JP2009121565A - エンジンマウント - Google Patents

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Abstract

【課題】単気筒または2気筒エンジンのエンジンマウントにおいて、簡単な構成でエンジンの振動、特に、アイドル回転領域におけるエンジンの振動を抑えて、エンジンの低振動化、低騒音化を図ることのできるエンジンマウントを安価に提供する。
【解決手段】ゴム弾性体2と、ゴム弾性体2に軸方向ならびに軸に垂直な方向に変位可能に支持されて上部がエンジンに締結される締結部材3と、ゴム弾性体2を収容して車体に締結されるマウント筐体4とを備え、ゴム弾性体2における締結部材3の側方位置および/または下方位置にそれぞれマウント筐体4の周壁とで区画された第1および第2の作用室5、6が形成され、第1および第2の作用室5、6にエンジンのクランクケース内圧力を導く導入配管7が接続されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、単気筒または2気筒エンジンのエンジンマウント、特に、車両のエンジン騒音を低減することのできるエンジンマウントに関するものである。
近年、自動車等の車両乗車時における快適性に対する要望が高まっており、自動車メーカでは、エンジンの低振動化、低騒音化が積極的に進められている。自動車の車体のように振動(振動に起因する騒音等を含む)が問題とされる防振対象物においては、その振動を低減するために、従来から、振動部材(エンジン)と防振対象物(車体)との間に介装されて、振動部材から防振対象部材への振動伝達を低減するエンジンマウント等の防振連結体が用いられている。
このような防振連結体の一種として、特許文献1に開示されたものでは、図5に示されるように、エンジン31と車体32との間に設けられた電磁アクチュエータ部33とオリフィス35を液体室間に有する液体作動部34からなるエンジンマウント30と、この電磁アクチュエータ部33をエンジン31の回転同期信号に基づいて駆動するコントローラ36とで構成されるとともに、さらに、上記のオリフィス35が、エンジンマウント30の動バネ定数を与える特有の断面積を有する固定オリフィス部35aと可変オリフィス部35bとで構成されている。
そして、この特許文献1に開示されたエンジンマウント30では、1)コントローラ36が、エンジン回転同期信号からアイドル回転数検出した時には、電磁アクチュエータ部33を駆動せずに、スイッチングバルブ37によりON/OFF弁を開いて可変オリフィス部35bを開放して、固定オリフィス部35aと共に液体の吸排を行わせることにより、アイドル回転時のエンジンシェークのピークを減衰させるとともに、2)アイドル回転数からアイドル回転領域の上限値までのエンジン回転数を検出した時には、スイッチングバルブ37によりON/OFF弁を閉じて可変オリフィス部35bを閉塞し、固定オリフィス部35aのみで液体の吸排を行わせることにより、アイドル回転時以外の別のエンジンシェークのピークを減衰させている。また、3)アイドル回転領域の上限値以上のエンジン回転数を検出した時には、コントローラ36が電磁アクチュエータ部33を駆動して、エンジン振動を減衰させている。
また、特許文献2に開示されたマウント本体41は、その内部構造については図示を省略するが、内部に、振動が入力されるゴム弾性体および弾性変位可能な可動部材によって壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入される主液室と、この主液室に対して可動部材を挟んで反対側に形成された作用空気室とを備え、上下方向に配された一対の取付金具42、43の間に介装されたゴム弾性体44によって弾性的に連結された構造とされており、上方の取付金具42がエンジン等のパワーユニット45に、下方の取付金具43が車体46に固定されることにより、パワーユニット45がマウント本体41を介して車体46に防振支持されている。
そして、エンジンマウント40は、さらに、マウント本体41の作用空気室に及ぼす空気圧変化を得るための真空ポンプ47と、この真空ポンプ47と作用空気室との間を接続する負圧管路48、正圧管路49と圧力作用管路50を備え、負圧管路48上に負圧タンク51、正圧管路49上に正圧タンク52、負圧管路48、正圧管路49と圧力作用管路50との間にバルブ手段としての三方切換弁53を備えている。三方切換弁53は、バルブコントローラ54で切換作動されることにより、圧力作用管路50を負圧管路48、正圧管路49に択一的かつ交互に接続することができ、かかる切換操作により、マウント本体41の作用空気室に対して、真空ポンプ47で発生させた負圧と正圧を交互に及ぼすように構成されている。なお、負圧タンク51、正圧タンク52は蓄圧として機能し、調圧機構をも備えている。また、真空ポンプ47は、その電動モータを駆動するための駆動電源55を備えている。
このように構成されたエンジンマウント40では、ゴム弾性体の弾性変形に伴って主液室に圧力変動が生じさせるとともに、真空ポンプ47が作用空気室に外部から空気圧変化を及ぼすことにより可動部材を介して主液室の圧力変動が能動的に制御されるように構成し、三方切換弁53を介して真空ポンプ47の吸気口と排気口とをそれぞれ作用空気室に接続することにより、真空ポンプ47の吸気口側に生じる負圧と、真空ポンプ47の排気口側に生じる正圧とが、三方切換弁53の切換作動に基づいて作用空気室に対して選択的に及ぼされるように構成されている。このような特許文献2に開示されたエンジンマウント40では、防振すべき振動に対応した空気圧変化を作用空気室に及ぼして、主液室の圧力変動を制御することにより、装着される防振対象部材(パワーマウント45)に対して相殺的ないしは積極的な防振効果を得ることができる。
特開平06−328948号公報 特開2003−074619号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたエンジンマウント30では、電磁アクチュエータ部33と、この電磁アクチュエータ部33を駆動するコントローラ36を備えなければならず、また、特許文献2に開示されたエンジンマウント40では、真空ポンプ47と、この真空ポンプ47の吸気側(負圧管路48)および排気側(正圧管路49)にそれぞれ接続される負圧タンク51、正圧タンク52と、これらの負圧タンクと正圧タンクに接続され、負圧または正圧をエンジンマウントの作用空気室に選択的に切り換えるバルブ手段(三方切換弁53)とを備えなければならず、いずれの場合も、エンジンマウント30、40を駆動させるための周辺機構が複雑となり、コスト高となってしまう。
また、上記のようなエンジンマウントにおいて、防振すべき振動に対して有効な防振効果を得るためには、主液室に対して、防振すべき振動の大きさに対応した大きさの圧力変動を生じさせるようにすることが必要となる。そこで、例えば、防振対象物の振動の大きさを、加速度センサ等で検出したり、予め設定されたデータ等に基づいて推定したりして、防振対象物の振動の大きさに対応した圧力変動が作用空気室に生じさせるように、負圧源から作用空気室に伝達される負圧の大きさを調節し、作用空気室における大気圧から負圧側への圧力変動幅を調節することが考えられる。しかし、このような加速度センサ等の検出手段を用いて作用空気室での圧力変動幅を調整しようとすると、やはりエンジンマウントを駆動させるための周辺機構が複雑となり、コスト高となってしまう。
また、上記のエンジンマウント30、40では、グリコール系やシリコーン油等の非圧縮性液体が用いられているため、この非圧縮性液体がエンジンマウント30、40から漏れ出したときには、そのつどメンテナンスが必要となる。
本発明は、以上のような課題に鑑みて為されたものであり、単気筒または2気筒エンジン(同位相クランク)のエンジンマウントにおいて、簡単な構成でエンジンの振動、特に、振動や騒音により快適性が損なわれるアイドル回転領域におけるエンジンの振動を抑えて、エンジンの低振動化、低騒音化を図ることのできるエンジンマウントを安価に提供することを目的としている。
上記課題を解決することを目的として、請求項1に係る発明のエンジンマウントは、単気筒または2気筒エンジンのエンジンマウントであって、ゴム弾性体と、前記ゴム弾性体に軸方向または軸に垂直な方向に変位可能に、あるいは軸周りに回動可能に支持されてエンジンまたは車体の一方に締結される締結部材と、前記ゴム弾性体を収容してエンジンまたは車体の他方に締結されるマウント筐体とを備え、前記締結部材と前記マウント筐体との間に、前記ゴム弾性体と前記マウント筐体とで区画された作用室が形成され、前記作用室に、エンジンのクランクケース内圧力を該作用室内に導く導入配管が接続されていることを特徴とするものである。
請求項1に係る発明のエンジンマウントによれば、導入配管を介してエンジンのクランクケース内圧力が作用室内に導かれ、ゴム弾性体を介して、ゴム弾性体に支持された締結部材をその軸方向または軸に垂直な方向に変位させることにより、あるいは、軸周りに回動させることにより、クランクケース内の正圧、負圧を利用してエンジンの振動あるいはローリングを相殺するようにして低減させることができる。これは、単気筒または2気筒エンジンにおいては、クランクケース内圧力の変動とエンジンの振動およびローリングとがほぼ同期していることに基づくものであり、簡単な構成でエンジンの振動やローリングを抑えて、エンジンの低振動化、低騒音化を図ることができる。また、導入配管を介してクランクケース内圧力を作用室内に導くだけで、グリコール系やシリコーン油等の非圧縮性液体を用いずに構成することができるため、液体が漏れ出すことなく、メンテナンス性を向上させることができる。
請求項2に係る発明のエンジンマウントは、請求項1に記載のエンジンマウントにおいて、前記導入配管に、エンジンのクランクケース内圧力を導く作用室を、該圧力を作用させる方向によって選択的に接続する流路選択手段が設けられていることを特徴とするものである。
請求項2に係る発明のエンジンマウントによれば、導入配管に設けられた流路選択手段が、エンジンのクランクケース内圧力を作用させる方向に合わせて、エンジンのクランクケース内圧力を導く作用室を選択的に接続するように構成されているので、エンジンの振動モードに合わせてクランクケース内圧力を導く作用室を選択することができ、クランクケース内の正圧、負圧を利用した締結部材の変位あるいは回動により、効果的にエンジンの振動あるいはローリングを相殺するようにして低減させることができる。
請求項3に係る発明のエンジンマウントは、請求項1または2に記載のエンジンマウントにおいて、前記導入配管に、所定のエンジン回転数もしくは車両速度以上で前記クランクケース内圧力の前記作用室への導入を遮断する流路遮断手段が設けられていることを特徴とするものである。
請求項3に係る発明のエンジンマウントによれば、導入配管に設けられた流路遮断手段が、所定のエンジン回転数もしくは車両速度以上でクランクケース内圧力の作用室への導入を遮断するよう構成されているので、特に、振動や騒音により快適性が損なわれるアイドル回転領域におけるエンジンの振動を抑えて、エンジンの低振動化、低騒音化を図ることができる。
本発明によれば、単気筒または2気筒(同位相クランク)エンジンのエンジンマウントにおいて、クランクケース内圧力の変動とエンジンの振動およびローリングとがほぼ同期していることを利用して、簡単な構成でエンジンの振動、特に、アイドル回転領域におけるエンジンの振動、ローリングを抑えて、エンジンの低振動化、低騒音化を図ることができる。また、グリコール系やシリコーン油等の非圧縮性液体を用いないため、液体が漏れ出すことなく、メンテナンス性が向上する。
以下、本発明のエンジンマウントに係る最良の実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。なお、下記に開示される実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の技術的範囲は、実施の形態で開示された内容ではなく、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれると解されるべきである。
(実施の形態1)
先ず、本発明の実施の形態1に係るエンジンマウント1の構造と配置について、図1〜図3に基づき説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るエンジンマウントとエンジンとの配置位置関係を説明するための概略構成図であり、また、図2は、このエンジンマウントの構造を説明するための側断面図である。さらに、図3は、エンジンのクランクケース内の圧力変動を説明するための、(a)は圧力変化図であり、(b)は圧力変動値とエンジン回転数と関係を示す図である。
本実施の形態1において、エンジンマウント1は、単気筒または同位相クランクの2気筒エンジンのエンジンマウントであって、図2に示されるように、ゴム弾性体2と、下方部分がゴム弾性体2に埋設される形で支持され、上方部分がエンジンに締結される締結部材3と、ゴム弾性体2を収容し、車体に締結されるマウント筐体4とを備えて構成されており、後述するように、エンジン12のクランクケース13と第1および第2の作用室5、6との間が導入配管9(9a、9b)により接続されている(図1参照)。
締結部材3は、その下方部分に軸に垂直な方向に突出する環状の鍔部3aと、その軸方向(下方)に突出し、下端面が略平面状に形成された突設部3bとを備え、下方部分がゴム弾性体2に固着されることにより、軸方向ならびに軸に垂直な方向に変位可能な状態でゴム弾性体2に支持されている。また、 締結部材3の上方部分に位置する軸芯部3には軸方向にボルト穴3dが穿設されており、このボルト穴3dにエンジンに取り付けられたボルト(不図示)が捩じ込まれることにより、エンジンマウント1がエンジン12に締結される。また、マウント筐体4は、図示しない側壁に設けられた締結部を介して締結材により車体のフレーム材等に締結されている。
ゴム弾性体2においては、締結部材3の側方に当たる部分に窪み2aが設けられ、この窪み2aがマウント筐体4の側壁4aで覆われることにより、この位置に側壁4aで区画された第1の作用室5が形成されるとともに、さらに、締結部材3の下方に当たる部分に窪み2bが設けられ、この窪み2bがマウント筐体4の底壁4bで覆われることにより、この位置に底壁4bで区画された第2の作用室6が形成されている。すなわち、第1の作用室5は、本実施の形態1では、締結部材3下方の側方位置にあって、第1の作用室5を形成するゴム弾性体2の窪み面が鍔部3aの下面と突設部3bの側周面とに対向するように形成されている。また、第2の作用室6は、締結部材3の下方位置にあって、第2の作用室6を形成するゴム弾性体2の窪み面が突設部3bの下端面に対向するように形成されている。
また、ゴム弾性体2には、第1の作用室5の締結部材3を挟んで反対側の部分に窪み2cが設けられ、この窪み2cがマウント筐体4の側壁4aで覆われることにより、この位置に側壁4aとで区画された第1の空気室7が形成されており、この第1の空気室7に臨むマウント筐体4の側壁4aには通気孔4dが設けられ、空気が流通可能に構成されている。さらに、ゴム弾性体2の上面2dとマウント筐体4の上壁4cとの間には空隙が設けられ、ここに第2の空気室8が形成されている。このマウント筐体4の上壁4cの中央部には通気孔4eが設けられ、締結部材3の上方部分がこの通気孔4eを挿通して、その上端面がマウント筐体4の上壁4cよりも上方に突出している。この通気孔4eと締結部材3の間には適度な間隙が介在し、この間隙を介して空気が流通可能であるとともに、締結部材3が軸方向ならびに軸に垂直な方向に変位可能となるように構成されている。
また、第1の作用室5および第2の作用室6に対応してマウント筐体4の側壁4aに圧力導入孔4f、4gが設けられ、これらの圧力導入孔4f、4gに途中で2方に分岐した導入配管9a、9bの各一端がそれぞれ接続されるとともに、導入配管9の他端がエンジン12のクランクケース13に設けられた圧力導出孔13aに接続されている。ここでは、導入配管9の途中区間(分岐部分)に2つの出力ポート10a、10bを有する流路選択手段10が介装され、この流路選択手段10の一方の出力ポート10aに接続される導入配管9aが圧力導入孔4fに接続され、他方の出力ポート10aに接続される導入配管9bが圧力導入孔4gに接続されている。この導入配管9(9a、9b)を通して、第1の作用室5および第2の作用室6に、エンジン12のクランクケース内圧力が導かれている。
流路選択手段10は、機械的(手動を含む)あるいは電磁的に作動して、クランクケース内圧力の流路を2つの出力ポート10a、10bのうちのいずれか一方に選択的に設定するものであり、クランク内圧力を作用させようとする方向に応じて出力先をいずれか一方の出力ポート10a、10bに設定することにより、接続された作用室(第1の作用室5または第2の作用室6)に対してエンジン12のクランクケース内圧力を選択的に導くことができる。クランク内圧力を作用させる方向として第1の作用室5または第2の作用室6のいずれを選択するかは、エンジン12(気筒)の配置、方向等の要因、すなわち、エンジン12で発生する振動モードに応じて設定されることになる。
単気筒および同位相クランクの2気筒エンジン12のクランクケース内圧力は、図3(a)に示されるように、負圧と正圧の間を周期的に変化する。なお、図3(a)に示される圧力変化は、エンジン回転数が1200rpmのときのものであり、圧力変化の振幅幅(圧力変動値)および周波数は、エンジン回転数に依存する。図3(b)では、圧力変動値が、エンジン回転数の上昇とともに、大きくなる傾向にあることを示している。
そして、単気筒および2気筒エンジン12において、このようなクランクケース内圧力は、エンジン12の振動とほぼ同期して変動している。そこで、エンジン12のクランクケース内圧力が導入配管9を介して第1の作用室5または第2の作用室6内に導かれ、ゴム弾性体2を介して、ゴム弾性体2に支持された締結部材3をその軸方向または軸に垂直な方向に変位させることにより、クランクケース13内の正圧、負圧を直接利用してエンジン12の振動を相殺するようにして低減させることができる。
すなわち、第1の作用室5に負圧が導入されたときには、ゴム弾性体2の窪み2a底部が圧力導入孔4f側に引き寄せられ、これに伴って締結部材3も圧力導入孔4f側に近づく方向(図2において右方向)に変位する。また、第1の作用室5に正圧が導入されたときには、ゴム弾性体2の窪み2a底部が圧力導入孔4f側から押し離され、これに伴って締結部材3も圧力導入孔4f側から離れる方向(図2において左方向)に変位する。
また、第2の作用室6に負圧が導入されたときには、ゴム弾性体2の窪み2b底部が圧力導入孔4g側に引き寄せられ、これに伴って締結部材3も圧力導入孔4g側に近づく方向(図2において下方向)に変位する。また、第2の作用室6に正圧が導入されたときには、ゴム弾性体2の窪み2b底部が圧力導入孔4g側から押し離され、これに伴って締結部材3も圧力導入孔4g側から離れる方向(図2において上方向)に変位する。
この間、第1の空気室7および第2の空気室8は大気圧に保たれているため、締結部材3の変位を阻害することがない。そして、クランクケース13内の正圧、負圧を利用したこのような締結部材3の変位により、エンジン12にエンジン12の振動とほぼ同期した圧力が加わるため、エンジン12の振動を相殺するようにして低減させることができる。
特に、本実施の形態1では、第1の作用室5を形成するゴム弾性体2の窪み面が締結部材3の鍔部3aの下面と突設部3bの側周面とに対向するように形成され、第2の作用室6を形成するゴム弾性体2の窪み面が締結部材3の突設部3bの下端面に対向するように形成されているため、クランクケース13内の圧力変化が締結部材3に遅滞無く、かつ高い効率で伝達され、これにより、簡単な構成でありながら、エンジン12の振動を抑えて、エンジン12の低振動化、低騒音化を図ることができる。また、本実施の形態1では、グリコール系やシリコーン油等の非圧縮性液体を用いずに構成しているため、液体が漏れ出すことなく、メンテナンス性を向上させることができる。
さらに、本実施の形態1では、導入配管9の途中、流路選択手段10より上流側(エンジン12寄り)にクランクケース内圧力の導入を遮断する流路遮断手段としての遮断弁11が設けられており、図示しないコントローラにより、エンジン12の回転数が所定のエンジン回転数(例えば、アイドリング回転領域の上限値)以上になったことが検出されたときに、遮断弁11を作動させて、クランクケース内圧力の導入を遮断するよう構成されている。これにより、特に、振動や騒音により快適性が損なわれるアイドル回転領域におけるエンジン12の振動を抑えて、エンジン12の低振動化、低騒音化を図ることができる。なお、アイドル回転領域を超える高回転域では、エンジン12の振動に十分追従できないという懸念があるが、所定のエンジン回転数以上でクランクケース内圧力の導入を遮断することにより、このような悪影響が生じるのを防止することができる。なお、流路選択手段10が電磁的に作動して流路遮断機能を有するものである場合、遮断弁11を設けることなく、電磁式の流路選択手段10をもって流路遮断手段としても良い。
また、上記の実施の形態1では、所定のエンジン回転数以上で遮断弁11を作動させるように構成しているが、コントローラにより、車両速度が所定の車両速度以上であることが検出されたときに、遮断弁11を作動させるように構成しても良い。この場合にも、アイドル回転領域に当たる低速走行時においてエンジン12の振動を抑えて、エンジン12の低振動化、低騒音化を図ることができる。
また、上記の実施の形態1では、ゴム弾性体2における締結部材3の側方位置に第1の作用室5と第1の空気室7とが互いに対向するように形成され、併せて、締結部材3の下方位置と上方位置に第2の作用室6と第2の空気室8とが互いに対向するように形成されていたが、いずれか一方の作用室と空気室とが互いに対向するように形成されるものであっても良い。この場合、作用室と空気室が形成された方向でのエンジンの振動を低減させることができ、エンジン12の振動モードに応じて、形成される作用室と空気室の位置、方向関係が決定されることになる。なお、第1の作用室5、空気室7と第2の作用室6、空気室8の両方が形成されていると、1種類のエンジンマウント1でどのようなエンジン12の振動モードにも対応することができる。
さらに、第1の作用室5、空気室7と第2の作用室6、空気室8のいずれか一方が形成される場合にあっては、クランク内圧力の流路をいずれか一方に選択する流路選択手段10および導入配管9a、9bのうちの一方を省略し、導入配管9を第1および第2の作用室5、6のうちの一方の圧力導入孔4f、4gに直接接続して、この作用室にエンジン12のクランクケース内圧力を導くことができる。
さらに、上記の実施の形態1では、締結部材3をエンジン12に締結し、マウント筺体4を車体に締結する構成を示したが、マウント筺体4をエンジン12に締結し、締結部材3を車体に締結するように構成しても良い。この場合、第2の作用室6が締結部材3の上方位置に、第2の空気室8が締結部材3の下方位置に位置するようになるが、本発明に係るエンジンマウント1においては、非圧縮性液体を用いていないため、非圧縮性液体の漏出の心配がなく、如何ように構成することも可能である。
また、上記の実施の形態1では、第1の作用室5に対向する反対側の位置に第1の空気室7を形成し、第2の作用室6に対向する反対側の位置に第2の空気室8を形成したが、第1の空気室7、第2の空気室8を省略することも可能である。
(実施の形態2)
先ず、本発明の実施の形態2に係るエンジンマウント21の構造について、図4に基づき説明する。図4は、このエンジンマウントの構造を説明するための平断面図である。
本実施の形態2のエンジンマウント21は、単気筒または同位相クランクの2気筒エンジンのエンジンマウントであって、図4に示されるように、ゴム弾性体22と、軸芯部23aがゴム弾性体22に回動可能に支持され、上方部分がエンジン12に締結される締結部材23と、ゴム弾性体22を収容し、底壁部分で車体に締結されるマウント筐体24とを備えて構成されている。締結部材23の支持構造についての詳細な説明は省略するが、おおよそ上記の実施の形態1と同様に、突設部(図示省略)を締結部材23の下方突出させ、この突設部をゴム弾性体22を介してマウント筺体24の底壁(図示省略)で保持することによって構成することができる。
ゴム弾性体22は、断面視円筒形状を有するマウント筺体24に収容され、その周方向および上下方向の各面がマウント筺体24の周壁24aおよび上壁(図示省略)、底壁で覆われ、保持されている。また、ゴム弾性体22の内部には、断面視扇形状を有する複数の空洞部22aが周方向に配列されるようにして形成されるとともに、ゴム弾性体22の中心部を貫通する締結部材保持孔22bが形成されている。また、各空洞部22aの外周面には半径方向に段差22cが形成されており、各空洞部22aは、大きな外周半径を有する領域22dと小さな外周半径を有する領域22eとを備えている。
そして、各空洞部22aの大きな外周半径を有する領域22dにおいて、小さな外周半径を有する領域22eの反対側のコーナー部近傍(外周面)にゴム弾性体22および周壁24aを貫通する圧力導入孔22f、24bが設けられ、この圧力導入孔24bに導入配管9の一端が接続されるとともに、導入配管9の他端がエンジン12のクランクケース13に設けられた圧力導出孔13aに接続されている。また、各空洞部22aの小さな外周半径を有する領域22eの外周面にゴム弾性体22および側壁24aを貫通する通気孔22g、24cが設けられている。
一方、締結部材23は、軸芯部23aと、この軸芯部から放射状に突出した回動翼部23bとを備え、軸芯部23aがゴム弾性体22の締結部材保持孔22bに装着され、回動翼部23bが空洞部22aの大きな外周半径を有する領域に装着されることにより、締結部材23は軸芯部23aを回動中心にしてゴム弾性体22によって回動可能に支持されることになる。
このように締結部材23がゴム弾性体22によって回動可能に支持された状態で、各空洞部22aに、回動翼部23bの大きな外周半径を有する領域22d側に位置して作用室25が形成され、さらに、回動翼部23bの小さな外周半径を有する領域22e側に位置して空気室26が形成される。そして、作用室側25に設けられた圧力導入孔22f、24bに接続される導入配管9を通して、作用室6に、エンジン12のクランクケース内圧力が導かれことになる。一方、空気室26は、通気孔22g、24cを介する空気の流通により、大気圧に保持される。
そして、単気筒または同位相クランクの2気筒エンジン12においては、上記の実施の形態1と同様、クランクケース内圧力は、エンジン12のローリング(ローリング振動)とほぼ同期して変動しており、エンジン12のクランクケース内圧力が導入配管9を介して作用室25内に導かれ、ゴム弾性体22を介して、ゴム弾性体22に支持された締結部材23を軸芯部23aを回動中心にして回動させることにより、クランクケース13内の正圧、負圧を直接利用してエンジン12のローリング振動を相殺するようにして低減させることができる。
すなわち、作用室25に負圧が導入された時には、締結部材23が圧力導入孔22f、24bに近づく方向(図4において反時計回り方向)に回動され、作用室25に正圧が導入された時には、締結部材23が圧力導入孔22f、24bから遠ざかる方向(図4において時計回り方向)に回動される。この間、空気室26は大気圧に保たれているため、締結部材23の回動を阻害することがない。そして、クランクケース13内の正圧、負圧を利用したこのような締結部材3の回動により、エンジン12にエンジン12のローリングとほぼ同期した圧力が加わるため、エンジン12のローリング振動を相殺するようにして低減させることができる。
特に、本実施の形態2では、ゴム弾性体22に複数の作用室25と空気室26が形成されていることにより、クランクケース13内の圧力変化が締結部材23に遅滞無く、かつ高い効率で伝達され、このことによって締結部材23が円滑に回動されるため、簡単な構成でありながら、エンジン12のローリング振動を抑えて、エンジン12の低振動化、低騒音化を図ることができる。また、本実施の形態2では、グリコール系やシリコーン油等の非圧縮性液体を用いずに構成しているため、液体が漏れ出すことなく、メンテナンス性を向上させることができる。
さらに、本実施の形態2では、上記の実施の形態1と同様、導入配管9の途中にクランクケース内圧力の導入を遮断する遮断弁11が設けられており、図示しないコントローラにより、エンジン12の回転数が所定のエンジン回転数(例えば、アイドリング回転領域の上限値)以上になったことが検出されたときに、遮断弁11を作動させて、クランクケース内圧力の導入を遮断するよう構成されており、上記の実施の形態1で説明したのと同様の効果を得ることができる。
上記の実施の形態に示された本発明によれば、簡単な構成でエンジンの振動やローリング、特に、振動や騒音により快適性が損なわれるアイドル回転領域におけるエンジンの振動やローリングを抑えて、エンジンの低振動化、低騒音化を図ることのできるエンジンマウントを安価に提供することができるため、単気筒または2気筒エンジンのエンジンマウントに好適に使用することができる。また、グリコール系やシリコーン油等の非圧縮性液体を用いずに構成することができ、液体が漏れ出すことなく、メンテナンス性を向上させることができる。
本発明の実施の形態1に係るエンジンマウントとエンジンとの配置位置関係を説明するための概略構成図である。 本発明の実施の形態1に係るエンジンマウントの構造を説明するための側断面図である。 エンジンのクランクケース内の圧力変動を説明するための、(a)は圧力変化図であり、(b)は圧力変動値とエンジン回転数と関係を示す図である。 本発明の実施の形態2に係るエンジンマウントの構造を説明するための平断面図である。 従来のエンジンマウントの構造を説明するための側断面図である。 従来の別のエンジンマウントの構造を説明するための側断面図である。
符号の説明
1 エンジンマウント
2 ゴム弾性体
3 締結部材
4 マウント筐体
5 第1の作用室
6 第2の作用室
7 第1の空気室
8 第2の空気室
9 導入配管
10 流路選択手段
11 遮断弁(流路遮断手段)
12 エンジン
13 クランクケース
21 エンジンマウント
22 ゴム弾性体
23 締結部材
24 マウント筐体
25 作用室
26 空気室

Claims (3)

  1. 単気筒または2気筒エンジンのエンジンマウントであって、
    ゴム弾性体と、前記ゴム弾性体に軸方向または軸に垂直な方向に変位可能に、あるいは軸周りに回動可能に支持されてエンジンまたは車体の一方に締結される締結部材と、前記ゴム弾性体を収容してエンジンまたは車体の他方に締結されるマウント筐体とを備え、
    前記締結部材と前記マウント筐体との間に、前記ゴム弾性体と前記マウント筐体とで区画された作用室が形成され、前記作用室に、エンジンのクランクケース内圧力を該作用室内に導く導入配管が接続されていることを特徴とするエンジンマウント。
  2. 前記導入配管に、エンジンのクランクケース内圧力を導く作用室を、該圧力を作用させる方向によって選択的に接続する流路選択手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のエンジンマウント。
  3. 前記導入配管に、所定のエンジン回転数もしくは車両速度以上で前記クランクケース内圧力の前記作用室への導入を遮断する流路遮断手段が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のエンジンマウント。
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