JP2009107912A - ガラスリボンの搬送方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】プラズマディスプレイ用ガラス基板、液晶ディスプレイ用ガラス基板とするためのフロート法によるガラスリボンの搬送において、ドロス等の異物の付着、割れ等の不具合が少なく、基板とした際に歪および反り発生の少なく搬送中に割れる懸念の少ないガラスリボンの搬送方法を提供する。
【解決手段】軟化温度750℃以上、850℃以下のガラスからなる厚さ0.5mm以上、3.0mm以下の帯状のガラスリボンをガラス搬送ロール上に載せて長手方向に搬送させつつ徐冷を行うガラスリボンの搬送方法であって、ガラスリボンの流れ方向の川上側より、ガラス搬送ロールにガラスリボンの温度が450℃以上、600℃以下の領域においては円柱状のセラミックロールを用い、ガラスリボンの温度が150℃以上、500℃以下の領域においては円柱状の鉄製ロールを用いることを特徴とするガラスリボンの搬送方法。
【選択図】なし
【解決手段】軟化温度750℃以上、850℃以下のガラスからなる厚さ0.5mm以上、3.0mm以下の帯状のガラスリボンをガラス搬送ロール上に載せて長手方向に搬送させつつ徐冷を行うガラスリボンの搬送方法であって、ガラスリボンの流れ方向の川上側より、ガラス搬送ロールにガラスリボンの温度が450℃以上、600℃以下の領域においては円柱状のセラミックロールを用い、ガラスリボンの温度が150℃以上、500℃以下の領域においては円柱状の鉄製ロールを用いることを特徴とするガラスリボンの搬送方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、フロート法、フュージョン法、ロールアウト法等のガラス板の製造設備において、フロートバスまたはガラス溶融窯等から取り出した高温の帯状ガラスリボンを、ガラス搬送ロール上に載せた状態で搬送しつつ徐冷する際のガラスリボンの搬送方法に関する。特に、折割、端面研磨後にプラズマディスプレイ用ガラス基板、液晶ディスプレイ用ガラス基板とするためのフロート法によるガラス板の製造設備におけるガラスリボンの搬送方法に関する。
ガラス板の製造設備には、フロート法、フュージョン法、ロールアウト法等によるものがある。フロート法によるガラス製造設備は平坦でメーター角を超える大型のガラス板を効率よく製造するのに適する。
図1は、フロート法によるガラス製造設備の模式図である。
図1に示すように、フロート法によるガラス製造設備においては、原料投入口2から、投入されたガラス原料がガラス溶融炉3内で溶解された後に押し出され、溶融スズがはられたフロートバス(スズ浴)4内に展開され平坦化され、図示しないリフトアップロールにより持ち上げられて引き出され、若干温度が下がりつつ引き伸ばされ帯状のガラスリボンGとなって、徐冷炉5に進入する。徐冷炉5内に進入したガラスリボンは、徐冷炉5内でガラス搬送ロール1上を搬送しつつ徐冷され、洗浄機6、乾燥機7を経て、裁断機8にて所望のサイズに切断される。尚、フロートバス4内では加熱ヒーター9内により加熱されつつ、高温の溶融したスズの上に溶融ガラスが展開され均一な厚さとなる。上述の徐冷炉5は断熱壁で覆われ、外気から隔離されており、その内部ではガラスリボンGが回転するガラス搬送ロール1上に載った状態で徐冷されつつ搬送される。
スズは単体では融点231.97℃であるが、酸素の存在した雰囲気中で高温にすると酸化され、融点1127℃の酸化スズ(SnO2)となる。フロートバス4内に酸素があると、高温の溶融スズが酸化し酸化スズが析出しガラス表面に付着すること、および溶融スズ浴上の空間部でスズ蒸気が酸化し、発生した酸化スズがガラス表面に付着しドロスといわれる表面欠陥となる。このことを防止するために、ガラスの軟化点以上に維持した高温の溶融スズ上の空間部に還元性ガス、例えば水素、窒素、あるいは水素と窒素の混合ガス等を供給し、外気よりフロートガラス製造装置内部を陽圧にし、酸素を含む外気の侵入を拒んでいる。さらに、フロートガラス製造装置内部を外部より陽圧にすることは、フロートバス内に異物が侵入しガラスが汚れることを防止する効果がある。
ガラスリボンの搬送においては、ガラスリボンに溶融バスからのスズ粉、ガラス粉等が付着したドロスと呼ばれる欠陥を発生させないことが重要となる。
例えば、特許文献1には、ガラスリボンへの溶融バスからのスズ粉およびガラス粉等が付着すること、あるいはガラスリボン表面にキズがつくことの防止のために、フロート法によって製造された高温状態下にあるガラスリボンをフロートバスから搬出し、搬送ローラーにより搬送するガラスリボンの搬送方法において、前記フロートバスから搬出されたガラスリボンを搬送ローラーの上方に、非接触で吸引して該ガラスリボンの全部又は一部を搬送ローラーから浮上させた状態で搬送させる吸引浮上手段を配置し、該吸引浮上手段によるガラスリボンの非接触搬送運転と、前記搬送ローラーによるガラスリボンの接触搬送運転を必要に応じて切り換えたり、併用したりしてガラスリボンを搬送することを特徴とするガラスリボンの搬送方法が開示されている。
特に、折割後にプラズマディスプレイ用ガラス基板、液晶ディスプレイ用ガラス基板とするためのガラスリボンの搬送において、ガラスリボンの搬送において、ガラスリボンに溶融バスからのスズ粉、またはガラス製造設備内のガラス粉等の付着を避けることは、プラズマディスプレイまたは液晶ディスプレイとした際に画素の欠陥に直結するため、特に避けなければならない問題である。
例えば、特許文献2、特許文献3には、アルカリ侵食や結晶化による凹凸ができず、異物が付着せず、搬送されるガラス製品に欠点を導入しない、耐用の優れたガラス加熱炉の搬送ロールが開示されている。
プラズマディスプレイ用ガラス基板用途の高歪点ガラス、液晶ディスプレイ用ガラス基板用途の無アルカリガラスに求められる軟化温度は750℃以上である、フロート法によるガラス板の製造設備の場合、軟化温度が850℃より高いガラス板の製造は、フロート窯よりスズ等の揮発が多くなりドロスの発生が増えるので、現実的ではない。
また、プラズマディスプレイは、赤、青、緑の蛍光体を放電により光らせ表示とするもので、現在、プラズマディスプレイ用ガラス基板は厚さ1.8mm、2.8mmを標準とする。液晶ディスプレイは、液晶パネルを薄膜トランジスタによりTFT方式等で駆動し画素の点滅を行うもので、それ自体は発行せず光源にはバックライトを必要とする。液晶ディスプレイ用ガラス基板の厚さは0.7mmを標準とする。以前は1.1mmを標準としていたが、基板内の光の干渉および拡散による画素間の光漏れが少なくし、パネルとした際の解像度を向上させ広視野角化するために、0.7mmに発展的に移行した。厚さ0.3mmより薄いと、液晶テレビ等にした際の強度が不安である。
特開2000−239035号公報
特開平7−109135号公報
特開平7−133126号公報
窓ガラス等に使われるソーダライムシリケートガラスの軟化温度は720℃以上、740℃以下であり、歪点は495以上、515℃以下である。それに比較して、プラズマディスプレイ用ガラス基板、液晶ディスプレイ用ガラス基板は、建築用のソーダライムシリケートガラスに比べ、高い軟化温度、歪点を有する。具体的には、プラズマディスプレイ用ガラス基板に使われるホウケイ酸ガラス等の高歪点ガラス、液晶ディスプレイ用ガラス基板に使われる、ナトリウムによる画素欠陥を発生させないために、ナトリウムに換えてカルシウム等を含有する無アルカリガラスは軟化温度、歪点ともにソーダライムシリケートガラスに比べ100℃〜200℃程度高い。前記高歪点ガラス、無アルカリガラスの軟化温度が高いことにより徐冷炉に進入するガラスリボンも高温となり、ソーダライムシリケートガラスからなるガラスリボンの徐冷炉内でガラス搬送ロールとして使われる鉄ロールを用いたのでは、表面が酸化し表面の平滑性が損なわれる、表面にドロスがこびりつき取れなくなりガラスリボンの表面欠陥を誘発する等の問題があった。
また、プラズマディスプレイ用ガラス基板、液晶ディスプレイ用ガラス基板とするためのガラスリボンの搬送においては、反りおよび歪の発生なきよう徐冷する必要があり、ガラスリボンの冷却速度が重要となる。冷却速度が速すぎると反りが発生し、遅すぎると、ガラスリボンの搬送速度が遅くなり生産効率が低くなる。また、冷却速度が一定でないと歪が発生する。
本発明は、プラズマディスプレイ用ガラス基板、液晶ディスプレイ用ガラス基板とするためのフロート法によるガラスリボンの搬送においてドロス等の異物の付着、搬送時に冷却炉内等での割れの不具合が少なく、プラズマディスプレイ用ガラス基板、液晶ディスプレイ用基板とした際に歪および反り発生が少なく、またガラスリボンが薄く軽いことにより、ガラス搬送ロールが空回りする等して、ガラスリボンが搬送中に撓み割れる懸念の少ないガラスリボンの搬送方法を提供することを目的とする。
本発明のガラスリボンの搬送方法におけるガラスリボンの厚さは、プラズマディスプレイ用ガラス基板、液晶ディスプレイ用ガラス基板用途を目的とするので、0.3mm以上、3.0mm以下であり、好ましくは0.6mm以上、2.9mm以下である。
フロート法のガラス板製造設備では、原料投入口から投入されガラス溶融炉内で溶解された後に押し出され、溶融スズがはられたフロートバス(Sn浴)内に展開され平坦化された後でリフトアップロールにより持ち上げられて引き出され、若干温度が下がりつつ引き伸ばされガラスリボンとなって、徐冷炉に進入する。徐冷炉にガラスリボンが進入する際には、ガラス搬送ロールにガラスリボンが当接しても変形しない温度とする。
よって、本発明において、徐冷炉内進入時のガラスリボンの温度を600℃以下とし、450℃までの領域では、耐熱性が高く表面が変化することなくドロス等異物のこびりつきが少ない円柱状のセラミックロールを用いる。
帯状のガラスリボンは、その幅方向において、中央部と両端部の温度差が大きいと反りを生じ、ガラスリボンを裁断しガラス板にした際、反りが原因でプラズマディスプレイ用ガラス基板、液晶ディスプレイ用ガラス基板用途に使用できないことがある。ガラスリボンの幅方向において中央部と端部の温度差が大きくなることを抑制するために、500℃以下の領域では、セラミックロールに比較して熱伝導がよい鉄製ロールを用い、できる限り中央部と端部の温度差を少なくすることが好ましい。
よって、本発明のガラスリボンの搬送方法において、徐冷炉内後段の、ガラスリボンの温度が150℃以上、500℃以下の領域においては円柱状の鉄製ロールを用いる。
即ち、本発明は、軟化温度750℃以上、850℃以下のガラスからなる厚さ0.3mm以上、3.0mm以下の帯状のガラスリボンをガラス搬送ロール上に載せて長手方向に搬送させつつ徐冷を行うガラスリボンの搬送方法であって、ガラスリボンの流れ方向の川上側より、ガラス搬送ロールにガラスリボンの温度が450℃以上、600℃以下の領域においては円柱状のセラミックロールを用い、ガラスリボンの温度が150℃以上、500℃以下の領域においては円柱状の鉄製ロールを用いることを特徴とするガラスリボンの搬送方法である。
このように、150℃以上、600℃以下の領域では、高温のためにガラス搬送ロールにセラミックロールまたは鉄製ロールを用いる。フロートバスから引き出した溶融ガラスを、リフトアップロールによりガラスリボンに成形した後のセラミックロールおよび鉄製ロールによりガラスリボンを搬送する徐冷炉内は高温であり、徐冷炉内に重油を燃料とする加熱バーナーまたは電気をエネルギーとする加熱ヒーターなどを設け、ガラスリボンの幅方向の温度分布および冷却速度調整のために温調を行うために覆い徐冷炉としている。
徐冷炉内のガラスリボンの温度が200℃以下の領域においては、徐冷炉出口から入った工程中の異物等によりガラスリボンにキズが付くことなきように、ガラスリボンと点接触するための柔らかい耐熱樹脂製の複数のリングをロール表面に有するガラスリボンと点接触するためのリングロールを用いることが好ましい。
即ち、本発明は、ガラスリボンの温度が200℃以下の領域においては、ガラスリボンと点接触するための耐熱樹脂製の複数のリングをロール表面に有するリングロールを用いることを特徴とする上記のガラスリボンの搬送方法である。
この際、ガラスリボンの冷却速度、詳しくは、徐冷炉内を搬送するガラスリボン上の定点において測定した冷却速度が、65℃/minより大きいと、ガラスリボン幅方向の温度分布を少なくすることが難しく、即ち、ガラスリボン中央部の温度と端部の温度の差異を小さくすることが難しい。また。歪が生じないように、冷却速度を一定とすることが難しい。ガラスリボンの冷却速度を20℃/min未満とすると徐冷炉の長さが長くなり生産性が落ち、商業生産に支障をきたす懸念がある。
即ち、本発明は、ガラスリボンの冷却速度を20℃/min以上、65℃/min以下とすることを特徴とする上記のガラスリボンの搬送方法である。詳しくは、本発明は、徐冷炉内を搬送するガラスリボン上の定点において測定した冷却速度を、20℃/min以上、65℃/min以下の範囲で一定な速度とすることを特徴とする上記のガラスリボンの搬送方法である。
徐冷炉内のガラスリボンの搬送速度を速くするほどに、製造したガラス基板の表面に周期的に発生する凹凸であるうねりが発生する。例え数ミクロン(μm)程度の微小なうねりであっても、プラズマディスプレイ用基板および液晶ディスプレイ用基板において使用に適合しないこともあり得、極力うねりがないことが好ましい。プラズマディスプレイ用基板および液晶ディスプレイ用基板に使用するには、うねりなきよう、ガラスリボンの搬送速度を15.0m/min以下とすることが好ましい。ガラスリボンの搬送速度を5.0m/min未満とすると徐冷炉の長さが長くなり生産性が落ち、商業生産に支障をきたす懸念がある。
即ち、本発明は、ガラスリボンの搬送速度を5.0m/min以上、15.0m/min以下とすることを特徴とする上記のガラスリボンの搬送方法である。
窓ガラス用等の建築用途のガラス板の厚さは、通常、4.0mm以上であり、窓ガラス用のソーダライムシリケートガラスにおいて、徐冷炉内において、ガラスリボンの搬送速度を調整するために、ガラス搬送ロールの回転速度の制御を行う。
しかしながら、本発明のガラスリボンの搬送方法を適用する厚さ0.3mm以上、3.0mm以下、好ましくは0.6mm以上、2.9mm以下のガラスリボンにおいて、ガラスリボンが薄く軽いためにガラス搬送ロールのみの回転駆動のみでは、ガラス搬送ロールとガラスリボン間が滑りガラス搬送ロールが空回りする等して、ガラス搬送ロール上のガラスリボンが撓むあるいは蛇行する等の不具合よりガラスリボンが破壊されることがある。よって、徐冷炉出口以降の領域において、ガラスリボンの端部を上下から挟んでガラスリボンの搬送速度を調整する回転ローラー装置を設けることが好ましい。フロート法によるガラス製造設備において、ガラスリボンの厚さを薄くするためには、通常、フロートバス(スズ浴)内に展開された溶融ガラス素地に引き伸ばし用のトップロールをガラス素地上面よりハの字上に当接させ、ガラス素地をフロートバス外周方向に回転させることで引き伸ばし薄いガラスリボンとする。引き伸ばされることでガラスリボンの両端部には厚い部分が残る。回転ローラー装置を、ガラスリボンの幅方向に対して両端に設けることで、ガラスリボンの搬送時の振れが調整される。また、回転ローラー装置によるガラスリボンの搬送速度を、ガラス搬送ロールによるガラスリボンの搬送速度より速くすることで撓むことが抑制され、徐冷炉内でガラスリボンを張ることが可能となり、ガラスリボンの破損が格段に少なくなった。
即ち、本発明は、徐冷炉出口以降において、ガラスリボンの端部を上下から挟んでガラスリボンの搬送速度を調整する回転ローラー装置を設けることを特徴とする上記のガラスリボンの搬送方法である。
耐熱性のために、本発明のガラスリボンの搬送方法に使用するセラミックロールは、表面がシリカを主成分とする焼結体であるセラミックからなることが好ましい。また本発明のガラスリボンの搬送方法に使用する鉄製ロールの表面は、鉄にクロムを含有させたものであることが好ましい。好ましくは、鉄とクロムを合わせた質量に対して、クロムを20質量%以上、30質量%以下とする。
また、密閉された徐冷炉内の温度制御は、徐冷炉内に重油を燃料とする加熱バーナーまたは電気をエネルギーとする加熱ヒーターを等を設けガラスリボンの幅方向の温度分布および冷却速度調整のために温調を行うが、前記セラミックロール、ガラス搬送ロールの内部に冷却路を形成し、回転中に冷却水を流す構造とし冷却水の流量でガラスリボンの冷却速度を調整することを併用するとより精密な温度制御が行える。
即ち、本発明は、セラミックロールの表面はシリカを主成分とするセラミックからなり、鉄製ロールの表面は鉄を主成分としクロムを含有し、当該ガラス搬送ロールの内部に冷却路を形成し、回転中に冷却水を流す構造とし冷却水の流量でガラスリボンの冷却速度を調整することを特徴とする上記のガラスリボンの搬送方法である。
また、本発明は、リングロールの複数のリングが、テトラフルオロエチレンをモノマーとして重合したフッ素樹脂製であることを特徴とする上記のガラスリボンの搬送方法である。
テトラフルオロエチレンをモノマーとして重合したフッ素樹脂にはポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンと他モノマーを共重合させたもの等があるが、通常、結晶性ポリマーであり、高い融点を有し、ガラスリボンにキズをつけないほどに柔らかい。
軟化温度750℃以上、850℃以下のガラスからなる厚さ0.3mm以上、3.0mm以下、好ましくは、0.6mm以上、2.9mm以下の帯状のガラスリボンをガラス搬送ロール上に載せて長手方向に搬送させつつ徐冷を行うガラスリボンの搬送方法であって、ガラスリボンの流れ方向の川上側より、ガラス搬送ロールにガラスリボンの温度が450℃以上、600℃以下の領域においては円柱状のセラミックロールを用い、ガラスリボンの温度が150℃以上、500℃以下の領域においては円柱状の鉄製ロールを用いる本発明のガラスリボンの搬送方法によって、フロート窯からの異物であるドロス等の付着が格段に少ないガラスリボンが得られた。
本発明において、上記に加えて、ガラスリボンの温度が200℃以下の領域においては、ガラスリボンと点接触するための耐熱樹脂製の複数のリングをロール表面に有するリングロールを用いたことによって、キズが格段に少ないガラスリボンが得られた。
また、本発明において、ガラスリボンの冷却速度を20℃/min以下、65℃/min以上とし冷却速度一定としたことで、反り歪の少ないガラスリボンが得られた。
また、本発明において、ガラスリボンの搬送速度を5.0m/min以上、15.0m/min以上としたことで、うねりのないガラスリボンを効率よく生産することが可能となった。
また、本発明において、徐冷炉出口以降において、ガラスリボンの両端部を上下から挟んでガラスリボンの搬送速度を調整する回転ローラー装置を設けたことで、徐冷炉内を走行中のガラスリボンを張ることが可能となり、ガラスリボンが撓み等により破損することが抑制された。
また、本発明において、セラミックロールの表面はシリカを主成分とするセラミックからなり、鉄製ロールの表面は鉄を主成分としクロムを含有し、当該ガラス搬送ロールの内部に冷却路を形成し、回転中に冷却水を流す構造としたことで、冷却水の流量でガラスリボンの冷却速度を調整することが可能となった。
図を用いて本発明のガラスリボンの搬送方法について説明する。
図2は、フロート法によるガラス板の製造設備におけるフロートバスから徐冷炉にガラスリボンが進入する部位の構造断面図である。
フロート法によるガラス板の製造設備において、軟化温度750℃以上、850℃以下であるプラズマディスプレイ用ガラス基板用途の高歪点ガラス、または液晶ディスプレイ用ガラス基板用途の無アルカリガラスは、その原料を図示しない溶融炉3で溶解した後、窒素等の還元性雰囲気下、溶融スズがはられたフロートバス4内に展開された後で、展開されたガラス素地を薄くするために、図示しないガラス素地引き伸ばし用のロールであるトップロールを、フロートバス4中でガラス素地に対して上側よりハの字上に当接させ、フロートバス4の外周方向にガラス素地を引き伸ばすように回転させる。その後、リフトアップロール10により持ち上げられて、若干温度を下げつつリフトアップロール10を回転駆動させることで引き伸ばされ、薄いガラスリボンGとなって、徐冷炉5に進入する。進入時の温度は、高歪点ガラスまたは無アルカリガラスからなるガラスリボンGが徐冷炉内最初のガラス搬送ロール1と接触したときに変形しない温度である600℃以下に下げられる。
図3は、徐冷炉5内でガラス搬送ロール上を搬送するガラスリボンの斜視図である。
図3に示すように、ガラスリボンGは回転するガラス搬送ロール1上を搬送する。例えば、ガラスリボンGの幅が3mとすれば、徐冷炉5は通常20m〜100mの長さに設計される。
そのうち、徐冷炉5始めのガラスリボンGの温度が450℃以上、600℃以下の領域(ゾーン)においては、ガラス搬送ロール1に円柱状のセラミックロールを用いる。これはセラミックロールが耐熱性に優れ、酸化スズの塊などの異物であるドロスの付着が少ないことによる。
次いで、ガラスリボンGの温度が150℃以上、500℃以下の領域(ゾーン)においては、ガラス搬送ロール1に鉄製ロールを用いる。これは鉄製ロールの熱伝導がよいことで、ガラスリボンGの幅方向の温度差の差異が大きくならず反りの発生が抑えられることによる。
耐熱性のために、ガラス搬送ロール1としてのセラミックロールは表面がシリカを主成分とする焼結体であるセラミックからなることが好ましく、鉄製ロールの表面は鉄にクロムを含有させたものであることが好ましい。
また、図2に示すように、徐冷炉5内の温度制御は、徐冷炉5内に重油を燃料とする加熱バーナーまたは電気をエネルギーとする加熱ヒーター等の加熱手段9を設けガラスリボンGの幅方向の温度分布および冷却速度調整のために温調を行うが、ガラス搬送ロール1としての前記セラミックロール、鉄製ロールの内部に冷却路を形成し、ガラスリボンGを搬送回転中に冷却水を流せる構造とし冷却水の流量でガラスリボンGの冷却速度を調整することを併用すると、よりガラスリボンGの精密な温度制御が行える。
徐冷炉5内を搬送するガラスリボンG上の定点において測定した冷却速度が、65℃/minより大きいと、ガラスリボンGの幅方向の温度分布を少なくする、具体的にはガラスリボンGの中央部の温度と端部の温度の差異を小さくすることが難しく、歪が生じないように冷却速度を一定とすることはできない。ガラスリボンGの冷却速度を20℃/min未満とすると徐冷炉の長さが長くなり生産性が落ち、商業生産に支障をきたす懸念がある。
徐冷炉内5のガラスリボンGの搬送速度を速くするほど、製造したガラス基板の表面に周期的に発生す凹凸であるうねりが発生する。例え数ミクロン(μm)程度の微小なうねりであっても、プラズマディスプレイ用基板および液晶ディスプレイ用基板においては、うねりがないことが好ましい。ガラスリボンGをプラズマディスプレイ用基板および液晶ディスプレイ用基板に使用するには、うねりなきようガラスリボンGの搬送速度を15.0m/min以下とすることが好ましい。ガラスリボンGの搬送速度を5.0m/min未満とすると徐冷炉の長さが長くなり生産性が落ち、商業生産に支障をきたす懸念がある。
図4は、ガラスリボンの搬送速度を調整する回転ローラー装置の説明図である。
通常、建築用の窓ガラス用のガラスリボン等は、厚さ4.0mm以上であるが、プラズマディスプレイ用基板または液晶ディスプレイ用基板用途に使用する、厚さ0.3mm以上、3.0mm以下、好ましくは0.6mm以上、2.9mm以下で、軟化温度750℃以上、850℃以下の硬いガラスリボンGの搬送において、ガラスリボンGが薄く軽いために、ガラス搬送ロール1のみの駆動ではガラス搬送ロール1が空回りする等して、ガラスリボンGがたわみ、蛇行する等の不具合よりガラスリボンGが破壊されることがありえる。徐冷炉5内のガラスリボンGが冷めた領域、好ましくは、徐冷炉5出口から出た後において、さらに好ましくは、徐冷炉5出口から出た後のガラスリボンGの温度が100℃以下の領域において、図4に示すように、ガラスリボンGの端部を上下から挟んでガラスリボンGの搬送速度を調整する回転ローラー装置11を設けることが好ましい。
図5は、フロート法によるガラス板の製造装置の一例の水平断面図である。
図5に示すように、フロート法によるガラス板の製造設備において、ガラスリボンGの厚さを薄くするためにフロートバス4内に展開されたガラス素地に引き伸ばし用のトップロール16をガラス素地上面よりハの字上に当接させ、フロートバス4の外周方向にガラス素地を引き伸ばすように回転させることで薄いガラスリボンGとなる。引き伸ばされることでガラスリボンGの両端部12には厚い部分が残る。尚、本発明において、ガラスリボンGの両端部12は、ガラス端部より30cm以内を指す。
ガラスリボンGを破損させないために、この厚い両端部12を図4に示すように、例えば、ベルト13とベルト13を駆動させるロール14および、上からの押さえ車輪15からなる回転ローラー装置11で駆動する。ベルト13を使う理由は、ベルト13とガラスリボンGの接触面積を大きくし、摩擦によりロール14からの駆動力を確実にガラスリボンGに伝えるためである。ガラスリボンGとベルト13の間で滑ることなく、ガラスリボンGに円滑に駆動を伝えるためには、ベルト13にシリコーンベルトを用いることが好ましい。シリコーンベルトは柔らかく屈曲性に優れる。また、ガラスリボンGの破損なきよう、ベルト13に押さえ車輪15を設け、押さえローラー15をガラスリボンGに当接させて、押さえローラー15でガラスリボンGを上から押させ、ロール14と押さえ車輪15で確実にガラスリボンGを挟持し、ガラスリボンGとシリコーンベルト13の滑りを抑制し、ロール14からの駆動力を確実にガラスリボンGに伝える。尚、シリコーンベルト13が痛まぬようにガラスリボンGは冷めた状態であることが好ましく、回転ローラー装置11は、徐冷炉5内のガラスリボンGが冷めた領域、好ましくは、徐冷炉5出口から出た後において、さらに好ましくは、徐冷炉5出口から出た後のガラスリボンGの温度が100℃以下の領域に設ける。
図4に示すように、ガラスリボンGの幅方向の両端部に回転ローラー装置11を設けることで、ガラスリボンの蛇行等なきよう、両端別個に駆動スピードを調整できる、また回転ローラー装置11によるガラスリボンGの搬送速度を徐冷炉5内のガラス搬送ロール1の回転よる搬送速度より若干速めにすることで、ガラスリボンGを張った状態で保つことができ、ガラスリボンGが弛み破損するなどの不具合の懸念がない。
G ガラスリボン
1 ガラス搬送ロール
2 原料投入口
3 ガラス溶融炉
4 フロートバス
5 徐冷炉
6 洗浄機
7 乾燥機
8 裁断機
9 加熱手段
10 リフトアウトロール
11 回転ローラー装置
12 (ガラスリボン)両端部
13 ベルト
14 ロール
15 (押さえ)車輪
16 トップロール
1 ガラス搬送ロール
2 原料投入口
3 ガラス溶融炉
4 フロートバス
5 徐冷炉
6 洗浄機
7 乾燥機
8 裁断機
9 加熱手段
10 リフトアウトロール
11 回転ローラー装置
12 (ガラスリボン)両端部
13 ベルト
14 ロール
15 (押さえ)車輪
16 トップロール
Claims (7)
- 軟化温度750℃以上、850℃以下のガラスからなる厚さ0.3mm以上、3.0mm以下の帯状のガラスリボンをガラス搬送ロール上に載せて長手方向に搬送させつつ徐冷を行うガラスリボンの搬送方法であって、ガラスリボンの流れ方向の川上側より、ガラス搬送ロールにガラスリボンの温度が450℃以上、600℃以下の領域においては円柱状のセラミックロールを用い、ガラスリボンの温度が150℃以上、500℃以下の領域においては円柱状の鉄製ロールを用いることを特徴とするガラスリボンの搬送方法。
- ガラスリボンの温度が200℃以下の領域においては、ガラスリボンと点接触するための耐熱樹脂製の複数のリングをロール表面に有するリングロールを用いることを特徴とする請求項1に記載のガラスリボンの搬送方法。
- ガラスリボンの冷却速度を20℃/min以下、65℃/min以上とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガラスリボンの搬送方法。
- ガラスリボンの搬送速度を5.0m/min以上、15.0m/min以上とすることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のガラスリボンの搬送方法。
- 徐冷炉出口以降において、ガラスリボンの端部を上下から挟んでガラスリボンの搬送速度を調整する回転ローラー装置を設けることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のガラスリボンの搬送方法。
- セラミックロールの表面はシリカを主成分とするセラミックからなり、鉄製ロールの表面は鉄を主成分としクロムを含有し、当該ガラス搬送ロールの内部に冷却路を形成し、回転中に冷却水を流す構造とし冷却水の流量でガラスリボンの冷却速度を調整することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のガラスリボンの搬送方法。
- リングロールの複数のリングが、ガラスリボンと点接触するための耐熱樹脂製の複数のリングがテトラフルオロエチレンをモノマーとするフッ素樹脂製であることを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれか1項に記載のガラスリボンの搬送方法。
Priority Applications (1)
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WO2022215426A1 (ja) * | 2021-04-09 | 2022-10-13 | 日本電気硝子株式会社 | ガラス板の製造装置、及びガラス板の製造方法 |
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