JP4374861B2 - 角形リチウム二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、防爆安全機構を備えた角形リチウム二次電池に関するもので、特に、周縁にフランジ部を有し、電池ケースの形状、寸法に対して高い汎用性を持った封口板を備えた角形リチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
非水電解質二次電池の一例であるリチウムイオン二次電池はエネルギー密度が高く、電解液に可燃性の有機溶媒を用いているため、水溶液系の電池に比して安全性の配慮が重要となる。例えば、電池の正極端子と負極端子との間に金属片等が接触して外部短絡が生じた場合、過大な短絡電流が流れ、内部抵抗によってジュール熱が発生して電池は温度上昇する。電池が高温になると正負極活物質と電解液との反応や電解液の気化、分解などが生じて電池内部のガス圧が急上昇し、電池の破裂や発火に至る恐れがある。
【0003】
そこで、円筒形のリチウムイオン二次電池では、発電要素を収容した電池缶の開口端を封口する封口部に、リング状のPTC(Positive Temperature Coefficient)素子を配設し、短絡電流等の過大電流が流れたときに、PTC素子が過大電流により自己発熱するに伴う抵抗値の急増によって過大電流を規制し、外部短絡から電池を保護する機能が設けられている。また、電池缶内側に配設された下金属薄板と、膨出部が形成された上金属薄板とを溶接し、温度上昇に伴って内圧が異常上昇した場合の外方への押圧により上金属薄板の膨出部を反転させ、溶接を離間させることで、電流回路を遮断している。そして、更なる内圧上昇があったときには、上金属薄板において薄肉化された易破断部から破断して内圧を外部に排出させている。このような構成では、電流規制、電流遮断、内圧排出の作用が段階を追って実行されるようになっている(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
上記のような安全機構を備えた電池では、PTC素子、上下各金属薄板は、何れも封口板に配置されており、これらの各要素を載置されたフィルターの端部を内方にかしめることで、前記の各要素を保持し、相互の電気的接続を確保している。このような構成を有する封口板は、外径形状がフィルターの外径形状によって決定される。このため、電池缶の開口部形状に応じてフィルターの外径形状を決定する必要が生じており、さらにフィルターの形状に適するようにPTC素子、金属薄板等の形状も設定する必要も生じていた。上述した背景から、電池缶の形状毎に封口板を設定する必要があり、汎用性の高い封口板を得られないだけでなく、封口板のコスト上昇、設計品質の低下といった面で問題点を有していた。
【0005】
これら問題点に対して、封口板の周縁をフランジ部にて形成し、電池缶の開口部形状に応じてフランジ部の形状を設定することで、電池缶の形状に対する汎用性を高めることができ、さらに封口板の構成要素をボス部にて保持する構成を採用した封口板が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−129195号公報
【特許文献2】
特開平8−185849号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
封口板は、特許文献2の角形電池に関する実施例にて示される通り、封口板の外周形状が、角形の電池ケースの開口部形状とほぼ一致した四角形状をなしており、その中央部に下方に突出するボス部が形成されている。すなわち、前記封口板は、外周部分がボス部に対して鍔状に形成されており、この鍔状部分の形状を電池ケースの開口部形状に応じて設定することが可能となり、封口板の汎用性が高まる効果を得られるものである。
【0008】
さらに、前記ボス部は内方に突出する部位(特許文献2においては、フランジ1bと記載)を有している。前記ボス部の内部には、封口ガスケットを介して、電流遮断、内圧排除の各機能を果たすための構成要素が載置されている。これら要素、およびキャップ状の端子板をボス部に収容した後、鍔状部分の上面に配置した押え板により、ボス部に保持される要素を上方から押さえ込むことで、封口板を完成させている。
【0009】
このような特許文献2に記載された構成を有する封口板では、鍔状部分の上部に押え板を配置した後、その周縁をレーザ溶接等の手段を用いて溶接し、押え板を鍔状部分に固定する必要がある。このため、封口板の作製工程において、押え板の溶接工程が新たに付加されることになり、工程の煩雑化を招いてしまう。
【0010】
上述のように押え板は、周縁部のみにて鍔状部分に接続され、ボス部に配置された各要素を保持している。この押え板は、ガスケットに対して押圧力を付加することで、封口強度、および積層部分の液密性、気密性を確保しており、前記押圧力に保持するための高い機械的強度が要求される。このため、押え板には、鍔状部分との溶接が可能であり、且つ高い機械的強度を有する必要があり、要求される特性を満たす材質の選択、機械(プレス)加工の実施が必要となり、コスト高を招いてしまう。
【0011】
一方、ボス部には、各要素を載置し、収容した後、押え板を一体化した状態で、載置部分の液密性、気密性を確保する必要があることから、ボス部の形状に対して高い寸法精度を要求される。このため、ボス部を形成するプレス加工時に加工精度が要求されると同時に、押え板と同様に機械的強度を要求され、コスト高を招く要因となっていた。
【0012】
このように、特許文献2に記載されたような封口板の外周をフランジ部にて構成は、封口板の汎用性を高める効果を奏するが、コスト面、作製工程の面において問題点を有していた。本発明の目的は、前記問題点を解決するものであり、工程の煩雑化、コスト高を招くことなく、汎用性に優れた封口板を備えた角形リチウム二次電池を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明者らは、封口板の構成に関して詳細な検討を行った。その結果、特許文献1に記載されたようなカシメ構造を用いた封口板は、コスト面だけでなく、適正なカシメ強度により均一な液密性、気密性を確保し易いことから、封口板の構成において好適な構造であるとの知見を得た。本発明は、前記の知見に基づいてなされたものである。以下、本発明について詳細に説明する。
【0014】
本発明の角形リチウム二次電池は、有底筒状の角型形状の電池ケース、この電池ケースに収納された発電要素、前記電池ケースの開口部を塞ぐ封口板を備え、前記封口板は、前記電池ケースの開口部形状と略一致するように形成された長方形状のフランジ部と、電池ケース内の圧力が所定値に達した際に破断するガス排出手段を保持するプレス加工および絞り加工により成形したボス部とを有しており、前記ボス部の一端が、ボス部の内方に屈曲し、前記ガス排出手段を嵌合、保持した角形リチウム二次電池であって、前記ガス排出手段は、電池ケース内の圧力が所定値に達した場合に破断する易破断部位を有し、上面周縁に絶縁ガスケットを配した下部金属薄板から形成され、前記下部金属薄板は、上方に突出した膨出部を中央に有し、この下部金属薄板の上部に配され、且つ下方に突出した膨出部を有する上部金属薄板との間において、これら膨出部を互いに接続しており、前記上部金属薄板は、電池内圧が所定値に達した際に、下方に突出した膨出部を上方に反転させ、前記下部金属薄板との接続を破断し、これら金属薄板に流れる電流を遮断し、前記封口板は、ボス部の内方に突出した突出部を有してなり、この突出部とボス部の一端を内方に屈曲させた屈曲部位との間に、一方の電極端子を兼ねるキャップ、上部金属薄板、下部金属薄板、ガスケットを配し、前記封口板のボス部は、フランジ部の平面方向に対して電池ケースの内方に位置しており、ボス部の内方に突出した突出部と、前記フランジ部と前記電池ケースの開口部の上端が同一平面上に位置し、前記ボス部は、内面に絶縁層を有してなり、ボス部に保持されるキャップ、上部金属薄板、および下部金属薄板の各々がボス部に対して絶縁、保持されることを特徴とする。
【0015】
上記の構成において、ガス排出手段を含む封口板の主要な構成要素は、ボス部に配置されており、ボス部の一端を内方に屈曲させることで、ボス部にカシメ保持される。このため、前記の各要素を保持するための手段、例えば上述した特許文献2における押え板を必要とせず、構造の簡素化を実現するものである。また、カシメ保持は、各要素間の接触を確実にし、電気的接続、および封口板の液密/気密性を向上させる。同時に、カシメにて要素を保持する構成は、上記の特許文献2における溶接による一体化に比較して、工程の簡素化、コストの削減効果が得られることに加えて、要素を保持する嵌合強度の管理も容易なことから、封口板の信頼性を高める効果も奏する。
【0016】
一方、封口板の外周は、ボス部から延出された鍔状のフランジ部にて形成されており、このフランジ部の形状は、電池ケースの開口部形状に略一致した長方形状に成形される。このような封口板を用いた本発明に係る角形リチウム二次電池は、封口板のフランジ部分の形状を電池ケース形状に応じて設定することができる。そして、電池ケースの形状が変わってもガス排出手段を含む部位は共用可能なことから、封口板の作製コストを大幅に削減するものである。
【0017】
上記の本発明に係る角形リチウム二次電池において、ガス排出手段は、電池ケース内の圧力が所定値に達した場合に破断する易破断部位を有する下部金属薄板から形成される。
【0018】
この構成によれば、ガス排出手段は、下部金属薄板の易破断部位によって構成されることになり、ガス排出を行う内圧にバラツキが低減される。さらに、前記の易破断部位は、ボス部をカシメ加工する際に、機械的な応力を直接的に受けないことから、ガス排出手段の作動に対する信頼性が大きく高まるものである。
【0019】
また、本発明に係る角形リチウム二次電池において、前記の下部金属薄板は、上方に突出した膨出部を中央に有し、この下部金属薄板の上部に配され、且つ下方に突出した膨出部を有する上部金属薄板との間において、これら膨出部を互いに接続しており、前記上部金属薄板は、電池内圧が所定値に達した際に、下方に突出した膨出部を上方に反転させ、前記下部金属薄板との接続を破断させ、これら金属薄板に流れる電流を遮断する。そして、この下部金属薄板の上面周縁に、絶縁ガスケットを配する。
【0020】
これらの構成によれば、ガス排出手段と共に電流遮断手段を有する封口板が得られ、ガス排出手段に先立ち、電流遮断手段を作動させることで、電池の信頼性を更に高める事ができる。
【0021】
さらに本発明に係る角形リチウム二次電池は、封口板のボス部は、フランジ部に対して電池ケース内方に位置しており、ボス部の内方に突出した突出部と、前記フランジ部と電池ケースの開口部の上端が同一平面上に位置する。
【0022】
この構成によれば、封口板の要素をカシメ保持するボス部の一端は電池ケース内に配置されており、ボス部の他端に位置し、且つカシメ保持された前記の要素を受け止める突出部は、フランジと同一平面に位置することから、ボス部は実質的に電池ケースの内部に位置する。これにより、従来構成においてデッドスペースとなっていた発電要素の上部にある空間を有効に活用することができ、電池の体積効率を高めることができる。
【0023】
またさらに本発明に係る角形リチウム二次電池において、ボス部は、内面に絶縁層を有してなり、このボス部に保持されるキャップ、上部金属薄板、および下部金属薄板のそれぞれがボス部に対して絶縁保持される。この構成によれば、フランジ部、およびボス部と、このボス部に収容される要素との絶縁が容易になり、封口板の作製が容易になる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態を示す角形電池の要部断面図である。本発明の角形リチウム二次電池は角形形状の電池ケース9に、正極板と負極板とがセパレータを介して渦巻状に巻回された発電要素10を収納している。この発電要素10は、一方の電極をリードを介して電池ケース9に接続しており、他方の電極はリードを介し封口板20に接続されている。
【0025】
発電要素10のうち、正極板は、アルミニウム製の箔やラス加工やエッチング処理された箔からなる集電体の片側または両面に正極活物質と結着剤、必要に応じて導電剤、可塑剤を溶剤に混練分散させたペーストを塗布、乾燥、圧延して作製することができる。そして、正極板の厚みは角柱棒状の巻芯を用いて、その形状にできるだけ忠実に巻回する必要があり、130μm〜200μmの厚みで、柔軟性があることが好ましい。
【0026】
上記の正極板に用いられる正極活物質としては、例えば、リチウムイオンをゲストとして受け入れ得るリチウム含有遷移金属化合物が使用される。例えば、コバルト、マンガン、ニッケル、クロム、鉄およびバナジウムから選ばれる少なくとも一種類の金属とリチウムとの複合金属酸化物、LiCoO2、LiMnO2、LiNiO2、LiCoxNi(1-x)O2(0<x<1)、LiCrO2、αLiF
eO2、LiVO2等が好ましい。
【0027】
結着剤としては、活物質間の密着性を保つフッ素樹脂材料、ポリアルキレンオキサイド骨格を持つ高分子材料、またはスチレン−ブタジエン共重合体などがある。フッ素系樹脂材料として、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニリデン(VDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)の共重合体P(VDF−HFP)が好ましい。
【0028】
必要に応じて加える導電剤としてはアセチレンブラック、グラファイト、炭素繊維等の炭素系導電剤が好ましく、可塑剤としては、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジプロピル、フタル酸ジヘキシルなどのフタル酸エステルが好ましい。
【0029】
溶剤としては、結着剤が溶解可能な溶剤が適切で、有機系結着剤の場合は、アセトン、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、メチルエチルケトン(MEK)等の有機溶剤を単独またはこれらを混合した混合溶剤が好ましく、水系結着剤の場合は水が好ましい。
【0030】
一方、発電要素10の負極板は、銅製の箔やラス加工やエッチングされた箔からなる集電体の片側または両面に負極活物質と結着剤、必要に応じて導電剤、可塑剤を溶剤に混練分散させたペーストを塗布、乾燥、圧延して作製することができる。そして、負極板の厚みは角柱棒状の巻芯を用いて、その形状にできるだけ忠実に巻回する必要があり、正極板と同様に140μm〜210μmの厚みで、柔軟性があることが好ましい。
【0031】
負極活物質としては、例えば、リチウムイオンを吸蔵、脱離し得る黒鉛型結晶構造を有するグラファイトを含む材料、例えば天然黒鉛や人造黒鉛が使用される。特に、格子面(002)の面間隔(d002)が3.350〜3.400Åであ
る黒鉛型結晶構造を有する炭素材料を使用することが好ましい。
【0032】
結着剤、溶剤および必要に応じて加えることができる導電剤、可塑剤は正極と同様のものを使用することができる。
【0033】
また、セパレータとしては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などの微多孔性ポリオレフィン系樹脂が好ましい。
【0034】
さらに、非水電解液としては、非水溶媒と電解質からなり、非水溶媒としては、主成分として環状カーボネートおよび鎖状カーボネートが含有される。前記環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、およびブチレンカーボネート(BC)から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。また、前記鎖状カーボネートとしては、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、およびエチルメチルカーボネート(EMC)等から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
【0035】
電解質としては、例えば、電子吸引性の強いリチウム塩を使用し、例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、LiC(SO2CF3)3等が挙げられる。これらの電解質は、一種類で使用しても良く、二種類以上組み合わせて使用しても良い。これらの電解質は、前記非水溶媒に対して0.5〜1.5Mの濃度で溶解させることが好ましい。
【0036】
図1において封口板20は、一方の端子を兼ねるキャップ1、PTC素子5、上部金属薄板6、絶縁ガスケット7、下部金属薄板8をフィルター4の上に配置しており、さらに図2に示すように上部金属薄板6と下部金属薄板8とは、中央部の膨出部6b、8bをレーザ溶接にて接続している。また、前記の各要素は、外部ガスケット2とともに封口板20のボス部21中に挿入されており、ボス部21の下端を内方へ折り返しカシメ部位が形成される。この折り返しにより、キャップ1を含む構成要素の各々は保持される。一方、発電要素10を電池ケース9に収容した後、リード13と封口板20のフィルター4を接続した後に、封口板20を電池ケース9の開口部に配置し、フランジ部3をレーザ溶接にて封口する。
【0037】
なお封口方法についてはレーザ溶接に限定されるものではなく、フランジ部3を有する封口板20と電池ケース9の間に封止用ガスケットを配し、電池ケース9の上部開口端をかしめる構造であってもよい。
【0038】
封口板20を構成する部材、すなわちフランジ部3、ボス部21の材質は、レーザ溶接にて電池ケース9と接合する場合、レーザ溶接性の観点から外装缶9と同じ材質であることが好ましく、鉄、アルミニウム合金が好ましい。一方カシメ封口する場合、封止用ガスケットを介して電池ケース9の開口端を内方へ折り込むことで、カシメ封口を実施することから、両者が同じ材質である必要はない。また、前記の部材は、プレス加工にて作製するのが好ましい。
【0039】
図3は、本実施形態におけるフランジ部3、ボス部21を含む部材の部分断面形状を示す斜視図である。この図3において、フランジ部3は、角形の電池ケース9の形状に対応して、長方形状に形成されている。また中央には円筒状のボス部21が形成されている。このボス部21は、平板を打ち抜き加工して作成したフランジ部3に、円筒状のボス部21を溶接等にて一体化する工法、あるいは平板にプレス加工、及び絞り加工を施し、所定の形状に成形する工法等を挙げることができる。
【0040】
また、突出部22は、封口板を構成する他の要素をボス部21に収容し、開口部の一端側をカシメ加工した際に、前記要素を保持するものである。
【0041】
このような構成を有する部板の厚みは電池ケース9との溶接性、耐内圧強度の観点から0.10mm〜0.50mmの範囲が好ましい。
【0042】
ボス部21に配される下部金属薄板8、上部金属薄板6は、上述のように膨出部8b、6bにて接続されている。この接続はレーザ溶接にて接続部11を形成しており、フィルター4上に配置し、ボス部21にてカシメ保持した後に、前記溶接を実施する。さらにこれらの薄板8、6には、易破断部6a、8aが形成されており、ガス排出手段を構成する。このガス排出手段の動作、並びに接続部11における電流遮断機構は、上述した特許文献1に記載された構成と同様であり、その詳細な説明は省略する。また予め下部金属薄板8の上面にドーナツ状に形成された絶縁ガスケット7を配置し、一体化することで、上面の周縁にガスケット層が形成された下部金属薄板8を構成できる。
【0043】
このような下部金属薄板8に上部金属薄板6を配置し、両者の膨出部を溶接にて一体化する構成を採用することができる。この構成では、上下部の各金属薄板が予め一体化されていることから、ボス部21に収容した後にレーザ溶接を施す上述した構成に比較して、溶接性の向上、溶接した部位の信頼性の向上といった効果が得られ、且つ工程の簡素化につながる。
【0044】
一方、封口板を形成する際、外部ガスケット2に代えて、ボス部21の内面に樹脂性の絶縁層を形成することで外部ガスケット2を一体化した後、キャップ1、PTC素子5、上部金属薄板6、絶縁ガスケット7、下部金属薄板8をボス部21の開口端側より重ねて挿入する。ついで、上部金属薄板6と下部金属薄板8の中央部の膨出部6b、8bをレーザ溶接にて接続し、フィルター4を挿入した後、ボス部21の開口端を内方に折り返し、各要素をカシメ保持することで、工程の簡素化をはかることも可能である。
【0045】
このように本実施形態では、角形電池の場合を説明したが、円筒形であっても同様の構成を有し、フランジ部3の形状を円形とすることで対応可能である。さらに封口板の外径形状を電池ケースの開口部形状に対応させることで電池ケースが正四角柱状、角柱状、長円柱状などに対応可能である。
【0046】
【発明の効果】
以上の説明のように本発明によれば、電池ケースの開口部と略同一形状のフランジ部を有する封口板を用いることにより、電池ケースの形状にとらわれることのない汎用性の高い封口板を得ることができ、またガス排出手段等の要素を下部に開口したボス部をカシメ加工し、前記要素を嵌合し、保持することで封口性能の向上、工程の簡素化を実現しており、その工業的価値は極めて大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態における角形リチウム二次電池の要部断面図
【図2】 本実施形態における上部、下部金属薄板の接続状態を示す拡大図
【図3】 本実施形態におけるボス部、フランジ部を含む部材の断面構造を示す斜視図
【符号の説明】
1 キャップ
2 外部ガスケット
3 フランジ部
4 フィルター
5 PTC素子
6 上部金属薄板
7 絶縁ガスケット
8 下部金属薄板
9 電池ケース
10 発電素子
20 封口板
Claims (1)
- 有底筒状の角型形状の電池ケース、この電池ケースに収納された発電要素、前記電池ケースの開口部を塞ぐ封口板を備え、前記封口板は、前記電池ケースの開口部形状と略一致するように形成された長方形状のフランジ部と、電池ケース内の圧力が所定値に達した際に破断するガス排出手段を保持するプレス加工および絞り加工により成形したボス部とを有しており、前記ボス部の一端が、ボス部の内方に屈曲し、前記ガス排出手段を嵌合、保持した角形リチウム二次電池であって、
前記ガス排出手段は、電池ケース内の圧力が所定値に達した場合に破断する易破断部位を有し、上面周縁に絶縁ガスケットを配した下部金属薄板から形成され、
前記下部金属薄板は、上方に突出した膨出部を中央に有し、この下部金属薄板の上部に配され、且つ下方に突出した膨出部を有する上部金属薄板との間において、これら膨出部を互いに接続しており、前記上部金属薄板は、電池内圧が所定値に達した際に、下方に突出した膨出部を上方に反転させ、前記下部金属薄板との接続を破断し、これら金属薄板に流れる電流を遮断し、
前記封口板は、ボス部の内方に突出した突出部を有してなり、この突出部とボス部の一端を内方に屈曲させた屈曲部位との間に、一方の電極端子を兼ねるキャップ、上部金属薄板、下部金属薄板、ガスケットを配し、
前記封口板のボス部は、フランジ部の平面方向に対して電池ケースの内方に位置しており、ボス部の内方に突出した突出部と、前記フランジ部と前記電池ケースの開口部の上端が同一平面上に位置し、
前記ボス部は、内面に絶縁層を有してなり、ボス部に保持されるキャップ、上部金属薄板、および下部金属薄板の各々がボス部に対して絶縁、保持されることを特徴とする角形リチウム二次電池。
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