JP2009107673A - キャップ及びキャップ付きボトル - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐レトルト性能及び開栓性に優れたキャップ及びキャップ付きボトルを得ること。
【解決手段】 天板部2と該天板部2の周縁から垂下した筒状周壁部3とからなる金属製のキャップシェル4と、天板部2の内面に設けられたキャップ用ライナー5と、を備え、キャップシェル4の内側に、少なくともマレイン酸変性ポリエチレン又は酸化ポリエチレンが添加されたエポキシフェノール樹脂を固形分とする塗料組成物が焼付け塗布され、キャップ用ライナー5が、スチレンブロックコポリマーとポリプロピレンと流動パラフィンとを含む樹脂組成物で構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、耐レトルト性能及び開栓性等に優れたキャップ及びキャップ付きボトルに関する。
一般に、ガラスビン、PETボトル、アルミボトル等の金属製キャップ(容器蓋、PPキャップ)は、合成樹脂製ライナーを具備したものが広く使用されている。金属製キャップの場合は、アルミ薄板、ブリキ薄板、クロム鍍金薄板(TFS)等の両面に数回の塗装を繰り返し、打ち抜き成形したものをキャップシェル(キャップ殻体)とし、これにライナー材を付加する。ライナー材として付加する方法として種々あるが、溶融樹脂をシェルの中に入れ、冷却された金型で型押しする方法(インシェルモールド方式)が主流である。その理由は生産コストが低いことによる。
この場合、使用されるライナー材は、一般に充填、殺菌条件が100℃以下の場合、ポリエチレンを主体としたライナー材(ポリエチレン系ライナー)が使用される。また、充填、殺菌処理条件が100℃以上のものは、ポリプロピレンが主体のライナー材が使用される。
ここでポリエチレン系ライナーとは、主にポリエチレン(主に低密度ポリエチレン)とエラストマーとのブレンド材であり、必要に応じて滑剤、着色剤、安定剤、酸素吸収剤等を添加したものである。また、ポリプロピレンを主体としたライナーは、ポリプロピレンにSEBS(スチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体)又はSEPS(スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体)等のSBC(スチレンブロックコポリマー)と流動パラフィンとのブレンド材に、必要に応じて滑剤、着色剤、安定剤、酸素吸収剤等を添加したものである。
ポリエチレン系ライナーは、通常、内容物が100℃以下の充填、殺菌条件の容器蓋に使用される。また、ポリプロピレンを主体としたライナー材は、通常、充填、殺菌条件が100℃前後の高温か、それ以上の高温条件の内容物に対しての容器蓋に使用される。
これらのブレンド材をライナーにするには、押出機で一定粘度の溶融状態で丸棒状に押し出し、これを一定量に切断してキャップ中央に置き、上から冷却されたパンチで型押しして一定の形状をつける。
キャップシェル内面には、接着塗料が塗布されており、ブレンド材が溶融状態で接着するようになっている。このとき溶融したブレンド材は、キャップシェルの中央にセットすることが重要である。このブレンド材が中央から外れると、上から金型で型押ししても正確なライナー形状が得られないためである。また、この接着塗料としては、ポリエチレン系ライナーには、ポリエチレン系の接着塗料が塗布されており、ポリプロピレンを主体としたライナーには、ポリプロピレン系接着塗料が塗布されている。
上記キャップ用のライナーの成形法として、上述したように、キャップシェルの中に溶融樹脂を入れて金型で型押しすると同時に接着する方法(インシェルモールド方式)が主流である。
内容物の充填温度、熱処理温度がおよそ100℃以下の充填品に使用されるキャップのライナー材は、ポリエチレン系ライナー材が使用される。これは低密度ポリエチレンを主体とし、これに柔軟材としてエラストマー、着色剤として酸化チタン等、滑剤として脂肪酸アマイドやシリコンオイル、植物油、脂肪酸エステル等をブレンドしたものが多用される。
一方、内容物の充填温度、熱処理温度が100℃以上の充填品に使用されるキャップのライナー材には、上述したように、ポリエチレン系ライナー材は使用されず、主にポリプロピレンをベースにしたライナー材が使用される。これはポリエチレンの耐熱温度が低いためであり、100℃以上、特にレトルト仕様の充填品に対しては、使用されるキャップのライナー材には、全て耐熱温度の高いポリプロピレンをベースにした材料が使用される。
従来、上記ポリエチレン系ライナーをインシェルモールド方式で成形する場合、キャップシェルの内面には変性ポリエチレンを含有した接着塗料(PE塗料)が塗布されている。また、ポリプロピレン系ライナー材をインシェルモールドする場合は、キャップシェルの内面に変性ポリプロピレンを含有した接着塗料(ポリプロ塗料)が塗布されている。
これらはライナーとキャップシェルとを充分に接着させるために必要な組み合わせであり、ポリエチレン系ライナーをポリプロピレン系ライナー用塗料が塗布されたキャップのシェルにインシェルモールドしても充分な接着強度は得られない。また、逆の組み合わせでも同様な現象が起こる。したがって、ライナー材を良好にインシェルモールドするためには、そのライナー材に適した接着塗料を塗布したキャップシェルを使用しなければならない。もし、適した塗料を使用しないと、ライナーとキャップシェルとの充分な接着強度が得られず、インシェルモールド成形時にライナーが金型に取られたり、ライナーの成形不良が発生したりする。また、キャッピングした場合、適正なシール(密封)状態が得られず、シール不良の原因になる。
一方、PPキャップの機能としては密封性が重要であるが、もうひとつの重要な機能として、開栓性がある。すなわち、適切な開栓トルクで開栓できなければならない。この開栓トルクは、第1トルクと第2トルクとに分けられる。すなわち、第1トルクは、開栓したとき動き始めるときのトルクであり、第2トルクは、キャップにピルファープルーフ性があることを示すキャップのブリッジ部が破断する時のトルクである。
第1トルクは、ライナーとボトル口唇部との接触抵抗、キャップシェルの内面とボトル口部(この場合、雄ネジ形状部)との接触抵抗の合計によって決まる。また、第2トルクは、主にブリッジが切断される時のトルクである。なお、開栓トルクは、第1トルクも、第2トルクも適正な値より高い値を示す場合が多い。このためライナー材に滑剤を添加して、ライナーとボトル口唇部との接触抵抗を下げ、さらに内面接着塗料にも滑剤を入れて、適正な開栓トルクが得られる様にしている。
しかしながらレトルト用キャップの場合、種々の滑剤を塗料に添加しても開栓トルク(特に第2トルク)は下がらない場合が多い。この原因として塗料中に添加された滑剤の融点が100℃以下のものが多いため、レトルト処理時に流出してしまうことが考えられる。これに対して、変性ポリエチレンを添加したポリエチレン系塗料は、良好な開栓性(滑り性)を示す。
例えば、従来、レトルト用ライナー材の接着塗料として使用されるポリプロピレン系塗料は、滑りが悪いため種々の滑剤を添加している(特許文献1〜4参照)。
特許第2524841号公報 特許第2711525号公報 特開2006−8226号公報 特開2002−264957号公報
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
従来、レトルト用ライナー材の接着塗料として使用されるポリプロピレン系塗料は、滑りが悪いため、上記各特許文献に記載されているように、種々の滑剤を添加しているが、充分な低開栓トルクが得られない。特に、第2トルクは、塗料に滑剤を添加してもレトルト後は高い値を示す。このため、ブリッジの幅を狭くして第2トルクを下げるという方法がとられるが、この場合、キャッピング時にブリッジが切れてしまうという現象が発生し、市場におけるクレームの対象となるおそれがある。
また、ポリエチレン系塗料を用いた場合、第2トルクも低いが、レトルト可能なポリプロピレン系ライナーはインシェルモールドした場合、ポリエチレン系塗料とは充分な接着強度が得られない不都合がある。したがって、ポリエチレン系塗料をレトルト用ライナーの塗料として使用して、第2トルクの低いキャップを提供することが困難であった。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、耐レトルト性能及び開栓性に優れたキャップ及びキャップ付きボトルを提供することを目的とする。
本発明者らは、キャップシェル内面に焼き付け塗装される塗料について鋭意研究を進めたところ、エポキシフェノール樹脂に特定の添加剤を添加すれば、耐レトルト性能と低開栓トルクとの両立が可能なことを突き止めた。
すなわち、本発明者らは、エポキシフェノール樹脂に添加される添加剤として、ポリオレフィン系ライナー材と接着するために、ポリオレフィン系樹脂の添加を検討した。ポリオレフィン系樹脂としては、エチレン、プロピレン、ブテン、イソプレン、ペンテン、メチルペンテン、などのオレフィン類の単独または共重合体を用いることができる。
しかし、ライナー材との接着を考慮すると、ライナー材がポリエチレン系なら添加剤もポリエチレン系、ライナー材にポリプロピレン系が使用されている場合は、ポリプロピレン系添加剤が望ましい。レトルト用のライナー材は、ポリプロピレンをベースにしているため、ポリプロピレン系添加剤が望ましいが、ポリエチレン系添加剤に比べ、滑性が著しく劣るという欠点を持っている。
したがって、開栓トルク、特に開栓時にキャップのミシン部が切断される第2トルクが高くなるという現象が起こる。この対策として、キャップシェルのブリッジ部を細くするという手法が用いられるが、この場合、キャッピング時にブリッジ部が破壊されるブリッジ飛びという現象が発生する。このため、ブリッジ部の幅はブリッジ飛びが発生しない最低限の幅に設定される。
しかし、これでも第2トルクは、しばしば高すぎ、市場クレームになるおそれもある。この主な原因は、キャップシェルの内面とボトル外面との滑りが悪いことによる。このため、本発明者らは鋭意検討した結果、ライナー材と接着する塗料に滑性の優れた特定のポリエチレン系添加剤を使用することと、ポリプロピレンをベースにしたライナー材を使用することにより、耐レトルト性能に優れ、開栓トルク、特に第2トルクが低いというキャップを開発することができた。
したがって、本発明は、上記知見から得られたものであり、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。
本発明のキャップは、天板部と該天板部の周縁から垂下した筒状周壁部とからなる金属製のキャップ本体と、前記天板部の内面に設けられたキャップ用ライナーと、を備え、前記キャップ本体の内側に、少なくともマレイン酸変性ポリエチレン又は酸化ポリエチレンが添加されたエポキシフェノール樹脂を固形分とする塗料組成物が焼付け塗布され、前記キャップ用ライナーが、スチレンブロックコポリマーとポリプロピレンと流動パラフィンとを含む樹脂組成物で構成されていることを特徴とする。
このキャップでは、キャップ本体の内側に、少なくともマレイン酸変性ポリエチレン又は酸化ポリエチレンが添加されたエポキシフェノール樹脂を固形分とする塗料組成物が焼付け塗布され、キャップ用ライナーが、スチレンブロックコポリマーとポリプロピレンと流動パラフィンとを含む樹脂組成物で構成されているので、キャップ本体内面の滑性に優れ、開栓時の低トルク化が可能である。特に、第2トルクの低減を図ることができる。
すなわち、マレイン酸変性ポリエチレン又は酸化ポリエチレンを添加したエポキシフェノール樹脂を固形分とする塗料組成物による硬化塗膜面は、その添加剤がポリプロピレン系ライナー材との接着性を高めるため、ポリプロピレン含有ライナー材との接着が良好である。
さらに、ライナー材はポリプロピレン系なので、100℃以上の充填、熱処(レトルト処理も含む)に対しても充分使用可能なキャップが提供できる。
このように本発明のキャップでは、ライナー材との密着性に優れていると共に、開栓性及び耐熱性に優れている。
また、本発明のキャップは、前記塗料組成物として、さらに密度0.95以上のポリエチレンがエポキシフェノール樹脂に対し添加量1〜7wt%の範囲で添加されていることを特徴とする(以下、塗料に対する添加量は特段の断りが無い場合、塗料のエポキシフェノール樹脂(固形分)に対してのwt%とする。)。すなわち、このキャップでは、変性ポリエチレンに変性されていない、いわゆる純粋のポリエチレンが塗料組成物に添加されているので、開栓トルク(特に第2トルク)をさらに下げることができる。
なお、ポリエチレンの密度(単位g/cm)を0.95以上とし、添加量を1〜7wt%の範囲とすることで、十分なトルク低減効果と良好な接着性とが得られる。すなわち、トルク低減効果は、ポリエチレンの密度が高いほうが良好な結果を示し、充分な効果が得られるのは、その密度が0.95以上である。また、添加量が多すぎると、ライナー材の接着阻害要因になるため、好ましくは7wt%以下であり、より好ましくは5wt%以下である。
また、本発明のキャップは、前記マレイン酸変性ポリエチレン又は酸化ポリエチレンの添加量が、2〜35wt%の範囲に設定されていることを特徴とする。すなわち、このキャップでは、マレイン酸変性ポリエチレン又は酸化ポリエチレンの添加量が、2〜35wt%の範囲に設定されているので、良好な接着性を得ることができる。なお、上記添加量が、上記範囲より少ないとライナーと塗膜との接着性が劣り、多いと塗料組成物と金属板材との密着性が不安定になる。なお、上記添加量の範囲は、より好ましくは5〜30wt%である。
また、本発明のキャップは、前記エポキシフェノール樹脂が、エポキシ樹脂とフェノール樹脂との重量比を95:5〜60:40の範囲に設定したものであることを特徴とする。すなわち、このキャップでは、エポキシフェノール樹脂が、エポキシ樹脂とフェノール樹脂との重量比を95:5〜60:40の範囲に設定したものであるので、塗膜の良好な加工性と金属素材との良好な密着性とを得ることができる。なお、マレイン酸変性又は酸化ポリエチレン樹脂の含有量が2〜35wt%、より好ましくは5〜30wt%に設定される。なお、エポキシ樹脂の配合の割合が、上記範囲未満であると、塗膜の加工性が低下し、上記範囲を超えると塗膜と金属素材との密着が劣る。
また、本発明のキャップは、前記スチレンブロックコポリマー(SBC)が、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)又はスチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)であり、前記キャップ用ライナーの硬度が、ショアD(23℃)で7〜35の範囲に設定されていることを特徴とする。すなわち、このキャップでは、SBCが、SEBS又はSEPSであり、キャップ用ライナーの硬度が、ショアD(23℃)で7〜35の範囲に設定されているので、良好なライナー成型と接着性及びレトルト密封性とを得ることができる。
レトルト用ライナー材としては、ポリプロピレン(PP)とSBC(スチレンブロックコポリマー)と流動パラフィン(LP)とに、滑剤等の添加剤を加えたものが使用される。これらはPPがハードセグメントとして、SBCが柔軟材としてのLPと併せてソフトセグメントとして働く。このため、その配合比を変えることにより、低い硬度から高い硬度まで得ることができる。
今回の研究では、ライナーの硬度が低すぎると、インシェルモールド法によるライナー成型時にライナーがずれてしまう、いわゆるセンターずれが発生し易くなり、開栓トルクも高くなることがわかった。また、ライナーの硬度が高すぎるとシール性が劣化し、接着性も低下する。この評価の結果、レトルト用ライナー材としては、好ましくは硬度がショアD(23℃)で7〜35、より好ましくは10〜30である。なお、硬度が上記範囲より低いと、ライナー成型時に不良品が発生し、上記範囲を越えると接着不良、レトルト時の密封不良が発生し易くなる。
また、SBCとしては、SIS(スチレン・イソプレン・スチレン共重合体)、SBS、SEBS(スチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体)、SEPS(スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体)、SIPS等いくつかのものがあるが、SEBS、SEPSが特に良好な結果を示す。なお、このライナー材は通常、必要に応じて滑剤、着色剤、安定剤その他の添加剤等が使用される。
このように本発明のキャップのライナー材は、ハードセグメントがPP(変性ポリプロピレン、共重合ポリプロピレンを含む)であり、ソフトセグメントがSEBS(スチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体)又はSEPS(スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体)及び流動パラフィンである。
本発明のボトルは、キャップを備えたボトルであって、前記キャップが、上記本発明のキャップであることを特徴とする。
すなわち、このキャップ付きボトルでは、上記本発明のキャップを備えているので、優れた開栓性及び耐熱性等を有している。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係るキャップによれば、キャップ本体の内側に、少なくともマレイン酸変性ポリエチレン又は酸化ポリエチレンが添加されたエポキシフェノール樹脂を固形分とする塗料組成物が焼付け塗布され、キャップ用ライナーが、スチレンブロックコポリマーとポリプロピレンと流動パラフィンとを含む樹脂組成物で構成されているので、第2トルク等の開栓トルクを低減でき、開栓性に優れると共に、キャップ本体内面とライナーとの接着が良好でレトルト可能である。したがって、本発明のキャップを備えたキャップ付きボトルによれば、レトルト密封性に優れ、良好な衛生特性、耐衝撃性及び開栓性を有することができる。
以下、本発明に係るキャップ及びキャップ付きボトルの一実施形態を、図1及び図2を参照しながら説明する。
本実施形態のキャップ1は、図1及び図2に示すように、天板部2と該天板部2の周縁から垂下した筒状周壁部3とからなる有底筒状で金属製のキャップシェル(キャップ本体)4と、天板部2の内面に設けられたライナー(キャップ用ライナー)5とを備えている。
また、本実施形態のキャップ付きボトル6は、上記キャップ1を口金部(口部)7に巻き締めた状態で備えている。
上記キャップシェル4は、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金の板材から加工されたもので、該板材は内外面を塗装(内面:サイズコート+トップコート、外面:サイズコート+トップコート)した塗装板を使用している。なお、内面には、サイズコート及びトップコートが施され、外面にはサイズコート、必要に応じてカラーコーティング、印刷等が施され、次にトップコート(ツヤニス)が塗布されている。
上記内面のトップコートは、少なくともマレイン酸変性ポリエチレン又は酸化ポリエチレンが添加されたエポキシフェノール樹脂を固形分とする塗料組成物による硬化塗膜であり、エポキシ樹脂とフェノール樹脂との重量比が95:5〜60:40の範囲に設定されている。
このように、キャップシェル4の内側には、少なくともマレイン酸変性ポリエチレン又は酸化ポリエチレンが添加されたエポキシフェノール樹脂を固形分とする塗料組成物が焼付け塗布されている。
上記塗料組成物には、さらにポリエチレンが添加されることが好ましい。この際、ポリエチレンの密度は、0.95以上であり、添加量が1〜7wt%の範囲であることが好ましい。なお、上記添加量は、より好ましくは5wt%以下である。
上記塗料組成物の硬化塗膜は、厚さで1〜10μmであり、好適には3〜5μmに設定される。また、焼付条件は、180℃〜200℃で8〜10分である。
この塗料組成物が焼き付け硬化された後、カップ状にプレスで打ち抜く。これに後工程でナール8、ミシン目10、ビード11及びスカート部12等の加工を施しキャップシェル4を作製する。このキャップシェル4に押出機から溶融状態で押し出され一定量カットしたライナー材を、加熱されたキャップシェル4におき、直ちに一定のライナー形状を持った金型で押圧して、ライナー5を形成する。
上記塗料組成物におけるマレイン酸変性ポリエチレン又は酸化ポリエチレンの添加量は、2〜35wt%の範囲に設定されている。
ここで、マレイン酸変性ポリエチレンとしては、無水マレイン酸で変性したポリエチレン(無水マレイン酸変性ポリエチレン)でも構わない。
また、酸化ポリエチレン、マレイン酸変性ポリエチレンを含有したエポキシフェノール樹脂を固形分とする塗料組成物は、エポキシ樹脂とフェノール樹脂とから調製されるものである。このエポキシ樹脂としては、金属キャップ用塗料として要求される焼付塗膜の機械的特性、金属との接着性、防食性等を考慮すると、多価フェノール−エピハロヒドリン縮合物型エポキシ樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド縮合物型エポキシ樹脂、重合脂肪酸型エポキシ樹脂等を挙げることができる。
上記の多価フェノール−エピハロヒドリン縮合物型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ハロゲン化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの縮合物が用いられ、フェノール−ホルムアルデヒド縮合物型エポキシ樹脂としては、グリシジルエーテル化ノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。また、重合脂肪酸型エポキシ樹脂としては、ダイマー酸エポキシ樹脂が用いられる。なお、本発明では多価フェノール−エピハロヒドリン縮重合物型エポキシ樹脂が適している。また、これらのエポキシ樹脂はそれぞれ単独で使用することができるが、これらを2種類以上を組み合わせて用いても構わない。
また、これらのエポキシ樹脂を硬化させるために使用される硬化剤は、ポリカルボン酸又はその無水物、カルボン酸アミド、ブロック型イソシアネート、ジシアンジアミド及びその置換体、カルボン酸ヒドラジッド、イミダゾール、イミダゾリン等が使用される。中でもジシアンジアミド、カルボン酸ヒドラジッド、イミダゾリンが好適に使用される。
フェノール樹脂としてはレゾール型及びノボラック型のいずれであっても良い。これらに使用されるフェノール類とは、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2・3キシレノール、2・5−キシレノール、3・4−キシレノール、3・5−キシレノール、p−tertブチルフェノール、o−クロルフェノール、p−クロルフェノール等の1価フェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールF、レゾルシノールなどの2価フェノール類などが挙げられる。これらは、単独または2種以上の組み合わせで使用できる。
また、フェノール樹脂のアルデヒド成分としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、フルフラール、アセトアルデヒド、ヘキサメチレンテトラミン等があり、中でもホルムアルデヒドが好適に使用される。これらも単独または複数の組み合わせで使用することができる。
上記ライナー5は、スチレンブロックコポリマーとポリプロピレンと流動パラフィンとを含む樹脂組成物で構成されている。
上記スチレンブロックコポリマーは、好ましくはスチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)又はスチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)であり、ライナー5の硬度が、ショアD(23℃)で7〜35の範囲に設定されている。
すなわち、合成樹脂製のライナー5は、例えばポリプロピレン(PP)とスチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)と流動パラフィン(LP)とを主体に、着色剤、滑剤等を添加したものが使用される。このライナー材は、ハードセグメントとしてのPPとソフトセグメントとしてのSEBS又はSEPS及びLPの配合比により硬度を調整することができる。
また、使用されるPPはホモタイプが良好であるが、柔軟性、成形性等を考慮して、ブロックタイプ、ランダムタイプ或いはこれらの混合タイプを使用しても良い。そのときのライナー5の硬度は上述したようにショアD(23℃)で好ましくは7〜35であり、より好ましくは10〜30である。
このように本実施形態のキャップ1は、キャップシェル4の内側に、少なくともマレイン酸変性ポリエチレン又は酸化ポリエチレンが添加されたエポキシフェノール樹脂を固形分とする塗料組成物が焼付け塗布され、キャップ用ライナーが、スチレンブロックコポリマーとポリプロピレンと流動パラフィンとを含む樹脂組成物で構成されているので、キャップシェル4内面の滑性に優れ、開栓時に低トルク化が可能である。特に、第2トルクの低減を図ることができる。
すなわち、マレイン酸変性ポリエチレン又は酸化ポリエチレンを添加したエポキシフェノール樹脂を固形分とする塗料組成物による硬化塗膜面は、その添加剤がPP系ライナー材との接着性を高めるため、ポリプロピレン含有ライナー材との接着が良好である。
さらに、ライナー材はポリプロピレン系なので、100℃以上の充填、熱処理(レトルト処理も含む)に対しても充分使用可能なキャップが提供できる。
また、変性ポリエチレンに純粋のポリエチレン(密度0.95以上で添加量1〜7wt%)が塗料組成物に添加されているので、十分なトルク低減効果と良好な接着性とが得られ、開栓トルク(特に第2トルク)をさらに下げることができる。
そして、マレイン酸変性ポリエチレン又は酸化ポリエチレンの添加量が、2〜35wt%の範囲に設定されているので、良好な接着性を得ることができる。
また、塗料組成物が、エポキシ樹脂とフェノール樹脂との重量比が95:5〜60:40の範囲のエポキシフェノール樹脂であるので、塗膜の良好な加工性と金属素材との良好な密着性とを得ることができる。
さらに、SBCが、SEBS又はSEPSであり、ライナー5の硬度が、ショアD(23℃)で7〜35の範囲に設定されているので、良好なライナー成型と接着性及びレトルト密封性とを得ることができる。
したがって、本実施形態のキャップ1を備えたキャップ付きボトル6によれば、レトルト密封性に優れ、良好な衛生特性、耐衝撃性及び開栓性を有することができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、本実施形態のキャップ1は、ガラスビン、PETボトル等の容器に制限無く適応可能であるが、少なくとも有機合成塗料を被覆した金属製容器、特に容器口部に螺旋が形成され、回転することにより開栓する、リシール可能な金属製容器(ボトル)に適している。
次に、本発明に係るキャップ及びキャップ付きボトルを、実際に作製した実施例により具体的に説明する。
<実施例1>
まず、塗料組成物のライナー接着用添加剤を各々の親溶媒に溶かし、溶媒に溶かされたエポキシフェノール樹脂(E/P)を固形分とする塗料組成物を高速攪拌した中に添加し、分散又は溶解した。このエポキシフェノール樹脂は、そのエポキシ樹脂とフェノール樹脂との比を80:20を中心として、エポキシ樹脂比の上限は97%、下限が50%まで振って、評価を行った。
また、添加量は10wt%とした。これを厚さ0.25mmのアルミニウム合金板に塗装した。塗装条件は、塗布量が固形分として50mg/dm、乾燥は、190℃−10分間の焼付けで行なった。そして、供試エポキシフェノール塗料が内面になるように、38mmPPキャップシェルに打ち抜き成型した。このときのエポキシフェノール塗料には、容器口唇部に接する部分にインキが塗布されており、ライナーが非接着になるように設計されている。
このキャップシェルにインシェルモールド方式でライナーを形成した。このときの樹脂温度は、200℃で行なった。ライナーは、ポリプロピレン(PP)とスチレンブロックコポリマー(SEBS)と流動パラフィン(LP)とのブレンド材を使用した。その比はほぼ20〜40:30〜50:30〜50として、これに着色剤と滑剤を添加したものを使用した。
このキャップを使用して、水充填でヘッドスペース部を液体窒素で置換した38mm口径のアルミボトルにキャッピングし、レトルト処理を加えた。レトルトの条件は121℃−30分で行い、レトルト直後に充填品のモレの有無の確認、次に10°の角度を持った鉄盤上に、高さ30cmから垂直に倒立落下させる衝撃試験を加えた。また、別試料で開栓トルクを測定した。開栓トルクは動き始めのトルク値(第1トルク)とアルミブリッジ部が全て切断されるときのトルク値(第2トルク)を測定した。
なお、以下の実施例で使用したマレイン酸変性ポリエチレンは、全て無水マレイン酸変性ポリエチレンを用いている。
Figure 2009107673
注1. E/P(A)=エポキシフェノール塗料(エポキシ樹脂:フェノール樹脂=80:20)
注2. E/P(B)=エポキシフェノール塗料(エポキシ樹脂:フェノール樹脂=95:5)
注3. E/P(C)=エポキシフェノール塗料(エポキシ樹脂:フェノール樹脂=90:10)
注4. E/P(D)=エポキシフェノール塗料(エポキシ樹脂:フェノール樹脂=70:30)
注5. E/P(E)=エポキシフェノール塗料(エポキシ樹脂:フェノール樹脂=60:40)
注6. E/P(F)=エポキシフェノール塗料(エポキシ樹脂:フェノール樹脂=97:3)
注7. E/P(G)=エポキシフェノール塗料(エポキシ樹脂:フェノール樹脂=50:50)
注8. O−PE(10)=酸化ポリエチレン(酸価17)をE/P塗料(A)に固形分比で10wt%添加。
注9. M−PE(10)=マレイン酸変性ポリエチレン(酸価60)をE/P塗料(A)に固形分比で10wt%添加。
注10.EVA(10)=エチレン酢酸ビニル共重合体(VA=33wt%)をE/P塗料(A)に固形分比で10wt%添加。
注11.EEA(10)=エチレンエチルアクリレート(EA=25wt%)をE/P塗料(A)に固形分比で10wt%添加。
注12.IO(10)=アイオノマー(Znタイプ)をE/P塗料(A)に固形分比で10wt%添加。
注13.EMA(10)=エチレンメチルアクリレート(MA=25wt%)をE/P塗料(A)に固形分比で10wt%添加。
注14.EBA(10)=エチレンブチルアクリレート(BA=17wt%)をE/P塗料(A)に固形分比で10wt%添加。
注15.EMAA(10)=エチレンメタクリル酸(MAA=10wt%)をE/P塗料(A)に固形分比で10wt%添加。
注16.EMMA(10)=エチレンメチルメタアクリレート(MMA=20wt%)をE/P塗料(A)に固形分比で10wt%添加。
注17.CPE(10)=塩素化ポリエチレン(Cl=40wt%)をE/P塗料(A)に固形分比で10wt%添加。
注18.CPP(10)=塩素化ポリプロピレン(Cl=12.5wt%)をE/P塗料(A)に固形分比で10wt%添加。
注19.PP(A)=PPとSBC(SEBS)と流動パラフィンとを一定割合で混練したライナー。
注20.PE(E)=LDPEとTPO(オレフィン系エラストマー)とをブレンドしたライナー。
注21.S−PE(10)=スチレン変性ポリエチレン。
注22.接着性:◎=完全接着 ○=ほぼ完全接着、実用上問題ない △=接着やや弱い。実用上やや問題あり。×=接着性弱、実用に適さず ××=全く接着せず。
注23.対レトルト性=充填後レトルト処理(121℃−30分)を行なった直後の漏れ数/試料数。
注24.落下衝撃性=レトルト処理した充填品を1日放置後、10°角の鉄盤上に倒立で30cm高さから落下させモレの有無を調べる。漏れ数/試料数。
注25.開栓トルク:第1トルク=開栓時キャップが動き始めるトルク値。第2トルク=キャップブリッジ部が切断されるトルク。
注26.塗装、塗膜性:◎=塗装性、塗膜性能共に良好 ○=塗膜良好であるが塗装性やや劣るもの △=塗装性、塗膜性能やや劣るもの ×=塗装性、塗膜性能共に劣るもの。
注27.総合評価:◎=塗装性、塗膜性能、ライナー接着性、キャップ性能良好なもの ○=塗装性、塗膜性能、キャップ性能良好。実用範囲内であるがライナー接着性がやや劣るもの、第2トルクが低いもの △=塗装性、塗膜性能、接着性、キャップ性能良好であるがやや第2開栓トルクが高いもの ×=塗装性または塗膜性能が劣るもの。または/およびキャップ性能劣るもの、または第2開栓トルクが高いもの。
上記表1から分かるように、エポキシフェノール樹脂に酸化ポリエチレン(O−PE)、またはマレイン酸変性ポリエチレン(M−PE)を添加した塗料組成物を焼付け塗布したキャップは、ライナー材PP(A)(PP、SBC、流動パラフィンの混合物であるエラストマー)との接着が良好であり、そのキャップ付きボトルは、レトルト処理後の落下衝撃試験でも漏れは認められず、良好な結果が得られた。また、10wt%O−PE、M−PEを添加した塗料組成物を焼付け塗布したキャップは、エポキシ樹脂とフェノール樹脂との比を95:5〜60:40まで変えてもその接着性は変わらず、そのキャップ付きボトルは、レトルト後の衝撃性能、開栓トルク、特に第2トルクは良好な結果を示した。ただし、エポキシ樹脂とフェノール樹脂との比を97:3まで変化させると、塗装作業性がやや劣り、第2トルクもやや高くなった。また、上記比を50:50に変えると、充分な塗膜性能が得られなかった。
マレイン酸変性ポリプロピレン(M−PP)および酸化ポリプロピレン(O−PP)を添加した塗料E/P(A)を、焼付け塗布したキャップの場合、接着性、レトルト後の衝撃性能は良好であったが、開栓トルクが高い値を示した。
エチレンビニルアセテート、エチレンエチルアクリレート、アイオノマー、エチレンメチルアクリレート、エチレンブチルアクリレート、エチレンメタクリル酸、エチレンメチルメタアクリレート、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレンを、各々10wt%添加して評価したが、接着性はやや劣り、開栓トルクは高い値を示した。また、塗装性、塗膜性能も劣るという結果であった。
ライナー材がポリエチレン系のライナー(PE(E))場合、マレイン酸変性ポリエチレン(M−PE)および酸化ポリエチレン(O−PE)添加の塗料E/P(A)を焼付け塗布したキャップに対してのライナーの接着性は良好であったが、そのキャップ付きボトルは耐レトルト性がないという結果であった。第2トルクは良好な結果であった。
<実施例2>
エポキシ樹脂とフェノール樹脂との比が80:20の塗料組成物に、実施例1で良好であった添加剤の量を変えたものについて、実施例1と同様の評価を行った。
Figure 2009107673
注1 接着塗料E/P(A)=エポキシフェノール樹脂(エポキシ樹脂とフェノール樹脂との比80:20)。
注2 O−PE(10)=酸化ポリエチレン(酸価17)をE/P塗料(A)に10wt%添加した接着塗料、その他の()内の数値も添加wt%を示す。
注3 M−PE(10)=マレイン酸変性ポリエチレン(酸価60)をE/P塗料(A)に10wt%添加した接着塗料、その他の()内の数値も添加wt%を示す。
注4 評価の内容、項目は実施例1と同様である。
以上の結果から、マレイン酸変性ポリエチレン、酸化ポリエチレンの量を変えて評価した結果、添加量が少なすぎると接着性が低下し、多すぎると塗料としての塗装作業性が悪くなり、乾燥塗膜面に荒れが認められた。
<実施例3>
実施例2と同様に、M−PEおよびO−PEを各々10wt%添加したエポキシ樹脂とフェノール樹脂との比が80:20の塗料組成物に、さらに各種ポリエチレンの添加量を変えた塗料組成物について、実施例1と同様にキャップに成型し、評価を行った。
Figure 2009107673
注1 接着塗料E/P(A)=エポキシフェノール樹脂(エポキシ樹脂とフェノール樹脂との比80:20)に統一して評価。
注2 O−PE(10)=酸化ポリエチレン(酸価17)を、E/P塗料(A)に10wt%添加した接着塗料。
注3 M−PE(10)=マレイン酸変性ポリエチレン(酸価60)を、E/P塗料(A)に10wt%添加した接着塗料。
注4 LD(5)=密度0.915の低密度ポリエチレンを、塗料に5wt%添加した接着塗料。
注5 LL(5)=密度0.925の直鎖状ポリエチレンを、塗料に5wt%添加した接着塗料。
注6 MD(5)=密度0.935の中密度ポリエチレンを、塗料に5wt%添加した接着塗料。
注7 HDa(5)=密度0.950の高密度ポリエチレンを、塗料に5wt%添加した接着塗料。
注8 HDb(5)=密度0.970の高密度ポリエチレンを、塗料に5wt%添加した接着塗料。
注9 評価の内容、項目は実施例1と同様である。
以上の結果から、マレイン酸変性ポリエチレン、酸化ポリエチレンに変性されていない各種ポリエチレンの量を変えて評価すると、無添加の場合に比べ開栓トルクが下がり、添加量に比例して低下が認められる。その傾向は、密度が高くなると著しいという結果になった。
<比較例>
Figure 2009107673
注1 接着塗料E/P(A)=エポキシフェノール樹脂(エポキシ樹脂とフェノール樹脂との比80:20)に統一して評価。
注2 O−PE(10)=酸化ポリエチレン(酸価17)を、E/P塗料(A)に10wt%添加した接着塗料。
注3 M−PE(10)=マレイン酸変性ポリエチレン(酸価60)を、E/P塗料(A)に10wt%添加した接着塗料。
注4 LD(5)=密度0.915の低密度ポリエチレンを、塗料に5wt%添加した接着塗料。
注5 LL(5)=密度0.925の直鎖状ポリエチレンを、塗料に5wt%添加した接着塗料。
注6 MD(5)=密度0.935の中密度ポリエチレンを、塗料に5wt%添加した接着塗料。
注7 HDa(5)=密度0.950の高密度ポリエチレンを、塗料に5wt%添加した接着塗料。
注8 HDb(5)=密度0.970の高密度ポリエチレンを、塗料に5wt%添加した接着塗料。
注9 評価の内容、項目は実施例1と同様である。
以上の結果から、変性されていないポリエチレンを添加しても、ライナーとの接着性は得られず、マレイン酸変性または酸化ポリエチレンの添加が必要であるという結果になった。また、各種ポリエチレンを添加することにより開栓トルクは下がるが、添加量が10wt%以上になるとライナー材の接着阻害の原因になる。
さらに、酸化ポリエチレン、マレイン酸変性ポリエチレンが添加さていない塗料組成物に各種ポリエチレンを添加した塗料組成物を塗布したキャップは、ライナーの接着性が非常に弱く、キャップとしての評価ができなかった。また、酸化ポリエチレン、マレイン酸変性ポリエチレンが添加さていても、ポリエチレンの添加量が多いとライナーとの接着が低下するという結果が得られた。
<実施例4>
実施例2と同様に、M−PEおよびO−PEを各々10wt%添加した。エポキシ樹脂とフェノール樹脂との比が80:20の塗料組成物について、実施例1と同様にキャップシェルに成型し、ライナー材の組成を変えて異なる硬度のライナー材を供試し、ライナー材と塗料組成物との組み合わせによる評価を行った。評価の内容はほぼ実施例1と同様である。但しライナーの成型性は実施例1とは異なる。
Figure 2009107673
注1 接着塗料E/P(A)=エポキシフェノール樹脂(エポキシ樹脂とフェノール樹脂との比80:20)に統一して評価。
注2 O−PE(10)=酸化ポリエチレン(酸価17)、をE/P塗料(A)に10wt%添加した接着塗料。
注3 M−PE(10)=マレイン酸変性ポリエチレン(酸価60)を、E/P塗料(A)に10wt%添加した接着塗料。
注4 SEBS(A,B,C)=ライナー材がポリプロピレン(PP)とSEBSと流動パラフィン(LP)とで構成されたもの。()内のA,B,Cは配合比の違いを示す。ここでSEBSは、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体を示す。ほかに添加剤として、着色剤、滑剤を使用。
注5 SEPS(A,B,C)=ライナー材がポリプロピレン(PP)とSEPSと流動パラフィン(LP)とで構成されたもの。()内のA,B,Cは配合比の違いを示す。ここでSEPSは、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体を示す。ほかに添加剤として、着色剤、滑剤を使用。
注6 SBS(A,B,C)=ライナー材がポリプロピレン(PP)とSBSと流動パラフィン(LP)とで構成されたもの。()内のA,B,Cは配合比の違いを示す。ここでSBSは、スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体を示す。ほかに添加剤として、着色剤、滑剤を使用。
注7 SIS(A,B,C)=ライナー材がポリプロピレン(PP)とSISと流動パラフィン(LP)とで構成されたもの。()内のA,B,Cは配合比の違いを示す。ここでSISは、スチレン・イソプレン・スチレン共重合体を示す。ほかに添加剤として、着色剤、滑剤を使用。
注8 硬度は、23℃に於けるショアDの値を示す。
注9 ライナー成形性:◎=良好なもの ○=ほぼ問題ないもの、生産可 △=ライナーセンターずれ少量発生、生産性改良を要す。 ×=ライナーセンターずれ多数発生、生産性不可。
以上の結果から、マレイン酸変性ポリエチレン、酸化ポリエチレンの添加量が一定で、ライナー材の組成がPPとSBCとLPとの組み合わせの中で、SBCの種類、量を変えて硬度を変えた場合、SBCの中ではSEBS、SEPSが耐レトルト性で良好な結果を示した。また、SBS、SISは耐レトルト性が無く、レトルト処理により全ての試料で漏れが認められた。このPPとSBCとLPとの組み合わせのライナー材で配合比により硬度を変えた場合、硬度がショアDで7〜35の間で良好な結果を示した。なお、硬度が7以下であるとライナー成形性が不安定になり、35以上であるとシール性が劣る傾向にある。
本発明に係るキャップ及びキャップ付きボトルの一実施形態において、キャップを示す一部を破断した側面図である。 本実施形態において、キャップ付きボトルを示す一部を破断した要部側面図である。
符号の説明
1…キャップ、2…天板部、3…筒状周壁部、4…キャップシェル(キャップ本体)5…ライナー、6…キャップ付きボトル、7…口金部(口部)、13…ボトル本体

Claims (6)

  1. 天板部と該天板部の周縁から垂下した筒状周壁部とからなる金属製のキャップ本体と、
    前記天板部の内面に設けられたキャップ用ライナーと、を備え、
    前記キャップ本体の内側に、少なくともマレイン酸変性ポリエチレン又は酸化ポリエチレンが添加されたエポキシフェノール樹脂を固形分とする塗料組成物が焼付け塗布され、
    前記キャップ用ライナーが、スチレンブロックコポリマーとポリプロピレンと流動パラフィンとを含む樹脂組成物で構成されていることを特徴とするキャップ。
  2. 請求項1に記載のキャップにおいて、
    前記塗料組成物として、さらに密度0.95以上のポリエチレンがエポキシフェノール樹脂に対し添加量1〜7wt%の範囲で添加されていることを特徴とするキャップ。
  3. 請求項1又は2に記載のキャップにおいて、
    前記マレイン酸変性ポリエチレン又は酸化ポリエチレンの添加量が、エポキシフェノール樹脂に対して2〜35wt%の範囲に設定されていることを特徴とするキャップ。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載のキャップにおいて、
    前記エポキシフェノール樹脂が、エポキシ樹脂とフェノール樹脂との重量比を95:5〜60:40の範囲に設定したものであることを特徴とするキャップ。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載のキャップにおいて、
    前記スチレンブロックコポリマーが、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体又はスチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体であり、前記キャップ用ライナーの硬度が、ショアD(23℃)で7〜35の範囲に設定されていることを特徴とするキャップ。
  6. キャップを備えたボトルであって、
    前記キャップが、請求項1から5のいずれか一項に記載のキャップであることを特徴とするキャップ付きボトル。
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