JP2009123529A - 密閉型電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 安全機能の信頼性を維持しつつ、生産性を向上させた密閉型電池を提供する。
【解決手段】 端子板と該端子板の下部に配置された内部圧力によって上部に変形する防爆弁とを含む端子板組立体、有底円筒状の電池ケース、および前記端子板組立体と前記電池ケースとの間に介在するガスケットによって形成される密閉空間内に、正極、負極およびセパレータを有する電極組立体および電解液を収容した密閉型電池であって、前記端子板は、前記防爆弁の上面と、下面で接する鍔部を有しており、前記鍔部の内径側端部が切欠状であることを特徴とする密閉型電池により、前記課題を解決する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、安全機能の信頼性を維持しつつ、生産性を向上させた密閉型電池に関するものである。
従来の密閉型電池は、例えば、図5に示すように、過充電や作動異常によって電池の内部圧力(内圧)が規定値以上に上昇して爆発の危険性がある場合に、端子板組立体10の防爆弁12とリード体取り付け部材14との溶接部(リード体取り付け部14の薄肉部14bが防爆弁12と溶接されている)が切断されることで電池内部の電流を遮断し、異常反応が更に起こらないようにしている。そして、それでもなお電池の内圧が上昇した場合には、防爆弁12が開裂することで内部に発生したガスを逃がすようにしている。このように、密閉型電池では、異常反応を防止し、かつ内部のガスを外部に逃がす安全手段を備えることで、その安全性を確保している。
ところで、従来の密閉型電池では、部品点数が多いため、組み立ての工程数が多くなり、このことが電池の生産性を高める上で阻害要因となっていた。
そこで、本発明者らは、密閉型電池の部品点数を削減すべく、図5に示す電池における金属リング15の削減の検討を開始した。金属リング15は、その防爆弁12側の面の内径側エッジが、電池内圧が上昇した際に防爆弁12の変形起点となっており、電池内圧が所定値に達した時点で、この内径側エッジを起点として変形し始めていた防爆弁12が開裂する。すなわち、金属リング15は、防爆弁12の作動圧力を調節して、安全手段を確実に作動させる役割を担っている。
なお、特許文献1には、図1に前記の金属リングを使用していない電池の構成図が示されている。特許文献1では、金属リングを使用しないことについて特に言及はないが、前記構成図では、防爆弁に当たる部材(正極端子蓋板1)の電極側に絞り形状を付与することで、前記部材自体に変形起点を持たせている。しかし、このような形状の部材を用いると、その厚みが増大し、電池内部における電極(電極組立体)の占有スペースが狭くなるため、電池の容量が小さくなってしまう。
このようなことから、部品点数は削減しつつ、その他はできる限り従来と同様の構成の密閉型電池とすることが望まれる。
特開平7−230798号公報
金属リングを使用しない以外は、従来と同様の構成とした密閉型電池を図6に示しているが、この場合、防爆弁12は、端子板11の鍔部11aの下面と接するようになり、鍔部11a下面の内径側端部が防爆弁12の変形起点となる。
ところが、図6に示すような構成の電池とした場合、防爆弁12の作動圧力にばらつきが生じることが、本発明者らの検討により明らかとなった。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、安全機能の信頼性を維持しつつ、生産性を向上させた密閉型電池を提供することにある。
前記目的を達成し得た本発明の密閉型電池は、端子板と該端子板の下部に配置された内部圧力によって上部に変形する防爆弁とを含む端子板組立体、有底円筒状の電池ケース、および前記端子板組立体と前記電池ケースとの間に介在するガスケットによって形成される密閉空間内に、正極、負極およびセパレータを有する電極組立体および電解液を収容した電池であって、前記端子板は、前記防爆弁の上面と、下面で接する鍔部を有しており、前記鍔部の内径側端部が切欠状であることを特徴とするものである。
本発明によれば、安全機能の信頼性を維持しつつ、生産性を向上させた密閉型電池を提供することができる。
図1に、本発明の密閉型電池の要部断面の拡大図を、また、図2には、図1の密閉型電池に係る端子板の要部断面の拡大図を、それぞれ模式的に示す。図1に示す密閉型電池は、有底円筒状の電池ケース1(例えば、ステンレス鋼製やNiメッキを施した鉄製の電池ケース)、端子板組立体10、および電池ケース1の開口部と端子板組立体10との間に介在するガスケット3により形成された密閉空間内、すなわち、端子板組立体10が電池ケース1の開口部にガスケット3(絶縁性の樹脂性のガスケット)を介して嵌合し、電池ケース1の開口端部が内方に締め付けられ、これによりガスケット3が端子板組立体10に当接することで、電池ケース1の開口部が封口されて形成された密閉空間内に、電極組立体2および電解液(図示しない)を収容している。
図1に示す電池に係る端子板組立体10は、電池の最外側に端子板11(ステンレス鋼製、Niメッキを施した鉄製などの端子板)を有しており、端子板11の下部には、防爆弁12(アルミニウム製などの防爆弁)が配置されている。また、防爆弁12の下部には、ガス抜け孔14aと薄肉部14bとを有するリード体取り付け部材14(アルミニウム製などのリード体取り付け部材)が配置されており、防爆弁12の下部とリード体取り付け部材14の薄肉部14bとが、溶接などにより電気的に接続されている。そして、端子板組立体10は、リード体取り付け部材14の端部を上方に締め付け、前記端部によって、絶縁性の樹脂製のガスケット(インナーガスケット)13を介して端子板11と防爆弁12とを挟持させる形で組み立てられている。また、図1では図示していないが、リード体取り付け部材14は、電極組立体2に係る正極または負極と接続されたリード体と電気的に接続している。
図2に示すように、端子板11は鍔部11aを有しており、鍔部11aの下面が防爆弁12の上面と接していて、鍔部11aの内径側端部11bが切欠状である。また、11cは端子体11のガス抜け孔で、電池の内圧が上昇して防爆弁12が開裂した場合に、電池内のガスを電池外部に排出するためのものである。
図1に示す構成の密閉型電池において、過充電状態となったり、電池の誤使用により大電流が流れたりして、例えば電解液が分解することにより電池内にガスが発生し、電池の内圧が上昇すると、防爆弁12が所定の電池内圧に達した時点で電池外部側へ向かって変形を開始する。そして、まず防爆弁12とリード体取り付け部材14の薄肉部14bとが離れて、電池内部の電流が遮断され、電池内での更なる異常反応の発生が抑えられる。それでもなお電池の内圧が上昇すると、防爆弁12が更に変形して開裂し、内部に発生したガスを端子板11のガス抜け孔11cから電池外へ排出して、電池の安全性を確保する。
このとき、防爆弁12の変形起点は、端子板11の鍔部11aの内径側端部11bにおける下面側の角部11dとなるが、図1および図2に示すように、鍔部11aの内径側端部11bが切欠状となるように加工された端子板11を有する電池であれば、多数の電池を製造しても、防爆弁12の作動圧力(変形開始圧力)が安定し、電池ごとに防爆弁12の作動圧力がばらつくことはなく、安全機能の信頼性が保たれる。
端子板11の鍔部11aでは、図2に示すように、鍔部11aの全長をa、鍔部11aの外径側端部から切欠状になっている内径側端部11bの下面側の角部11dまでの長さをbとしたとき、bの長さは、aの長さの50%以上であることが好ましい。aの長さに対してbの長さが短くなりすぎると、端子板11の鍔部11aによって防爆弁12を押える力が弱くなる虞がある。また、bの長さは、aの長さの90%以下であることが好ましい。
端子板11の鍔部11aの内径側端部11bは切欠状であるが、具体的には、例えば、図1および図2に示すように内径側端部11bに環状の段差(端子板11は平面視で円形であるため、前記段差は環状の段差となる)が形成されることで、内径側端部11bが切欠状となっているものが挙げられる。ここで、段差の高さ(図2におけるc)は、電池のサイズや端子体11の厚み(図2におけるb)によって変動するが、例えば、端子体11の厚みdとしては、0.4〜1mmであることが好ましく、段差の高さcは、好ましくは0.2mm以上、より好ましくは0.3mm以上であり、段差の高さcをこのように設定することで、防爆弁12が開裂するまで、防爆弁12と端子板11との接触を防止して、防爆弁12の作動圧力のばらつきをより良好に抑えることができる。ただし、段差の高さを大きくしすぎると、端子体11に非常に薄い部分ができる虞があることから、端子体11の厚みdに対して、段差の高さcを50%以下とすることが好ましい。
端子板11の鍔部11aの内径側端部11bにおける防爆弁12と接する角部(図2中、11d)は、R=0.1mm以下であることが好ましく、R=0であることが特に好ましい。角部11dの形状を前記のようにすることで、防爆弁12の作動圧力のばらつきをより良好に抑えることができる。
また、端子板11における鍔部11aの内径側端部11bは、鍔部11aの下面から上方へ向かうテーパー面が形成されて、切欠状となっていてもよい。図3に、内径側端部11bが、前記のテーパー面が形成されて切欠状となっている端子板11を有する本発明の密閉型電池の要部断面の拡大図を、図4に、図3の密閉型電池に係る端子板および防爆弁の要部断面の拡大図を、それぞれ模式的に示す。
図3および図4に示すように、端子板11における鍔部11aの内径側端部11bが、鍔部11aの下面から上方へ向かうテーパー面が形成されて切欠状となっている場合にも、内径側端部11bの下面の角部11dが防爆弁12の変形起点となって、防爆弁12の作動圧力を安定させることができる。
なお、端子板11における鍔部11aの内径側端部11bに係るテーパー面と、防爆弁12の上面との内角(図4中c)は、10°以上であることが好ましく、30°以上であることがより好ましい。前記のような構成にすることで、防爆弁12の作動圧力のばらつきをより良好に抑えることができる。また、端子板11における鍔部11aの内径側端部11bに係るテーパー面と、防爆弁12の上面との内角cは、45°以下であることが好ましい。
図3および図4に示す態様の密閉型電池においても、端子板11の鍔部11aの内径側端部11bにおける防爆弁12と接する角部11dは、R=0.1mm以下であることが好ましく、R=0であることが特に好ましい。角部11dの形状を前記のようにすることで、防爆弁12の作動圧力のばらつきをより良好に抑えることができる。
また、図3および図4に示す態様の密閉型電池に係る端子板11においても、前記の理由から、鍔部の全長をa、鍔部の外径側端部から切欠状になっている内径側端部11bの下面側の角部11dまでの長さをbとしたとき、bの長さは、aの長さの50%以上であることが好ましく、また、bの長さは、aの長さの90%以下であることが好ましい。
従来の密閉型電池(図5)から金属リングを除去した構成の電池(図6)において、防爆弁の作動圧力(変形開始圧力)にばらつきが生じるのに対し、本発明の密閉型電池において、鍔部の内径側端部が切欠状となるように加工した端子板を使用することで、防爆弁の作動圧力が安定する理由は、下記の通りである。
図7を用いて、図5に示す従来の密閉型電池に係る金属リング15の一般的な製造方法を説明する。この製造方法では、地金(加工用の板金部品)100の中央部分をプレス型により打ち抜いて、金属リングを製造する。図7中、101はダイス(雌型)、102は押さえ型、103はパンチ(雄型)であり、図7中の左側の図に示すように、ダイス101と押さえ型102とで保持した地金100の中央部を、図中上下方向に動くパンチ103によって打ち抜くことで、図7中右側の図に示すように、金属リングを製造する。
前記の製造方法による場合、加工前後の地金100では、A部、B部、C部における板厚と、A’部、B’部、C’部における板厚とでは、変化は殆ど見られない。
また、図8には、図7の円で囲んだ部分の拡大図を示しているが、地金100の加工端となるC’部(図7)におけるB’部側の境界は、R0のように形成されるのが理想であるが、通常は、図8に示すように、地金100のC’部におけるB’部側の境界は、パンチ103側(図中上側)ではR0’(0’≠0)となる微小丸みが形成され、ダイス101側(図中下側)ではバリと呼ばれる微小凸形状(図中100a)が形成される。しかし、図5に示す構成の密閉型電池の金属リングとして使用する場合には、例えば、前記境界の規格をR=0.05mm以下とすることが可能であり、前記のR0’およびバリ100aについては、許容されるばらつきの範囲内となり、これによって防爆弁の作動圧力にばらつきが生じることはない。
次に、図9を用いて、図5や図6に示す密閉型電池に係る端子板(従来の密閉型電池に係る端子板)の一般的な製造方法を説明する。この製造方法は、プレス型を用いて地金100を絞ることによって端子板を製造する方法であり、具体的には、図9中の左側の図に示すように、ダイス(雌型)101と押さえ型102とで保持した地金100の中央部を、図中上下方向に動くパンチ(雄型)103によって、図中右側の図に示すように椀状に絞ることで、端子板を製造する。
前記の製造方法によって端子板を製造する場合、加工後のA’部およびB’部の板厚は、加工前のA部およびB部の板厚から殆ど変化しない。しかし、加工後のC’部については、加工前のC部よりも板厚が薄くなるのが通常である。これは、A部およびB部においては、絞り加工によっても断面形状に変化が生じていないため、加工前後で板厚の変化が殆ど生じないのに対して、C部においては、加工前後での断面形状の変化が多大となっており、C部およびC’部を構成する部分の体積が加工前後で一定であるとすれば、絞り加工により変形した後のC’部では、その板厚が加工前のC部よりも薄くならざるを得ないからである。
図10に、図9の円で囲んだ部分の拡大図を示している。端子板の鍔部における内径側端部の角部に相当することになる箇所(図9の円で囲んだ箇所)には、図10に示すように角Rが必然的に生じる。ここで、図10に示しているように、前記角部は、加工前のC部と加工後のC’部とにおいて、十分に体積が確保されている場合にはR1のような形状となり、加工後において体積が不足気味になった場合にはR3のような形状となり、その間の場合にはR2のような形状となる。また、R3に示す状態よりも加工後におけるC’部に必要な体積が減ってしまった場合には、破れなどの不良が発生する。
このように、一般的な方法によって製造された従来の密閉型電池に係る端子板では、鍔部における内径側端部の角部の形状が、図10に示すように、ばらつきやすい。こうしたばらつきの要因としては、端子板の材料となる地金の厚み、圧延方向などの材料的要因や、加工条件などの要因が挙げられ、そのばらつきの範囲は、R=±0.25mm程度が見込まれている。すなわち、前記の金属リングの場合と比べて、5倍程度のばらつきが見込まれることから、端子板の鍔部における内径側端部の角部には、特に制約(規格)を設けない設計を行うのが通常である。
よって、従来の密閉型電池から、単に金属リングの使用を省略した電池(図6に示す電池)では、前記のように、形状にばらつきの生じやすい端子板の鍔部における内径側端部の角部が防爆弁の変形起点となるため、防爆弁の作動圧力もばらつきやすく、電池の安全機能の信頼性が損なわれてしまう。
次に、図11を用いて、本発明の密閉型電池に係る端子板の製造方法の一例を示す。この製造方法は、一般にコイニング加工と称される加工法によるものであるが、コイニング加工とは、通常、硬貨などを製造する際に用いられており、部分的に金型を押し当てることで、地金に段差を形成する加工法である。
まず、図11中の左側の図に示すように、ダイス(雌型)101と押さえ型102とで保持した地金100の中央部に、図中上下方向に動くパンチ(雄型)103を押し当て、図中右側の図に示すように段差を形成する。この段差によって、端子板の鍔部における内径側端部が切欠状となる。
図12に、図11の円で囲んだ部分の拡大図を示している。この方法を用いた場合、加工前後で大きく変形する箇所は図11に示すB部であり、かかる箇所では見かけの体積が減少する。鍔部の内径側端部の角部となるC部(C’部)は、R4のように形成されるのが理想であるが、実際は、パンチ103の移動によってR4’となる微小丸みが形成される。しかし、R4’においては、例えば、R=0.05mm以下に調整することが容易であり、ばらつきの程度を、金属リングにおける内径側端部(角部)と同程度にすることが可能である。
このように、鍔部における内径側端部が切欠状の端子板であれば、防爆弁の変形起点となる内径側端部における角部の形状のばらつきを抑えることが容易であり、金属リングの使用を省略して生産性を高めつつ、防爆弁の作動圧力のばらつきを抑制して、安全機能の信頼性の高い密閉型電池を構成することができる。
なお、図11および図12では、鍔部における内径側端部に環状の段差が形成されて、鍔部下面の内径側端部が切欠状となっている端子板の例を示したが、例えば、図11におけるパンチ103の底面形状を変えることで、鍔部における内径側端部に、鍔部の下面から上方へ向かうテーパー面が形成されて、鍔部の内径側端部が切欠状となっている端子板を製造することができる。
また、前記では、鍔部における内径側端部の形状の加工までを説明したが、その後、加工した地金100に対して、図9に示した場合と同様に、鍔部の内径側端部の形状の形成に使用したパンチ103よりも径の小さなパンチ103を用いて絞り加工をすることで、端子板を製造することができる。
端子板の鍔部における内径側端部の形状を形成する方法については、形成後の形状のばらつきが非常に少なくなる方法であれば特に制限はないが、前記のコイニング加工による方法が好ましい。
本発明の密閉型電池は、端子板が前記の形状のものであればよく、その他の構成・構造については特に制限は無く、従来公知の密閉型電池と同様の構成・構造とすることができる。なお、本発明の密閉型電池には、一次電池と二次電池とが含まれるが、以下に、本発明において特に主要な非水電解液二次電池の構成例について説明する。
正極としては、従来公知の非水電解液二次電池に用いられている正極、すなわち、Liイオンを吸蔵放出可能な活物質を含有する正極であれば特に制限はない。例えば、活物質として、Li1+xMO(−0.1<x<0.1、M:Co、Ni、Mn、Al、Mgなど)で表される層状構造のリチウム含有遷移金属酸化物、LiMnやその元素の一部を他元素で置換したスピネル構造のリチウムマンガン酸化物、LiMPO(M:Co、Ni、Mn、Feなど)で表されるオリビン型化合物などを用いることが可能である。前記層状構造のリチウム含有遷移金属酸化物の具体例としては、LiCoOやLiNi1−xCox−yAl(0.1≦x≦0.3、0.01≦y≦0.2)などのほか、少なくともCo、NiおよびMnを含む酸化物(LiMn1/3Ni1/3Co1/3、LiMn5/12Ni5/12Co1/6、LiMn3/5Ni1/5Co1/5など)などを例示することができる。
導電助剤としては、カーボンブラックなどの炭素材料が用いられ、バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などフッ素樹脂が用いられ、これらの材料と活物質とが混合された正極合剤により正極合剤層が、例えば集電体上に形成される。
また、正極の集電体としては、アルミニウムなどの金属の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、厚みが10〜30μmのアルミニウム箔が好適に用いられる。
正極側のリード部は、通常、正極作製時に、集電体の一部に正極合剤層を形成せずに集電体の露出部を残し、そこをリード部とすることによって設けられる。ただし、リード部は必ずしも当初から集電体と一体化されたものであることは要求されず、集電体にアルミニウム製の箔などを後から接続することによって設けてもよい。
負極としては、従来公知の非水電解液二次電池に用いられている負極、すなわち、Liイオンを吸蔵放出可能な活物質を含有する負極であれば特に制限はない。例えば、活物質として、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、炭素繊維などの、リチウムを吸蔵、放出可能な炭素系材料の1種または2種以上の混合物が用いられる。また、Si,Sn、Ge,Bi,Sb、Inなどの元素およびその合金、リチウム含有窒化物、または酸化物などのリチウム金属に近い低電圧で充放電できる化合物、もしくはリチウム金属やリチウム/アルミニウム合金も負極活物質として用いることができる。これらの負極活物質に導電助剤(カーボンブラックなどの炭素材料など)やPVDFなどのバインダなどを適宜添加した負極合剤を、集電体を芯材として成形体(負極合剤層)に仕上げたもの、または、前記の各種合金やリチウム金属の箔を単独、もしくは集電体上に積層したものなどが用いられる。
負極に集電体を用いる場合には、集電体としては、銅製やニッケル製の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、銅箔が用いられる。この負極集電体は、高エネルギー密度の電池を得るために負極全体の厚みを薄くする場合、厚みの上限は30μmであることが好ましく、下限は5μmであることが望ましい。また、負極側のリード部は、正極側のリード部と同様にして形成すればよい。
本発明の電池では、正極と負極とセパレータとから構成される電極組立体を使用する。電極組立体としては、例えば、前記の正極と前記の負極とを、セパレータを介して積層した積層電極体や、更にこれを渦巻状に巻回した巻回電極体などが挙げられる。
なお、セパレータには、従来公知の非水電解液二次電池で用いられているセパレータ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン製の微孔性フィルムや不織布などが使用できる。
電解液(非水電解液)としては、リチウム塩を有機溶媒に溶解した溶液が用いられる。リチウム塩としては、溶媒中で解離してLiイオンを形成し、電池として使用される電圧範囲で分解などの副反応を起こしにくいものであれば特に制限はない。例えば、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF などの無機リチウム塩、LiCFSO、LiCFCO、Li(SO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiC2n+1SO(n≧2)、LiN(RfOSO〔ここでRfはフルオロアルキル基〕などの有機リチウム塩などを用いることができる。
電解液に用いる有機溶媒としては、前記のリチウム塩を溶解し、電池として使用される電圧範囲で分解などの副反応を起こさないものであれば特に限定されない。例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートなどの鎖状カーボネート;プロピオン酸メチルなどの鎖状エステル;γ−ブチロラクトンなどの環状エステル;ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、1,3−ジオキソラン、ジグライム、トリグライム、テトラグライムなどの鎖状エーテル;ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどの環状エーテル;アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリルなどのニトリル類;エチレングリコールサルファイトなどの亜硫酸エステル類;などが挙げられ、これらは2種以上混合して用いることもできる。なお、より良好な特性の電池とするためには、エチレンカーボネートと鎖状カーボネートの混合溶媒など、高い導電率を得ることができる組み合わせで用いることが望ましい。また、これらの電解液に安全性や充放電サイクル性、高温貯蔵性といった特性を向上させる目的で、ビニレンカーボネート類、1,3−プロパンサルトン、ジフェニルジスルフィド、シクロヘキサン、ビフェニル、フルオロベンゼン、t−ブチルベンゼンなどの添加剤を適宜加えることもできる。
このリチウム塩の電解液中の濃度としては、0.5〜1.5mol/lとすることが好ましく、0.9〜1.25mol/lとすることがより好ましい。
本発明の密閉型電池は、従来公知の密閉型電池と同じ用途に使用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。
図1に示す構造の密閉型電池(実施例1)、図5に示す構造の密閉型電池(従来の密閉型電池、比較例1)、および図6に示す構造の密閉型電池(従来の密閉型電池から金属リングをなくした構造のもの、比較例2)について、防爆弁12とリード体取り付け部材14とが電気的に遮断される作動圧力のばらつきを、シミュレーションにより検証した。
図13は、図1の密閉型電池の要部を拡大したものであるが、この図13に示すように、電池内圧Pによって変形する前の防爆弁12の状態をBe、内圧Pを受けて変形した後の防爆弁12の状態をAfとした。防爆弁12とリード体取り付け部材14とが電気的に遮断される作動圧力をPsと設定した場合、防爆弁12の変形量はΔtとなり、その時点で防爆弁12とリード体取り付け部材14とが電気的に遮断される(防爆弁12が作動する)ことになる。
そこで、まず、(1)基準として、電池内圧を1MPa、防爆弁12の変形起点の直径(電池中心軸を中心とする直径)を8.5mmとした場合の防爆弁12の変形量Δtを求め、次に、(2)図1、図5および図6に示す各構造の密閉型電池について、防爆弁12の変形量がΔtとなる電池内圧を、それぞれの形状・構成におけるばらつきの範囲から求めることで、防爆弁12の作動圧力のばらつきを求めた。なお、各電池のばらつきの範囲は、以下のように設定した。
実施例1(図1):変形起点の直径8.5mm±0.1mm(半径±0.05mm);
比較例1(図5):変形起点の直径8.5mm±0.1mm(半径±0.05mm);
比較例2(図6):変形起点の直径8.5mm±0.5mm(半径±0.25mm)。
また、前記のシミュレーションには、解析ソフトウェアとして、PTC社製「Pro−E mechanica」を使用した。結果を表1に示す。
Figure 2009123529
なお、表1における「ばらつきの程度」とは、比較例1の電池における防爆弁の作動圧力のばらつき量を1とした場合の相対値である。
表1から明らかなように、従来の密閉型電池から金属リングの使用を省略したのみの比較例2の密閉型電池では、防爆弁12の作動圧力のばらつきが、従来品に相当する比較例1の密閉型電池に比べて約2.5倍になることが予測されるため、従来品の代替電池としては不適格であるといえる。これに対して、実施例1の密閉型電池では、金属リングの使用を省略して、従来品(比較例1)よりも生産性向上を可能としつつ、防爆弁12の作動圧力のばらつきが従来品と同等程度であると予測されることから、従来品の代替電池として十分な信頼性を有しているものと判断できる。
本発明の密閉型電池の一例の要部を模式的に示す一部断面図である。 図1の密閉型電池に係る端子板の要部を拡大して模式的に示す断面図である。 本発明の密閉型電池の他の例の要部を模式的に示す一部断面図である。 図3の密閉型電池に係る端子板の要部を拡大して模式的に示す断面図である。 従来の密閉型電池の要部を模式的に示す一部断面図である。 従来の密閉型電池から金属リングを省略した構成の密閉型電池の一例の要部を模式的に示す一部断面図である。 従来の密閉型電池に係る金属リングの製造方法を説明するための模式図である。 図7の円で囲んだ部分の拡大図である。 従来の密閉型電池に係る端子板の製造方法を説明するための模式図である。 図9の円で囲んだ部分の拡大図である。 本発明の密閉型電池に係る端子板の製造方法を説明するための模式図である。 図11の円で囲んだ部分の拡大図である。 実施例のシミュレーションを説明するための密閉型電池の要部の一部断面模式図である。
符号の説明
1 電池ケース
2 電極組立体
10 端子板組立体
11 端子板
11a 鍔部
11c 内径側端部
11d 内径側端部の角部
12 防爆弁
14 リード体取り付け部材

Claims (3)

  1. 端子板と該端子板の下部に配置された内部圧力によって上部に変形する防爆弁とを含む端子板組立体、有底円筒状の電池ケース、および前記端子板組立体と前記電池ケースとの間に介在するガスケットによって形成される密閉空間内に、正極、負極およびセパレータを有する電極組立体および電解液を収容した密閉型電池であって、
    前記端子板は、前記防爆弁の上面と、下面で接する鍔部を有しており、前記鍔部の内径側端部が切欠状であることを特徴とする密閉型電池。
  2. 端子板の鍔部の内径側端部の下面側に環状の段差が形成されて、前記鍔部下面の内径側端部が切欠状になっている請求項1に記載の密閉型電池。
  3. 端子板の鍔部の内径側端部に、鍔部の下面から上方へ向かうテーパー面が形成されて、前記鍔部の内径側端部が切欠状になっている請求項1に記載の密閉型電池。
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