JP2009114147A - ムコ多糖分解促進剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】コンドロイチン分解活性を有する高等生物由来のタンパク質を有効成分とするムコ多糖分解促進剤を提供する。
【解決手段】特定な配列のアミノ酸配列からなるタンパク質、または特定な配列のアミノ酸配列において1個もしくは数十個のアミノ酸が置換され、欠失され、又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつD−グルクロン酸に結合したN−アセチル−D−ガラクトサミニド結合を加水分解する活性を有するタンパク質を有効成分とする、ムコ多糖分解促進剤。当該ムコ多糖分解促進剤は、細菌毒素等を含まない真核生物由来の酵素を有効成分とするムコ多糖分解促進剤として、脊椎障害等の治療に利用可能である。
【選択図】なし
【解決手段】特定な配列のアミノ酸配列からなるタンパク質、または特定な配列のアミノ酸配列において1個もしくは数十個のアミノ酸が置換され、欠失され、又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつD−グルクロン酸に結合したN−アセチル−D−ガラクトサミニド結合を加水分解する活性を有するタンパク質を有効成分とする、ムコ多糖分解促進剤。当該ムコ多糖分解促進剤は、細菌毒素等を含まない真核生物由来の酵素を有効成分とするムコ多糖分解促進剤として、脊椎障害等の治療に利用可能である。
【選択図】なし
Description
本発明は、線虫(Caenorhabditis elegans)由来のムコ多糖加水分解活性を有するタンパク質を有効成分とするムコ多糖分解促進剤、およびその医薬用途に関する。
コンドロイチナーゼやヒアルロニダーゼは、コンドロイチンやヒアルロナンなどのアミノ糖を有する長鎖多糖類であるムコ多糖(グリコサミノグリカン)を分解する酵素タンパク質として知られている。中でもコンドロイチナーゼは、ヒアルロナン、コンドロイチン硫酸、コンドロイチン、デルマタン硫酸等のムコ多糖類を、不飽和糖を含む二糖に分解する反応を触媒する。
これまでに、多種の生物由来のコンドロイチナーゼが報告されている。代表的な例は、Proteus vulgaris由来のコンドロイチナーゼABC(特許文献1)、Flavobacterium heparinum由来のコンドロイチナーゼAC(非特許文献1)、Arthrobacter aurescens由来のコンドロイチナーゼACII(非特許文献2)、Flavobacterium sp.Hp102由来のコンドロイチナーゼ ACIII、コンドロイチナーゼC(非特許文献3)、Flavobacterium heparinum由来のコンドロイチナーゼB(非特許文献4)などである。
コンドロイチナーゼABC(EC 4.2.2.4)は、哺乳動物軟骨由来のコンドロイチン硫酸A、鮫軟骨由来のコンドロイチン硫酸Cおよび哺乳動物皮膚由来のコンドロイチン硫酸B(デルマタン硫酸)を分解する一方、ヒアルロナンの分解能は低いという特異性を有するタンパク質であり、動物組織からのムコ多糖類の除去剤、また組織中のムコ多糖を同定するための試薬として市販されている。
最近、コンドロイチナーゼ、特にコンドロイチナーゼABCあるいはコンドロイチナーゼACを、椎間板腔に直接投与する椎間板ヘルニア治療剤として利用する試みが行なわれている(特許文献2)。従来、植物パパイヤ由来の蛋白分解酵素キモパパインや、バクテリア由来の膠質分解酵素コラゲナ−ゼ等をヘルニア症患者の椎間板腔に注入する、椎間板溶解療法(ID療法)が利用されてきた。しかし、蛋白分解酵素を用いるID療法には、脊椎・椎間板のヘルニア部分のみならず周辺の構造組織の蛋白部分が分解されるために神経麻痺やアレルギー発現等の副作用を生じやすい、という欠点が指摘されている。
したがって、タンパク質分解酵素ではなく、ムコ多糖分解酵素活性を有するコンドロイチナーゼを用いた脊椎損傷治療に、多くの期待が寄せられている。しかし、既知のコンドロイチナーゼの多くはタンパク質分解酵素も同時に生産する微生物から得られるものが殆どである。コンドロイチナーゼABCは、その典型例である。その微生物培養物には、プロテアーゼ活性、エンドトキシン活性、さらには核酸などが混在しているため、微生物由来のコンドロイチナーゼの椎間板ヘルニアの治療薬として人体に投与するための高純度の試薬への利用は、不都合な面を有している。
また、長鎖多糖類であるムコ多糖については保湿性、潤滑性その他の有用性が指摘されており、ムコ多糖を含む健康食品や医薬が種々開発されているが、これらの多糖類に代わり、これを低分子化したオリゴ糖についても様々な生理活性機能を有することが期待されている。
特開平6−153947号公報
米国特許第4696816号
Yamagataら、J.Biol.Chem.、1968年、第243巻、第1523頁
Hiyamaら、J.Biol.Chem.、1975年、第250巻、第1824頁
宮園博文ら、「生化学」、1989年、第61巻、第1023頁
Michelacciら、Biochem.Biophys.Res. Commun.、1974年、第56巻、第973頁
本発明においては、微生物により産生されるコンドロイチナーゼに代わり、タンパク質分解酵素等の混入のおそれの少ない高等動物由来のムコ多糖分解活性を有するタンパク質を、医薬等として提供する、また該タンパク質を用いた機能性オリゴ糖の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、線虫におけるコンドロイチンの生理機能に関する研究過程において、線虫にコンドロイチナーゼ活性を有する酵素タンパク質が存在することを見いだし、下記の各発明を完成した。
(1) 配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質、または配列番号1に示されるアミノ酸配列において1個もしくは数十個のアミノ酸が置換され、欠失され、又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつかつD−グルクロン酸に結合したN−アセチル−D−ガラクトサミニド結合を加水分解する活性を有するタンパク質を有効成分とする、ムコ多糖分解促進剤。
(2)配列番号1において1〜26番目のアミノ酸残基が欠失したアミノ酸配列からなるタンパク質、又は配列番号1において1〜26番目のアミノ酸残基が欠失し、さらに1個もしくは数個のアミノ酸が置換され、欠失され、又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質を有効成分とする、(1)に記載のムコ多糖分解促進剤。
(3)ムコ多糖がコンドロイチン、コンドロイチン硫酸又はコンドロイチン硫酸とデルマタン硫酸の混成多糖である、(1)又は(2)に記載のムコ多糖分解促進剤。
(4)タンパク質が融合タンパク質の形態である、(1)〜(3)の何れかに記載のムコ多糖分解促進剤
(5)(1)〜(3)の何れかに記載のムコ多糖分解促進剤及び薬学的不活性成分を含む医薬組成物。
(6)脊髄損傷治療用の、(5)に記載の医薬組成物。
(7)脊椎損傷が椎間板ヘルニアによる損傷である、(6)に記載の医薬組成物。
(8)椎間板ヘルニアが、硬膜外遊走型椎間板ヘルニアまたは経靭帯性脱出型椎間板ヘルニアである、(7)に記載の医薬組成物。
(9)ムコ多糖からグルクロン酸を非還元末端として有するオリゴ糖を製造する方法であって、配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質、配列番号1に示されるアミノ酸配列において1個もしくは数十個のアミノ酸が置換され、欠失され、若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつD−グルクロン酸に結合したN−アセチル−D−ガラクトサミニド結合を加水分解する活性を有するタンパク質、配列番号1において1〜26番目のアミノ酸残基が欠失したアミノ酸配列からなるタンパク質、及び配列番号1において1〜26番目のアミノ酸残基が欠失し、さらに1個もしくは数個のアミノ酸が置換され、欠失され、若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつD−グルクロン酸に結合したN−アセチル−D−ガラクトサミニド結合を加水分解する活性を有するタンパク質よりなる群から選ばれるタンパク質とムコ多糖とを反応させる工程、及びグルクロン酸を非還元末端として有するオリゴ糖を回収する工程を含む、前記方法。
(10)ムコ多糖がコンドロイチン、コンドロイチン硫酸又はコンドロイチン硫酸とデルマタン硫酸の混成多糖である、(9)に記載のオリゴ糖を製造する方法。
本発明のムコ多糖分解促進剤は、細菌毒素等を含まない高等動物由来の酵素タンパク質を有効成分とするムコ多糖分解促進剤として、脊椎障害等の治療に利用可能である。また、ムコ多糖分解促進剤であるタンパク質を用いて製造されるオリゴ糖は、非還元末端にグルクロン酸を有する様々な構造からなるオリゴ糖であり、哺乳動物、特にヒトに対して抗原性の低い安全な機能性オリゴ糖を製造することができる。
本発明のムコ多糖分解促進剤は、配列番号1に示されるアミノ酸配列からなる、線虫由来のタンパク質を有効成分とする。
配列番号1のアミノ酸配列をコードする塩基配列クローンT22C8.2は、GenBankTM accession number NM_063429として、2005年に登録されている。このクローンT22C8.2は、5’末端側に151bpの非翻訳領域を、4つのN−グリコシル化部位をもつ458アミノ酸残基に相当する1377bpのORFを、そして3’末端側に84bpの非翻訳領域を有している。また、膜タンパク質における二次構造を予測するSOSUI System(http://bp.nuap.nagoya−u.ac.jp/sosui/)を用いた、前記ORFにコードされるアミノ酸配列からなるタンパク質の二次構造の解析から、同タンパク質は、N末端26アミノ酸残基からなる疎水性領域を有する、II型の膜貫通型タンパク質であると推測される。
さらに、タンパク質のアミノ酸配列情報に関するデータベースに対して、前記ORFにコードされているアミノ酸配列に相同なタンパク質の検索を行うことにより、ヒト由来のヒアルロニダーゼ(GenBankTM accession number NM_007312)が28%の相同性を有するタンパク質として特定される。しかしながら、その相同性は30%以下と低いこと、そして本発明者らの研究により線虫にはヒアルロン酸が殆ど存在しないことが明らかにされた(Yamadaら、FEBS Lett.、1999年、第459巻、第327−331頁)ことなどから、配列番号1のアミノ酸配列からなるタンパク質の機能ないし生理活性は、不明なままであった。
本発明者らは、その後の研究により、線虫の細胞分裂にコンドロイチンの生成と分解が関係していることを突き止め(Izumikawaら、J.Biol.Chem.、2004年、第279巻、第53755−53761)、さらに前記配列番号1のアミノ酸配列からなるタンパク質が、D−グルクロン酸に結合したN−アセチル−D−ガラクトサミニド結合を加水分解する活性を有し、ムコ多糖、特にコンドロイチン、コンドロイチン硫酸、またコンドロイチン硫酸とデルマタン硫酸との混成鎖からなるムコ多糖に対して分解活性を示すタンパク質であることを、組み換え細胞を用いて発現させた当該タンパク質を利用した実験を通じて確認した。本発明はかかる知見に基づいて完成された発明である。以下、配列番号1のアミノ酸配列からなるタンパク質をCe−Chnaseと表すこととする。
既知のコンドロイチナーゼのアミノ酸配列と配列番号1のアミノ酸配列との間の同一性は、配列番号1のアミノ酸配列を100とすると、Proteus vulgaris由来のコンドロイチナーゼABCが1.3%、Flavobacterium heparinum由来のコンドロイチナーゼACが1.1%、Arthrobacter aurescens由来のコンドロイチナーゼACIIが3.2%、Flavobacterium heparinum由来のコンドロイチナーゼBが5.7%である。この様に、本発明のCe−Chnaseは、コンドロイチンに対して高い分解活性を示す酵素タンパク質ではあるが、既知のコンドロイチナーゼに対しては殆ど同一性を示さない、特徴的なアミノ酸配列を有している。
Ce−Chnaseのムコ多糖分解活性は、ムコ多糖、例えばコンドロイチンを基質として適当な緩衝液中でCe−Chnaseを反応させることにより生じる分解生成物を、ゲル濾過その他の方法で検出することによって確認することができる。特に、基質であるムコ多糖をFITC(フルオレセイン5(6)イソチオシアネート)その他の適当なラベリング試薬を用いて予めラベルしておき、蛍光その他のシグナルを利用して分解生成物を検出或いは定量することで、ムコ多糖の分解活性を簡便に測定し、さらには定量することができる。
COS7細胞を用いて組み換えタンパク質として発現させたCe−Chnaseと、FITCでラベル化したコンドロイチンとを反応させ、またCe−Chnaseと各種のムコ多糖とを反応させることによって確認されたCe−Chnaseの酵素学的性質は、次の通りである。
1)Ce−ChnaseはD−グルクロン酸に結合したN−アセチル−D−ガラクトサミニド結合を加水分解する活性を有する。その結果、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸、コンドロイチン硫酸とデルマタン硫酸との混成鎖を有するムコ多糖を分解する。特にコンドロイチンに対して高い分解活性を示し、コンドロイチン硫酸に対しては低い分解活性を示す。分解活性の高低は、コンドロイチン>>コンドロイチン硫酸A>コンドロイチン硫酸Cである。コンドロイチンを基質としたときのCe−Chnaseの分解活性を100としたときの、コンドロイチン硫酸A又はコンドロイチン硫酸Cを基質としたときの分解活性は、それぞれ12、7である。また、コンドロイチン硫酸とデルマタン硫酸との混成鎖を有するムコ多糖に対しては、コンドロイチン硫酸とデルマタン硫酸との混成比によって分解活性は変動する。
2)Ce−Chnaseによるコンドロイチンの分解反応による生成物は、GlcUAβ1−3GalNAcβ1−4GlcUAβ1−3GalNAc(GlcUAはD−グルクロン酸を、GalNAcはN−アセチル−D−ガラクトサミンを、β1−3はβ1−3結合を、β1−4はβ1−4結合を、それぞれ示す)であり、還元末端はGalNAc(N−アセチル−D−ガラクトサミン)である。この結果は、Ce−Chnaseが加水分解酵素であるエンド−β−ガラクトサミニダーゼの一種であることを示すものである。なお、既知の細菌由来のコンドロイチナーゼは、いずれも加水分解酵素ではなく脱離酵素(エリミナーゼ)である。先に述べた、既知のコンドロイチナーゼと本発明のCe−Chnaseとの間に殆ど同一性がないのは、この反応機構の相違と関係しているものと推察される。
3)Ce−Chnaseのコンドロイチン分解活性の至適pHはpH5.0〜6.0の範囲である。
この様に、コンドロイチン硫酸A、コンドロイチン硫酸C及びデルマタン硫酸を強く分解し、ヒアルロナンを弱く分解する脱離酵素の一種である従来のコンドイチナーゼABC、BC、ACII等と比較して、加水分解酵素の一種であるCe−Chnaseは、D−グルクロン酸に結合したN−アセチル−D−ガラクトサミニド結合を加水分解し、特にコンドロイチンに対して高い分解活性を有する酵素タンパク質である。
本発明は、上記に説明したCe−Chnase、すなわち配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質を有効成分とするムコ多糖分解促進剤に加えて、配列番号1に示されるアミノ酸配列において1個もしくは数個のアミノ酸が置換され、欠失され、又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつD−グルクロン酸に結合したN−アセチル−D−ガラクトサミニド結合を加水分解する活性を有するタンパク質を有効成分とするムコ多糖分解促進剤を提供する。
本発明におけるアミノ酸配列の置換、欠失、及び/又は付加に関する「1若しくは数十個」とは、1〜数十アミノ酸以内、好ましくは1〜70個、より好ましくは1〜50個、更に好ましくは1〜30個、特に好ましくは1〜15個のアミノ酸残基の変化を意味する。アミノ酸配列の同一性(%)で表せば、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上の同一性を有するアミノ酸配列として表すことができる。
タンパク質のアミノ酸配列は、アミノ酸残基の電荷、大きさ、疎水性等の物理化学的性質について、保存性の高い変異が許容され得ることが、経験的に認められている。例えば、アミノ酸残基の置換については、グリシン(Gly)とプロリン(Pro)、Glyとアラニン(Ala)またはバリン(Val)、ロイシン(Leu)とイソロイシン(Ile)、グルタミン酸(Glu)とグルタミン(Gln)、アスパラギン酸(Asp)とアスパラギン(Asn)、システイン(Cys)とスレオニン(Thr)、Thrとセリン(Ser)またはAla、リジン(Lys)とアルギニン(Arg)等が挙げられる。また、上述の保存性を超えた場合でも、なおそのタンパク質の本質的な機能を失わない変異が存在し得ることも当業者において経験されるところである。
従って、配列番号1に記載されたアミノ酸配列において、1若しくは数十個のアミノ酸が置換、欠失、及び/又は付加したアミノ酸配列からなるタンパク質であっても、D−グルクロン酸に結合したN−アセチル−D−ガラクトサミニド結合を加水分解する活性を分解する活性を有する場合もあり、この様なタンパク質をムコ多糖分解促進剤として利用することは本発明の一態様である。例えば、後に詳細に説明するように、配列番号1に示されるアミノ酸配列のN末端26アミノ酸残基からなる疎水性領域を欠失させたアミノ酸配列からなるCe−Chnaseは、コンドロイチンを分解する活性を保持している。かかるN末端26アミノ酸残基が欠失されたタンパク質も本発明であるCe−Chnaseの一態様である。
すなわち本発明は、配列番号1において1〜26番目のアミノ酸残基が欠失したアミノ酸配列からなるタンパク質、又は配列番号1において1〜26番目のアミノ酸残基が欠失し、さらに1個もしくは数個のアミノ酸が置換され、欠失され、又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつD−グルクロン酸に結合したN−アセチル−D−ガラクトサミニド結合を加水分解する活性を有するタンパク質、さらにはそれらタンパク質を有効成分とするムコ多糖分解促進剤も提供するものである。
また上記のCe−Chnaseは、そのN末端及び/又はC末端に、その他のタンパク質又はポリペプチドを付加させた、いわゆる融合タンパク質として製造し、ムコ多糖分解促進剤として利用することができる。この様な融合タンパク質及びそのムコ多糖分解促進剤としての利用も、本発明の一態様である。かかる融合タンパク質は、Ce−Chnaseにその他のタンパク質又はポリペプチドが示す機能が付加される点で、Ce−Chnaseを単独で製造し、あるいは使用する場合に比べて、高められた有用性を有する。
タンパク質の例としては、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)、マルトース結合タンパク質(MBP)、プロテインA、グリーン蛍光タンパク質(GFP)、ルシフェラーゼその他の、融合蛋白質の製造に汎用されるタンパク質を挙げることができる。また、FLAGタグ、ヒスチジンタグ又はキチン結合配列のように、組み換えタンパク質の製造、特に組み換えタンパク質の精製を容易にするポリペプチドを利用すれば、Ce−Chnaseの製造をより有利に行うことができる。
さらに、Ce−Chnaseには、必要に応じて、蛍光物質や放射性物質等の適当な標識化合物を付加したり、種々の化学修飾物質やポリエチレングリコール等の高分子を結合させたりすることが可能であり、あるいはCe−Chnaseを不溶性担体へ結合させたりすることも可能である。こうしたタンパク質を対象とした化学的修飾法は当業者に広く知られており、本発明で使用されるタンパク質の機能を損なわない限り、どの様に修飾し、利用してもよい。かかる修飾を有する前記Ce−Chnaseを有効成分とするムコ多糖分解促進剤も、本発明の一態様である。
本発明にかかるCe−Chnaseは、線虫から直接精製して使用してもよいが、Ce−Chnaseをコードする核酸、配列番号2に示される塩基配列からなるDNAを用い、組み換えタンパク質として製造することが好ましい。
配列番号2に示される塩基配列からなる核酸は、線虫のゲノムDNAライブラリーもしくはcDNAライブラリーを鋳型とし、配列番号2に示される塩基配列情報を基に適当なPCRプライマーを設計、合成し、cDNAライブラリーに対して公知の方法(例えばMichael A.I.等,PCR Protocols,a Guide to Methods and Applications,Academic Press、1990年参照)に従ってPCR反応を行うことで、クローニングする事ができる。また配列番号2に示される塩基配列からなる核酸は、本明細書に開示された塩基配列情報を基に、ホスホアミダイト法などの化学合成的手法により、あるいは市販のDNAシンセサイザー等を用いて製造することもできる。
本発明にかかるCe−ChnaseをコードするDNAは、適当な発現ベクターに組み換えることができ、かかる組み換えベクターは前記した本発明で使用されるタンパク質の組換え的生産に利用される。当該組換えベクターは、環状、直鎖状等いかなる形態のものであってもよい。かかる組換えベクターは、本発明で使用されるタンパク質をコードする核酸に加え、必要ならば他の塩基配列を有していてもよい。他の塩基配列とは、エンハンサー配列、プロモーター配列、リボゾーム結合配列、コピー数の増幅を目的として使用される塩基配列、シグナルペプチドをコードする塩基配列、他のポリペプチドをコードする塩基配列、ポリA付加配列、スプライシング配列、複製開始点、選択マーカーとなる遺伝子の塩基配列等のことである。
遺伝子組み換えに際しては、適当な合成DNAアダプターを用いて翻訳開始コドンや翻訳終止コドンをCe−Chnaseをコードする核酸に付加したり、あるいは塩基配列内に適当な制限酵素切断配列を新たに発生させたりあるいは消失させたりすることも可能である。これらは当業者が通常行う作業の範囲内であり、当業者はCe−ChnaseをコードするDNAを基に任意かつ容易に加工することができる。
また本発明で使用されるタンパク質をコードする核酸を保持するベクターは、使用する宿主に応じた適当なベクターを選択して使用すればよく、プラスミドの他にバクテリオファージ、バキュロウイルス、レトロウィルス、ワクシニアウィルス等の種々のウイルスを用いることも可能である。
利用可能な市販の発現ベクターとしては、pcDM8(フナコシ社製)、pcDNAI(フナコシ社製)、pcDNAI/AmP(Invitrogen社製)、EGFP-C1(Clontech社製)、pREP4(Invitrogen社製)、pGBT−9(Clontech社製)、等を例示することができる。
本発明で使用されるタンパク質の発現は、該タンパク質をコードする遺伝子固有のプロモーター配列の制御下に発現させることができる。あるいは、本発明で使用されるタンパク質をコードする塩基配列の上流に別の適当な発現プロモーターを連結して使用することもできる。
発現プロモーターは、宿主及び発現の目的に応じて適宜選択すればよく、例えば宿主が大腸菌である場合にはT7プロモーター、lacプロモーター、trpプロモーター、λPLプロモーターなどが、宿主が酵母である場合にはPHO5プロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーター等が、宿主が動物細胞である場合にはSV40由来プロモーター、レトロウィルスプロモーター、サイトメガロウイルス(ヒトCMV)のIE(immediate early)遺伝子のプロモーター、メタロチオネインプロモーター、ヒートショックプロモーター、SRαプロモーター等を挙げることができる。
本発明で使用されるタンパク質をコードする核酸、好ましくはDNAを上記に例示されたプロモーターに連結する、あるいは発現ベクターに組み込む等の操作は、J.Sambrookら(Molecular Cloning,a Laboratory Manual 2nd ed.,Cold Spring Harbor Laboratory,ニューヨーク(New York),1989年、参照)を初めとする、種々の遺伝子組み換え操作を詳細に解説した実験操作マニュアル書の指示に基づいて行うことができる。
宿主細胞の例としては、エシェリヒア(Escherichia)属細菌、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属細菌、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属細菌、バチラス(Bacillus)属細菌、セラチア(Serratia)属細菌、シュードモナス(Pseudomonas)属細菌、アースロバクター(Arthrobacter)属細菌、エルウニア(Erwinia)属細菌、メチロバクテリウム(Methylobacterium)属細菌、ロドバクター(Rhodobacter)属細菌、ストレプトミセス(Streptomyces)属微生物、ザイモモナス(Zymomonas)属微生物、サッカロミセス(Saccharomyces)属酵母等の微生物、カイコなどの昆虫細胞、HEK293細胞、MEF細胞、Vero細胞、Hela細胞、CHO細胞、WI38細胞、BHK細胞、COS−7細胞、MDCK細胞、C127細胞、HKG細胞、ヒト腎細胞株等の動物細胞を挙げることができる。中でも、真核生物の細胞、特にCOS−7細胞等の哺乳類細胞の利用が好ましい。
宿主細胞に発現ベクターを導入する方法としては、前記のSambrookらを初めとする実験操作マニュアル書に記載されている方法、例えば、エレクトロポレーション法、プロトプラスト法、アルカリ金属法、リン酸カルシウム沈澱法、DEAEデキストラン法、マイクロインジェクション法、パーティクルガン法等により行うことができる。Sf9やSf21等の昆虫細胞の利用については、バキュロウイルス・エクスプレッション・ベクターズ、ア・ラボラトリー・マニュアル、ダブリュー・エイチ・フリーマン・アンド・カンパニー(W. H. Freeman and Company)、New York、1992年)やBio/Technology、1988年、第6巻、第47頁等に記載されている。
本発明で使用されるタンパク質は、前記の発現ベクターを上記の宿主細胞内で発現させ、宿主細胞或いは培地から目的とするタンパク質を回収し、精製することによって得ることができる。タンパク質を精製する方法としては、蛋白質の精製に通常使用されている方法の中から適切な方法を適宜選択して行うことができる。すなわち、塩析法、限外濾過法、等電点沈澱法、ゲル濾過法、電気泳動法、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィーや抗体クロマトグラフィー等の各種アフィニティークロマトグラフィー、クロマトフォーカシング法、吸着クロマトグラフィーおよび逆相クロマトグラフィー等、通常使用され得る方法の中から適切な方法を適宜選択し、必要によりHPLCシステム等を使用して適当な順序で精製を行えば良い。
本発明で使用されるタンパク質を他の機能性タンパク質やポリペプチドとの融合タンパク質として発現させた場合には、その機能性タンパク質やポリペプチドに特徴的な精製法を採用することが好ましい。融合タンパク質は、適当なプロテアーゼ(トロンビン、トリプシン等)を用いて切断し、本発明のタンパク質を回収することができる。
この様に本発明で使用されるタンパク質は、それ単独の形態でも別種の蛋白質との融合蛋白質の形態でも調製することができるが、これらのみに制限されるものではなく、本発明で使用されるタンパク質を更に種々の形態へと変換させることも可能である。例えば、蛋白質に対する種々の化学修飾、ポリエチレングリコール等の高分子との結合、不溶性担体への結合、リポソームへの封入など、当業者に知られている多種の手法による加工が考えられる。
また本発明で使用されるタンパク質は、例えばFmoc法(フルオレニルメチルオキシカルボニル法)やtBoc法(t−ブチルオキシカルボニル法)等の、有機化学的合成方法、あるいは市販されている適当なペプチド合成機を用いて製造することもできる。
本発明は、上記したCe−Chnaseを有効成分とするムコ多糖分解促進剤、及び該ムコ多糖分解促進剤と薬学的不活性成分とを含む医薬組成物を提供する。当該医薬組成物は、脊髄損傷治療用、特に椎間板ヘルニア、より好ましくは硬膜外遊走型椎間板ヘルニアまたは経靭帯性脱出型椎間板ヘルニアによる脊椎損傷を治療するための医薬組成物である。
医薬組成物中のCe−Chnaseの含有量は、脊椎に損傷を与えているムコ多糖を含む物質、具体的には髄核を分解乃至溶解するための有効量であればよい。ここで「有効量」とは、突出、遊走等により脊髄硬膜外腔に存在する髄核を溶解し、髄核による影響を排除することのできる量を意味する。
薬学的不活性成分は、それ自体は治療目的に対する有効成分ではない、すなわち薬理活性を持たない成分であるが、担体、賦形剤、結合剤、滑沢剤、着色剤、崩壊剤、緩衝剤、等張化剤、保存剤その他のような、薬剤あるいは医薬組成物の調製に通常用いられる成分を意味する。
例えば、担体あるいは賦形剤としては、デキストラン類、スクロース、ラクトース、マルトース、キシロース、トレハロース、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、イノシトール、血清アルブミン、ゼラチン、ポリエチレングリコール、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール)などを挙げることができる。
本発明組成物中のCe−Chnaseと薬学的不活性成分の配合比率は特に限定されるものではなく、投与量や組成物の形態等に応じて、当業者が適宜決定することができる。また本発明のムコ多糖分解促進剤又はこれを含む医薬組成物は、液剤、固体剤、ペーストその他の形態の何れであってもよく、それらは製剤学的に公知の方法を採用することで、適宜調製することができる。好ましい形態は、Ce−Chnaseを含む注射用製剤の形態であり、特に凍結乾燥状態の製剤である。かかる製剤は、タンパク質を含む注射用製剤、特に凍結乾燥製剤を調製する一般的な方法によって製造することができる。
なお、本発明のムコ多糖分解促進剤、及び該ムコ多糖分解促進剤と薬学的不活性成分とを含む医薬組成物には、Ce−ChnaseのD−グルクロン酸に結合したN−アセチル−D−ガラクトサミニド結合を加水分解する活性を抑制或いは不活性化するものでなければ、鎮痛剤、消炎剤その他の薬理活性成分を含んでいてもよい。
本発明の医薬組成物は、脊椎損傷、例えば椎間板ヘルニアによる脊椎損傷、特に硬膜外遊走型椎間板ヘルニアや経靭帯性脱出型椎間板ヘルニア等の、突出や遊離等によって髄核が脊髄硬膜外に存在するタイプの椎間板ヘルニアの治療に用いることができる。ヘルニアによる脊椎損傷に対するコンドロイチナーゼABCによる治療効果はすでに確認されており(池上ら、「臨床整形外科」、2007年、第42巻、第2号、第124−128頁)、コンドロイチンを分解する活性を有するCe−Chnaseも、コンドロイチナーゼABCと同様、脊椎損傷、特に椎間板ヘルニアによる脊椎損傷に対する治療効果を有するものである。
また、これまでに医薬として利用が検討されているコンドロイチナーゼABCを初めとする細菌由来の既知のコンドロイチナーゼは、脱離反応によって、非還元末端に不飽和結合を持つウロン酸を有するオリゴ糖を生成させる。不飽和ウロン酸は哺乳動物には存在しない糖であり、哺乳動物に対して抗原性を示す。そのため、既知の細菌由来のコンドロイチナーゼの利用は、ヒトに対して抗原性を示す物質が投与されたヒトの体内で生成してしまうという問題を有している。一方の本発明にかかるCe−Chnaseは、加水分解反応によって、非還元末端に不飽和結合を持たないグルクロン酸を有するオリゴ糖が生成させる。グルクロン酸は哺乳動物に対する抗原性は非常に低く、従って、Ce−Chnaseを含むムコ多糖分解促進剤または該ムコ多糖分解促進剤と薬学的不活性成分とを含む医薬組成物をヒトに投与しても、細菌由来の既知のコンドロイチナーゼの投与で指摘される問題は発生しない。
本発明は、上記の配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質、配列番号1に示されるアミノ酸配列において1個もしくは数十個のアミノ酸が置換され、欠失され、若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつD−グルクロン酸に結合したN−アセチル−D−ガラクトサミニド結合を加水分解する活性を有するタンパク質、配列番号1において1〜26番目のアミノ酸残基が欠失したアミノ酸配列からなるタンパク質、及び配列番号1において1〜26番目のアミノ酸残基が欠失し、さらに1個もしくは数個のアミノ酸が置換され、欠失され、若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつD−グルクロン酸に結合したN−アセチル−D−ガラクトサミニド結合を加水分解する活性を有するタンパク質よりなる群から選ばれるタンパク質とムコ多糖とを反応させる工程、及びグルクロン酸を非還元末端として有するオリゴ糖を回収する工程を含む、ムコ多糖からグルクロン酸を非還元末端として有するオリゴ糖を製造する方法も提供する。
タンパク質とムコ多糖とを反応させる工程は、先に説明したCe−Chnaseのムコ多糖分解活性が発揮されるpH、温度等の条件において、適当量の基質と酵素タンパク質とを混合してインキュベートする工程である。Ce−Chnaseは組み換え生産されたタンパク質であることが好ましく、特に適当なレジンに固相化したCe−Chnaseであることが特に好ましい。かかる固相化されたCe−Chnaseを利用すれば、固相化した酵素タンパク質とムコ多糖を連続的に反応させることで、機能性ムコ多糖類を連続的に、また大量に製造することができる。
グルクロン酸を非還元末端として有するオリゴ糖を回収する工程は、タンパク質とムコ多糖とを反応させた後の反応液から、生成物であるグルクロン酸を非還元末端として有するオリゴ糖を、反応液の形態で回収する、部分的に精製された形態で回収する、又は実質的に完全に精製された形態で回収する工程である。上記したような固相化した酵素タンパク質とムコ多糖との連続反応では、固相担体から分離される反応液の形態ですでに生成物であるオリゴ糖は十分に精製された状態になっている。またオリゴ糖は、ゲル濾過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィーその他のオリゴ糖の精製に通常用いられる、当業者に広く知られた種々の分画方法によって、高度に精製し、あるいはオリゴ糖の構成糖の種類、あるいは糖鎖数毎にさらに細かく分画して利用してもよい。
グルクロン酸を非還元末端として有するオリゴ糖は、ヒトに対する抗原性が非常に低く、かつムコ多糖類として抗炎症作用、癌転移の阻害その他の有用な機能を発揮することが期待されており、本発明は、かかる機能性オリゴ糖を製造する方法として有益である。
なお、本発明におけるCe−Chnaseはコンドロイチンやコンドロイチン硫酸に対して、特にコンドロイチンに対して高い分解活性を示すことから、本発明のムコ多糖分解促進剤及びこれを含む医薬の好ましい態様は、コンドロイチン分解促進剤、コンドロイチン硫酸分解促進剤又はそれらを含む医薬であり、特に好ましい態様はコンドロイチン分解促進剤又はそれを含む医薬である。また同様に、ムコ多糖からオリゴ糖を製造する方法の好ましい態様は、コンドロイチン又はコンドロイチン硫酸からオリゴ糖を製造する方法であり、特に好ましい態様はコンドロイチンからオリゴ糖を製造する方法である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。
<実施例1> 組み換えCe−Chnaseの製造
(1)クローニング
クローンT22C8.2(WormBase accession T22C8.2)の塩基配列情報を基に下記の2組のプライマーDNAを用意し、C.elegansN2のcDNAライブラリーを鋳型としてネスティッドPCR(nested PCR)を行った。
クローンT22C8.2(WormBase accession T22C8.2)の塩基配列情報を基に下記の2組のプライマーDNAを用意し、C.elegansN2のcDNAライブラリーを鋳型としてネスティッドPCR(nested PCR)を行った。
プライマーF1(配列番号3)
5’−CTCGAGTGGGGTGAAGTTTGGTAGGA−3’
プライマーR1(配列番号4)
5’−CTCGAGTCTCAAAGTCAAAATGGCAAA−3’
プライマーF2(配列番号5)
5’−CTCGAGGGCAAATAAAGCTTGATCCAA−3’
プライマーR2(配列番号6)
5’−CTCGAGAGAAGATTGCACTGCCAACA−3’
5’−CTCGAGTGGGGTGAAGTTTGGTAGGA−3’
プライマーR1(配列番号4)
5’−CTCGAGTCTCAAAGTCAAAATGGCAAA−3’
プライマーF2(配列番号5)
5’−CTCGAGGGCAAATAAAGCTTGATCCAA−3’
プライマーR2(配列番号6)
5’−CTCGAGAGAAGATTGCACTGCCAACA−3’
PCRは、KOD−Plus DNAポリメラーゼ(東洋紡)を用い、5%(v/v)のジメチルスルホキシドの存在下で、[95℃を30秒間、54℃で45秒間、68℃で2分間]からなるサイクルを30回行った。増幅されたDNA断片(約1.4kbp)を回収し、末端にアデノシンモノリン酸を付加し、pGEM−T Easyベクター(Promega社)に挿入した。挿入部分の塩基配列を決定し、配列番号2に示すDNA(配列番号1のアミノ酸配列をコードするORFを含む全1377bpのDNA)を保持した組み換えベクターが得られたことを確認した。
(2)発現ベクターの構築
(1)で得た組み換えベクターを鋳型として、下記の一組のプライマーを用いてPCRを行った。PCRの反応条件は(1)と同じである。
(1)で得た組み換えベクターを鋳型として、下記の一組のプライマーを用いてPCRを行った。PCRの反応条件は(1)と同じである。
プライマーF3(配列番号7)
5’−GCGGATCCGGTTCGGGAGCCTCC−3’
プライマーR3(配列番号8)
5’−GCGGATCCTTTTGTTCACTATTAT−3’
5’−GCGGATCCGGTTCGGGAGCCTCC−3’
プライマーR3(配列番号8)
5’−GCGGATCCTTTTGTTCACTATTAT−3’
増幅されたDNA断片(約1300bp)をBamHIで消化し、発現ベクターp3XFLAG−CMV−8(Sigma社)のBamHIサイトにサブクローニングした。この操作により、配列番号1のN末端から26アミノ酸残基が欠失した可溶化型Ce−ChnaseのN末端側にプレプロトリプシンのリーダー配列及び3XFLAGタグが付加された融合タンパク質をコードするDNAを保持した発現ベクターを得た。この融合タンパク質の全アミノ酸配列は、配列番号9に示されるとおりである。
(3)組み換え細胞を用いた発現
FuGENETM6(Roche diagnostics社)を用いて、(2)で得た発現ベクター(6.6μg)をCOS7細胞に導入し、37℃で3日間培養後、1mLの培地を回収して、5μLのANTI−FLAG M2 affinity gelと4℃で一晩インキュベートした。0.05%Tween20を含む25mMのトリス緩衝生理食塩水(TBS−T)でレジンを洗浄後、DTTを含む30μLのSDSサンプルバッファーで100℃、5分処理した。遠心分離後の上澄みを回収してSDS−PAGEで電気泳動し、泳動後のタンパク質をPVDMに転写した。転写後のPVDM膜にTBS−Tで1000倍稀釈したANTI−FLAG M2モノクローナル抗体(Sigma社)で一晩インキュベートした。TBS−Tで10000倍に稀釈したECLTMホースラディッシュパーオキシダーゼでラベルした抗マウスIgG抗体(GE Healthcare社)とPVDM膜とをインキュベーションし、膜に結合した抗体をECL Advance Western Blotting Detection Kit(GE Healthcare社)を用いて検出した。その結果、N末端26アミノ酸残基が欠失され、代わりにFLAGタグが付加されたCe−Chnaseが培養液に分泌されていることが確認された。
FuGENETM6(Roche diagnostics社)を用いて、(2)で得た発現ベクター(6.6μg)をCOS7細胞に導入し、37℃で3日間培養後、1mLの培地を回収して、5μLのANTI−FLAG M2 affinity gelと4℃で一晩インキュベートした。0.05%Tween20を含む25mMのトリス緩衝生理食塩水(TBS−T)でレジンを洗浄後、DTTを含む30μLのSDSサンプルバッファーで100℃、5分処理した。遠心分離後の上澄みを回収してSDS−PAGEで電気泳動し、泳動後のタンパク質をPVDMに転写した。転写後のPVDM膜にTBS−Tで1000倍稀釈したANTI−FLAG M2モノクローナル抗体(Sigma社)で一晩インキュベートした。TBS−Tで10000倍に稀釈したECLTMホースラディッシュパーオキシダーゼでラベルした抗マウスIgG抗体(GE Healthcare社)とPVDM膜とをインキュベーションし、膜に結合した抗体をECL Advance Western Blotting Detection Kit(GE Healthcare社)を用いて検出した。その結果、N末端26アミノ酸残基が欠失され、代わりにFLAGタグが付加されたCe−Chnaseが培養液に分泌されていることが確認された。
<実施例2> コンドロイチン分解促進活性の測定
(1)分解活性の確認
実施例1で調製されたCe−Chnaseが結合したANTI−FLAG M2 affinity gelを、TBST、さらに150mMNaClを含む50mMリン酸緩衝液(pH6.0)で洗浄後、FITCでラベルしたコンドロイチン6μgを含む同緩衝液に再懸濁し、28℃で12時間反応させた。Ultrafree−MC(Millipore社)を用いた濾過でレジンを除いた後、濾液をPBSで平衡化したSuperdex peptide column(Amersham Biosciences社)にアプライしてゲル濾過を行った。検出は励起波長490nm、発光波長520nmの蛍光を検出することで行った。活性は、RT19分〜51分までの総ピーク面積をFITCでラベルしたコンドロイチンの総蛍光強度とし、総蛍光強度に対する低分子量フラグメント(RT34分〜51分)の存在比率をそのピーク面積から求めることで表した。
実施例1で調製されたCe−Chnaseが結合したANTI−FLAG M2 affinity gelを、TBST、さらに150mMNaClを含む50mMリン酸緩衝液(pH6.0)で洗浄後、FITCでラベルしたコンドロイチン6μgを含む同緩衝液に再懸濁し、28℃で12時間反応させた。Ultrafree−MC(Millipore社)を用いた濾過でレジンを除いた後、濾液をPBSで平衡化したSuperdex peptide column(Amersham Biosciences社)にアプライしてゲル濾過を行った。検出は励起波長490nm、発光波長520nmの蛍光を検出することで行った。活性は、RT19分〜51分までの総ピーク面積をFITCでラベルしたコンドロイチンの総蛍光強度とし、総蛍光強度に対する低分子量フラグメント(RT34分〜51分)の存在比率をそのピーク面積から求めることで表した。
酵素反応前のFITCでラベルしたコンドロイチンのゲル濾過の溶出パターンを図1のパネルAに、酵素反応後の濾液のゲル濾過の溶出パターンを図1のパネルBに、それぞれ示す。酵素反応によりコンドロイチンのピークが消失し、オリゴサッカライドのピークが観察された。
(2)反応産物の質量分析
実施例1で調製されたCe−Chnaseが結合したANTI−FLAG M2 affinity gel15μLとラベルしていないコンドロイチン6μgを28℃で12時間反応させ、Ultrafree−MC(Millipore社)を用いた濾過でレジンを除いた後、Kinoshitaらの方法(Anal. Biochem.、第269巻、第367−378頁)に従い、2−アミノベンゼンアミド(2AB)を濾液に加えてサンプルをラベルし、過剰の2ABをクロロホルム抽出で除去した。ラベルしたサンプルを0.2MのNH4HCO3で平衡化したSuperdex peptide columnにアプライしてゲル濾過を行った。ゲル濾過の溶出パターン(図2)から2つのピーク(O−1とO−2)をそれぞれ分取し、DE MALDI−TOF MS(Voyager−DE STR−H、Applied Biosystems社)を用いて分析した。そのチャートを図3A(ピークO−1)と図3B(ピークO−2)に示す。
実施例1で調製されたCe−Chnaseが結合したANTI−FLAG M2 affinity gel15μLとラベルしていないコンドロイチン6μgを28℃で12時間反応させ、Ultrafree−MC(Millipore社)を用いた濾過でレジンを除いた後、Kinoshitaらの方法(Anal. Biochem.、第269巻、第367−378頁)に従い、2−アミノベンゼンアミド(2AB)を濾液に加えてサンプルをラベルし、過剰の2ABをクロロホルム抽出で除去した。ラベルしたサンプルを0.2MのNH4HCO3で平衡化したSuperdex peptide columnにアプライしてゲル濾過を行った。ゲル濾過の溶出パターン(図2)から2つのピーク(O−1とO−2)をそれぞれ分取し、DE MALDI−TOF MS(Voyager−DE STR−H、Applied Biosystems社)を用いて分析した。そのチャートを図3A(ピークO−1)と図3B(ピークO−2)に示す。
ピークO−1のMSスペクトルからは、[M+H]+、[M+Na]+、及び「M−H]−の分子イオンシグナルがそれぞれm/z987、m/z919及びm/z895の位置に観察された。このことから、ピークO−1の成分はHexUA2HexNAc2−2AB(HexUA及びHexNAcはそれぞれヘキサウロン酸及びN−アセチルヘキソサミンをそれぞれ示す)で表される4糖類であることが示唆された。一方のピークO−2のMSスペクトルからは、[M+H]+、[M+Na]+、[M+K]+及び「M−H]−の分子イオンシグナルがそれぞれm/z1277、m/z1299、m/z1315及びm/z1274の位置に観察された。このことから、ピークO−2の成分はHexUA3HexNAc3−2ABで示される6糖類であることが示唆された。このことから、Ce−Chnaseは加水分解酵素であることが確認された。
(3)反応産物の還元末端の特定
(2)で調製した2ABでラベルしたサンプル3μgに、Arthrobactor aurescens由来のコンドロイチナーゼAC−II(CSaseAC−II)5mIU/μL酢酸ナトリウム緩衝液pH6.0を加え、37℃で1時間反応させた。反応前と反応後のサンプルそれぞれを、アミン結合シリカPA03カラム(YMC Co.)にアプライして、NaH2PO4の16−800mLのリニアグラジエント/60分、1mL/分の条件でアニオン交換イオンクロマトグラフィー(アニオン交換HPLC)を行った。その結果を図4に示す。パネルAはマーカー、パネルBは反応前のサンプル、パネルCは反応後のサンプルの溶出パターンをそれぞれ示す。
(2)で調製した2ABでラベルしたサンプル3μgに、Arthrobactor aurescens由来のコンドロイチナーゼAC−II(CSaseAC−II)5mIU/μL酢酸ナトリウム緩衝液pH6.0を加え、37℃で1時間反応させた。反応前と反応後のサンプルそれぞれを、アミン結合シリカPA03カラム(YMC Co.)にアプライして、NaH2PO4の16−800mLのリニアグラジエント/60分、1mL/分の条件でアニオン交換イオンクロマトグラフィー(アニオン交換HPLC)を行った。その結果を図4に示す。パネルAはマーカー、パネルBは反応前のサンプル、パネルCは反応後のサンプルの溶出パターンをそれぞれ示す。
パネルBは、反応前のサンプルに、テトラサッカライド(GlcUA−GalNAc−GlcUA−GalNAc)、ヘキササッカライド(GlcUA−GalNAc−GlcUA−GalNAc−GlcUA−GalNAc)さらにオクタサッカライド (GlcUA−GalNAc−GlcUA−GalNAc−GlcUA−GalNAc−GlcUA−GalNAc)が含まれていることを示している。一方のパネルCは、不飽和のジサッカライドであるΔHexUA−GalNAc−2ABのピークのみを与えた。このことから、反応前のサンプルに含まれているCe−Chnaseの反応生成物の還元末端はGalNAcであり、同酵素はヘキソサミニダーゼの一種であることが確認された。
<実施例3> 酵素特性の解析
(1)pH安定性
(4)の反応で用いた緩衝液を50mMリン酸緩衝液pH4.0〜8.0として、28℃で9時間反応させて、pHプロファイルを確認した。その結果、Ce−ChnaseはpH5.0〜6.0の範囲に至適pHを有することが確認された(図5)。
(4)の反応で用いた緩衝液を50mMリン酸緩衝液pH4.0〜8.0として、28℃で9時間反応させて、pHプロファイルを確認した。その結果、Ce−ChnaseはpH5.0〜6.0の範囲に至適pHを有することが確認された(図5)。
(2)基質特異性の確認
(3)でタンパク質を結合させたANTI−FLAG M2 affinity gel15μLを、コンドロイチン、クジラ軟骨由来のコンドロイチン硫酸A(CS−A)、サメ軟骨由来のコンドロイチン硫酸C(CS−C)、各6μgと28℃で12時間反応させた。各分解生成物をPBSで平衡化したSuperdex peptide column(GEヘルスケア社)にアプライしてゲル濾過を行った。その結果を図6A〜6Bに示す。コンドロイチンを基質としたときのCe−Chnaseの分解活性を100としたときの、CS−A及びCS−Cに対する分解活性は、12及び7であった。
(3)でタンパク質を結合させたANTI−FLAG M2 affinity gel15μLを、コンドロイチン、クジラ軟骨由来のコンドロイチン硫酸A(CS−A)、サメ軟骨由来のコンドロイチン硫酸C(CS−C)、各6μgと28℃で12時間反応させた。各分解生成物をPBSで平衡化したSuperdex peptide column(GEヘルスケア社)にアプライしてゲル濾過を行った。その結果を図6A〜6Bに示す。コンドロイチンを基質としたときのCe−Chnaseの分解活性を100としたときの、CS−A及びCS−Cに対する分解活性は、12及び7であった。
また、図6AのピークA−1と図6BのピークC−1をそれぞれ回収し、実施例2の(2)(3)に記載した方法に従い、2ABによるラベル化、CSaseAC−IIによる消化、アニオン交換HPLCを行った。アニオン交換HPLCのチャートを図7に示す。パネルAがピークA−1、パネルBがピークC−1に関する。ピークA−1とC−1はそれぞれピークA−A、ピークC−Cとして溶出され、その構造はA−AがGlcA−GalNAc(4−O−sulfate)−GlcA−GalNAc(4−O−sulfate)、C−CがGlcA−GalNAc(6−O−sulfate)−GlcA−GalNAc(6−O−sulfate)として特定された。
Claims (10)
- 配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質、または配列番号1に示されるアミノ酸配列において1個もしくは数十個のアミノ酸が置換され、欠失され、又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつD−グルクロン酸に結合したN−アセチル−D−ガラクトサミニド結合を加水分解する活性を有するタンパク質を有効成分とする、ムコ多糖分解促進剤。
- 配列番号1において1〜26番目のアミノ酸残基が欠失したアミノ酸配列からなるタンパク質、又は配列番号1において1〜26番目のアミノ酸残基が欠失し、さらに1個もしくは数個のアミノ酸が置換され、欠失され、又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質を有効成分とする、請求項1に記載のムコ多糖分解促進剤。
- ムコ多糖がコンドロイチン、コンドロイチン硫酸又はコンドロイチン硫酸とデルマタン硫酸の混成多糖である、請求項1又は2に記載のムコ多糖分解促進剤。
- タンパク質が融合タンパク質の形態である、請求項1〜3の何れかに記載のムコ多糖分解促進剤。
- 請求項1〜4の何れかに記載のムコ多糖分解促進剤及び薬学的不活性成分を含む医薬組成物。
- 脊髄損傷治療用の、請求項5に記載の医薬組成物。
- 脊椎損傷が椎間板ヘルニアによる損傷である、請求項6に記載の医薬組成物。
- 椎間板ヘルニアが、硬膜外遊走型椎間板ヘルニアまたは経靭帯性脱出型椎間板ヘルニアである、請求項7に記載の医薬組成物。
- ムコ多糖からグルクロン酸を非還元末端として有するオリゴ糖を製造する方法であって、配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質、配列番号1に示されるアミノ酸配列において1個もしくは数十個のアミノ酸が置換され、欠失され、若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつD−グルクロン酸に結合したN−アセチル−D−ガラクトサミニド結合を加水分解する活性を有するタンパク質、配列番号1において1〜26番目のアミノ酸残基が欠失したアミノ酸配列からなるタンパク質、及び配列番号1において1〜26番目のアミノ酸残基が欠失し、さらに1個もしくは数個のアミノ酸が置換され、欠失され、若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつD−グルクロン酸に結合したN−アセチル−D−ガラクトサミニド結合を加水分解する活性を有するタンパク質よりなる群から選ばれるタンパク質とムコ多糖とを反応させる工程、及びグルクロン酸を非還元末端として有するオリゴ糖を回収する工程を含む、前記方法。
- ムコ多糖がコンドロイチン、コンドロイチン硫酸又はコンドロイチン硫酸とデルマタン硫酸の混成多糖である、請求項9に記載のオリゴ糖を製造する方法。
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