JP2009110900A - 導体線の設計方法及び導体線の生産方法、並びに導体線、 - Google Patents

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Abstract

【課題】導体線間及び導体線と金属シールド層との間で生じる容量結合を抑制することで、設計者の所望する特性インピーダンスを得ることができる導体線の設計方法等を提供する。
【解決手段】導体線の設計方法は、金属シールド層を有するFFC内に複数本配列される導体線の設計方法において、FFCの特性インピーダンスに基づいて導体線の断面形状を決定する断面形状決定工程S11と、断面形状決定工程において決定された導体線の断面形状によるFFCの特性インピーダンスを観測する特性インピーダンス観測工程S12と、特性インピーダンス観測工程における観測結果に基づいて導体線の断面形状を調整する断面形状調整工程S14とを備え、断面形状決定工程において決定される導体線の幅方向両端部の厚みは、当該導体線の幅方向中央部の厚みよりも薄く形成されたことを特徴としている。
【選択図】図3

Description

本発明は、フレキシブルフラットケーブルに用いられる導体線、導体線の設計方法、及び導体線の生産方法に関する。
従来から、携帯電話等の電子機器を構成する各種部品を接続するための中継ケーブルとして、いわゆるフレキシブルフラットケーブル(以下、「FFC」という)が知られている。この様なFFCは、プリント基板等と比較して可撓性に優れている為、上述した各種電子機器のみならず、幅広い分野において多用されている。
従来用いられていたFFCは、図9に示す様に、所定のピッチで複数本の導体線101a,101b,・・・を配列し、これら導体線を絶縁層103,105によって挟装して構成される。そして、FFCを構成する絶縁層103,105の表面には、外部の電界との間のEMI(Electro Magnetic Interference)の発生を防止する為に金属シールド層107,109が形成される。そしてこの様なFFCとしては、特許文献1に記載された発明がある。
特許第3921941公報
ところで、導体線を複数本配列して構成されるFFCにおいては、各導体線が互いに隣接して配列され、さらに導体線に近接して金属シールド層が形成される為、各導体線間、又は導体線と金属シールド層との間で容量結合が発生することがある。そして特に高周波伝達を行う際に導体線間で容量結合が発生すると、FFC全体の特性インピーダンスが低下し、設計者の所望する特性インピーダンスを得ることができないこととなる。そして設計者の所望する特性インピーダンスが得られない場合、FFCの特性インピーダンスと他の回路系との間のインピーダンスとの間で生じるインピーダンスの不整合により反射が生じ、信号品質が低下してしまうという問題があった。
この様な問題を解消すべく、例えば導体線間のピッチを広げる手法、又は絶縁層の厚さを厚くする手法が考えられる。しかしながら、前者の様に導体線間のピッチを広げると、コネクタとの勘合に必要な線路幅を確保できなくなるという問題があった。また、後者の様に絶縁層の厚さを厚くした場合、FFC自体の厚さが増加してしまい、FFCの本質的な特徴である可撓性が損なわれてしまうという問題があった。
また、特許文献2の図1に基づいて本件出願の図10に記載したFFC用導体の様に、導体線の両端部が丸みをおびた形状となる様にFFC用導体の断面を形成することで、結果として容量結合が生じる実効的面積を減少させ、容量結合を抑制することが可能となる場合がある。しかしながらこの様なFFC用導体の断面形状は、特許文献2の明細書等に記載からも明らかな様に、銅丸線を伸張した上でその断面が所定の扁平形状を形成する圧延機により圧延した結果、偶然に生じた形状であり、容量結合を抑制する為の創作がなされていない。
特許第2942458公報
すなわち、従来用いられていた発明では、導体線間又は導体線と金属シールド層との間で生じる容量結合を抑制し、設計者の所望する特性インピーダンスを得ることができなかった。
そこで本発明はこの様な実情に鑑みてなされたものであり、導体線間及び導体線と金属シールド層との間で生じる容量結合を抑制することで、設計者の所望する特性インピーダンスを得ることができる導体線の設計方法及び導体線の生産方法、並びに導体線を提供することを目的とする。
上記課題を解決する為に、本発明にかかる導体線の設計方法は、少なくとも一方の主面に金属シールド層を有するフレキシブルフラットケーブル内に複数本配列される導体線の設計方法において、前記フレキシブルフラットケーブルの特性インピーダンスに基づいて前記導体線の断面形状を決定する断面形状決定工程と、前記断面形状決定工程において決定された前記導体線の断面形状による前記フレキシブルフラットケーブルの特性インピーダンスを観測する特性インピーダンス観測工程と、前記特性インピーダンス観測工程における前記特性インピーダンスの観測結果に基づいて前記導体線の断面形状を調整する断面形状調整工程とを備え、前記断面形状決定工程において決定される前記導体線の幅方向両端部の厚みは、当該導体線の幅方向中央部の厚みよりも薄く形成されたことを特徴としている。
この様な導体線の設計方法によれば、導体線が配設されるフレキシブルフラットケーブルの特性インピーダンスを考慮した上で、導体線の幅方向両端部の厚みが導体線の幅方向中央部の厚みよりも薄い断面を有する導体線を設計することができる。具体的には本発明にかかる導体線の設計方法によれば、断面形状決定工程によって得られた断面形状によって生じるフレキシブルフラットケーブルの特性インピーダンスを測定し、さらに断面形状調整工程によって導体線の断面形状を調整することで、導体線の特性インピーダンスを所望する特性インピーダンスに近づけることができる。そしてこの様な方法により設計された導体線の断面は、幅方向両端部の厚みが導体線の幅方向中央部の厚みよりも薄く形成されることとなる。そしてこの様な導体線を用いることにより、隣接する導体線との間の容量結合、及び金属シールド層との間の容量結合の実効的面積を減少させることができる。
さらに、上述の構成において、前記断面形状決定工程は、コネクタと接触するコネクタ接触面の幅を決定する接触面決定工程と、前記接触面決定工程において決定された前記コネクタ接触面の幅に応じて前記導体線の幅方向両端部の形状を決定する端部形状決定工程とを備え、前記断面形状調整工程においては、前記端部形状決定工程において決定された幅方向両端部の形状を調整することが好ましい。
これらの構成からなる導体線の設計方法によれば、導体線の幅方向両端部の厚みを導体線の幅方向中央部厚みよりも薄くした場合においても、隣接する導体線との間の容量結合の実効的面積を減少させながら、確実にコネクタとの接触面を確保することができる。
また、上記課題を解決する為に、本発明にかかる導体線の生産方法は、少なくとも一方の主面に金属シールド層を有するフレキシブルフラットケーブル内に複数本配列される導体線の生産方法において、前記導体線の断面形状を設計する断面形状設計工程と、前記断面形状設計形状により設計された前記導体線の断面形状に基づいて前記導体線を製造する導体線製造工程と、所望する特性インピーダンスと前記導体線製造工程において製造された前記導体線を複数本配列して形成されたフレキシブルフラットケーブルの特性インピーダンスの特性インピーダンスとを比較する特性インピーダンス比較工程とを備え、前記断面形状設計工程は、前記フレキシブルフラットケーブルの特性インピーダンスに基づいて前記導体線の断面形状を決定する断面形状決定工程と、前記断面形状決定工程において決定された前記導体線の断面形状による前記フレキシブルフラットケーブルの特性インピーダンスを観測する特性インピーダンス観測工程と、前記特性インピーダンス観測工程における前記特性インピーダンスの観測結果に基づいて前記導体線の断面形状を調整する断面形状調整工程とを有し、前記断面形状決定工程において決定される前記導体線の幅方向両端部の厚みは、当該導体線の幅方向中央部の厚みよりも薄くなる様に形成されることを特徴としている。
この様な導体線の生産方法によれば、導体線が配設されるフレキシブルフラットケーブルの特性インピーダンスを考慮した上で、導体線の幅方向両端部の厚みが導体線の幅方向中央部の厚みよりも薄い断面を有する導体線を生産することができる。具体的には本発明にかかる導体線の生産方法によれば、断面形状決定工程によって得られた断面形状によって生じるフレキシブルフラットケーブルの特性インピーダンスを測定し、さらに断面形状調整工程によって導体線の断面形状を調整して導体線を生産することで、所望する特性インピーダンスに近い特性インピーダンスを有する導体線を生産することができる。そしてこの様な方法により生産された導体線の断面は、幅方向両端部の厚みが導体線の幅方向中央部の厚みよりも薄く形成されることとなる。そしてこの様な導体線を用いることにより、隣接する導体線との間の容量結合、及び金属シールド層との間の容量結合の実効的面積を減少させることができる。
また、上記課題を解決する為に、本発明にかかる導体線は、少なくとも一方の主面に金属シールド層を有するフレキシブルフラットケーブル内に複数本配列される導体線において、幅方向の断面が扁平形状に形成され、前記フレキシブルフラットケーブルの特性インピーダンスに基づいて幅方向両端部の厚みが当該導体線の幅方向中央部の厚みよりも薄く形成され、さらに、長さ方向両端部近傍の上面の幅が、長さ方向中央部の上面の幅よりも広くなる様に形成されたことを特徴とする。
この構成によれば、導体線の特性インピーダンスを所望する特性インピーダンスに近づけることができる。
この様に本発明によれば、導体線間及び導体線と金属シールド層との間で生じる容量結合を抑制することで、設計者の所望する特性インピーダンスを得ることができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態にかかる導体線は、FFC内に配設される導体線であり、図1にこの様なFFCの断面図を示す。同図に示す様に、FFC1は、導体線としての信号線3及びグラウンド線5を備える。これら信号線3及びグラウンド線5は、所定のピッチで配列され、絶縁材からなる絶縁層7,9によって狭装される。また、絶縁層7,9の外側の主面には、例えばポリエチレンテレフタレートに銀層を蒸着した金属シールド層11,13が接着される。
信号線3及びグラウンド線5からなる各導体線の断面形状は、扁平に形成され、各導体線の幅方向両端部の厚みは、導体線の幅方向中央部の厚みよりも薄く形成される。より具体的には、導体線の断面の上辺及び底辺は、それぞれの中央部が水平に形成されると共に、端部近傍が外側に向けて傾斜している。これにより各信号線3及びグラウンド線5の断面は、両端部に向かうに従って厚さが漸減する様な扁平八角形状となる。そしてこの様な断面形状を有する導体線をFFC内に複数本配設した場合、例えば長方形断面を有する導電体を用いた場合と比較して、隣接する導体線から生じる電磁界内及び金属シールド層11,13から生じる電磁界内に存する導電体を減少させることができる。
図2は、本発明の実施の形態にかかる導体線の生産方法の概略を示すフロー図である。尚、以下では説明の便宜上、信号線3の生産方法を例に挙げ詳細な説明を行う。同図に示す様に、一連の信号線3の生産方法は、ステップS1における断面形状設計工程と、ステップS2における導体線製造工程と、ステップS3における特性インピーダンス比較工程とを備える。さらに一連の信号線3の生産方法においては、ステップS3における特性インピーダンス比較工程の結果、製造した信号線3を用いたFFCの特性インピーダンスが、所望する特性インピーダンスと対比した場合における誤差の許容範囲内にない場合には、再度断面形状設計工程以降の処理を繰り返し実行する。そしてこの様な信号線3の生産方法により、本発明では、FFC全体の特性インピーダンスを考慮した信号線3を設計、生産することができる。
断面形状設計工程は、例えば3次元電磁界シミュレーターを用いて導体線の断面形状を設計する工程である。図3は、断面形状設計工程の概略を示すフロー図である。具体的には、断面形状設計工程は、ステップS11における断面形状決定工程と、ステップS12における特性インピーダンス観測工程と、所望の特性インピーダンスが得られなかった場合のステップS13における断面形状調整工程とを備える。
断面形状決定工程は、3次元電磁界シミュレーターを用いて信号線3の断面形状を決定する工程である。具体的には断面形状決定工程においては、シミュレーターは、先ずコネクタと接触するコネクタ接触面の幅及びコネクタ接触面の信号線3全体に対する位置を決定する。コネクタ接触面は、信号線3とコネクタが接触する面である。そしてシミュレーターは、設計者が指定したコネクタの幅に基づいてコネクタ接触面の幅を決定する。具体的には、図4に示す様に、信号線3の幅方向断面における上辺をコネクタ接触面S1に対応する辺とし、コネクタの幅をLとした場合、コネクタ接触面Sの幅Lは、不等式:L≦Lを満たす様に設定される。そしてコネクタ接触面Sの幅Lをこの様に決定することで、信号線3と、コネクタ21との間の接触面を確保することができ、信号品質の低下を防止することができる。尚、このときコネクタ接触面Sの幅方向の中心と、信号線3の幅方向の中心が一致する様に、コネクタ接触面Sの位置を決定することが好ましい。
次に、シミュレーターは、決定したコネクタ接触面Sの幅Lに応じて信号線3の幅方向両端部の形状を決定する。ここで、信号線3の幅方向両端部とは、コネクタ接触面S1の幅方向の端部よりも外側をいう。そしてシミュレーターは、例えば設計者が指定した断面形状に基づいて、信号線3の幅方向両端部の形状を決定する。例えば、設計者が図1に示す様な八角形断面を指定した場合、シミュレーターは、FFCの規格により定まる信号線3の幅Lを決定し、幅Lに基づいて信号線3の左辺LSと右辺RSを決定する。左辺LS及び右辺RSは、互いに平行に形成され、左辺LSと右辺RSとの距離は、幅Lとなる。また、左辺LS及び右辺RSの高さは、信号線3の高さHを超えない範囲で適宜設定される。次に、シミュレーターは、信号線の上辺USの両端部をそれぞれ左辺LS及び右辺RSの上端部と結合すると共に、信号線の底辺BSの両端部をそれぞれ左辺LS及び右辺RSの下端部と結合する。これにより、上辺USと左辺LSとの間、上辺USと右辺RSとの間、底辺BSと左辺LSとの間、及び底辺BSと右辺RSとの間には、それぞれ斜辺TS,TS,TS,TSが形成される。これら斜辺TS,TS,TS,TSは、それぞれ信号線3の外側に向けて傾斜して形成され、信号線3の断面は、長方形の角部を切り欠いた様な形状として形成される。そしてこの様に形成された信号線3の断面は、幅方向両端部の厚みが、幅方向中央部の厚みよりも薄く形成される。そして信号線3の断面をこの様な形状に形成することによって、長方形断面を有する導電線と比較して、上下方向にそれぞれ配置された金属シールド層11,13の電界内に存する導電体の量、及び左右方向に配置された信号線3又はグラウンド線5の電界内に存する導電体の量を減少させることができる。
また、信号線3の断面としては、上述の八角形に限らず、様々な形状を用いることができる。具体的には、信号線3の断面は、幅方向両端部の厚みが、幅方向中央部の厚みよりも薄く形成されていればよく、FFCの構造に応じて適宜変更可能である。例えば、上述のFFCの様に、FFCの絶縁層7,9の上下にそれぞれ金属シールド層11,13が形成される場合には、信号線3とそれぞれの金属シールド層11,13との間の容量結合及び信号線3と隣接する信号線3との間の容量結合を考慮して、幅方向両端部の厚みが、幅方向中央部の厚みよりも薄くなる様に、且つ、信号線3の断面の中心を介して上下及び左右にそれぞれ対称な形状に形成されることが好ましい。この場合、信号線3の断面形状としては、上述した八角形に加え、図5(a)に示す様な六角形等を採用することができる。また、例えば、図5(b)に示す様に、FFCの下方の主面にシールド層を形成しない場合には、上方に形成されるシールド層11と信号線3との間の容量結合、及び信号線3間の容量結合を考慮して、幅方向両端部の厚みが、幅方向中央部の厚みよりも薄くなる様に、且つ、信号線3の断面の中心を介して左右対称な形状に形成されることが好ましい。そして導体線の断面形状をこの様な形状とすることによっても本発明の課題を解決することができる。
次に、シミュレーターは、特性インピーダンス観測工程を行う。特性インピーダンス観測工程は、上述の断面形状決定工程において決定した断面形状を採用した信号線3及びグラウンド線5を用いてFFC全体の特性インピーダンスを観測する工程である。そして、シミュレーターによるシミュレーションの結果、FFC全体の特性インピーダンスが、設計者が所望する特性インピーダンスの誤差範囲内にない場合には、断面形状調整工程を行った後、再度特性インピーダンス観測工程を行う。
断面形状調整工程は、信号線3の断面形状を調整する工程である。具体的にはシミュレーターは、特性インピーダンス観測工程における特性インピーダンスの観測結果に応じて、信号線3の断面における左辺LS及び右辺RSの長さを調整することによって、斜辺TS,TS,TS,TSの傾斜角度を調整する。そして上辺US及び底辺BSの端部を中心に斜辺TS,TS,TS,TSの傾斜角度を調整することによって、金属シールド層11,13と信号線3との間の容量結合、及び信号線3と隣接する信号線3との間の容量結合を調整することができる。断面形状調整工程においては、例えば観測された特性インピーダンスが所望する特性インピーダンスと比較して低い場合には、観測される特性インピーダンスを上昇させる為に、上辺USとそれぞれの斜辺TS1,TS2との間の鋭角及び底辺BSとそれぞれの斜辺TS3,TS4との間の鋭角の角度を小さくする。これにより、信号線3と金属シールド層11,13との間の容量結合、及び信号線3と隣接する信号線3との間の容量結合が低下し、FFC全体の特性インピーダンスが上昇する。そしてシミュレーターは、信号線3の断面形状を調整した後、再度特性インピーダンス観測工程を実行する。そして所望の特性インピーダンスの誤差範囲内に収まる特性インピーダンスを得られた場合には、シミュレーターは一連の処理を終了する。
導体線製造工程は、断面形状設計工程において設計された導体線を実際に製造する工程である。具体的には導体線製造工程は、所定の成型用ローラの周面に、導体線の断面形状に対応する溝を形成する成型用ローラを製造するローラ製造工程と、製造された成型用ローラを用いて例えば軟銅等の導体線用ワークを押圧するワーク押圧工程とを備える。
ローラ製造工程は、所定のローラの周面に亘って導体線の断面に対応する形状の溝を形成することで実行される。溝の形状及び使用するローラの数は、製造される導体線の断面形状に応じて異なる。例えば図1又は図5(a)に示す様な上下対象の導体線を製造する場合、図6に示す様に互いに押圧された1対の成型用ローラ31,33の周面に、それぞれ断面形状設計工程で設計された導体線の断面の上半分又は下半部に対応する形状の溝35を形成する。そして導体線用ワークは、成型用ローラ31,33が回転駆動することによって成型用ローラ31,33のニップ部において押圧される。そしてこの様な成型用ローラ31,33によって伸張された導体線は、断面形状設計工程において設計された断面形状を有する。これらを換言すれば、断面形状設計工程においては、導体線の断面形状を設計する工程は、実質的には成型用ローラ31,33の溝35の断面形状を設計していることと同様の意義を有する。
また、図5(b)に示す様な上下対象でない導体線を製造する場合、図7に示す様に、成型用ローラ37の周面に、断面形状設計工程において設計された導体線の断面に対応する形状の溝35を形成する。そしてこの様な成型用ローラ37及び表面が平坦に形成された加工台39を用いて導体線用ワークを伸張することで、図5(b)に示す様な断面形状を有する導体線を製造することができる。
尚、導体線製造工程において、導体線の長さ方向両端部近傍のコネクタ接触面の幅が、導体線の長さ方向中央部におけるコネクタ接触面の幅よりも広くなる様に形成することも可能である。この様な導体線は、導体線製造工程に際して、所定の間隔で導体線の上面を押し潰すことで形成される。そしてこの様な導体線によれば、コネクタと接触する長さ方向両端部近傍のコネクタ接触面の幅が、長さ方向中央部におけるコネクタ接触面の幅よりも広く形成されている為、導体線とコネクタとの接続をより確実に行うことができる。
特性インピーダンス比較工程は、設計者が所望する特性インピーダンスと、導体線製造工程において製造された導体線を用いたFFCの特性インピーダンスとを比較する工程である。そして、両特性インピーダンスを比較した結果、製造した導体線を用いたFFCの特性インピーダンスが、設計者の所望する特性インピーダンスに対する誤差の許容範囲内にない場合には、設計者は、再度断面形状設計工程を行う必要がある。
次に、発明者がシミュレーターを用いて、従来用いられていたFFCと本発明にかかるFFCとを比較した結果について詳細な説明を行う。
比較処理に際して発明者は、アンソフト社の3次元電磁界解析ソフトHFSSを使用した。このとき、従来用いられていたFFCの導体線としては、幅300μm、厚さ35μmの長方形断面の導体線を使用した。そしてFFC内部には、この様な導体線が200μmピッチで配列されている。またFFCの絶縁層の誘電率ε=3.2とし、金属層の厚みを0.3mmとした。そして、設計者の所望するFFCの特性インピーダンスが100Ωであるとする。
また、本発明にかかるFFCとしては、導体線の断面形状以外の要素は全て上記従来品の要素と同一とした。そして導体線は、幅300μm、幅方向断面の中央部の厚さを35μm、幅方向の両端部の厚さを15μmとし、コネクタ接触面の幅を200μmとして設定した。
そしてこの様な設定のもと、導体線の上下に配置された絶縁層の厚さを変化させると、図8に示す様なシミュレーション結果が得られた。同図において破線で示す様に、従来用いられていたFFCでは、導体線の上下に配置された絶縁層の厚さを厚くするに従って、FFCの特性インピーダンスが上昇する。そして、FFCの特性インピーダンスは、最終的には、約92Ω程度に収束した。一般的には、特性インピーダンスの不整合を防止する為には、所望する特性インピーダンスに対して±5Ω程度であることが好適であるが、FFCでは、特性インピーダンスをかかる範囲まで上昇させることができない。
これに対して、同図において実線で示す様に、本発明にかかるFFCでは絶縁層の層厚を厚くするに従って特性インピーダンスが約95Ωまで上昇する。そして同図からも明らかな様に、本発明にかかるFFCの絶縁層の層厚は、従来用いられていたFFCの絶縁層の層厚と比較して薄くなる。この様に、本発明にかかるFFCでは、絶縁層の層厚を厚くすることなく、従来用いられていたFFCと比較して特性インピーダンスを上昇させることができる。
一般的には、隣接する導体線間及び導体線と金属層との間における容量結合及びFFCの特性インピーダンスは、容量結合が発生する領域の実効的な断面積に左右されるが、本発明によれば、容量結合が発生する実効的断面先を減少させることによって容量結合の容量の平方根に反比例する特性インピーダンスを上昇させることができる。この様な効果は、特に、高周波伝達を行う際に顕著に発生する。そしてFFCの特性インピーダンスを上昇させることによって、設計者の所望する特性インピーダンスを得ることができ、FFCと他の回路系との間で生じるインピーダンスの不整合を抑制することができる。
尚、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、各構成は本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明にかかるFFCの断面図であり、特に同FFCの構造について説明する為の図である。 同FFCに使用される導体線の生産方法の概略を示すフロー図である。 同生産方法における断面形状設計工程の概略を示すフロー図である。 同導体線の断面図であり、特に同導体線の構成について説明する為の図である。 同導体線の変形例を示す断面図である。 同生産方法において使用される導体線の成型用ローラの断面斜視図である。 同生産方法において使用される導体線の成型用ローラの断面斜視図である。 発明者が行った特性インピーダンスのシミュレーション結果を示すグラフである。 従来用いられていたFFCの断面図であり、同FFCの構造について説明する為の図である。 従来用いられていたFFCの断面図であり、同FFCの構造について説明する為の図である。
符号の説明
1 FFC
3 信号線
5 グラウンド線
7,9 絶縁層
11,13 金属シールド層
21 コネクタ
101a,101b, 導体線
103,105 絶縁層
107,109 金属シールド層

Claims (5)

  1. 少なくとも一方の主面に金属シールド層を有するフレキシブルフラットケーブル内に複数本配列される導体線の設計方法において、
    前記フレキシブルフラットケーブルの特性インピーダンスに基づいて前記導体線の断面形状を決定する断面形状決定工程と、
    前記断面形状決定工程において決定された前記導体線の断面形状による前記フレキシブルフラットケーブルの特性インピーダンスを観測する特性インピーダンス観測工程と、
    前記特性インピーダンス観測工程における前記特性インピーダンスの観測結果に基づいて前記導体線の断面形状を調整する断面形状調整工程とを備え、
    前記断面形状決定工程において決定される前記導体線の幅方向両端部の厚みは、当該導体線の幅方向中央部の厚みよりも薄く形成されたこと
    を特徴とする導体線の設計方法。
  2. 前記断面形状決定工程は、
    コネクタと接触するコネクタ接触面の幅を決定する接触面決定工程と、
    前記接触面決定工程において決定された前記コネクタ接触面の幅に応じて前記導体線の幅方向両端部の形状を決定する端部形状決定工程とを備え、
    前記断面形状調整工程においては、前記端部形状決定工程において決定された幅方向両端部の形状を調整すること
    を特徴とする請求項1記載の導体線の設計方法。
  3. 少なくとも一方の主面に金属シールド層を有するフレキシブルフラットケーブル内に複数本配列される導体線の生産方法において、
    前記導体線の断面形状を設計する断面形状設計工程と、
    前記断面形状設計工程により設計された前記導体線の断面形状に基づいて前記導体線を製造する導体線製造工程と、
    所望する特性インピーダンスと前記導体線製造工程において製造された前記導体線を複数本配列して形成されたフレキシブルフラットケーブルの特性インピーダンスとを比較する特性インピーダンス比較工程とを備え、
    前記断面形状設計工程は、
    前記フレキシブルフラットケーブルの特性インピーダンスに基づいて前記導体線の断面形状を決定する断面形状決定工程と、
    前記断面形状決定工程において決定された前記導体線の断面形状による前記フレキシブルフラットケーブルの特性インピーダンスを観測する特性インピーダンス観測工程と、
    前記特性インピーダンス観測工程における前記特性インピーダンスの観測結果に基づいて前記導体線の断面形状を調整する断面形状調整工程とを有し、
    前記断面形状決定工程において決定される前記導体線の幅方向両端部の厚みは、当該導体線の幅方向中央部の厚みよりも薄くなる様に形成されること
    を特徴とする導体線の生産方法。
  4. 前記導体線製造工程は、成型用ローラの周面に、前記断面形状設計工程により設計された前記導体線の断面形状に対応する溝を形成するローラ製造工程と、
    前記ローラ製造工程により製造された前記成型用ローラを用いて導体線用ワークを押圧するワーク押圧工程とを備えること
    を特徴とする請求項3記載の導体線の生産方法。
  5. 少なくとも一方の主面に金属シールド層を有するフレキシブルフラットケーブル内に複数本配列される導体線において、
    幅方向の断面が扁平形状に形成され、前記フレキシブルフラットケーブルの特性インピーダンスに基づいて幅方向両端部の厚みが当該導体線の幅方向中央部の厚みよりも薄く形成され、さらに、
    長さ方向両端部近傍の上面の幅が、長さ方向中央部の上面の幅よりも広くなる様に形成されたこと
    を特徴とする導体線。
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