JP2009113072A - 動力伝達チェーンの製造方法および動力伝達チェーン - Google Patents

動力伝達チェーンの製造方法および動力伝達チェーン Download PDF

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Abstract

【課題】ピンを挿入する容易さを保持しつつ、間違ったピンの挿入を防止することができ、これによりチェーンの品質が向上する動力伝達チェーンの製造方法および動力伝達チェーンを提供する。
【解決手段】動力伝達チェーン1は、複数のピン14を備えており、治具20は、ピン挿入孔21,22を有している。複数のピン14の転がり接触面14a,14bが異なるものの縁部に、相互に異なる凹部14c,14dを形成するとともに、複数のピン挿入孔21,22の内周面にピン14の凹部14c,14dに対応する凸部21a,22aをそれぞれ形成し、ピン14の治具20への配置工程において、ピン14の凹部14c,14dと治具20の凸部21a,22aとを嵌め合わせながらピン14をピン挿入孔21,22に挿入する。
【選択図】図4

Description

この発明は、動力伝達チェーン、さらに詳しくは、自動車等の車両の無段変速機(CVT)に好適な動力伝達チェーンの製造方法および動力伝達チェーンに関する。
自動車用無断変速機として、図7に示すように、円錐面状のシーブ面を有する固定シーブ(2a)および円錐面状のシーブ面を有する可動シーブ(2b)を有しエンジン側に設けられたドライブプーリ(2)と、固定シーブ (3b) および可動シーブ(3a)を有し駆動輪側に設けられたドリブンプーリ(3)と、両者間に架け渡された無端状動力伝達チェーン(1)とからなり、油圧アクチュエータによって可動シーブ(2b)(3a)を固定シーブ(2a)(3b)に対して接近・離隔させることにより、油圧でチェーン(1)をクランプして接触させ、この接触部の摩擦力によりトルクを伝達するものが知られている。
動力伝達チェーンとしては、特許文献1に、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされているものが提案されている。
従来、動力伝達チェーンは、図6に示すように、所要の間隔で形成された複数のピン挿入孔(42)を有する円形の治具(41)を使用し、ピン(14)およびインターピース(15)を一組として、これをチェーンとして組み立てられたときの配列状態で保持した後、リンク(11)を順次圧入していくことで製造される。
特開2006−95583号公報
上記特許文献1の動力伝達チェーンの製造方法では、異なる転がり接触面を有する複数の第1ピンを決められたピン挿入孔へそれぞれ挿入する必要があるが、ピン挿入孔は、数十μm程度の遊びが設けられていることからいずれの第1ピンも挿入することができ、間違ったピンを挿入するおそれがある。
この発明は、ピンを挿入する容易さを保持しつつ、間違ったピンの挿入を防止することができ、これによりチェーンの品質が向上する動力伝達チェーンの製造方法および動力伝達チェーンを提供することにある。
この発明による動力伝達チェーンの製造方法は、異なる転がり接触面を有する複数の第1ピンおよび平坦な転がり接触面を有する複数の第2ピンのうち、第1ピンと第2ピンとを一組として、複数のピン挿入孔を有する治具に配置する工程を備えている動力伝達チェーンの製造方法において、複数の第1ピンの転がり接触面が異なるものの縁部に、相互に異なる凹部を形成するとともに、複数のピン挿入孔の内周面に第1ピンの凹部に対応する凸部をそれぞれ形成し、第1ピンの治具への配置工程において、第1ピンの凹部と治具の凸部とを嵌め合わせながら第1ピンをピン挿入孔に挿入することを特徴とするものである。
第1ピンは、横断面が略小判形状とされ、その軸方向がチェーンの進行方向に対し、ほぼ直交するように配置される。この明細書においては、第1ピンの横断面形状の長手方向を上下方向といい、これに直交する方向を前後方向というものとする。
ピン挿入孔は、従来と同様に、ピンを挿入しやすいようにピンの断面形状よりも数十μm大きな形状とされる。
凹部は、例えば略三角形状や略円弧状に形成され、第1ピンの転がり接触面が、例えば、2種類の場合、一方の第1ピンの凹部は転がり接触面の上方に設けられ、他方の第1ピンの凹部は、転がり接触面の上方であって前記一方のピンの凹部と異なる位置に設けられる。
これに対応する凸部は、ピン挿入孔の内周面であって、第1ピンと第2ピンとの境界部分の上側に設けられる。
凸部は、例えば略方形状に形成され、その一角と略三角形状あるいは略円弧状の凹部とが嵌め合わせられる。
動力伝達チェーンは、騒音低減のために数種類のピンを使用しており、このような動力伝達チェーンの製造方法として、リンクをピンに積層する前に、複数の第1ピンを定められたピン挿入孔にそれぞれ挿入する工程が必要であり、従来の製造方法では、ピン挿入孔に数十μm程度の遊びが設けてあるので、間違ったピンがピン挿入孔に挿入されるおそれがある。そこで、本発明のように、ピンの所定の位置に設けられた凹部を、これに対応するピン挿入孔の凸部に嵌め合わせながらピンを挿入する工程にすると、凹部が異なる形状とされていて、対応する凸部にしか嵌め合わせられないので、仮に、間違ったピンを挿入しようとしても、ピンの凹部に非対応の凸部が妨げとなり、間違ったピンがピン挿入孔に挿入されることを防止することができる。
この発明の動力伝達チェーンは、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、異なる転がり接触面を有する複数の第1ピンがランダムに配列されており、複数の第1ピンの転がり接触面が異なるものの縁部に、製造時の誤挿入防止のための相互に異なる凹部が形成されていることを特徴とするものである。
この発明による動力伝達チェーンでは、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方がプーリと接触して摩擦力により動力伝達する。いずれか一方のピンがプーリと接触するチェーンにおいては、第1ピンおよび第2ピンのうちのいずれか一方は、このチェーンが無断変速機で使用される際にプーリに接触する方のピン(以下では、「第1ピン」または「ピン」と称す)とされ、他方は、プーリに接触しない方のピン(インターピースまたはストリップと称されており、以下では、「第2ピン」または「インターピース」と称す)とされる。この場合、通常、プーリに接触する第1ピンは、第2ピンより前後方向の幅が大きくされ、その転がり接触面がインボリュート曲面とされ、第2ピンの転がり接触面が平坦面とされる。
第1ピンおよび第2ピンのうちの一方は、一のリンクの前挿通部に固定されかつ他のリンクの後挿通部に移動可能に嵌め入れられ、同他方は、一のリンクの前挿通部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部に固定される。ピンが前後挿通部に固定される場合の前後挿通部へのピンの固定は、例えば、機械的圧入による挿通部内縁とピン外周面との嵌合固定とされ、この嵌合固定は、ピンの上下縁部とこれに対応するリンクの前後挿通部の上下縁部とで行われる。
リンクは、例えば、ばね鋼や炭素工具鋼製とされる。リンクの材質は、ばね鋼や炭素工具鋼に限られるものではなく、軸受鋼などの他の鋼でももちろんよい。リンクは、前後挿通部がそれぞれ独立の貫通孔(柱有りのリンク)とされていてもよく、前後挿通部が1つの貫通孔(柱無しリンク)とされていてもよい。ピンの材質としては、軸受鋼などの適宜な鋼が使用される。
なお、この明細書において、リンクの長さ方向の一端側を前、同他端側を後としているが、この前後は便宜的なものであり、リンクの長さ方向が前後方向と常に一致することを意味するものではない。
複数のピンが使用されるチェーンの品質を向上させるには、確実にピンを定められたピン挿入孔へ挿入して組み立てることが重要である。上記の製造方法の発明で使用する治具とピンとを組み合わせて使用することにより、間違ったピンが挿入されることが無く確実にピンを定められたピン挿入孔に配置させることができるので、チェーンの品質を向上させることができる。
上記の動力伝達チェーンは、いずれか一方のピン(インターピース)が他方のピン(ピン)よりも短くされ、長い方のピンの端面が無段変速機のプーリの円錐状シーブ面に接触し、この接触による摩擦力により動力を伝達するものであることが好ましい。各プーリは、円錐状のシーブ面を有する固定シーブと、固定シーブのシーブ面に対向する円錐状のシーブ面を有する可動シーブとからなり、両シーブのシーブ面間にチェーンを挟持し、可動シーブを油圧アクチュエータによって移動させることにより、無断変速機のシーブ面間距離にしたがってチェーンの巻き掛け半径が変化し、スムーズな動きで無段の変速を行うことができる。
この発明の動力伝達チェーンの製造方法によると、複数の第1ピンの転がり接触面が異なるものの縁部に、相互に異なる凹部を形成するとともに、複数のピン挿入孔の内周面に第1ピンの凹部に対応する凸部をそれぞれ形成し、第1ピンの治具への配置工程において、第1ピンの凹部と治具の凸部とを嵌め合わせながら第1ピンをピン挿入孔に挿入するので、間違ったピンを挿入することを防止することができ、チェーンの組立品質を向上させることができる。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。以下の説明において、上下は、図2の上下をいい、前後については、同図の右を前、左を後というものとする。
図1は、この発明による製造方法で製造される動力伝達チェーンの一部を示しており、動力伝達チェーン(1)は、チェーン長さ方向に所定間隔をおいて設けられた前後挿通部(12)(13)を有する複数のリンク(11)と、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数のピン(第1ピン)(14)およびインターピース(第2ピン)(15)とを備えている。インターピース(15)は、ピン(14)よりも短くなされ、両者(14)(15)は、ピン(14)が後側に、インターピース(15)が前側に配置された状態で対向させられている。
チェーン(1)は、幅方向同位相の複数のリンク(11)で構成されるリンク列を進行方向(前後方向)に3つ並べて1つのリンクユニットとし、この3列のリンク列からなるリンクユニットを進行方向に複数連結して形成されている。この実施形態では、リンク枚数が9枚のリンク列とリンク枚数が8枚のリンク列2つとが1つのリンクユニットとされている。
図2に示すように、リンク(11)の前挿通部(12)は、ピン(14)が移動可能に嵌め合わせられるピン可動部(16)およびインターピース(15)が固定されるインターピース固定部(17)からなり、後挿通部(13)は、ピン(14)が固定されるピン固定部(18)およびインターピース(15)が移動可能に嵌め合わせられるインターピース可動部(19)からなる。リンク(11)のピン固定部(18)とインターピース可動部(19)との境界部分には、インターピース可動部(19)の上下の凹円弧状案内部(19a)(19b)にそれぞれ連なりピン固定部(18)に固定されているピン(14)を保持する上下の凸円弧状保持部(18a)(18b)が設けられている。同様に、インターピース固定部(17)とピン可動部(16)との境界部分には、ピン可動部(16)の上下の凹円弧状案内部(16a)(16b)にそれぞれ連なりインターピース固定部(17)に固定されているインターピース(15)を保持する上下の凸円弧状保持部(17a)(17b)が設けられている。そして、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)を連結するに際しては、一のリンク(11)の前挿通部(12)と他のリンク(11)の後挿通部(13)とが対応するようにリンク(11)同士が重ねられ、ピン(14)が一のリンク(11)の前挿通部(12)に固定されかつ他のリンク(11)の後挿通部(13)に移動可能に嵌め合わせられ、インターピース(15)が一のリンク(11)の前挿通部(12)に移動可能に嵌め合わせられかつ他のリンク(11)の後挿通部(13)に固定される。そして、このピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動することにより、リンク(11)同士の長さ方向(前後方向)の屈曲が可能とされる。
ピン(14)は、インターピース(15)に比べて前後方向の幅が広くなされており、インターピース(15)の上下縁部には、ピン側 (14)に延びる上下突出縁部(15a)(15b)が設けられている。
ピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡は、円のインボリュートとされており、この実施形態では、ピン(14)の接触面(転がり接触面)(14a)(14b)が、断面において半径Rb、中心Mの基礎円を持つインボリュート形状を有し、インターピース(15)の接触面(15c)が平坦面(断面形状が直線)とされている。これにより、各リンク(11)がチェーン(1)の直線部分から円弧部分へまたは円弧部分から直線部分へと移行する際、前挿通部(12)においては、ピン(14)がピン可動部(16)内を固定状態のインターピース(15)に対してその接触面(14a)(14b)がインターピース(15)の接触面(15c)に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながら移動し、後挿通部(13)においては、インターピース(15)が固定状態のピン(14)に対してその接触面(15c)がピン(14)の接触面(14a)(14b)に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながらインターピース可動部(19)内を移動する。なお、図2において、符号AおよびBで示す箇所は、チェーン(1)の直線部分においてピン(14)とインターピース(15)とが接触している線(断面では点)であり、AB間の距離がピッチである。
上記動力伝達チェーン(1)では、ピン(14)の転がり接触面(14a)(14b)について、図3(a)(b)に示すように、インボリュートの基礎円半径が異なるものを2種類(またはそれ以上)作成し、大きい基礎円半径Rb1の転がり接触面(14a)を有するピン(14)と小さい基礎円半径Rb2の転がり接触面(14b)を有するピン(14)とがランダムに配列されるようになされている。
この動力伝達チェーン(1)は、図6に示したのと同様にして製造されるが、基礎円半径が異なるピン(14)同士を識別することが難しい上に、従来の治具(41)のピン挿入孔(42)は、ピン(14)の基礎円半径が異なっていても同じ形状であり、しかも、ピン(14)およびインターピース(15)の挿入を容易とするために、ピン挿入孔(42)には数十μm程度の遊びが設けられているので、従来の製造方法では、インボリュートの基礎円半径が異なるピン(14)を誤って挿入することを防止することが非常に困難であった。
この発明による動力伝達チェーン(1)の製造方法は、基礎円半径が異なるピン(14)を誤って挿入することを確実に防止するためのもので、転がり接触面(14a)(14b)が異なる2種類のピン(14)については、図3(a)(b)に示すように、相互に異なる凹部(14c)(14d)を形成し、治具(20)については、図4に示すように、各ピン挿入孔(21)(22)に、ピン(14)のいずれか一方の凹部(14c)(14d)に対応する凸部(21a)(22a)を形成し、各ピン(14)の凹部(14c)(14d)とこれに対応する各ピン挿入孔(21)(22)の凸部(21a)(22a)とを嵌め合わせながらピン(14)を治具(20)に配置することを特徴としている。
図3(a)において、凹部(14c)は、転がり接触面(14a)の上方に略三角形状で形成されており、図3(b)において、凹部(14d)は、同図(a)の凹部(14c)より若干下方の位置に略三角形状で形成されている。
図4は、一組のピン(ピン(14)およびインターピース(15))を予め円形状(無端ループ状)となるように配列して保持するための複数のピン挿入孔(21)(22)を有する治具(20)の一部を示している。この治具(20)は円盤形状をなしており、ピン挿入孔(21)(22)は、治具(20)の周縁部に設けられている。このピン挿入孔(21)(22)は、周方向に沿って所定のピッチで形成されており、リンク(11)の前後挿通部(12)(13)とほぼ同形状で、かつピン(14)を保持できる寸法となっている。
図3(a)に示す大きい基礎円半径Rb1のピン(14)に対応するピン挿入孔(21)の内周面には、方形状の凸部(21a)が設けられており、この凸部(21a)の一角とピン(14)の凹部(14c)とが嵌め合わされている。
同様に、図3(b)に示す小さい基礎円半径Rb2のピン(14)に対応するピン挿入孔(22)の内周面には、方形状の凸部(22a)が設けられており、この凸部(22a)の一角とピン(14)の凹部(14d)とが嵌め合わされている。
大きい基礎円半径Rb1のピン(14)の凹部(14c)は、小さい基礎円半径Rb2のピン(14)の凹部(14d)よりも上方にかつ後方に寄った位置に設けられている。これに対応して、大きい基礎円半径Rb1のピン(14)に対応するピン挿入孔(21)の内周面に設けられている凸部(21a)は、相対的に上下方向に短い方形状とされており、小さい基礎円半径Rb2のピン(14)に対応するピン挿入孔(22)の内周面に設けられている凸部(22a)は、相対的に上下方向に長い方形状とされている。各ピン挿入孔(21)(22)の凸部(21a)(22a)は、インターピース(15)の位置決めも行うように形成されており、このために、大きい基礎円半径Rb1のピン(14)に対応するピン挿入孔(21)の内周面に設けられている凸部(21a)は、小さい基礎円半径Rb2のピン(14)に対応するピン挿入孔(22)の内周面に設けられている凸部(22a)に比べて前後方向に幅が広い方形状とされている。
この発明による動力伝達チェーン(1)の製造方法は、従来と同様にピン(14)の挿入しやすさを維持しつつ、ピン(14)の所定の位置に凹部(14c)(14d)を設けるとともに、この凹部(14c)(14d)に対応する凸部(21a)(22a)をピン挿入孔(21)(22)に設けて、凹部(14c)(14d)と凸部(21a)(22a)とを嵌め合わせながらピン(14)を治具(20)に配置することで、間違ったピン(14)の挿入が防止される。
この後、治具(20)に保持された一組のピンに、1つずつあるいは数枚ずつリンク(11)の前後挿通部(12)(13)を順次圧入していき、リンク(11)を治具(20)に積み重ねていく。ここで、圧入は、ピン(14)およびインターピース(15)の上下縁部とピン固定部(12a)およびインターピース固定部(17)の上下縁部との間において行われており、その圧入代は0.005mm〜0.1mmとされている。そして、20〜40枚のリンク(11)が1層として治具(20)に積み重ねられる。同様にして、1層から順次に治具(20)に積層され、これらのリンク(11)を連結して円形状(無端ループ)が構成される。その後、治具(20)から全てのピン(14)およびインターピース(15)の保持を解除すると、動力伝達チェーン(1)が完成する。
上記の動力伝達チェーン(1)では、ピン(14)の上下移動の繰り返しにより、多角形振動が生じ、これが騒音の要因となるが、ピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動しかつピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡が円のインボリュートとされていることにより、ピン(14)およびインターピース(15)の接触面がともに円弧面である場合などと比べて、振動を小さくすることができ、騒音を低減することができる。さらに、大きい基礎円半径Rb1の転がり接触面(14a)を有するピン(14)と小さい基礎円半径Rb2の転がり接触面(14b)を有するピン(14)とがランダムに配列されることで、より一層の騒音低減が図られる。
基礎円半径が異なる2種類のピン(14)を使用した場合には、製造時にピン(14)を識別して誤り無く配置することが必要となるが、上記の製造方法によって、ピン(14)が誤って配置されることが防止され、しかも、ピン(14)を識別する手間が低減することで、製造時間も短縮することができる。
この動力伝達チェーン(1)は、図7に示したV型プーリ式CVTで使用されるが、この際、図5に示すように、インターピース(第2ピン)(15)がピン(第1ピン)(14)よりも短くされ、インターピース(15)の端面がプーリ(2)の固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)の各円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触しない状態で、ピン(14)の端面がプーリ(2)の円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触し、この接触による摩擦力により動力が伝達される。ピン(14)とインターピース(15)とは、上述のように、転がり接触移動するので、プーリ(2)のシーブ面(2c)(2d)に対してピン(14)はほとんど回転しないことになり、摩擦損失が低減し、高い動力伝達率が確保される。
図1は、この発明による製造方法で製造される動力伝達チェーンの1実施形態の一部を示す平面図である。 図2は、チェーンの直線部分にあるリンクの拡大側面図である。 図3は、この発明で使用されるピンの特徴部分を示す横断面図である。 図4は、この発明による動力伝達チェーンの製造方法で使用される治具の一部を示す図である。 図5は、動力伝達チェーンがプーリに取り付けられた状態を示す正面図である。 図6は、従来の動力伝達チェーンの製造方法で使用される治具の斜視図である。 図7は、無段変速機を示す斜視図である。
符号の説明
(1) 動力伝達チェーン
(2)(3) プーリ
(2a)(3b) 固定シーブ
(2b)(3a) 可動シーブ
(2c)(2d) 円錐状シーブ面
(11) リンク
(12) 前挿通部
(13) 後挿通部
(14) ピン(第1ピン)
(14c)(14d) 凹部
(15) インターピース(第2ピン)
(20) 治具
(21)(22) ピン挿入孔
(21a)(22a) 凸部

Claims (2)

  1. 異なる転がり接触面を有する複数の第1ピンおよび平坦な転がり接触面を有する複数の第2ピンのうち、第1ピンと第2ピンとを一組として、複数のピン挿入孔を有する治具に配置する工程を備えている動力伝達チェーンの製造方法において、
    複数の第1ピンの転がり接触面が異なるものの縁部に、相互に異なる凹部を形成するとともに、複数のピン挿入孔の内周面に第1ピンの凹部に対応する凸部をそれぞれ形成し、第1ピンの治具への配置工程において、第1ピンの凹部と治具の凸部とを嵌め合わせながら第1ピンをピン挿入孔に挿入することを特徴とする動力伝達チェーンの製造方法。
  2. ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、異なる転がり接触面を有する複数の第1ピンがランダムに配列されており、複数の第1ピンの転がり接触面が異なるものの縁部に、製造時の誤挿入防止のための相互に異なる凹部が形成されていることを特徴とする動力伝達チェーン。
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