JP2009112511A - 防護ネット - Google Patents
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Abstract
【課題】高所作業時において、墜落した作業員等をより確実に保護することのできる防護ネットの提供を目的とする。
【解決手段】網目の形状が角目であるとともに、複数の網糸がそれぞれ直線的に延びる無結節網からなるネット部と、前記ネット部の網糸よりも強度の高い素材からなる複数の補強ロープとを設け、前記補強ロープを、前記ネット部の外周部に沿って配索される縁ロープと、当該ネット部の外周部の内側に前記ネット部の網糸に沿って配索される縦補強ロープと、前記ネット部の外周部の内側に前記縦補強ロープに略直交する方向に前記ネット部の網糸に沿って配索される横補強ロープとで構成するとともに、前記縦補強ロープと前記横補強ロープとを、前記ネット部の網糸の上方と下方とを交互に通り上下方向に蛇行した状態で当該ネット部に編みこむ。
【選択図】図1
【解決手段】網目の形状が角目であるとともに、複数の網糸がそれぞれ直線的に延びる無結節網からなるネット部と、前記ネット部の網糸よりも強度の高い素材からなる複数の補強ロープとを設け、前記補強ロープを、前記ネット部の外周部に沿って配索される縁ロープと、当該ネット部の外周部の内側に前記ネット部の網糸に沿って配索される縦補強ロープと、前記ネット部の外周部の内側に前記縦補強ロープに略直交する方向に前記ネット部の網糸に沿って配索される横補強ロープとで構成するとともに、前記縦補強ロープと前記横補強ロープとを、前記ネット部の網糸の上方と下方とを交互に通り上下方向に蛇行した状態で当該ネット部に編みこむ。
【選択図】図1
Description
本発明は、高所の作業場所から墜落した作業者等を保護するための防護ネットに関する。
前記のような防護ネットとしては、墜落した作業者等を受け止めるための所定の強度と墜落時の衝撃を緩和するための所定の衝撃吸収性とを有するものが用いられる。ここで、従来の防護ネットは、地面等との距離が十分に離間した作業場所に設置されることを前提として開発されており、高い伸び特性を有している。例えば、特許文献1には、鉄塔への無線系電気通信設備等の設置作業時にこの鉄塔に取り付けられる防護ネットとして、ポリエステル製のラッセルネットが開示されている。
特開2006−230443号公報
地面等との距離が近接している作業場所であっても、墜落により作業者等が損傷するおそれのある場合は作業場所の下方部に防護ネットを取り付けることが望ましい。これに対して、前記従来の防護ネットは前述のようにその伸び特性が高く設定されている。そのため、この従来の防護ネットを前記のような地面等との距離が近接する作業場所に用いた場合には、墜落の衝撃により防護ネットが地面等まで伸びて作業員等と地面等とが衝突するおそれがある。
本発明は、かかる事情に鑑み、より確実に作業員を保護することのできる防護ネットの提供を目的とする。
前記課題を解決するための請求項1に係る発明は、高所にある作業場所から墜落した作業者等を保護するための防護ネットであって、網目の形状が角目であるとともに、複数の網糸がそれぞれ直線的に延びる無結節網からなるネット部と、前記ネット部の網糸よりも引張強さが強い複数の補強ロープとを備え、前記補強ロープは、前記ネット部の外周部に沿って配索される縁ロープと、当該ネット部の外周部の内側に前記ネット部の網糸に沿って配索される縦補強ロープと、前記ネット部の外周部の内側に前記縦補強ロープに略直交する方向に前記ネット部の網糸に沿って配索される横補強ロープとからなり、前記縦補強ロープと前記横補強ロープとは、前記ネット部の網糸の上方と下方とを交互に通り上下方向に蛇行した状態で当該ネット部に編みこまれていることを特徴とするものである(請求項1)。
本発明によれば、前記ネット部の伸びがある程度許容されつつこのネット部の過剰な伸びが抑制されるので、作業員等への衝撃を抑制した状態で作業員等と地面等との衝突をより確実に回避することができる。
すなわち、本発明では、前記ネット部にこのネット部の網糸よりも引張強さの強い補強ロープが蛇行した状態で編みこまれており、これら補強ロープに所定の張力が付与されるまでは前記ネット部の伸びが許容される一方、これら補強ロープに所定の張力が付与されてこれら補強ロープが直線状に張設されると、これら補強ロープによってネット部の伸びが規制されるので、ネット部の伸びを適度な範囲に保つことが可能となる。また、本発明では、前記ネット部の網目が菱目等に比べて変形しにくい角目で構成されるとともに、前記ネット部の編網方法がラッセル網等に比べて伸びにくい無結節網で構成されており、ネット部自身の伸び特性が低く設定されており、これによってもネット部の過剰な伸びが抑制されることになる。
前記ネット部の網糸の素材は特に限定されるものではないが、この網糸をポリエステル等よりも伸びにくいポリエチレンであって、マルチフィラメントに比べて伸びにくいモノフィラメントとすれば、前記ネット部の過剰な伸びをより確実に抑制することができ、作業員等と地面等との衝突をより確実に回避することが可能となる(請求項2)。
また、前記補強ロープの素材も特に限定されるものではないが例えばポリエステルが挙げられる(請求項3)。
また、本発明において、前記ネット部の外周部の少なくとも一部に沿って延び、この外周部に固定される支持部材を備えるとともに、前記ネット部が、当該支持部材により支持された状態で前記作業場所の下方部を覆う位置に張設されるよう構成されているのが好ましい(請求項4)。
このようにすれば、前記支持部材によって前記ネット部が支持されるので、この支持部材の固定によって、前記ネット部をその弛みを抑制しつつ容易に張設することができる。また、前記支持部材により作業者等の墜落による衝撃を分散させて吸収できるので、作業者と地面との衝突がより確実に回避されるとともに、ネット部の破損が抑制される。さらに、前記支持部材の周囲に防護ネットを巻きつける等して搬送すれば、搬送時に防護ネットが絡むのを抑制できるとともに防護ネットを容易に展開することができ、防護ネットの取り付け作業における作業効率が向上する。
以上説明したように、本発明によれば、ネット部の伸びを抑制しつつ作業員等への墜落時の衝撃を抑制することのできる防護ネットを提供することができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明に係る防護ネット10は、高所にある作業場所と地面等との間に取り付けられて、誤って墜落した作業員等と地面等との衝突を防止し、作業員等を保護するためのものである。
前記防護ネット10は、図1に示すように、ネット部12と、複数の補強ロープ13と、2本の単管(支持部材)15とを有している。
前記ネット部12は、墜落した作業員等を受け止めるための網部分である。このネット部12の網糸12aは、ナイロンやポリエステル等に比べて伸びにくいポリエチレンであるとともに、マルチフィラメントに比べて伸びにくいモノフィラメントからなる。このネット部12は、図2の(a)に示すように、その網目が角目であって網糸12aが直線的に伸びる略正方形の無結節網で構成されている。ここで、前記無結節網はラッセル網等に比べて荷重に対する網の伸びが小さい編網方法であり、前記角目は菱目等に比べて網の伸びが小さい網目である。
前記複数の補強ロープ13は、前記ネット部12の網糸12aよりも引張強さの強いロープである。これら補強ロープ13は、縁ロープ13cと、横補強ロープ13aと、縦補強ロープ13bとからなる。各補強ロープ13は、図2の(b)に示すように、前記ネット部12の網糸12aに沿ってそれぞれ編みこまれている。具体的には、前記縁ロープ13cは前記ネット部12の外周部に沿って配索されており、前記横補強ロープ13aはネット部12の横方向両縁間にわたって延びるよう配索されており、縦方向に互いに平行に複数本設けられている。また、前記縦補強ロープ13bはネット部12の縦方向両縁間にわたって延びるよう配索されており、横方向に互いに平行に、かつ、前記横補強ロープ13aと略直交するように複数本設けられている。
また、前記各補強ロープ13a,13b,13cは、図2の(c)に示すように、隣合う網糸12aの上方と下方とを交互に通り上下方向に蛇行した状態で前記ネット部12に編みこまれており、各補強ロープ13a,13b,13cの長さは、前記ネット部12の縦横方向の各長さよりもそれぞれ所定量長くなるように設定されている。
このようにして前記ネット部12に編みこまれた補強ロープ13は、前記ネット部12に加えられた衝撃を受け止めてネット部12の破損等を抑制するとともに、ネット部12の伸びを所定範囲に維持する。すなわち、前記ネット部12は、荷重が加えられると、前記補強ロープ13を直線状に変形させつつ伸びていくが、これら補強ロープ13a,13b,13cが直線状に張設される位置まで伸びると、これら補強ロープ13a,13b,13cによってその伸びが規制されることになる。
また、本実施形態では、前記横補強ロープ13aと縦補強ロープ13bとが異なる色で構成されており、防護ネット10の縦横方向の判別が容易に行なえるようになっている。また、図3に示すように、横補強ロープ13aのうちの所定のロープ13dの端部をネット部12の外側に垂らしておけば、防護ネット10の位置の目印とすることができる。このロープ13dは、例えば、前記縁ロープ13cを割いてこの縁ロープ13cの内側を通した状態でこの縁ロープ13cに固定しておけばよい。ここで、図3は、前記横補強ロープ13aのうちの所定のロープ13dを縦方向中央に配索することで、荷重がかかりやすいネット部12の中央を補強した場合を示している。
前記単管15は、前記ネット部12の外周部分に固定されてこのネット部12を支持するためのものである。本実施形態では、鋼製のパイプからなる2本の単管15が、前記ネット部12の所定の方向の両縁に沿ってこのネット部12に固定されている。より詳細には、各単管15は、前記ネット部12の縁部に取り付けられたリング状の複数の固定具14に挿入されることで、ネット部12の横方向両縁に固定されている。前記固定具14は、例えば綿ロープである。そして、これら単管15は、前記ネット部12の両縁に沿ってネット部12に固定されることでこのネット部12の二辺を支持し、後述するように、ネット部12をその弛みを抑制した状態で張設する。また、これら単管15は、墜落時の衝撃を分散して吸収し前記ネット部12の損傷を抑制する。
ここで、前記単管15と前記ネット部12との固定作業は作業現場で実施してもよいが、予め単管15をネット部12の縁部に固定しておき、単管15にネット部12を巻きつける等しておけば、搬送中等にネット部12が互いに絡み合うという事態や、ネット部12の方向が判別できなくなるという事態を回避することができ、作業現場での作業時間を短縮することができる。
前記のように構成された防護ネット10は、例えば、4つのクランプ20と4つのPETZL社製の商品名「プロトラクション」等からなるセルフジャミングプーリー30と4本の吊りロープ40とを用いて以下の手順で取り付けられる。ここでは、図4に示すように、駅舎100において、ホーム110の上方に設けられた屋根120のスレートの葺き替え作業の実施に伴い、前記屋根120の下方に本防護ネット10が取り付けられる場合について説明する。
まず、前記4本の吊りロープ40を、図1に示すように、それぞれ前記単管15の両端にシャックル16およびカラビナ17を介して固定しておく。
次に、前記4つのクランプ20を前記駅舎100の屋根120の梁150の所定の位置にそれぞれ固定する。ここでは、図5に示すように、ボルト22bを有する略コ字型の上部22と、この上部22の底部22aに固定されたリング状の支持部24とからなるクランプ20を用いる。そして、前記クランプ20の上部22の底部22aとボルト22bとの間に梁150を挿入し、前記ボルト22bを締めてボルト22bと前記底部22aとの間で梁150を挟持することで、クランプ20を固定する。
次に、前記クランプ20の支持部24にカラビナ25を介して前記セルフジャミングプーリー30を図6のように固定する。このセルフジャミングプーリー30は、前記吊りロープ40を案内するとともに、この吊りロープ40を所定の位置で固定するためのものである。このセルフジャミングプーリー30には、図7に示すように、前記吊りロープ40を案内する滑車部32と、挿通された吊りロープ40の所定の方向への移動を許容する一方この吊りロープ40を押圧して前記所定の方向の逆方向への移動を規制する規制部34とが設けられている。前記吊りロープ40の規制は、前記規制部34を、吊りロープ40を押圧する方向と逆方向に動かすことで解除することができる。
前記クランプ20にセルフジャミングプーリー30が固定されれば、このセルフジャミングプーリー30に前記吊りロープ40のうち前記防護ネット10に取り付けられた端部と反対の端部を挿通する。このとき、防護ネット10側の端部から反対の端部への方向が、前記セルフジャミングプーリー30の規制部34による規制がかかる方向にしておく。
最後に、図8に示すように、前記セルフジャミングプーリー30に挿通された吊りロープ40を引き下げて、前記単管15を吊り上げる。このとき、単管15に固定されたネット部12は単管15とともに吊り上げられていく。ここで、前記吊りロープ40は、前述のように、防護ネット10側の端部から反対の端部への方向が前記セルフジャミングプーリー30の規制部34による規制がかかる方向に挿通されており、この規制部34によって吊りロープ40の防護ネット10側への移動は規制されている。そのため、前記吊りロープ40は引き下げられると同時に引き下げられた位置で固定されることになる。従って、本実施形態では、各吊りロープ40をそれぞれ所定の位置まで引き下げることで防護ネット10が所定の張設場所に張設される。ここで、前記防護ネット10には、4本の吊りロープ40が取り付けられているが、各吊りロープ40の引き下げ作業は複数の作業者が同時に行ってもよいし一人の作業者が順次行なってもよい。
以上の作業において、前記吊りロープ40を引き下げる作業はホーム110上で行うことができるので、高所で実施せねばならない作業は、前記クランプ20、セルフジャミングプーリー30を固定する作業および前記吊りロープ40をセルフジャミングプーリー30に挿通する作業のみである。しかも、これらの作業は、ホーム110に設置した脚立上で簡単に、かつ、短時間で実施することができるものであり、特殊な作業員でなくとも容易に実施することができる。さらに、前記セルフジャミングプーリー30に予め前記吊りロープ40を挿通しておき、この吊りロープ40が挿通されたセルフジャミングプーリー30を前記クランプ20の支持部24に固定してもよい。このようにすれば、高所での作業時間を短縮することができる。
このようにして、図9に示すように、4隅が前記吊りロープ40等を介して前記梁150に支持された状態で防護ネット10を屋根120の下方に張設する。この状態において、防護ネット10は、4本の吊りロープ40のみで吊り下げられているにも関わらず、その二辺が前記単管15にそれぞれ支持されるために、ネット部12の弛みが抑制された状態で張設されることになる。そして、このようにして屋根120の下方に防護ネット10が張設されれば、スレートの葺き替え作業時に作業員等が誤って墜落した場合にも、作業員等を防護ネット10で保護することができる。
ここで、前記ホーム110上には図4等に示すように、ベンチ140やゴミ箱142といったものが設置されている。そのため前記防護ネット10としては、作業員等と前記ゴミ箱142等との衝突を回避可能なものを用いる必要がある。具体的には、前記屋根120と前記ゴミ箱142等との距離は2m程度であるので、図4に示す作業員等の荷重による防護ネット10の最大伸び量△S3が1m程度に収まるものを用いる必要がある。
表1に、前記のような手順で張設された防護ネット10に対して、錘落下試験を行ない本防護ネット10の伸びを測定した結果を示す。実施した錘落下試験は、仮設工業会による「安全ネットの落錘による性能試験」の試験方法を準用しており、図10に示すように、防護ネット10に対して90kgの錘200を落下させる。ここで、本試験では、前述のような防護ネット10が駅舎100に取り付けられる場合を想定し、前記錘200の落下開始位置と防護ネット10の最上位置との距離(図9のHに相当)を1.5mとした。そして、錘200の落下後に防護ネット10の変位が安定した状態でのこの防護ネット10の伸び量である落下後伸び量△S2と、錘200の落下途中における防護ネット10の最大伸び量である最大伸び量△S3とを測定した。また、単管15の撓み量である単管撓み量を測定するとともに、防護ネット10の破損状態を調査した。
この錘落下試験では、前記ネット部12に、前述のようにポリエチレン100%のモノフィラメントからなる角目の無結節網であって、網地の太さが440dtex/60本、目合いが37.5mm×37.5mmの網を用いた。このネット部12は平均網地強さが720N、最低網地強さが700Nであり、仮設工業会の防護ネットの規格である最低網地強さ590N以上を満足している。
前記補強ロープ13a,13b,13cには、再生ポリエステル100%からなる三つ打ちロープであって、直径9mm、引っ張り強さが前記ネット部12の網糸12aよりも大きな18.1kNであるロープを用いた。そして、防護ネット10として、これら補強ロープ13a,13b,13cが500mm間隔で前記ネット部12に編みこまれたものを用いた。
前記単管15については、二種類の単管15について試験を行なった。すなわち、表1において単管径が「細」と記されたものは、直径42.7mm、厚さ2.3mm、長さ3.3mの細径の鋼製パイプであり(一般構造用炭素鋼管 JIS G3444 STK500)、単管径が「太」と記されたものは、直径48.6mm、厚さ2.5mm、長さ3.3mの太径の鋼製パイプ(一般構造用炭素鋼管 JIS G3444 STK500、単管足場用鋼管 JIS A8951)である。そして、前記防護ネット10として、この単管15が前記ネット部12の横方向両端にそれぞれ1本ずつ固定されているものを用いた。
前記固定具14には、綿100%からなる三つ打ちロープであって、直径9mm、引張強さ4.6kNのロープを用いた。
前記吊りロープ40には、再生ポリエステル100%からなる三つ打ちロープであって、直径12mm、引張強さ28.9kNのロープを用いた。
そして、前記クランプ20には、強度試験認定基準21.1kNを満足するコ型クランプを用い、前記カラビナ17には、アルミ合金製の縦軸強度23kNのカラビナを用い、前記セルフジャミングプーリー30には、アルミニウム製の運用荷重6kN、破断強度22kNの前記PETZL社製の商品名「プロトラクション」をそれぞれ用いた。前記シャックル16には、太径の単管15に対してはステンレス製の直径12mmのネジシャックルを用い、細径の単管15に対してはステンレス製の直径10mmのネジシャックルを用いた。
また、表1において、単管間隔Wは、図9に示す距離Wであり単管15間の距離を示している。ネット部横長さL1は、図1に示すネット部12の横方向長さL1を示し、初期垂れS1は図10に示す荷重が加えられていない状態のネット部12の最上点と最下点との距離を示している。ここで、ネット部12の縦方向長さL2は全て3.3mであり、ネット部12は、L1×L2の方形を有している。表1の単管支持箇所は、前記吊りロープ40による単管の支持部の数を示している。すなわち、2箇所/本の場合は1本の単管15を2箇所で支持しており、単管15のそれぞれ両端が吊りロープ40で吊られていることを示している。一方、3箇所/本の場合は、単管15の両端と中央とがそれぞれ吊りロープ40で吊られていることを示しており、ネット部12が6点で支持されていることを示している。
実施例A1は、ネット部横長さL1が4mのネット部12と太径の単管15とを有する防護ネット10が単管間隔Wを4mとして張設されたものであるが、この実施例A1によれば、前記錘200の落下に対してネット部12の破損を1箇所に抑えた状態で防護ネット10の最大伸び量△S3を1.3mに抑えることができる。
これに対してネット部横長さL1を3.5mに減少させた実施例A2では、初期垂れS1が小さくなり、ネット部12の破損がない状態で防護ネット10の最大伸び量△S3を1.15mにまで抑えることが可能となる。
さらに、ネット部横長さL1を3.0mに減少させた実施例A3では、単管間隔Wを3.0mとしても、ネット部12の破損がない状態で防護ネット10の最大伸び量△S3を1mに抑えることができる。
また、ネット部横長さL1を2.0mに減少させた実施例A4では、単管間隔Wを2.0mとし、単管15を細径のものとしても、ネット部12の破損がない状態で防護ネット10の最大伸び量△S3を1.2m程度に抑えることができる。ここで、この実施例A4では、単管15を細径とすることで単管撓み量が増加しており、単管15を太径とすればより一層防護ネット10の最大伸び量△S3を抑制することができる。
以上の実施例A1〜A4までは、全て単管支持箇所が2箇所/本であり、4本の吊りロープ40でのみ防護ネット10を支持した例であるが、4本で支持した場合であっても防護ネット10の破損を抑制しつつ防護ネット10の伸びを十分に抑制することができる。
これに対して実施例A5およびA6は、単管支持箇所が3箇所/本であり、6本の吊りロープ40で防護ネット10を支持した場合である。具体的には、実施例A5は、実施例A4に対して単管15を太径のものとし、さらに、単管支持箇所を3箇所/本としたものである。この実施例A5によれば、単管15の撓み量がほぼなくなり、防護ネット10の破損がない状態で防護ネット10の最大伸び量△S3を0.85mにまで抑えることが可能となる。また、実施例A6は、ネット部横長さL1が4.5mと比較的長いネット部12を有する防護ネット10が単管間隔Wを5mとして張設されたものであるが、この実施例A6においても、防護ネット10の破損がない状態で防護ネット10の最大伸び量△S3が1.3mに抑えられる。
以上のように、本防護ネット10では、その最大伸び量が1m程度に抑制されるので、ゴミ箱142等との距離が2m程度の前記ホーム110の屋根120に取り付けられた場合でも、作業員等とゴミ箱142等との衝突をより確実に回避することができる。なお、同様の試験を従来の防護ネットであるポリエステル製の菱目のラッセル網に対して行なったところ、最大伸び量△S3は約3mであり、この従来の防護ネットでは前記ホーム110の屋根120に取り付けた場合、作業者等とゴミ箱142等とが衝突する可能性がある。
次に、前記防護ネット10に対して、前記と同様の90kgの錘200を防護ネット10の最上位置から1.5m上方の位置から落下させる錘落下試験を行った際の、錘200の減速度αを測定した結果を表2に示す。
この錘落下試験では、ネット部12として、前記のような、ポリエチレン100%のモノフィラメントからなる角目の無結節網であって、網地の太さが440dtex/60本、目合いが37.5mm×37.5mmの網と、ポリエチレン100%のモノフィラメントからなる角目の無結節網であって、網地の太さが440dtex/44本、目合いが25mm×25mmの網との二種類について試験を行なった。一方、単管15については、前記太径の単管15の一種類とした。前記補強ロープ13a,13b,13c、固定具14、吊りロープ40には前記と同様のロープをそれぞれ用いた。前記ネット部12の縦方向長さL2は表1に係る試験と同様に全て3.3mとした。
表2の実施例B1〜B6のいずれにおいても、最大伸び量△S3が1m以下に抑えられるとともに、減速度αは110m/s2以下に抑えられている。ここで、厚生労働省の定める防護ネットの落錘による性能試験では、衝撃吸収性能として147m/s2以下の減速度が求められているが、実施例B1〜B6のいずれの実施例もこの減速度を満足しており、実施例B1〜B6のいずれの防護ネット10を前記駅舎100の屋根120に取り付けても、作業者等とゴミ箱142等との衝突を回避しつつ作業者等に加えられる損傷を抑制することが可能である。特に、単管支持箇所が2箇所/本の実施例B1、B3、B5およびB6では、単管15の支持箇所が4点であることから減速度αが70m/s2程度に抑えられており、墜落時に作業者等へ加えられる衝撃を十分に小さくすることができる。
このように、本防護ネット10では、その最大伸びが抑制されるとともに減速度が低い値で維持され、作業員等と地面等との衝突を抑制しつつ作業員等に加えられる衝撃を抑制することができる。
また、前記実施例B1に対して、錘200の落下開始位置と防護ネット10の最上位置との距離Hを3.5mとして、前記90kgの錘200を落下させる試験を行なった場合においても、防護ネット10の最大伸び量△S3が1.5m程度に抑えられた状態で、減速度αが147m/s2以下の120m/s2になるという結果が得られた。
以上のように、本防護ネット10では、前記ネット部12に複数の補強ロープ13が蛇行した状態で編みこまれるとともにネット部12が比較的伸びにくい角目の無結節網で構成されることで、その伸びが適度な範囲に維持され、作業員等と地面等との衝突をより確実に回避しつつ作業員等に加えられる衝撃を抑制することが可能となる。
ここで、前記ネット部12の網糸12aの具体的な素材は前記に限らない。但し、この網糸12aを伸びの小さいポリエチレンのモノフィラメントで構成すれば、ネット部12の伸び特性をより確実に小さく抑えることができる。
また、前記防護ネット10のネット部12の具体的な形状は前記方形に限らず、多角形状等であってもよい。また、前記単管15、前記吊りロープ40、前記固定具14の具体的な材質等は前記に限らない。また前記単管15の数は前記に限らない。
さらに、前記単管15は省略してもよい。ただし、単管15を設けてこの単管15によって前記ネット部12を支持すれば、作業員等の墜落時に、単管15により墜落時の衝撃を分散させて吸収できるので、ネット部12の過剰な伸びや破損を抑制することが可能となる。また、単管15を設けることで、前記ネット部12の弛みを抑制することができるので、単管15を設けない場合に比べて、より少ない吊りロープ40で防護ネット10を張設することができ、作業効率が向上する。
また、前記防護ネット10の取り付け場所や取り付け方法は前記に限らない。例えば、前記セルフジャミングプーリー30の代わりに前記規制部34を有しない滑車を用い、前記吊りロープ40を図1に示す支柱130等に固定してもよい。
10 防護ネット
12 ネット部
12a 網糸
13a 横補強ロープ(補強ロープ)
13b 縦補強ロープ(補強ロープ)
13c 縁ロープ(補強ロープ)
14 固定具
15 単管(支持部材)
20 クランプ
40 吊りロープ
100 駅舎
12 ネット部
12a 網糸
13a 横補強ロープ(補強ロープ)
13b 縦補強ロープ(補強ロープ)
13c 縁ロープ(補強ロープ)
14 固定具
15 単管(支持部材)
20 クランプ
40 吊りロープ
100 駅舎
Claims (4)
- 高所にある作業場所から墜落した作業者等を保護するための防護ネットであって、
網目の形状が角目であるとともに、複数の網糸がそれぞれ直線的に延びる無結節網からなるネット部と、
前記ネット部の網糸よりも引張強さが強い複数の補強ロープとを備え、
前記補強ロープは、前記ネット部の外周部に沿って配索される縁ロープと、当該ネット部の外周部の内側に前記ネット部の網糸に沿って配索される縦補強ロープと、前記ネット部の外周部の内側に前記縦補強ロープに略直交する方向に前記ネット部の網糸に沿って配索される横補強ロープとからなり、
前記縦補強ロープと前記横補強ロープとは、前記ネット部の網糸の上方と下方とを交互に通り上下方向に蛇行した状態で当該ネット部に編みこまれていることを特徴とする防護ネット。 - 請求項1に記載の防護ネットであって、
前記ネット部の網糸がポリエチレンのモノフィラメントであることを特徴とする防護ネット。 - 請求項1または2に記載の防護ネットであって、
前記補強ロープがポリエステルからなることを特徴とする防護ネット。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の防護ネットであって、
前記ネット部の外周部の少なくとも一部に沿って延び、この外周部に固定される支持部材を備えるとともに、
前記ネット部が、当該支持部材により支持された状態で前記作業場所の下方部を覆う位置に張設されるよう構成されたことを特徴とする防護ネット。
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