JP2009118357A - イーサネットスイッチ - Google Patents
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Abstract
【課題】 プログラムが不要なアンマネージドスイッチを用いながら優先処理情報の設定を行ない、優先制御が行えるイーサネットスイッチを提供すること
【解決手段】 イーサネット用の複数の通信インタフェース11と、通信インタフェースにて受信したフレームの転送処理を行なうデータ処理部12と、その転送の際に一時的にフレームを記憶するキュー14と、優先制御を行なうための優先処理情報を記憶する優先処理テーブル15と、を備える。優先処理情報は、送信先や送信元を特定するためのポート番号と、優先順位と、を関連づけたものであり、データ処理部は、キューに格納されたフレームのTCP/UDPヘッダのポート番号を確認し、優先順位の高いポート番号を持つフレームを優先して出力する。
【選択図】 図2
【解決手段】 イーサネット用の複数の通信インタフェース11と、通信インタフェースにて受信したフレームの転送処理を行なうデータ処理部12と、その転送の際に一時的にフレームを記憶するキュー14と、優先制御を行なうための優先処理情報を記憶する優先処理テーブル15と、を備える。優先処理情報は、送信先や送信元を特定するためのポート番号と、優先順位と、を関連づけたものであり、データ処理部は、キューに格納されたフレームのTCP/UDPヘッダのポート番号を確認し、優先順位の高いポート番号を持つフレームを優先して出力する。
【選択図】 図2
Description
この発明は、優先制御を行なうことのできるイーサネットスイッチに関するものである。
FA(Factory Automation)におけるネットワークシステムは、生産設備の制御を司る1または複数のPLC(プログラマブルコントローラ)と、そのPLCにより動作が制御される機器とが、制御系のネットワークに接続される。それらPLCと機器は、その制御系のネットワークを介してサイクリックに通信を行なうことで、I/Oデータの送受を行ない、生産設備を制御する。
ところで、LANにおける標準的な通信プロトコルの一つであるイーサネット(登録商標)を、生産工場に導入しようとする試みがある。この場合、EtherNet/IPやPROFINETに代表される産業用イーサネット規格に対応した機器を用い、IPアドレスを使用して通信を行う。このとき、PLCや各機器は、イーサネット(登録商標)用のネットワークケーブルに対し、イーサネットスイッチを介して接続される。このイーサネットスイッチは、複数のポートを備え、所定のポートから受信したフレームを指定されたポートに転送し送信するようになっている。この転送処理は、受信したフレームを一旦キューに格納し、そのキューに格納されたフレームを所定の順で指定されたポートに転送する。
このイーサネットスイッチの一つとして、マネージドスイッチと称させるものがある。このマネージドスイッチは、優先制御機能(QoS(Quality of Service)機能)を持つものがある。この優先制御は、キューに格納されたフレームのうち、優先度の高いフレームを優先して転送するものである。これに対し、アンマネージドスイッチは、優先制御機能を持たないため、先読み先出しのFIFOで転送処理がなされる。
たとえば、上記のFAにおけるネットワークシステムでは、I/Oデータのように優先して転送したいものと、メッセージのようにI/Oデータに比べると優先して転送しなくても良いものが存在するので、マネージドスイッチを用い、I/Oデータを優先して転送するように設定することになる。
マネージドスイッチの場合、事前にツール装置等を用いてイーサネットスイッチに対して優先度を設定する必要がある。この設定方法は、通常、コマンドラインで設定を行なうものであるため、そのコマンドを知らなければならず、熟練の知識が必要であり非常に煩雑で難しいと言う問題がある。しかも、その設定方法は、イーサネットスイッチのメーカーごとに独自であるため、さらに煩雑さがます。
この発明は、プログラムが不要なアンマネージドスイッチを用いながら優先処理情報の設定を行ない、優先制御が行えるイーサネットスイッチを提供することを目的とする。
イーサネット(登録商標)用のフレーム(イーサネットIPデータ)は、TCP/IPヘッダにEtherNet/IPの標準規格で定められたポート番号が格納されている。このポート番号は、本来的には、フレームの宛先(送信先)や発信元(送信元)を特定するための情報であり、その特定のみに用いられる。ところで、このポート番号は、“EtherNet/IP I/Oデータ”,“EtherNet/IPメッセージ”,その他のデータに対して専用のユニークな番号が割り振られている。このようにデータの種類ごとにユニークにポート番号が設定されている。そして、データの種類ごとに送信時の優先度の軽重を付すことが可能である。たとえば、FA制御を行なうにあたり、I/Oデータは、速く送る必要があるので優先度は高くなり、メッセージはI/Oデータよりも優先的に送る必要性はないので、優先度は低くなるなどである。そこで、本発明は、現状用いているポート番号の種類によって優先順位を定めることができる点に着目し、ポート番号情報を、(1)本来のポート番号を指定するのに用いる,(2)優先順位付けにも併せて用いる(兼用する)”構成(しくみ)とすることで、一般的に行なわれる優先制御のように個々のフレームごとに別途優先度を特定する情報を付加することをしないで済むようにした。そして、具体的には、以下のように構成した。
この発明によるイーサネットスイッチは、(1)イーサネット用の複数の通信インタフェースと、その通信インタフェースにて受信したフレームの転送処理を行なうデータ処理手段と、その転送の際に一時的にフレームを記憶するキューと、優先制御を行なうための優先処理情報を記憶する優先処理テーブルと、を備え、前記優先処理情報は、送信先や送信元を特定するためのポート番号と、優先順位と、を関連づけたものであり、前記データ処理手段は、受信したフレームを前記キューに格納する処理と、前記キューに格納されたフレームのTCP/UDPヘッダの前記ポート番号を確認し、優先順位の高いポート番号を持つフレームを出力する処理を実行するものとした。優先処理テーブルにポート番号と優先順位を関連づけた優先処理情報を格納するだけでよいので、優先順位の設定が容易で、アンマネージドスイッチにより優先制御機能を備えたイーサネットスイッチが実現できる。
(2)前記優先処理テーブルは、揮発性メモリから構成され、前記優先処理情報を記憶保持する不揮発性メモリと、前記データ処理手段が受信したフレームの転送処理を行なう通常制御を行なうに先立ち、前記不揮発性メモリに記憶保持された優先処理情報を前記優先処理テーブルに転送する処理を実行する手段と、を備えるとよい。この不揮発性メモリに記憶保持された優先処理情報を前記優先処理テーブルに転送する処理を実行する手段は、実施形態では、データ処理部12で実現される。つまり、実施形態では、キューに対してフレームを一時的に格納したり、出力したりする“データ処理手段”としての機能と、優先処理情報を転送する“手段”としての機能を兼用しているが、それぞれ別々に構成することはもちろん良い。
(3)優先制御による転送処理を実行するか否かを設定する切り替えスイッチを設け、前記切り替えスイッチがONの場合には、前記不揮発性メモリから前記優先処理テーブルへの優先処理情報の転送する処理を実行し、前記切り替えスイッチがOFFの場合には、前記不揮発性メモリから前記優先処理テーブルへの優先処理情報の転送をしないようにすることもできる。この転送処理は、実施形態では、図5に示すフローチャートを実行する機能に対応する。優先処理情報を優先処理テーブルに転送しないと、優先処理テーブルに優先処理情報が存在していないので、データ処理手段がフレームの転送、つまり、キューからの出力をする際に参照する順位付けされた優先処理情報がなく、全てのデータ(ポート番号)が同順位とみなすことができるため、結果として、優先制御が行なわれず、通常の優先付けをしない処理(FIFO等)によりキューから出力される。
(4)優先制御による転送処理を実行するか否かを設定する切り替えスイッチを設け、前記データ処理手段は、前記切り替えスイッチのON/OFFに対応して、前記キューに格納されたフレームを出力するに際し、前記優先処理情報に基づく処理と、優先処理情報を用いない処理を切り替えるようにすることもできる。優先処理情報を用いない処理は、実施形態では、FIFOにしたがって実行するようにしており、具体的には、図6の処理ステップS13を実行する機能に対応する。また、優先処理情報に基づく処理(優先制御機能)は、実施形態では、図6の処理ステップS14を実行する機能に対応する。
(3),(4)の発明によれば、切り替えスイッチの切り替え操作により、優先制御対応のイーサネットスイッチと、優先制御しないイーサネットスイッチとを、簡単に切り替えて実現できる。なお、切り替えスイッチの設置位置は任意であるが、例えば、本体ケースの上面に設けるようにするとよい。このように、上面に設置すると、適度な操作性を発揮させつつ、誤って切り替え操作されてしまうことを抑制できる。特に、実施形態のように、本体ケースをDINレールに取り付けるようにした場合には、本体ケースの背面(DINレールの取付面)や側面に切り替えスイッチを設定すると、切り替え操作が困難か非常に煩雑となるので好ましくない。また、前面に設定すると、逆に操作しやすくなりすぎてしまい、ケーブルの着脱時等に誤ってさわり、意図しない不用意な切り替えを行なってしまうおそれがあるので好ましくない。そこで、上面に設置するのが好ましい。
(5)上記の各イーサネットスイッチは、プログラマブルコントローラが接続され、そのプログラマブルコントローラとの間でデータを送信又は受信するためのイーサネットスイッチとすることができる。その場合に、そのイーサネットスイッチが受信するフレームは、EtherNet/IPの標準使用で生成されたものであって、そのフレームのデータ領域に、プログラマブルコントローラにてサイクリック通信でリアルタイム性が求められる制御用データが格納される場合に、TCP/UDPヘッダに、優先順位の高いポート番号を持つようにするとよい。
プログラマブルコントローラを含むネットワークシステムでは、イーサネットスイッチは、例えば、プログラマブルコントローラとIO機器,IOターミナルとの間で行なわれる主としてI/Oデータの送受の受け渡し(転送)を行なったり、プログラマブルコントローラ同士でI/Oデータの送受(データリンク等)を行なったりすることなどがある。もちろん、プログラマブルコントローラは他の装置・機器とデータの送受を行なうことがあるので、係るデータの転送もイーサネットスイッチが行なうことができる。もちろん、プログラマブルコントローラとイーサネットスイッチとの間で送信又は受信するデータは、サイクリック通信でリアルタイム性が求められる優先順位の高いものに限られることはなく、各種のデータがある。一例を示すと、プログラマブルコントローラ間やプログラマブルコントローラとモニタ装置との間で通信されるメッセージのデータ等がある。
もちろん、プログラマブルコントローラ同士や、プログラマブルコントローラと他の装置・機器との通信は、同一のイーサネットスイッチに接続されたもの同士で行なわれるのはもちろんのこと、異なるイーサネットスイッチに接続されたプログラマブルコントローラと他の装置・機器との間でも、係る異なるイーサネットスイッチ同士が通信可能に接続(ネットワークに加入)されている場合でも行なうことができる。さらには、本発明のイーサネットスイッチは、上記に例示列挙したように、プログラマブルコントローラを含むシステムに好ましく適用できるが、これに限るものではなく、FAネットワークシステムにおいて、プログラマブルコントローラ以外の装置・機器間での通信等にもこのイーサネットスイッチは適用できる。
また、優先度(優先順位)の区別は、例えば、(a)サイクリックに送信又は受信する制御用データを格納したフレームであること(リアルタイム性を求められるデータ)を優先度が高いとし、(b)非サイクリックに送信又は受信するメッセージ用データを格納したフレームであること(リアルタイム性を求められないデータ)は、(a)よりも優先度は低いとすることができる。もちろん、3段階以上に分けることを妨げない。
本発明は、EtherNet/IPの標準規格で定められたポート番号を優先処理情報に利用することで、プログラムが不要なアンマネージドスイッチを用いながら優先処理情報の設定を行ない、優先制御が行える。
図1は、イーサネットスイッチが実装されるFAのネットワークシステムの一例を示している。生産工場に設置されるネットワークシステムは、複数の階層から成り立ち、数多くの種類のネットワークが使用されている。図1に示す例では、情報系のネットワーク1aにツール装置2aやFAコンピュータ2bやPLC4b等が接続され、さらに、インターネット3を介して遠隔地にある監視装置2cが接続される。装置系(制御系)のネットワーク1bには、プログラマブルターミナル(PT)4aや、PLC4b,4b′やロボットコントローラ4cや検査装置4d等が接続される。さらに、PLC4b,4b′には、デバイス・コンポ系のネットワーク(フィールドバス等)1cが接続され、このネットワークには、視覚センサ,温調,デジタルパネル等の機器5が接続される。
ツール装置2aは、PLC4b用の制御プログラムを作成し、ダウンロードしたり、PLC4bに格納されている制御プログラムをアップロードして編集したり、PLC4bの状態情報(IOメモリ)等を収集したりする。FAコンピュータ2bは、生産ラインの生産管理を行うコンピュータである。生産ラインの生産管理は、例えば、生産のスケジュールを作成したり、その作成したスケジュールに従ってセルコントローラであるPLC4bに対して指示を与えたり、PLC4bから生産実績情報を収集するとともに、収集した生産実績情報を管理するなど、各種の処理がある。
ネットワーク1bに接続された各装置は、当該ネットワーク1bを介して通信し、同期運転や、共同運転などの制御を行なったり、情報の送受を行い各種の設定やモニタリング等を行なったりする。一例を挙げると、PLC4b,4b′同士が、データリンクなどにより各PLC4b,4b′が持つI/Oデータを共有することで、同期運転や協働運転を行ったり、PLC4b(4b′)が入力データに基づき演算処理を実行し、求められた演算結果を指令値としてロボットコントローラ4cに与えたりすることがある。
デバイス・コンポ系のネットワーク1cに接続された各機器5と、PLC4b,4b′は、I/Oデータの送受を行ない具体的な制御を実行したり、メッセージの送受信を行なったりする。
本実施形態では、この各種のネットワーク1a,1b,1cを、イーサネット(登録商標)を用いて実現するようにしている。これに伴い、ネットワークに加入する装置・機器は、イーサネットスイッチ10を介してネットワークケーブルと接続するようにしている。
図2は、イーサネットスイッチ10の一実施形態のブロック図を示しており、図3は、その外観図を示している。このイーサネットスイッチ10は、複数のイーサネット(登録商標)用の通信インタフェース11と、その通信インタフェース11にて受信したフレームの転送処理を行なうデータ処理部12と、その転送の際に一時的にフレームを記憶するキューを構成するバッファメモリ14と、優先制御(QoS)を行なうための優先処理情報を記憶する優先処理テーブル15と、不揮発性メモリ13及び切り替えスイッチ16と、を備えている。この切り替えスイッチ16は、優先制御をするか否かのモードを決定するスイッチであり、スイッチがONになると、優先処理イネーブルがONになる。
これらの各構成要素は、図3に示すような本体ケース17内に実装される。この本体ケース17は、たとえばアルミ等の金属ケースで形成されることが多いが、プラスチック等で形成されることもある。この本体ケース17の前面に、複数のコネクタ11aが設けられる。ネットワークに加入する装置・機器は、自己が有するイーサネット(登録商標)用のコネクタと、イーサネットスイッチ10の前面に設けられたコネクタ11aと、にそれぞれケーブルを接続する。また、このコネクタ11aは、本体ケース17内の通信インタフェース11に接続される。
また、本体ケース17の裏面には、DINレール接続用の溝17aが形成される。さらに、本体ケース17の上面には、切り替えスイッチ16が設けられる。切り替えスイッチ16は、スライドスイッチとしている。上面に設けたのは、操作性を考慮しつつ(底面(下面)では、コネクタ11aに接続したケーブルが下方に垂れ下がることから、そのケーブルをよけて切り替え操作をするのが煩雑)、あまりに操作のしやすい前面に設けると、誤って切り替え処理をしてしまうおそれがあるためである。
一方、不揮発性メモリ13には、優先制御を行なう際に、どのフレームを優先的に転送するかの優先処理情報が格納される。この優先処理情報は、優先付けする際の順位(同順位に複数のものが存在することはある)を特定するもので、EtherNet/IPの標準規格で定められたポート番号を用いて特定する。つまり、このポート番号は、本来発信元ポート番号や宛先ポート番号を指定するのに用いるが、本実施形態では、プライオリティ(優先度)を選別する際にも応用するようにした。
具体的には、優先度が最も高いポート番号は、I/Oデータ(制御用I/Oデータ)を特定するための“08AE”とし、次に優先度が高いポート番号は、メッセージ(ダウンロードデータ,モニタ用データ)を特定するための“AF12”とし、3番目に優先度が高い(最も優先度が低い)ポート番号は、その他の番号としている。その他の番号としては、Web,メール,ファイル転送等がある。I/Oデータは、制御を行なうためにリアルタイムに送信する必要があるため、最も優先度を高くした。メッセージは、I/Oデータに比べると優先して送信する必要性が低いため、優先度を1つ下げた。そして、イーサネット(登録商標)のネットワークには、FAの制御のためのデータ以外にも各種のデータが送信される。例えば、上記の例示したものや、パソコンからプリンターの出力データ等、FAの制御のための情報・データに比べると、緊急性を有しないと共に、仮に送信できなくても再送処理が実行されることなどから、最も優先度を低くした。そして、本実施形態では、優先順位を3段階に分けたが、2段階或いは4段階以上としても良い。
優先処理テーブル15は、図4に示すように、優先順位と、ポート番号を関連付けたテーブル構造となっている。この優先処理テーブル15に格納される情報は、不揮発性メモリ13に格納されたものを、起動時(電源ON時)に読み出して格納する。図4(a)は、切り替えスイッチ16がOFFに設定され、優先処理イネーブルがOFFの時の優先処理テーブル15の内部データの一例を示している。図示するように、優先処理イネーブルがOFFの時は、不揮発性メモリ13から優先処理テーブル15への転送は行なわれず、優先処理情報は空欄のままとなる。よって、優先順位が無くなるので、全てのデータが同順位となり、データ出力はFIFOで行なわれる。図4(b)は、切り替えスイッチ16がONに設定され、優先処理イネーブルがONの時の優先処理テーブル15の内部データの一例を示している。図示するように、揮発性メモリ13に格納された優先処理情報が優先処理テーブル15へ転送され、それぞれの優先順位に対応するポート番号が関連付けたテーブル構造となる。
この不揮発性メモリ13から優先処理テーブル15への転送処理は、データ処理部12が行なう。すなわち、データ処理部12は、図5に示すように、イーサネットスイッチ10の電源が投入されたならば、切り替えスイッチ16がONになっているか否かを判断し(S1)、ONになっている場合には、不揮発性メモリ13(EEPROM)に格納されている優先処理情報をテーブルに転送した後(S2)、通常の制御へ移行する。また、切り替えスイッチがOFFの場合には、処理ステップS1の分岐判断はNoとなるので、処理ステップS2を実行することなく、通常の制御へ移行する。よって、不揮発性メモリ13から優先処理テーブル15への転送処理が実行されないため、優先処理テーブル15は、図4(a)に示すように空欄の状態となる。
通常制御に移行したデータ処理部12は、データの転送に際し図6,図7に示すフローチャートを実行する機能を有する。データの出力に関しては、図6に示すように、データ処理部12は、バッファメモリ(キュー)14が空か否かを判断し(S11)、空でない場合には、優先処理イネーブルがONか否かを判断する(S12)。この判断は、切り替えスイッチのON/OFFの状態を確認することで行なえる。優先処理イネーブルがOFFの場合には、データ処理部12は、バッファメモリ(キュー)14に積まれた順にデータを出力する。つまり、FIFOによりデータの転送を行ない、フレームの送信相手に対して出力する。一方、優先処理イネーブルがONの場合には、データ処理部12は、バッファメモリ(キュー)14に積まれたデータの中から優先処理テーブル15に格納された優先処理情報に従い優先度の高いデータを選択し、出力する(S14)。これにより、優先制御が行なえる。
なお、本実施形態では、処理ステップS12の分岐判断を設け、通常制御時においてもその都度優先処理イネーブルのON/OFFを確認し、ONの場合に優先制御を行ない、OFFの場合にFIFOで転送するようにしたが、本発明はこれに限ることはなく(分岐判断をすることなく)、常に、優先処理テーブル15に格納された優先処理情報に従って転送処理をしても良い。すなわち、本実施形態では、電源投入時に切り替えスイッチのON/OFF(優先処理イネーブルのON/OFF)を判断し、ONのときのみ優先処理情報を優先処理テーブル15へ転送しているので、仮に、優先処理イネーブルがOFFとすると、優先処理テーブル15には、優先処理情報が格納されずに空欄となっているので、全てのポート番号が、優先度が無い(等しい)ことになる。優先度が同じものについては先に入力されたものを先に出力するので、結果として、FIFOで処理することができる。もちろん、両方でチェックを掛けることで、より正確で誤動作することなく、適切な転送処理が行なえる。
一方、所定の通信インタフェース11からフレームを受信した場合、データ処理部12は、入力データをバッファメモリ(キュー)14に積む処理を実行する(S15)。このようにすることで、本実施形態のイーサネットスイッチ10は、切り替えスイッチ16の切り替え処理という簡単な処理にともない、優先制御(QoS)を実行するイーサネットスイッチと、優先制御を行なわずFIFOを実行するイーサネットスイッチに切り替わる。しかも、優先制御を実行する場合にも、切り替えスイッチ16をONにした状態で電源をONするだけで良く、ツール装置を用いたプログラミングが不要となる。つまり、本実施形態では、優先制御機能を備えたアンマネージドスイッチを実現できる。
図8を用いて、本実施形態の優先制御(QoS)の実際の処理を説明する。まず(1)に示すように、あるタイミングにおけるバッファメモリ(キュー)に、4個のデータが積まれているとする。このとき、図中上に記載したデータほど先に積まれているものとする。つまり、「I/Oデータ」→「メッセージ」→「I/Oデータ」→「その他のデータ」の順に積まれたものとする。
この状態で処理ステップS14の処理を実行すると、キューに積まれたデータの中で優先度の最も高いデータは、「I/Oデータ」であり、そのデータは2つ存在するので、先に積まれた「I/Oデータ」(図中一番上)が出力される。これにより、バッファメモリ(キュー)14は(2)の状態になる。この(2)の状態で処理ステップS14の処理を実行すると、キューに積まれたデータの中で優先度の最も高いデータは、「I/Oデータ」であるので、その「I/Oデータ」が出力される。
すると、キューには、「メッセージ」と「その他のデータ」が残るので、次は、その2つの中で優先度が高い「メッセージ」が出力される。この出力処理と同時或いはその直後に「I/Oデータ」が新たに入力され、キューに積まれた状態を(3)に示している。この(3)の状態では、「I/Oデータ」がキューに積まれた際には、すでに一番上の「メッセージ」が出力されることが選択されているため、そのまま「メッセージ」が出力されることを示しているが、この「メッセージ」が選択される前に「I/Oデータ」が入力されキューに積まれたならば(次に出力するデータを決定する際に、(3)に示すようにメッセージとI/Oデータがキューに格納されている)、「I/Oデータ」が選択され出力されることになる。
(3)の状態で「メッセージ」が出力されたならば、(4)に示すように、キューには「他のデータ」と「I/Oデータ」が残り、「I/Oデータ」は「他のデータ」よりも後からキューに積まれたものであるが、この状態で処理ステップS14の処理を実行すると、優先度の高い「I/Oデータ」が先に出力され、最後に「他のデータ」が出力されることになる((5)参照)。
なお、上記の説明では、優先度が高いデータを「I/Oデータ」とし、次に優先度が高いデータを「メッセージ」とし、「その他のデータ」が優先度が一番低いとしたが、この具体的な順序は一例であり、本発明は、これに限るものではない。例えば優先度を3段階に分けた場合には、以下の(a)〜(c)ように場合分けをすることができる。もちろん、2段階にわけたり、4段階以上にわけたりすることもできる。
(a)優先度の高いデータとは、PLCにとって通信サイクルが保証され、リアルタイム性が求められるデータをいう。例えば、一般的なマシン制御などで短い制御サイクルが求められる場合に、PLCが制御に用いるI/Oデータがある。I/Oデータというのは、いわゆる入力機器・(制御対象の)出力機器のオン・オフ接点情報、モータ制御の位置情報などを含む。
(b)優先度の中のデータは、PLC−PLC間やPLC−モニタ装置間で通信されるメッセージのデータであって、通信サイクルは保証されず、(a)よりも1つ低いレベルのリアルタイム性を求められるデータをいう。例えば、プロセス制御におけるI/Oデータ、リモートIOのスレーブでの計数情報(スレーブに接続されている入力機器の通電時間、ON/OFFの切替回数など)に関する情報等がある。
(c)優先度の低いデータは、通信サイクルが保証されないし、リアルタイム性も求められないデータをいう。例えば、ファイル転送データ等のように大量のデータを時分割にて送信するような場合がこれに該当する。
次に、本実施形態における優先制御(QoS)と、従来から、イーサネットスイッチ等で一般的に行なわれている優先制御の相違について説明する。よく知られているように、Ethernetの階層は、図9に示すように7つの層に分けることができ、第1層である物理層が、ネットワークケーブルに接続され、電磁的な信号として送受する。また、アプリケーション層で使用されるアプリケーションデータは、各層を上下するごとにヘッダを取り外したり、付加したりしながら転送される。すなわち、各層は、下位層から転送されてきたパケットのヘッダ情報等を元にデータを取り出して上位層に転送していき、最終的には宛先となっているアプリケーションにデータが転送される。また、上位層から転送されてきたデータは、必要なヘッダ情報等を付加するカプセル化処理を行なった後、下位層に転送するのである。
そして、従来の優先制御は、データリンク層(MAC層)を利用する。つまり、データリンク層でのMACフレームは、図10(a)に示すようになっており、優先制御との関係でいうと、MACヘッダ内のVLAMタグのタグ制御情報の内に、「プライオリティ」(3ビット)を指定するエリアが用意されている。この3ビットのエリアを使用することで、8段階の優先度付けが可能となる。このように、予め優先度を指定するために用意されたエリアを利用し、各フレームごとに別途優先度情報を付加する。そして、イーサネットスイッチでは、そのフレームの「プライオリティ」に格納された優先度情報を認識し、使用するキューの割り当てを決定し、優先度の高いフレームから順に出力することになる。
これに対し、本実施形態では、上述した一般的な優先制御で用いるデータリンク層よりも上位のトランスポート層ヘッダを利用する。つまり、図10(b)に示すようにTCP/UDPヘッダには、
メッセージは、TCPヘッダの発信元ポート番号(16ビット)と宛先ポート番号(16ビット)で認識し、I/OデータはUDPヘッダの発信元ポート番号(16ビット)と宛先ポート番号(16ビット)で認識するようになっている。つまり、ポート番号のエリアに、上述したデータの種類を特定する“08AE”(I/Oデータ)や“AF12”(メッセージ)が格納される。このポート番号は、EtherNet/IPの標準規格で定められたポート番号で、何れも本来転送のアプリケーションを特定するための情報であって、優先と言う概念を含まない情報である。換言すると、それらポート番号は、発信元ポート番号や宛先ポート番号を指定するのに必然的に用いられるものであり、優先度を意識して設定されるものではない。
メッセージは、TCPヘッダの発信元ポート番号(16ビット)と宛先ポート番号(16ビット)で認識し、I/OデータはUDPヘッダの発信元ポート番号(16ビット)と宛先ポート番号(16ビット)で認識するようになっている。つまり、ポート番号のエリアに、上述したデータの種類を特定する“08AE”(I/Oデータ)や“AF12”(メッセージ)が格納される。このポート番号は、EtherNet/IPの標準規格で定められたポート番号で、何れも本来転送のアプリケーションを特定するための情報であって、優先と言う概念を含まない情報である。換言すると、それらポート番号は、発信元ポート番号や宛先ポート番号を指定するのに必然的に用いられるものであり、優先度を意識して設定されるものではない。
そして、イーサネットスイッチにおいて優先制御を行なうに際し、ポート番号を優先度(プライオリティ)を選別する際に応用する。よって、データリンク層にて、プライオリティのエリアにいちいち優先度を格納する必要はなくなる。
本実施形態では、イーサネットスイッチ10は、図3に示すように独立した1つの筐体から構成したが、本発明はこれに限ることはなく、例えば、PLCを構成するユニットと同一規格で構成することで、PLCを構成するユニットと連結して一体化することができる。
10 イーサネットスイッチ
11 通信インタフェース
12 データ処理部
13 不揮発性メモリ
14 バッファメモリ(キュー)
15 優先処理テーブル
16 切り替えスイッチ
11 通信インタフェース
12 データ処理部
13 不揮発性メモリ
14 バッファメモリ(キュー)
15 優先処理テーブル
16 切り替えスイッチ
Claims (5)
- イーサネット用の複数の通信インタフェースと、
その通信インタフェースにて受信したフレームの転送処理を行なうデータ処理手段と、
その転送の際に一時的にフレームを記憶するキューと、
優先制御を行なうための優先処理情報を記憶する優先処理テーブルと、を備え、
前記優先処理情報は、送信先や送信元を特定するためのポート番号と、優先順位と、を関連づけたものであり、
前記データ処理手段は、受信したフレームを前記キューに格納する処理と、前記キューに格納されたフレームのTCP/UDPヘッダの前記ポート番号を確認し、優先順位の高いポート番号を持つフレームを出力する処理を実行するものである
ことを特徴とするイーサネットスイッチ。 - 前記優先処理テーブルは、揮発性メモリから構成され、
前記優先処理情報を記憶保持する不揮発性メモリと、
前記データ処理手段が受信したフレームの転送処理を行なう通常制御を行なうに先立ち、前記不揮発性メモリに記憶保持された優先処理情報を前記優先処理テーブルに転送する処理を実行する手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載のイーサネットスイッチ。 - 優先制御による転送処理を実行するか否かを設定する切り替えスイッチを設け、
前記切り替えスイッチがONの場合には、前記不揮発性メモリから前記優先処理テーブルへの優先処理情報の転送する処理を実行し、前記切り替えスイッチがOFFの場合には、前記不揮発性メモリから前記優先処理テーブルへの優先処理情報の転送をしないようにすることを特徴とする請求項1または2に記載のイーサネットスイッチ。 - 優先制御による転送処理を実行するか否かを設定する切り替えスイッチを設け、
前記データ処理手段は、前記切り替えスイッチのON/OFFに対応して、前記キューに格納されたフレームを出力するに際し、前記優先処理情報に基づく処理と、優先処理情報を用いない処理を切り替えるようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のイーサネットスイッチ。 - プログラマブルコントローラが接続され、そのプログラマブルコントローラとの間でデータを送信又は受信するためのイーサネットスイッチであって、
そのイーサネットスイッチが受信するフレームは、EtherNet/IPの標準使用で生成されたものであって、そのフレームのデータ領域に、プログラマブルコントローラにてサイクリック通信でリアルタイム性が求められる制御用データが格納される場合に、TCP/UDPヘッダに、優先順位の高いポート番号を持つように構成されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のイーサネットスイッチ。
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JP2007291387A JP2009118357A (ja) | 2007-11-08 | 2007-11-08 | イーサネットスイッチ |
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JPH09116569A (ja) * | 1995-10-16 | 1997-05-02 | Hitachi Cable Ltd | スイッチングハブ |
JP2003304271A (ja) * | 2002-04-10 | 2003-10-24 | Nissan Motor Co Ltd | 異種ネットワーク間の相互接続装置 |
-
2007
- 2007-11-08 JP JP2007291387A patent/JP2009118357A/ja active Pending
Patent Citations (2)
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JPH09116569A (ja) * | 1995-10-16 | 1997-05-02 | Hitachi Cable Ltd | スイッチングハブ |
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