JP2009111202A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高濃度拡散層の上部にシリサイド膜を有する半導体装置において、リーク電流の発生を防止する。
【解決手段】第1のMOSトランジスタは、活性領域300xにおける第1のサイドウォールスペーサ305aの外側方下に形成された第1の高濃度拡散層306aと、第1の高濃度拡散層306aの上部に形成された第1のシリサイド膜311aとを備え、第2のMOSトランジスタは、活性領域300xにおける第2のサイドウォールスペーサ305bの外側方下に形成された第2の高濃度拡散層306bと、第2の高濃度拡散層306bの上部に形成された第2のシリサイド膜311bとを備え、第1のシリサイド膜311a及び第2のシリサイド膜311bを構成する結晶粒の結晶粒径は、第1のサイドウォールスペーサ305aと第2のサイドウォールスペーサ305b間の間隔以下である。
【選択図】図5

Description

本発明は半導体装置及びその製造方法に関し、特に高濃度拡散層の上部にシリサイド膜を有する半導体装置及びその製造方法に関するものである。
MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタの微細化及び高速化に対応する為に、ホットキャリア耐性の向上を目的にLDD(Lightly Doped Drain)構造が採用されると共に、ゲート電極及び高濃度拡散層の低抵抗化を目的に、ゲート電極及び高濃度拡散層の上部をシリサイド化するサリサイド技術が採用されている(例えば特許文献1参照)。
かつて、シリサイド膜としてチタンシリサイド膜を採用していたが、シリサイド膜は、通常、多結晶でありシリコンとは大きく異なる熱膨張係数を持っているため、高温熱処理時にシリサイドの凝集が生じ易く、これにより、シリサイド膜が断線してゲート電極が高抵抗化されるという問題があった。
そこで、シリサイド膜の断線の抑制を目的に、シリサイド膜としてニッケルシリサイド膜を用いる技術が提案されている(例えば非特許文献2,特許文献3参照)。さらに、半導体装置の微細化に伴い高濃度拡散層の接合深さが浅くなってきていることから、シリコン含有量の少ないニッケルシリサイド膜が検討されている(例えば非特許文献4参照)。
以下に、従来の半導体装置の製造方法について、図10(a) 〜(c) を参照しながら説明する。図10(a) 〜(c) は、従来の半導体装置の製造方法を工程順に示す要部工程断面図である。
まず、図10(a) に示すように、STI(Shallow Trench Isolation)法により、シリコンからなる半導体基板600の上部に、トレンチ内に絶縁膜が埋め込まれた素子分離領域601を選択的に形成する。これにより、素子分離領域601によって囲まれた半導体基板600からなる活性領域600xが形成される。
次に、活性領域600x上に、膜厚が5nmのシリコン酸化膜からなる第1のゲート絶縁膜602aを介して、膜厚が160nmのポリシリコン膜からなる第1のゲート電極603aを形成すると共に、活性領域600x上に、膜厚が5nmのシリコン酸化膜からなる第2のゲート絶縁膜602bを介して、膜厚が160nmのポリシリコン膜からなる第2のゲート電極603bを形成する。その後、活性領域600xにおける第1のゲート電極603aの側方下に、第1の低濃度拡散層604aを形成すると共に、活性領域600xにおける第2のゲート電極603bの側方下に、第2の低濃度拡散層604bを形成する。
次に、第1のゲート電極603aの側面上に第1のサイドウォールスペーサ605aを形成すると共に、第2のゲート電極603bの側面上に第2のサイドウォールスペーサ605bを形成する。その後、活性領域600xにおける第1のサイドウォールスペーサ605aの外側方下に、第1の高濃度拡散層606aを形成すると共に、活性領域600xにおける第2のサイドウォールスペーサ605bの外側方下に、第2の高濃度拡散層606bを形成する。
次に、図10(b) に示すように、圧力0.27Pa、DCパワー100Wの条件で、半導体基板600の全面に、膜厚が20nmのNi膜からなる金属膜607を形成する。このとき、金属膜607の膜厚は、高濃度拡散層606a,606bの接合深さ(図10(c):D参照)に応じて設定される。これにより、図10(c) に示す次工程において、第1,第2の高濃度拡散層606a,606bの上部に形成された第1,第2のシリサイド膜(図10(c):609a,609b参照)が厚く形成されて第1,第2の高濃度拡散層606a,606bを突き抜けることを防止する。
次に、図10(c) に示すように、RTA装置を用いて、330℃,60秒の1回目の熱処理を行い、第1,第2のゲート電極603a,603b及び第1,第2の高濃度拡散層606a,606bのSiと金属膜607のNiとを反応させる。その後、硫酸若しくは塩酸と過酸化水素水とを混合させた酸性薬液、又は水酸化アンモニウムと過酸化水素水とを混合させたアルカリ性薬液を用いて、半導体基板600上に残存する未反応の金属膜607を除去する。その後、450℃,60秒の2回目の熱処理を行う。このようにして、第1のゲート電極603aの上部にNiSi膜からなる第1のゲート上シリサイド膜608aを形成すると共に、第1の高濃度拡散層606aの上部にNiSi膜からなる第1のシリサイド膜609aを形成する。一方、第2のゲート電極603bの上部にNiSi膜からなる第2のゲート上シリサイド膜608bを形成すると共に、第2の高濃度拡散層606bの上部にNiSi膜からなる第2のシリサイド膜609bを形成する。
このように、従来の半導体装置の製造方法では、シリサイド膜の形成方法として、高濃度拡散層606a,606bの接合深さDに応じた膜厚を有する金属膜607が、半導体基板600上の全面に形成された状態で熱処理する方法を採用する。
特開平8−46189号公報 Proc.IEEE VMIC Conf.,267(1992) 特開2007−88255号公報 IEDM Technical.Digest,p.45−48,2000.
現在、高濃度拡散層の浅接合化がさらに進んでおり、そのため、従来の半導体装置の製造方法では、以下に示す問題がある。
高濃度拡散層606a,606bの上部に形成されるシリサイド膜609a,609bは、図10(c) に示すように、NiSi−Si界面に凹凸を発生させた状態で形成される。そのため、高濃度拡散層の浅接合化がさらに進むに従い、シリサイド膜(特に、凸状に形成された部分)が高濃度拡散層を突き抜けて形成され(又は高濃度拡散層の接合部に近接して形成され)、リーク電流が発生するという問題がある。このように、従来の半導体装置の製造方法では、高濃度拡散層606a,606bの接合深さDに応じて、金属膜607の膜厚を所定の膜厚に設定するたけでは、リーク電流の発生を確実に防止することはできない。
前記に鑑み、本発明の目的は、高濃度拡散層の上部にシリサイド膜を精度良く形成する(具体的には、Siとの界面に凹凸を発生させずにシリサイド膜を形成する)ことにより、リーク電流の発生を防止することである。
前記の目的を達成するため、本発明に係る第1の半導体装置の製造方法は、半導体基板における素子分離領域に囲まれた活性領域上に、第1のゲート電極を有する第1のトランジスタと、第2のゲート電極を有する第2のトランジスタとを備えた半導体装置の製造方法において、活性領域上に第1のゲート絶縁膜を介して第1のゲート電極を形成すると共に、活性領域上に第2のゲート絶縁膜を介して第2のゲート電極を形成する工程(a)と、第1のゲート電極の側面上に第1のサイドウォールスペーサを形成すると共に、第2のゲート電極の側面上に第2のサイドウォールスペーサを形成する工程(b)と、活性領域における第1のサイドウォールスペーサの外側方下に第1の高濃度拡散層を形成すると共に、活性領域における第2のサイドウォールスペーサの外側方下に第2の高濃度拡散層を形成する工程(c)と、第1の高濃度拡散層及び第2の高濃度拡散層の表面に形成されている自然酸化膜を除去する工程(d)と、半導体基板上に、金属からなる単体膜と、ガスを含有し金属からなる含有膜とが順次積層された金属層を形成する工程(e)と、金属層に含まれる金属と第1の高濃度拡散層に含まれるシリコンとを反応させて、第1の高濃度拡散層の上部に第1のシリサイド膜を形成すると共に、金属層に含まれる金属と第2の高濃度拡散層に含まれるシリコンとを反応させて、第2の高濃度拡散層の上部に第2のシリサイド膜を形成する工程(f)とを備え、工程(f)において、第1のシリサイド膜及び第2のシリサイド膜は、その結晶粒の結晶粒径が、第1のサイドウォールスペーサと第2のサイドウォールスペーサ間の間隔以下となるように形成されることを特徴とする。
本発明に係る第1の半導体装置の製造方法によると、単体膜と含有膜とが順次積層された金属層が、半導体基板上に形成された状態で熱処理することにより、金属層の金属と第1,第2の高濃度拡散層のSiとを緩やかに且つ断続的に反応させることができるため、比較的小さい結晶粒径(すなわち、第1のサイドウォールスペーサと第2のサイドウォールスペーサ間の間隔以下の結晶粒径)を有し、且つ結晶粒径のバラツキの比較的小さい第1,第2のシリサイド膜を形成することができる。このため、第1,第2のシリサイド膜には、Siとの界面に凹凸の発生がなく、深さ方向に伸びる異常成長部による接合リーク電流の発生を防止できると共に、横方向に伸びる異常成長部によるソースドレイン間リーク電流の発生を防止できる。
前記の目的を達成するため、本発明に係る第2の半導体装置の製造方法は、半導体基板における素子分離領域に囲まれた活性領域上に、ゲート電極を有するトランジスタを備えた半導体装置の製造方法において、活性領域上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成する工程(a)と、ゲート電極の側面上にサイドウォールスペーサを形成する工程(b)と、活性領域におけるサイドウォールスペーサの外側方下に高濃度拡散層を形成する工程(c)と、高濃度拡散層の表面に形成されている自然酸化膜を除去する工程(d)と、半導体基板上に、金属からなる単体膜と、ガスを含有し金属からなる含有膜とが順次積層された金属層を形成する工程(e)と、金属層に含まれる金属と高濃度拡散層に含まれるシリコンとを反応させて、高濃度拡散層の上部にシリサイド膜を形成する工程(f)とを備え、工程(f)において、シリサイド膜は、その結晶粒の結晶粒径が、活性領域のゲート幅方向の幅以下となるように形成されることを特徴とする。
本発明に係る第2の半導体装置の製造方法によると、単体膜と含有膜とが順次積層された金属層が、半導体基板上に形成された状態で熱処理することにより、金属層の金属と高濃度拡散層のSiとを緩やかに且つ断続的に反応させることができるため、比較的小さい結晶粒径(すなわち、活性領域のゲート幅方向の幅以下の結晶粒径)を有し、且つ結晶粒径のバラツキの比較的小さいシリサイド膜を形成することができる。このため、シリサイド膜には、Siとの界面に凹凸の発生がなく、特に、深さ方向に伸びる異常成長部による接合リーク電流の発生を防止できる。
本発明に係る第1又は第2の半導体装置の製造方法において、工程(e)は、アルゴンガスのプラズマを用いた第1のスパッタ法により、半導体基板上に単体膜を形成する工程(e1)と、アルゴンガスのプラズマ及びガスのプラズマを用いた第2のスパッタ法により、単体膜上に含有膜を形成する工程(e2)とを含むことが好ましい。
本発明に係る第1又は第2の半導体装置の製造方法において、ガスは、窒素ガス又は酸素ガスであることが好ましい。
本発明に係る第1又は第2の半導体装置の製造方法において、金属は、チタン、コバルト、ニッケル、白金、ハフニウム、又はパラジウムからなることが好ましい。
本発明に係る第1又は第2の半導体装置の製造方法において、工程(d)は、ケミカルドライエッチング法により行われることが好ましく、具体的には例えば、NF3ガスのプラズマ及びH2ガスのプラズマを用いたケミカルドライエッチング法により行われることが好ましい。
前記の目的を達成するため、本発明に係る第1の半導体装置は、半導体基板における素子分離領域に囲まれた活性領域に、第1のゲート電極を有する第1のトランジスタと、第2のゲート電極を有する第2のトランジスタとを備えた半導体装置において、第1のトランジスタは、活性領域上に形成された第1のゲート絶縁膜と、第1のゲート絶縁膜上に形成された第1のゲート電極と、第1のゲート電極の側面上に形成された第1のサイドウォールスペーサと、活性領域における第1のサイドウォールスペーサの外側方下に形成された第1の高濃度拡散層と、第1の高濃度拡散層の上部に形成された第1のシリサイド膜とを備え、第2のトランジスタは、活性領域上に形成された第2のゲート絶縁膜と、第2のゲート絶縁膜上に形成された第2のゲート電極と、第2のゲート電極の側面上に形成された第2のサイドウォールスペーサと、活性領域における第2のサイドウォールスペーサの外側方下に形成された第2の高濃度拡散層と、第2の高濃度拡散層の上部に形成された第2のシリサイド膜とを備え、第1のシリサイド膜及び第2のシリサイド膜を構成する結晶粒の結晶粒径は、第1のサイドウォールスペーサと第2のサイドウォールスペーサ間の間隔以下であることを特徴とする。
本発明に係る第1の半導体装置によると、第1,第2のシリサイド膜を構成する結晶粒の結晶粒径が、第1のサイドウォールスペーサと第2のサイドウォールスペーサ間(すなわち、リーク電流の発生頻度が最も高いと予想される領域)の間隔以下であるため、リーク電流の発生を防止できる。
本発明に係る第1の半導体装置において、第1のトランジスタ及び第2のトランジスタの導電型は、p型であり、第1のシリサイド膜及び第2のシリサイド膜を構成する結晶粒の結晶粒径は、10nm以上であって且つ130nm以下であることが好ましい。
本発明に係る第1の半導体装置において、第1のトランジスタ及び第2のトランジスタの導電型は、n型であり、第1のシリサイド膜及び第2のシリサイド膜を構成する結晶粒の結晶粒径は、10nm以上であって且つ70nm以下であることが好ましい。
本発明に係る第1の半導体装置において、第1のシリサイド膜及び第2のシリサイド膜は、チタンシリサイド膜、コバルトシリサイド膜、ニッケルシリサイド膜、白金シリサイド膜、ハフニウムシリサイド膜、又はパラジウムシリサイド膜からなることが好ましい。
前記の目的を達成するため、本発明に係る第2の半導体装置は、半導体基板における素子分離領域に囲まれた活性領域上に、ゲート電極を有するトランジスタを備えた半導体装置において、トランジスタは、活性領域上に形成されたゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、ゲート電極の側面上に形成されたサイドウォールスペーサと、活性領域におけるサイドウォールスペーサの外側方下に形成された高濃度拡散層と、高濃度拡散層の上部に形成されたシリサイド膜とを備え、シリサイド膜を構成する結晶粒の結晶粒径は、活性領域のうちゲート幅方向の幅以下であることを特徴とする。
本発明に係る第2の半導体装置によると、シリサイド膜を構成する結晶粒の結晶粒径が、活性領域のゲート幅方向の幅以下であるため、特に接合リーク電流の発生を防止できる。
本発明に係る第2の半導体装置において、トランジスタの導電型は、p型であり、シリサイド膜を構成する結晶粒の結晶粒径は、10nm以上であって且つ130nm以下であることが好ましい。
本発明に係る第2の半導体装置において、トランジスタの導電型は、n型であり、シリサイド膜を構成する結晶粒の結晶粒径は、10nm以上であって且つ70nm以下であることが好ましい。
本発明に係る第2の半導体装置において、シリサイド膜は、チタンシリサイド膜、コバルトシリサイド膜、ニッケルシリサイド膜、白金シリサイド膜、ハフニウムシリサイド膜、又はパラジウムシリサイド膜からなることが好ましい。
本発明に係る半導体装置及びその製造方法によると、単体膜と含有膜とが順次積層された金属層が、半導体基板上に形成された状態で熱処理することにより、金属層の金属と高濃度拡散層のSiとを緩やかに且つ断続的に反応させることができるため、比較的小さい結晶粒径(例えば、第1のサイドウォールスペーサと第2のサイドウォールスペーサ間の間隔以下の結晶粒径、又は活性領域のゲート幅方向の幅以下の結晶粒径)を有し、且つ結晶粒径のバラツキの比較的小さいシリサイド膜を形成することができる。このため、シリサイド膜には、Siとの界面に凹凸の発生がなく、シリサイド膜での凸状に形成された部分によるリーク電流の発生を防止できる。
以下に、本発明の各実施形態について、図面を参照しながら説明する。
ここで、リーク電流の累積分布(後述する図6(a) 及び(b) 参照)の結果、シリサイド膜の結晶粒径の分布(後述する図3(a) 及び(b) 参照)の結果等に基づいて、本件発明者らが鋭意検討を重ねた結果、従来のシリサイド膜でのNiSi−Si界面に凹凸が発生するメカニズムは、以下のように推測される。このメカニズムについて、図11(a) 〜(e) を参照しながら説明する。図11(a) 〜(e) は、従来のシリサイド膜でのNiSi−Si界面に凹凸が発生するメカニズムについて示す図である。なお、このメカニズムの説明は、簡略的に説明する為に、シリコンからなる半導体基板に形成されたp型(又はn型)拡散層の上部に、従来のシリサイド膜の形成方法を用いて従来のシリサイド膜を形成する場合を具体例に挙げて説明する。また、簡略的に図示する為に、図11(b) 中に示す「種」は円状に図示し、及び図11(c) 〜(d) 中に示す「結晶粒」は楕円状に図示しており、何れも実際の形状とは異なる場合がある。
図11(a) に示すように、イオン注入法により、シリコンからなる半導体基板700にp型不純物(又はn型不純物)を注入することにより、半導体基板700にp型(又はn型)拡散層を形成する。その後、HF系薬液を用いた洗浄処理を行い、拡散層の表面に形成されている自然酸化膜(図示せず)等を除去した後、半導体基板700上に、Ni膜からなる金属膜701を形成する。
次に、図11(b) に示すように、1回目の熱処理が開始されると、拡散層の上部に、Niシリサイドの種702が不均一に拡散されて形成される。このように、1回目の熱処理の開始に伴い、金属膜701のNiが拡散層中に急激に拡散されるため、種702は、拡散層の上部に不均一に形成される。特に、Ni/Si界面の清浄状態が不均一な場合、種702は、拡散層の上部により一層不均一に形成される。
次に、図11(c) に示すように、1回目の熱処理が進むに従い、金属膜701のNiが、種702に向かって拡散されて、種702が成長してNiシリサイドの結晶粒703が形成されると共に、結晶粒703間の間隙に拡散路704が局所的に発生する。
次に、図11(d) に示すように、1回目の熱処理がさらに進むに従い、金属膜701のNiが、局所的に発生した拡散路704を通って拡散される。これにより、深さ方向へのNi拡散が支配的になり、拡散路704を塞ぐようにNiシリサイドの結晶粒705が形成される。
最後に、図11(e) に示すように、半導体基板700上に残存する未反応の金属膜701を除去した後、2回目の熱処理により、拡散層の上部にNiSi膜からなるシリサイド膜706が形成される。なお、シリサイド膜706中に図示される点線は、結晶粒界を示す。
このようにして、比較的大きい結晶粒径を有しNiSi/Si界面に凹凸が発生し、深さ方向に伸びた異常成長部707、及び横方向に伸びた異常成長部708を有するシリサイド膜706が形成されると推測される。
ここで、シリサイド膜706において、深さ方向に伸びた異常成長部707、及び横方向に伸びた異常成長部708が形成される要因として、本件発明者等は以下のように推測する。
まず、深さ方向に伸びた異常成長部707が形成される要因を、本件発明者らは次のように推測する。従来のシリサイド膜の形成方法では、1回目の熱処理の開始に伴い、拡散層中に金属膜701のNiが急激に拡散され、種702が不均一に形成される(図11(b) 参照)。そのため、結晶粒703が不均一に形成されて、拡散路704が局所的に発生し(図11(c) 参照)、局所的に発生した拡散路704を通って、金属膜701のNiが拡散層中に継続的に拡散され、深さ方向に伸びる結晶粒705が形成される(図11(d) 参照)。このため、図11(e) に示すように、シリサイド膜706において、深さ方向に伸びた異常成長部707が形成されると推測される。
次に、横方向に伸びた異常成長部708が形成される要因を、本件発明者らは次のように推測する。従来のシリサイド膜の形成方法では、1回目の熱処理の開始に伴い、拡散層中に金属膜701のNiが急激に拡散され、1回目の熱処理の期間中、拡散層中への金属膜701のNi拡散は、断続されることなく継続的に続く(図11(b) 〜(d) 参照)。このため、結晶粒径は断続されることなく継続的に成長し、図11(e) に示すように、シリサイド膜706において、横方向に伸びた異常成長部708が形成されると推測される。
従って、従来の半導体装置では、シリサイド膜のうち深さ方向に伸びた異常成長部(図11(e):707参照)が、高濃度拡散層の接合部に近接する、又は高濃度拡散層を突き抜けるため、接合リーク電流が発生すると考えられる。また、シリサイド膜のうち横方向に伸びた異常成長部(図11(e):708参照)が、サイドウォールスペーサ下にまで伸びるため、ソースドレイン間リーク電流が発生すると考えられる。
以上のように、従来の半導体装置の製造方法では、高濃度拡散層の接合深さに応じて所定の膜厚に設定された金属膜のNiと、Siとを急激に且つ継続的に反応させるため、不均一に形成された結晶粒が継続的に成長するので、比較的大きい結晶粒径を有するシリサイド膜が形成され、シリサイド膜において、深さ方向に伸びる異常成長部、及び横方向に伸びる異常成長部が形成される、すなわち、Siとの界面に凹凸が発生すると考えられる。
そこで、本件発明者等は、上記の考察に基づいてさらに鋭意検討を重ねた結果、シリサイド膜でのSiとの界面に凹凸が発生することを防止するには、比較的小さい結晶粒径を有するシリサイド膜を形成することが重要であることを見出し、さらに、金属(例えばNi)とSiとを緩やかに且つ断続的に反応させることによって、均一に形成された結晶粒を断続的に成長させて、比較的小さい結晶粒径を有するシリサイド膜が形成されることを見出した。
(第1の実施形態)
以下に、本発明の第1の実施形態に係るシリサイド膜の形成方法について、図1(a) 〜(c) を参照しながら説明する。図1(a) 〜(c) は、本発明の第1の実施形態に係るシリサイド膜の形成方法を工程順に示す要部工程断面図である。
図1(a) に示すように、イオン注入法により、シリコンからなる半導体基板100にp型不純物(又はn型不純物)を注入し、半導体基板100にp型(又はn型)拡散層を形成する。その後、in−situ前処理により、拡散層の表面に形成されている自然酸化膜(図示せず)等を除去する。ここで、in−situ前処理とは、次の通りである。マイクロ波電源が1kW,ガス流量がN2/H2/NF3=850/100/200cc/min,圧力が400Paの下、水素ガスにマイクロ波を照射して水素ラジカルを生成し、NF3ガスを活性化させて、NHxyガス(エッチャントガス)を生成する。このエッチャントガスを、リモートプラズマ方式により、半導体基板100上に供給し、該エッチャントガスと、拡散層表面の自然酸化膜とを反応させて、自然酸化膜を除去する(すなわち、ケミカルドライエッチング法により、自然酸化膜を除去する)。その後、エッチャントガスと自然酸化膜との反応時に生成した副生成物を、180℃,100秒のアニール処理により、昇華させて除去する。このようにして、表面の清浄状態が均一の拡散層を得る。
次に、図1(b) に示すように、スパッタ法により、Ni膜からなる単体膜と、窒素を含有しNi膜からなる含有膜とが順次積層された金属層103を形成する。詳細には、金属層103は、図1(b) に示すように、単体膜101a,含有膜102a,単体膜101b,含有膜102b,及び単体膜101cが順次積層された層である。ここで、単体膜101a,101b,101cとしては、例えば、ガス流量がAr=80cc/min,圧力が0.4Pa,DCパワーが3kWの下、10秒間の成膜を行い、膜厚が5nmの単体膜を形成する。また、含有膜102a,102bとしては、例えば、ガス流量がAr/N2=40/60cc/min,圧力が0.05Pa,DCパワーが3kWの下、20秒間の成膜を行い、膜厚が5.5nmの含有膜を形成する。
次に、図1(c) に示すように、例えば330℃,60秒の1回目の熱処理を行い、金属層103のNiと、拡散層のSiとを反応させる。その後、硫酸若しくは塩酸と過酸化水素水とを混合させた酸性薬液、又は水酸化アンモニウムと過酸化水素水とを混合させたアルカリ性薬液を用いて、半導体基板100上に残存する未反応の金属層103を除去する。その後、例えば450℃,60秒の2回目の熱処理を行う。このようにして、拡散層の上部に、NiSi膜からなるシリサイド膜104を形成する。なお、シリサイド膜104中に図示される点線は、結晶粒界を示す。
以上のようにして、本実施形態に係るシリサイド膜を形成することができる。
本実施形態によると、従来のようにNi膜のみからなる金属膜を採用するのではなく、図1(b) に示すように、Ni膜のみからなる単体膜と、窒素を含有しNi膜からなる含有膜とが順次積層された金属層103を用いる。これにより、金属層103のNiと拡散層のSiとを緩やかに且つ断続的に反応させることができるため、拡散層の上部に均一に形成された結晶粒を断続的に成長させて、比較的小さい結晶粒径(具体的には例えば、サイドウォールスペーサ間の間隔以下の結晶粒径、又は活性領域のゲート幅方向の幅以下の結晶粒径)を有するシリサイド膜104を形成することができる。このため、シリサイド膜104でのNiSi/Si界面に凹凸が発生することを防止できる。
すなわち、従来では、Ni膜のみからなる金属膜において、その膜厚を、高濃度拡散層の接合深さのみを考慮して設定するのに対し、本実施形態では、単体膜と含有膜とが順次積層された金属層において、単体膜の膜厚、含有膜の膜厚、及び含有膜の窒素含有量を、高濃度拡散層の接合深さに加えて、シリサイド膜が形成される領域のスケールを考慮して設定する。具体的には例えば、高濃度拡散層の接合深さに加えて、シリサイド膜が形成される領域のうち最も狭い領域(具体的には例えば、サイドウォールスペーサ間に挟まれた高濃度拡散層、又はゲート電極と直交する素子分離領域間に挟まれた高濃度拡散層)を考慮して設定する。これにより、従来のような無秩序なNi拡散ではなく、多段階に分けて制御されたNi拡散を実現できるので、シリサイド膜でのSiとの界面に凹凸が発生することを防止できる。
また、近年、Niの急激な拡散の抑制を目的に、半導体基板とNi膜のみからなる金属膜との間に、抑制膜が介在している状態で熱処理する方法が提案されているが、この方法では、シリサイド反応の初期段階において抑制膜による抑制効果が得られたとしても、抑制膜が破れた途端に、この破れを通じてNiが深さ方向に向かって支配的に拡散されて、異常成長部を有するシリサイド膜が形成されるという問題がある。これに対し、本実施形態では、半導体基板上に、単体膜と含有膜とが順次積層された金属層が形成された状態で熱処理する方法を採用するため、Niの急激な拡散を効果的に抑制することができる。
ここで、リーク電流の累積分布(後述する図6(a) 及び(b) 参照)の結果、シリサイド膜の結晶粒径の分布(後述する図3(a) 及び(b) 参照)の結果等に基づいて、本件発明者らは、本発明のシリサイド膜が形成されるメカニズムについて、以下のように推測する。このメカニズムについて、図2(a) 〜(f) を参照しながら説明する。図2(a) 〜(f) は、本発明のシリサイド膜が形成されるメカニズムについて示す図である。なお、図2(a) は前述の図1(b) と対応し、図2(f) は前述の図1(c) と対応している。また、このメカニズムの説明は、簡略的に図示する為に、図2(b) 中に示す「種」、及び図2(c) 〜(e) 中に示す「結晶粒」は、何れも円状に図示しており、実際の形状とは異なる場合がある。
1回目の熱処理の開始に伴い、主に単体膜101aのNiが、拡散層中に均一に拡散される。これにより、図2(b) に示すように、拡散層の上部に、Niシリサイドの種200が均一に形成される。このように、本実施形態では、拡散層中に拡散されるNiの拡散源は主に単体膜101aであり、単体膜101aは膜厚が比較的薄く形成されていること、拡散層の表面の清浄状態が均一であることから、種200は拡散層の上部に均一に形成される。
1回目の熱処理が進むに従い、膜厚が比較的薄い単体膜101aのNiが、種200に向かって緩やかに拡散されて種200が緩やかに成長し、Niシリサイドの結晶粒(図2(c):201参照)が形成される。
単体膜101aのNiが消費されると、図2(c) に示すように、含有膜102aが半導体基板100上を覆う。これにより、含有膜102a上に形成された単体膜101bからのNi拡散を抑制する。
それと共に、窒素を含有する含有膜102aのNiが、結晶粒201間の間隙に発生している均一な拡散路(図2(c):矢印参照)を通って緩やかに拡散されると共に、結晶粒201に向かって緩やかに拡散される。これにより、Niが急激に拡散されて不均一な拡散路が発生することを防止すると共に、結晶粒201が急激に成長してその結晶粒径が急激に大きくなることを防止する。このように、均一な粒界拡散により、拡散層中に新たなNiシリサイドの種を均一に形成し、その種を緩やかに成長させて新たなNiシリサイドの結晶粒を均一に形成する。このようにして、結晶粒径の小さい結晶粒を層状に形成する。
なお、単体膜からのNi拡散速度は、含有膜からのNi拡散速度よりも速いと推測される。これは、窒素の有無に基づく差異によるものと考えている。また、均一な拡散路を通って拡散されるNi量は、結晶粒に向かって拡散されるNi量よりも多いと推測される。これは、結晶粒に向かって拡散されるNiは結晶粒(すなわちNiシリサイド)に供給されるのに対し、均一な拡散路を通って拡散されるNiは拡散層中のSiに供給されることによるものと考えている。
含有膜102aのNiが消費されると、単体膜101bが半導体基板100上を覆う。そして、単体膜101bのNiが、均一なNi拡散路を通って緩やかに拡散されてNiシリサイドの結晶粒(図2(d):202参照)が均一に形成されると共に、結晶粒に向かって緩やかに拡散されて結晶粒が緩やかに成長し、Niシリサイドの結晶粒(図2(d):203参照)が形成される。
単体膜101bのNiが消費されると、図2(d) に示すように、含有膜102bが半導体基板100上を覆う。これにより、含有膜102b上に形成された単体膜101cからのNi拡散を抑制する。それと共に、含有膜102bのNiが、結晶粒203間の間隙に発生している均一な拡散路(図2(d):矢印参照)を通って緩やかに拡散されると共に、結晶粒203に向かって緩やかに拡散される。
含有膜102bのNiが消費されると、図2(e) に示すように、単体膜101cが半導体基板100上を覆う。そして、単体膜101cのNiが、均一なNi拡散路(図2(e):矢印参照)を通って緩やかに拡散されて結晶粒202が緩やかに成長し、Niシリサイドの結晶粒204が形成されると共に、結晶粒203に向かって緩やかに拡散されて結晶粒203が緩やかに成長し、Niシリサイドの結晶粒205が形成される。
その後、半導体基板100上に残存する未反応の金属層103を除去した後、2回目の熱処理を行う。このようにして、図2(f) に示すように、比較的小さい結晶粒径を有し、NiSi/Si界面に凹凸の発生のないシリサイド膜104が形成されると推測される。
以下に、本発明の効果について有効に説明する為に、第1の実施形態に係るシリサイド膜の形成方法で形成された本発明のシリサイド膜と、従来のシリサイド膜の形成方法で形成された従来のシリサイド膜とを比較しながら説明する。
本件発明者らが、結晶粒径(グレインサイズ)について、本発明のシリサイド膜と従来のシリサイド膜とで比較したところ、以下に示すことが判った。結晶粒径の結果について、図3(a) 及び(b) を参照しながら説明する。図3(a) 及び(b) は、シリサイド膜の結晶粒径の分布を示すグラフである。具体的には、図3(a) は、p型拡散層の上部に形成されたシリサイド膜の結晶粒径の分布を示すグラフであり、詳細には、実線は本発明のシリサイド膜について示し、破線は従来のシリサイド膜について示す。一方、図3(b) は、n型拡散層の上部に形成されたシリサイド膜の結晶粒径の分布を示すグラフであり、詳細には、実線は本発明のシリサイド膜について示し、破線は従来のシリサイド膜について示す。
ここで、結晶粒径の評価方法は、次の通りである。
従来のシリサイド膜、及び本発明のシリサイド膜のそれぞれのSEM(走査型顕微鏡写真)像、又はTEM(透過型顕微鏡写真)像に対し、線インターセプト法を用いて、平均結晶粒径を求めた。なお、SEM像(又はTEM像)については、結晶粒の面積に対し約10倍の面積を有するSEM像(又はTEM像)領域を対象とした。
まず、p型拡散層の上部に形成された従来のシリサイド膜と、p型拡散層の上部に形成された本発明のシリサイド膜とを比較したところ、以下に示すことが判明した。
従来のシリサイド膜の場合、図3(a) の破線に示すように、頻度の最も高い結晶粒径は120nm〜130nmであり、結晶粒径の範囲は数10nm〜200nm強である。このことから、1)頻度の最も高い結晶粒径は120nm〜130nmと非常に大きいこと、2)結晶粒径の範囲は数10nmから200nm強までに至り、結晶粒径のバラツキが大きいこと、が判明した。
これに対し、本発明のシリサイド膜の場合、図3(a) の実線に示すように、頻度の最も高い結晶粒径は60nmであり、結晶粒径の範囲は10nm〜130nmである。このことから、1)頻度の最も高い結晶粒径は、従来に比べて約2分の1にまで小さくなっていること、2)結晶粒径のバラツキは、従来に比べて小さくなっていること、が判明した。
次に、n型拡散層の上部に形成された従来のシリサイド膜と、n型拡散層の上部に形成された本発明のシリサイド膜とを比較したところ、以下に示すことが判明した。
従来のシリサイド膜の場合、図3(b) の破線に示すように、頻度の最も高い結晶粒径は160nm〜180nmであり、結晶粒径の範囲は100nm弱〜300nm弱である。このことから、1)頻度の最も高い結晶粒径は160nm〜180nmと非常に大きいこと、2)結晶粒径の範囲は100nm弱から300nm弱までに至り、バラツキが大きいこと、が判明した。
これに対し、本発明のシリサイド膜の場合、図3(b) の実線に示すように、頻度の最も高い結晶粒径は、30nmであり、結晶粒径の範囲は10nm〜70nmである。このことから、1)頻度の最も高い結晶粒径は、従来に比べて約6分の1にまで小さくなっていること、2)結晶粒径のバラツキは、従来に比べて極めて小さくなっていること、が判明した。
これらのことから、Siとの界面に凹凸の発生のないシリサイド膜を実現するには、結晶粒径を小さくすると共にそのバラツキを小さくすることが重要であることが判る。
以下に、シリサイド膜の結晶粒径を小さくすることが、リーク電流の発生の防止に効果的である理由について、図4(a) 及び図4(b) を参照しながら説明する。図4(a) は、高濃度拡散層の上部に本発明のシリサイド膜が形成された場合について示す図であり、図4(b) は高濃度拡散層の上部に従来のシリサイド膜が形成された場合について示す図である。この説明では、図4(a) 及び(b) に示すように、サイドウォールスペーサ幅Waが40nm、互いに隣り合うサイドウォールスペーサ間の間隔Wbが60nm、互いに隣り合うゲート電極間の間隔Wcが140nmの半導体装置を具体例に挙げて説明する。
例えば、p型拡散層の上部に形成された従来のシリサイド膜の場合、頻度の最も高い結晶粒径は120nm〜130nmであり(図3(a) 参照)、図4(b) に示すように、p型高濃度拡散層の上部に形成されるシリサイド膜の結晶粒Pの結晶粒径が120nm〜130nmであり、結晶粒Pの形状が円状であると仮定すると、結晶粒Pはサイドウォールスペーサ間の領域を超えてサイドウォールスペーサ下にも存在しており、ソースドレイン間リーク電流が発生することが判る。また、n型拡散層の上部に形成された従来のシリサイド膜の場合、頻度の最も高い結晶粒径は160nm〜180nmであり(図3(b) 参照)、図4(b) に示すように、n型高濃度拡散層の上部に形成されるシリサイド膜の結晶粒Nの結晶粒径が160nm〜180nmであり、結晶粒Nの形状が円状であると仮定すると、結晶粒Nはサイドウォールスペーサ間の領域を超えてサイドウォールスペーサ下にも存在しており、ソース・ドレイン間リーク電流が発生することが判る。
なお、図4(b) では、結晶粒P及び結晶粒Nの中央が、サイドウォールスペーサ間の中央に位置する場合を具体例に挙げて説明したが、結晶粒P及び結晶粒Nの中央が、サイドウォールスペーサ間の何れに位置する場合であっても、結晶粒径がサイドウォールスペーサ間の間隔Wbである60nmを超えると、ソースドレイン間リーク電流が発生することは言うまでもない。
これに対し、p型拡散層の上部に形成された本発明のシリサイド膜の場合、頻度の最も高い結晶粒径は60nmであり(図3(a) 参照)、図4(a) に示すように、p型高濃度拡散層の上部に形成されるシリサイド膜の結晶粒Pの結晶粒径が60nmであり、結晶粒Pの形状が円状であると仮定すると、結晶粒Pはサイドウォールスペーサ間の領域に存在しており、ソース・ドレイン間リーク電流が発生することはない。但し、結晶粒Pの中央が、図4(a) に示すようにサイドウォールスペーサ間の中央に位置せず、サイドウォールスペーサ間の中央から外れて位置する場合、結晶粒Pがサイドウォールスペーサ下にも存在する可能性が高くなるものの、本発明のシリサイド膜が、従来のシリサイド膜と比較して、ソースドレイン間リーク電流の発生を有効に防止できることが判る。また、n型拡散層の上部に形成された本発明のシリサイド膜の場合、頻度の最も高い結晶粒径は30nmであり(図3(b) 参照)、図4(a) に示すように、n型高濃度拡散層の上部に形成されるシリサイド膜の結晶粒Nの結晶粒径が30nmであり、結晶粒Nの形状が円状であると仮定すると、結晶粒Nはサイドウォールスペーサ間の領域に存在しており、ソース・ドレイン間リーク電流が発生することはない。加えて、結晶粒Nの中央が、図4(a) に示すようにサイドウォールスペーサ間の中央に位置せず、サイドウォールスペーサ間の中央から外れて位置する場合においても、結晶粒Nがサイドウォールスペーサ下に存在する可能性は低く、本発明のシリサイド膜が、従来のシリサイド膜と比較して、ソースドレイン間リーク電流の発生を非常に有効に防止できることが判る。
なお、第1の実施形態では、含有膜102a,102bとして、窒素を含有するNi膜を用いた場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば酸素を含有するNi膜を用いた場合においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、第1の実施形態では、金属層103に含まれる金属としてニッケルを用いた場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、チタン、コバルト、白金、ハフニウム、又はパラジウムを用いてもよく、その場合、シリサイド膜104として、チタンシリサイド膜、コバルトシリサイド膜、白金シリサイド膜、ハフニウムシリサイド膜、又はパラジウムシリサイド膜が形成される。
また、第1の実施形態では、金属層103として、単体膜101a,含有膜102a,単体膜101b,含有膜102b,及び単体膜101cの5膜が順次積層された金属層を用いた場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
第1に例えば、単体膜と含有膜との2膜が順次積層された金属層を用いてもよい。この場合、単体膜の膜厚を薄く、含有膜の膜厚を厚く形成することが好ましい。これにより、金属層に含まれる金属を、拡散層中に緩やかに且つ断続的に拡散させることができる。
第2に例えば、単体膜、含有膜、及び単体膜の3膜が順次積層された金属層を用いてもよい。この場合、上記の場合と同様に単体膜の膜厚を薄く、含有膜の膜厚を厚く形成することが好ましい。なお、金属層の構成が3膜以上の場合、単体膜の膜厚と含有膜の膜厚とを同一に形成してもよい。
(第2の実施形態)
以下に、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図5(a) 〜(c) を参照しながら説明する。図5(a) 〜(c) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す要部工程断面図である。なお、第2の実施形態に係る半導体装置は、第1の実施形態に係るシリサイド膜の形成方法を用いて形成されたシリサイド膜を、高濃度拡散層の上部に有する半導体装置である。
図5(a) に示すように、STI(Shallow Trench Isolation)法により、シリコンからなる半導体基板300の上部に、トレンチ内に絶縁膜が埋め込まれた素子分離領域301を選択的に形成する。これにより、素子分離領域301によって囲まれた半導体基板300からなる活性領域300xが形成される。
次に、活性領域300x上に、例えば膜厚が2nmのシリコン酸化膜からなる第1のゲート絶縁膜302aを介して、例えば膜厚が120nmのポリシリコン膜からなる第1のゲート電極303aを形成すると共に、活性領域300x上に、例えば膜厚が2nmのシリコン酸化膜からなる第2のゲート絶縁膜302bを介して、例えば膜厚が120nmのポリシリコン膜からなる第2のゲート電極303bを形成する。その後、イオン注入法により、第1,第2のゲート電極303a,303bをマスクにして、活性領域300xにp型不純物(又はn型不純物)を注入することにより、活性領域300xにおける第1のゲート電極303aの側方下に、接合深さが比較的浅いp型(又はn型)第1の低濃度拡散層304aを形成すると共に、活性領域300xにおける第2のゲート電極303bの側方下に、接合深さが比較的浅いp型(又はn型)第2の低濃度拡散層304bを形成する。
次に、第1のゲート電極303aの側面上に第1のサイドウォールスペーサ305aを形成すると共に、第2のゲート電極303bの側面上に第2のサイドウォールスペーサ305bを形成する。その後、イオン注入法により、第1,第2のゲート電極303a,303b及び第1,第2のサイドウォールスペーサ305a,305bをマスクにして、活性領域300xにp型不純物(又はn型不純物)を注入することにより、活性領域300xにおける第1のサイドウォールスペーサ305aの外側方下に、p型(又はn型)第1の高濃度拡散層306aを形成すると共に、活性領域300xにおける第2のサイドウォールスペーサ305bの外側方下に、p型(又はn型)第2の高濃度拡散層306bを形成する。
次に、第1の実施形態でのin−situ前処理の条件と同様の条件で、第1,第2の高濃度拡散層306a,306bの表面、及び第1,第2のゲート電極303a,303bの表面に形成されている自然酸化膜(図示せず)等を除去する。
次に、図5(b) に示すように、第1の実施形態での金属層(図1(a):108参照)形成条件と同様の条件で、半導体基板300上に、単体膜307a、含有膜308a、単体膜307b、含有膜308b、及び単体膜307cが順次積層された金属層309を形成する。
次に、図5(c) に示すように、RTA装置を用いて、例えば330℃,60秒の1回目の熱処理を行い、第1,第2のゲート電極303a,303b及び第1,第2の高濃度拡散層306a,306bのSiと金属層309のNiとを反応させる。その後、例えば硫酸若しくは塩酸と過酸化水素水とを混合させた酸性薬液、又は水酸化アンモニウムと過酸化水素水とを混合させたアルカリ性薬液を用いて、半導体基板300上に残存する未反応の金属層309を除去する。その後、例えば450℃,60秒の2回目の熱処理を行う。このようにして、第1のゲート電極303aの上部にNiSi膜からなる第1のゲート上シリサイド膜310aを形成すると共に、第1の高濃度拡散層306aの上部にNiSi膜からなるシリサイド膜311aを形成する。一方、第2のゲート電極303bの上部にNiSi膜からなる第2のゲート上シリサイド膜310bを形成すると共に、第2の高濃度拡散層306bの上部にNiSi膜からなるシリサイド膜311bを形成する。
以上のようにして、本実施形態に係る半導体装置を製造することができる。
本実施形態によると、Ni膜からなる単体膜と、窒素を含有しNi膜からなる含有膜とが順次積層された金属層309が、半導体基板300上の全面に形成された状態で熱処理することにより、金属層309のNiと高濃度拡散層306a,306bのSiとを緩やかに且つ断続的に反応させることができるため、比較的小さい結晶粒径(すなわち、第1のサイドウォールスペーサ305aと第2のサイドウォールスペーサ305b間の間隔以下の結晶粒径)を有し、且つ結晶粒径のバラツキの比較的小さいシリサイド膜311a,311bを形成することができる。このため、シリサイド膜311a,311bには、NiSi/Si界面に凹凸の発生がなく、深さ方向に伸びる異常成長部(図11(e):707参照)による接合リーク電流の発生を防止できると共に、横方向に伸びる異常成長部(図11(e):708参照)によるソースドレイン間リーク電流の発生を防止できる。
以下に、本発明の効果について有効に説明する為に、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法で製造された本発明の半導体装置と、従来の半導体装置の製造方法で製造された従来の半導体装置とを比較しながら説明する。
本件発明者らが、リーク電流について、本発明の半導体装置と従来の半導体装置とで比較したところ、以下に示すことが判った。リーク電流の結果について、図6(a) 及び(b) を参照しながら説明する。図6(a) 及び(b) は、リーク電流の累積分布を示すグラフである。具体的には、図6(a) は、p型MOSトランジスタでの接合リーク電流の累積分布を示すグラフであり、詳細には、○は本発明の半導体装置について示し、△は従来の半導体装置について示す。一方、図6(b) は、n型MOSトランジスタでのソースドレイン間リーク電流の累積分布を示すグラフであり、詳細には、○は本発明の半導体装置について示し、△は従来の半導体装置について示す。なお、図6(a) 中での横軸は接合リーク電流を示し、図6(b) 中での横軸はソースドレイン間リーク電流を示し、例えば1.E−02とは1×10-2を意味する。
まず、p型MOSトランジスタでの接合リーク電流について、従来と本発明とで比較したところ、以下に示すことが判明した。
図6(a) に示すように、従来の場合、約半数のショットが主分布から外れており、このことから、約半数のショットにおいて接合リーク電流が劣化していることが判る。これに対し、本発明の場合、何れのショットにおいても接合リーク電流の劣化は観測されない。
次に、n型MOSトランジスタでのソースドレイン間リーク電流について、従来と本発明とで比較したところ、以下に示すことが判明した。
図6(b) に示すように、従来の場合、約半数のショットが主分布から外れており、このことから、約半数のショットにおいてソースドレイン間リーク電流が劣化していることが判る。これに対し、本発明の場合、何れのショットにおいてもソースドレイン間リーク電流の劣化は観測されない。
このように、本発明の半導体装置では、従来の半導体装置と比較して、p型MOSトランジスタでの接合リーク電流の発生を有効に防止できると共に、n型MOSトランジスタでのソースドレイン間リーク電流の発生を有効に防止できることが判る。
なお、上記の説明では、p型MOSトランジスタにおいて発生するリーク電流のうち、ソースドレイン間リーク電流よりも発生頻度の高い接合リーク電流を具体例に挙げて検討した。一方、n型MOSトランジスタにおいて発生するリーク電流のうち、接合リーク電流よりも発生頻度の高いソースドレイン間リーク電流を具体例に挙げて検討した。
また、本件発明者らは、本発明の半導体装置の構造、及び従来の半導体装置の構造を解析するために、TEM像を用いて、各半導体装置の断面(詳細には、p型MOSトランジスタの断面)の解析を行った。p型MOSトランジスタの断面TEM像について、本発明と従来とで比較したところ、以下に示すことが判った。p型MOSトランジスタの断面TEM像について、図7及び図8を参照しながら説明する。図7は、本発明の半導体装置を構成するp型MOSトランジスタの断面TEM像である。一方、図8は、従来の半導体装置を構成するp型MOSトランジスタの断面TEM像である。
図8に示すように、従来の場合、サイドウォールスペーサ402間に挟まれた高濃度拡散層の上部に形成されたシリサイド膜404Bは、NiSi−Si界面において凸凹が顕著に発生していることが判明した。さらに、シリサイド膜404Bは、サイドウォールスペーサ402下に入り込んで形成されていることも判明した。
これに対し、本発明の場合、サイドウォールスペーサ402間に挟まれた高濃度拡散層の上部に形成されたシリサイド膜404Aは、NiSi−Si界面において凹凸が発生しておらず、その界面が非常にスムーズであることが判明した。さらに、シリサイド膜404Aは、サイドウォールスペーサ402下に入り込んで形成されていないことも判明した。
このように、本発明のシリサイド膜404Aは、従来のシリサイド膜404Bのように深さ方向の異常成長部408、及び横方向の異常成長部409が形成されないため、本発明の半導体装置では、深さ方向の異常成長部による接合リーク電流の発生を防止できると共に、横方向の異常成長部によるソースドレイン間リーク電流の発生を防止できることが判る。
なお、断面TEM像の検討に用いた半導体装置の構成は、以下に示す通りである。
この半導体装置は、シリコンからなる半導体基板400と、半導体基板400上に形成されたゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極401と、ゲート電極401の側面上に形成された断面形状がL字状のサイドウォールスペーサ402と、活性領域におけるゲート電極401の側方下に形成された低濃度拡散層と、活性領域におけるサイドウォールスペーサ402の外側方下に形成された高濃度拡散層と、ゲート電極401の上部に形成されたゲート上シリサイド膜403と、高濃度拡散層の上部に形成されたシリサイド膜(図7:404A,図8:404B)と、ゲート電極401上に形成されたライナー膜405(特に図8参照)と、ライナー膜405上に形成された層間絶縁膜406と、ライナー膜405及び層間絶縁膜406中に形成され、シリサイド膜(図7:404A,図8:404B)を介して高濃度拡散層と電気的に接続するコンタクトプラグ407とを備えている。
なお、第2の実施形態では、素子分離領域に囲まれた活性領域上に2つ以上のMOSトランジスタを有する半導体装置において、リーク電流の発生頻度が最も高いと予想されるサイドウォールスペーサ間に挟まれた高濃度拡散層(すなわち、シリサイド膜が形成される領域のうち最も狭い領域)に着目して、シリサイド膜を構成する結晶粒の結晶粒径を、サイドウォールスペーサ間の間隔以下とすることによって、リーク電流の発生を防止する場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
その他の変形例について、図9(a) 及び(b) を参照しながら説明する。図9(a) 及び(b) は、本発明のその他の変形例に係る半導体装置の構造について示す断面図である。具体的には、図9(a) はゲート長方向の断面図であり、一方、図9(b) はゲート幅方向の断面図であって、詳細には、図9(a) に示すIXb-IXb線における断面図である。
図9(a) に示す半導体装置は、素子分離領域501に囲まれた半導体基板500からなる活性領域500xと、活性領域500x上に形成されたゲート絶縁膜502と、ゲート絶縁膜502上に形成されたゲート電極503と、ゲート電極503の側面上に形成されたサイドウォールスペーサ505と、活性領域500xにおけるゲート電極503の側方下に形成された低濃度拡散層504と、活性領域500xにおけるサイドウォールスペーサ505の外側方下に形成された高濃度拡散層506と、ゲート電極503の上部に形成されたゲート上シリサイド膜510と、高濃度拡散層506の上部に形成されたシリサイド膜511とを備えている。
図9(a) に示すように、素子分離領域501に囲まれた活性領域500x上にMOSトランジスタを有する半導体装置において、活性領域500xのゲート幅方向の幅(図9(b):W参照)が非常に狭い場合、ゲート電極503と直交する素子分離領域501間に挟まれた高濃度拡散層506において、シリサイド膜が深さ方向に伸びて形成される可能性が非常に高く、接合リーク電流が発生する可能性が非常に高い。
そのため、リーク電流の発生頻度が最も高いと予想される素子分離領域501間に挟まれた高濃度拡散層506に着目して、シリサイド膜511を構成する結晶粒の結晶粒径を、活性領域500xのゲート幅方向の幅(すなわち、ゲート電極503と直交する素子分離領域501間の間隔)W以下とすることによって、リーク電流の発生を防止できる。
このようなシリサイド膜511の形成は、第2の実施形態と同様に、半導体基板500上の全面に、単体膜と含有膜とが順次積層された金属層が形成された状態で熱処理することにより行うことができる。これにより、比較的小さい結晶粒径を有し、且つ結晶粒径のバラツキの比較的少ないシリサイド膜511、すなわち、Siとの界面に凹凸の発生のないシリサイド膜511を形成することができる。なお、シリサイド膜511を構成する結晶粒の結晶粒径を、活性領域500xのゲート幅方向の幅W以下とするには、単体膜の膜厚、含有膜の膜厚、及び含有膜のガス含有量を、適宜設定することによって実現できる。
以上のように、半導体装置においてシリサイド膜が形成される領域のうち最も狭い領域、すなわち、リーク電流の発生頻度が最も高いと予想される領域に着目して、シリサイド膜を構成する結晶粒の結晶粒径を設定することにより、リーク電流の発生を防止できる。
また、第2の実施形態では、含有膜308a,308bとして、窒素を含有するNi膜を用いた場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば酸素を含有するNi膜を用いた場合においても、第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、第2の実施形態では、金属層309に含まれる金属としてニッケルを用いた場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、チタン、コバルト、白金、ハフニウム、又はパラジウムを用いてもよく、その場合、シリサイド膜311a,311bとして、チタンシリサイド膜、コバルトシリサイド膜、白金シリサイド膜、ハフニウムシリサイド膜、又はパラジウムシリサイド膜が形成される。
また、第2の実施形態では、金属層309として、単体膜307a,含有膜308a,単体膜307b,含有膜308b,単体膜307cが順次積層された金属層を用いた場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
以上説明したように、本発明は、高濃度拡散層の上部にシリサイド膜を有する半導体装置及びその製造方法に有用である。
(a) 〜(c) は、本発明の第1の実施形態に係るシリサイド膜の形成方法を工程順に示す要部工程断面図である。 (a) 〜(f) は、本発明のシリサイド膜が形成されるメカニズムについて示す図である。 (a) はp型拡散層の上部に形成されたシリサイド膜の結晶粒径の分布を示すグラフであり、(b) はn型拡散層の上部に形成されたシリサイド膜の結晶粒径の分布を示すグラフである。 (a) は高濃度拡散層の上部に本発明のシリサイド膜が形成された場合について示す図であり、(b) は高濃度拡散層の上部に従来のシリサイド膜が形成された場合について示す図である。 (a) 〜(c) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す要部工程断面図である。 (a) はp型MOSトランジスタでの接合リーク電流の累積分布を示すグラフであり、(b) はn型MOSトランジスタでのソースドレイン間リーク電流の累積分布を示すグラフである。 本発明の半導体装置を構成するp型MOSトランジスタの断面TEM像である。 従来の半導体装置を構成するp型MOSトランジスタの断面TEM像である。 (a) 及び(b) は、本発明のその他の変形例に係る半導体装置の構造について示す断面図である。 (a) 〜(c) は、従来の半導体装置の製造方法を工程順に示す要部工程断面図である。 (a) 〜(e) は、従来のシリサイド膜でのNiSi/Si界面に凹凸が発生するメカニズムについて示す図である。
符号の説明
100 半導体基板
101a,101b,101c 単体膜
102a,102b 含有膜
103 金属層
104 シリサイド膜
200 種
201 結晶粒
202 結晶粒
203 結晶粒
204 結晶粒
205 結晶粒
Wa サイドウォールスペーサ幅
Wb サイドウォールスペーサ間の間隔
Wc ゲート電極間の間隔
300 半導体基板
300x 活性領域
301 素子分離領域
302a 第1のゲート絶縁膜
302b 第2のゲート絶縁膜
303a 第1のゲート電極
303b 第2のゲート電極
304a 第1の低濃度拡散層
304b 第2の低濃度拡散層
305a 第1のサイドウォールスペーサ
305b 第2のサイドウォールスペーサ
306a 第1の高濃度拡散層
306b 第2の高濃度拡散層
307a,307b,307c 単体膜
308a,308b 含有膜
309 金属層
310a 第1のゲート上シリサイド膜
310b 第2のゲート上シリサイド膜
311a 第1のシリサイド膜
311b 第2のシリサイド膜
400 半導体基板
401 ゲート電極
402 サイドウォールスペーサ
403 ゲート上シリサイド膜
404A シリサイド膜
404B シリサイド膜
405 ライナー膜
406 層間絶縁膜
407 コンタクトプラグ
500 半導体基板
500x 活性領域
501 素子分離領域
502 ゲート絶縁膜
503 ゲート電極
504 低濃度拡散層
505 サイドウォールスペーサ
506 高濃度拡散層
510 ゲート上シリサイド膜
511 シリサイド膜
W 活性領域のゲート幅方向の幅

Claims (15)

  1. 半導体基板における素子分離領域に囲まれた活性領域上に、第1のゲート電極を有する第1のトランジスタと、第2のゲート電極を有する第2のトランジスタとを備えた半導体装置の製造方法において、
    前記活性領域上に第1のゲート絶縁膜を介して前記第1のゲート電極を形成すると共に、前記活性領域上に第2のゲート絶縁膜を介して前記第2のゲート電極を形成する工程(a)と、
    前記第1のゲート電極の側面上に第1のサイドウォールスペーサを形成すると共に、前記第2のゲート電極の側面上に第2のサイドウォールスペーサを形成する工程(b)と、
    前記活性領域における前記第1のサイドウォールスペーサの外側方下に第1の高濃度拡散層を形成すると共に、前記活性領域における前記第2のサイドウォールスペーサの外側方下に第2の高濃度拡散層を形成する工程(c)と、
    前記第1の高濃度拡散層及び前記第2の高濃度拡散層の表面に形成されている自然酸化膜を除去する工程(d)と、
    前記半導体基板上に、金属からなる単体膜と、ガスを含有し前記金属からなる含有膜とが順次積層された金属層を形成する工程(e)と、
    前記金属層に含まれる前記金属と前記第1の高濃度拡散層に含まれるシリコンとを反応させて、前記第1の高濃度拡散層の上部に第1のシリサイド膜を形成すると共に、前記金属層に含まれる前記金属と前記第2の高濃度拡散層に含まれるシリコンとを反応させて、前記第2の高濃度拡散層の上部に第2のシリサイド膜を形成する工程(f)とを備え、
    前記工程(f)において、前記第1のシリサイド膜及び前記第2のシリサイド膜は、その結晶粒の結晶粒径が、前記第1のサイドウォールスペーサと前記第2のサイドウォールスペーサ間の間隔以下となるように形成されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 半導体基板における素子分離領域に囲まれた活性領域上に、ゲート電極を有するトランジスタを備えた半導体装置の製造方法において、
    前記活性領域上にゲート絶縁膜を介して前記ゲート電極を形成する工程(a)と、
    前記ゲート電極の側面上にサイドウォールスペーサを形成する工程(b)と、
    前記活性領域におけるサイドウォールスペーサの外側方下に高濃度拡散層を形成する工程(c)と、
    前記高濃度拡散層の表面に形成されている自然酸化膜を除去する工程(d)と、
    前記半導体基板上に、金属からなる単体膜と、ガスを含有し前記金属からなる含有膜とが順次積層された金属層を形成する工程(e)と、
    前記金属層に含まれる前記金属と前記高濃度拡散層に含まれるシリコンとを反応させて、前記高濃度拡散層の上部にシリサイド膜を形成する工程(f)とを備え、
    前記工程(f)において、前記シリサイド膜は、その結晶粒の結晶粒径が、前記活性領域のゲート幅方向の幅以下となるように形成されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記工程(e)は、アルゴンガスのプラズマを用いた第1のスパッタ法により、前記半導体基板上に前記単体膜を形成する工程(e1)と、アルゴンガスのプラズマ及び前記ガスのプラズマを用いた第2のスパッタ法により、前記単体膜上に前記含有膜を形成する工程(e2)とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 請求項3に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記ガスは、窒素ガス又は酸素ガスであることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記金属は、チタン、コバルト、ニッケル、白金、ハフニウム、又はパラジウムからなることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記工程(d)は、ケミカルドライエッチング法により行われることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 請求項6に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記工程(d)は、NF3ガスのプラズマ及びH2ガスのプラズマを用いたケミカルドライエッチング法により行われることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 半導体基板における素子分離領域に囲まれた活性領域に、第1のゲート電極を有する第1のトランジスタと、第2のゲート電極を有する第2のトランジスタとを備えた半導体装置において、
    前記第1のトランジスタは、
    前記活性領域上に形成された第1のゲート絶縁膜と、
    前記第1のゲート絶縁膜上に形成された前記第1のゲート電極と、
    前記第1のゲート電極の側面上に形成された第1のサイドウォールスペーサと、
    前記活性領域における前記第1のサイドウォールスペーサの外側方下に形成された第1の高濃度拡散層と、
    前記第1の高濃度拡散層の上部に形成された第1のシリサイド膜とを備え、
    前記第2のトランジスタは、
    前記活性領域上に形成された第2のゲート絶縁膜と、
    前記第2のゲート絶縁膜上に形成された前記第2のゲート電極と、
    前記第2のゲート電極の側面上に形成された第2のサイドウォールスペーサと、
    前記活性領域における前記第2のサイドウォールスペーサの外側方下に形成された第2の高濃度拡散層と、
    前記第2の高濃度拡散層の上部に形成された第2のシリサイド膜とを備え、
    前記第1のシリサイド膜及び前記第2のシリサイド膜を構成する結晶粒の結晶粒径は、前記第1のサイドウォールスペーサと前記第2のサイドウォールスペーサ間の間隔以下であることを特徴とする半導体装置。
  9. 請求項8に記載の半導体装置において、
    前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタの導電型は、p型であり、
    前記第1のシリサイド膜及び前記第2のシリサイド膜を構成する結晶粒の結晶粒径は、10nm以上であって且つ130nm以下であることを特徴とする半導体装置。
  10. 請求項8に記載の半導体装置において、
    前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタの導電型は、n型であり、
    前記第1のシリサイド膜及び前記第2のシリサイド膜を構成する結晶粒の結晶粒径は、10nm以上であって且つ70nm以下であることを特徴とする半導体装置。
  11. 請求項8に記載の半導体装置において、
    前記第1のシリサイド膜及び前記第2のシリサイド膜は、チタンシリサイド膜、コバルトシリサイド膜、ニッケルシリサイド膜、白金シリサイド膜、ハフニウムシリサイド膜、又はパラジウムシリサイド膜からなることを特徴とする半導体装置。
  12. 半導体基板における素子分離領域に囲まれた活性領域上に、ゲート電極を有するトランジスタを備えた半導体装置において、
    前記トランジスタは、
    前記活性領域上に形成されたゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜上に形成された前記ゲート電極と、
    前記ゲート電極の側面上に形成されたサイドウォールスペーサと、
    前記活性領域における前記サイドウォールスペーサの外側方下に形成された高濃度拡散層と、
    前記高濃度拡散層の上部に形成されたシリサイド膜とを備え、
    前記シリサイド膜を構成する結晶粒の結晶粒径は、前記活性領域のうちゲート幅方向の幅以下であることを特徴とする半導体装置。
  13. 請求項12に記載の半導体装置において、
    前記トランジスタの導電型は、p型であり、
    前記シリサイド膜を構成する結晶粒の結晶粒径は、10nm以上であって且つ130nm以下であることを特徴とする半導体装置。
  14. 請求項12に記載の半導体装置において、
    前記トランジスタの導電型は、n型であり、
    前記シリサイド膜を構成する結晶粒の結晶粒径は、10nm以上であって且つ70nm以下であることを特徴とする半導体装置。
  15. 請求項12に記載の半導体装置において、
    前記シリサイド膜は、チタンシリサイド膜、コバルトシリサイド膜、ニッケルシリサイド膜、白金シリサイド膜、ハフニウムシリサイド膜、又はパラジウムシリサイド膜からなることを特徴とする半導体装置。
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