JP2009115705A - 周期的に積分結果がゼロになる交流電流信号を積分した電圧信号を出力する回路装置、エンジンの燃焼圧力検出装置 - Google Patents
周期的に積分結果がゼロになる交流電流信号を積分した電圧信号を出力する回路装置、エンジンの燃焼圧力検出装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】さまざまな要因により積分回路に外乱としての直流成分が作用するので、エンジンの排気行程が終了して燃焼圧力がゼロになっても、圧電センサ出力の積分値はゼロにならず、外乱の直流成分を積分した値が残る。
【解決手段】入力信号は、周期的に積分結果がゼロになる交流電流信号であり、同期信号は、入力信号の積分結果がゼロになるタイミングに同期した信号である。メイン積分回路1・2・3は、入力信号と、サブ積分回路8・9が出力する補正信号との差分を積分した電圧信号を出力するとともに、同期信号に応動して積分値が逐次リセットされ。同期信号に応動し、メイン積分回路がリセットされる直前において、メイン積分回路が出力する電圧値に対応した電荷をサンプリングキャパシタ7に保持する。サブ積分回路8・9は、同期信号に応動し、サンプリングキャパシタ7に保持された電荷を逐次取り込んで累積するとともに、その累積出力に基づいてメイン積分回路に前記補正信号を与える。
【選択図】図1
【解決手段】入力信号は、周期的に積分結果がゼロになる交流電流信号であり、同期信号は、入力信号の積分結果がゼロになるタイミングに同期した信号である。メイン積分回路1・2・3は、入力信号と、サブ積分回路8・9が出力する補正信号との差分を積分した電圧信号を出力するとともに、同期信号に応動して積分値が逐次リセットされ。同期信号に応動し、メイン積分回路がリセットされる直前において、メイン積分回路が出力する電圧値に対応した電荷をサンプリングキャパシタ7に保持する。サブ積分回路8・9は、同期信号に応動し、サンプリングキャパシタ7に保持された電荷を逐次取り込んで累積するとともに、その累積出力に基づいてメイン積分回路に前記補正信号を与える。
【選択図】図1
Description
この発明は、周期的に積分結果がゼロになる交流電流信号を積分した電圧信号を出力する回路装置に関するものであり、また具体的な応用技術として、エンジンの燃焼圧力検出装置に関するものである。
たとえば特開2002−62211号公報や特開2007−113851号公報に見られるように、ディーゼルエンジンの高性能化技術の一環として、シンリダ内の燃焼圧力を正確に検出するためのセンサシステムの技術開発がさかんに行われている。
典型的なエンジン燃焼圧力検出装置は、グロープラグに一体化して配設した圧電センサを燃焼圧力下に臨ませ、同様にグロープラグに一体化して配設した半導体集積回路装置によりセンサ信号を処理する構成をとっている。
圧電センサは、これに加えられた圧力の変化率に対応した交流電流信号を発生する。したがって、圧電センサが出力する交流電流信号を積分することで燃焼圧力に対応した電圧信号を得ることができる。
圧電センサが出力する交流電流信号を積分する回路としては、オペアンプとキャパシタからなる周知慣用の完全積分回路を用いることが簡便かつ理想的である。しかし実際に試験すると、いろいろな問題点があることにすぐに気がつく。
===解決課題その1===
第1の問題点は、積分回路に対してさまざまな外乱が作用することである。グロープラグに配設された圧電センサはきわめて大きな温度変化にされされるので、圧電センサの出力に焦電効果による直流成分が発生し、その直流成分が温度により変化する。またグロープラグをシリンダに固定する機械力によって圧電センサにバイアス圧力が加わり、そのバイアス圧力により圧電センサの出力に直流成分が重畳される。また、オペアンプのオフセットも大きな温度変化の影響でドリフトするので、オフセットを完全に補償することも難しい。
第1の問題点は、積分回路に対してさまざまな外乱が作用することである。グロープラグに配設された圧電センサはきわめて大きな温度変化にされされるので、圧電センサの出力に焦電効果による直流成分が発生し、その直流成分が温度により変化する。またグロープラグをシリンダに固定する機械力によって圧電センサにバイアス圧力が加わり、そのバイアス圧力により圧電センサの出力に直流成分が重畳される。また、オペアンプのオフセットも大きな温度変化の影響でドリフトするので、オフセットを完全に補償することも難しい。
以上のような要因により積分回路に外乱としての直流成分が作用するので、エンジンの排気行程が終了して燃焼圧力がゼロ(最小)になっても、圧電センサ出力の積分値はゼロにならず、外乱の直流成分を積分した値が残ることになる。
排気行程が終了して燃焼圧力がゼロになるタイミングは、エンジン動作サイクルから容易に検出でき、エンジンの電子制御システムにおいては排気行程終了を知らせる同期信号は既存である。
したがって、排気行程終了を知らせる同期信号に応動して積分回路を逐次リセットすれば、外乱の直流成分を積分した値をつぎのサイクルまで持ち越すことはない。しかし、排気行程の終了時に積分回路の出力値がゼロではなく無視できない大きさである場合は、そのサイクル内での積分信号(燃焼圧力の検出信号)の精度が時間とともに悪化しているということである。外乱の大きさによっては、1サイクル内において積分回路が飽和してしまう現象も発生する。
===解決課題その2===
ディーゼルエンジンの燃焼室の圧力変化はきわめて大きく、圧電センサが出力する交流電流信号の振幅はかなりの大振幅となる。圧電センサから生じる電荷量が大きいということである。この信号を半導体集積回路装置の完全積分回路(オペアンプとキャパシタ)で積分する場合、積分キャパシタの容量値に対して入力信号の電荷量が大きすぎ、積分回路がすぐに飽和してしまうという問題が発生する。半導体集積回路装置では、飽和しないような大きな容量値のキャパシタを造り込むことが困難だからである。
ディーゼルエンジンの燃焼室の圧力変化はきわめて大きく、圧電センサが出力する交流電流信号の振幅はかなりの大振幅となる。圧電センサから生じる電荷量が大きいということである。この信号を半導体集積回路装置の完全積分回路(オペアンプとキャパシタ)で積分する場合、積分キャパシタの容量値に対して入力信号の電荷量が大きすぎ、積分回路がすぐに飽和してしまうという問題が発生する。半導体集積回路装置では、飽和しないような大きな容量値のキャパシタを造り込むことが困難だからである。
解決課題その1に対処するために、発明者は、以下の事項(1)〜(6)により特定される回路装置の発明を創作した。
(1)メイン積分回路と、サンプルホールド回路と、サブ積分回路を備え、入力信号と同期信号が外部から与えられる回路装置であること
(2)入力信号は、周期的に積分結果がゼロになる交流電流信号であること
(3)同期信号は、入力信号の積分結果がゼロになるタイミングに同期した信号であること
(4)メイン積分回路は、入力信号と、サブ積分回路が出力する補正信号との差分を積分した電圧信号を出力するとともに、同期信号に応動して積分値が逐次リセットされること
(5)サンプルホールド回路は、同期信号に応動し、メイン積分回路がリセットされる直前において、メイン積分回路が出力する電圧値に対応した電荷をキャパシタに保持すること
(6)サブ積分回路は、同期信号に応動し、サンプルホールド回路のキャパシタに保持された電荷を逐次取り込んで累積するとともに、その累積出力に基づいてメイン積分回路に前記補正信号を与えること
(1)メイン積分回路と、サンプルホールド回路と、サブ積分回路を備え、入力信号と同期信号が外部から与えられる回路装置であること
(2)入力信号は、周期的に積分結果がゼロになる交流電流信号であること
(3)同期信号は、入力信号の積分結果がゼロになるタイミングに同期した信号であること
(4)メイン積分回路は、入力信号と、サブ積分回路が出力する補正信号との差分を積分した電圧信号を出力するとともに、同期信号に応動して積分値が逐次リセットされること
(5)サンプルホールド回路は、同期信号に応動し、メイン積分回路がリセットされる直前において、メイン積分回路が出力する電圧値に対応した電荷をキャパシタに保持すること
(6)サブ積分回路は、同期信号に応動し、サンプルホールド回路のキャパシタに保持された電荷を逐次取り込んで累積するとともに、その累積出力に基づいてメイン積分回路に前記補正信号を与えること
また、解決課題その1・その2の両方に対処するために、発明者は、以下の事項(11)〜(24)により特定される回路装置の発明を創作した。
(11)半導体集積回路により構成され、第1積分回路と、第1サンプルホールド回路と、第2積分回路と、第2サンプルホールド回路と、第3積分回路と、クロック発生回路を備え、入力信号と同期信号が外部から与えられる回路装置であること
(12)入力信号は、周期的に積分結果がゼロになる交流電流信号であること
(13)同期信号は、入力信号の積分結果がゼロになるタイミングに同期した信号であること
(14)クロック発生回路は、同期信号の1周期を複数に区分するクロック信号を発生すること
(15)第1積分回路は、第1オペアンプと、第1オペアンプの反転入力と出力を接続する第1積分キャパシタと、第1積分キャパシタを短絡する第1リセットスイッチを含むこと
(16)第1積分回路は、入力信号と、第3積分回路が出力する補正信号との差分を積分した電圧信号を出力すること
(17)第1積分回路は、クロック信号に応動して第1リセットスイッチがオンとなって積分値が逐次リセットされること
(18)第1サンプルホールド回路は、クロック信号に応動し、第1積分回路がリセットされる直前において、第1積分回路が出力する電圧値に対応した電荷を第1サンプリングキャパシタに保持すること
(19)第1サンプリングキャパシタの容量値は、第1積分キャパシタの容量値の数分の1以下であること
(20)第2積分回路は、第2オペアンプと、第2オペアンプの反転入力と出力を接続する第2積分キャパシタと、第2積分キャパシタを短絡する第2リセットスイッチを含むこと
(21)第2積分回路は、クロック信号に応動し、第1サンプリングキャパシタに保持された電荷を逐次取り込んで第2積分キャパシタに累積して電圧信号を出力すること
(22)第2積分回路は、同期信号に応動して第2リセットスイッチがオンとなって積分値が逐次リセットされること
(23)第2サンプルホールド回路は、同期信号に応動し、第2積分回路がリセットされる直前において、第2積分回路が出力する電圧値に対応した電荷を第2サンプリングキャパシタに保持すること
(24)第3積分回路は、同期信号に応動し、第2サンプリングキャパシタに保持された電荷を逐次取り込んで累積するとともに、その累積出力に基づいて第1積分回路に前記補正信号を与えること
(11)半導体集積回路により構成され、第1積分回路と、第1サンプルホールド回路と、第2積分回路と、第2サンプルホールド回路と、第3積分回路と、クロック発生回路を備え、入力信号と同期信号が外部から与えられる回路装置であること
(12)入力信号は、周期的に積分結果がゼロになる交流電流信号であること
(13)同期信号は、入力信号の積分結果がゼロになるタイミングに同期した信号であること
(14)クロック発生回路は、同期信号の1周期を複数に区分するクロック信号を発生すること
(15)第1積分回路は、第1オペアンプと、第1オペアンプの反転入力と出力を接続する第1積分キャパシタと、第1積分キャパシタを短絡する第1リセットスイッチを含むこと
(16)第1積分回路は、入力信号と、第3積分回路が出力する補正信号との差分を積分した電圧信号を出力すること
(17)第1積分回路は、クロック信号に応動して第1リセットスイッチがオンとなって積分値が逐次リセットされること
(18)第1サンプルホールド回路は、クロック信号に応動し、第1積分回路がリセットされる直前において、第1積分回路が出力する電圧値に対応した電荷を第1サンプリングキャパシタに保持すること
(19)第1サンプリングキャパシタの容量値は、第1積分キャパシタの容量値の数分の1以下であること
(20)第2積分回路は、第2オペアンプと、第2オペアンプの反転入力と出力を接続する第2積分キャパシタと、第2積分キャパシタを短絡する第2リセットスイッチを含むこと
(21)第2積分回路は、クロック信号に応動し、第1サンプリングキャパシタに保持された電荷を逐次取り込んで第2積分キャパシタに累積して電圧信号を出力すること
(22)第2積分回路は、同期信号に応動して第2リセットスイッチがオンとなって積分値が逐次リセットされること
(23)第2サンプルホールド回路は、同期信号に応動し、第2積分回路がリセットされる直前において、第2積分回路が出力する電圧値に対応した電荷を第2サンプリングキャパシタに保持すること
(24)第3積分回路は、同期信号に応動し、第2サンプリングキャパシタに保持された電荷を逐次取り込んで累積するとともに、その累積出力に基づいて第1積分回路に前記補正信号を与えること
もちろん、この発明に係る回路装置は、圧電センサと組み合わされ、エンジンの燃焼圧力検出装置に応用されるものであり、その場合、圧電センサは、エンジンの燃焼圧力下に置かれ、燃焼圧力の変化率に対応した交流電流信号を出力し、回路装置は、圧電センサが出力する交流圧力信号が前記入力信号として与えられるとともに、エンジンの動作サイクルに同期して燃焼圧力が最小となるタイミングで発生する信号が前記同期信号として与えられる構成となる。
以下に詳しく説明するように、この発明により、上記の解決課題その1を達成することができるし、また解決課題その1と2の両方をも達成することができる。
===図1の実施例===
図1に示す実施例は、メイン積分回路と、サンプルホールド回路と、サブ積分回路を備える回路装置である。メイン積分回路は、第1オペアンプ1と、第1オペアンプ1の反転入力と出力を接続する第1積分キャパシタ2と、第1積分キャパシタ2を短絡する第1リセットスイッチ3とからなる。
図1に示す実施例は、メイン積分回路と、サンプルホールド回路と、サブ積分回路を備える回路装置である。メイン積分回路は、第1オペアンプ1と、第1オペアンプ1の反転入力と出力を接続する第1積分キャパシタ2と、第1積分キャパシタ2を短絡する第1リセットスイッチ3とからなる。
第1オペアンプ1の反転入力に外部の信号源からの入力信号が印加される。この実施例の信号源はエンジン燃焼圧力検出装置の圧電センサ4であり、圧電センサ4の一端が抵抗5を介して第1オペアンプ1に接続されている。圧電センサ4が発生する入力信号は、周期的に積分結果がゼロになる交流電流信号である。この入力信号と密接に関連する同期信号として、リセット信号S1と、制御信号S2・S3が外部から与えられる。第1リセットスイッチ3は、入力信号の積分結果がゼロになるタイミングに同期したリセット信号S1に応動してオンとなり、これによりメイン積分回路の積分値がゼロにリセットされる。
サンプルホールド回路は、第1オペアンプ1の出力とグランド間に直列接続されたスイッチ6とサンプリングキャパシタ7とからなり、図2に示すように、入力信号の積分結果がゼロになるタイミングに同期した制御信号S1に応動してスイッチ6がオンとなり、メイン積分回路がリセットされる直前において、メイン積分回路が出力する電圧値に対応した電荷をキャパシタ7に保持する。
サブ積分回路は、第2オペアンプ8と、第2積分キャパシタ9と、サンプリングキャパシタ7と第2オペアンプ8の反転入力を結ぶスイッチ10と、第2積分キャパシタ9を短絡する初期リセット用のスイッチ11と、第2オペアンプ8の出力と第1オペアンプ1の非反転入力を結合する抵抗12・13とからなる。
図2に示すように、制御信号S2によりスイッチ6が瞬時オンしてメイン積分回路の積分出力に対応した電荷がキャパシタ7にサンプリングされると、制御信号S3によりスイッチ10がオンとなる。これによりサンプリングキャパシタ7に保持された電荷がサブ積分回路に取り込まれて第2積分キャパシタ9に累積される。サブ積分回路(第2オペアンプ8)の累積出力は抵抗12・13を介してメイン積分回路(第1オペアンプ1)の非反転入力に印加される。
以上のように、メイン積分回路は、圧電センサ4から与えられる入力信号と、サブ積分回路が出力する補正信号との差分を積分した電圧信号を出力するとともに、同期信号(リセット信号S1)に応動して積分値が逐次リセットされる。また、サンプルホールド回路は、同期信号(制御信号S2)に応動し、メイン積分回路がリセットされる直前において、メイン積分回路が出力する電圧値に対応した電荷をキャパシタ7に保持する。そして、サブ積分回路は、同期信号(制御信号S3)に応動し、サンプルホールド回路のキャパシタ7に保持された電荷を逐次取り込んで累積するとともに、その累積出力に基づいてメイン積分回路に前記補正信号を与える。
したがって、前述したような要因によりメイン積分回路に外乱としての直流成分が入力信号に重畳され、そのために圧電センサ4からの入力信号の積分結果が周期的にゼロになりべきタイミングにおいてもメイン積分回路の積分出力がゼロにならない場合(その値を外乱積分値と呼ぶことにする)、同期信号の各サイクルごとにメイン積分回路の外乱積分値がサンプリングキャパシタ7に逐次保持されるとともに、サブ積分回路によって累積され、その累積出力に基づいた補正信号がメイン積分回路に負帰還される。このようにして、同期信号のつぎのサイクルでは外乱積分値を抑制するようにメイン積分回路に対してフィードバック制御作用が働き、メイン積分回路は外乱としての直流成分の影響のきわめて小さい高精度な積分出力を生成することになる。
===図3の実施例===
図3に示す実施例は、半導体集積回路装置により構成され、第1積分回路と、第1サンプルホールド回路と、第2積分回路と、第2サンプルホールド回路と、第3積分回路と、クロック発生回路を備え、入力信号と同期信号が外部から与えられる回路装置である。図1の実施例と異なるのは、前述した解決課題その2に対処するために、図1におけるメイン積分回路を以下に説明する第1積分回路と第1サンプルホールド回路と第2積分回路とによって構成した点にある。
図3に示す実施例は、半導体集積回路装置により構成され、第1積分回路と、第1サンプルホールド回路と、第2積分回路と、第2サンプルホールド回路と、第3積分回路と、クロック発生回路を備え、入力信号と同期信号が外部から与えられる回路装置である。図1の実施例と異なるのは、前述した解決課題その2に対処するために、図1におけるメイン積分回路を以下に説明する第1積分回路と第1サンプルホールド回路と第2積分回路とによって構成した点にある。
図1の実施例と同様に、圧電センサ4から与えられる入力信号は、周期的に積分結果がゼロになる交流電流信号であり、この入力信号と関連して外部から与えられる同期信号は、入力信号の積分結果がゼロになるタイミングに同期した信号である。図示しないクロック発生回路は、同期信号の1周期を複数に区分するクロック信号を発生するものである。クロック信号については以下の説明で順次明らかとなる。
第1積分回路は、第1オペアンプ21と、第1オペアンプ21の反転入力と出力を接続する第1積分キャパシタ22と、第1積分キャパシタ22を短絡する第1リセットスイッチ23を含む。また、第1積分回路(第1オペアンプ21)は、圧電センサ4からの入力信号と、第3積分回路(第3オペアンプ8)が出力する補正信号との差分を積分した電圧信号を出力する。さらに、第1積分回路は、クロック信号CL1に応動して第1リセットスイッチ23がオンとなって積分値が逐次リセットされる。
第1サンプルホールド回路は、第1サンプリングキャパシタ30と、4つのスイッチ31・32・33・34を含む。スイッチ31と32は、図4に示すように、クロック信号CL1により第1積分回路がリセットされる直前において、クロック信号CL2に応動して同時に瞬時オンとなり、第1積分回路が出力する電圧値に対応した電荷を第1サンプリングキャパシタ30に保持する。
第1サンプリングキャパシタ30に第1積分回路の積分値が保持されてスイッチ31と32がオフになると、つぎに図4に示すように、クロック信号CL3に応動してスイッチ33と34がオンとなり、第1サンプリングキャパシタ30に保持された電荷が第2積分回路に入力される。
第2積分回路は、第2オペアンプ41と、第2オペアンプ41の反転入力と出力を接続する第2積分キャパシタ42と、第2積分キャパシタ42を短絡する第2リセットスイッチ43を含む。
前述したように、圧電センサ4が発生する入力信号は、周期的に積分結果がゼロになる交流電流信号である。この入力信号と密接に関連する同期信号として、図4にタイミングを示した、リセット信号S1と、制御信号S2・S3が外部から与えられる。第2積分回路の第2リセットスイッチ43は、入力信号の積分結果がゼロになるタイミングに同期したリセット信号S1に応動してオンとなり、これにより第2積分回路(オペアンプ41)の積分値がゼロにリセットされる。
第2サンプルホールド回路は、図1の実施例と同じ構成であり、第2積分回路(第2オペアンプ41)の出力とグランド間に直列接続されたスイッチ6と第2サンプリングキャパシタ7とからなり、図4に示すように、入力信号の積分結果がゼロになるタイミングに同期した制御信号S2に応動してスイッチ6がオンとなり、第2積分回路(第2オペアンプ41)がリセットされる直前において、第2積分回路が出力する電圧値に対応した電荷を第2サンプリングキャパシタ7に保持する。
第3積分回路は、図1の実施例におけるサブ積分回路と同じ構成であり、第3オペアンプ8と、第3積分キャパシタ9と、第2サンプリングキャパシタ7と第3オペアンプ8の反転入力を結ぶスイッチ10と、第3積分キャパシタ9を短絡する初期リセット用のスイッチ11と、第3オペアンプ8の出力と第1オペアンプ1の非反転入力を結合する抵抗12・13とからなる。
図4に示すように、制御信号S2によりスイッチ6が瞬時オンして第2積分回路(第2オペアンプ41)の積分出力に対応した電荷が第2サンプリングキャパシタ7に保持されると、制御信号S3によりスイッチ10がオンとなる。これにより第2サンプリングキャパシタ7に保持された電荷が第3積分回路(第3オペアンプ8)に取り込まれて第3積分キャパシタ9に累積される。第3積分回路(第3オペアンプ8)の累積出力は抵抗12・13を介して第1積分回路(第1オペアンプ1)の非反転入力に印加される。
===図3の実施例の図1の実施例と異なる特徴===
図3の実施例における第1積分回路と第1サンプルホールド回路と第2積分回路が、図1の実施例におけるメイン積分回路に相当する。図示しないクロック発生回路は、第1積分回路を周期的にリセットするクロック信号CL1と、第1サンプルホールド回路のスイッチ31・32を制御するクロック信号CL2と、第1サンプルホールド回路のスイッチ33・34を制御するクロック信号CL3とを、図4に示すタイミング関係で発生する。これらクロック信号CL1・CL2・CL3の周期は同じであり、かつ、圧電センサ4が発生する入力信号の積分結果がゼロになるタイミングを示す同期信号(図4のリセット信号S1と制御信号S2・S3)の周期よりはるかに小さい周期である。
図3の実施例における第1積分回路と第1サンプルホールド回路と第2積分回路が、図1の実施例におけるメイン積分回路に相当する。図示しないクロック発生回路は、第1積分回路を周期的にリセットするクロック信号CL1と、第1サンプルホールド回路のスイッチ31・32を制御するクロック信号CL2と、第1サンプルホールド回路のスイッチ33・34を制御するクロック信号CL3とを、図4に示すタイミング関係で発生する。これらクロック信号CL1・CL2・CL3の周期は同じであり、かつ、圧電センサ4が発生する入力信号の積分結果がゼロになるタイミングを示す同期信号(図4のリセット信号S1と制御信号S2・S3)の周期よりはるかに小さい周期である。
エンジンの燃焼圧力検出装置の場合、圧電センサ4が発する入力信号の積分結果がゼロになるべきタイミングを示す同期信号の周期は、エンジン回転速度によって変化するが、おおよそ20〜200ミリ秒の範囲である。これに対してクロック信号CL1・CL2・CL3の周期をたとえば1ミリ秒に設定する。
こうすることにより、同期信号(S1・S2・S3)の1周期を数十〜数百のサンプリング区間に区分して、つまり数十回〜数百回に小分けにして、圧電センサ4が発する入力信号(交流電流信号)を第1積分回路で逐次積分して後段に逐次転送するのである。これにより、第1積分キャパシタ22の容量値がきわめて小さくても、圧電センサ4が発する大振幅の交流電流信号を第1オペアンプ21が飽和せずに正確に積分することができる。
もう1つの特徴は、第1サンプリングキャパシタ30の容量値が第1積分キャパシタ22の容量値の数分の1以下(たとえば50分の1程度)である点である。
上記したように、クロック信号CL1・CL2・CL3に応動し、第1積分回路(第1オペアンプ21)が出力する電圧値に対応する電荷が第1サンプリングキャパシタ30に保持され、第1サンプリングキャパシタ30の電圧は直前の第1積分キャパシタ22の電圧と等しくなる。しかし、キャパシタ30の容量値がキャパシタ22の容量値よりはるかに小さいので、キャパシタ30に保持された電荷量はキャパシタ22に保持されていた電荷量よりはるかに少ない。
そして上記したように、第2積分回路は、クロック信号CL1・CL2・CL3に応動し、第1サンプリングキャパシタ30に保持された電荷を逐次取り込んで第2積分キャパシタ42に累積して電圧信号を出力する。つまり、同期信号(S1・S2・S3)の1周期にわたり、圧電センサ4からの入力信号をたとえば70回に小分けして第1積分回路で逐次積分し、その70回分の積分出力を第1サンプルホールド回路を介して第2積分回路にて累積し、同期信号(S1・S2・S3)の1周期分の積分結果を得る構成となっている。
第1積分回路と第2積分回路の間に第1サンプルホールド回路が介在しており、第1積分回路から第1サンプリングキャパシタ30に転送される電荷量はキャパシタ22に保持されていた電荷量よりはるかに少ないので、これを70回分累積する第2積分キャパシタ42の容量値がそれほど大きくなくても、第2オペアンプ41を飽和させることなく同期信号(S1・S2・S3)の1周期分の積分結果を得ることができる。
以上のことから、積分キャパシタの容量値を大きくすることが困難な半導体集積回路においても、大振幅の交流電流信号の入力を飽和することなく積分できることになる。
1、8、21、41 オペアンプ
2、9、22、42 積分キャパシタ
7、30 サンプリングキャパシタ
2、9、22、42 積分キャパシタ
7、30 サンプリングキャパシタ
Claims (3)
- メイン積分回路と、サンプルホールド回路と、サブ積分回路を備え、入力信号と同期信号が外部から与えられる回路装置であって、
入力信号は、周期的に積分結果がゼロになる交流電流信号であり、
同期信号は、入力信号の積分結果がゼロになるタイミングに同期した信号であり、
メイン積分回路は、入力信号と、サブ積分回路が出力する補正信号との差分を積分した電圧信号を出力するとともに、同期信号に応動して積分値が逐次リセットされ、
サンプルホールド回路は、同期信号に応動し、メイン積分回路がリセットされる直前において、メイン積分回路が出力する電圧値に対応した電荷をキャパシタに保持し、
サブ積分回路は、同期信号に応動し、サンプルホールド回路のキャパシタに保持された電荷を逐次取り込んで累積するとともに、その累積出力に基づいてメイン積分回路に前記補正信号を与える
回路装置。 - 半導体集積回路により構成され、第1積分回路と、第1サンプルホールド回路と、第2積分回路と、第2サンプルホールド回路と、第3積分回路と、クロック発生回路を備え、入力信号と同期信号が外部から与えられる回路装置であって、
入力信号は、周期的に積分結果がゼロになる交流電流信号であり、
同期信号は、入力信号の積分結果がゼロになるタイミングに同期した信号であり、
クロック発生回路は、同期信号の1周期を複数に区分するクロック信号を発生し、
第1積分回路は、第1オペアンプと、第1オペアンプの反転入力と出力を接続する第1積分キャパシタと、第1積分キャパシタを短絡する第1リセットスイッチを含み、
第1積分回路は、入力信号と、第3積分回路が出力する補正信号との差分を積分した電圧信号を出力し、
第1積分回路は、クロック信号に応動して第1リセットスイッチがオンとなって積分値が逐次リセットされ、
第1サンプルホールド回路は、クロック信号に応動し、第1積分回路がリセットされる直前において、第1積分回路が出力する電圧値に対応した電荷を第1サンプリングキャパシタに保持し、
第1サンプリングキャパシタの容量値は、第1積分キャパシタの容量値の数分の1以下であり、
第2積分回路は、第2オペアンプと、第2オペアンプの反転入力と出力を接続する第2積分キャパシタと、第2積分キャパシタを短絡する第2リセットスイッチを含み、
第2積分回路は、クロック信号に応動し、第1サンプリングキャパシタに保持された電荷を逐次取り込んで第2積分キャパシタに累積して電圧信号を出力し、
第2積分回路は、同期信号に応動して第2リセットスイッチがオンとなって積分値が逐次リセットされ、
第2サンプルホールド回路は、同期信号に応動し、第2積分回路がリセットされる直前において、第2積分回路が出力する電圧値に対応した電荷を第2サンプリングキャパシタに保持し、
第3積分回路は、同期信号に応動し、第2サンプリングキャパシタに保持された電荷を逐次取り込んで累積するとともに、その累積出力に基づいて第1積分回路に前記補正信号を与える
回路装置。 - 請求項1または2に記載の回路装置と、圧電センサとを備えたエンジンの燃焼圧力検出装置であって、
圧電センサは、エンジンの燃焼圧力下に置かれ、燃焼圧力の変化率に対応した交流電流信号を出力し、
回路装置は、圧電センサが出力する交流圧力信号が前記入力信号として与えられるとともに、エンジンの動作サイクルに同期して燃焼圧力が最小となるタイミングで発生する信号が前記同期信号として与えられる
エンジンの燃焼圧力検出装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2007291028A JP2009115705A (ja) | 2007-11-08 | 2007-11-08 | 周期的に積分結果がゼロになる交流電流信号を積分した電圧信号を出力する回路装置、エンジンの燃焼圧力検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007291028A JP2009115705A (ja) | 2007-11-08 | 2007-11-08 | 周期的に積分結果がゼロになる交流電流信号を積分した電圧信号を出力する回路装置、エンジンの燃焼圧力検出装置 |
Publications (1)
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JP2009115705A true JP2009115705A (ja) | 2009-05-28 |
Family
ID=40782986
Family Applications (1)
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JP2007291028A Pending JP2009115705A (ja) | 2007-11-08 | 2007-11-08 | 周期的に積分結果がゼロになる交流電流信号を積分した電圧信号を出力する回路装置、エンジンの燃焼圧力検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009115705A (ja) |
-
2007
- 2007-11-08 JP JP2007291028A patent/JP2009115705A/ja active Pending
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