JP2009120696A - プリプレグ及び金属張り積層板 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハロゲン元素を用いず、難燃性を有し、Tgが高く、環境問題に対応したポリイミド樹脂系プリント配線板用プリプレグ及び金属張り積層板を提供する。
【解決手段】ガラス基材に、ハロゲン元素を含有しない熱硬化性樹脂ワニスを含浸乾燥させてなる、プリプレグであって、前記熱硬化性樹脂ワニスが、(a)成分;ポリイミド樹脂プレポリマー、(b)成分;水酸化アルミニウム、(c)成分;末端に水酸基と反応する官能基を1個以上有し、かつ炭化水素基として炭素数6〜12のアリール基を少なくとも1個以上有する有機シラン、(d)成分;硬化促進剤として1−シアノエチル−2−エチル−イミダゾールの環状縮合物を含む、プリプレグ。
【選択図】なし

Description

本発明は、プリント配線板等の電気絶縁材料に使用されるプリプレグ及び金属張り積層板に関する。
通常、ポリイミド樹脂積層板は、ポリイミド樹脂組成物のワニス溶液をガラス布に含浸し、硬化させてBステージ化したプリプレグを積層し、加熱加圧して製造されている。ポリイミド樹脂は、エポキシ樹脂に比べるとガラス転移温度(以下、Tgと略す)が高いため、これを用いた積層板はスルーホール信頼性等に優れている。その反面、積層時の硬化温度をエポキシ樹脂系よりも高く設定する必要があり、積層作業効率が悪いという欠点がある。また、ポリイミド樹脂は硬くて脆いため、エポキシ樹脂を用いた積層板に比べてドリル加工性等が劣る傾向にある。そのため、プリント配線板にポリイミド樹脂組成物を使用する場合、改質剤としてエポキシ樹脂を配合し、積層性やドリル加工性を向上することが多い。
また、従来、ポリイミド樹脂組成物に難燃性を付与するため、臭素等のハロゲン元素を含有する樹脂を使用していた。特に、前述のようにエポキシ樹脂を配合することが多いため、ハロゲン化したエポキシ樹脂を用いたり、テトラブロモビスフェノールAやそのグリシジルエーテル化物のような難燃樹脂を用いることが多かった。
ところが、ポリイミド樹脂組成物を用いた積層板は、エポキシ樹脂積層板に比べて吸湿処理時の吸水率が大きい傾向にあり、その結果、基板はんだ耐熱性が不充分になってしまう。また、樹脂組成物中のハロゲン元素は、マイグレーションやトラッキング性等の電気的信頼性を低下させる一因であり、更に近年では環境問題に対する関心が高まったこともあり、燃焼時にダイオキシン等を発生させる原因となるハロゲン元素を含まない非ハロゲン系の材料が求められている。
特開2002−028359号公報
本発明の目的は、ハロゲン元素を用いず、難燃性を有し、Tgが高く、環境問題に対応したポリイミド樹脂系プリント配線板用プリプレグ及び金属張り積層板を提供することである。
本発明は、以下に関する。
1. ガラス基材に、ハロゲン元素を含有しない熱硬化性樹脂ワニスを含浸乾燥させてなる、プリプレグであって、前記熱硬化性樹脂ワニスが、(a)成分;ポリイミド樹脂プレポリマー、(b)成分;水酸化アルミニウム、(c)成分;末端に水酸基と反応する官能基を1個以上有し、かつ炭化水素基として炭素数6〜12のアリール基を少なくとも1個以上有する有機シラン、(d)成分;硬化促進剤として1−シアノエチル−2−エチル−イミダゾールの環状縮合物を含む、プリプレグ。
2. 熱硬化性樹脂ワニスにおいて、(a)成分中の有機樹脂固形分100重量部に対し、(b)成分50〜150重量部、(c)成分0.005〜15重量部を含む、項1記載のプリプレグ。
3. 熱硬化性樹脂ワニスにおいて、更に(e)成分;1分子中にエポキシ基を少なくとも2個以上有する非ハロゲン系エポキシ樹脂を含む、項1または2に記載のプリプレグ。
4. (c)成分中に炭化水素基として、炭素数6〜12のアリール基が2つ以上含まれていることを特徴とする項1〜3いずれかに記載のプリプレグ。
5. (c)成分中に炭化水素基として、炭素数6〜12のアリール基が3つ以上含まれていることを特徴とする項1〜3いずれかに記載のプリプレグ。
6. 熱硬化性樹脂ワニスの全有機樹脂固形分中の窒素含有量が、5重量%以上である項1〜5いずれかに記載のプリプレグ。
7. (e)成分が、フェノール類とホルムアルデヒドとの重縮合物のグリシジルエーテル化物である、項3〜6いずれかに記載のプリプレグ。
8. 項1〜7いずれかに記載のプリプレグを少なくとも1枚以上積層し、その片面もしくは両面に金属箔を配して加熱加圧成形して得られる金属張り積層板。
本発明によるプリプレグは、ハロゲン元素を用いず、基板はんだ耐熱性に優れており、且つ,従来の配合よりTgが高く、これを用いることにより、プリント配線板用金属張り積層板を得ることができる。また、この積層板は優れた難燃性を示すと同時に、燃焼時にダイオキシン等を発生する原因となるハロゲン元素成分を実質的に含有せず、環境問題に対応した金属張り積層板である。
本発明に用いる(a)ポリイミド樹脂プレポリマーは、テトラカルボン酸の無水物、ジイミド又はモノイミド(以下、テトラカルボン酸の無水物等と略す)とジアミンとを反応させて得ることができる。慣用の方法を用いて、反応させることができ、上市品を用いることもでき、線状ポリイミドが好ましい。テトラカルボン酸の無水物等としては、マレイン酸、トリメリト酸、ピロメリト酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル等の無水物、ジイミド又はモノイミドが挙げられる。テトラカルボン酸ジイミドが好ましく、ビスマレイミドが特に好ましい。
ビスマレイミドとしては、分子内にマレイミド基を2個含有する化合物で、ハロゲン元素を含まないものであれば、特に制限されない。例えば、マレイン酸N,N’−エチレン−ビスイミド、マレイン酸N,N’−ヘキサメチレン−ビスイミド、マレイン酸N,N’−メタフェニレン−ビスイミド、マレイン酸N,N’−4,4’−ジフェニルメタン−ビスイミド(N,N’−メチレンビス(−N−フェニルマレイミドともいう)、マレイン酸N,N’−4,4’−ジフェニルエーテル−ビスイミド、マレイン酸N,N’−4,4’−ジフェニルスルホン−ビスイミド、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン−ビスイミド、マレイン酸4,4’−メチレン−ジ−2,6−ジイソプロピルアニリン−ビスイミド等が挙げられ、これらを単独あるいは併用して使用することができる。
本発明に用いるジアミンとしては、分子内にアミノ基を2個含有する化合物であり、ハロゲン元素を含まないものであれば、特に制限されない。例えば、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、2,6−ジアミノピリジン、メタフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス(4−アミノフェニル)プロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、1,3−ビス(2−p−アニリノプロピリデン)ベンゼン、1,4−ビス(2−p−アニリノプロピリデン)ベンゼン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、ジシアンジアミド、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、m−トルイレンジアミン、2,4−ジアミノ−6−(2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)−)エチル−S−トリアジン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス−4−(4−アミノフェノキシ)フェニルスルホン、ビス−4−(3−アミノフェノキシ)フェニルスルホン等が挙げられ、これらを単独あるいは併用して使用することができる。
本発明によれば、ジアミンは、プレポリマー化及び硬化後の耐熱性と、硬化後のTgとの両方を考慮すると、テトラカルボン酸無水物等1モル当たりジアミン0.3〜1.2モルの比率で、テトラカルボン酸無水物等と反応させることが好ましく、0.5〜1.0モルの比率で反応させることがより好ましい。
本発明で用いる(b)水酸化アルミニウムには、組成式Al・3HOで表されるギブサイト、バイヤライト若しくはノルドストランダイト、または、Al・HOで表されるベーマイト、ダイアスポアのいずれも用いることができる。また、これらの1種以上を混合して用いることもできる。製造コスト及びプリント配線板の難燃性を考慮すると、結晶水を分子内に多く有するギブサイト型が好ましい。
また、(b)成分に含まれる不純物NaOの含有率は、耐熱性を考慮すると0.2重量%未満であることが好ましい。(b)成分は、形状については特に制限されない。(b)成分は、市販されている水酸化アルミニウムを用いることができる。
また、(b)成分に加えて、無機充填剤を任意に添加することができる。例えば、ボロン、カーボン、クレー、ガラス、炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、シリカ、マイカ、酸化チタン、炭酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ホウ酸アルミニウム、炭化ケイ素等が挙げられる。ビーズ、粉末、繊維、粉砕品、ウィスカ、りん片等の形状で用いることができる。例えば、ホウ酸アルミニウム、炭化ケイ素のウィスカ、ガラスの単繊維等が挙げられる。
(b)成分は、難燃効果の発現と塗工作業性、成形性、耐熱性、及びピール強度を考慮すると、(a)成分中の有機樹脂固形分100重量部に対し、50〜150重量部配合することが好ましく、70〜130重量部配合することがより好ましい。
本発明に用いる(c)有機シランは、(b)水酸化アルミニウムの表面処理に加えて、任意に配合し得る(b)成分以外の無機充填剤の表面処理にも使用することができる。(c)成分は、ハロゲン元素を含まないもので、末端に水酸基と反応する官能基を1個以上有し、かつ炭化水素基として炭素数6〜12のアリール基を少なくとも1個以上有するものであり、その他、構造等は特に制限されない。
本発明の(c)成分が末端に有する官能基としては、例えば、シラン類のヒドロキシル基、アルコール類のヒドロキシル基、カルボン酸類のカルボキシル基、ケトン類のカルボニル基等が挙げられる。炭素数1または2のアルコキシ基や、シラノール基等が好ましい。
また、(c)成分の分子中の炭化水素基としては、炭素数6〜12のアリール基が2つ以上含まれているものが好ましく、炭素数6〜12のアリール基が3つ以上含まれているものがより好ましい。ここで、アリール基はアラルキル、アルカリルを含む。例えば、フェニル、トリル、ナフチル、ベンジル、クメニル、スチリル、フェネチル、キシリル、メシチル、シンナミル等が挙げられる。メチル基、エチル基等の炭化水素基のみを有する有機シランに比べ、分子量の大きなアリール基を1個以上有する(c)成分が水酸化アルミニウムの表面に付着した場合、水酸化アルミニウムの結晶水を脱水するのに必要な熱エネルギー量が増加する結果、水酸化アルミニウムの脱水温度は上昇して、水酸化アルミニウムの耐熱性を向上することが可能となる。
(c)成分は、(b)成分の表面に付着させるため、耐熱性を考慮するとゲル状態ではないことが好ましく、付着むらが生じない状態が好ましい。本発明の(c)成分を(b)成分及び任意に配合し得る(b)成分以外の無機充填剤の表面に付着させる方法は、特に制限されない。(c)成分を直接添加する乾式法、有機溶媒等で希釈した処理液を用いる湿式法等が好ましい。熱硬化性樹脂ワニス中に配合して攪拌することによっても効果が得られる。
(c)成分の配合量は、界面接着性及び耐熱性の両方を考慮すると、(b)成分及び他の充填材の総重量100重量部に対し、0.01〜10重量部が好ましく、1〜7重量部がより好ましい。また、(a)成分中の有機樹脂固形分100重量部に対し、0.005〜15重量部が好ましく、0.5〜10.5重量部がより好ましい。
本発明に用いる(d)成分の1−シアノエチル−2−エチルイミダゾールの環状縮合物は,硬化促進剤として用いられる。配合量は(a)ポリイミド樹脂プレポリマー100重量部に対して、0.01〜5重量部が好ましい。0.01重量部より少ないと硬化促進効果が小さく、5重量部より多いと樹脂組成物の保存安定性が悪くなる。
本発明によれば、積層板特性の改質剤として、(e)非ハロゲン系エポキシ樹脂を配合することが好ましい。本発明の(e)成分は、分子内にエポキシ基を2個以上有し、かつハロゲン化されていない樹脂である。有機臭素化合物、有機塩素化合物、または無機塩素化合物等のハロゲン化物を実質的に含有しない。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、多官能フェノールのグリシジルエーテル化物、多官能アルコールのグリシジルエーテル化物、これらの水素添加物等が挙げられる。これらを1種類以上併用することもできる。
また、本発明によれば、(e)成分には、樹脂ワニスの硬化後のTgや耐熱性を改善するために、フェノール類とホルムアルデヒドの重縮合物のグリシジルエーテル化物を用いることが好ましい。このような樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらは単独若しくは併用して用いることができる。
本発明の(e)成分の配合量は、ドリル加工性とTg及び耐熱性との両方を考慮すると、(a)成分100重量部に対し、30〜150重量部が好ましく、50〜100重量部がより好ましい。
上記(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)成分に加えて、本発明の目的を阻害しない範囲で、任意に、水酸化アルミニウム以外の充填剤、着色剤、酸化防止剤、還元剤、紫外線不透過剤等を加えることができる。特に無機充填剤は、難燃性を改善するのに効果がある。これらは、1種類を用いても2種類以上を併用しても良い。
本発明において、全有機樹脂固形分の重量に対し、難燃性を考慮すると、窒素元素の含有率である窒素含有率が5重量%以上であることが好ましい。全有機樹脂固形分とは、(a)ポリイミド樹脂プレポリマー、(e)非ハロゲン系エポキシ樹脂、及びその他に配合した有機樹脂重量の合計量である。窒素含有率とはその合計量に対する窒素元素の含有率である。
本発明によれば、上記(a)、(b)、(c)、(d)及び任意に(e)成分を溶剤中で配合して得た熱硬化性樹脂ワニス(ポリイミド樹脂ワニス)をガラス基材に含浸させて、乾燥することによりプリプレグを得ることができる。なお、慣用のプリプレグの製造方法を用いることができる。ここで使用するガラス基材の種類は特に制限されない。例えば、ガラス織布、ガラス不織布等が挙げられる。通常、厚さ0.02〜0.4mmのものを、目的のプリプレグまたは積層板の厚さに合わせて使用することができる。ここで、含浸量は樹脂分として示されるが、樹脂分とは、プリプレグの全重量に対する有機樹脂固形分と無機充填剤との合計重量部の割合である。含浸量または樹脂分は、30〜80重量%であることが好ましく、40〜70重量%であることがより好ましい。樹脂分は目的のプリプレグの性能、及び積層後の絶縁層の厚さに合わせて適宜決定することができる。プリプレグを製造する乾燥条件は、乾燥温度60〜200℃、乾燥時間1〜30分間の範囲で、目的のプリプレグ特性に合わせて自由に選択することができる。
目的とする積層板の厚みに合わせて得られたプリプレグを積層し、その片側または両側に金属箔を重ね、加熱加圧して金属張り積層板を製造する。金属箔には、主に銅箔やアルミ箔を用いるが、他の金属箔を用いることもできる。金属箔の厚みは3〜200μmであることが好ましい。積層板製造時の加熱温度は130〜250℃が好ましく、160〜200℃がより好ましい。圧力は0.5〜10MPaが好ましく、1〜4MPaがより好ましい。プリプレグ特性や、プレス機の能力、目的の積層板の厚み等により適宜決定することができる。
以下、本発明を実施例に基づき、より詳細に説明する。これらの実施例は、本発明を如何なる意味においても制限するものではない。なお、実施例中、他に断らない限り、部は重量部を意味する。
実施例1
マレイン酸N,N’−4,4’−ジフェニルメタン−ビスイミド100部及び4,4’−ジアミノジフェニルメタン30部をエチレングリコールモノメチルエーテル150部中に入れ、攪拌しながら、125℃で90分間還流下加熱した。その後、液温を80℃まで冷却し、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製、商品名:YDCN−703Sを使用)130部を加え、更に60分攪拌し、その後30℃まで冷却した。次いで、ジシアンジアミド6部、1−シアノエチル−2−エチル−イミダゾールの環状縮合物(硬化促進剤)0.3部、トリメトキシモノフェニルシラン16部、水酸化アルミニウム(ギブサイト型)320部及びエチレングリコールモノメチルエーテル108.1部を加えて攪拌し、不揮発分70重量%、窒素含有率6.0重量%の樹脂ワニスを作製した。このワニスを100μmのガラス織布(IPC品番#2116タイプ)に含浸し、180℃の乾燥器中で6分間乾燥し、樹脂分60重量%のB−ステージ状態のプリプレグを得た。
実施例2
実施例1において、トリメトキシモノフェニルシランの代わりにモノヒドロキシトリフェニルシランを9.6部用いた以外は、実施例1と同様にして不揮発分70重量%、窒素含有率6.0重量%の樹脂ワニスを得た。得られたワニスを実施例1と同様にして、樹脂分60重量%のB−ステージ状態のプリプレグを得た。
有機シラン処理A溶液の調整
攪拌装置を備えたガラス製フラスコに、トリメトキシモノフェニルシラン及びエチレングリコールモノメチルエーテルを入れ、トリメトキシモノフェニルシランの10重量%溶液を作製した。さらに、攪拌を継続しながら、溶液1部に対して水酸化アルミニウム(ギブサイト型)2部を入れて、有機シラン処理A溶液を作製した。
実施例3
実施例1において、トリメトキシモノフェニルシラン16部、水酸化アルミニウム(ギブサイト型)320部及びエチレングリコールモノメチルエーテル108.1部の代わりに、有機シラン処理A溶液を480部使用した以外は、実施例1と同様にして不揮発分67重量%、窒素含有率6.0重量%の樹脂ワニスを得た。得られたワニスを実施例1と同様にして、樹脂分60重量%のB−ステージ状態のプリプレグを得た。
比較例1
実施例1において、硬化促進剤を2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製,商品名:2E4MZ)にした以外は、実施例1と同様な方法で、不揮発分63重量%、窒素含有率6.7重量%の樹脂ワニスを得た。このワニスを用いて実施例4と同様の方法にて、樹脂分68重量%のB−ステージ状態のプリプレグを得た。
比較例2
実施例1において、硬化促進剤をイミダゾール硬化促進剤(四国化成工業株式会社製、商品名:キュアゾールC11Z)にした以外は、実施例1と同様な方法で、不揮発分63重量%、窒素含有率6.7重量%の樹脂ワニスを得た。このワニスを用いて実施例4と同様の方法にて、樹脂分68重量%のB−ステージ状態のプリプレグを得た。
金属張り積層板の製造方法
実施例1、2、3及び比較例1、2については、上記の工程で得られたプリプレグ4枚を重ね、その外側に厚さ18μmの銅箔を配し、圧力3MPa、温度200℃で80分間加熱加圧して両面銅張積層板を得た。実施例4、5及び比較例3については、得られたプリプレグ8枚を重ね、同様の積層方法にて両面銅張積層板を得た。
得られた両面銅張積層板の銅箔をエッチングした後、Tgの測定及び基板はんだ耐熱性試験を行った。結果を表1に示す。なお、Tgの測定は、株式会社ユービーエム製、Rheogel E−4000型粘弾性測定装置を用いて測定した(表中の単位は℃である)。また、基板はんだ耐熱性は、表1に記載した吸湿処理後、288℃のはんだ槽に20秒間浸漬した基材を観察し、評価した。各記号はそれぞれ、○:変化無し、△:ミーズリング発生、×:ふくれ発生を意味する。
Figure 2009120696
本発明によるプリプレグは、ハロゲン元素を用いず、基板はんだ耐熱性に優れており、且つ,従来の配合よりTgが高く、これを用いることにより、プリント配線板用金属張り積層板を得ることができる。また、この積層板は優れた難燃性を示すと同時に、燃焼時にダイオキシン等を発生する原因となるハロゲン元素成分を実質的に含有せず、環境問題に対応した金属張り積層板である。

Claims (8)

  1. ガラス基材に、ハロゲン元素を含有しない熱硬化性樹脂ワニスを含浸乾燥させてなる、プリプレグであって、前記熱硬化性樹脂ワニスが、(a)成分;ポリイミド樹脂プレポリマー、(b)成分;水酸化アルミニウム、(c)成分;末端に水酸基と反応する官能基を1個以上有し、かつ炭化水素基として炭素数6〜12のアリール基を少なくとも1個以上有する有機シラン、(d)成分;硬化促進剤として1−シアノエチル−2−エチル−イミダゾールの環状縮合物を含む、プリプレグ。
  2. 熱硬化性樹脂ワニスにおいて、(a)成分中の有機樹脂固形分100重量部に対し、(b)成分50〜150重量部、(c)成分0.005〜15重量部を含む、請求項1記載のプリプレグ。
  3. 熱硬化性樹脂ワニスにおいて、更に(e)成分;1分子中にエポキシ基を少なくとも2個以上有する非ハロゲン系エポキシ樹脂を含む、請求項1または2に記載のプリプレグ。
  4. (c)成分中に炭化水素基として、炭素数6〜12のアリール基が2つ以上含まれていることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のプリプレグ。
  5. (c)成分中に炭化水素基として、炭素数6〜12のアリール基が3つ以上含まれていることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のプリプレグ。
  6. 熱硬化性樹脂ワニスの全有機樹脂固形分中の窒素含有量が、5重量%以上である請求項1〜5いずれかに記載のプリプレグ。
  7. (e)成分が、フェノール類とホルムアルデヒドとの重縮合物のグリシジルエーテル化物である、請求項3〜6いずれかに記載のプリプレグ。
  8. 請求項1〜7いずれかに記載のプリプレグを少なくとも1枚以上積層し、その片面もしくは両面に金属箔を配して加熱加圧成形して得られる金属張り積層板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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