JP2009125394A - 血管内画像診断装置及び血管内画像診断システム - Google Patents

血管内画像診断装置及び血管内画像診断システム Download PDF

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Abstract

【課題】IVUSやOCTに由来する血管内の断面画像を表示することによってプローブを目的部位まで移動させるのを支援する血管内画像診断装置及び血管内画像診断システムにおいて、被検体の負担を軽減することを可能とする。
【解決手段】被検体の血管に関するボリュームデータを記憶する記憶部12と、ボリュームデータに基づいて狭窄部位を含む血管領域に関する3次元画像のデータを発生する3次元画像発生部18と、超音波診断装置の超音波プローブ又は光干渉断層撮影装置のOCTプローブからのスキャンデータに基づいて血管に関する血管内画像のデータを発生する血管内画像発生部12と、超音波プローブ又はOCTプローブの位置を検出する位置検出部24と、検出された位置に基づいて、3次元画像に位置を示すマークを位置整合して、血管内画像と並べて表示する表示部28と、を具備する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、血管内超音波診断(IntraVascular UltraSound:IVUS)や光干渉断層撮影(Optical Coherence Tomography:OCT)に由来する血管内の画像を表示する血管内画像診断装置及び血管内画像診断システムに関する。
IVUSのための超音波診断装置は、カテーテルの先端部に装着された超音波プローブを介して20〜30MHzの超音波で血管内をスキャンし断面画像のデータを発生する。IVUS装置は、血管内のプラークの形状や組織の性状等を正確に描出することができるため、プラークの評価手段としてよく用いられている。
OCT装置は、カテーテルの先端部に装着されたOCTプローブを介して約1300nmの近赤外線で血管や組織をスキャンし超高解像度の断面画像のデータを発生する。OCT装置は、不安定プラークの特徴である薄い皮膜をより鮮明に表示させることが出来、臨床上にて高い応用価値が期待されている。
IVUS装置やOCT装置によって血管内画像をスキャンする際、術者はX線透視画像を見ながらカテーテルをプラーク位置等の目的部位まで移動させる。X線透視画像は3次元情報を有さないため、X線透視画像を観察することによって関心血管に存在しているプラークによる狭窄部位を把握するのは容易ではない。従って、カテーテルのナビゲーション効率が悪く、被検体の被爆量や造影剤の量が多くなってしまう。
ところで、X線コンピュータ断層撮影装置や磁気共鳴イメージング装置によって発生される血管ボリュームデータからプラーク領域を特定する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
特表2007―502676号公報
本発明の目的は、IVUSやOCTに由来する血管内の断面画像を表示することによってプローブを目的部位まで移動させるのを支援する血管内画像診断装置及び血管内画像診断システムにおいて、被検体の負担を軽減することを可能とすることにある。
請求項1記載の血管内画像診断装置は、被検体の血管に関するボリュームデータを記憶する記憶部と、前記ボリュームデータに基づいて狭窄部位を含む血管領域に関する3次元画像のデータを発生する3次元血管画像発生部と、超音波診断装置の超音波プローブ又は光干渉断層撮影装置のOCTプローブからのスキャンデータに基づいて前記血管に関する血管内画像のデータを発生する血管内画像発生部と、前記超音波プローブ又はOCTプローブの位置を検出する位置検出部と、前記検出された位置に基づいて、前記3次元画像に前記位置を示すマークを位置整合して、前記血管内画像と並べて表示する表示部と、を具備する。
請求項7記載の血管内画像診断システムは、被検体の血管に関するボリュームデータを発生するボリュームデータ発生装置と、前記発生されたボリュームデータに基づいて狭窄部位を含む血管領域に関する3次元画像のデータを発生する3次元血管画像発生部と、カテーテルに装着された超音波診断装置の超音波プローブ又は光干渉断層撮影装置のOCTプローブであるプローブと、前記プローブによるスキャンデータに基づいて前記血管内領域に関する血管内画像のデータを発生する血管内画像発生部と、前記プローブの位置を検出する位置検出部と、前記検出された位置に基づいて、前記3次元画像に前記位置を示すマークを位置整合して、前記血管内画像と並べて表示する表示部と、を具備する。
本発明によれば、IVUSのための超音波診断装置又はOCT装置によって収集された血管内の断面画像を表示することによってプローブを目的部位まで移動させるのを支援する血管内画像診断装置及び血管内画像診断システムにおいて、被検体の負担を軽減することを可能とすることにある。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
本実施形態に係る血管内画像診断システムは、術者が被検者の血管内に発生したプラーク(Plaque)を評価・診断するために、先端部に超音波診断装置の超音波プローブや光干渉断層撮影装置のOCTプローブが装着されたカテーテルをプラークまで導くのを支援するためのナビゲーションシステムである。なお、プラークとは血管腔内に限局的に隆起した動脈硬化巣のことであり、発達したプラークは血管内腔を狭窄する。プラークには安定型と不安定型とがあり、不安定型プラークは物理的接触等により破裂しやすく、その破片が抹消血管や臓器を閉塞する恐れがある。
図1は、本実施形態に係る血管内画像診断システムの構成を示す図である。図1に示すように、血管内画像診断システム1は、医用画像発生装置200、X線透視撮影装置300、プローブ400、位置センサ500、及び血管内画像診断装置10を有する。
医用画像発生装置200は、被検者の血管に関するボリュームデータを発生するX線コンピュータ断層撮影装置又は磁気共鳴イメージング装置である。以下、医用画像発生装置200は多列の検出器を備えたX線コンピュータ断層撮影装置であるとする。X線コンピュータ断層撮影装置200は、カテーテル挿入前に、被検者の造影された血管に関する単一のボリュームデータを発生する。つまり、このボリュームデータには血管領域が含まれる。
X線透視撮影装置300は、カテーテル挿入中の所定期間内において、被検者をX線透視し、被検者のX線透視画像のデータを発生し、発生されたX線透視画像のデータを血管内画像診断装置10に送信する。例えば、所定期間とは、カテーテルを被検体に挿入する時から、カテーテルが、目標とする狭窄部位領域への最後の血管分岐点に到達する時までである。
プローブ400は、カテーテル挿入中に被検者の血管内に挿入されるカテーテルの先端部に装着された、超音波プローブ又はOCTプローブである。以下、プローブ400は超音波プローブであるとする。カテーテル挿入中、超音波プローブ400は、カテーテルの先端部を回転しながら血管内壁へ向けて超音波を放射状に送信し、その反射波を受信する。受信された反射波は、超音波プローブ400によってエコー信号(スキャンデータ)に変換され、血管内画像診断装置に送信される。
位置センサ500は、超音波プローブ400の位置、つまりカテーテル先端部の位置(以下、プローブ位置と呼ぶ)を検出するための位置データを発生する。位置センサ500は、第1位置センサ510と第2位置センサ520とを備える。第1位置センサ510は、カテーテル先端部の超音波プローブ400近傍に装着される。第2位置センサ520は、被検者の体表面の安定部分(例えば、被検者の胸骨のあたる部分)に固定して着けられる。位置センサ500は、光学追跡(Optical Tracker)型と違いline of sightの制約がない電磁追跡(Electromagnetic Tracker)型が使用される。第1位置センサ510の出力である第1位置データと、第2位置センサ520の出力である第2位置データとは、血管内画像診断装置10に送信される。第1位置データと第2位置データとは、位置センサシステムの座標系(以下、患者座標系と呼ぶ)によって規定される。電磁センサは周辺環境にある金属や電気装置から発生している磁場に影響されやすい。そのため、第1位置データと第2位置データとは、磁場による誤差が含まれる。
血管内画像診断装置10は、ボリュームデータ記憶部12、血管領域抽出部14、狭窄部位特定部16、3次元画像発生部18、血管内画像発生部20、キャリブレーション部22、プローブ位置算出部24、表示制御部26、及び表示部28を有する。
ボリュームデータ記憶部12は、X線コンピュータ断層撮影装置200により発生されたボリュームデータを記憶する。ボリュームデータを規定する座標系をボリュームデータ座標系と呼ぶことにする。ボリュームデータに含まれている血管領域には、プラーク等により狭窄された少なくとも一つの狭窄部位領域が含まれているとする。狭窄部位については後述する。
血管領域抽出部14は、ボリュームデータから血管領域を抽出する。抽出処理は、例えば、特開2003―24300号公報に記載の技術を用いて行なわれる。
狭窄部位特定部16は、抽出された血管領域から狭窄部位領域を特定する。図2は、血管領域BRと狭窄部位領域NRとを示した図である。図2に示すように、血管領域BRは、プラークにより狭窄されている。狭窄部位領域NRとは、通常時(プラークの発生していない場合)の血管径RTよりも小さい血管径RKを有する血管領域である。また、狭窄部位特定部16は、通常時の血管径RTよりも小さい血管径RKを有する血管壁のボリュームデータ座標系での座標を特定する。この狭窄部位特定処理は、例えば、特許文献1に記載の技術を用いて行なわれる。
3次元画像発生部18は、抽出された血管領域にレンダリングし、血管に関する3次元画像(以下、3次元血管画像と呼ぶ)のデータを発生する。レンダリングは、平行投影法を用いるとする。
血管内画像発生部20は、超音波プローブ400からのスキャンデータ(エコー信号)に基づいて、血管内の断面画像のデータを発生する。この断面画像をIVUS画像と呼ぶことにする。IVUS画像を規定する座標系は患者座標系である。
キャリブレーション部22は、第1位置データと第2位置データとの磁場による誤差を較正(キャリブレーション)する。このキャリブレーション処理は、例えば、文献(W.Birkfellner, F.Watzinger, etc., “Calibration of Tracking Systems in a Surgical Environment”, IEEE Trans., on Medical Imaging, vol.17, no.5, October 1988)に記載の技術を用いて行なわれる。
プローブ位置算出部24は、キャリブレーションされた第1位置データと第2位置データとに基づいて、ボリュームデータ座標系におけるプローブ位置を算出する。具体的には、まずプローブ位置算出部24は、第1位置データに、患者座標系をボリュームデータ座標系に変換するための変換行列を掛け、ボリュームデータ座標系における大まかな第1位置データ、すなわち大まかなプローブ位置を算出する。次に第1位置データと第2位置データとの相対的な移動量を計算し、体動等によるプローブ位置の誤差を補正することで、体動等による誤差のない精度の高いプローブ位置を算出する。この補正処理は、例えば、文献(J.Borhet, S.Kruger, etc., “Respiration motion compensation with tracked internal and external sensor during CT-guided procedures” Computer Aided Surgery, Vol.11, Num.3, May, 2006)に記載の技術を用いて行なわれる。また、変換行列は、既存のどの方法を用いて算出されてもよい。このように、位置センサ500とキャリブレーション部22とプローブ位置算出部24とは、プローブ位置検出ユニットをなす。
表示制御部26は、X線透視画像、3次元血管画像、IVUS画像を所定のレイアウトで表示部に表示する。具体的には、表示制御部26は、ボリュームデータ座標系におけるプローブ位置に基づいて、超音波プローブ400の位置と向きとを示すプローブマークを3次元画像に位置整合して重ねて表示する。表示制御部26は、3次元血管画像内の狭窄部位領域と狭窄部位領域ではない領域とを色等で区別して表示する。表示制御部26は、プローブ位置が狭窄部位領域に到達した場合、到達したことを示すマークをIVUS画像に表示する。表示制御部26は、必要に応じて、狭窄部位領域を観察しやすくするために、3次元画像を回転させる回転処理を行なう。回転処理において表示制御部26は、3次元画像発生部18に、回転処理にて算出した回転角度に応じた投影方向での3次元画像のデータを発生させる。
表示部28は、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶ディスプレイ等からなる。
以下、図3参照しながら血管内画像診断装置10のナビゲーション処理の流れを説明する。なお、ナビゲーション処理の開始以前に、X線コンピュータ断層撮影装置200によって発生された被検者の血管に関するボリュームデータから血管領域が抽出され、狭窄部位領域が特定されているものとする。
まず、血管内画像診断装置10は、術者によるナビゲーション処理の要求を待機している(ステップSA1)。術者は、被検者の血管内にカテーテルを挿入し、表示部28に表示されているIVUS画像やX線透視画像を観察しながら、プラークへ向けてカテーテルを進めている。術者は、カテーテルがプラークまで近づき、プラークまでの道のりにおける最後の血管の分岐点に到達したと判断すると、X線透視撮影装置300を停止させ、例えば血管内画像診断装置10に設けられたナビゲーション処理開始ボタンを押す。血管内画像診断装置10は、ナビゲーション処理開始ボタンが押されることを契機として、ナビゲーション処理を開始する(ステップSA1:YES)。
ナビゲーション処理が開始されると、キャリブレーション部22は、位置センサ500から第1位置データと第2位置データとを入力し(ステップSA2)、入力した第1位置データと第2位置データとをキャリブレーションする(ステップSA3)。プローブ位置算出部24は、キャリブレーションされた第1位置データと第2位置データとに基づいて、ボリュームデータ座標系におけるプローブ位置を算出する(ステップSA4)。
また、ナビゲーション処理が開始されると、血管内画像発生部20は、超音波プローブ400からのスキャンデータに基づいて、IVUS画像のデータを発生する(ステップSA5)。表示制御部26は、IVUS画像に並列させて、予め発生されている3次元血管画像を表示する。また、3次元画像中の狭窄部位領域と狭窄部位領域ではない領域とは、色等で区別して表示される。すなわち、狭窄された血管壁領域と狭窄されてない血管壁領域とを異なる色で表示する。
プローブ位置が算出されIVUS画像のデータが発生されると、表示制御部26は、3次元血管画像内のプローブ位置にプローブマークを表示する(ステップSA6)。図4は、3次元血管画像に表示されるプローブマークPM及びOMを示す図である。図4に示すように、3次元血管画像に表示されるプローブマークは、プローブ位置を示すプローブマークPMと、プローブの向きを示すプローブマークOMとがある。
プローブ位置は、十分に短い一定の時間間隔で算出される。プローブマークPMは、算出されたプローブ位置を通り、血管芯線に垂直な線形状を有するマークである。あるプローブ位置(プローブ位置PNとする)におけるプローブの向きは、プローブ位置PNの直前に算出されたプローブ位置PPからプローブ位置PNへのベクトルの向きを算出することによって得られる。プローブ位置PPとプローブ位置PNとの間の距離が小さいとき、プローブ位置PNでのプローブの向きは、プローブ位置PPからプローブ位置PNへの向きに略一致する。プローブマークOMは、算出された向きを示す矢印状のマークである。
3次元血管画像にこれらプローブマークPM及びOMを表示することで、X線透視画像を見ることなく、3次元血管画像を見るだけで精度よく狭窄部位までカテーテルを移動させることが可能となる。つまり、カテーテル挿入時から狭窄部位到達時までX線透視撮影をすることがなくなるため、被検体の被爆量や造影剤量を軽減することができる。
超音波プローブ400が移動される度に3次元血管画像上のプローブマークが更新される。そして、プローブ位置を示すプローブマークPMが狭窄部位領域内に入ると、IVUS画像上に円形状を有するプローブマークを表示する。以下、表示制御部26によるプローブマーク更新処理を説明する。
図5は、プローブマーク更新処理の流れを示す図である。まず、表示制御部26は、プローブ位置が変更されることを待機している(ステップSB1)。プローブ位置が変更されることを契機として(ステップSB1:YES)、表示制御部26は、3次元血管画像上のプローブマークの位置を更新する(ステップSB2)。
次に表示制御部26は、プローブ位置が狭窄部位領域にあるか否かを判定する(ステップSB3)。具体的には、表示制御部26は、発生されるIVUS画像毎に、IVUS画像内における血管径と通常時の血管径とを比較する。通常時の血管径とは、その断面における、プラークが発生していない場合における血管径である。通常時の血管径は、予め決定されているものとする。IVUS画像内における血管径が通常時の血管径を中心とした一定長の範囲にあれば、プローブ位置は狭窄部位領域にないと判定される(ステップSB3:NO)。IVUS画像内における血管径が通常時の血管径を中心とした一定長の範囲になければ、プローブ位置は狭窄部位領域にあると判定される(ステップSB3:YES)。プローブ位置が狭窄部位領域にあると判定された場合、表示制御部26は、カテーテルが狭窄部位に到達したことを示すマークである円環形状を有するマーク(以下、リング状マークと呼ぶ)を、IVUS画像内に表示する(ステップSB4)。
図6は、IVUS画像に表示されるリング状マークRMを示す図である。図6に示すように、リング状マークRMは、その中心を血管芯線に合わせて表示される。プローブ位置が狭窄部位領域に入った時に、リング状マークRMが表示されることで、術者は、IVUS画像のみを観察しながらでも容易にカテーテルが狭窄部位に到達したことを確認することが可能となる。また、プローブマークの色を、プラーク領域の大きさ、すなわち、血管径の小ささに応じて色を変えて表示させてもよい。
以上でプローブマーク更新処理の動作説明を終了する。
上述のように、3次元血管画像において、血管領域における狭窄部位領域とその他の領域とを区別して表示される。しかし、狭窄部位領域が、レンダリングにおける視点位置から見てボリュームデータの奥側にある場合もある。この場合、その狭窄部位領域は3次元血管画像によって観察しづらくなってしまう。そのため表示制御部26は、狭窄部位領域のボリュームデータ内における位置に基づいて3次元血管画像の血管領域を回転させるか否かを判定し、回転すると判定した場合、3次元血管画像の血管領域を自動的に回転する。以下、表示制御部26による3次元血管画像回転処理の流れを説明をする。なお簡便のため、図7に示すように、ボリュームデータのサイズを(X、Y、Z)=(−512〜+512、−512〜+512、−512〜+512)とする。ここで、レンダリングにおける、回転処理前の視線方向FEDは、−Yから+Yの方向とする。また、ボリュームデータ中のY座標=−512〜0の領域を前領域(斜線で示した領域)AR、Y座標=0〜+512の領域を奥領域(無地の領域)PRと呼ぶことにする。
図8は、3次元血管画像回転処理の流れを示す図である。表示制御部26は、狭窄部位領域の基準点、例えば中心点の位置に基づいて3次元血管画像を回転するか否かを判定する(ステップSC1)。例えば、狭窄部位領域の中心点が前領域にあるか奥領域にあるか、すなわち、狭窄部位領域の中心点のY座標がプラスかマイナスかを判定し、その判定結果に基づいて回転するか否かを判定する。前領域にある場合は回転しない、奥領域にある場合は回転すると判定する。
回転しないと判定した場合(ステップSC1:NO)、表示制御部26は、3次元血管画像を回転せずに3次元血管画像回転処理を終了する。
ステップSC1にて回転すると判定した場合(ステップSC1:YES)、表示制御部26は、狭窄部位領域の中心点とボリュームデータの基準点とに基づいて回転角度を算出する(ステップSC2)。
図9は、ステップSC2の回転角度算出処理を説明するための図であり、狭窄部位領域の中心点CPを含むXY断面を示す図である。このXY断面は、+Zから−Zに見た断面であるとする。図9に示すように、狭窄部位領域の中心点CPは奥領域PRに含まれている。最小回転角度αは、ボリュームデータの基準点であるXY断面の中心点OP(X,Y)=(0,0)と中心点CPとを結ぶ線分と、マイナス側のX軸とが成す角度である。ここで、回転方向は、反時計方向、すなわち、中心点OPを回転中心として、中心点CPが第1象限→第2象限→第3象限→第4象限→第1象限へと回転する方向である。回転角度βは、α≦β≦α+180°の範囲で任意に設定可能である。
回転角度βを算出すると、表示制御部26は、3次元血管画像の血管領域を回転角度βだけ回転させる(ステップSC3)。図10は、ステップSC4の回転処理を説明するための図である。図10に示すように、回転後における視線方向LEDは、回転前における視線方向FEDからXY断面上を時計回りに回転角度βだけ回転させた方向である。3次元画像発生部18は、回転後の視線方向LEDに基づいて、ボリュームデータをレンダリングし、回転後の3次元血管画像のデータを発生する。そして、表示制御部26は、発生された回転後の3次元血管画像を表示部28に表示させる。
図11は、回転前の3次元血管画像と回転後の3次元血管画像との一例を示す図である。図11に示すように、回転前の3次元血管画像には、第1狭窄部位領域FNRと第2狭窄部位領域SNRとが描出されている。回転前の3次元血管画像において、第1狭窄部位領域FNRは画像の手前側に表示されており確認しやすいが、第2狭窄部位領域SBRは画像の奥側に表示されているために確認しづらい。一方、回転後の3次元血管画像においては、第2狭窄部位領域SNRを画像の手前側に表示されとり、確認しやすい。なお、図11に示すように、狭窄部位領域が複数あるときは、図示しないグラフィック・ユーザ・インターフェース等を介して、回転処理の対象とする狭窄部位領域を選択することが可能である。3次元血管画像回転処理を行なうことで、注目する狭窄部位領域を3次元血管画像上で常に見やすい位置に表示することが可能となる。
以上で、3次元血管画像回転処理の動作説明を終了する。
最後に、図12を参照しながら、ナビゲーション処理に係る表示画面を説明する。図12に示すように、表示画面は、IVUS画像が表示される領域であるIVUS画像表示領域と、3次元血管画像が表示される領域である3次元血管画像表示領域と、X線透視画像が表示される領域であるX線透視画像表示領域と、グラフィック・ユーザ・インターフェース(Graphic User Interface:GUI)が表示される領域であるGUI領域とに分けられている。術者は、静止画である3次元血管画像と動画表示される血管内画像とを観察しながらカテーテルをプラークのある狭窄部位まで進める。但し、ナビゲーション処理が開始されると同時にX線透視画像は停止される。
上記のように本実施形態によれば、狭窄部位を明示し、3次元血管画像とIVUS画像とにプローブマークを表示することで、ナビゲーション処理において術者がX線透視画像を必要なしに、3次元血管画像やIVUS画像を見るだけで精度よく狭窄部位までカテーテルを移動させるのを支援することが可能となる。すなわち、カテーテル挿入時から狭窄部位到達時までX線透視撮影をすることがなくなるため、被検体の被爆量や造影剤量を軽減することができる。かくして、IVUSやOCTに由来する血管内の断面画像を表示することによってプローブを目的部位まで移動させるのを支援する血管内画像診断装置10及び血管内画像診断システム1において、被検体の負担を軽減することを可能とすることにある。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の実施形態に係る血管内画像診断システムと血管内画像診断装置との構成を示す図。 本実施形態に係る血管領域と狭窄部位領域とを示す図。 本実施形態に係るナビゲーション処理の動作を示す図。 図3のステップSA6において3次元血管画像に表示されるプローブマークを示す図。 本実施形態に係るプローブマーク更新処理の流れを示す図。 図5のステップSB4においてIVUS画像に表示されるプローブマークを示す図。 本実施形態に係る3次元血管画像回転処理におけるボリュームデータを示す図。 本実施形態に係る3次元血管画像回転処理の流れを示す図。 図8のステップSC2における回転角度算出処理を説明するための図。 図8のステップSC3における回転処理を説明するための図。 図8のステップSC3における回転前の3次元血管画像と回転後の3次元血管画像との一例を示す図。 図3のナビゲーションに係る表示画面の一例を示す図。
符号の説明
1…血管内画像診断システム、10…血管内画像診断装置、12…ボリュームデータ記憶部、14…血管領域抽出部、16…狭窄部位特定部、18…3次元画像発生部、20…血管内画像発生部、22…キャリブレーション部、24…プローブ位置算出部、26…表示制御部、28…表示部、200…医用画像発生装置、300…X線透視撮影装置、400…プローブ、500…位置センサ、510…第1位置センサ、520…第2位置センサ

Claims (8)

  1. 被検体の血管に関するボリュームデータを記憶する記憶部と、
    前記ボリュームデータに基づいて狭窄部位を含む血管領域に関する3次元画像のデータを発生する3次元画像発生部と、
    超音波診断装置の超音波プローブ又は光干渉断層撮影装置のOCTプローブからのスキャンデータに基づいて前記血管に関する血管内画像のデータを発生する血管内画像発生部と、
    前記超音波プローブ又はOCTプローブの位置を検出する位置検出部と、
    前記検出された位置に基づいて、前記3次元画像に前記位置を示すマークを位置整合して、前記血管内画像と並べて表示する表示部と、
    を具備する血管内画像診断装置。
  2. 前記表示部は、前記位置を示すマークに加え、前記超音波プローブ又はOCTプローブの向きを示すマークを前記3次元画像に表示する請求項1記載の血管内画像診断装置。
  3. 前記検出された位置と前記狭窄部位の領域とに基づいて前記位置が前記狭窄部位に到達したか否かを判定する第1判定部をさらに備え、
    前記表示部は、前記位置が前記狭窄部位に到達したと判定された場合、前記血管内画像に前記到達を示すマークを表示する、
    請求項1記載の血管内画像診断装置。
  4. 前記表示部は、前記3次元画像に含まれる前記狭窄部位の領域と狭窄されていない部位の領域とを異なる色で表示する請求項1記載の血管内画像診断装置。
  5. 前記ボリュームデータから血管領域を抽出する抽出をさらに備え、
    前記3次元画像発生部は、前記抽出された血管領域に、所定の投影方向による平行投影法によるレンダリングをすることにより前記3次元画像のデータを発生する、
    請求項1記載の血管内画像診断装置。
  6. 前記狭窄部位の前記ボリュームデータにおける位置に基づいて、前記表示されている3次元画像上の血管領域を回転させるか否かを判定する第2判定部と、
    前記第2判定部が回転させると判定した場合、前記狭窄部位の基準点と前記ボリュームデータの基準点とに基づいて、回転角度を算出する回転角度算出部と、をさらに備え、
    前記3次元画像発生部は、前記算出された回転角度だけ前記所定の投影方向から回転させた投影方向に基づいて、前記ボリュームデータをレンダリングし3次元画像のデータを発生する、
    請求項5記載の血管内画像診断装置。
  7. 被検体の血管に関するボリュームデータを発生するボリュームデータ発生装置と、
    前記発生されたボリュームデータに基づいて狭窄部位を含む血管領域に関する3次元画像のデータを発生する3次元血管画像発生部と、
    カテーテルに装着された超音波診断装置の超音波プローブ又は光干渉断層撮影装置のOCTプローブであるプローブと、
    前記プローブによるスキャンデータに基づいて前記血管内領域に関する血管内画像のデータを発生する血管内画像発生部と、
    前記プローブの位置を検出する位置検出部と、
    前記検出された位置に基づいて、前記3次元画像に前記位置を示すマークを位置整合して、前記血管内画像と並べて表示する表示部と、
    を具備する血管内画像診断システム。
  8. 前記ボリュームデータは、X線コンピュータ断層撮影装置又は磁気共鳴イメージングによって発生される、請求項1記載の血管内画像診断装置又は請求項7記載の血管内画像診断システム。
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