〔デジタルオーディオプレーヤの概要〕
本発明の一実施形態について図1〜図11に基づいて説明すると以下の通りである。まず、図2に基づいて、本発明の概要について説明する。図2は、本発明のデジタルオーディオプレーヤ1の外観を示す斜視図である。デジタルオーディオプレーヤ(電子機器)1は、図2に示すように、ジョグダイアル(入出力手段)21、動作キー(起動手段)3およびディスプレイ4を備えている。なお、ジョグダイアル21は、後述の入出力装置2に備えられている。
動作キー3は、デジタルオーディオプレーヤ1表面の任意の位置に備えられている。例えば、図2に示すデジタルオーディオプレーヤ1では、ディスプレイ4が備えられた面と同じ面に備えられている。また、動作キー3として実装するデバイスとしては、デジタルオーディオプレーヤ1の機能、形状等によって異なるが、例えばスライドキー、タクトスイッチ等が挙げられる。ここでは、動作キー3として、タクトスイッチが設けられている。
動作キー3は、後述の入出力装置2の起動を制御する。具体的には、動作キー3がユーザによって押下され続ける間、後述の入出力装置2に押下信号を送信する。入出力装置2の制御部(図示しない)は、動作キー3からこの押下信号を受信すると、入出力装置2の各機能を起動する。すなわち、この動作キー3をユーザが押下し続ける間、入出力装置2は、アプリケーションの動作状態に対応付けてジョグダイアル21の回転動作を制御すると共に、ジョグダイアル21に対するユーザの入力操作に対応付けてアプリケーションの動作状態を変更する。
ここで、デジタルオーディオプレーヤ1がユーザの着衣または鞄等のポケット内で動作しているとき、ジョグダイアル21がポケットに触れることによってアプリケーションの動作を変更してしまう可能性がある。デジタルオーディオプレーヤ1が動作キー3を備えることによって、例えばジョグダイアル21がポケットに触れてしまう等の、ユーザが意図していないジョグダイアル21の誤動作を防止することができる。
ディスプレイ4は、デジタルオーディオプレーヤ1表面の、ユーザが視認しやすい位置に備えられており、例えば液晶ディスプレイで構成されている。ディスプレイ4は、アプリケーションの動作状態、デジタルオーディオプレーヤ1に備えられた機能キー(図示しない)の動作指示等を表示する。
ジョグダイアル21は、ディスプレイ4が備えられたデジタルオーディオプレーヤ1表面の側面に備えられている。この側面とは、例えばユーザがディスプレイ4を見るときに、デジタルオーディオプレーヤ1を右手で持ったときの親指側の表面である。
また、ジョグダイアル21は円形基板となっており、その中心はデジタルオーディオプレーヤ1内に備えられている。すなわち、ジョグダイアル21は、図2に示すように、その円周部分の一部がデジタルオーディオプレーヤ1の外部に露出しており、その側面をユーザが触れることができるように構成されている。
この構成により、ジョグダイアル21は、ユーザによって外力が与えられることにより回転する。また、ジョグダイアル21は、後述の入出力装置2の構成により、アプリケーションの動作状態に対応した回転動作を行う。なお、ジョグダイアル21の回転動作については、後に詳しく説明する。
また、デジタルオーディオプレーヤ1は、図1に示すように、動作キー3、状態検出部(アプリケーション状態検出手段)11、状態調整部(アプリケーション実行制御手段)12、アプリケーション実行部(アプリケーション実行手段)13および入出力装置2を備えている。なお、図1は、デジタルオーディオプレーヤ1と、デジタルオーディオプレーヤ1に備えられた入出力装置2との概略構成を示すブロック図である。また、動作キー3については上述し、入出力装置2については後に詳述するので、ここではその説明を省略する。
状態検出部11は、アプリケーション実行部13で実行されているアプリケーションの動作状態を検出し、この検出結果を後述の入出力装置2に送信する。状態調整部12は、デジタルオーディオプレーヤ1に備えられた機能キー(図示しない)からのユーザ入力、ジョグダイアル21を介した入出力装置2から受信するユーザ入力に基づいて、アプリケーション実行部13で実行されているアプリケーションの動作状態を調整する。そして、状態調整部12は、この調整結果をアプリケーション実行部13に送信する。アプリケーション実行部13は、状態調整部12から受信した調整結果に基づいて、アプリケーションを実行する。なお、アプリケーション実行部13で実行されるアプリケーションとしては、例えば音楽および動画を配信するメディアプレーヤが挙げられる。
〔入出力装置の構成〕
次に、入出力装置2の外観について図3に基づいて説明する。図3は、入出力装置2の概略構成の外観を示す説明図であり、同図(a)は、入出力装置2の概略構成を示す上面図であり、同図(b)は、入出力装置2の概略構成を示す側面図である。
入出力装置2は、図3に示すように、デジタルオーディオプレーヤ1に備えられており、ジョグダイアル21、モータ22、歯車22aおよびエンコーダ(状態検出手段)23を備えている。なお、ジョグダイアル21については上述したので、その説明を省略する。
モータ22は、状態検出部11から送信された検出結果に応じて、ジョグダイアル21を所定の回転方向および回転速度で回転または振動させるために駆動する。モータ22としては、例えば整流子電動機、誘導電動機、同期電動機等が挙げられるが、これに限られたものではなく、ジョグダイアル21を回転または振動させる機能を有していればよい。
モータ22は、その回転軸方向が、ジョグダイアル21が露出しているデジタルオーディオプレーヤ1表面と略垂直となるように備えられている。また、ジョグダイアル21がモータ22の駆動に連動して回転できるように、モータ22の回転軸の軸先には、ジョグダイアル21の回転軸と噛み合うように歯車22aが配置されている。例えば、図3に示すように、ジョグダイアル21の回転軸と歯車22aとが略垂直に噛み合う場合には、ジョグダイアル21の回転軸の軸先と歯車22aとが「かさ歯車」の構成になっていてもよいが、これに限らず、その形状は適宜変更できる。
ここで、歯車22aは、モータ22の駆動に連動してジョグダイアル21を回転させるように設けられているが、ジョグダイアル21に対してユーザによる入力操作が行われた場合には、ジョグダイアル21の回転動作と連動するように設けられている。これは、ジョグダイアル21に対して入力操作が行われた場合には、モータ22の回転動作とジョグダイアル21の回転動作とが異なることによる機械的な摩擦による破損を防ぐためである。なお、この構成に限らず、ジョグダイアル21の回転動作とモータ22の回転動作とが一致しない場合に、機械的な摩擦による破損を防ぐような機構が設けられていればよい。
また、ジョグダイアル21とモータ22とが1つの部材として構成されている場合等、ジョグダイアル21の回転動作をモータ22のみで制御可能である場合には、ジョグダイアル21とモータ22とが直結した構成であってもよい。
エンコーダ23は、ジョグダイアル21の円形基板表面に対して、ジョグダイアル21の回転軸が歯車22aと接触している部分の反対側に配置されている。エンコーダ23の主軸は、エンコーダ23本体の中心から突出すると共に空洞となっており、ジョグダイアル21の回転軸に挿入および結合している。なお、エンコーダ23の主軸は、空洞でない構造を有していてもよく、この場合、エンコーダ23の主軸の軸先は、ジョグダイアル21の中心に結合される。
エンコーダ23は、エンコーダ23の主軸の回転角度を測定し、この測定した回転角度からジョグダイアル21の回転方向および回転速度を検出する。そして、この検出した回転方向および回転速度をエンコーダ出力値として、後述の出力値判定部25に送信する。
なお、エンコーダ23は、カウンタ(図示しない)と共に用いて、エンコーダ23の主軸のスタート点からの回転角度を検出するインクリメンタル形であっても、エンコーダ23の主軸の現在位置を示す角度データを得ることができるアブソリュート形であってもよい。また、エンコーダ23は、光学式エンコーダであっても磁気式エンコーダであってもよい。
また、入出力装置2のより詳細な構成について図1に基づいて説明する。図示のように、入出力装置2は、ジョグダイアル21、モータ22、エンコーダ23、モータ制御部(状態制御手段)24、出力値判定部(入出力判断手段、アプリケーション制御手段)25および入力/動作テーブル記憶部26を備えている。なお、ジョグダイアル21、モータ22およびエンコーダ23については上述したので、その説明を省略する。
モータ制御部24は、デジタルオーディオプレーヤ1におけるアプリケーションの動作状態に応じてモータ22の駆動を制御する。具体的には、入出力装置2の制御部(図示しない)が動作キー3から押下信号を受信すると、モータ制御部24は、状態検出部11によって検出されたアプリケーションの動作状態を動作状態信号として受信する。モータ制御部24は、この動作状態信号を受信すると、入力/動作テーブル記憶部26に記憶されている動作テーブルT1(後述)を参照して、この動作状態信号が示すアプリケーションの動作状態に対応したジョグダイアル21の回転方向および回転速度を決定する。そして、モータ制御部24は、この決定結果をモータ出力値としてモータ22と出力値判定部25とに送信する。
出力値判定部25は、モータ制御部24から送信されるモータ出力値と、エンコーダ23から送信されたエンコーダ出力値とが一致するか否かを判定する。出力値判定部25は、モータ出力値とエンコーダ出力値とが一致しない(すなわち、不一致である)と判定した場合には、入力/動作テーブル記憶部26に記憶されている入力テーブルT2(後述)を参照して、エンコーダ出力値に対応付けられたアプリケーションの動作状態を示すアプリケーション状態情報を取得する。そして、出力値判定部25は、取得したアプリケーション状態情報を状態調整部12に送信する。
入力/動作テーブル記憶部26には、モータ制御部24によって参照される動作テーブル(テーブル)T1と、出力値判定部25によって参照される入力テーブル(テーブル)T2とが記憶されている。なお、図4は動作テーブルT1の一例を示す図であり、図5は入力テーブルT2の一例を示すものである。
動作テーブルT1は、入出力装置2の制御部が動作キー3から押下信号を受信し、この受信を受けて、モータ制御部24が状態検出部11から動作状態信号を受信したときに、モータ制御部24によって参照されるテーブルである。この動作テーブルT1によって、モータ制御部24は、動作状態信号が示すアプリケーションの動作状態に対応付けてジョグダイアル21の回転動作を制御する。
動作テーブルT1の「アプリケーションの動作状態」は、モータ制御部24が受信するアプリケーション実行部13によって実行されているアプリケーションの動作状態を示すものである。アプリケーションの動作状態としては、図4に示すように、例えば「再生」、「早送り」、「巻戻し」、「曲送り」、「曲戻し」、「一時停止」および「停止」が挙げられる。
そして、これらの状態と対応付けて、ジョグダイアル21の回転方向と回転速度とが設定されている。例えば、アプリケーションの動作状態が「再生」であるとき、回転方向が「右回転(図3(a)に示す矢印の方向)」、回転速度が「低速」と設定されており、動作状態が「早送り」であるとき、回転方向が「右回転」、回転速度が「高速」と設定されている。また、動作状態が「一時停止」であるときには、ジョグダイアル21を振動させるように、または断続的に回転させるように設定されている。
また、動作テーブルT1に設定されたモータ22の回転速度は、「停止」、「低速」、「高速」および「超高速」の4段階となっている。この4段階の回転速度は、任意に設定することができるが、ジョグダイアル21に触れるユーザによってそれぞれ異なる速度であると認識されるように設定されていればよい。
一方、入力テーブルT2は、出力値判定部25がエンコーダ23からエンコーダ出力値を受信し、かつ、受信したエンコーダ出力値が、モータ制御部24から受信したモータ出力値と一致していないと判定したときに、出力値判定部25によって参照されるテーブルである。この入力テーブルT2によって、出力値判定部25は、ユーザによってジョグダイアル21に外力が与えられたときの(すなわち、ジョグダイアル21に対してユーザによる入力があったときの)ジョグダイアル21の回転動作に対応付けて、アプリケーションの動作状態を制御する。
入力テーブルT2の「回転方向」および「回転速度」は、エンコーダ出力値に示されるジョグダイアル21の回転方向と回転速度とを示すものである。例えば、ジョグダイアル21の回転方向と回転速度との組合せは、図5に示すような場合がある。
図5に示すように、ジョグダイアル21の回転方向が「右回転」、回転速度が「超低速」であるとき、アプリケーションの動作状態が「スロー再生」に設定されており、回転方向が「右回転」、回転速度が「高速」であるとき、動作状態が「早送り」に設定されている。また、ジョグダイアル21の回転方向が「右回転(短時間、すなわち所定時間内)」、回転速度が「超高速」であるとき、アプリケーションの動作状態が「曲送り」に設定されている。
ここで、入力テーブルT2の回転速度として、「停止」、「超低速」、「低速」、「高速」および「超高速」の5段階に設定されている。ジョグダイアル21の回転速度(すなわち、エンコーダ出力値の示す回転速度)が上記5段階の何れになるのかを、出力値判定部25では以下のように判定する。
出力値判定部25には、動作テーブルT1に記憶されている、アプリケーションの動作状態が再生であるときの「低速」を示す回転速度α[rpm]と、エンコーダ出力値の回転速度が「超高速」か否かを判定するための基準回転速度γ(>α)[rpm]とが予め記憶されている。
出力値判定部25が受信したエンコーダ出力値の示す回転速度β[rpm]とすると、出力値判定部25は、0<β<αのとき、回転速度β[rpm]が入力テーブルT2に示す「超低速」であると判定する。同様に、出力値判定部25は、α<β<γのときには「高速」、γ<βのときには「超高速」であると判定する。
そして、出力値判定部25は、エンコーダ出力値の示す回転速度β[rpm]を「超高速」であると判定した場合、この回転速度で回転するジョグダイアル21の回転時間を計測する。この場合、出力値判定部25は、ジョグダイアル21の回転時間を計測する機能を有しており、エンコーダ出力値を受信することによりジョグダイアル21の回転速度が変更されたと判定したとき、ジョグダイアル21の回転時間の計測を開始する。そして、出力値判定部25は、再びジョグダイアル21の回転速度が変更されたと判定するまで、ジョグダイアル21の回転時間を計測する。すなわち、出力値判定部25は、ジョグダイアル21の回転速度が一定である間の回転時間を計測する構成となっている。なお、出力値判定部25が計測するジョグダイアル21の回転時間は、上記構成に限らず、回転速度β[rpm]が「超高速」であると判定された場合にのみ計測される(すなわち、回転速度がγ<βであるときの回転時間のみが計測される)ようになっていてもよい。
つまり、出力値判定部25は、エンコーダ出力値の示す回転速度β[rpm]を「超高速」であると判定した場合、ジョグダイアル21がこの「超高速」で回転しているときの回転時間を計測する。そして、出力値判定部25は、この計測時間が予め記憶されている基準回転時間以下であると判定した場合には、入力テーブルT2を参照して、アプリケーションの動作状態として「曲送り」または「曲戻し」を選択する。
以上より、入出力装置2は、状態検出部11によって検出されたアプリケーションの動作状態に対応した回転動作をジョグダイアル21に行わせる。一方、入出力装置2は、ジョグダイアル21に対してユーザによる入力があった場合、そのユーザ入力に対応付けられたアプリケーション状態情報を状態調整部12に送信する。
これにより、ユーザは、ジョグダイアル21に触れるだけでアプリケーション実行部13によって実行されているアプリケーションの動作状態を知ることができる。また、ユーザは、ジョグダイアル21という出力デバイスに対して直接入力操作を行うことで、この入力操作に対応させたアプリケーションの動作状態に変更することができる。このため、ユーザは、ディスプレイ4の表示を視認することなく、アプリケーションの動作状態の確認および変更を行うことができる。すなわち、入出力装置2は、ユーザに対して感覚的な操作を提供することができる。
なお、動作テーブルT1および入力テーブルT2における、アプリケーションの動作状態とジョグダイアル21の回転方向および回転速度との対応付けは、任意に設定できるものである。
例えば、動作テーブルT1において、アプリケーションの動作状態が「一時停止」のとき、対応するジョグダイアル21の回転動作として「振動または断続的な回転」が記憶されているが、この回転動作として「停止」が記憶されていてもよい。また、入力テーブルT2において、アプリケーションの動作状態が「曲送り」または「曲戻し」である場合に、対応するジョグダイアル21の回転時間を記憶していなくてもよい。
〔入出力装置における処理の流れ〕
次に、入出力装置2における処理の流れについて説明する。図6は、入出力装置2における処理の流れを示すフローチャートである。
まず、入出力装置2の制御部(図示しない)は、動作キー3にユーザによる入力があったか否かを判定する(S1)。具体的には、入出力装置2の制御部は、動作キー3から動作キー3がユーザによって押下されていることを示す押下信号を受信したか否かによって、上記判定を行う。
入出力装置2の制御部によって動作キー3に入力があったと判断された場合(S1でYES)、すなわち入出力装置2の制御部が動作キー3から押下信号を受信した場合、モータ制御部24は、アプリケーションの動作状態を動作状態信号として状態検出部11から取得する(S2)。例えば、アプリケーションの動作状態が「再生」である場合、モータ制御部24は、この「再生」状態を示す動作状態信号を状態検出部11から取得する。
モータ制御部24は、アプリケーションの動作状態を示す動作状態信号を取得すると、入力/動作テーブル記憶部26に記憶されている動作テーブルT1を参照して、動作状態信号の示すアプリケーションの動作状態に対応付けられたジョグダイアル21の回転方向および回転速度を示すジョグダイアル状態情報を取得する。例えば、モータ制御部24が「再生」状態を示す動作状態信号を取得している場合、モータ制御部24は、動作テーブルT1を参照することにより、回転方向「右回転」と回転速度「低速」とをジョグダイアル状態情報として取得する。
モータ制御部24は、この取得したジョグダイアル状態情報を、モータ出力値としてモータ22と出力値判定部25に送信する。モータ22は、モータ制御部24からモータ出力値を受信すると、このモータ出力値の示すジョグダイアル21の回転方向と回転速度とでジョグダイアル21が回転動作を行うように駆動する。すなわち、ジョグダイアル21は、このモータ22の駆動に連動して、モータ出力値の示す回転方向と回転速度とで回転動作を行う(S3)。
これにより、アプリケーションの動作状態に応じた回転方向および回転速度でジョグダイアル21が動作するため、ユーザは、ジョグダイアル21に触れるだけで、アプリケーション実行部13で実行されているアプリケーションの動作状態を知ることができる。すなわち、ユーザは、ディスプレイ4の表示内容を視認することなく、アプリケーションの動作状態を知ることができる。
なお、S1において、入出力装置2の制御部によって動作キー3に入力がないと判定された場合(すなわち、入出力装置2の制御部が動作キー3からの押下信号を受信しなかった場合)には(S1でNO)、入出力装置2の制御部は、入出力装置2の各機能を停止させる。すなわち、この場合、モータ制御部24がモータ22を駆動させないため、ジョグダイアル21の回転は停止している(S4)。なお、S4の処理後、S1の処理に戻る。
ここで、エンコーダ23の回転軸には歯車22aが備えられ、この歯車22aとジョグダイアル21の回転軸とが噛み合っている。このため、エンコーダ23は、ジョグダイアル21の回転動作に併せて、ジョグダイアル21の回転方向と回転速度とを検出する。しかしながら、動作キー3に入力がない場合には、エンコーダ23は停止状態にあるため、ジョグダイアル21に対してユーザによる入力が行われた場合であっても、ジョグダイアル21の回転動作を検出しない。
一方、動作キー3に入力がある場合には、エンコーダ23は、ジョグダイアル21の回転方向と回転速度とを検出しており、この検出した回転方向と回転速度とをエンコーダ出力値として出力値判定部25に送信する。
出力値判定部25は、モータ制御部24から受信したモータ出力値と、エンコーダ23から受信したエンコーダ出力値とが一致するか否かを判定する(S5)。出力値判定部25によってモータ出力値とエンコーダ出力値とが一致しない場合(S5でYES)、ジョグダイアル21に対してユーザによる入力があったものと判定される。すなわち、出力値判定部25は、アプリケーションの動作状態を示すモータ出力値と、ジョグダイアル21の動作状態を示すエンコーダ出力値とが異なる場合(すなわち、不一致である場合)には、ジョグダイアル21に対してユーザによる入力があったものと判定する。
このとき、出力値判定部25は、エンコーダ出力値を受信すると、入力/動作テーブル記憶部26に記憶されている入力テーブルT2を参照して、エンコーダ出力値に対応付けられたアプリケーションの動作状態を示すアプリケーション状態情報を取得する。例えば、取得したエンコーダ出力値の示す回転方向が「右回転」、回転速度が「超低速」である場合には、出力値判定部25は、入力テーブルT2を参照することにより、アプリケーション状態情報として「スロー再生」を取得する。そして、出力値判定部25は、このアプリケーション状態情報を動作状態指示信号として、デジタルオーディオプレーヤ1の状態調整部12に送信し(S6)、入出力装置2における処理を終了する。
なお、出力値判定部25によってモータ出力値とエンコーダ出力値とが一致している場合(S5でNO)、ジョグダイアル21に対してユーザによる入力がないものと判定し、この入出力装置2における処理を終了する。
〔デジタルオーディオプレーヤにおける処理の流れ〕
次に、デジタルオーディオプレーヤ1における処理の流れについて説明する。図7は、デジタルオーディオプレーヤ1における処理の流れを示すフローチャートである。なお、この処理においては、動作キー3が押下され続けているものとする。
まず、アプリケーション実行部13によって音楽または動画の再生が開始されると、状態検出部11は、アプリケーション実行部13によって実行されているアプリケーションの動作状態、すなわち「再生」を示すアプリケーションの動作状態を検出する。そして、状態検出部11は、この検出結果から「再生」を示す動作状態信号をモータ制御部24に送信する(S11)。これにより、入出力装置2のモータ制御部24は、ジョグダイアル21を、アプリケーションの動作状態に対応した回転方向と回転速度とで回転させることとなる。この場合、モータ制御部24は、動作テーブルT1を参照して、回転方向「右回転」および回転速度「低速」で、モータ22を介してジョグダイアル21を回転させる。
ジョグダイアル21が回転すると、エンコーダ23は、エンコーダ値(すなわち、ジョグダイアル21の回転方向および回転速度)を読み取る(S12)。エンコーダ23が読み取ったエンコーダ値は、エンコーダ出力値として出力値判定部25に送信される。
出力値判定部25は、モータ制御部24から受信したモータ出力値と、エンコーダ23から受信したエンコーダ出力値とが一致するか否かを判定することによって、ジョグダイアル21に対してユーザによる入力があったか否かを判定する。
そして、ジョグダイアル21に対してユーザによる入力があった場合、出力値判定部25は、入力テーブルT2を参照することによって、エンコーダ出力値から動作状態指示信号を生成し、この動作状態指示信号を状態調整部12に送信する。一方、ジョグダイアル21に対してユーザによる入力がなかった場合には、出力値判定部25は、動作状態指示信号を生成しないため、この動作状態指示信号を状態調整部12に送信することはない。
すなわち、状態調整部12は、ジョグダイアル21に対してユーザによる入力があったか否かを、出力値判定部25から動作状態指示信号を受信したか否かで判定する(S13)。
状態調整部12が出力値判定部25から動作状態指示信号を受信した場合(S13でYES)、この動作状態指示信号が「停止」を示しているかを判定する(S14)。状態調整部12によって、受信した動作状態指示信号が「停止」を示す動作状態指示信号であると判定された場合(S14でYES)、状態調整部12が音楽または動画の再生を終了させると共に、モータ制御部24がジョグダイアル21の回転動作を停止させる(S15)。
具体的には、状態調整部12が音楽または動画の再生終了を示すアプリケーション調整信号を送信する。アプリケーション実行部13は、このアプリケーション調整信号を受信すると、音楽または動画の再生を終了する。すなわち、アプリケーション実行部13は、アプリケーションの動作状態を「再生」状態から「停止」状態にする。
状態検出部11は、アプリケーションが「停止」状態になったことをアプリケーション実行部13から検出し、この検出結果を「停止」を示す動作状態信号としてモータ制御部24に送信する。モータ制御部24がモータ22を制御することにより、ジョグダイアル21の回転動作を停止させることとなる。S15の処理が完了すると、デジタルオーディオプレーヤ1での処理を終了する。
一方、状態調整部12によって、受信した動作状態指示信号が「停止」を示す動作状態指示信号でなかった場合(S14でNO)、デジタルオーディオプレーヤ1では、ジョグダイアル21に対して行われたユーザによる入力に応じた処理が行われる(S16)。そして、デジタルオーディオプレーヤ1では、この処理に対応したアプリケーションの動作状態に調整されると共に、この動作状態に対応したモータ出力値に応じてジョグダイアル21の回転動作が継続される。なお、S16の処理が完了すると、S12の処理に戻る。
ここで、S16における処理については、図8(a)〜(f)に示す処理が行われる。なお、図8は、ジョグダイアル21に対してユーザによる入力があった場合の、その入力に対するデジタルオーディオプレーヤ1における各処理を示すフローチャートである。
ジョグダイアル21に対するユーザによる入力が「再生」を示す場合、図8(a)に示すように、状態調整部12は、出力値判定部25から「再生」を示す動作状態指示信号を受信すると、「再生」を示すアプリケーション調整信号を生成し、アプリケーション実行部13に送信する。アプリケーション実行部13は、このアプリケーション調整信号を受信すると、音楽または動画を再生状態にする。そして、モータ制御部24の制御によって、ジョグダイアル21は、この再生状態に対応した回転動作(すなわち、回転方向「右回転」、回転速度「低速」)で回転する(S31)。
すなわち、アプリケーション実行部13によって音楽または動画が再生されると、状態検出部11は、アプリケーションの動作状態が「再生」になったことをアプリケーション実行部13から検出し、この検出結果を「再生」を示す動作状態信号としてモータ制御部24に送信する。そして、モータ制御部24は、動作テーブルT1を参照することによって、回転方向「右回転」および回転速度「低速」を示すモータ出力値をモータ22に出力する。これにより、ジョグダイアル21は、「再生」を示す回転動作を行うこととなる。
ジョグダイアル21に対するユーザによる入力が「早送り」を示す場合、図8(b)に示すように、状態調整部12は、出力値判定部25から「早送り」を示す動作状態指示信号を受信すると、「早送り」を示すアプリケーション調整信号を生成し、アプリケーション実行部13に送信する。アプリケーション実行部13は、このアプリケーション調整信号を受信すると、音楽または動画を早送りの状態にする。そして、モータ制御部24の制御によって、ジョグダイアル21は、この早送りの状態に対応した回転動作(すなわち、回転方向「右回転」、回転速度「高速」)で回転する(S32)。なお、図8(b)における具体的な処理は、図8(a)に示す処理と同様のため、その説明を省略する。また、図8(c)〜(f)についても、同様にその説明を省略する。
ジョグダイアル21に対するユーザによる入力が「巻戻し」を示す場合、図8(c)に示すように、状態調整部12は、出力値判定部25から「巻戻し」を示す動作状態指示信号を受信すると、「巻戻し」を示すアプリケーション調整信号を生成し、アプリケーション実行部13に送信する。アプリケーション実行部13は、このアプリケーション調整信号を受信すると、音楽または動画を巻戻しの状態にする。そして、モータ制御部24の制御によって、ジョグダイアル21は、この巻戻しの状態に対応した回転動作(すなわち、回転方向「左回転」、回転速度「高速」)で回転する(S33)。
ジョグダイアル21に対するユーザによる入力が「曲送り」を示す場合、図8(d)に示すように、状態調整部12は、出力値判定部25から「曲送り」を示す動作状態指示信号を受信すると、「曲送り」を示すアプリケーション調整信号を生成し、アプリケーション実行部13に送信する。アプリケーション実行部13は、このアプリケーション調整信号を受信すると、音楽または動画を曲送りの状態にする。そして、モータ制御部24の制御によって、ジョグダイアル21は、この曲送りの状態に対応した回転動作(すなわち、回転方向「右回転」、回転速度「超高速」)で回転する(S34)。S34における曲送りの処理が完了すると、S31における再生処理が行われる(S35)。
ジョグダイアル21に対するユーザによる入力が「曲戻し」を示す場合、図8(e)に示すように、状態調整部12は、出力値判定部25から「曲戻し」を示す動作状態指示信号を受信すると、「曲戻し」を示すアプリケーション調整信号を生成し、アプリケーション実行部13に送信する。アプリケーション実行部13は、このアプリケーション調整信号を受信すると、音楽または動画を曲戻しの状態にする。そして、モータ制御部24の制御によって、ジョグダイアル21は、この曲戻しの状態に対応した回転動作(すなわち、回転方向「左回転」、回転速度「超高速」)で回転する(S36)。S36における曲戻しの処理が完了すると、S31における再生処理が行われる(S37)。
最後に、ジョグダイアル21に対するユーザによる入力が「一時停止」を示す場合、図8(f)に示すように、状態調整部12は、出力値判定部25から「一時停止」を示す動作状態指示信号を受信すると、「一時停止」を示すアプリケーション調整信号を生成し、アプリケーション実行部13に送信する。アプリケーション実行部13は、このアプリケーション調整信号を受信すると、音楽または動画を一時停止の状態にする。そして、モータ制御部24の制御によって、ジョグダイアル21は、この一時停止の状態に対応した動作(すなわち、「振動もしくは断続的に回転」)を行う(S38)。
なお、図8(a)〜(f)に示す処理は、デジタルオーディオプレーヤ1に図4に示す動作テーブルT1と同様のテーブルが記憶されており、例えば状態検出部11、状態調整部12等がそのテーブルに応じた動作を行うようになっていてもよい。
図7のS13において、状態調整部12が出力値判定部25から動作状態指示信号を受信していない場合(S13でNO)、状態調整部12は、デジタルオーディオプレーヤ1に備えられた機能キー(図示しない)によって曲変更が行われたか否かを判定する(S17)。ここで、「曲変更」は、「曲送り」または「曲戻し」を指す。また、曲変更(「曲送り」もしくは「曲戻し」)は、動画再生の場合には、動画の変更(「動画送り」もしくは「動画戻し」)またはチャプターの変更(「チャプター送り」もしくは「チャプター戻し」)」を指すものとする。
状態調整部12によって曲変更が行われた場合(S17でYES)、状態調整部12は、曲変更を示すアプリケーション調整信号をアプリケーション実行部13に送信する。これにより、アプリケーション実行部13は音楽または動画の曲変更を行う。このとき、状態検出部11は、アプリケーション実行部13によって曲変更がなされたことをアプリケーションの動作状態として検出すると、曲変更を示す動作状態信号をモータ制御部24に送信する。モータ制御部24は、動作テーブルT1を参照して、曲変更を示すモータ出力値をモータ22に送信する。ここで、曲変更が「曲送り」である場合、モータ出力値は、回転方向「右回転」、回転速度「超高速」を示し、曲変更が「曲戻し」である場合、モータ出力値は、回転方向「左回転」、回転速度「超高速」を示す。
そして、モータ22は、曲変更を示すモータ出力値に対応して、ジョグダイアル21を駆動させる。これにより、ジョグダイアル21は、曲変更を示す回転動作を出力する(S18)。
曲変更が完了すると、状態調整部12は、アプリケーション実行部13に再生を示すアプリケーション調整信号を送信する。アプリケーション実行部13は、このアプリケーション調整信号を受信すると、音楽(または動画)を再生状態にする。そして、状態検出部11が、アプリケーション実行部13から音楽(または動画)が再生状態であることを検出すると、「再生」を示す動作状態信号をモータ制御部24に送信する。すなわち、ジョグダイアル21は、「再生」状態に対応した回転動作で回転を継続させる(S19)。なお、S19の処理が完了すると、S12の処理に戻る。
一方、状態調整部12によって曲変更が行われなかった場合(S17でNO)、アプリケーション実行部13で現在実行されているアプリケーションの動作状態が継続される。このため、モータ制御部24は、上記アプリケーションの動作状態に対応したジョグダイアル21の回転動作(すなわち、ジョグダイアル21の回転方向および回転速度)を変更することなく継続する(S20)。そして、S20の処理が完了すると、S12の処理に戻る。
〔入出力装置の変形例〕
次に、入出力装置2とは異なる外観を有する入出力装置2aの配置例について図9に基づいて説明する。図9は、入出力装置2aの概略構成の外観を示す説明図であり、同図(a)は、入出力装置2aの概略構成を示す上面図であり、同図(b)は、入出力装置2aの概略構成を示す側面図である。
ここで、入出力装置2aでは、図3に示す入出力装置2に備えられたジョグダイアル21、モータ22、歯車22aおよびエンコーダ23と同一の機能を有するため、同一の符号を付記し、その説明は省略する。また、デジタルオーディオプレーヤ(電子機器)1aは、デジタルオーディオプレーヤ1と同様、動作キー3、ディスプレイ4、状態検出部11、状態調整部12およびアプリケーション実行部13を備えている。一方、入出力装置2aは、入出力装置2と同様、モータ制御部24、出力値判定部25および入力/動作テーブル記憶部26を備えている。なお、後述のデジタルオーディオプレーヤ(電子機器)1b、1cと入出力装置2b、2cについても同様である。
入出力装置2aでは、図9(b)に示すように、ジョグダイアル21の円形基板の片面(以降、露出面)がデジタルオーディオプレーヤ1a表面に露出する構成となっている。ジョグダイアル21は、図3と同様、デジタルオーディオプレーヤ1aの側面(ここで、側面とは上述のデジタルオーディオプレーヤ1の側面と同じ面を指す)に備えられているが、これに限られたものではなく、ユーザが操作できる任意の位置に備えていればよい。また、ジョグダイアル21の露出面とは反対の面の中心には、ジョグダイアル21の回転軸が設けられている。なお、図9(a)に示す矢印は、動作テーブルT1および入力テーブルT2に示す「右回転」の回転方向を示す。
モータ22は、その回転軸方向が、ジョグダイアル21の露出面(すなわち、上述したデジタルオーディオプレーヤ1aの側面)と略水平となるように備えられている。また、ジョグダイアル21がモータ22の駆動に連動して回転できるように、モータ22の回転軸の軸先には、ジョグダイアル21の回転軸と噛み合うように歯車22aが配置されている。
エンコーダ23は、ジョグダイアル21の回転軸の軸先に、歯車22aと接触しないように備えられている。すなわち、エンコーダ23の主軸は、ジョグダイアル21の回転動作と連動するように、ジョグダイアル21の回転軸の軸先で、なおかつ回転軸中心と結合されている。
入出力装置2aにおいても、入出力装置2と同様、モータ制御部24から送信されるモータ出力値によってモータ22が駆動し、この駆動に連動してジョグダイアル21が回転動作を行う。また、ジョグダイアル21の回転動作をエンコーダ23が検出し、この検出結果をエンコーダ出力値として出力値判定部25に送信する。
上記構成により、ユーザは、ジョグダイアル21の露出面を触れるだけで、アプリケーションの動作状態を知ることができる。一方、ユーザは、ジョグダイアル21の露出面を回転させることで、この入力操作に対応させたアプリケーションの動作状態に変更することができる。このため、ユーザは、ディスプレイ4にてアプリケーションの動作状態を視認することなく、アプリケーションの動作状態の確認および変更を行うことができる。
ここで、図9に示す入出力装置2aにおいて、モータ22が配置されている位置を適宜変更することも可能である。すなわち、図10に示す入出力装置2bにおいて、モータ22は、その回転軸方向がジョグダイアル21の露出面と略垂直になるように備えられている。そして、このモータ22の回転軸には歯車22aが備えられ、歯車22aとジョグダイアル21の回転軸とが噛み合うように配置されている。
なお、図10は、入出力装置2、2aとは別の配置例である入出力装置2bの概略構成の外観を示す説明図であり、同図(a)は、入出力装置2bの概略構成を示す上面図であり、同図(b)は、入出力装置2bの概略構成を示す側面図である。また、図10(a)に示す矢印は、図9(a)に示す矢印と同様である。
次に、入出力装置2、2a、2bとは異なる外観を有する入出力装置2cの配置例について図11に基づいて説明する。図11は、入出力装置2、2a、2bとは別の配置例である入出力装置2cの概略構成の外観を示す説明図である。
入出力装置2cでは、図11に示すように、ジョグダイアル21の円形基板がデジタルオーディオプレーヤ1cの側面(ここで、側面とは上述のデジタルオーディオプレーヤ1の側面と同じ面を指す)に対して任意の傾きを有して配置されている。すなわち、ジョグダイアル21の円形基板の有する2つの表面(図10における露出面とその反対側の表面)において、その露出面積が異なっている。
また、入出力装置2cのジョグダイアル21は、図3に示す入出力装置2と同様、ユーザがジョグダイアル21の回転動作を知覚できると共に、ジョグダイアル21を操作できる程度に露出していればよい。すなわち、図11では、ジョグダイアル21の回転軸はデジタルオーディオプレーヤ1c内となるように配置されている。
モータ22は、その回転軸方向がジョグダイアル21の回転軸方向と略水平になるように配置されている。また、モータ22の回転軸の軸先には歯車22aが備えられており、この歯車22aがジョグダイアル21の側壁と噛み合うように配置されている。
エンコーダ23は、歯車22aの、モータ22の回転軸の軸先が備えられている表面とは反対側の表面に備えられている。この場合、エンコーダ23の主軸は、モータ22の回転軸とは異なる、歯車22aの有する回転軸と結合されている。
すなわち、入出力装置2cでは、エンコーダ23がジョグダイアル21の回転軸に直接結合されている構成ではない。これは、ジョグダイアル21に対してユーザの入力操作が行われた場合(すなわち、ユーザによってジョグダイアル21に外力が与えられた場合)、歯車22aは、ジョグダイアル21の回転動作に連動して動作を行うためである。
入出力装置2cにおいても、上述した入出力装置2、2a、2bと同様、モータ制御部24から送信されるモータ出力値によってモータ22が駆動し、この駆動に連動してジョグダイアル21が回転動作を行う。また、入出力装置2cでは、ジョグダイアル21の回転動作をエンコーダ23が検出し、この検出結果をエンコーダ出力値として出力値判定部25に送信している。
このため、入出力装置2cにおいても、ユーザは、ジョグダイアル21を触れるだけで、アプリケーションの動作状態を知ることができる。一方、ユーザは、ジョグダイアル21の露出面を回転させることで、この入力操作に対応させたアプリケーションの動作状態に変更することができる。このため、ユーザは、ディスプレイ4にてアプリケーションの動作状態を視認することなく、アプリケーションの動作状態の確認および変更を行うことができる。
ここで、図9〜図11に示す入出力装置2a〜2cでは、ユーザは、ジョグダイアル21の露出面を回転させることで、アプリケーションの動作状態を変更しているが、これに限られたものではない。すなわち、ユーザは、ジョグダイアル21に対して、略垂直または斜め方向に力を加えて、ジョグダイアル21の回転を停止させることにより、アプリケーションの動作状態を変更してもよい。
すなわち、図9〜図11に示す入出力装置2a〜2cでは、例えばジョグダイアル21の露出していない面に伸縮自在な部材(図示しない)と、ジョグダイアル21に対するユーザの押下(「押し込み」操作)を検出する押下検出部(図示しない)とを備える構成としてもよい。この場合、入出力装置2a〜2cのジョグダイアル21は、上述したデジタルオーディオプレーヤ1a〜1cの側面(すなわち、図9および図10においてはジョグダイアル21の露出面)に対して垂直方向に上下動作する。
この構成では、ユーザは、ジョグダイアル21を押下する(すなわち、「押し込み」動作を行う)ことができる。このため、ジョグダイアル21に対する「押し込み」操作に対応付けて、入出力装置2a〜2cの動作を制御することができる。
例えば、ユーザによる「押し込み」操作によって、ジョグダイアル21の回転動作を停止させることができる。この場合、「押し込み」操作が行われると、押下検出部がこの「押し込み」操作を検出し、検出結果としてジョグダイアル押下信号をモータ制御部24に送信する。そして、モータ制御部24は、このジョグダイアル押下信号を受信すると、モータ22に「停止」を示すモータ出力値を送信する。これにより、モータ22は、ジョグダイアル21の動作を停止させる。
また、ユーザによる「押し込み」操作に対応付けたアプリケーションの動作状態を、入力/動作テーブル記憶部26に設定してもよい。この場合、「押し込み」操作が行われると、押下検出部がこの「押し込み」操作を検出し、検出結果としてジョグダイアル押下信号を出力値判定部25に送信する。出力値判定部25は、このジョグダイアル押下信号を受信すると、入力/動作テーブル記憶部26を参照することにより、この「押し込み」操作に対応付けられたアプリケーション状態情報を取得する。これにより、デジタルオーディオプレーヤ1a〜1cでは、「押し込み」操作に対応付けられたアプリケーションの動作状態に変更することができる。
〔補足〕
最後に、入出力装置2、2a、2b、2cの各ブロック、特にモータ制御部24および出力値判定部25は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、入出力装置2、2a、2b、2cは、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである入出力装置2、2a、2b、2cの制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記入出力装置2、2a、2b、2cに供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、入出力装置2、2a、2b、2cを通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを、通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。