成分が除去され、高域の生体情報信号としてメモリ群37の高域信号用メモリ37bに出力される。
このように、低域の生体情報信号と高域の生体情報信号とがメモリ群37の低域信号用メモリ37aと高域信号用メモリ37bに記憶されると、上記第1実施形態と同様に、生体情報演算器38は、低域の生体情報信号を用いて血流変化を演算し、高域の生体情報信号を用いて酸素飽和度を演算して画像処理器39に出力する。これにより、画像処理器39は血流変化および酸素飽和度を表す画像データを生成し、同生成した画像データを表示部4に出力する。したがって、表示部4は、上記第1実施形態と同様に、図12(a)に示したような血流変化や図12(b)に示したような酸素飽和度を表示し、医師またはオペレータは、脳内における正確な血流変化や酸素飽和度を観察することができる。
以上の説明からも理解できるように、この第3実施形態においても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この第3実施形態においては、830nmの近赤外光と690nmの近赤外光が互いに干渉することなく同時に出射することができ、さらに、これら近赤外光の反射光を同時に検出(受光)することができる。したがって、ある時間における血流変化や酸素飽和度を極めて正確に計測することができ、医師またはオペレータはある時間における血流変化や酸素飽和度を詳細に観察することができる。
本発明の実施にあたっては、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
例えば、上記各実施形態においては、前記式1〜式6(より詳しくは、前記式6)に従って、酸素飽和度SpO2を算出するように実施した。ところで、上記各実施形態において算出される酸素化ヘモグロビン濃度変化ΔCoxyおよび還元ヘモグロビン濃度変化ΔCdeoxyは、前記式4および式5から明らかなように、光路長dを含んで計算されるものである。一般的に生体内部に入射した光の光路長dを厳密に測定または算出することは、極めて難しい。したがって、前記式4および式5における光路長dは相対量として用いられており、酸素化ヘモグロビン濃度変化ΔCoxyおよび還元ヘモグロビン濃度変化ΔCdeoxyを用いた前記式6に従って算出される酸素飽和度SpO2も相対量となる。
このことに関し、参考として下記に示す各式に従って酸素飽和度SpO2を計算することにより、脈動成分中、すなわち、心拍動成分中の酸素飽和度SpO2言い換えれば動脈または細動脈中の酸素飽和度SpO2を算出することができる。なお、この酸素飽和度の算出方法については、例えば、特開昭63−111837号公報に開示されて従来から広く知られている算出方法であるため、その詳細な説明を省略する。
生体内の赤外減光度は、下記式7に従って計算することができる。
−log(I1/I0)=E×C×e+A …式7
ただし、前記式7中のI1は透過光の光量を表し、I0は入射光の光量を表す。また、前記式7中のEはヘモグロビンの吸光係数を表し、Cは血中ヘモグロビン血液濃度を表し、eは血液層の厚さ(前記式4,5における光路長dに相当)を表し、Aは組織層の減光度を表す。ここで、前記式7は、生体内を透過した赤外光の減光度を算出するものであるが、反射した赤外光であっても同様の特性を示すことが知られている。
脈動により血液層の厚さeがΔeだけ変化したとすると、赤外減光度の変化は下記式8に従って計算することができる。
−(log(I1/I0)−log(I2/I0))=E×C×e−E×C×(e−Δe) …式8
前記式8を整理すると、下記式9に示すようになる。
−log(I2/I1)=E×C×Δe …式9
ただし、前記式8および式9中のI2は血液層の厚さの変化後における透過光の光量を表す。
次に、透過光の光量I1を有する赤外光の波長をλ1、透過光の光量I2を有する赤外光の波長をλ2として、時刻t1,t2におけるλ1の各透過光の光量をI11,I21、λ2の各透過光の光量をI12,I22とすると、前記式9に従って、各時刻における赤外減光度の変化は、下記式10および式11のように示すことができる。
−log(I21/I11)=E1×C×Δe …式10
−log(I22/I12)=E2×C×Δe …式11
ただし、前記式10中のE1は、波長λ1の赤外光に対するヘモグロビンの吸光係数を表し、前記式11中のE2は、波長λ2の赤外光に対するヘモグロビンの吸光係数を表す。そして、前記式11を前記式10で除算すると、血液層の厚さ変化Δeを消去した下記式12が成立する。
log(I12/I22)/log(I11/I21)=E2/E1 …式12
したがって、前記式12を変形すれば、下記式13が成立する。
E2=E1×log(I12/I22)/log(I11/I21) …式13
ここで、図18に示す酸素飽和度に応じたヘモグロビンの光吸収スペクトルを参照して、ヘモグロビンの吸光係数E1に対応する吸光波長として805nmを選択すると、酸素飽和度SpO2=0%と酸素飽和度SpO2=100%の曲線の交点を得る。これにより、吸光係数E1は、酸素飽和度の影響を受けない値となる。そして、ヘモグロビンの吸光係数E2に対応する吸光波長として、例えば、750nmを選択するとともに、酸素飽和度SpO2=0%のときのヘモグロビンの吸光係数をEp、酸素飽和度SpO2=100%のときのヘモグロビンの吸光係数をE0とすると、現在の酸素飽和度SpO2は下記式14に従って計算できる。
SpO2=(E2−Ep)/(E0−Ep) …式14
これにより、前記式14に従って計算される酸素飽和度SpO2は、相対量を含むことなく計算されるため、実際の酸素飽和度を得ることができる。したがって、医師による診断において、より正確な酸素飽和度SpO2を提供することができる。なお、血液層の厚さ変化は極めて速い変化であるため、この場合には、上記第2および第3実施形態において説明したように、光出射装置1の光源12を同時に駆動(発光)させて、異なる特定波長を有する近赤外光を同時に出射することが好ましい。
また、上記各実施形態においては、第1生体情報として血流変化を計測し、第2生体情報として酸素飽和度を計測するように実施した。しかし、第1および第2生体情報としては、生体の代謝に伴って変化するものであればいかなるものであってもよく、例えば、生体の密度、水分、血中酸素濃度、グルコース濃度、血糖値、脈拍などを適宜第1および第2生体情報として計測するように実施することが可能である。
また、上記第1実施形態においては、光出射部1の光源12が、制御部3の駆動信号発生器31から供給される駆動信号に基づいて所定の短い時間間隔で順次発光するように実施した。このように、光源12を順次発光させる場合であっても、上記第2および第3実施形態で説明したように、駆動信号発生器31から供給される駆動信号(一次駆動信号)を変調した二次駆動信号を生成し、この二次駆動信号に基づいて発光させるように実施することは、もちろん可能である。
さらに、上記第2実施形態においては、一次駆動信号をスペクトラム拡散変調することにより二次駆動信号を生成し、この二次駆動信号に基づいて近赤外光を出射するように実施した。また、生体内部を伝播した反射光に対応する検出信号をスペクトラム逆拡散することにより生体情報信号を出力するように実施した。この場合、光源ドライバ11、光源12、受光器22や増幅器23などが有する直流成分の変動(ドリフト変動やオフセット変動、1/fノイズなど)の影響を抑制するように実施することが可能である。
すなわち、光出射部1は、チップ周波数fによって制御部3から供給された駆動信号をスペクトラム拡散変調して一次変調信号を生成し、この一次変調信号をさらに周波数2fで変調した二次変調信号を生成する。そして、二次変調信号に基づいて特定波長を有する近赤外光を生体内に出射するようにする。光検出部2は、生体内にて反射した反射光を有効検出帯域2fで受光して電気的な検出信号に変換し、同変換した検出信号をサンプリング周波数4fでデジタル信号に変換する。そして、この変換した検出信号を周波数2fで復調して一次復調信号を生成し、さらにスペクトラム逆拡散によって変調して二次復調信号を生成するようにする。
このように二次変調信号すなわち生体情報信号を生成することにより、上述した直流成分の変動の影響を極めて効率よく抑制することができる。その結果、医師またはオペレータは、より正確に生体情報を計測することができて、極めて詳細に生体の代謝に伴う変化を観察することができる。
本発明の第1実施形態ないし第3実施形態に係る共通の生体情報計測装置の概略を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る光出射部の構成を概略的に示すブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る光検出部の構成を概略的に示すブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る制御部の構成を概略的に示すブロック図である。 図1の生体情報計測装置を脳内における生体情報の計測に適用した場合における入射位置と受光位置の配列を一部抜き出して示した図である。 ランバート・ベールの法則を説明するための概略的な図である。 酸素化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの波長に対する分子吸光係数の変化を概略的に示したグラフである。 低域の生体情報信号と高域の生体情報信号を含むときの反射光の受光強度を概略的に示したグラフである。 図8に示した受光強度に基づいて計算したときの酸素化ヘモグロビン量(濃度)と還元ヘモグロビン量(濃度)の変化を概略的に示したグラフである。 低域の生体情報信号を用いて計算したときの酸素化ヘモグロビン量(濃度)と還元ヘモグロビン量(濃度)の変化を概略的に示したグラフである。 高域の生体情報信号のみを取り出した反射光の受光強度を概略的に拡大して示したグラフである。 (a)は頭部における血流変化を概略的に示し、(b)は頭部における酸素飽和度を概略的に示した図である。 本発明の第2実施形態に係る光出射部の構成を概略的に示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る光検出部の構成を概略的に示すブロック図である。 本発明の第2実施形態および第3実施形態に係る制御部の構成を概略的に示すブロック図である。 本発明の第3実施形態に係る光出射部の構成を概略的に示すブロック図である。 本発明の第3実施形態に係る光検出部の構成を概略的に示すブロック図である。 本発明の変形例に係り酸素飽和度の差に応じた波長に対する分子吸光係数の変化を概略的に示したグラフである。
符号の説明
1…光出射部、10…光発生部、11…光源ドライバ、12…光源、13…光ファイバ、14…拡散符号系列発生器、15…掛け算器、16…周波数分割多重変換器、2…光検出部、21…光ファイバ、22…受光器、23…増幅器、24…拡散符号系列取得器、25…ADコンバータ、26…掛け算器、27…累算器、3…制御部、31…駆動信号発生器、32,35,36…マルチプレクサ、33…ローパスフィルタ(LPF)、34…ハイパスフィルタ(HPF)、37…メモリ群、37a…低域信号用メモリ、37b…高域信号用メモリ、38…生体情報演算器、39…画像処理器、4…表示部、S…生体情報計測装置

Claims (6)

  1. 少なくとも2つの光源を有していて、所定の駆動信号に基づいて前記光源を発光させて異なる特定波長を有する近赤外光を生体内部に出射する光出射部と、同光出射部から出射されて生体内部を伝播した近赤外光を受光して検出するとともに同検出した近赤外光の光量に対応して生体の代謝に関連する電気的な生体情報信号を出力する光検出部と、前記光出射部と前記光検出部の作動を統括的に制御する制御部とを備えた生体情報計測装置において、
    前記光検出部から出力された生体情報信号の帯域うち、予め設定された周波数未満の帯域を有する低域の生体情報信号を通過させるローパスフィルタと、
    前記光検出部から出力された生体情報信号の帯域うち、前記予め設定された周波数以上の帯域を有する高域の生体情報信号を通過させるハイパスフィルタと、
    前記ローパスフィルタを通過した低域の生体情報信号を記憶する低域信号用メモリと、
    前記ハイパスフィルタを通過した高域の生体情報信号を記憶する高域信号用メモリと、
    前記低域用メモリに記憶された低域の生体情報信号を用いて生体の代謝に関連する第1生体情報を演算するとともに、前記高域用メモリに記憶された高域の生体情報信号を用いて生体の代謝に関連する第2生体情報を演算する生体情報演算手段とを備えたことを特徴とする生体情報計測装置。
  2. 請求項1に記載した生体情報計測装置において、さらに、
    前記生体情報演算手段によって演算された第1生体情報と前記第2生体情報とに基づいて視認可能な画像データを生成する画像データ生成手段と、
    前記生成された画像データに基づき、前記第1生体情報と前記第2生体情報を表示する表示手段とを備えたことを特徴とする生体情報計測装置。
  3. 請求項1に記載した生体情報計測装置において、
    前記光出射部は、
    前記制御部から所定の時間間隔を有して供給される前記所定の駆動信号を取得し、前記各光源が前記取得した所定の駆動信号に基づいて順次発光して、異なる特定波長を有する近赤外光を前記所定の時間間隔を有して順次出射することを特徴とする生体情報計測装置。
  4. 請求項1に記載した生体情報計測装置において、
    前記光出射部は、
    前記制御部から供給される前記所定の駆動信号をスペクトラム拡散変調して二次駆動信号を生成するスペクトラム拡散変調手段と、
    前記各光源が前記二次駆動信号に基づいて発光して出射した異なる特定波長を有する近赤外光を光学的に合成する光合成手段とを有し、
    前記光検出部は、
    前記電気的な生体情報信号をスペクトラム逆拡散して復調する復調手段を有することを特徴とする生体情報計測装置。
  5. 請求項1に記載した生体情報計測装置において、
    前記光出射部は、
    前記制御部から供給される前記所定の駆動信号を周波数分割多重変調して二次駆動信号を生成する周波数分割多重変調手段と、
    前記各光源が前記二次駆動信号に基づいて発光して出射した異なる特定波長を有する近赤外光を光学的に合成する光合成手段とを有し、
    前記光検出部は、
    前記電気的な生体情報信号を周波数分割多重復調する復調手段を有することを特徴とする生体情報計測装置。
  6. 請求項1に記載した生体情報計測装置において、
    前記生体情報演算手段によって演算される第1生体情報は、
    生体の血管中における酸素と結合した酸素化ヘモグロビン量と酸素と結合していない還元ヘモグロビン量との比に基づく血流変化を表す情報であり、
    前記生体情報演算手段によって演算される第2生体情報は、
    生体の動脈における心拍動に伴って変化する酸素飽和度を表す情報であることを特徴とする生体情報計測装置。
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