JP2009110590A - 光ピックアップ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録層の間隔の狭い光情報媒体の各記録層に記録されている情報を正確に読み出す。
【解決手段】光検出器5は、光路の中心を原点Gとする平面上の直交座標内に重心が原点Gと一致し、かつ四辺が直交座標のいずれかの仮想軸線R2,R3と平行となるように規定された正方形領域U0の四隅に配設された4つの迷光検出器32〜35と、正方形領域U0における直交座標の4つの象限内に位置する各分割領域U2,U3,U4,U1内の迷光検出器32〜35を除く領域全体に亘る大きさに形成された4つの受光領域31a〜31dで構成されるメイン検出器31とを備え、処理部7は、各受光領域31a〜31dでの受光量を示す電気信号Sa〜Sdを各迷光検出器32〜35での受光量を示す電気信号Sas〜Sdsで補正して再生信号RFを生成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、複数の記録層を備えた光情報媒体に記憶された情報を示す再生信号を生成する光ピックアップ装置に関するものである。
この種の光ピックアップ装置として、下記の特許文献1に開示された光ピックアップ装置が知られている。この光ピックアップ装置は、複数の記録層を有する光情報媒体(多層光情報媒体)に対して主ビームおよび2つの副ビームを照射する光ピックアップ装置であって、これらビームを所望の記録層にそれぞれ合焦させてトラッキング制御を行い得るように、図13に示すように、主ビームについての所望の記録層(合焦記録層)からの反射主ビームのメイン反射光スポットSPaを受光するメイン受光部52と、各副ビームについての合焦記録層からの反射副ビームのサブ反射光スポットSPb,SPcを受光する2つのサブ受光部53,54と、主ビームおよび副ビームについての合焦記録層以外の記録層(非合焦記録層)からの迷光(非合焦反射主ビームおよび非合焦反射副ビーム)を受光する迷光受光部55〜60とを有する受光素子51を備えて構成されている。
具体的には、メイン受光部52は、4分割された受光面A0〜D0で構成されて、主ビームの反射光(戻りビーム)についてのメイン反射光スポットSPaを受光して、受光面A0〜D0の各受光量に応じた検出信号A0〜D0を出力する。サブ受光部53は、光情報媒体の各記録層における信号列の配列方向(すなわちトラック方向。同図中の左右方向)に略平行な分割線で2分割された受光面E0,F0を備え、各受光面E0,F0で受光するサブ反射光スポットSPbの受光量に応じた検出信号E0,F0を出力する。サブ受光部54は、各記録層における信号列の配列方向に略平行な分割線で2分割された受光面G0,H0を備え、各受光面G0,H0で受光するサブ反射光スポットSPcの受光量に応じた検出信号G0,H0を出力する。
一方、迷光受光部55,56は、サブ受光部53の近傍に、サブ受光部53を挟んでトラック方向に沿って一直線上に配設されている。この場合、迷光受光部55はトラック方向とほぼ平行な分割線で2分割された受光面E1,F1を備え、各受光面E1,F1で受光する迷光の受光量に応じた迷光検出信号E1,F1を生成する。同様にして、迷光受光部56は、トラック方向とほぼ平行な分割線で2分割された受光面E2,F2を備え、各受光面E2,F2で受光する迷光の受光量に応じた迷光検出信号E2,F2を生成する。また、各受光面E1,E2の面積は同面積に規定されると共に、各受光面E1,E2の合計面積が受光面E0と同一となるように規定されている。同様にして、各受光面F1,F2の面積も同面積に規定されると共に、各受光面F1,F2の合計面積が受光面F0と同一となるように規定されている。
また、迷光受光部57,58は、上記した迷光受光部55,56の各受光面E1,F1、E2,F2と同様にして分割された受光面G1,H1、および受光面G2,H2を備え、サブ受光部53に対する迷光受光部55,56と同様にして、サブ受光部54の近傍に配設されて、迷光の受光量に応じた迷光検出信号G1,H1,G2,H2を生成する。
また、迷光受光部59,60は、上記した迷光受光部55,56の各受光面E1,F1、E2,F2と同様にして分割された受光面A1,D1、および受光面B1,C1を備え、サブ受光部53に対する迷光受光部55,56と同様にして、メイン受光部52の近傍に配設されて、迷光の受光量に応じた迷光検出信号A1,B1,C2,D2を生成する。また、各受光面A1,B1,C1,D1の各面積は、各受光面A0〜D0の面積と同面積に規定されている。
この受光素子を備えた光ピックアップ装置では、検出信号E0を迷光検出信号E1,E2で、検出信号F0を迷光検出信号F1,F2で、検出信号G0を迷光検出信号G1,G2で、検出信号H0を迷光検出信号H1,H2でそれぞれ補正すると共に、検出信号A0〜D0を迷光検出信号A1〜D1で補正し、補正された各検出信号A0〜D0,E0〜H0を用いて差動プッシュプル信号DPPを算出して、トラッキング制御を実施している。この光ピックアップ装置によれば、各検出信号A0〜D0を各迷光検出信号A1〜D1で、また各検出信号E0,F0,G0,H0を対応する各迷光検出信号E1,E2,F1,F2,G1,G2,H1,H2でそれぞれ補正することにより、各検出信号A0〜D0,E0〜H0に含まれる迷光によるノイズ成分をキャンセルすることができ、高精度なトラッキング制御が可能となっている。
また、この特許文献1には開示されてはいないが、この種の光ピックアップ装置(メイン受光部52が4つに等分割された光ピックアップ装置)では、迷光検出信号A1〜D1で補正された各検出信号A0〜D0を加算することにより、光情報媒体に記憶された情報を示す再生信号を迷光の影響をキャンセルした状態で生成している。具体的には、下記式に基づいて、再生信号RFを生成している。
RF=(A0−k0×A1)+(B0−k0×B1)+(C0−k0×C1)
+(D0−k0×D1)
ここで、k0は補正係数である。
特開2007−179711号公報(第6−10頁、第5図)
ところが、従来の光ピックアップ装置には、以下の問題点がある。すなわち、この光ピックアップ装置では、図13に示すように、迷光の照射領域SPxが、メイン反射光スポットSPaやサブ反射光スポットSPb、SPcに比べ極めて広く、受光素子51のメイン受光部52および各サブ受光部53,54全体に広く入射してその検出信号A0〜D0,E0〜H0に影響を与えることを条件として、迷光によるノイズ成分のキャンセルを行っている。しかしながら、この光ピックアップ装置では、センサレンズ(シリンドリカルレンズ)などによって光検出器への光ビームに対して非点収差を付与する構成のため、合焦記録層以外の記録層(非合焦記録層)からの迷光(非合焦反射主ビームおよび非合焦反射副ビーム)の照射領域(迷光の形状)は円形にならず、図14に示すように楕円となる。また、迷光の照射領域の大きさは、合焦記録層と非合焦記録層との間の距離に応じて変化する(具体的には、距離が短くなるに従って小さくなる)。このため、光情報媒体によっては、図14に示すように、主ビームについての迷光の照射領域SPxは、メイン受光部52全体を覆うものの、メイン受光部52の近傍に配設された迷光受光部59,60の各受光面A1〜D1については全体にかからずに、一部にのみかかる状態となることもあり、このような状態においては、従来の光ピックアップ装置では、メイン受光部52の各受光面A0〜D0の受光量を示す検出信号A0〜D0に含まれる迷光を迷光受光部59,60から出力される迷光検出信号A1〜D1でキャンセルすることができない。したがって、従来の光ピックアップ装置には、記録層の間隔の狭い光情報媒体については、メイン受光部から出力される検出信号に含まれる迷光をキャンセルできないため、この光情報媒体の記録層に記録されている情報を正確に読み出すことが困難となるという問題点が存在している。
本発明は、かかる問題点を解決すべくなされたものであり、記録層の間隔の狭い光情報媒体の各記録層に記録されている情報を正確に読み出し得る光ピックアップ装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく本発明に係る光ピックアップ装置は、光情報媒体の複数の記録層のうちの1つの記録層に集光された光ビームの当該光情報媒体からの戻り光ビームを当該戻り光ビームの光路に交差する平面上に配設された光検出器に導く光学系と、当該光検出器から出力される受光量を示す電気信号に基づいて当該光情報媒体に記憶された情報を示す再生信号を生成する処理部とを備えた光ピックアップ装置であって、前記光検出器は、前記光路の中心を原点とする前記平面上の直交座標内に重心が当該原点と一致し、かつ四辺が当該直交座標のいずれかの軸線と平行となるように規定された正方形領域または隅部が面取りされた正方形領域の四隅に配設された4つの迷光検出器と、当該正方形領域における当該直交座標の4つの象限内に位置する各分割領域内の前記迷光検出器を除く領域全体に亘る大きさに形成された4つの受光領域で構成されるメイン検出器とを備え、前記処理部は、前記各受光領域での受光量を示す電気信号を前記各迷光検出器での受光量を示す電気信号で補正して前記再生信号を生成する。
また、本発明に係る光ピックアップ装置は、前記各迷光検出器は、頂角側の頂点が前記原点に向く二等辺三角形に平面形状が形成されている。
また、本発明に係る光ピックアップ装置は、前記4つの象限のうちの一の対角象限に含まれる2つの前記迷光検出器および2つの受光領域での受光量を示す前記各電気信号の和と、前記4つの象限のうちの他の対角象限に含まれる2つの前記迷光検出器および2つの受光領域での受光量を示す前記各電気信号の和との差分をフォーカスエラー信号として生成する。
本発明に係る光ピックアップ装置では、光検出器は、戻り光ビームの光路の中心を原点とする平面上の直交座標内に重心が原点と一致し、かつ四辺が直交座標のいずれかの仮想軸線と平行となるように規定された正方形領域の四隅に配設された4つの迷光検出器と、正方形領域における直交座標の各象限内に位置する各分割領域内の迷光検出器を除く領域全体に亘る大きさに形成された4つの受光領域で構成されるメイン検出器とを備えて構成され、処理部は、各受光領域での受光量を示す電気信号を各迷光検出器での受光量を示す電気信号で補正して再生信号を生成する。
したがって、この光ピックアップ装置によれば、すべての迷光検出器をメイン検出器と共に1つの正方形領域内に配設したことにより、各迷光検出器を含む光検出器全体の外形を小さくできるため、各記録層の間隔が狭いことに起因して合焦記録層の一つ奥側に位置する非合焦記録層からのビームスポット(短軸長が最短となるビームスポット)および合焦記録層の一つ手前側に位置する非合焦記録層からのビームスポット(長軸長が最短となるビームスポット)の外形が小さくなる光情報媒体に対しても、これら2つのビームスポット内に光検出器全体を含ませるようにでき、これによって迷光成分の含まれない再生信号を生成することができる結果、光情報媒体に記憶されている情報を正確に読み出すことができる。
また、本発明に係る光ピックアップ装置によれば、頂角側の頂点が原点に向く二等辺三角形に各迷光検出器の平面形状を形成したことにより、光検出器の外形をより小さく、つまり各対角線の長さをより短くできる。このため、合焦記録層の一つ奥側に位置する非合焦記録層および一つ手前側に位置する非合焦記録層からのビームスポットがより外形の小さなビームスポットであっても、その中に光検出器全体を含ませることができる結果、より層間隔の狭い光情報媒体に対しても迷光成分の含まれない再生信号を生成することができ、これにより、光情報媒体に記憶されている情報を正確に読み出すことができる。
また、本発明に係る光ピックアップ装置では、4つの象限のうちの一の対角象限に含まれる2つの迷光検出器および2つの受光領域での受光量を示す各電気信号の和と、4つの象限のうちの他の対角象限に含まれる2つの迷光検出器および2つの受光領域での受光量を示す各電気信号の和との差分をフォーカスエラー信号として生成する。したがって、この光ピックアップ装置によれば、デフォーカス時における合焦記録層からの戻り光ビームのビームスポットの外形が大きいときでも、正確なフォーカスエラー信号を生成できるため、対物レンズから出射される光ビームを所望の記録層に良好に集光させることができる。
以下、本発明に係る光ピックアップ装置の最良の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、一例として、再生信号、トラッキングエラー信号およびフォーカスエラー信号の生成を1つの光ビームに基づいて行う1ビーム方式の光ピックアップ装置を例に挙げて説明する。
最初に、光ピックアップ装置1の構成について、図面を参照して説明する。
図1に示す光ピックアップ装置1は、例えば、DVD−R、DVD+R、DVD−RW、DVD+RW、DVD−RAM、BD(Blu−ray Disc(登録商標))−R、BD−RE、HD(High Definition)−R、HD−RW、HD−RAMなどの記録型DVDや、CD−RおよびCD−RWなどの記録型CDのように、記録および再生の双方が行われる光情報媒体に対する記録・再生動作、およびDVD−ROM、BD−ROMおよびHD−ROMやCD−ROMなどの再生のみが行われる光情報媒体(多層光情報媒体)に対する再生動作を少なくとも実行するドライブ装置に組み込み可能に構成されている。具体的には、この光ピックアップ装置1は、同図に示すように、レーザビームなどの光ビームを出射する光源2、対物レンズ3、レンズ駆動部4、光検出器5、光学系6および処理部7を備え、図2に示すように、光情報媒体11に形成された複数の記録層(本例では一例として4つの記録層L0,L1,L2,L3)のうちの任意の1つの記録層に光ビームを集光させると共に、光ビームを集光させた記録層(合焦記録層)に形成されているトラック上に光ビームのビームスポットを精度良く位置させ得るように構成されている。なお、光情報媒体11に形成された各記録層L3,L2,L1,L0は、例えば、図2に示すように、光情報媒体11における光ビームの入射面側から、この順で、かつ同じ層間隔xで配置されているものとする。
対物レンズ3は、光学系6から入射した光ビーム(平行光状態の光ビーム)を光情報媒体11上に集光させると共に、光情報媒体11からの戻り光ビームを平行光に戻す機能を備えている。レンズ駆動部4は、処理部7から出力される後述のフォーカスエラー信号FEに基づいて、図2に示すように、対物レンズ3を光情報媒体11に対して接離動させて光情報媒体11に形成された複数の記録層(同図では一例として4つの記録層L0,L1,L2,L3)のうちの所望の1つの記録層に光ビームを集光させる。また、レンズ駆動部4は、処理部7から出力される後述のトラッキングエラー信号TEに基づいて、対物レンズ3を光情報媒体11の径方向に移動させて、光ビームを集光させた記録層に形成されているトラック上に光ビームのビームスポットを位置させる。
光検出器5は、図3に示すように、メイン検出器31、および4つの迷光検出器32,33,34,35を備えて構成されて、図1に示すように、光学系6から出射される戻り光ビームの光路R1に交差する(一例として垂直な)平面PL上に配設されている。この場合、4つの迷光検出器32,33,34,35は、図4に示すように、光路R1の中心Gを原点(以下、「原点G」ともいう)とする平面PL上の直交座標(仮想軸線R2,R3で規定される直交座標)内に重心(対角線R4,R5の交点)が原点Gと一致し、かつ四辺が直交座標のいずれかの軸線(仮想軸線R2,R3)と平行となるように規定された正方形領域U0内の四隅に配設されている。一例として、各迷光検出器32,33,34,35は、平面形状が同一形状(本例では一例として正方形)で、かつ同一面積(同一受光面積)に形成されて、このうちの迷光検出器32,34は、正方形領域U0の四隅のうちの直交座標の第2および第4象限内の各隅部に、それぞれの対角線が正方形領域U0の対角線R4上に位置した状態で配設されている。また、迷光検出器33,35は、正方形領域U0の四隅のうちの直交座標の第3および第1象限内の各隅部に、それぞれの対角線が正方形領域U0の対角線R5上に位置した状態で配設されている。この場合、正方形領域U0の各対角線R4,R5の長さは、光学系6から投射される合焦記録層からの戻り光ビームのビームスポットSPについての直径rのw1倍に規定されている。
一方、メイン検出器31は、図3に示すように、迷光検出器32に対応する第1受光領域31a、迷光検出器33に対応する第2受光領域31b、迷光検出器34に対応する第3受光領域31c、および迷光検出器35に対応する第4受光領域31dを備えている。各受光領域31d,31a,31b,31cは、図5に示すように、正方形領域U0における直交座標の第1〜第4象限内に位置する各分割領域U1,U2,U3,U4内の迷光検出器35,32,33,34(同図では各受光領域31a〜31dの形状を明確にするために各迷光検出器32〜35は図示していない)を除く各領域(以下、「残部領域」ともいう)全体に亘る大きさに形成されている。この場合、各分割領域U1,U2,U3,U4は同一形状および同一面積であり、かつ上記したように各迷光検出器35,32,33,34も同一形状および同一面積であるため、分割領域U1,U2,U3,U4内の各残部領域も同一形状および同一面積となる結果、この各残部領域全体に亘って配設された各受光領域31d,31a,31b,31cも、互いに同一形状および同一面積(同一受光面積)に形成されている。このように構成されたメイン検出器31および各迷光検出器32〜35を備えた光検出器5は、図3に示すように、各受光領域31a,31b,31c,31dでの戻り光ビームの受光量を示す電気信号Sa,Sb,Sc,Sd、および各迷光検出器32,33,34,35での戻り光ビームの受光量を示す電気信号Sas,Sbs,Scs,Sdsを出力する。
光学系6は、図1に示すように、一例として、偏光ビームスプリッタ21、コリメータレンズ22、1/4波長板23およびセンサレンズ(シリンドリカルレンズ)24を備え、光源2から出射された光ビームを対物レンズ3に入射させると共に、対物レンズ3で受光した光情報媒体11からの戻り光ビームを光検出器5に対して(光検出器5上に)非点収差を付与した状態で投射する。本例では、対物レンズ3および光学系6全体の復路光学倍率はβ1に規定されている。また、この光学系6では、戻り光ビームに非点収差を付加するセンサレンズ24(レンズ倍率:β2)が、センサレンズ24上に投射された戻り光ビームのビームスポットのシフト方向(対物レンズ3が光情報媒体11の径方向にシフトしたときのビームスポットの移動方向)に対して母線が45°傾くように配設されている。
また、光学系6は、対物レンズ3によって光ビームが集光された光情報媒体11における所望の記録層からの戻り光ビームのビームスポットSPを、図3に示すように、メイン検出器31の中心位置に位置し、かつビームスポットSPに含まれている領域P1,P2(±1次回折光による明暗の変化が出現する領域)のうちの領域P1が第1受光領域31aおよび第4受光領域31d側に位置し、領域P2が第2受光領域31bおよび第3受光領域31c側に位置するように投射する。これにより、対物レンズ3が光情報媒体11の径方向にシフトしたときには、ビームスポットSPはメイン検出器31上において仮想軸線R2に沿って平行移動する。また、光学系6は、図6に示すように、この所望の記録層(合焦記録層)からの戻り光ビームについてのビームスポットSPについては、円形(最小のスポット径r)で投射する(同図中の位置FP上にメイン検出器31が位置した状態)。このため、この状態では後述する式(2)で算出されるフォーカスエラー信号FEは、そのレベルがゼロとなる。
一方、光学系6は、光情報媒体11における合焦記録層を基準として手前側に位置する記録層からの戻り光ビーム(迷光)のビームスポットSPについては、図6に示すように、センサレンズ24を介して、光検出器5に対して、仮想軸線R2を基準として長軸が左斜め方向に45°傾いた楕円形、つまり第2象限および第4象限の対角象限に亘って長く延びる(この対角象限内に長軸が位置する)楕円形で投射する。このため、ビームスポットSPは、メイン検出器31の各受光領域31a〜31dのうちの第2象限および第4象限の対角象限に位置する第1受光領域31aおよび第3受光領域31cに多く投射されるため、フォーカスエラー信号FEは、そのレベルが正極性となる。特に、合焦記録層からその手前側に距離γ1だけずれた位置からの戻り光ビームのビームスポットSPについては、光学系6は、図6に示すように、仮想軸線R2を基準として左斜め方向に45°傾いた線形で光検出器5に投射する。この状態では、ビームスポットSPは、第2象限および第4象限の対角象限に位置する第1受光領域31aおよび第3受光領域31cにのみ投射されるため、フォーカスエラー信号FEは、そのレベルが最大(ピーク)となる。
他方、光学系6は、光情報媒体11における合焦記録層を基準として奥側に位置する記録層からの戻り光ビーム(迷光)のビームスポットSPについては、図6に示すように、センサレンズ24を介して、光検出器5に対して、仮想軸線R2を基準として長軸が右斜め方向に45°傾いた楕円形、つまり第1象限および第3象限の対角象限に亘って長く延びる楕円形で投射する。このため、ビームスポットSPは、メイン検出器31の各受光領域31a〜31dのうちの第1象限および第3象限の対角象限に位置する第4受光領域31dおよび第2受光領域31bに多く投射されるため、フォーカスエラー信号FEは、そのレベルが負極性となる。特に、合焦記録層からその奥側に距離γ2(=γ1×β2)だけずれた位置からの戻り光ビームのビームスポットSPについては、光学系6は、図6に示すように、仮想軸線R2を基準として右斜め方向に45°傾いた線形で光検出器5に投射する。この状態では、ビームスポットSPは、第1象限および第3象限の対角象限に位置する第4受光領域31dおよび第2受光領域31bにのみ投射されるため、フォーカスエラー信号FEは、そのレベルが最大(ピーク)となる。また、このフォーカスエラー信号FEにおける正極性のピークと負極性のピークとの間の波形を利用してフォーカス制御が行われるため、各ピーク間(距離a1(=γ1+γ2)の範囲内)はフォーカスの引き込み範囲(キャプチャーレンジ)と呼ばれている。なお、光情報媒体11内での距離γ1,γ2およびa1(=γ1+γ2)は、光検出器5側では、図6に示すように、おおよそ復路光学倍率β1の二乗(=k)を乗じた長さで表され、メイン検出器31に投射される合焦記録層からのビームスポットSPの直径(スポット径)r、合焦記録層の一つ奥側に位置する非合焦記録層からのビームスポットSPrの短軸長a、および合焦記録層の一つ手前側に位置する非合焦記録層からのビームスポットSPfの短軸長bと、k倍された各γ1,γ2,a1,xとの間には同図に示す関係が成り立っている。
また、光学系6では、センサレンズ24がレンズとして機能するときの光学系6の焦点距離の方が、センサレンズ24がレンズとして機能しないときの光学系6の焦点距離よりも必ず短くなり、また光情報媒体11の層間隔xが一定であるため、ビームスポットSPfの短軸長bは、ビームスポットSPrの短軸長aよりも必ず長くなる。したがって、光学系6から光検出器5に投射される迷光のビームスポットSPのうちの短軸長が最短となるビームスポットSPは、合焦記録層が記録層L3,L2,L1のいずれかであるときにはビームスポットSPr(短軸長a)となり、合焦記録層が記録層L0のときにはビームスポットSPf(短軸長b)となる。また、光学系6は、下記式(1)で表されるように短軸長aが正方形領域U0の対角線の長さ(w1×r)のw2(≧1)倍となるようにビームスポットSPrを光検出器5上に投射する。
a=r×w1×w2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
したがって、光学系6は、すべての迷光のビームスポットSPを光検出器5全体にかかるように投射する。また、見方を変えれば、光検出器5は、すべての迷光のビームスポットSPの各投射領域の共通部分に配置されている。
処理部7は、一例として多チャンネル分のアナログ信号(本例では電気信号Sa〜Sd,Sas〜Sds)をディジタルデータに変換するA/D変換機能を備えたDSP(Digital Signal Processor)で構成されて、光検出器5から出力される電気信号Sa〜Sd,Sas〜Sdsをディジタルデータにそれぞれ変換し、これらディジタルデータに基づいて、フォーカスエラー信号FEを生成するフォーカスエラー信号生成処理、トラッキングエラー信号TEを生成するトラッキングエラー信号生成処理、再生信号RFを生成する再生信号生成処理、および光情報媒体11における合焦記録層を検出する合焦記録層検出処理を実行する。
本例では、処理部7は、フォーカスエラー信号生成処理では、下記式(2)で示される演算を行ってフォーカスエラー信号FEを生成し、トラッキングエラー信号生成処理では、下記式(3)で示される演算を行ってトラッキングエラー信号TEを生成し、再生信号生成処理では、下記式(4)で示される演算を行って再生信号RFを生成する。この場合、フォーカスエラー信号FEは、デフォーカス時における合焦記録層からの戻り光ビームのビームスポットSPの外形が小さいときには、式(Sa+Sc−Sb−Sd)で示される演算を行うことでも算出し得るが、ビームスポットSPの外形が大きいときには図3において破線で示すように正方形領域U0の隅部に配設された迷光検出器32〜35にかかる場合もある。このため、本例では、より正確なフォーカスエラー信号FEの生成を行うべく、4つの象限のうちの一の対角象限(第2象限および第4象限)に含まれる2つの迷光検出器32,34および2つの受光領域31a,31cでの受光量を示す各電気信号Sas,Scs,Sa,Scの和と、4つの象限のうちの他の対角象限(第3象限および第1象限)に含まれる2つの迷光検出器33,35および2つの受光領域31b,31dでの受光量を示す各電気信号Sbs,Sds,Sb,Sdの和との差分をフォーカスエラー信号FEとして生成する下記式(2)を用いている。
また、処理部7は、光情報媒体11内での合焦位置においてピークを示すプルイン信号(=Sa+Sb+Sc+Sd)を生成すると共にこのピークをカウントすることにより、記録層L3〜L0のうちの後述するフォーカスの引き込み範囲(キャプチャーレンジ)に含まれる記録層(合焦記録層)を検出する。なお、発明の理解を容易にするため、下記の各式では、ディジタルデータに変換される前の各電気信号の記号(「Sa」など)を使用して演算内容を表している。
FE=(Sa+Sc+Sas+Scs)−(Sb+Sd+Sbs+Sds)
・・・・・・・・・・・・・・(2)
TE=Sa+Sd−(Sb+Sc) ・・・・・・・・・・・・・・(3)
RF=Sa+Sb+Sc+Sd−k1×(Sas+Sbs+Scs+Sds)
・・・・・・・・・・・・・・(4)
ここで、k1は既知の補正係数であり、メイン検出器31の総受光面積をすべての迷光検出器32〜35の総受光面積で除算して得られる係数である。なお、本例では、各受光領域31a〜31dは同一受光面積に規定され、かつ各迷光検出器32〜35も同一受光面積に規定されているため、補正係数k1は、メイン検出器31の各受光領域31a〜31dのうちの任意の1つの面積を各迷光検出器32〜35のうちの任意の1つの面積で除算して得られる係数でもある。例えば、分割領域U1,U2,U3,U4の一辺の長さを「2」とし、各迷光検出器32〜35の一辺の長さをその半分(「1」)としたときには、各迷光検出器32〜35の面積は「1」となり、各分割領域U1〜U4の面積は「4」となることから、各受光領域31a〜31dの面積は「3」となり、補正係数k1は「3」となる。
次に、光ピックアップ装置1によって情報が読み取られる光情報媒体11における各記録層L0〜L3の間隔(層間隔x)について説明する。この光情報媒体11では、層間隔xが、下記の式(5),(6)を満たすように構成されている。また、各式(5),(6)を満足する最小のxに層間隔を規定することで、後述するように正確な再生信号RFを生成しつつ、各記録層L3〜L0の間隔を最短にすることができるようになっている。したがって、光情報媒体11の厚みを薄くすることができたり、また同じ厚みの光情報媒体であれば、記録層の数をより多くすることができる(より多層化することができる)。
x≧(1+w1×w2)×γ2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ (5)
x≧2×a1 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (6)
次に、光情報媒体11の各記録層L0〜L3から情報を読み出すときの光ピックアップ装置1によるフォーカス制御動作、トラッキング制御動作および再生信号RFの生成動作について説明する。
まず、光ピックアップ装置1では、処理部7が、レンズ駆動部4を制御することによって対物レンズ3を光情報媒体11に対して接離動させて、各記録層L0〜L3のうちの情報を読み出す記録層(所望の記録層)に対物レンズ3から出射される光ビームを集光させる。この際、処理部7は、プルイン信号のピークをカウントしつつ、所望の記録層がフォーカスエラー信号FEの引き込み範囲a1内に位置するように対物レンズ3を接離動させる。次いで、処理部7は、上記式(2)に基づいて生成したフォーカスエラー信号FEのレベルがゼロになるように、レンズ駆動部4を制御して対物レンズ3の光情報媒体11に対する距離を微調する。これにより、対物レンズ3から出射される光ビームが所望の記録層に集光される。続いて、処理部7は、上記式(3)に基づいて生成したトラッキングエラー信号TEのレベルがゼロになるように、レンズ駆動部4を制御して対物レンズ3を光情報媒体11の径方向に移動させる。これにより、対物レンズ3から光情報媒体11の所望の記録層に照射されたビームスポットが、この記録層に形成されているトラック上に位置させられる。
この状態に移行した後に、処理部7は、上記式(4)に基づいて再生信号RFの生成を開始する。この場合、上記したように、光学系6は、図7に示すように、すべての迷光のビームスポットSPが光検出器5全体にかかるように投射する。なお、図7では、発明の理解を容易にするため、迷光のビームスポットSPとして、短軸長が最短となるビームスポットSPr(短軸長a)、および短軸長が次に短くなるビームスポットSPf(短軸長b)のみを示している。このため、光検出器5はすべての非合焦記録層からの迷光を常に受光する状態となっている。
また、処理部7は、合焦記録層からの情報の読み出しに際しては、上記した式(4)を使用して再生信号RFを生成する。この場合、4つの受光領域31a〜31dで生成される各電気信号Sa〜Sdの合計(Sa+Sb+Sc+Sd)から各迷光検出器32〜35で生成される各電気信号の和(Sas+Sbs+Scs+Sds)に補正係数k1を乗算したものを減算することにより、各電気信号Sa〜Sdの合計(Sa+Sb+Sc+Sd)に含まれている迷光成分がキャンセルされる。したがって、処理部7は、正確な再生信号RFを生成する。
このように、この光ピックアップ装置1では、4つの迷光検出器32〜35は、戻り光ビームの光路R1の中心Gを原点とする平面PL上の直交座標内に重心が原点Gと一致し、かつ四辺が直交座標のいずれかの仮想軸線R2,R3と平行となるように規定された正方形領域U0の四隅に配設され、メイン検出器31の4つの受光領域31a〜31dは、正方形領域U0における直交座標の各象限内に位置する各分割領域U2,U3,U4,U1内の迷光検出器32,33,34,35を除く領域全体に亘る大きさに形成されて、処理部7は、受光領域31a〜31dで生成される各電気信号Sa〜Sdの合計(Sa+Sb+Sc+Sd)から各迷光検出器32〜35で生成される各電気信号の和(Sas+Sbs+Scs+Sds)に補正係数k1を乗算したものを減算して迷光成分の含まれない再生信号RFを生成する。
したがって、この光ピックアップ装置1によれば、すべての迷光検出器32〜35をメイン検出器31と共に1つの正方形領域U0内に配設したことにより、迷光検出器32〜35を含む光検出器5全体の外形を小さくできるため、各記録層の間隔が狭いことに起因して合焦記録層の一つ奥側に位置する非合焦記録層からのビームスポットSPr(短軸長aが最短となるビームスポット)の外形が小さくなる光情報媒体に対しても、このビームスポットSPr内に光検出器5全体を含ませるようにでき、これによってすべての迷光のビームスポットSP内に光検出器5全体を含ませるようにできるため、これによって迷光成分の含まれない再生信号RFを生成することができる結果、光情報媒体11に記憶されている情報を正確に読み出すことができる。
また、この光ピックアップ装置1では、4つの象限のうちの一の対角象限(第2象限および第4象限)に含まれる2つの迷光検出器32,34および2つの受光領域31a,31cでの受光量を示す各電気信号Sas,Scs,Sa,Scの和と、4つの象限のうちの他の対角象限(第3象限および第1象限)に含まれる2つの迷光検出器33,35および2つの受光領域31b,31dでの受光量を示す各電気信号Sbs,Sds,Sb,Sdの和との差分をフォーカスエラー信号FEとして生成する。したがって、この光ピックアップ装置1によれば、デフォーカス時における合焦記録層からの戻り光ビームのビームスポットSPの外形が大きいときでも、正確なフォーカスエラー信号FEを生成できるため、対物レンズ3から出射される光ビームを所望の記録層に良好に集光させることができる。
なお、本発明は、上記の構成に限定されない。例えば、上記の例では、正方形領域U0を四隅が直角に形成された正方形とし、かつ各迷光検出器32〜35の平面形状を正方形としたが、正方形領域U0を四隅が面取りされた正方形としたり、各迷光検出器32〜35の平面形状を三角形や円形など種々の形状としたりすることもできる。例えば、図8に示すように、正方形領域U0を四隅が面取りされた正方形とし、かつ各迷光検出器32〜35の平面形状を頂角側の頂点が原点Gに向く二等辺三角形に形成する構成を採用することもでき、この構成によれば、同図に示すように、正方形領域U0における各対角線R4,R5の長さをより短くできる結果、光検出器5の外形をより小さくすることができる。このため、より外形の小さなビームスポットSPrであっても、その中に光検出器5全体を含ませることができる結果、より層間隔の狭い光情報媒体に対しても迷光成分の含まれない再生信号RFを生成することができ、これにより、光情報媒体11に記憶されている情報を正確に読み出すことができる。
また、例えば、上記の例では、2組の対角象限に含まれる4つの迷光検出器32〜35から出力される4つの電気信号(電気信号Sas,Sbs,Scs,Sds)の和のk1倍を、メイン検出器31から出力される各電気信号Sa〜Sdの総和から減算して再生信号RFを生成しているが、対物レンズ3のレンズシフトに起因して光検出器5上において各迷光のビームスポットSPが大きくシフト(移動)して、各迷光のビームスポットSPのうちのいずれか(例えば、ビームスポットSPrやビームスポットSPf)が、迷光検出器32〜35のうちのいずれかの迷光検出器の一部に照射されない状態となる場合も想定される。
しかしながら、この場合にも、楕円形の各迷光のビームスポットSPのシフト方向は概ねその長軸方向に沿った方向となるため、一部に迷光のビームスポットSPが照射されない状態となった迷光検出器が含まれる象限と対角の位置にある象限内に含まれる迷光検出器にはすべての迷光のビームスポットSPが照射されている状態が維持されている。つまり、4つの迷光検出器のうちの少なくとも1つは常に迷光のビームスポットSPが照射されている状態が維持されている。したがって、処理部7が、4つの迷光検出器32〜35から出力される各電気信号Sas〜Sdsのうちのレベル(振幅)の最大の電気信号を特定してそのレベルを4倍し、さらにk1倍すると共に、これをメイン検出器31から出力される各電気信号Sa〜Sdの総和から減算して再生信号RFを生成するという構成を採用することもできる。この構成によれば、対物レンズ3のレンズシフトの影響をさらに低減することができる結果、正確な再生信号RFを一層安定して生成することができる。
また、光路R1の中心Gを原点とした直交座標におけるすべての象限(4つの象限)に迷光検出器を配置する構成について上記したが、対物レンズ3によるレンズシフトの影響が少なく、このため、光検出器5上での各迷光のビームスポットSPのシフト量が少ない場合には、迷光検出器を配置する象限の数を減少させることもできる。例えば、隣接する2つの象限にのみ迷光検出器を配置する構成や、さらには1つの象限にのみ迷光検出器を配置する構成を採用することもできる。この場合、メイン検出器31における迷光検出器を配置しない象限に位置する受光領域の形状は、分割領域全体に亘る正方形とする。この構成によれば、迷光検出器の数を減少させることができるため、光検出器5の構成、ひいては光ピックアップ装置1全体の構成を簡略化することができる。また、上記の例では、4つの記録層L3,L2,L1,L0を含む光情報媒体11を例に挙げて説明したが、2層や3層の記録層を備えた光情報媒体や、5層以上の記録層を備えた光情報媒体に対しても、光ピックアップ装置1を使用することができる。
また、一例として、再生信号RF、トラッキングエラー信号TEおよびフォーカスエラー信号FEの生成を1つの光ビームに基づいて行う1ビーム方式の光ピックアップ装置1を例に挙げて説明したが、本発明は1ビーム方式の光ピックアップ装置に限定されず、メイン検出器の他に2つのサブ検出器を備えて構成される3ビーム方式の光ピックアップ装置のメイン検出器に対して適用できるのは勿論である。本願発明をこの3ビーム方式の光ピックアップ装置のメイン検出器に適用することで、この光ピックアップ装置においても、再生信号RFに含まれる迷光成分をキャンセルできて、正確な再生信号RFを生成することが可能となる。
また、上記の各構成では、光路R1の中心Gを原点とする平面PL上の直交座標内に重心がこの原点Gと一致し、かつ四辺が直交座標のいずれかの軸線(仮想軸線R2,R3)と平行となる正方形領域(または隅部が面取りされた正方形領域)U0を規定し、この正方領域の四隅のうちの少なくとも1つに迷光検出器を配置すると共に、各象限に位置する正方形領域U0の各領域内にメイン検出器31の各受光領域31a〜31dを受光面積が同一となる状態で配設することで、迷光検出器およびメイン検出器31を含む光検出器5全体の外形(正方形領域U0の外形)を小さくして、各記録層の間隔が狭い光情報媒体に対しても、すべての迷光のビームスポットSP内に光検出器5全体を含ませるようにしたが、すべての迷光のビームスポットSPのうちの短軸長が最短となるビームスポットSPr(短軸長a)に着目し、図9に示すように、ビームスポットSPrと、仮想軸線R2を基準としてビームスポットSPrを線対称移動させた図形(仮想ビームスポット)SPr1(同図中において破線で示した図形)を考え、両ビームスポットSPr,SPr1の重複領域U10(両ビームスポットSPr,SPr1の各交点J1,J2,J3,J4を結ぶ曲線で囲まれた領域)における各象限に含まれる各領域U11,U12,U13,U14内に、メイン検出器31の各受光領域31a〜31dを受光面積が同一で、かつ外形が正方形となる状態で配設すると共に、各領域U11,U12,U13,U14のうちの少なくとも1つの領域内に迷光検出器を配置して光検出器15を構成することもできる。この場合、各領域U11,U12,U13,U14のうちの隣接する2つの領域に亘るように迷光検出器を配置してもよいのは勿論である(後述する各光検出器16〜18を備えた構成においても同様である)。一例として、光検出器15では、メイン検出器31が重複領域U10に内接し(メイン検出器31の対角線がビームスポットSPrの短軸長aと一致し)、かつ各領域U11,U12,U13,U14内におけるメイン検出器31の外部領域内に、受光面積が同一に構成された迷光検出器35,32,33,34が配置されている。なお、同図に示す各領域U11,U12,U13,U14内における迷光検出器35,32,33,34の配置は一例であり、他の位置に配置してもよいのは勿論である。例えば、互いに接した状態で配置されている迷光検出器35,32を1つの迷光検出器で構成して、隣接する2つの領域U11,U12に亘る配置とすることもできる。また、ビームスポットSPrは、その短軸長aがメイン検出器31の対角線と同じ長さとなり、その長軸長は光学系6の復路光学倍率β1(センサレンズ24のレンズ倍率β2を含む倍率)で一義的に決定される。
この構成においても、上記した光検出器5と同様にして、各記録層の間隔が狭い光情報媒体に対しても、すべての迷光のビームスポットSP内に光検出器15全体を含むことになるため、層間隔の狭い光情報媒体に対しても迷光成分の含まれない再生信号RFを生成することができ、これにより、光情報媒体11に記憶されている情報を正確に読み出すことができる。なお、再生信号RFの生成に際しては、光検出器5を使用する構成と同様にして、メイン検出器31の総受光面積を迷光検出器32〜35の総受光面積で除算して得られる係数k1を使用する。この係数k1を使用して再生信号RFを生成する構成については、後述する各光検出器16〜18を備えた構成においても同様である。
また、光検出器の他の例として、図10に示す光検出器16のように、短軸長が最短となるビームスポットSPr(短軸長a)に内接するように、受光面積が同一で、かつ外形が正方形となる各受光領域31a〜31dで構成されたメイン検出器31を配置し、メイン検出器31の各角部(頂部)をCP1,CP2,CP3,CP4とし、かつ各受光領域31a〜31dを区画する仮想軸線R2,R3とビームスポットSPrとの交点をJ1,J2,J3,J4(上記したように、各ビームスポットSPr,SPr1同士の交点でもある)としたときに、各点CP1,J1,CP2,J2,CP3,J3,CP4,J4を結ぶ直線(同図では破線で示されている)で囲まれた領域U20におけるメイン検出器31の外部領域内に迷光検出器を配置した構成とすることもできる。この光検出器16では、一例として、領域U20における各象限に含まれる各領域U21,U22,U23,U24内に、受光面積が同一に構成された迷光検出器35,32,33,34が配置されているが、迷光検出器は各領域U21,U22,U23,U24のうちの少なくとも1つに配設されていればよい。
また、図10に示す領域U20は、図9に示す重複領域U10に必ず含まれるため、この領域20内に含まれるように構成された光検出器16は、上記した光検出器15と同様にして、各記録層の間隔が狭い光情報媒体に対しても、すべての迷光のビームスポットSP内に全体が含まれるため、層間隔の狭い光情報媒体に対しても迷光成分の含まれない再生信号RFを生成することができ、これにより、光情報媒体11に記憶されている情報を正確に読み出すことができる。
また、センサレンズ24を有して対物レンズ3で受光した光情報媒体11からの戻り光ビームを光検出器5に対して非点収差を付与した状態で投射する光学系6を備えた例について上記したが、この光学系6に代えて、光情報媒体11からの戻り光ビームを光検出器5に対して非点収差を付与せずに投射する構成(センサレンズ24を有さない構成)の光学系を備えた構成とすることもできる。
また、このような非点収差を付与せずに投射する構成、すなわち、図11に示すように、ほぼ円形の戻り光ビームのビームスポットSPを投射する構成においても、光検出器17のように、受光面積が同一で、かつ外形が正方形となる各受光領域31a〜31dで構成されたメイン検出器31と、このメイン検出器31が内接するビームスポットSP(外形が最小のビームスポットSP)の内部領域U30における各象限に含まれる各領域U31,U32,U33,U34のうちの少なくとも1つの領域内に配設された迷光検出器とで光検出器を構成することもできる。一例として、光検出器17では、受光面積が同一に構成された迷光検出器35,32,33,34が、各領域U31,U32,U33,U34におけるメイン検出器31の外部領域内にそれぞれ配設されている。
さらに、図12に示す光検出器18のように、非点収差を付与せずにビームスポットSPを投射する構成において、ビームスポットSPに内接するようにメイン検出器31を構成し、メイン検出器31の各角部(頂部)をCP1,CP2,CP3,CP4とし、かつ各受光領域31a〜31dを区画する仮想軸線R2,R3とビームスポットSPとの交点をJ1,J2,J3,J4としたときに、各点CP1,J1,CP2,J2,CP3,J3,CP4,J4を結ぶ直線(同図では破線で示されている)で囲まれた領域U40におけるメイン検出器31の外部領域内に迷光検出器を配置した構成とすることもできる。この光検出器18では、一例として、領域U40における各象限に含まれる各領域U41,U42,U43,U44内に、受光面積が同一に構成された迷光検出器35,32,33,34が配置されているが、迷光検出器は各領域U41,U42,U43,U44のうちの少なくとも1つに配設されていればよい。
光ピックアップ装置1の構成図である。 光情報媒体11における各記録層L3,L2,L1,L0の構成を示す説明図である。 光検出器5および処理部7の構成を示すブロック図である。 各迷光検出器32〜35の正方形領域U0内での配置を示す説明図である。 メイン検出器31の各受光領域31a〜31dについての正方形領域U0内での配置を示す説明図である。 光学系6から光検出器5に投射される戻り光ビームについてのビームスポットSPの形状の様子を説明するための説明図である。 ビームスポットSPr,SPfと光検出器5との関係を説明するための説明図である。 ビームスポットSPr,SPfと他の光検出器5との関係を説明するための説明図である。 ビームスポットSPr,SPr1と光検出器15との関係を説明するための説明図である。 ビームスポットSPrと光検出器16との関係を説明するための説明図である。 ビームスポットSPrと光検出器17との関係を説明するための説明図である。 ビームスポットSPrと光検出器18との関係を説明するための説明図である。 従来の光ピックアップ装置での受光素子51の構造を示す平面図である。 図13の受光素子51と、非点収差が付与された迷光の照射領域SPxとの関係を示す平面図である。
符号の説明
1 光ピックアップ装置
2 光源
3 対物レンズ
5 光検出器
6 光学系
7 処理部
11 光情報媒体
31 メイン検出器
31a〜31d 受光領域
32〜35 迷光検出器
G 原点
L0〜L3 記録層
R2,R3 仮想軸線
RF 再生信号
Sa〜Sd 電気信号
Sas〜Sds 電気信号

Claims (3)

  1. 光情報媒体の複数の記録層のうちの1つの記録層に集光された光ビームの当該光情報媒体からの戻り光ビームを当該戻り光ビームの光路に交差する平面上に配設された光検出器に導く光学系と、当該光検出器から出力される受光量を示す電気信号に基づいて当該光情報媒体に記憶された情報を示す再生信号を生成する処理部とを備えた光ピックアップ装置であって、
    前記光検出器は、前記光路の中心を原点とする前記平面上の直交座標内に重心が当該原点と一致し、かつ四辺が当該直交座標のいずれかの軸線と平行となるように規定された正方形領域または隅部が面取りされた正方形領域の四隅に配設された4つの迷光検出器と、当該正方形領域における当該直交座標の4つの象限内に位置する各分割領域内の前記迷光検出器を除く領域全体に亘る大きさに形成された4つの受光領域で構成されるメイン検出器とを備え、
    前記処理部は、前記各受光領域での受光量を示す電気信号を前記各迷光検出器での受光量を示す電気信号で補正して前記再生信号を生成する光ピックアップ装置。
  2. 前記各迷光検出器は、頂角側の頂点が前記原点に向く二等辺三角形に平面形状が形成されている請求項1記載の光ピックアップ装置。
  3. 前記4つの象限のうちの一の対角象限に含まれる2つの前記迷光検出器および2つの受光領域での受光量を示す前記各電気信号の和と、前記4つの象限のうちの他の対角象限に含まれる2つの前記迷光検出器および2つの受光領域での受光量を示す前記各電気信号の和との差分をフォーカスエラー信号として生成する請求項1または2記載の光ピックアップ装置。
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