JP2009123329A - 磁気ディスク - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基板上に磁性層、保護層、潤滑層がこの順で成膜された磁気ディスクであって、拡張Fowkesの式により求められる前記磁気ディスク表面の表面自由エネルギーγSが0を超え24mN/m以下であり、かつ前記表面自由エネルギーγSを構成する、γSd(表面自由エネルギーの分散力成分)が0を超え17mN/m以下、γSp(表面自由エネルギーの双極子成分)が0を超え1mN/m以下、γSh(表面自由エネルギーの水素結合力成分)が0を超え6mN/m以下である磁気ディスクである。
【選択図】 図1
Description
このような磁気ディスクとしては例えば特許文献1に開示されているような磁気記録媒体が知られている。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
(1) 基板上に磁性層、保護層、潤滑層がこの順で成膜された磁気ディスクであって、
拡張Fowkesの式により求められる前記磁気ディスク表面の表面自由エネルギーγSが0を超え24mN/m以下であり、かつ前記表面自由エネルギーγSを構成する、γSd(表面自由エネルギーの分散力成分)が0を超え17mN/m以下、γSp(表面自由エネルギーの双極子成分)が0を超え1mN/m以下、γSh(表面自由エネルギーの水素結合力成分)が0を超え6mN/m以下であることを特徴とする磁気ディスク(以下磁気ディスクIと称する)、
(2)基板上に磁性層、保護層、潤滑層がこの順で成膜された磁気ディスクであって、
Van−Ossの式により求められる前記磁気ディスク表面の表面自由エネルギーγSが0を超え22mN/m以下であり、かつ前記表面自由エネルギーγSを構成する、γSLWが0を超え17mN/m以下、γS−が0を超え6mN/m以下、γS+が0を超え1mN/m以下であることを特徴とする磁気ディスク(以下磁気ディスクIIと称する)、
(3)基板上に磁性層、保護層、潤滑層がこの順で成膜された磁気ディスクであって、
Zismanの式により求められる前記磁気ディスク表面の臨界表面張力γcが0を超え17mN/m以下であることを特徴とする磁気ディスク(以下磁気ディスクIIIと称する)、および
(4)さらに、Zismanの式により求められる磁気ディスク表面の臨界表面張力γcが0を超え17mN/m以下である上記(1)または(2)項に記載の磁気ディスク
を提供するものである。
2 非磁性金属層
2a シード層
2b 下地層
3 磁性層
4 保護層
5 潤滑層
10 磁気ディスク
Fowkesにより1964年に提案された理論。表面張力を分散成分(London力のみ)、極性成分(Debye力や水素結合力を含む)に大きくわけると
γ=γd+γp …(1)
γd:分散成分
γp:極性成分
WSL=WSLd+WSLp …(2)
WSLd:接着仕事量の分散成分
WSL:接着仕事量の極性成分
WSLd=(γSd・γLd)0.5 …(3)
この式とDupre−Youngの式から
γL(1+COSθ)=2(γSd・γLd)0.5 …(4)
なおθは、液体と固体表面との接触角である(以下、同様)。
COSθ={2(γSd・γLd)0.5+2(γSp・γLp)0.5+2(γSh・γLh)0.5}/γL−1
酸塩基のインタラクションを考慮しVan Ossが1987年に提案した理論。
γ=γLW+γab …(7)
γLW:Lifshitz−Van der Waals力(London力、Debye and Keesom力含む)
γab:酸塩基のインタラクション
γ=γLW+2(γ−・γ+)0.5 …(8)
接着仕事量の式(3)、(4)から
WSLd=(γSd・γLd)0.5 …(3)
この式とDupre−Youngの式から
γL(1+COSθ)=2(γSd・γLd)0.5 …(4)
WAB=γL(1+COSθ)=2(γSLW・γLLW)0.5+2(γS−・γL+)0.5+2(γS+・γL−)0.5 …(9)
cosθ={2(γSLW・γLLW)0.5+2(γS−・γL+)0.5+2(γS+・γL−)0.5}/γL−1 …(10)
γS=γSLW+γSA・B=γSLW+2√(γS+・γS−)
[γSA・Bは、酸・塩基相互作用の表面エネルギーで
γSA・B=2√(γS+・γS−)]
となる。
臨界表面張力(γc)を算出する手法として広く用いられている。固体表面にファンデルワールス力のみを持つ液体で既知の表面張力をもつ複数の液体を用い滴下直後の固体表面とのなす角(接触角θ)をそれぞれ実測する。液体の表面張力をx軸にCOSθをy軸にプロットすると右肩下がりの直線が得られる。(Zisman Plot)この直線がY=1(θ=0)となる場合の表面張力を臨界表面張力γcとして算出する。
このような本発明の磁気ディスクは、LUL方式のHDD用途の磁気ディスクとして好適に用いることができる。
図1に示す構成のLUL方式用磁気ディスクを作製した。
まず、アルミノシリケートガラスをディスク状に成形してガラスディスクを得、得られたガラスディスクに、研削、精密研磨、端面研磨、精密洗浄、化学強化を施すことにより、平坦かつ平滑な高剛性の磁気ディスク用ガラス基板を得た。このガラス基板の直径は65mm、内径は20mm、ディスク厚は0.635mmの2.5インチ型磁気ディスク用基板であった。
(1)表面張力測定
(イ)拡張Fowkesの式
液体として、テトラデカン(表面エネルギー;γLd26.7mN/m、γLp0mN/m、γLh0mN/m、γL26.7mN/m)、ヨウ化メチレン(表面エネルギー;γLd46.8mN/m、γLp4mN/m、γLh0mN/m、γL50.8mN/m)および水(γLd29.1mN/m、γLp1.3mN/m、γLh42.4mN/m、γL72.8mN/m)を用い、上記で得られた磁気ディスクにおける固体表面とのなす角(接触角)を測定した。その結果、テトラデカン60.0°、ヨウ化メチレン86.8°、水93.5°であった。
COS(60°)={2(γSd・26.7)0.5+2(γSp・0)0.5+2(γSh・0)0.5}/26.7−1
第2項、第3項が0であることから
これより、γSd=15.02mN/mである。
COS(86.8°)={2(15.02・46.8)0.5+2(γSp・4)0.5+2(γSh・0)0.5}/50.8−1
第3項が0であることから、γSp=0.023mN/mである。
COS(93.5°)={2(15.02・29.1)0.5+2(0.023・1.3)0.5+2(γSh・42.4)0.5}/72.8−1
これより、γSh=4.07mN/mである。
γS=γSd+γSp+γShより、γS=19.11mN/mである。
液体として、テトラデカン(表面エネルギー;γL26.7mN/m、γLLW26.7mN/m、γL+0.0mN/m、γL−0.0mN/m)、水(表面エネルギー;γL72.8mN/m、γLLW21.8mN/m、γL+25.5mN/m、γL−25.5mN/m)、エチレングリコール(表面エネルギー;γL48.0mN/m、γLLW29.0mN/m、γL+1.92mN/m、γL−47.0mN/m)を用い、上記で得られた磁気ディスクにおける固体表面の接触角を測定した。その結果、テトラデカン60.0°、水93.5°、エチレングリコール74.5°であった。
cos(60.0°)={2(γSLW・26.7)0.5+2(0・0)0.5+2(0・00.5)/26.7−1であり、γSLW=15.02mN/mである。
cos(93.5°)={2(15.02・21.8)0.5+2(γS−・25.5)0.5+2(γS+・25.5)0.5}/72.8−1
cos(74.5°)={2(15.02・29.0)0.5+2(γS−・1.92)0.5+2(γS+・47.0)0.5}/48−1
またγSは
γS=γSLW+γSA・B=γSLW+2√(γS+・γS−)
液体として、下記の表面張力を有する無極性(ファンデルワールス)アルカンを用い、上記磁気ディスクにおける固体表面との接触角を求めた。
ペンタン 18.25 37.7
ヘキサン 20.4 40.1
オクタン 21.8 52.8
デカン 23.9 59.6
ドデカン 25.4 66.3
テトラデカン 26.7 66.5
ヘキサデカン 27.6 73.0
磁気ディスク10の表面に上記液体を1μl滴下し、滴下10秒後に接触角を測定した。2回測定を行い、この平均値を接触角とした。
同様の磁気ディスク10を100枚製作し、浮上量が10nmの磁気ヘッドで、これら100の磁気ディスクの全面グライド検査を行った。フライスティクション障害が発生すると、磁気ヘッドに設置されたPZTセンサ(ピエゾ素子)でモニタしているグライド信号が磁気ディスクの全トラックで突然発散するので、オシロスコープによる観察でその発生を判別できる。また、フライスティクションが発生した場合、検査の合格率が激減するので、フライステクションの発生傾向は、検査合格率によって分かる。
LUL耐久性試験は、5400rpmで回転する2.5インチ型HDDと、浮上量が10nmの磁気ヘッドを用いて行なった。なお、磁気ヘッドのスライダーはNPAB(負圧型)スライダーを用い、再生素子はGMR型素子を用いた。磁気ディスク10をこのHDDに搭載し、前述の磁気ヘッドによりLUL動作を連続して行なう。HDDが故障することなく耐久したLUL回数を測定することにより、LUL耐久性を評価した。LUL耐久性試験の結果を表1に示す。
実施例1における磁気ディスクの作製において、HFE(ハイドロフルオロエーテル)で表面処理しなかったこと以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
実施例1における磁気ディスクの作製において、HFE(ハイドロフルオロエーテル)による処理時間を表1に示すように変えた以外は、実施例1と同様に実施した。その結果を表1に示す。
Claims (4)
- 基板上に磁性層、保護層、潤滑層がこの順で成膜された磁気ディスクであって、
拡張Fowkesの式により求められる前記磁気ディスク表面の表面自由エネルギーγSが0を超え24mN/m以下であり、かつ前記表面自由エネルギーγSを構成する、γSd(表面自由エネルギーの分散力成分)が0を超え17mN/m以下、γSp(表面自由エネルギーの双極子成分)が0を超え1mN/m以下、γSh(表面自由エネルギーの水素結合力成分)が0を超え6mN/m以下であることを特徴とする磁気ディスク。 - 基板上に磁性層、保護層、潤滑層がこの順で成膜された磁気ディスクであって、
Van−Ossの式により求められる前記磁気ディスク表面の表面自由エネルギーγSが0を超え22mN/m以下であり、かつ前記表面自由エネルギーγSを構成する、γSLWが0を超え17mN/m以下、γS−が0を超え6mN/m以下、γS+が0を超え1mN/m以下であることを特徴とする磁気ディスク。 - 基板上に磁性層、保護層、潤滑層がこの順で成膜された磁気ディスクであって、
Zismanの式により求められる前記磁気ディスク表面の臨界表面張力γcが0を超え17mN/m以下であることを特徴とする磁気ディスク。 - さらに、Zismanの式により求められる磁気ディスク表面の臨界表面張力γcが0を超え17mN/m以下である請求項1または2に記載の磁気ディスク。
Priority Applications (1)
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2009
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