JP2009108452A - 柔軟剤組成物 - Google Patents

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隆司 大森
Akira Ishikubo
章 石窪
Yuki Sugiyama
由紀 杉山
Yuko Fukukita
祐子 福喜多
Yoji Tezuka
洋二 手塚
Keiichi Maruyama
圭一 円山
Sue Taguchi
須恵 田口
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Abstract

【課題】柔軟性,吸水性を与え,不快な臭気のない柔軟剤組成物を提供する。
【解決手段】(a)下記式(I)で示されるブロック型アルキレンオキシド誘導体を0.1〜30質量%、および、(b)下記式(II)で示されるアミン化合物、または該アミン化合物の中和物、あるいは該アミン化合物の4級化物、を含有することを特徴とする。Y−[O(EO)−(AO)−(EO)−R (I)(式中、Yは3〜6個の水酸基を有する多価アルコールの水酸基を除いた残基、kは前記多価アルコールの水酸基数、EOはオキシエチレン基、AOは炭素数3〜6のオキシアルキレン基で、0≦a×k≦50、1≦b×k≦100、0≦c×k≦100、ただし、1<(a+c)×kである。)
Figure 2009108452

(式中、R、R、Rは、水素原子、炭素数1〜36の炭化水素基、炭素数8〜36の炭化水素鎖中にエステル基、アミド基、あるいはエーテル基を有する官能基である。)
【選択図】なし

Description

本発明は柔軟剤組成物、特にその機能の改善に関する。
柔軟剤は、洗濯後の衣類に柔軟性および吸水性を与える目的で日常的に使用されているが、衣類に直接作用するために、不快な臭いがしないことが望まれる。
柔軟性基剤としては、ジアルキルジメチル4級アンモニウム塩など、陽イオン性物質であることが一般的であり、これら柔軟性基剤は、水に難溶性であるために、柔軟剤組成物としての配合安定性に劣るといった問題点があった。
また、アトピー性皮膚炎等のアレルギー症状を持つ人にとっては、柔軟性基剤が付着した衣類を着用すると、肌荒れの原因となる可能性があるため、刺激性の低い組成物の開発も望まれている。
配合安定性を解決するための可溶化剤としては、電荷を安定に保つことができる非イオン性界面活性剤、特にアルキレンオキシド誘導体が汎用されており、これまでに様々な提案がなされている。
例えば、グリセリン、ソルビタン、ペンタエリスリトールなどの多価アルコールの脂肪酸エステルもしくは、多価アルコールアルキレンオキシド誘導体といった非イオン性界面活性剤の提案がなされている(例えば、特許文献1〜4)。また、炭素数3以上のオキシアルキレン基を有する直鎖型非イオン性界面活性剤として、脂肪族アルコールにエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドをランダム付加重合させた後、エチレンオキシドを付加重合させた化合物を配合する提案もなされている(例えば特許文献5)。
しかし、一般的に酸性製剤である柔軟剤組成物において、多価アルコールの脂肪酸エステル誘導体では、エステルの加水分解が生じる可能性があり、脂肪酸由来の臭気の発生やエステル分解物による外観の悪化につながってしまう。また、多価アルコールのアルキレンオキシド誘導体および直鎖型非イオン性界面活性剤では、残存する柔軟剤基剤による肌荒れを改善する効果が十分ではなかった。
肌荒れの改善する方法としては、直鎖型ポリアルキレンオキシドジアルキルエーテル誘導体の提案もなされているが(例えば特許文献6)、直鎖型ジアルキルエーテル化物では、外観の経時安定性が十分ではなかった。
つまり、柔軟性および吸水性を向上させ、臭気および外観の経時安定性が良好で、なおかつ残存柔軟剤成分によっておこる肌荒れを改善するような柔軟剤組成物の開発は、これまでになされていなかった。
特開平7−3645号公報 特開平6−116864号公報 特開2004−232163号公報 特開平1−213479号公報 特開2002−38372号公報 特開2004−293000号公報
本発明は上記問題点に鑑み行なわれたものであり、その目的は、柔軟性および吸水性が高く、臭気および外観の経時安定性が良好で、且つ残存柔軟剤成分によって起こる肌荒れを低減することのできる柔軟剤組成物を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明者らが鋭意検討を行なった結果、特定構造を有するブロック型アルキレンオキシド誘導体を、特定構造のアミン化合物、または該アミン化合物の中和物、あるいは該アミン化合物と共に配合することにより、柔軟性、吸水性、臭気および外観の経時安定性に優れ、皮膚刺激性の低い柔軟剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかる柔軟剤組成物は、(a)下記式(I)で示されるブロック型アルキレンオキシド誘導体を0.1〜30質量%、および、(b)下記式(II)で示されるアミン化合物、または該アミン化合物の中和物、あるいは該アミン化合物の4級化物、
を含有することを特徴とする。
(化1)
Y−[O(EO)−(AO)−(EO)−R (I)
(式中、Yは3〜6個の水酸基を有する多価アルコールの水酸基を除いた残基、kは前記多価アルコールの水酸基数、EOはオキシエチレン基、AOは炭素数3〜6のオキシアルキレン基でそれぞれブロック状に付加されている。a×kおよびc×kはそれぞれオキシエチレン基の平均付加モル数の合計、b×kは炭素数3〜6のオキシアルキレン基の平均付加モル数の合計を示し、0≦a×k≦50、1≦b×k≦100、0≦c×k≦100、ただし、1<(a+c)×kである。オキシエチレン基と炭素数3〜6のオキシアルキレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合は、10〜80質量%である。Rは炭素数1〜4の炭化水素基である。)
Figure 2009108452
(式中、R、R、Rは、水素原子、炭素数1〜36の炭化水素基、炭素数8〜36の炭化水素鎖中にエステル基、アミド基、あるいはエーテル基を有する官能基であり、かつ、R、R、Rの少なくとも1つは、炭素数8〜36の炭化水素基もしくは炭素数8〜36の炭化水素鎖中にエステル基、アミド基、あるいはエーテル基を有する官能基である。)
また、前記柔軟剤組成物は、前記式(I)で示されるブロック型アルキレンオキシド誘導体において、AOがオキシブチレン基であることが好適である。
さらに、前記柔軟剤組成物は、前記式(I)で示されるブロック型アルキレンオキシド誘導体において、aが0であることが好適である。
本発明によれば、柔軟性および吸水性が著しく高く、臭気および外観の経時安定性が良好で、なおかつ残存柔軟剤成分によっておこる肌荒れが改善された、非常に有用な柔軟剤組成物を得ることができる。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
本発明にかかる柔軟剤組成物は、(a)特定構造を有するブロック型アルキレンオキシド誘導体、(b)特定構造を有するアミン化合物、または該アミン化合物の中和物、あるいは該アミン化合物の4級化物、をそれぞれ特定量含むものである。以下、前記必須成分について順次詳述する。
(a)ブロック型アルキレンオキシド誘導体
本発明においては、下記式(I)で示されるブロック型アルキレンオキシド誘導体が適用し得る。
(化3)
Y−[O(EO)−(AO)−(EO)−R (I)
前記式(I)で示されるブロック型アルキレンオキシド誘導体において、Yは3〜6個の水酸基を有する多価アルコールの水酸基を除いた残基であり、kは前記多価アルコールの水酸基数であり3〜6である。
3〜6個の水酸基を有する多価アルコールとしては、例えばk=3であるグリセリン、トリメチロールプロパン、k=4であるエリスリトール、ペンタエリスリトール、k=5であるキシリトール、k=6であるソルビトール、イノシトールが挙げられる。
すなわち、本発明にかかる柔軟剤組成物に配合されるブロック型アルキレンオキシド誘導体は、前記の3〜6個の水酸基を有する多価アルコールの1種または2種以上の混合物の水酸基を除いた残基を基本骨格とする。
本発明において、特に、Yが3〜4個の水酸基を有する多価アルコールの水酸基を除いた残基であることが好ましく、すなわち、3≦k≦4を満たすことが好適である。このような多価アルコールとして、具体的にはグリセリン、ペンタエリスリトールが挙げられる。kが2以下であると、柔軟剤組成物に配合した場合に、外観の経時安定性が不十分であり、また、kが7以上であると、求める柔軟効果が得られず好ましくない。
EOは、オキシエチレン基である。AOは炭素数3〜6のオキシアルキレン基であり、具体的には、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシイソブチレン基、オキシt−ブチレン基、オキシテトラメチレン基、オキシペンチレン基、オキシヘキシレン基、などが挙げられる。好ましくは、オキシプロピレン基、オキシブチレン基であり、さらに好ましくはオキシブチレン基である。また、AOは1種または2種以上を用いることができる。
b×kはAOの平均付加モル数の総数であり、1≦b×k≦100、好ましくは3≦b×k≦70、より好ましくは5≦b×k≦50である。a×kおよびc×kはEOの平均付加モル数であり、0≦a×k≦50、0≦c×k≦100である。a×kとして、好ましくは0≦a×k≦30、より好ましくは0≦a×k≦20である。また、c×kとして、好ましくは5≦c×k≦70、より好ましくは5≦c×k≦50である。また、前記式(I)中の全オキシエチレン基の平均付加モル数(a+c)×kは1より大きく、好ましくは1<(a+c)×k≦200であり、更に好ましくは10≦(a+c)×k≦140である。AOは本発明にかかるブロック型アルキレンオキシド誘導体において疎水性部位となり、b×kが0であると、外観の経時安定性に劣り、100を超えると、肌荒れの改善に劣る傾向にある。また、(a+c)×kが0であると、吸水性に劣るばかりか、外観の経時安定性に劣る場合があり好ましくない。
前記式(I)中のAOとEOの合計に対する前記式(I)中の全EOの割合は10〜80質量%であり、さらに好ましくは20〜70質量%である。前記割合が10質量%より小さいと、吸水性に劣る傾向にあり、80質量%より大きいと、外観の経時安定性を損なう場合があり好ましくない。
また、AOとEOの付加形態はブロック状であり、付加順序は式中のYに対して、(AO)−(EO)の順、(EO)−(AO)の順、(EO)−(AO)−(EO)の順のいずれであってもよい。ここで、(AO)−(EO)はa=0、(EO)−(AO)はc=0に相当する。本発明においては、式中のYに対して(AO)−(EO)の順、つまりa=0であることが特に好ましい。
前記式(I)において、Rは炭素数1〜4の炭化水素基であり、これは衣類に付着した柔軟成分による肌荒れを改善するために必須である。このような炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられ、本発明においては特にメチル基、エチル基であることが好ましい。炭素数が5より大きいと、柔軟性および吸水性に劣ることがあり好ましくない。また、Rが水素原子であると、肌荒れの改善が不十分である可能性があり好ましくない。
また、本発明にかかる柔軟剤組成物に配合されるブロック型アルキレンオキシド誘導体において、Rは1分子中、同一であっても異なっていてもよく、1分子中において同一のRを有するブロック型アルキレンオキシド誘導体1種、または異なるRを有する2種以上の混合物であってもよい。
本発明にかかる柔軟剤組成物に配合されるアルキレンオキシド誘導体としては、具体的にはPOB(30)POE(30)グリセリルトリメチルエーテル、POB(30)POE(35)グリセリルトリメチルエーテル、POB(17)POE(28)グリセリルトリメチルエーテル、POB(27)POE(45)グリセリルトリメチルエーテル、POB(14)POE(34)グリセリルトリメチルエーテル、POB(22)POE(55)グリセリルトリメチルエーテル、POB(19)POE(55)グリセリルトリメチルエーテル、POB(40)POE(80)グリセリルトリメチルエーテル、POB(80)POE(40)グリセリルトリメチルエーテル、POB(30)POE(30)グリセリルトリエチルエーテル、POB(30)POE(35)グリセリルトリエチルエーテル、POB(14)POE(34)グリセリルトリエチルエーテル、POB(30)POE(30)グリセリルトリプロピルエーテル、POE(30)POP(30)グリセリルトリメチルエーテル、POE(35)POP(40)グリセリルトリメチルエーテル、POE(41)POP(48)グリセリルトリメチルエーテル等が挙げられる。
なお、上記POE、POP、POBは、それぞれポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレンの略であり、以下、このように略して記載することがある。
本発明にかかる柔軟剤組成物に配合されるブロック型アルキレンオキシド誘導体は、公知の方法で製造することができる。例えば、水酸基を有している化合物に、エチレンオキシドおよび炭素数3〜6のアルキレンオキシドを付加重合した後、ハロゲン化アルキルをアルカリ触媒の存在下にエーテル反応させることによって得られる。
以上のようにして得られるブロック型アルキレンオキシド誘導体の配合量としては、本発明にかかる柔軟剤組成物全量に対して0.1〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは1.0〜10質量%である。前記配合量が0.1質量%に満たないと、配合による効果の発現が十分でないことがあり、配合量が30質量%を超えると、安定配合できない場合があり好ましくない。
(b)アミン化合物
本発明にかかる柔軟剤組成物は、衣類等に柔軟性を付与するための必須成分として、下記式(II)で示されるアミン化合物を含有する。
Figure 2009108452
上記式(II)において、R、R、Rは、水素原子、炭素数1〜36の炭化水素基、炭素数8〜36の炭化水素鎖中にエステル基、アミド基、あるいはエーテル基を有する官能基のいずれかであり、かつ、R、R、Rの少なくとも1つは、炭素数8〜36の炭化水素基もしくは炭素数8〜36の炭化水素鎖中にエステル基、アミド基、あるいはエーテル基を有する官能基である。
本発明で用いられるアミン化合物は、該アミン化合物、又は該アミン化合物の中和物あるいは該アミン化合物の4級化物であり、さらに、これらの混合物であってもよい。
本発明において、上記式(II)で示されるアミン化合物が炭素数1〜36の炭化水素基を有するとき、炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、ドコシル基などの直鎖もしくは分岐の飽和炭化水素基、オレイル基、リノール基などの不飽和炭化水素基、ヤシ油アルキル基、牛脂アルキル基などの混合炭化水素基が挙げられるが、これらの混合物であってもよく、好ましくは8〜24の炭化水素基である。炭素数が36より大きいと求める柔軟効果が得られないことがあり好ましくない。また、炭素数8〜36の炭化水素鎖中にエステル基、アミド基、あるいはエーテル基を有する官能基であってもよい。この場合、炭素数が8より小さいもしくは炭素数が36より大きいと求める柔軟効果が得られないことがあり好ましくない。
上記式(II)において、R、R、Rが、水素原子もしくは炭素数1〜7の炭化水素基から選ばれる場合、求める柔軟効果が得られないことがあり好ましくない。
本発明のアミン化合物の中和は、通常の酸を用いて行うことができる。酸としては、具体的には、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸、安息香酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、アクリル酸等の有機酸を挙げることができる。また、上記アミン化合物の4級化物は、過アルキル化法により長鎖アルキル基を有する3級アミンに更にアルキル基を結合することにより得ることができる。過アルキル化剤としては、例えばジメチル硫酸又は塩化ベンジルを使用することができる。また、これらの過アルキル化剤の代わりに、沃化メチル、塩化メチル、塩化エチル、臭化ブチル等の低級ハロゲン化アルキル、ジエチル硫酸又はエピクロロヒドリン等を使用してもよい。
本発明のアミン化合物には、脂肪酸とアルカノールアミンからなるエステルを4級化して得られるエステル型4級アンモニウム塩も該当する。エステル型4級アンモニウム塩は、それを構成する脂肪酸は炭素数12〜24の脂肪酸で、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキドン酸、ベヘニン酸などの飽和脂肪酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸などのモノ不飽和脂肪酸、リノール酸、リノレン酸などの多価不飽和脂肪酸等が挙げられ、これらは通常、牛脂、豚脂、パーム油、大豆油、ヒマワリ油、オリーブ油等の天然油脂を分解・精製、あるいは硬化して得られる。これらの中でも特に大豆油、ヒマワリ油、オリーブ油を原料油脂として、分解・部分水添などを組合わせて得られる脂肪酸を用いることが工業的に好ましい。脂肪酸の炭素数11以下では衣類に対して十分な柔軟性が与えられず、炭素数25以上では吸水性が低下する。
本発明における上記アミン化合物の配合量としては、柔軟剤組成物全量に対し5〜40質量%であり、好ましくは10〜30質量%である。前記配合量が5質量%に満たないと、衣類に対して十分な柔軟性を与えることができないことがある。また、前記配合量が40質量%を超えると、衣類の吸水性を低下させるばかりか、水への分散が不良になる可能性があり好ましくない。また、本発明の柔軟剤組成物のpHは、精製水で5%希釈時に2.7〜4.5であることが望ましい。
本発明の柔軟剤組成物には、上記した必須成分(a)及び(b)の他、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の界面活性剤、塩化カルシウム、食塩、塩化アンモニウム等の粘度調整剤、クエン酸、塩酸、水酸化ナトリウム等のpH調整剤、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチルアルコール等の溶剤、高重合メチルポリシロキサン、ジメチルシロキサン、メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン重合体等のシリコン誘導体、酸化防止剤、香料、色剤防腐剤などを配合することができる。
他の界面活性剤としては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルカノールアミドなどが例示できる。
以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。なお、配合量については特に断りのない限り、質量%で示す。
下記表2に示す成分および配合量で、柔軟剤組成物(実施例1〜5、比較例1〜8)を次のように調製し、その特性を評価した。
<調製方法>
水を70℃程度まで加熱する。この温水に下記(a)成分、(b)成分、界面活性剤、塩化カルシウムを配合する。その後、冷却を行い40〜50℃にてエチレングリコールを配合して柔軟剤組成物を得た。
表2における(a)成分、(b)成分については、下記のものを用いた。
<a成分>
(a)成分として、下記表1に示す構造の化合物a−1〜a−13をそれぞれ用いた。a−1〜a−10のY、a×k、b×k、c×k、AO、EO、Rは、下記式(I)における基および数値を表す。なお、表1のYは各物質から水酸基を除いた残基を示し、EOwt%はAO及びEOの合計に対するEOの割合を示す。また、AOはオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基、BOはオキシブチレン基を表す。
(化5)
Y−[O(EO)−(AO)−(EO)−R (I)
(表1)
Figure 2009108452
<b成分>
以下に示す2種類の第4級アンモニウム塩を用いた。
<b−1成分>
ジドデシルジメチルアンモニウムクロリド
<b−2成分>
ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド
表2中の柔軟剤処理試験および評価は、以下の方法により行った。評価結果も表2に併せて示す。
<柔軟剤処理試験方法>
市販の木綿タオルおよび木綿メリヤス肌着を、市販の洗剤(トップ;ライオン株式会社製)にて5回繰り返し洗濯することによって、製品に付着している柔軟剤を除去した後、容量7リットルの小型洗濯機に柔軟剤組成物の2.2%水溶液を調製し、25℃、浴比1/30で3分間撹拌処理を行った。
<評価方法>
上記の方法で処理したタオルを室温下で自然乾燥後、25℃、65%RHの恒温恒湿室に24時間放置した。このタオルについて、柔軟性および吸水性を以下の基準にて評価した。
(1)柔軟性
20名の女性をパネラーとし、柔軟処理後の木綿タオル3枚を重ねたものを1サンプルとし、柔軟性について、以下の基準にて官能評価を行い、平均値が3.0以上を合格とした。
4点:柔軟性が十分認められると感じた。
3点:柔軟性がやや認められると感じた。
2点:柔軟性がほとんど認められないと感じた。
1点:柔軟性が全く認められないと感じた。
(2)吸水性
柔軟処理後の木綿メリヤス肌着を2.5×15cmぼ短冊状に切り取り、その一端1cmを10分間水に浸し、水位の上昇を測定した。上昇水位が7.5cm以上を吸水性に優れていると評価した。
(3)臭気の経時安定性
得られた柔軟剤組成物の50℃の恒温槽にて、1ヶ月間放置したときの臭気および外観の経時安定性について、以下の基準にて評価した。
男女10名のパネラーに対して、以下の基準にて官能評価を行い、平均値が2.5以上を合格とした。
3:調製時と変らず、劣化臭を感じない。
2:わずかに劣化臭を感じる。
1:やや強い劣化臭を感じる。
(4)外観の経時安定性
外観を目視して、以下の基準にて評価し、○以上を合格とした。
○:調製時と変らない。
×:わずかに油滴を生じている。
××:油層が上部に分離している。
(5)皮膚刺激性
さらに、柔軟剤組成物の1.0質量%水溶液を調製し、パッチテスト用絆創膏のガーゼ部分に滴下し、これを被験者20名以上の上腕部に貼り付け、48時間後の皮膚の状態を確認した。判定は以下の評価基準で行い、評価点を20人の平均で表した。0.5以下を低刺激性であると判断した。
0:反応なし
1:わずかに紅斑
2:軽い紅斑
(表2)
Figure 2009108452
上記表2より明らかなように、本発明の柔軟剤組成物を用いた実施例1〜5は、柔軟性、吸水性、臭気の経時安定性、外観の経時安定性、および皮膚刺激性の全ての評価において優れた結果を示した。
一方、EOを含有しない化合物a−6を配合した比較例1は、吸水性および外観の経時安定性に劣っていた。末端が水酸基である化合物a−7を配合した比較例2はは、皮膚刺激性に劣るものであった。末端にヘキシル基を有する化合物a−7を配合した比較例3では、柔軟性、吸水性、および臭気の経時安定性が不十分であった。また、AOを含有しない化合物a−9を配合した比較例4では、外観の経時安定性に劣り、トレハロース骨格を有する化合物a−10を配合した比較例5では、柔軟性が劣っていた。直鎖型エチレンオキシドプロピレンオキシドランダム共重合体のジメチルエーテルを配合した比較例6においては、外観の経時安定性に劣り、グリセリンのモノおよびジ脂肪酸エステルのEO付加物a−12を配合した比較例7では、臭気および外観の経時安定性、皮膚刺激性が劣っていた。直鎖型非イオン性界面活性剤である化合物a−13を配合した比較例8は、吸水性および皮膚刺激性に劣るものであった。
このように、実施例1〜5の柔軟剤組成物は、比較例1〜8に比べ、柔軟性、吸水性、臭気および外観の経時安定性および皮膚刺激性の全てを満足するものであることが明らかである。
したがって、(a)特定構造のブロック型アルキレンオキシド誘導体、および(b)特定構造のアミン化合物を適量配合することにより、柔軟性および吸水性に優れ、臭気および外観の経時安定性が高く、且つ皮膚刺激性の低い柔軟剤組成物を得ることができる。

Claims (3)

  1. (a)下記式(I)で示されるブロック型アルキレンオキシド誘導体を0.1〜30質量%、および、
    (b)下記式(II)で示されるアミン化合物、または該アミン化合物の中和物、あるいは該アミン化合物の4級化物、
    を含有することを特徴とする柔軟剤組成物。
    (化1)
    Y−[O(EO)−(AO)−(EO)−R (I)
    (式中、Yは3〜6個の水酸基を有する多価アルコールの水酸基を除いた残基、kは前記多価アルコールの水酸基数、EOはオキシエチレン基、AOは炭素数3〜6のオキシアルキレン基でそれぞれブロック状に付加されている。a×kおよびc×kはそれぞれオキシエチレン基の平均付加モル数の合計、b×kは炭素数3〜6のオキシアルキレン基の平均付加モル数の合計を示し、0≦a×k≦50、1≦b×k≦100、0≦c×k≦100、ただし、1<(a+c)×kである。オキシエチレン基と炭素数3〜6のオキシアルキレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合は、10〜80質量%である。Rは炭素数1〜4の炭化水素基である。)
    Figure 2009108452
    (式中、R、R、Rは、水素原子、炭素数1〜36の炭化水素基、炭素数8〜36の炭化水素鎖中にエステル基、アミド基、あるいはエーテル基を有する官能基であり、かつ、R、R、Rの少なくとも1つは、炭素数8〜36の炭化水素基もしくは炭素数8〜36の炭化水素鎖中にエステル基、アミド基、あるいはエーテル基を有する官能基である。)
  2. 前記式(I)で示されるブロック型アルキレンオキシド誘導体において、AOがオキシブチレン基であることを特徴とする請求項1に記載の柔軟剤組成物。
  3. 前記式(I)で示されるブロック型アルキレンオキシド誘導体において、aが0であることを特徴とする請求項1または2に記載の柔軟剤組成物。
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