JP2009111622A - マイクロホン装置、その膜スチフネス測定装置、膜スチフネス測定方法及び電子機器の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】マイクロホン装置をコンデンサ部の第2の電極に接続されるコンデンサ電極端子と、接地端子とを、別途導出した点を特徴とするもので、他は実際に使用するのと同様に作成し、膜スチフネス測定に際しては、これらの電極端子間に測定端子を接続するようにし、マイクロホンとしての使用時には、コンデンサ電極端子と、接地端子とを同一の電極パッドに接続するなどの方法で共通接続することで、膜スチフネス測定を実装状態で実現可能とする。
【選択図】図1
Description
optonor社カタログ micromap5000 振動・変位測定及び表面形状測定装置 早坂寿雄 他 音響工学概論 日刊工業新聞社 日経マイクロデバイス 2007年July P94−95 IEEE 1998 P288
また、MEMSマイクロホンは、振動板がシリコンで構成されており、従来のマイクロフォンに比べて振動板の膜スチフネスが高く、振動し難い。そのため、従来の方式(振動板を振動させて、その動きから振動板の共振点を求める方式)を適用してMEMSマイクロホンの膜スチフネスを測定する場合は、測定装置を調整して測定結果を得るのに多大な時間を要し、また、再現性のある測定結果を得ることが難しい。
この変化は、振動膜へのストレスとなり、振動膜のスチフネスが変化し、主として感度の変化を引き起こすことになる。
また、マイクロホンの設計において、金属キャップの固着工程、あるいは回路基板への実装工程における振動膜のスチフネスの変化を考慮し、設計を行う必要がある。
そこで、製造工程中及びマイクロホン装置の製造工程での振動膜のスチフネス品質の確認や制御のため、あるいはユーザー側での表面実装時の特性変化すなわち振動膜のスチフネスの変化をモニター計測することが求められる。
特に、金属キャップなどの封止体で封止した後、あるいは回路基板への実装工程における振動膜のスチフネスを測定することを目的とする。
この構成により、従来共通接続していたコンデンサ電極端子と、接地端子とを独立して導出しただけであり、本来のマイクロホン装置の構成を変更することなく、膜スチフネス測定が可能であり、これは、実装後のマイクロホン装置、さらには回路基板上に面実装した状態でのマイクロホン装置の膜スチフネス測定装置を測定することができる。つまり、マイクロホン装置として使用するそのものについて非破壊で、実装状態に極めて近い膜スチフネス測定を実現しうる。従って、マイクロホン装置の設計に、この測定結果をフィードバックするようにすれば、極めて高精度の特性制御を実現することが可能となる。
この構成により、実装後のマイクロホン装置を用いて測定を行うことができ、製造・アセンブリ工程において、キャップをはんだ固着する場合、はんだ溶融時に高温となり、基板の膨張収縮が発生し、膨張収縮のストレスが加わりMEMSチップの特性が微少ではあるが変化することがあるなど、製造およびアセンブリ工程における、スチフネスの変化を考慮した上でのスチフネスの測定が可能となる。また、直接的な振動変位を検出するかわりに、周波数特性から膜スチフネスを求めている。また、真空中で周波数特性を測定しているため、振動板の周囲の空気によるインピーダンスへの影響を受けない。
この構成により、本発明のマイクロホン装置を回路基板上に面実装することで、容易に膜スチフネスを測定することが可能となる。また、このように実装することで、実際の使用状態に近い状態で膜スチフネスを測定することができる。
そのため、正確な測定結果を得ることができる。
直流バイアスの印加により、入出力応答特性の値を適切な大きさに設定することができる。
共振周波数は、周波数−入出力応答特性曲線上で入出力応答特性のゲイン絶対値及び位相角度の変曲点として現れる。
また、本発明の膜スチフネス測定装置では、さらに、表示部を備えており、この表示部に周波数−入出力応答特性曲線が表示される。
この構成によれば、実装後のマイクロホン装置を用いて測定を行うことができ、製造・アセンブリ工程において、キャップをはんだ固着する場合、はんだ溶融時に高温となり、基板の膨張収縮が発生し、膨張収縮のストレスが加わりMEMSチップの特性が微少ではあるが変化することがあるなど、製造およびアセンブリ工程における、スチフネスの変化を考慮した上でのスチフネスの測定が可能となる。また、直接的な振動変位を検出するかわりに、周波数特性から膜スチフネスを求めている。また、真空中で周波数特性を測定しているため、振動板の周囲の空気によるインピーダンスへの影響を受けない。
この構成によれば、実際と極めて近い状態で測定を行い、この後コンデンサ電極端子と前記接地端子とを接続するように、電子機器の回路基板に実装する工程を実行することで、そのままマイクロホン装置つきの電子機器を得ることができる。
この構成によれば、あらかじめ回路基板上でパッドが相互接続されているため、回路基板上に実装するだけでマイクロホン装置としての機能を発揮する、
この構成によれば、あらかじめコンデンサ電極端子と前記接地端子とを相互接続し、こののち回路基板上に実装しているため、作業性よく実装することが可能である。
図1は、本発明の実施の形態における膜スチフネス測定装置の構成を概略的に示す図である。
本実施の形態では、マイクロホン装置をコンデンサ部を構成するMEMSマイクロホンチップMの第2の電極に接続されるコンデンサ電極端子と、接地端子とを、別途導出した点を特徴とするもので、他は実際に使用するのと同様に作成し、膜スチフネス測定に際しては、これらの電極端子間に測定端子を接続するようにし、マイクロホンとしての使用時には、コンデンサ電極端子と、接地端子とを同一の電極パッドに接続することで、膜スチフネス測定を実装状態で実現する。
この電圧がCMOSアンプのゲイン倍(G倍)で増幅された出力電圧がCMOSアンプ出力端に発生する。
MEMSマイクロホン装置20の音響系の機械インピーダンスは、図6に示す電気的な等価回路で表すことができる。
また、r2とm2は振動板の放射インピーダンス、C2は薄流体層のコンプライアンスであり、C3は背気室28と図4の基板で構成される気室の空気コンプライアンスである。
このコンデンサ部の可逆式は、次式(数4)(数5)のように表される(川村雅恭著「電気音響工学概論」株式会社昭晃堂発行、参照)。
この測定装置では、MEMSマイクロホン装置20の振動板を励振源で駆動しているため、外力Fは0であり、(数4)は(数10)のように表される。
このことから、Vo/Vinは以下のように表される。
スチフネス算出部51は、この曲線から、反共振点の周波数と共振点の周波数とをサーチし、2周波数の平均を取ることにより共振周波数f0を求め、この値を(数1)に代入してMEMSマイクロホン装置20の振動板のスチフネスを算出する。
また、この測定装置では、入出力応答測定部が、ゲインの絶対値|G|と位相角度とを測定しているため、図7の等価回路でのインピーダンス測定と同等の、正確な測定結果を得ることができる。
112 固定電極
113 エレクトレット膜
114 スペーサ
115 音孔
116 背気室
117 ケース
118 プリント基板
20 MEMSマイクロホン
21 シリコン基板
22 絶縁層
23 振動膜電極
24 エレクトレット膜
25 第2の絶縁層
26 固定電極
27 音孔
28 背気室
30 真空容器
40 入出力応答測定部
51 スチフネス算出部
52 表示部
Claims (15)
- 第1の電極としての振動膜と、前記振動膜に固着された誘電体膜と、前記第1の電極に対向して配設された第2の電極とを具備したマイクロホンで構成されたコンデンサ部と、
前記コンデンサ部の前記第1の電極に接続され、前記コンデンサ部からの信号を増幅する増幅器とが容器内に実装され、
前記コンデンサ部の第2の電極に接続されるコンデンサ電極端子と、前記増幅器に接続される電圧供給端子と、接地端子と、前記増幅器からの出力端子とが前記容器から導出されたマイクロホン装置。 - 請求項1に記載のマイクロホン装置であって、
前記コンデンサ部および増幅器は、同一の基板の第1の面上に搭載され、
前記コンデンサ電極端子、前記電圧供給端子、前記接地端子および前記出力端子が、前記基板の第2の面に、面実装端子として配設されたマイクロホン装置。 - 請求項1または2に記載のマイクロホン装置であって、
前記コンデンサ電極端子、前記電圧供給端子、前記接地端子および前記出力端子は、同一の端子形状をなし、2行2列に配列されたマイクロホン装置。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載のマイクロホン装置であって、
前記コンデンサ電極端子と前記接地端子とが隣接配置されたマイクロホン装置。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載のマイクロホン装置であって、
前記振動膜に固着された誘電体膜が永久電荷を保持できる構成のマイクロホン装置。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載のマイクロホン装置を真空中に保持する容器と、
前記真空中に保持された前記マイクロホン装置の前記コンデンサ電極端子と前記出力端子間の電圧および位相を測定することで周波数特性を測定する周波数特性測定部と、
前記周波数特性測定部が測定した周波数特性から共振周波数を求め、その共振周波数から前記マイクロホン装置の膜スチフネスを算出するスチフネス算出部とを具備した膜スチフネス測定装置。 - 請求項6に記載の膜スチフネス測定装置であって、
前記周波数特性測定部は、
前記コンデンサ電極端子に、入力信号として、交流信号と直流バイアスを供給する信号発生部と
前記増幅器の出力信号の電圧を測定する電圧・位相測定部と、
前記コンデンサ部に加わる入力電圧の電圧・位相測定部と、
を備えた膜スチフネス測定装置。 - 請求項6に記載の膜スチフネス測定装置であって、
前記周波数特性測定部は、マイクロホンが搭載されるのと同一材料で形成された4つの電極パッドを備えた回路基板上に搭載されており、前記電極パッドにそれぞれ前記マイクロホンの前記コンデンサ電極端子、前記電圧供給端子、前記接地端子および前記出力端子が固着される膜スチフネス測定装置。 - 請求項7または8記載の膜スチフネス測定装置であって、
前記コンデンサ部における前記膜スチフネスの測定対象の膜を具備した前記第1の電極と、
前記第1の電極に対向する第2の電極に設けられた貫通孔を介して所定容積の空間をもつ気室に繋がっており、かつ、前記気室の容積は、前記気室のスチフネスが前記膜スチフネスよりも十分に小さなスチフネスとなるように調整されている膜スチフネス測定装置。 - 請求項7または8記載の膜スチフネス測定装置であって、
さらに、前記第1の電極に繋がっている気室は、その気室のスチフネスが前記膜スチフネスよりも十分に小さなスチフネスとなるように調整されている膜スチフネス測定装置。 - 請求項6乃至10のいずれかに記載の膜スチフネス測定装置であって、
前記容器は、前記コンデンサ部および前記増幅器を収納する筐体部を構成し、前記筐体部は、電気的な雑音をシールドするシールド機能と、前記筐体部を真空に導くための音孔と、を具備した膜スチフネス測定装置。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載のマイクロホン装置を用いて、実装後のマイクロホン装置の膜スチフネスを測定する膜スチフネス測定方法であって、
前記電圧供給端子を電圧源に接続するとともに、前記接地端子を接地電位に接続し、
前記コンデンサ電極端子および前記出力端子間の電圧および位相を測定する工程と、
前記測定結果に基づき膜スチフネスを測定する膜スチフネス測定方法。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載のマイクロホン装置を製造する工程と、
前記マイクロホン装置の前記電圧供給端子を電圧源に接続するとともに、前記接地端子を接地電位に接続し、前記コンデンサ電極端子および前記出力端子間の電圧および位相を測定し、この測定結果に基づき膜スチフネスを測定すると工程と、
前記コンデンサ電極端子と前記接地端子とを接続するように、電子機器の回路基板に実装する工程とを含む電子機器の製造方法。 - 請求項13記載の電子機器の製造方法であって、
前記実装する工程は、前記回路基板上の回路パターンが、前記コンデンサ電極端子と前記接地端子とにそれぞれ接続されるパッドを具備し、前記パッドが前記回路基板上で電気的に接続されるように構成された回路基板を用いる工程である電子機器の製造方法。 - 請求項13記載の電子機器の製造方法であって、
前記実装する工程は、前記回路基板上に前記マイクロホン装置を装着するに先立ち、前記コンデンサ電極端子と前記接地端子とを相互接続する工程を含む電子機器の製造方法。
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