JP2009114071A - 立体選択的不斉ニトロアルドール反応用触媒 - Google Patents

立体選択的不斉ニトロアルドール反応用触媒 Download PDF

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Abstract

【課題】光学活性アンチ-1,2-アミノアルコール化合物の前駆体として有用な光学活性アンチ-1,2-ニトロアルカノール化合物を触媒的不斉反応によりアンチ選択的に製造する方法を提供する。
【解決手段】光学活性アンチ-1,2-ニトロアルカノール化合物の製造方法であって、アルデヒド化合物と炭素数2以上のニトロアルカン化合物とを下記の一般式(I):
Figure 2009114071

(式中、R1はC3-8アルキル基又はアラルキル基を示す)
で表される化合物を配位子として含む異種金属複合型の錯体(ただし2種の金属の1種はランタノイドから選択され、もう1種の金属はアルカリ金属である)の存在下で反応させる工程を含む方法。
【選択図】なし

Description

本発明は立体選択的な触媒的不斉ニトロアルドール反応、及び該反応用の触媒に関する。
有機合成化学、特に医薬品合成化学の分野において光学活性アンチ-1,2-アミノアルコール化合物は極めて有用性の高いキラルビルディングブロックとして汎用されている。例えば、β-アゴニストなどの医薬品や多くの天然生理活性化合物に光学活性アンチ-1,2-アミノアルコールが基本ユニットとして含まれており、光学活性アンチ-1,2-アミノアルコール化合物を原料化合物や反応試薬として用いることにより、これらの化合物を効率的かつ安価に製造することができる。このような理由から、光学活性アンチ-1,2-アミノアルコール化合物を効率的に製造する方法の開発が求められている。
光学活性アンチ-1,2-アミノアルコール化合物の前駆体として有用な光学活性アンチ-1,2-ニトロアルカノール化合物を触媒的不斉反応によりアンチ選択的に製造する方法として、各種アルデヒド化合物とニトロアルカンとを光学活性テトラアミノホスホニウム塩の存在下で反応させる方法が知られている(Uraguchi, D., et al., J. Am. Chem. Soc.,129, pp.12392, 2007)。しかしながら、この方法は-78℃の極低温下に行なう必要があり、工業的な製造方法として応用できないという問題があった。
一方、下記のアミド化合物:
Figure 2009114071
を配位子として含むランタン錯体が不斉アミノ化反応用触媒として有用であることが知られている(Mashiko, T., et al., J. Am. Chem. Soc., 129, pp.11342, 2007)。しかしながら、上記刊行物には上記のアミド化合物において水酸基の位置が異なる異性体は開示されておらず、また上記化合物について不斉アミノ化反応用触媒以外の用途について示唆ないし教示はない。
Uraguchi, D., et al., J. Am. Chem. Soc., 129, 12392, 2007 Mashiko, T., et al., J. Am. Chem. Soc., 129, 11342, 2007
本発明の課題は立体選択的な触媒的不斉ニトロアルドール反応、及び該反応用の触媒を提供することにある。より具体的には、光学活性アンチ-1,2-アミノアルコール化合物の前駆体として有用な光学活性アンチ-1,2-ニトロアルカノール化合物を触媒的不斉反応によりアンチ選択的に製造する方法及び該反応に用いる触媒を提供することが本発明の課題である。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、上記***の刊行物に記載されたアミド化合物において片方のベンゼン環上の水酸基の位置を変化させた異性体を製造し、この化合物を配位子としてネオジムなどのランタノイド及びナトリウムなどのアルカリ金属に配位させた異種金属複合型の錯体を反応触媒として用いて各種アルデヒド化合物とニトロアルカンとを用いたニトロアルドール反応を行なうことにより、光学活性アンチ-1,2-アミノアルコール化合物の前駆体である光学活性アンチ-1,2-ニトロアルカノール化合物を効率よく製造できること、及びこの反応が-40℃程度の冷却下においても速やかに進行して高アンチ選択的に、かつ高い不斉収率で目的物を製造できることを見出した。本発明は上記の知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明により、光学活性アンチ-1,2-ニトロアルカノール化合物の製造方法であって、アルデヒド化合物と炭素数2以上のニトロアルカン化合物とを下記の一般式(I):
Figure 2009114071
(式中、R1はC3-8アルキル基又はアラルキル基を示す)
で表される化合物を配位子として含む異種金属複合型の錯体(ただし2種の金属の1種はランタノイドから選択され、もう1種の金属はアルカリ金属である)の存在下で反応させる工程を含む方法が提供される。
本発明の好ましい方法によれば、上記錯体が上記一般式(I)で表される化合物においてR1がイソブチル基である化合物、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、ジスプロシウム(Dy)、及びイッテルビウム(Yb)からなる群から選ばれる金属、及びアルカリ金属を含む異種金属複合型錯体である上記の方法;上記錯体が上記一般式(I)で表される化合物においてR1がイソブチル基である化合物、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、ジスプロシウム(Dy)、及びイッテルビウム(Yb)からなる群から選ばれる金属、及びナトリウムを含む異種金属複合型錯体である上記の方法;ニトロアルカンがR11-CH2-NO2(式中、R11はC1-C20アルキル基を示し、該アルキル基は置換基を有していてもよい)で表されるニトロアルカンである上記の方法;反応温度を-50〜-30℃の範囲で行なう上記の方法;及びランタノイドとほぼ等量の水の存在下で行なう上記の方法が提供される。
別の観点からは、上記一般式(I)で表される化合物を配位子として含む上記の異種金属複合型錯体が本発明により提供される。また、アルデヒド化合物と炭素数2以上のニトロアルカン化合物とを反応させて光学活性アンチ-1,2-ニトロアルカノール化合物を製造するための反応触媒であって、上記錯体を含む反応触媒;光学活性アンチ-1,2-アミノアルコール化合物の製造方法であって、(A)アルデヒド化合物とニトロアルカン化合物とを上記の錯体の存在下で反応させて光学活性アンチ-1,2-ニトロアルカノール化合物を製造する工程、及び(B)上記工程(A)で得られた光学活性アンチ-1,2-ニトロアルカノール化合物を還元して光学活性アンチ-1,2-アミノアルコール化合物を製造する工程を含む方法も本発明により提供される。
本発明の方法により、医薬品や天然生理活性化合物の製造のために有用な光学活性アンチ-1,2-アミノアルコール化合物の前駆体として有用な光学活性アンチ-1,2-ニトロアルカノール化合物を緩和な条件下で効率的に製造することができる。本発明の方法は-40℃程度の低温化で行なうことができるので、工業的製造方法として利用することができる。
本発明の方法はアルデヒド化合物と炭素数2以上のニトロアルカン化合物とを用いてニトロアルドール反応により光学活性アンチ-1,2-ニトロアルカノール化合物を製造する方法であり、上記反応において上記一般式(I)で表される化合物を配位子として含む異種金属複合型錯体を反応触媒として用いることを特徴としている。
アルデヒド化合物の種類は特に限定されず、芳香族アルデヒド化合物又は脂肪族アルデヒド化合物のいずれを用いてもよい。アルデヒド化合物は、例えばアルキル基、アルコキシ基、カルボキシル基、水酸基、ハロゲン原子など任意の置換基を1個又は2個以上有していてもよい。アルデヒド化合物を本発明の方法における原料として用いる際に、必要に応じてアルデヒド以外の反応性官能基を保護基で保護することにより、本発明の方法を好適に行なうことができる。保護基については、例えば、Greenら、Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd Edition, 1999, John Wiley & Sons, Inc.などの成書を参照することができる。アルデヒド化合物として、例えば、ベンズアルデヒド、ハロゲノベンズアルデヒド(クロルベンズアルデヒド、ブロムベンズアルデヒドなど)、アルコキシベンズアルデヒド(メトキシベンズアルデヒド、エトキシベンズアルデヒドなど)、アルキルベンズアルデヒド(メチルベンズアルデヒド、エチルベンズアルデヒドなど)、ナフチルアルデヒドなどの芳香族アルデヒド化合物、アルキルアルデヒド(ブチルアルデヒド、シクロプロピルアルデヒドなど)などの脂肪族アルデヒド、又はアラルキルアルデヒド(フェネチルアルデヒド、ベンジルアルデヒドなど)などの芳香族置換脂肪族アルデヒドなどを用いることができるが、これらに限定されることはない。
ニトロアルカン化合物の種類は炭素数2以上であれば特に限定されないが、例えば、アルキル鎖の炭素数が2〜20個程度のニトロアルカン化合物を用いることができる。ニトロアルカン化合物の主鎖を構成するアルキル基は、例えばアルキル基、アルコキシ基、カルボキシル基、水酸基、ハロゲン原子など任意の置換基を1個又は2個以上有していてもよく、アルキル鎖中に二重結合又は三重結合を任意の個数含んでいてもよい。必要に応じてニトロ基以外の反応性官能基を保護基で保護することにより、本発明の方法を好適に行なうことができる。保護基については上掲のGreenらの成書を参照することができる。ニトロアルカンとして、好ましくはニトロエタン、ニトロプロパン、ニトロブタンなどを用いることができるが、これらに限定されることはない。
上記一般式(I)で表される錯体において、 R1はC3-8アルキル基又はアラルキル基を示す。R1が示すC3-8アルキル基としては、直鎖状、分枝鎖状、環状、又はそれらの組合せからなるアルキル基を用いることができるが、分枝鎖状、環状、又はそれらの組合せからなるアルキル基が好ましく、分枝鎖状又は環状のアルキル基がより好ましい。例えば、イソプロピル基、sec-ブチル基、イソブチル基(-CH2-CH(CH3)2)、若しくはtert-ブチル基などの分枝鎖状C3-4アルキル基、又はシクロペンチル基、シクロヘキシル基、若しくはシクロヘプチル基などの環状C5-7アルキル基が好ましい。これらのうち、イソプロピル基、イソブチル基、又はtert-ブチル基がさらに好ましく、特に好ましいのはイソブチル基である。
R1が示すアラルキル基としては、例えば、1個又は数個、好ましくは1個のアリール基又はヘテロアリール基により置換された直鎖状又は分枝鎖状のC1-4アルキル基を用いることができる。R1が示すアラルキル基を構成するアリール基としては単環式又は縮合多環式の芳香族炭化水素基を用いることができ、例えば、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、アントラニル基、又はフェナンスリル基等が挙げられるが、これらに限定されることはない。ヘテロアリール基としては、単環式又は縮合多環式の芳香族ヘテロ環基を用いることができる。環構成ヘテロ原子の個数は特に限定されないが、1個ないし数個、好ましくは1個ないし5個程度である。2個以上の環構成ヘテロ原子を含む場合にはそれらは同一でも異なっていてもよい。ヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、又はイオウ原子等を挙げることができるが、これらに限定されることはない。
R1が示すアラルキル基を構成する単環式ヘテロアリール基としては、例えば、2-フリル基、3-フリル基、2-チエニル基、3-チエニル基、1-ピロリル基、2-ピロリル基、3-ピロリル基、2-オキサゾリル基、4-オキサゾリル基、5-オキサゾリル基、3-イソオキサゾリル基、4-イソオキサゾリル基、5-イソオキサゾリル基、2-チアゾリル基、4-チアゾリル基、5-チアゾリル基、3-イソチアゾリル基、4-イソチアゾリル基、5-イソチアゾリル基、1-イミダゾリル基、2-イミダゾリル基、4-イミダゾリル基、5-イミダゾリル基、1-ピラゾリル基、3-ピラゾリル基、4-ピラゾリル基、5-ピラゾリル基、(1,2,3-オキサジアゾール)-4-イル基、(1,2,3-オキサジアゾール)-5-イル基、(1,2,4-オキサジアゾール)-3-イル基、(1,2,4-オキサジアゾール)-5-イル基、(1,2,5-オキサジアゾール)-3-イル基、(1,2,5-オキサジアゾール)-4-イル基、(1,3,4-オキサジアゾール)-2-イル基、(1,3,4-オキサジアゾール)-5-イル基、フラザニル基、(1,2,3-チアジアゾール)-4-イル基、(1,2,3-チアジアゾール)-5-イル基、(1,2,4-チアジアゾール)-3-イル基、(1,2,4-チアジアゾール)-5-イル基、(1,2,5-チアジアゾール)-3-イル基、(1,2,5-チアジアゾール)-4-イル基、(1,3,4-チアジアゾリル)-2-イル基、(1,3,4-チアジアゾリル)-5-イル基、(1H-1,2,3-トリアゾール)-1-イル基、(1H-1,2,3-トリアゾール)-4-イル基、(1H-1,2,3-トリアゾール)-5-イル基、(2H-1,2,3-トリアゾール)-2-イル基、(2H-1,2,3-トリアゾール)-4-イル基、(1H-1,2,4-トリアゾール)-1-イル基、(1H-1,2,4-トリアゾール)-3-イル基、(1H-1,2,4-トリアゾール)-5-イル基、(4H-1,2,4-トリアゾール)-3-イル基、(4H-1,2,4-トリアゾール)-4-イル基、(1H-テトラゾール)-1-イル基、(1H-テトラゾール)-5-イル基、(2H-テトラゾール)-2-イル基、(2H-テトラゾール)-5-イル基、2-ピリジル基、3-ピリジル基、4-ピリジル基、3-ピリダジニル基、4-ピリダジニル基、2-ピリミジニル基、4-ピリミジニル基、5-ピリミジニル基、2-ピラジニル基、(1,2,3-トリアジン)-4-イル基、(1,2,3-トリアジン)-5-イル基、(1,2,4-トリアジン)-3-イル基、(1,2,4-トリアジン)-5-イル基、(1,2,4-トリアジン)-6-イル基、(1,3,5-トリアジン)-2-イル基、1-アゼピニル基、1-アゼピニル基、2-アゼピニル基、3-アゼピニル基、4-アゼピニル基、(1,4-オキサゼピン)-2-イル基、(1,4-オキサゼピン)-3-イル基、(1,4-オキサゼピン)-5-イル基、(1,4-オキサゼピン)-6-イル基、(1,4-オキサゼピン)-7-イル基、(1,4-チアゼピン)-2-イル基、(1,4-チアゼピン)-3-イル基、(1,4-チアゼピン)-5-イル基、(1,4-チアゼピン)-6-イル基、(1,4-チアゼピン)-7-イル基等の5ないし7員の単環式ヘテロアリール基が挙げられるが、これらに限定されることはない。
R1が示すアラルキル基を構成する縮合多環式ヘテロアリール基としては、例えば、2-ベンゾフラニル基、3-ベンゾフラニル基、4-ベンゾフラニル基、5-ベンゾフラニル基、6-ベンゾフラニル基、7-ベンゾフラニル基、1-イソベンゾフラニル基、4-イソベンゾフラニル基、5-イソベンゾフラニル基、2-ベンゾ[b]チエニル基、3-ベンゾ[b]チエニル基、4-ベンゾ[b]チエニル基、5-ベンゾ[b]チエニル基、6-ベンゾ[b]チエニル基、7-ベンゾ[b]チエニル基、1-ベンゾ[c]チエニル基、4-ベンゾ[c]チエニル基、5-ベンゾ[c]チエニル基、1-インドリル基、1-インドリル基、2-インドリル基、3-インドリル基、4-インドリル基、5-インドリル基、6-インドリル基、7-インドリル基、(2H-イソインドール)-1-イル基、(2H-イソインドール)-2-イル基、(2H-イソインドール)-4-イル基、(2H-イソインドール)-5-イル基、(1H-インダゾール)-1-イル基、(1H-インダゾール)-3-イル基、(1H-インダゾール)-4-イル基、(1H-インダゾール)-5-イル基、(1H-インダゾール)-6-イル基、(1H-インダゾール)-7-イル基、(2H-インダゾール)-1-イル基、(2H-インダゾール)-2-イル基、(2H-インダゾール)-4-イル基、(2H-インダゾール)-5-イル基、2-ベンゾオキサゾリル基、2-ベンゾオキサゾリル基、4-ベンゾオキサゾリル基、5-ベンゾオキサゾリル基、6-ベンゾオキサゾリル基、7-ベンゾオキサゾリル基、(1,2-ベンゾイソオキサゾール)-3-イル基、(1,2-ベンゾイソオキサゾール)-4-イル基、(1,2-ベンゾイソオキサゾール)-5-イル基、(1,2-ベンゾイソオキサゾール)-6-イル基、(1,2-ベンゾイソオキサゾール)-7-イル基、(2,1-ベンゾイソオキサゾール)-3-イル基、(2,1-ベンゾイソオキサゾール)-4-イル基、(2,1-ベンゾイソオキサゾール)-5-イル基、(2,1-ベンゾイソオキサゾール)-6-イル基、(2,1-ベンゾイソオキサゾール)-7-イル基、2-ベンゾチアゾリル基、4-ベンゾチアゾリル基、5-ベンゾチアゾリル基、6-ベンゾチアゾリル基、7-ベンゾチアゾリル基、(1,2-ベンゾイソチアゾール)-3-イル基、(1,2-ベンゾイソチアゾール)-4-イル基、(1,2-ベンゾイソチアゾール)-5-イル基、(1,2-ベンゾイソチアゾール)-6-イル基、(1,2-ベンゾイソチアゾール)-7-イル基、(2,1-ベンゾイソチアゾール)-3-イル基、(2,1-ベンゾイソチアゾール)-4-イル基、(2,1-ベンゾイソチアゾール)-5-イル基、(2,1-ベンゾイソチアゾール)-6-イル基、(2,1-ベンゾイソチアゾール)-7-イル基、(1,2,3-ベンゾオキサジアゾール)-4-イル基、(1,2,3-ベンゾオキサジアゾール)-5-イル基、(1,2,3-ベンゾオキサジアゾール)-6-イル基、(1,2,3-ベンゾオキサジアゾール)-7-イル基、(2,1,3-ベンゾオキサジアゾール)-4-イル基、(2,1,3-ベンゾオキサジアゾール)-5-イル基、(1,2,3-ベンゾチアジアゾール)-4-イル基、(1,2,3-ベンゾチアジアゾール)-5-イル基、(1,2,3-ベンゾチアジアゾール)-6-イル基、(1,2,3-ベンゾチアジアゾール)-7-イル基、(2,1,3-ベンゾチアジアゾール)-4-イル基、(2,1,3-ベンゾチアジアゾール)-5-イル基、(1H-ベンゾトリアゾール)-1-イル基、(1H-ベンゾトリアゾール)-4-イル基、(1H-ベンゾトリアゾール)-5-イル基、(1H-ベンゾトリアゾール)-6-イル基、(1H-ベンゾトリアゾール)-7-イル基、(2H-ベンゾトリアゾール)-2-イル基、(2H-ベンゾトリアゾール)-4-イル基、(2H-ベンゾトリアゾール)-5-イル基、2-キノリル基、3-キノリル基、4-キノリル基、5-キノリル基、6-キノリル基、7-キノリル基、8-キノリル基、1-イソキノリル基、3-イソキノリル基、4-イソキノリル基、5-イソキノリル基、6-イソキノリル基、7-イソキノリル基、8-イソキノリル基、3-シンノリニル基、4-シンノリニル基、5-シンノリニル基、6-シンノリニル基、7-シンノリニル基、8-シンノリニル基、2-キナゾリニル基、4-キナゾリニル基、5-キナゾリニル基、6-キナゾリニル基、7-キナゾリニル基、8-キナゾリニル基、2-キノキサリニル基、5-キノキサリニル基、6-キノキサリニル基、1-フタラジニル基、5-フタラジニル基、6-フタラジニル基、2-ナフチリジニル基、3-ナフチリジニル基、4-ナフチリジニル基、2-プリニル基、6-プリニル基、7-プリニル基、8-プリニル基、2-プテリジニル基、4-プテリジニル基、6-プテリジニル基、7-プテリジニル基、1-カルバゾリル基、2-カルバゾリル基、3-カルバゾリル基、4-カルバゾリル基、9-カルバゾリル基、2-(α-カルボリニル)基、3-(α-カルボリニル)基、4-(α-カルボリニル)基、5-(α-カルボリニル)基、6-(α-カルボリニル)基、7-(α-カルボリニル)基、8-(α-カルボリニル)基、9-(α-カルボリニル)基、1-(β-カルボニリル)基、3-(β-カルボニリル)基、4-(β-カルボニリル)基、5-(β-カルボニリル)基、6-(β-カルボニリル)基、7-(β-カルボニリル)基、8-(β-カルボニリル)基、9-(β-カルボニリル)基、1-(γ-カルボリニル)基、2-(γ-カルボリニル)基、4-(γ-カルボリニル)基、5-(γ-カルボリニル)基、6-(γ-カルボリニル)基、7-(γ-カルボリニル)基、8-(γ-カルボリニル)基、9-(γ-カルボリニル)基、1-アクリジニル基、2-アクリジニル基、3-アクリジニル基、4-アクリジニル基、9-アクリジニル基、1-フェノキサジニル基、2-フェノキサジニル基、3-フェノキサジニル基、4-フェノキサジニル基、10-フェノキサジニル基、1-フェノチアジニル基、2-フェノチアジニル基、3-フェノチアジニル基、4-フェノチアジニル基、10-フェノチアジニル基、1-フェナジニル基、2-フェナジニル基、1-フェナントリジニル基、2-フェナントリジニル基、3-フェナントリジニル基、4-フェナントリジニル基、6-フェナントリジニル基、7-フェナントリジニル基、8-フェナントリジニル基、9-フェナントリジニル基、10-フェナントリジニル基、2-フェナントロリニル基、3-フェナントロリニル基、4-フェナントロリニル基、5-フェナントロリニル基、6-フェナントロリニル基、7-フェナントロリニル基、8-フェナントロリニル基、9-フェナントロリニル基、10-フェナントロリニル基、1-チアントレニル基、2-チアントレニル基、1-インドリジニル基、2-インドリジニル基、3-インドリジニル基、5-インドリジニル基、6-インドリジニル基、7-インドリジニル基、8-インドリジニル基、1-フェノキサチイニル基、2-フェノキサチイニル基、3-フェノキサチイニル基、4-フェノキサチイニル基、チエノ[2,3-b]フリル基、ピロロ[1,2-b]ピリダジニル基、ピラゾロ[1,5-a]ピリジル基、イミダゾ[11,2-a]ピリジル基、イミダゾ[1,5-a]ピリジル基、イミダゾ[1,2-b]ピリダジニル基、イミダゾ[1,2-a]ピリミジニル基、1,2,4-トリアゾロ[4,3-a]ピリジル基、1,2,4-トリアゾロ[4,3-a]ピリダジニル基等の8ないし14員の縮合多環式ヘテロアリール基が挙げられるが、これらに限定されることはない。
R1が示すアラルキル基としては、例えば、ベンジル基又は3-インドリルメチル基などを用いることができるが、これらに限定されることはない。
一般式(I)で表される化合物を配位子として含む異種金属複合型錯体において、金属の1種はランタノイドから選択することができる。ランタノイドはランタン系列とも呼ばれ、原子番号57〜71の15元素を含む。より具体的には、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、及びルテチウム(Lu)を含む。これらの金属のうち、ランタン、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、及びイッテルビウムからなる群から選ばれる金属が好ましく、特に好ましいのはネオジムである。異種金属複合型錯体において、もう1種の金属としてアルカリ金属、例えばナトリウム、カリウム、又はリチウムが用いられる。アルカリ金属としてはナトリウムが好ましい。ナトリウムとネオジムの組合せはジアステレオ選択性及びエナンチオ選択性の観点から最も好ましい。
上記一般式(I)で表される化合物は、側鎖としてR1を有する光学活性L又はR-アミノ酸を原料とし、該アミノ酸のカルボキシル基と2-アミノフェノールのアミノ基とを縮合して得られる化合物に対してサリチル酸を縮合させることにより製造することができる。必要に応じて該アミノ酸のアミノ基又は2-アミノフェノールの水酸基を適宜の保護基で保護しておくことができる。保護基については、Greenら、Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd Edition, 1999, John Wiley & Sons, Inc.などの成書を参照することができる。アミノ基の保護基としては、例えば、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルカノイル基、又はアリールカルボニル基などを挙げることができる(上記のアリールオキシカルボニル基又はアリールカルボニル基においてアリール環は置換又は無置換であってもよく、置換基を有する場合にはハロゲン原子やアルコキシ基などが挙げられる)。これらのうち、アルコキシカルボニル基が好ましい。アルコキシカルボニル基としては、直鎖又は分枝鎖状のC1-6アルコキシ基で構成されるアルコキシカルボニル基が好ましく、より好ましいのはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、又はtert-ブトキシカルボニル基であり、特に好ましいのはtert-ブトキシカルボニル基である。水酸基の保護基としては、ベンジル基などのアラルキル基、ベンゾイル基、トリアルキルシリル基などを用いることができるが、ベンジル基が好ましい。
この縮合反応はアミノ基とカルボキシル基とを反応させる通常のアミド形成反応により行うことができ、例えば、活性エステル化法、混合酸無水物法、又は縮合法など適宜の方法により行われる。活性エステル化法は、溶媒中、カルボン酸を活性エステル化剤と反応させ、活性エステルを製造した後、アミノ基と反応させることによって行われる。使用される溶媒としては、不活性であれば特に限定はないが、例えば、メチレンクロリド、クロロホルムのようなハロゲン化炭化水素類、エーテル、テトラヒドロフランのようなエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド類、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類、酢酸エチルのようなエステル類、又はこれらの混合溶媒が好適である。活性エステル化剤としては、例えば、N-ヒドロキシサクシイミド、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、N-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3- ジカルボキシイミドのようなN-ヒドロキシ化合物類;1,1'-オキザリルジイミダゾール、N,N'- カルボニルジイミダゾールのようなジイミダゾール化合物類;2,2'-ジピリジルジサルファイドのようなジサルファイド化合物類;N,N'-ジサクシンイミジルカーボネートのようなコハク酸化合物類;N,N'-ビス(2- オキソ-3- オキサゾリジニル)ホスフィニッククロライドのようなホスフィニッククロライド化合物類;N,N'-ジサクシンイミジルオキザレート(DSO)、N,N'-ジフタルイミドオキザレート(DPO)、N,N'-ビス(ノルボルネニルサクシンイミジル)オキザレート(BNO)、1,1'- ビス(ベンゾトリアゾリル)オキザレート(BBTO)、1,1'- ビス(6- クロロベンゾトリアゾリル)オキザレート(BCTO)、1,1'- ビス(6-トリフルオロメチルベンゾトリアゾリル)オキザレート(BTBO)のようなオキザレート化合物類を挙げることができ、好適には、N,N'-カルボニルジイミダゾールのようなジイミダゾール化合物類を挙げることができる。
活性エステルとアミノ基との反応は、例えば、アゾジカルボン酸ジエチル−トリフェニルホスフィンのようなアゾジカルボン酸ジ低級アルキル-トリフェニルホスフィン類、N-エチル-5-フェニルイソオキサゾリウム-3'-スルホナートのようなN-低級アルキル-5- アリールイソオキサゾリウム-3'-スルホナート類、ジエチルオキシジフォルメート(DEPC)のようなオキシジフォルメート類、N',N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC) のようなN',N'-ジシクロアルキルカルボジイミド類、ジ-2-ピリジルジセレニドのようなジヘテロアリールジセレニド類、トリフェニルホスフィンのようなトリアリールホスフィン類、p-ニトロベンゼンスルホニルトリアゾリドのようなアリールスルホニルトリアゾリド類、2-クロル-1- メチルピリジニウム ヨーダイドのような2-ハロ-1- 低級アルキルピリジニウムハライド及びジフェニルホスホリルアジド(DPPA)のようなジアリールホスホリルアジド類、N,N'-カルボジイミダゾール(CDI) のようなイミダゾール誘導体、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)のようなベンゾトリアゾール誘導体、N-ヒドロキシ-5- ノールボルネン-2,3- ジカルボキシイミド(HONB)のようなジカルボキシイミド誘導体、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(WSC) のようなカルボジイミド誘導体、1-プロパンホスホン酸環状無水物(T3P)のようなホスホン酸環状無水物のような縮合剤の存在下に好適に行われる。好適には1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(WSC) のようなカルボジイミド誘導体、又は1-プロパンホスホン酸環状無水物(T3P)のようなホスホン酸環状無水物を用いることができる。活性エステルの調製のための反応温度は-10℃ないし室温であり、活性エステル化合物とアミノ基との反応は室温付近であり、反応時間は30分ないし10時間程度である。
混合酸無水物法は、カルボン酸の混合酸無水物を製造した後、アミノ基を反応させることにより行われる。縮合法はカルボン酸とアミンとを前記の縮合剤の存在下で直接反応させることによって行なうことができ、上記の活性エステルを製造する反応と同様にして行われる。また、縮合は不活性溶媒中でカルボキシル基を酸ハライドに変換した後、得られた酸ハライドとアミンとを反応させることによって行うこともできる。
本発明の方法の一態様を具体的に反応式で示す。下記の反応において、一般式(I)で表される化合物を配位子として含む上記異種金属複合型錯体、好ましくは一般式(I)においてR1がイソプロピル基である化合物を配位として含むネオジム/ナトリウム錯体を反応触媒として用いることができる。本明細書において「アンチ」配置とは、一般式(II)で表される1,2-ニトロアルカノール化合物において、水酸基とニトロ基とがアンチ配置であることを意味している。本発明の方法においては上記の異種金属複合型錯体を反応触媒として用いることにより、目的物である1,2-ニトロアルカノール化合物が光学活性化合物として得られる。以下の化学式中に示される立体表記は相対配置を示しており、本明細書において示されるその他の化学式においても同様である。
Figure 2009114071
(上記スキーム中、R10は炭素数1以上の脂肪族炭化水素基又は炭素数5以上の芳香族炭化水素基、あるいはそれらの組合せからなる基を示し、上記の基を構成する任意の個数の炭素原子は窒素原子、酸素原子、又はイオウ原子などのヘテロ原子で置き換えられていてもよく、上記の基は任意の置換基(該置換基は保護基で保護されていてもよい)を1個又は2個以上有していてもよく;R11は水素原子又はC1-C20アルキル基を示し、該アルキル基は任意の置換基を1個又は2個以上有していてもよく、該アルキル基のアルキル鎖は1個又は2個以上の不飽和結合を含んでいてもよい)
本発明の方法は、一般的には-50℃〜-30℃程度の低温下、好ましくは-40℃程度の低温下において、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、又はそれらの混合溶媒などの不活性溶媒中で行なうことができる。一般的にはランタノイドアルコキシド又はランタノイドアラルキルオキシド/アルカリ金属/一般式(I)で表される化合物を1/1/2の混合比で調製した錯体を触媒として用い、反応系内における触媒の濃度を5〜20 mol%、好ましくは8〜10 mol%程度、特に好ましくは9 mol%程度として、ニトロアルカン化合物とアルデヒド化合物とを順次添加することにより反応を行なうことができるが、試薬の調製や反応原料の添加順序は適宜選択することが可能である。また、上記反応をランタノイドとほぼ等量、例えば、5〜20 mol%、好ましくは8〜10 mol%程度、特に好ましくは9 mol%程度の水の存在下で行なうことにより、効率的に反応を進行させることができ、単離収率、ジアステレオ選択性、及びエナンチオ選択性を改善できる場合がある。もっとも、原料化合物であるアルデヒド化合物及びニトロアルカン化合物の比率、及び反応触媒としての錯体の添加量は特に限定されることはなく、適宜選択可能である。また、上記に説明した反応条件が適宜変更可能であることは当業者に容易に理解されることであり、本明細書の実施例に具体的に示した典型的な方法を参照しつつ、反応条件を適宜選択ないし改変又は修飾することにより、本発明の方法を好ましく行なうことができる。
本発明の方法で得られた光学活性アンチ-1,2-ニトロアルカノール化合物を還元することにより医薬品や天然生理活性物質の製造に有用な光学活性アンチ-1,2-アミノアルコール化合物を得ることができる。還元反応の種類は特に限定されず、存在する官能基の種類などに応じて当業者が適宜選択できることは言うまでもない。例えば、パラジウム炭素触媒を用いた接触還元法などを例示することができるが、これに限定されることはない。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。実施例中、Phはフェニル基、iPrはイソプロピル基を示す。
例1:配位子の合成(R1がイソブチル基である一般式(I)の化合物1bの合成)
Figure 2009114071
100 mLのナス型フラスコにN-tert-ブチルオキシカルボニル-L-ロイシン(17.1 g, 69 mmol)、2-(O-ベンジルオキシ)アミノフェノール塩酸塩(8.1 g, 34 mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(5.30 g, 34 mmol)を加え、114 mLの塩化メチレンに溶解させた。0℃にてトリエチルアミン(10.4 mL, 75 mmol)、N-エチル-N'-(3-ジメチルアミノ)プロピルカルボジイミド塩酸塩(1.482 g, 7.73 mmol)を加え、室温にて48時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(100 mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過・濃縮後に得られる残渣を酢酸エチル/ヘキサンにて再結晶し、無色固体として(2S)-N-(2-ベンジルオキシ)フェニル-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-イソブチルアセトアミド(10.0g, 収率71%)を得た。
得られた生成物(8.0 g, 19.4 mmol)を塩化メチレン(5 mL)に溶解し、0℃に冷却した。この溶液に4規定塩化水素ジオキサン溶液を加え、0°Cで1時間撹拌し、さらに室温で1時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮し、得られた固形残渣をメタノールに溶解し、エーテルを加えて得られる不溶性成分を濾取してエーテルで十分に洗浄した。減圧乾燥後、(2S)-2-アミノ-N-(2-ベンジルオキシ)フェニル-2-イソブチルアセトアミド 塩酸塩(5.8g, 収率85%)を無色粉末として得た。
得られた塩酸塩(500 mg, 1.43 mmol)の塩化メチレン(14 mL)懸濁液を0℃に冷却し、3-アセトキシベンゾイルクロリド(1.5 mL, 1.5 mmol, 1.0 M塩化メチレン溶液)、トリエチルアミン(408 mL, 2.93 mmol)を順次加えた。0℃で1時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮し、得られた残渣メタノール(14 mL)に溶解した。得られた溶液に炭酸カリウム(414 mg)を室温で加え、室温で10分撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、メタノールを減圧留去し、水層を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過・濃縮後に得られる残渣をメタノール(14 mL)に溶解し、10%パラジウム-炭素(60 mg)を加え、水素雰囲気下にて室温で終夜撹拌した。パラジウム-炭素をセライト濾過し、濾液を減圧濃縮後、残渣をクロロホルム/ヘキサンにて再結晶し、目的配位子を(440 mg, 収率90%)を無色無定型晶質体として得た。
1H NMR (CD3OD): δ 0.99 (d, J = 5.8 Hz, 3H), 1.02 (d, J = 5.8 Hz, 3H), 1.75 -1.88 (m, 3H), 4.78 (dd, J = 5.1, 9.6 Hz, 1H), 6.78-6.83 (m, 2H), 6.94-6.97 (m, 2H), 7.25-7.29 (m, 2H), 7.33 (d, J = 7.6 Hz, 1H) 7.84 (dd, J = 1.5, 7.9 Hz, 1H)
例2
例1と同様にして、以下の化合物1a,1c〜1hを得た(iPrはイソプロピル基、Phはフェニル基を示す)。
Figure 2009114071
1H NMR (CDCl3): δ 1.08 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.09 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 2.25-2.33 (m, 1H), 4.69 (dd, 8.3, 8.3 Hz, 1H), 6.44 (brs, 1H), 6.77-6.84 (m, 1H), 6.94-7.00 (m, 3H), 7.06-7.16 (m, 2H), 7.24-7.26 (m, 2H), 7.31 (brs, 1H), 8.43 (s, 1H), 8.90 (s, 1H)
Figure 2009114071
1H NMR (CDCl3): δ 1.08-1.19 (m, 3H), 1.20-1.31 (m, 2H), 1.60-1.70 (m, 1H), 1.72-1.80 (m, 2H), 1.81-1.92 (m, 2H), 1.93-2.00 (m, 1H), 4.67 (dd, J = 7.9 Hz, 1H), 5.83 (brs, 1H), 6.81-6.85 (m, 2H), 6.98-7.01 (m, 2H), 7.08-7.14 (m, 2H), 7.22-7.30 (m, 3H), 8.41 (brs, 1H), 8.71 (brs, 1H).
Figure 2009114071
1H NMR (CDCl3): δ 0.92 (dd, J = 7.6, 7.6 Hz, 3H), 1.05 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 1.22-1.29 (m, 1H), 1.62-1.69 (m, 1H), 2.01-2.09 (m, 1H), 4.71 (dd, J = 8.3 Hz, 1H), 6.81 (dd, J = 7.4, 7.4 Hz, 1H), 6.96-7.01 (m, 3H), 7.07-7.10 (m, 1H), 7.15 (brd, J = 7.6 Hz, 1H), 7.24-7.26 (m, 1H), 7.31 (brs, 1H), 8.46 (brs, 1H), 8.87 (brs, 1H).
Figure 2009114071
1H NMR (CDCl3): δ 3.23 (dd, J = 8.0, 13.8 Hz, 1H), 3.28 (dd, J = 6.7, 13.8 Hz, 1H), 5.03-5.07 (m, 1H), 6.78 (dd, J = 7.6, 7.6 Hz, 1H), 6.87 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.93-6.98 (m, 3H), 7.06 (dd, J = 7.6, 7.6 Hz, 1H), 7.15 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.22-7.40 (m, 6H), 8.46 (brs, 1H)
Figure 2009114071
1H NMR (CDCl3): δ 1.04 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.05 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 2.20-2.30 (m, 1H), 4.54 (dd, J = 8.6, 8.6 Hz, 1H), 6.60 (dd, J = 1.7, 8.0 Hz, 1H), 6.71-6.79 (m, 2H), 6.88 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.05 (dd, 8.0, 8.0 Hz, 1H), 7.26-7.36 (m, 2H), 7.75 (brs, 1H), 9.60 (brs, 1H), 9.92 (brd, 4.6 Hz, 1H), 11.7 (brs, 1H).
Figure 2009114071
1H NMR (CDCl3): δ 1.00 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 1.02 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 1.68-1.85 (m, 3H), 4.75-4.85 (m, 1H), 6.52-6.55 (m, 1H), 6.86-6.92 (m, 2H), 6.95-6.98 (m, 1H), 7.09 (dd, J = 7.9, 8.3 Hz, 1H), 7.17 (dd, J = 2.1, 2.2 Hz, 1H), 7.32-7.38 (m, 1H), 7.87 (dd, J = 1.8, 8.3 Hz, 1H).
Figure 2009114071
1H NMR (CDCl3): δ 3.16 (dd, J = 8.6, 13.8 Hz, 1H), 3.32 (dd, J = 5.7, 13.8 Hz, 1H), 4.9-4.95 (m, 1H), 6.51 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.61 (brd, J = 8.1 Hz, 1H), 6.80 (dd, J = 7.5, 7.5 Hz, 1H), 6.94 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.10 (dd, J = 8.1, 8.1 Hz, 1H), 7.25-7.32 (m, 6H), 7.35-7.44 (m, 3H), 7.56 (brs, 1H), 11.9 (brs, 1H).
例3
ランタノイドイソプロポキシド/アルカリ金属/例1で得た配位子化合物1aを1/1/2の混合比で調製した錯体を触媒として9 mol %用い、ベンズアルデヒドとニトロエタンのニトロアルドール反応を行った結果を表1に示す。表中の反応例1〜7の結果からネオジム(Nd) がジアステレオ選択性及びエナンチオ選択性において最適と判断された。反応例8においてネオジムのみの金属錯体とした場合には反応はほとんど進行せず、かつエナンチオ選択性も認められなかった。一方、反応例9において、触媒としてネオジムイソプロポキシド/ナトリウム/配位子化合物1aを1/2/2の混合比で調製した錯体を用い、さらに9 mol %の水を添加すると収率、ジアステレオ選択性、及びエナンチオ選択性の向上が認められた。
Figure 2009114071
例4
リガンド構造と反応収率、及び立体選択性との関係を調べた結果を表2に示す。異種金属複合型錯体としてネオジム/ナトリウム錯体を用い、混合比をNd/Na/配位子化合物= 1/2/2とし、ネオジムと同量の水を添加して反応を行った。9 mol %の触媒量で反応はおおむね良好に進み、ロイシンから合成したリガンド1bが最も高い立体選択性を示した。
Figure 2009114071
例5
配位子化合物1bを最適リガンドとし、触媒量を3 mol %として種々のアルデヒドを原料化合物として用いて反応を行なった結果を表3に示す。この反応は特にオルト位に置換基を持つアルデヒドに対して選択性の向上が認められ、ほぼ完全なアンチ選択性、80%を超えるエナンチオ選択性を発現した。
Figure 2009114071
例6:ニトロアルドール反応
Figure 2009114071
乾燥したスリ付き試験管に、配位子化合物1b(6.16 mg, 18 μmol)を加え30分間真空乾燥した。試験管内をアルゴン雰囲気下に置換し、テトラヒドロフラン(THF, 200μL)と0.2 Mネオジムイソプロポキシド/THF溶液(45μL, 9μmol)を室温で加え、1時間撹拌した。続いて、1.0 M NaHMDS/THF溶液(18μL, 18μmol)を氷冷下で滴下した。室温にて30分間撹拌した後、THF (940μL)とニトロエタン(21.5 μL , 3.0 mmol)、0.18 M水/THF溶液(50μL, 9.0 mmol)を順に加えて撹拌し、-40℃にてベンズアルデヒド(30.5μL, 0.3 mmol)を滴下した。-40℃にて48時間撹拌後、1N塩酸で反応を停止し、酢酸エチルで2度抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて洗い、硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮後、1H NMR測定による積分値比よりジアステレオマー比を決定した(PhCH(OH)-: anti体 = 5.39 ppm、syn体 = 5.01 ppm)。フラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製して目的のニトロアルドール体をジアステレオマー混合物(anti/syn = 90/10)として得た。収量51 mg(収率93%)。HPLC (AD-H, hexane/2-propanol = 15/1, flow 0.5 mL/min, detection 210 nm)にて光学純度を決定した(anti: tR = 22.7 min ((S,R) minor, ), 25.2 min ((R,S) major), syn: tR = 30.3 min ((S,S) minor), 33.7 min ((R,R) major))。anti体58% ee。

Claims (4)

  1. 光学活性アンチ-1,2-ニトロアルカノール化合物の製造方法であって、アルデヒド化合物と炭素数2以上のニトロアルカン化合物とを下記の一般式(I):
    Figure 2009114071
    (式中、R1はC3-8アルキル基又はアラルキル基を示す)
    で表される化合物を配位子として含む異種金属複合型の錯体(ただし2種の金属の1種はランタノイドから選択され、もう1種の金属はアルカリ金属である)の存在下で反応させる工程を含む方法。
  2. 上記錯体が上記一般式(I)で表される化合物においてR1がイソブチル基である化合物、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、ジスプロシウム(Dy)、及びイッテルビウム(Yb)からなる群から選ばれる金属、及びナトリウムを含む異種金属複合型錯体である請求項1に記載の方法。
  3. 請求項1に記載の一般式(I)で表される化合物を配位子として含む異種金属複合型錯体(ただし2種の金属の1種はランタノイドから選択され、もう1種の金属はアルカリ金属である)。
  4. アルデヒド化合物と炭素数2以上のニトロアルカン化合物とを反応させて光学活性アンチ-1,2-ニトロアルカノール化合物を製造するための反応触媒であって、請求項3に記載の錯体を含む反応触媒。
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