JP2009120030A - 駐車支援装置、駐車支援方法及びコンピュータプログラム - Google Patents

駐車支援装置、駐車支援方法及びコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】駐車の困難な駐車スペースに対して駐車を行う場合であっても容易且つ安全に駐車を行わせることを可能とした駐車支援装置、駐車支援方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】障害物センサ5A,5Bにより自車周囲にある駐車スペースを検出し(S1)、検出された駐車スペースに対して所定旋回舵角で駐車を行う第1走行経路を算出し(S11〜S15)、更に車両を駐車スペースに対して進入させることが可能な範囲で第1走行経路の舵角を緩和した第2走行経路を算出し(S22〜S27)し、算出した第2走行経路に従って駐車の支援を行う(S5)ように構成する。
【選択図】図5

Description

本発明は、車両の駐車を支援する駐車支援装置、駐車支援方法及びコンピュータプログラムに関する。
従来より、駐車時に車両の後方環境を撮像したカメラ画像を表示して、車両に対する運転者の駐車操作を支援する駐車支援装置がある。そのような駐車支援装置では、車両に対して後進方向側の状況を画像表示することによって、車両に対する運転者の駐車操作を支援するものや、ステアリング舵角センサからの信号に基づいて車両の進行予測曲線を算出し、算出した進行予測曲線を、上述したように撮像したカメラ画像に重畳して表示することによって、車両に対する運転者の駐車操作を支援するものが知られている。更に、上記駐車支援装置では、単に後方環境の画像を表示するのみでなく、目標とする駐車スペースに対して駐車を完了するまでの車両の走行経路を算出し、算出した走行経路に車両が追従して走行するよう操舵支援や自動操舵を行う技術が知られている。
ここで、前記駐車支援装置により算出される走行経路は、車両の旋回性能に基づいて算出されるので、車両の最大舵角による急な旋回を含む経路である場合も多い。しかしながら、このような急な旋回を含む経路では、操舵支援や自動操舵を行う際に操舵量が目標値に達せず、旋回半径が大きくなる虞や、速度の違い等によって目標経路からずれが生じる虞が高い。そこで、例えば特開2004−352110号公報には、一旦算出した走行経路について、走行経路の舵角を補正して新たな走行経路を設定する技術について記載されている。
特開2004−352110号公報(第4頁〜第6頁、図2、図3)
しかしながら、前記した特許文献1に記載された駐車支援装置では、補正した後の走行経路が駐車スペースへと車両が進入可能な走行経路であるかを判定していなかった。ここで、駐車スペースの周囲には他の駐車車両やフェンス、ブロック塀等の障害物が配置されていることが一般である。従って、補正前の走行経路ではそれらの障害物に接触することがない経路が設定されていた場合でも、走行経路を補正することによって、新たに障害物に接触する経路となってしまう虞がある。
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、駐車を行う駐車スペースの形状を考慮して舵角を緩和することにより、舵角を緩和した後においても走行経路を駐車スペースへと車両が進入できる経路とすることができ、駐車を行う場合に容易且つ安全に駐車を行わせることを可能とした駐車支援装置、駐車支援方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
前記目的を達成するため本願の請求項1に係る駐車支援装置(1)は、駐車スペースを検出する駐車スペース検出手段(3)と、前記駐車スペース検出手段で検出された駐車スペースへと所定の舵角で車両を進入させる第1走行経路を算出する第1走行経路算出手段(3)と、前記駐車スペースの形状を取得する駐車スペース形状取得手段(3)と、前記駐車スペース形状取得手段で取得した前記駐車スペースの形状に基づいて、前記第1走行経路算出手段によって算出された前記第1走行経路の舵角を、車両を駐車スペースへ進入させることが可能な範囲で緩和した第2走行経路を算出する第2走行経路算出手段(3)と、前記第2走行経路算出手段によって算出された前記第2走行経路に基づいて駐車を支援する駐車支援手段(3)と、を有することを特徴とする。
また、請求項2に係る駐車支援装置(1)は、請求項1に記載の駐車支援装置において、前記第2走行経路算出手段により算出された前記第2走行経路の経路全長が所定距離より長いか否か判定する経路全長判定手段(3)と、前記経路全長判定手段により前記経路全長が前記所定距離より長いと判定された場合に、経路全長が所定距離以下となるように前記第2走行経路を補正する第2走行経路補正手段(3)と、を有することを特徴とする。
また、請求項3に係る駐車支援方法は、駐車スペースを検出する駐車スペース検出ステップ(S1)と、前記駐車スペース検出ステップで検出された駐車スペースへと所定の舵角で車両を進入させる第1走行経路を算出する第1走行経路算出ステップ(S11〜S15)と、前記駐車スペースの形状を取得する駐車スペース形状取得ステップ(S21)と、前記駐車スペース形状取得ステップで取得した前記駐車スペースの形状に基づいて、前記第1走行経路算出ステップによって算出された前記第1走行経路の舵角を、車両を駐車スペースへ進入させることが可能な範囲で緩和した第2走行経路を算出する第2走行経路算出ステップ(S22〜S27)と、前記第2走行経路算出ステップによって算出された前記第2走行経路に基づいて駐車を支援する駐車支援ステップ(S5)と、を有することを特徴とする。
更に、請求項4に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに搭載され、駐車スペースを検出する駐車スペース検出機能(S1)と、前記駐車スペース検出機能で検出された駐車スペースへと所定の舵角で車両を進入させる第1走行経路を算出する第1走行経路算出機能(S11〜S15)と、前記駐車スペースの形状を取得する駐車スペース形状取得機能(S21)と、前記駐車スペース形状取得機能で取得した前記駐車スペースの形状に基づいて、前記第1走行経路算出機能によって算出された前記第1走行経路の舵角を、車両を駐車スペースへ進入させることが可能な範囲で緩和した第2走行経路を算出する第2走行経路算出機能(S22〜S27)と、前記第2走行経路算出機能によって算出された前記第2走行経路に基づいて駐車を支援する駐車支援機能(S5)と、を実行させることを特徴とする。
前記構成を有する請求項1に記載の駐車支援装置によれば、駐車を行う駐車スペースの形状を考慮して舵角を緩和することにより、舵角を緩和した後においても走行経路を駐車スペースへと車両が進入できる経路とすることができ、駐車を行う場合に駐車スペースの周囲にある障害物に車両が接触する虞がない。従って、緩和した経路により、運転者の運転負担を軽減するとともに、容易且つ安全に駐車を行わせることが可能となる。
また、請求項2に記載の駐車支援装置によれば、舵角を緩和した結果、第2走行経路の経路全長が必要以上に長くなった場合に適当な距離まで短縮することができる。その結果、駐車操作や駐車時間を簡略化でき、且つ駐車スペース内に適切に駐車することが可能となる。
また、請求項3に記載の駐車支援方法によれば、駐車を行う駐車スペースの形状を考慮して舵角を緩和することにより、舵角を緩和した後においても走行経路を駐車スペースへと車両が進入できる経路とすることができ、駐車を行う場合に駐車スペースの周囲にある障害物に車両が接触する虞がない。従って、緩和した経路により、運転者の運転負担を軽減するとともに、容易且つ安全に駐車を行わせることが可能となる。
更に、請求項4に記載のコンピュータプログラムによれば、駐車を行う駐車スペースの形状を考慮して舵角を緩和させることにより、舵角を緩和した後においても走行経路を駐車スペースへと車両が進入できる経路とすることができ、駐車を行う場合に駐車スペースの周囲にある障害物に車両が接触する虞がない。従って、緩和した経路により、運転者の運転負担を軽減するとともに、容易且つ安全に駐車を行わせることが可能となる。
以下、本発明に係る駐車支援装置について具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係る駐車支援装置1の概略構成について図1及び図2を用いて説明する。図1は本実施形態に係る駐車支援装置1の概略構成図、図2は本実施形態に係る駐車支援装置1の制御系を模式的に示すブロック図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る駐車支援装置1は、車両2に対して設置された駐車支援ECU(駐車スペース検出手段、第1走行経路算出手段、駐車スペース形状取得手段、第2走行経路算出手段、駐車支援手段、経路全長判定手段、第2走行経路補正手段)3と、後方カメラ4と、障害物センサ5A,5Bと、液晶ディスプレイ6と、スピーカ7と、車両DB8と、車両ECU9と、駐車支援ECU3に接続された車速センサ11、ステアリングセンサ12、ジャイロセンサ13、シフトレバーセンサ14等の各種センサで構成されている。
駐車支援ECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)3は、検出した駐車スペースに車両を駐車する際の走行経路を算出するとともに、算出した走行経路に基づいて車両2の駐車を支援する駐車支援処理(図3〜図5参照)等を行う電子制御ユニットである。尚、駐車支援ECU3はナビゲーション装置の制御に使用するECUと兼用してもよい。また、駐車支援ECU3の詳細な構成については後述する。
後方カメラ4は、例えばCCD等の固体撮像素子を用いたものであり、車両2の後方に装着されたナンバープレートの上中央付近に取り付けられ、視線方向を水平より45度下方に向けて設置される。そして、後退時に車両2の進行方向となる車両後方を撮像し、その撮像した画像は液晶ディスプレイ6に表示される。
また、障害物センサ5A,5Bは、車両2の前方に左右一対に設置されており、音波送信部と音波受信部とから基本的に構成されている。そして、音波送信部から車両2の左右方向に対して超音波を放射するとともに障害物(具体的には駐車車両、ブロック塀等)によって反射された反射波を音波受信部で受信する。その結果、駐車支援ECU3は超音波の放射から反射波を受信するまでの時間に基づいて車両2の周囲に位置する障害物までの距離を検出することが可能となる。そして、本実施形態では、駐車支援ECU3は更に障害物センサ5A,5Bの検出結果に基づいて、車両周辺に位置する駐車スペースの検出、並びに検出した駐車スペースの形状を特定する。
液晶ディスプレイ6は、車両2の室内のセンターコンソール又はパネル面に備え付けられ、駐車を行う時において後方カメラ4で撮像された車両後方画像に対して後述する駐車支援処理(図3〜図5参照)により算出された走行経路を重畳して表示する。尚、液晶ディスプレイ6はナビゲーション装置に使用するものと兼用してもよい。
また、スピーカ7は、車両2の室内のセンターコンソール又はパネル面に備え付けられ、運転支援に関する案内音声や警告音等を出力する。特に、本実施形態に係る駐車支援装置1では、車両の駐車時においてステアリングの旋回タイミングや旋回角度の案内音声を出力する。
また、車両DB8は、車両2の形状設計値やカメラ設計値等の車両に関する各種パラメータ情報が記憶された記憶手段である。例えば車両DB8には、車両2の車輪半径、車長、車幅、車高、ホイールベース、最小旋回半径、後方カメラ4の光軸方向や車両2に対する後方カメラ4の設置位置等について記憶されている。
そして、駐車支援ECU3は後述するように車両DB8に記憶された各種パラメータ情報を用いることによって、後述する駐車支援処理(図3〜図5参照)で駐車スペースへの走行経路の算出を行う。また、同じく車両DB8に記憶された各種パラメータ情報を用いることによって、算出された走行経路に基づく車両2の駐車支援(案内や自動操舵)を行う。
また、車両ECU9は、エンジン、変速機、アクセル、ブレーキ等の作動を制御する車両2の電子制御ユニットであり、ステアリング、ブレーキアクチュエータ、アクセルアクチュエータ、AT(Automatic Transmission)等が接続されている。そして、車両ECU9は駐車時に駐車支援ECU3からの指示に基づいて、ステアリング角、ブレーキ圧、エンジンに吸入する空気量、変速比等を変化させ、後述する駐車支援処理(図3〜図5参照)で算出された走行経路に沿った自動操舵を行うことができる。
また、車速センサ11は、車両の移動距離や車速を検出する為のセンサであり、車両2の車輪の回転に応じてパルスを発生させ、パルス信号を駐車支援ECU3に出力する。そして、駐車支援ECU3は発生するパルスを計数することにより車輪の回転速度や移動距離を算出する。
また、ステアリングセンサ12は、ステアリング装置の内部に取り付けられており、ステアリングの回動角を検出可能とするセンサである。
ジャイロセンサ13は、車両2の旋回角を検出可能とするセンサである。また、ジャイロセンサ13によって検出された旋回角を積分することにより、自車方位を検出することができる。
シフトレバーセンサ14は、シフトレバー(図示せず)に内蔵され、シフト位置が「P(パーキング)」、「N(ニュートラル)」、「R(リバース)」、「D(ドライブ)」、「2(セカンド)」、「L(ロー)」のいずれの位置となっているかを検出可能とする。
次に、駐車支援ECU3の詳細について図2を用いて説明すると、駐車支援ECU3はCPU21を核として構成されており、CPU21には記憶手段であるROM22及びRAM23が接続されている。そして、ROM22には後述の駐車支援処理プログラム(図3〜図5参照)、その他、後方カメラ4や障害物センサ5A,5B等の制御上必要な各種のプログラム等が格納されている。また、RAM23はCPU21で演算された各種データを一時的に記憶しておくメモリである。
続いて、前記構成を有する本実施形態に係る駐車支援装置1の駐車支援ECU3が実行する駐車支援処理プログラムについて図3に基づき説明する。図3は本実施形態に係る駐車支援装置1における駐車支援処理プログラムのフローチャートである。ここで、駐車支援処理プログラムは、イグニションがONされた後に所定間隔(例えば200ms毎)で繰り返し実行され、車両を駐車時において検出した駐車スペースへと進入させる為の走行経路を算出する処理を行うプログラムである。尚、以下の図3〜図5にフローチャートで示されるプログラムは駐車支援ECU3が備えているROM22やRAM23に記憶されており、CPU21により実行される。また、以下に示す実施形態では、特に縦列駐車を行う場合の駐車支援について説明することとする。
先ず、駐車支援処理プログラムではステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU21は障害物センサ5A,5Bの検出結果に基づいて、自車周囲にある駐車スペースの検出を行う。また、検出した駐車スペースの形状について検出結果から特定する。
具体的には、車両の移動に伴い、障害物センサ5A,5Bで駐車場内又は道路脇にある空きスペースの横幅を検出する。また、空きスペースの縦幅については、空きスペースを通過した後の横幅の検出結果に基づいて検出される。そして、車両DB8に記憶された自車の形状に基づいて自車が駐車可能な広さの空きスペース(例えば、車幅+30cm以上の横幅で、且つ車長+1m以上の縦幅)であると判定した場合に、その空きスペースを駐車スペースとして検出する。また、検出した横幅と縦幅に基づいて駐車スペースの形状を特定する。
尚、カメラで自車の周囲環境を撮像し、撮像画像に画像認識処理を施すことによって、駐車スペースの検出並びに駐車スペースの形状の取得を行うこととしても良い。また、駐車スペース形状はDBやセンタから取得するようにしても良い。尚、上記S1が駐車スペース検出手段の処理に相当する。
次に、S2においてCPU21は、駐車支援起動トリガがONとなったか否かを判定する。尚、本実施形態では、駐車可能な空きスペースを検出した場合、又は操作ボタン(図示せず)を用いてユーザにより所定の操作が行われた場合に駐車支援起動トリガがONとなる。
そして、駐車支援起動トリガがONとなったと判定された場合(S2:YES)には、S3へと移行する。一方、駐車支援起動トリガがOFFであると判定された場合(S2:NO)には、駐車の支援を行うことなく当該駐車支援処理プログラムを終了する。
S3においてCPU21は、後述の固定舵角旋回による第1走行経路算出処理(図4)を行う。尚、第1走行経路算出処理では、自車両の現在位置と前記S1で検出した駐車スペースの形状に基づいて第1後退開始位置、駐車目標位置を設定し、固定舵角旋回による駐車経路を第1走行経路として算出する。
続いてS4においてCPU21は、後述の舵角の緩和による第2走行経路算出処理(図5)を行う。尚、第2走行経路算出処理では、前記S3で算出された第1走行経路の舵角を緩和することにより第2走行経路を算出し、更に必要に応じて算出した第2走行経路を補正する。
その後、S5でCPU21は、前記S4で算出された第2走行経路に基づいて自車両の駐車を支援する駐車支援処理を行う。具体的には、算出された第2走行経路に自車両が追従して走行するよう操舵支援や自動操舵を行う。
ここで、操舵支援としては、例えば車両後方画像に対して算出された走行経路を重畳して表示する。また、ステアリングの旋回タイミングや旋回角度の案内音声をスピーカ7から出力する。
一方、自動操舵としては、例えば車両ECU9に指示信号を送信することによって、ステアリング角、ブレーキ圧、エンジンに吸入する空気量、変速比等を変化させ、自動的に自車が走行経路に沿って走行するように制御する。尚、上記S5が駐車支援手段の処理に相当する。
次に、前記S3で駐車支援ECU3が実行する第1走行経路算出処理のサブ処理について図4に基づき説明する。図4は本実施形態に係る第1走行経路算出処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
第1走行経路算出処理において、先ずS11でCPU21は、前記S1で検出した駐車スペースに自車を駐車する際の目標位置(即ち、駐車完了時の自車の位置)を設定する。更に、S12でCPU21は、第1走行経路に従って前記S1で検出した駐車スペースに自車を駐車する際の第1後退開始位置(即ち、駐車を行う為に後退を開始する自車の位置)を設定する。尚、目標位置については検出した駐車スペースの形状と予め規定された固定値(図6のA、B)に基づいて設定される。また、第1後退開始位置については現在の自車位置と予め規定された固定値(図6のC)に基づいて設定される。
以下に、図6を用いて前記S11及びS12で実行される目標位置及び第1後退開始位置の設定処理の一例について説明する。尚、図6では、車両2が駐車スペース31を検出した場合に設定される目標位置32及び第1後退開始位置33について説明する。
図6に示すように目標位置32は、駐車スペース31の左縁部からAだけ離間し、後縁部からBだけ離間した位置に設定する。尚、A、Bは予め規定された固定値(例えば、A=30cm、B=30cm)である。
一方、図6に示すように第1後退開始位置33は、自車の現在位置の進行方向前方であって、駐車スペース31の前縁部からCだけ前方の位置に設定する。尚、Cは予め規定された固定値(例えば、C=2m)である。
続いて、S13においてCPU21は、第1走行経路において運転者が転舵を行う転舵位置から目標位置までの後半経路における旋回半径である第2旋回半径を設定する。尚、本実施形態では第1走行経路の第2旋回半径は、自車が障害物に接触することなく駐車スペースに進入可能な条件を満たす任意の半径とする。
更に、S14においてCPU21は、第1後退開始位置から転舵位置までの前半経路における旋回半径である第1旋回半径を設定する。尚、本実施形態では、第1旋回半径は第1後退開始位置を通り、且つ第2旋回半径により旋回する後半経路に接する円の半径とする。また、前半経路と後半経路との接する点が第1走行経路の転舵位置となる。
以下に、図7を用いて前記S13及びS14で実行される第1旋回半径及び第2旋回半径の設定処理の一例について説明する。尚、図7では、車両2が駐車スペース31を検出した場合に設定される第1旋回半径及び第2旋回半径について説明する。
図7に示すように第2旋回半径R2は、最小旋回半径に設定される。それによって、転舵位置Pから目標位置32までの駐車経路である後半経路を含む円35が特定される。
一方、図7に示すように第1旋回半径R1は、第1後退開始位置33を通り、且つ第2旋回半径R2により旋回する円35に接する円36の半径に設定される。それによって、第1後退開始位置33から転舵位置Pまでの駐車経路である前半経路を含む円36が特定される。また、円35と円36との接する点が第1走行経路の転舵位置Pとなる。
次に、S15においてCPU21は、前記S11〜S14で設定した各パラメータに従って、第1走行経路を算出する。具体的には、(a)現在の自車位置から第1後退開始位置まで前進する準備経路と、(b)第1後退開始位置から第1旋回半径により転舵位置まで旋回する前半経路と、(c)転舵位置から第2旋回半径により目標位置まで旋回する後半経路と、の組合せを第1走行経路とする。
以下に、図8を用いて前記S15で実行される第1走行経路算出処理の一例について説明する。尚、図8では、図7に示す第1後退開始位置33、目標位置32、第1旋回半径R1、第2旋回半径R2が設定された場合に算出される第1走行経路37について説明する。
図8に示すように第1走行経路37は、現在の自車位置から第1後退開始位置33まで前進する準備経路38と、第1後退開始位置33から第1旋回半径R1により転舵位置Pまで旋回する前半経路39と、転舵位置Pから第2旋回半径R2により目標位置32まで旋回する後半経路40と、の組合せによって構成される。そして、車両2は第1走行経路37に沿って走行することにより、駐車スペース31内の目標位置32へと車両2を進入させることが可能となる。
尚、上記S11〜S15が第1走行経路算出手段の処理に相当する。また、本実施形態では車両が特に縦列駐車を行う場合を説明するが、縦列駐車以外の駐車を行う場合には、転舵位置は存在せず、設定した第1後退開始位置から目標位置まで同一の旋回半径により旋回する旋回経路によって第1走行経路は構成される。
次に、前記S4で駐車支援ECU3が実行する第2走行経路算出処理のサブ処理について図5に基づき説明する。図5は本実施形態に係る第2走行経路算出処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
先ず、S21においてCPU21は、前記S1で特定された駐車スペース31の形状を取得する。尚、上記S21が駐車スペース取得手段の処理に相当する。
次に、S22においてCPU21は、前記S15で算出した第1走行経路の舵角を緩和した第2走行経路を算出する為に、先ず第2走行経路の第2旋回半径を算出する。尚、第2旋回半径は前記したように運転者が転舵を行う転舵位置から目標位置までの後半経路における旋回半径であり、特に本実施形態では第2走行経路の第2旋回半径は、自車が障害物に接触することなく駐車スペースに進入可能な最大の半径とする。
以下に、図9及び図10を用いて前記S22で実行される第2走行経路の第2旋回半径の算出処理についてより詳細に説明する。ここで、第2走行経路の第2旋回半径の算出方法としては、(a)三平方の定理を用いる算出方法と(b)テーブルを用いる算出方法がある。
先ず、図9に基づき三平方の定理を用いる算出方法の一例について説明する。
図9に示すように、後輪車軸の延長線上に中心Iを持ち、車両の左前角Jと駐車スペース31の端点Kとを通る円弧41を描き、その半径R3を算出する。
その後、算出した半径R3と車両DB8から取得した車両の左前角Jから後輪車軸までの距離Lと車幅Wとを使用し、CPU21は三平方の定理を用いた以下の式(1)により第2旋回半径R4を算出する。
R4=(R3−L1/2−W/2・・・・(1)
次に、図10に基づきテーブルを用いる算出方法の一例について説明する。
図10に示すように、予め駐車スペース31のスペース長(縦幅)と第2旋回半径R4とを対応付けたテーブルをDB等に記憶させておく。そして、前記S31で取得した駐車スペースの形状の内、特に駐車スペースのスペース長から第2旋回半径R4を特定する。尚、テーブル中の第2旋回半径R4の値には上限(例えば10m)を設けることが望ましい。この上限を設けることによって、第2走行経路42の経路全長が長くなりすぎることを防止できる。
次に、S23においてCPU21は、前記S22で算出した第2旋回半径R4を用いた第2走行経路の全長が所定距離より長いか否か判定する。ここで、第2走行経路は図11に示すように第2旋回半径R4により旋回する後半経路を備えた経路であり、第1走行経路37に比べて舵角が緩和され、駐車操作が容易となる。但し、舵角を緩和することによって第2走行経路42の経路全長Dが長くなりすぎると、逆にそのように長い経路に沿って駐車をすることが困難となる。従って、以下のS23以降ではこのように第2走行経路42の経路全長Dが長くなりすぎる場合に第2走行経路42の補正を行う。
そして、第2走行経路42の経路全長Dは第2旋回半径R4が大きくなるほど長くなるので、前記S23では第2旋回半径R4の大きさが所定値より大きい場合に、第2走行経路42の経路全長Dが所定距離より長いと判定する。尚、判定に使用する所定値としては、例えば、最小旋回半径の数倍(例えば、3〜5倍)、第2旋回半径と同じ値で第1旋回半径を設定したときの後退開始位置が、駐車スペース31から所定距離以上(例えば10m)離れた位置となる半径等がある。また、上記S23が経路全長判定手段の処理に相当する。
尚、上記S23の処理は前記S22で第2旋回半径を算出する際に、三平方の定理を用いた場合のみ行うこととし、テーブルを用いる場合には実施しない。
そして、前記S23において第2走行経路42の経路全長Dが所定距離より長い、即ち第2走行経路の第2旋回半径R4の大きさが所定値より大きいと判定された場合には、S24へと移行する。
S24でCPU21は、前記S22で算出した第2旋回半径R4を所定値以下に補正することによって、第2走行経路42が所定距離以内となるように補正する。尚、所定値とは前記S23で判定に使用された値と同値である。また、上記S24が第2走行経路補正手段の処理に相当する。
一方、前記S23において第2走行経路42の経路全長Dが所定距離以下、即ち第2走行経路の第2旋回半径R4の大きさが所定値以下であると判定された場合には、第2走行経路を補正せずにS25へと移行する。
S25でCPU21は、前記S22で算出された第2旋回半径(前記S24で補正を行った場合には補正後の第2旋回半径)と同一半径を第1旋回半径として算出する。尚、第1旋回半径は前記したように運転者が転舵を行う後退開始位置から転舵位置までの前半経路における旋回半径である。
続いて、S26でCPU21は、舵角を緩和した第2走行経路に従って前記S1で検出した駐車スペースに自車を駐車する際の第2後退開始位置(即ち、駐車を行う為に後退を開始する自車の位置)を設定する。
以下に、図12を用いて前記S25で実行される第1旋回半径の算出処理及びS26で実行される第2後退開始位置の設定処理の一例について説明する。尚、図12では、車両2が駐車スペース31を検出した場合に算出される第1旋回半径及び第2後退開始位置について説明する。
前記したように第2旋回半径R4は、第2旋回半径R4により旋回する際の車両の左前角Jが障害物と接触しない最大の半径が設定される。それによって、転舵位置から目標位置までの駐車経路である後半経路を含む円43が特定される。
一方、図12に示すように第1旋回半径R5は、第2旋回半径R4と同一半径とする。そして、第1旋回半径R5を備え、“車両の現在位置と第1後退開始位置33とを結ぶ直線”と“円43”とに接する円44が、第2後退開始位置45から転舵位置Pまでの駐車経路である前半経路を含む円として特定される。また、“円43”と“円44”との接点が第2走行経路42の転舵位置Pとなり、“円44”と“車両の現在位置と第1後退開始位置33とを結ぶ直線”との接点が第2後退開始位置45に設定される。
次に、S27においてCPU21は、前記S22〜S26で設定した各パラメータに従って、第2走行経路を算出する。具体的には、(a)現在の自車位置から第2後退開始位置まで前進する準備経路と、(b)第2後退開始位置から第1旋回半径により転舵位置まで旋回する前半経路と、(c)転舵位置から第2旋回半径により目標位置まで旋回する後半経路と、の組合せを第2走行経路とする。
以下に、図13を用いて前記S27で実行される第2走行経路の算出処理の一例について説明する。尚、図13では、図12に示す第2後退開始位置45、目標位置32、第1旋回半径R5、第2旋回半径R4が設定された場合に算出される第2走行経路42について説明する。
図13に示すように第2走行経路42は、現在の自車位置から第2後退開始位置45まで前進する準備経路46と、第2後退開始位置45から第1旋回半径R5により転舵位置Pまで旋回する前半経路47と、転舵位置Pから第2旋回半径R4により目標位置32まで旋回する後半経路48と、の組合せによって構成される。そして、車両2は第2走行経路42に沿って走行することにより、障害物と接触する虞が無く駐車スペース31内の目標位置32へと車両2を進入させることが可能となる。尚、上記S22〜S27が第2走行経路算出手段の処理に相当する。
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係る駐車支援装置1、駐車支援装置1による駐車支援方法及び駐車支援装置1で実行されるコンピュータプログラムでは、障害物センサ5A,5Bにより自車周囲にある駐車スペースを検出し(S1)、検出された駐車スペースに対して所定旋回舵角で駐車を行う第1走行経路を算出し(S11〜S15)、更に車両を駐車スペースに対して進入させることが可能な範囲で第1走行経路の舵角を緩和した第2走行経路を算出し(S22〜S27)し、算出した第2走行経路に従って駐車の支援を行う(S5)ので、駐車を行う場合に駐車スペースの周囲にある障害物に車両が接触する虞がない。従って、緩和した経路により、運転者の運転負担を軽減するとともに、容易且つ安全に駐車を行わせることが可能となる。
また、舵角を緩和した結果、第2走行経路の経路全長が必要以上に長くなった場合に適当な距離までに短縮することができる(S24)。その結果、駐車操作や駐車時間を簡略化でき、且つ駐車スペース内に適切に駐車することが可能となる。
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態では障害物センサ5A,5Bによって駐車スペースや障害物の位置を検出することとしているが、カメラやミリ波レーダを用いたレーダ装置を用いて検出するようにしても良い。更に、駐車スペースはデータベースに予め記憶させておいても良い。
また、本実施形態では縦列駐車を行う際の車両の走行経路を算出することとしているが、縦列駐車以外の駐車を行う際の走行経路を算出し、算出した走行経路に基づいて駐車支援を行うこととしても良い。
本実施形態に係る駐車支援装置の概略構成図である。 本実施形態に係る駐車支援装置の制御系を模式的に示すブロック図である。 本実施形態に係る駐車支援案内処理プログラムのフローチャートである。 本実施形態に係る第1走行経路算出処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。 本実施形態に係る第2走行経路算出処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。 ステップ11及びステップ12で実行される目標位置及び第1後退開始位置の設定処理の一例について説明した説明図である。 ステップ13及びステップ14で実行される第1旋回半径及び第2旋回半径の設定処理の一例について説明した説明図である。 ステップ15で実行される第1走行経路算出処理の一例について説明した説明図である。 三平方の定理を用いた第2走行経路の第2旋回半径の算出処理について説明した説明図である。 テーブルを用いた第2走行経路の第2旋回半径の算出処理について説明した説明図である。 第1走行経路と第1走行経路の舵角を緩和した第2走行経路の一例について説明した説明図である。 ステップ25で実行される第1旋回半径の算出処理及びステップ26で実行される第2後退開始位置の設定処理の一例について説明した説明図である。 ステップ27で実行される第2走行経路の算出処理の一例について説明した説明図である。
符号の説明
1 駐車支援装置
2 車両
3 駐車支援ECU
5A,5B 障害物センサ
6 液晶ディスプレイ
7 スピーカ
21 CPU
22 RAM
23 ROM

Claims (4)

  1. 駐車スペースを検出する駐車スペース検出手段と、
    前記駐車スペース検出手段で検出された駐車スペースへと所定の舵角で車両を進入させる第1走行経路を算出する第1走行経路算出手段と、
    前記駐車スペースの形状を取得する駐車スペース形状取得手段と、
    前記駐車スペース形状取得手段で取得した前記駐車スペースの形状に基づいて、前記第1走行経路算出手段によって算出された前記第1走行経路の舵角を、車両を駐車スペースへ進入させることが可能な範囲で緩和した第2走行経路を算出する第2走行経路算出手段と、
    前記第2走行経路算出手段によって算出された前記第2走行経路に基づいて駐車を支援する駐車支援手段と、を有することを特徴とする駐車支援装置。
  2. 前記第2走行経路算出手段により算出された前記第2走行経路の経路全長が所定距離より長いか否か判定する経路全長判定手段と、
    前記経路全長判定手段により前記経路全長が前記所定距離より長いと判定された場合に、経路全長が所定距離以下となるように前記第2走行経路を補正する第2走行経路補正手段と、を有することを特徴とする請求項1に記載の駐車支援装置。
  3. 駐車スペースを検出する駐車スペース検出ステップと、
    前記駐車スペース検出ステップで検出された駐車スペースへと所定の舵角で車両を進入させる第1走行経路を算出する第1走行経路算出ステップと、
    前記駐車スペースの形状を取得する駐車スペース形状取得ステップと、
    前記駐車スペース形状取得ステップで取得した前記駐車スペースの形状に基づいて、前記第1走行経路算出ステップによって算出された前記第1走行経路の舵角を、車両を駐車スペースへ進入させることが可能な範囲で緩和した第2走行経路を算出する第2走行経路算出ステップと、
    前記第2走行経路算出ステップによって算出された前記第2走行経路に基づいて駐車を支援する駐車支援ステップと、を有することを特徴とする駐車支援方法。
  4. コンピュータに搭載され、
    駐車スペースを検出する駐車スペース検出機能と、
    前記駐車スペース検出機能で検出された駐車スペースへと所定の舵角で車両を進入させる第1走行経路を算出する第1走行経路算出機能と、
    前記駐車スペースの形状を取得する駐車スペース形状取得機能と、
    前記駐車スペース形状取得機能で取得した前記駐車スペースの形状に基づいて、前記第1走行経路算出機能によって算出された前記第1走行経路の舵角を、車両を駐車スペースへ進入させることが可能な範囲で緩和した第2走行経路を算出する第2走行経路算出機能と、
    前記第2走行経路算出機能によって算出された前記第2走行経路に基づいて駐車を支援する駐車支援機能と、
    を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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