JP2009105935A - 基地局及び基地局の試験方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】無線通信システムの正常性確認及び無線特性試験を行う。
【解決手段】RF−SW220、221は、基地局100に備えられた端末機能部122と送受信される信号の経路を切り換える。RF−SW222〜224は、端末機能部122と所望の無線アナログ部210〜212を接続する。試験機能制御部217は、保守装置(OMC)により指定される情報に従い、RF―SW220〜224の切換を制御する。基地局制御部216は、受信した試験種別情報に応じて、(1)端末機能部122の送信電力に基づき電圧定在波比を求める空中線障害試験、及び、(2)パケットエラーレートを調整後、端末機能部122の送信電力に基づき受信感度を求める受信機障害試験、及び、(3)端末機能部122の受信電力値に基づき無線アナログ部210〜212からの送信電力を求める送信機障害試験、のいずれか又は複数の試験を制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、基地局及び基地局の試験方法に係り、特に、オペレーションセンタから遠隔操作により、移動体通信システムにおける無線基地局装置の無線特性試験を可能とする基地局及び基地局の試験方法に関する。
昨今、部品の小型化に伴う移動体通信端末の小型化と低価格化が進み、携帯電話や簡易型携帯電話(PHS)など、移動体通信端末のユーザ数は爆発的に増加している。ユーザ数増加に伴い、システムに対する利便性向上の要求も増大しており、サービスエリアの拡大、データ伝送速度の高速化が進められている。ユーザの利便性にとって、システムの安定性は重要な要素の1つである。システムを安定的に動作させるためには、システム運用停止となる障害を発生させないことと同時に、障害が発生した場合には迅速にその障害を検出し復旧させることが重要である。
移動体通信システムは、広いサービスエリアをセルと呼ばれる多数の小さなエリアに分割し、各セル内に無線基地局装置を配置する。無線基地局装置はネットワークに接続されており、ユーザ端末は、当該端末が属するセルの無線基地局装置と無線を介して通信を行なうことで、ネットワークに接続された別端末と通信を行なうことが可能となる。
システムの障害検出手段に関し、無線基地局装置の特に無線インタフェース部の障害は、そもそも無線という不確かなインタフェースであるが故に、検出が困難である。例えば、無線基地局装置の空中線(アンテナ)が破損したような場合、ユーザ端末との通信が途絶えても、実際にセル内にユーザが存在しない場合や、ユーザ端末との無線区間に干渉波が存在して通信不能に陥っているなど、様々な要因が考えられるため、即座に無線基地局装置の障害と判断するのが困難である。
無線基地局装置の障害を検出するための第一の従来例として、例えば空中線障害を検出する手段が開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示の空中線障害検出器を図13に示す。図13において、送信機の電力増幅器1の出力信号は方向性結合器2及びサーキュレータ3を通過してアンテナ4から送信される。電力増幅器1の出力信号の一部は、方向性結合器2の結合端子から第一の検波器5に入力され、検波電圧に変換される。サーキュレータ3の他端には第二の検波器6が接続され、アンテナ4からの反射電力を検波電圧に変換する。各検波器から出力される検波電圧は、減算器7で差分電圧に変換されて比較器8に入力され、基準電圧と比較される。本従来例は、比較器8の基準電圧を閾値として警報発出することで、アンテナ4の障害検出を可能とする手段である。すなわち、アンテナ4が破損した場合には、電圧定在波比(VSWR、Voltage Surface Wave Rario)が劣化してアンテナ4からの反射電力が増大するため、検波器5と検波器6の検波電圧差が変化し、この検波電圧差と、閾値である基準電圧との大小関係が逆転した時に、比較器8の出力が変化して、アンテナ4の障害が検出できるのである。また、最近では、これと同様の機能をモジュール化した製品があり、アンテナ障害検出が可能となっている。
上述の第一の従来例では、アンテナ障害検出は可能であるが、受信機不良の検出をすることはできない。また、受信専用アンテナのような場合には、アンテナ障害を検出することができないといった課題がある。
基地局装置及びネットワークの正常性まで含めた試験を可能とするための第二の従来例として、無線基地局装置を含むネットワークに接続されたオペレ―ションセンタからネットワーク及び基地局を介して無線回線で送信される試験情報を試験装置(移動端末)で受信することで、基地局装置及びネットワークの試験を行う試験方法や装置が開示されている(例えば、特許文献2、3参照)。
特許文献2に開示の試験装置を図14に示す。図14において、オペレーションセンタ内の保守者は、試験する基地局無線装置17と接続されている携帯電話19の電話番号を固定電話機20からダイヤルする。基地局無線装置17と携帯電話19との間で着信シーケンスが行われ、自動オフフック機能を有する携帯電話19と固定電話機20の回線が接続される。携帯電話19は自動オフフック後、記憶している音声メッセージを再生し、その音声メッセージを保守者が固定電話機20の受話器から聞く。保守者は再生メッセージを聞いた後、固定電話機20から音声を送信し、その音声を携帯電話19は録音する。また、保守者は予め定めておいたPB信号を固定電話機9から送信し、携帯電話19は、そのPB信号を受信したら録音された音声を再生送信して、保守者は固定電話機20でその音声を聞くことができる。
基地局無線装置17が正常なら、携帯電話19が記憶している音声メッセージと、携帯電話19にて録音再生された保守者の音声の両方が聞こえるが、無線下り回線に異常がある場合には、保守者が録音した音声を聞くことができない。また、無線上り回線に異常がある場合には、音声メッセージを聞くことができない。本従来例は、上述のようにして基地局無線装置の正常性試験を可能としている。また、特許文献3は、上記特許文献2と同様の試験方法を、パケットデータ呼処理機能の正常性確認方法に発展させたものが記載されている。
上述の第二の従来例では、基地局無線装置の正常性確認は行なえるが、アンテナ障害検出を行なう事ができない。また、確認できる正常性は通信の可否であり、軽度の故障に伴う受信性能劣化のような無線特性変化を定量的に判定することができないといった課題がある。
無線特性を定量的に判定するための第三の従来例として、無線基地局装置内部の受信機における異常部位を電力から判断するものがある(例えば、特許文献4参照)。しかし、特許文献4に記載のものは、通信の正常性試験については記載されていない。また、受信機の異常検出方法について開示されたものである。
以上のように、無線基地局装置の試験方法及び障害検出手段として、空中線障害から基地局無線性能試験までを含めた、包括的な試験方法及びそれらを実現するための試験装置として決定的なものが無いのが現状である。
特開平5−14291号公報 特開2000−332674号公報 特開2002−271280号公報 特開平11−154903号公報
移動体通信システムは、1つのセル半径を2km程度で構成すると、例えば日本全土で通信サービスを提供するためには1万台程度の基地局装置が必要となり、全ての基地局装置で冗長構成をとることは、システム構築費用を増大させ経済性を著しく損なうことになる。とはいえ、障害によってサービスを途絶させてしまうと、それはユーザにとってはサービス品質の低下であり、また事業者にとっても課金できないといった弊害が生じるので、障害発生によるサービスの途絶は極力避けなければならない。したがって、安価で且つシステム障害の予防保全を行なえる手段が求められる。しかしながら、移動体通信システムは、ユーザ端末と無線基地局間のインタフェースが無線であるが故に、通信品質は移動局や基地局を取り巻く環境によって変化し、通信品質が悪い場合、それが装置障害によるものなのか周囲環境によるものなのかを判定するのが非常に困難である。
以下、例えば定常的に接続端末数が少ない基地局が存在する場合を例に、無線基地局装置の障害検出が難しい理由を具体的に説明する。
定常的に接続端末数が少ないといったような現象は、無線基地局装置が正常であっても充分に有り得る。例えば、無線基地局装置の近隣に別システムの無線局が存在するような場合である。別システム無線局からの干渉波が入力されると、自システムの移動端末からの受信信号を検出しづらくなる。すなわち、上り回線のエリアが縮小していることと等価であり、接続可能端末数が減少してしまう。
一方、無線基地局装置の障害に起因することも考えられる。無線基地局の障害例を以下に列記する。
第一の障害例は、空中線障害である。端末が受信する基地局からの信号電力及び基地局が受信する端末からの信号電力が著しく低下し、通信可能エリアが縮小して接続端末数が減少していることが考えられる。
第二の障害例は、受信機障害である。例えば、複数の受信器を搭載してダイバーシチ受信している基地局において、一つの受信機に障害が発生すると受信性能が劣化する。これにより、上り回線のエリアが縮小して接続端末数が減少していることが考えられる。
第三の障害例は、送信機障害である。基地局の送信機障害により下り回線の信号品質が劣化し、端末が信号品質の良好な隣接基地局と通信を行なうため接続端末数が減少していることが考えられる。
このように、移動体通信システムではシステムが正常動作をしていても、障害発生時と同様の現象(例えば、接続端末数が少ないこと)が観測される可能性が高く、また障害の原因も多々考えられるために、障害検出を行なうのが非常に困難である。上記障害例を、従来の障害検出手段で検出しようとすると、以下のような課題がある。
第一の従来例として引用した特許文献1に記載された技術では、第一の障害例は検出可能であるが、その外の障害例が原因である場合には検出不能である。また、第二の従来例として引用した特許文献2及び3に記載された技術において確認できるのは通信の可否である。したがって上述の障害例のように、通信は可能であるが無線品質が劣化しているといった障害の場合には検出することができない。さらに、第三の従来例として引用した特許文献4に記載された技術では、第一の障害例及び第三の障害例を検出することができない。また、電力による判定しか行なっていないため、第二の障害例である受信機障害に関しても、例えば位相特性劣化による受信品質劣化のような場合には検出することが不可能である。
以上述べたように、無線基地局装置の障害検出手段及び試験方法には、包括的なものが無いのが現状である。障害内容を正しく推定するためには、想定される各種障害を包括的に試験することが望まれる。ただし、試験のためにサービスを途絶させることはユーザから見てサービス性の低下であるため、極力避けなければならない。また、移動体通信システムにおいて、特にCDMA方式の携帯電話システムのように移動端末の送信電力を細かに制御して通信を行なうようなシステムにおいては、無線基地局の特性劣化は移動端末の送信電力増加を招き、通信可能時間の短縮というサービス性の低下につながる。したがって、通信の可否のみならず、無線特性劣化を監視することは、システムの安定的運用及びサービス性の向上にとって重要である。これらの点を鑑みて、提供中の通信サービスを途絶させることなく、オンラインでの無線特性試験手段が求められる。
本発明は、以上の点に鑑み、システム運用中であっても当該無線通信システムの正常性確認及び無線特性試験を可能とする基地局及び基地局の試験方法を実現することを目的とする。また、本発明は、各種障害を包括的に試験することができる基地局及び基地局の試験方法を提供することを目的とする。本発明は、提供中の通信サービスを途絶させることなく試験を行うことを目的とする。さらに、本発明は、所望の基地局及びセクタにおける試験を、オンラインで行うことができる方法及び装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、例えば3GPP2(C.S0032)に着目して無線通信装置と無線通信網からなるシステムを構成し、そのシステム正常性確認及び無線特性試験をオンラインで行なえる試験方法を提供した。具体的には、無線端末の通信機能(移動端末機能を含む)を有する試験機能部を無線基地局装置内に配置し、アンテナ接続部に接続された方向性結合器を使用して主信号処理部と試験機能部を接続し、任意の方向で結合可能な構成とする。CDMA方式の通信システムでは基地局が端末送信電力を細かく制御する点に着目して、試験信号の結合方向を切り換えた時の端末送信電力差から、アンテナ障害を検出する。また、試験機能部では、上り信号と下り信号を切り分け、個別に減衰量設定可能な機能を具備し、減衰量を変化させながら通信品質を評価することで、主信号機能部の送信機障害及び受信機障害を検出する。これら一連の試験をオンラインで行なうことで、サービスを途絶することなく無線基地局の障害検出を可能としたものである。
本発明の第1の解決手段によると、
無線通信システムにおける通信端末の通信機能を有し、無線基地局を試験するための端末機能部と、
通信端末と無線で信号を送受信するための、1又は2系統で構成されるアンテナと、
前記端末機能部と接続される、セクタ毎の無線アナログ部であって、
前記端末機能部及び通信端末から送信される上り信号を受信するための、1又は2系統で構成される無線受信部と、
前記端末機能部及び通信端末に送信する下り信号を送信するための無線送信部と、
前記端末機能部と送受信される信号の経路が前記アンテナを介する経路か、又は、前記アンテナを介さない経路か、を切り換えるための第1のスイッチと、
前記アンテナと、前記第1のスイッチと、前記無線送信部及び/又は前記無線受信部とを、互いに接続する方向性結合器と
を有する前記無線アナログ部と、
信号の変調及び復調を行う信号処理部と、
前記端末機能部と、所望のセクタの前記無線アナログ部及び/又は所望の系とを接続するための第2のスイッチと、
試験するセクタ及び/又は系の識別情報に従い、前記第2のスイッチを切り換え、及び、試験種別情報が空中線障害試験を示す場合に、所定のタイミングで前記第1のスイッチを切り換える試験機能制御部と、
試験種別情報を含む試験開始命令を受信し、試験種別情報に応じて、(1)前記第1のスイッチの切り換え前後における前記端末機能部の送信電力に基づき電圧定在波比を求める空中線障害試験、及び、(2)パケットエラーレートを所定範囲に調整し、調整後の前記端末機能部の送信電力に基づき受信感度を求める受信機障害試験、及び、(3)前記端末機能部の受信電力値に基づき前記無線アナログ部からの送信電力を求める送信機障害試験、のいずれか又は複数の試験を制御する基地局制御部と
を備えた無線基地局試験装置が提供される。
本発明の第2の解決手段によると、
無線基地局を試験するための端末機能部と、端末機能部と送受信される信号の経路がアンテナを介する経路か、又は、アンテナを介さない経路かを切り換えるための第1のスイッチを有し、端末機能部と接続されるセクタ毎の無線アナログ部と、端末機能部と所望の無線アナログ部を接続するための第2のスイッチと、第1のスイッチ及び第2のスイッチを切り換える試験機能制御部と、試験を制御するための基地局制御部と、を用いた無線基地局試験方法であって、
基地局制御部は、試験種別情報と、試験するセクタ及び/又は系の識別情報とを含む試験開始命令を受信するステップと、
基地局制御部は、セクタ識別情報及び/又は系の識別情報を含むスイッチ切り換え命令を試験機能制御部に送信するステップと、
試験機能制御部は、スイッチ切り換え命令を受信し、試験するセクタ及び/又は系の識別情報に従い、該識別情報に対応したセクタ及び/又は系と端末機能部が接続されるように第2のスイッチの切り換えるステップと、
基地局制御部は、試験種別情報に応じて、(1)第1のスイッチの切り換え前後における端末機能部の送信電力に基づき電圧定在波比を求める空中線障害試験、及び、(2)パケットエラーレートを所定範囲に調整し、調整後の端末機能部の送信電力に基づき受信感度を求める受信機障害試験、及び、(3)端末機能部の受信電力値に基づき無線アナログ部からの送信電力を求める送信機障害試験、のいずれか又は複数の試験を制御するステップと
を含む前記無線基地局試験方法が提供される。
本発明によると、システム運用中であっても当該無線通信システムの正常性確認及び無線特性試験を可能とする基地局及び基地局の試験方法を実現することができる。また、本発明によると、各種障害を包括的に試験することができる基地局及び基地局の試験方法を提供することができる。本発明によると、提供中の通信サービスを途絶させることなく試験することができる。さらに、本発明によると、所望の基地局及びセクタにおける試験を、オンラインで行うことができる方法及び装置を提供することができる。
以下、本発明に係る無線通信装置と無線通信網の構成ならびにこれらの運用方法について、1xEV−DO(1x Evolution Data Only)システムを例に図面を用いて詳細に説明する。
図1は、1xEV−DOシステムにおける無線基地局試験システムの構成図である。無線基地局試験システムは、基地局(無線基地局試験装置)100と、IP−SW(IPスイッチ)101と、PCF−SC(Packet Control Function−Session Control、無線パケット制御装置)102と、AN−AAA(Access Network−Authentication、Authorization、and Accounting)103と、OMC(Operation and Maintenance Center、保守装置)106と、テストサーバ107と、ISP(Internet Service Provider)サーバ108と、を備える。
基地局100は、主信号処理部120と、端末機能部122を含む試験機能部121とを有する。基地局100は、例えば、端末110、111、112と主信号経路140を用いて通信を行う。基地局100を取り囲む円は、基地局100から電波が送信されているエリアの概略を視覚化したものである。また、IP−SW101は、基地局100等に接続され、パケットのスイッチングなどを行う。
PCF−SC102は、無線パケット制御装置であり、セッション情報の管理、端末認証、無線パケットの制御及び終端等の機能を有する。AN−AAA103は、端末認証用のサーバであり、ユーザ情報の登録・管理等の機能を有する。OMC106は、保守端末であり、基地局100及びPCF−SC102の監視・制御機能を有する。OMC106は、例えば、OMC−NW(OMCネットワーク)及びIP−SW101を介して基地局100と通信可能である。
テストサーバ107は、試験用のサーバである。例えば、端末機能部122は、呼接続処理により、IP−NW(IPネットワーク)104に接続され、試験を行う際にテストサーバ107と通信することができる。ISPサーバ108は、例えばユーザ認証処理を行なう。
基地局100の内部には、主信号処理部120が搭載されており、最大で3つのセクタ、例えばセクタ1(130)、セクタ2(131)、セクタ3(132)の信号処理を行なうことが可能である。端末と基地局100が通信を行なう際に、基地局100がどのセクタを用いるかは、端末が受信している電波の状態に依存するが、通常、図に示すように、端末が複数のセクタの電波を受信する場所133、134、135が存在する。また、端末が各セクタの圏外に移動、又は電源がオフとなる場合もあり、運用状態から各セクタが正常に機能しているかどうかを判別することは非常に困難である。
本実施の形態では、このような課題を解決するために、基地局100に試験機能部121を搭載し、さらに試験機能部121に端末機能部122を内蔵している。これにより、基地局試験信号経路141を用いて、あらゆる環境を擬似した状態で端末機能部122と基地局100が通信することを可能としている。図1の例では、基地局100の内部にある端末機能部122が、あたかもセクタ1に存在するように基地局100と通信を行なうことを示している。ここで通信に障害が発生していれば、セクタ1が故障していると判別することができる。すなわち、セクタの正常性の確認を確実に行なうことが可能となる。
なお、本実施の形態は、通常の呼接続を行なう際のインタフェースを利用しているため、特別なシグナリングを送信する装置を用いることなく障害箇所を特定することが可能である。
図2は、基地局100の構成例を示すブロック図である。
基地局100は、例えば、アンテナ201及び202と、セクタに対応する無線アナログ部210〜212と、ディジタル信号処理部213と、回線インタフェース214と、呼接続処理部215と、基地局制御部216とを有する主信号処理部120、及び、試験機能制御部217と、端末機能部122、RF−SW(高周波用同軸スイッチ)222〜224とを有する試験機能部121を備える。また、試験機能部121は、例えば、分波器240及び243と、上り経路減衰器241と、下り経路減衰器242とをさらに有してもよい。
無線アナログ部(セクタ1)210は、無線信号を処理する機能を有するユニットであり、例えば、方向性結合器227及び228と、RF−SW220及び221と。濾波器230と、分波器231と、無線受信部232、233と、無線送信部234とを有する。なお、基地局100は、ダイバシチ構成とすることができる。例えば、図2に示すように、0系のアンテナ201及び無線受信部0(233)と、1系のアンテナ202及び無線受信部1(232)とを有することができる。また、アンテナ及び無線受信部が、1系統で構成されるシステムであってもよい。
0系アンテナ201は、上り信号受信アンテナである。また、1系アンテナ202は、上り信号受信及び下り信号送信アンテナである。方向性結合器227は、例えば、アンテナ202と、RF−SW220と、無線受信部1(232)とを互いに接続する。同様に、方向性結合器228は、例えば、アンテナ201と、RF−SW221と、無線送信部234及び/又は無線受信部0(233)とを互いに接続する。
RF−SW(第1のスイッチ)220、221は、無線信号の経路を切換えるスイッチである。例えば、RF−SW220及び221は、端末機能部122と送受信される信号の経路が、アンテナを介する経路か又はアンテナを介さない経路か、を切り換える。
濾波器230は、アンテナが受信する信号のうち、不要な信号を遮断するフィルタである。分波器231は、0系アンテナが上り信号受信と下り信号送信を同時に行うが、無線受信部0には上り信号のみが入力されるように、上り信号と下り信号を分離する機能を有する。なお、上り信号受信と下り信号送信を別々にすることもできるが、アンテナをもう1つ追加することになり、例えばコストの面からも図2に示す構成が望ましい。また、分波器231は、無線送信部から不要な信号が送信されないように、不要な信号を遮断するフィルタ機能も有する。
無線受信部232、233は、端末(一般の移動体端末及び端末機能部122)から送信される上り信号をアナログ信号からディジタル信号に変換し、ディジタル信号処理部213に送信する。無線送信部234は、ディジタル信号処理部213から送られる下り信号をディジタル信号からアナログ信号に変換して、端末に送信する。
セクタ2の無線アナログ部211及びセクタ3の無線アナログ部212についても、上述のセクタ1の無線アナログ部210と同様であるので省略する。
ディジタル信号処理部213は、上り信号の復調及び下り信号の変調を行なうユニットである。回線インタフェース部214は、呼接続処理部215及び基地局制御部216と、外部のIP−SW101を接続するためのインタフェースである。呼接続処理部215は、ディジタル信号処理部213を介して各無線アナログ部と接続され、主に呼接続処理を行う。
基地局制御部216は、基地局全体を制御する。また、基地局制御部216は、OMC106から試験種別情報を含む試験開始命令を受信し、試験種別情報に応じた試験の実施を制御する。試験としては、例えば以下の試験を含むことができる。
(1)端末機能部の送信電力に基づき電圧定在波比を求めて、アンテナ201又は202の障害を含む空中線障害を検出するための空中線障害試験。
(2)パケットエラーレートを所定範囲に調整し、そのときの端末機能部122の送信電力に基づき受信感度を求めて、無線受信部232又は233の障害を含む受信機障害を検出するための受信機障害試験。
(3)端末機能部122の受信電力値に基づき無線アナログ部210〜212の送信電力を求めて、無線送信部234の障害を含む送信機障害を検出するための送信機障害試験。
なお、各試験の詳細については後述する。
試験機能制御部217は、例えば、OMC106により指定される、試験するセクタ及び/又は系の識別情報に従い、RF−SW222〜224を切り換え、及び、OMC106により指定される試験種別情報が空中線障害試験を示す場合に、所定のタイミングでRF−SW220、221を切り換える。
端末機能部122は、基地局100に実装される試験用の端末である。端末機能部122は、アンテナを介して通信される通常の無線移動体端末(無線端末)と同様の機能(例えば、通信機能)を有する。例えば、端末機能部122は、図2に示す経路250及び260を介して無線アナログ部210と通信する。主信号処理部120の呼接続処理部215は、通常の端末における場合と同様に呼処理を行い、端末機能部122と例えばテストサーバ107の呼を確立する。
RF−SW(第2のスイッチ)222及び223は、端末機能部122と接続されるセクタ毎の無線アナログ部210〜212を選択的に切り換えるスイッチである。また、RF−SW224は、セクタ内の系を0系又は1系に切り換える。なお、通常、基地局100は端末に対して呼接続を維持するのに必要な最小電力を送信するように、端末に対して電力制御を実施している。本実施の形態における端末機能部122も同様に電力制御が実施されている。分波器243は、上述の分波器231と同様の機能を有する。
上り経路減衰器241は、上り信号の電力を減衰させる減衰器である。また、下り経路減衰器242は、下り信号の電力を減衰させる減衰器である。例えば、試験機能制御部217は、上り経路減衰器241及び下り経路減衰器242の電力減衰量を調整して、端末機能部122の環境を、所望の電波環境に擬似する。例えば、試験機能制御部217は、OMC106からデータレートを受信し、予め規定されているデータレートと受信電力の関係に基づき、基地局100の送信電力から減衰器の減衰量を引いたものが、データレートに対応した電力の範囲となるように、減衰量を調節する。なお、データレートと受信電力の関係は、3GPP2標準で規定されており、これらのデータは試験機能制御部217のメモリなどに予め記憶しておくことができる。
(アンテナ障害検出試験)
図3は、アンテナ障害検出を行う際のシーケンスの説明図である。また、図4及び図5は、セクタ1の0系アンテナ201について、アンテナ障害検出を行う際の無線信号の経路の説明図(1)及び(2)である。以下、図3、図4及び図5を参照し、アンテナ障害試験の動作について説明する。なお、図3及び以下の説明では、要求に対するAckは通常存在するため省略する。
例えば、保守作業者からOMC106にアンテナ障害試験(VSWR試験)実行の命令が入力されることにより、試験が開始される。VSWR試験実行の命令には、例えば、試験する基地局の指定、及び、試験するアンテナの指定(例えば、セクタ及び系が指定される)を含む。
ステップ600では、OMC106は、指定された基地局100の基地局制御部216に、試験種別(ここではVSWR障害試験)、指定されたアンテナの識別情報(例えば、セクタ及び系の識別情報)を含む試験開始命令を通知する。なお、試験するアンテナの指定を省略し、基地局100内の全てのアンテナ又は予め定められたアンテナについて順次試験を実行するようにしてもよい。
ステップ601では、試験種別がVSWR試験を示す試験開始命令を受けた基地局制御部216は、試験機能制御部217に、RF−SW220〜224の設定を命令する(RF−SW設定命令)。なお、保守作業者は試験するアンテナ(セクタ及び系)を指定することができ、基地局制御部216は、指定されたアンテナに対応するRF−SWの設定を命令する。例えば、それぞれのアンテナについて、セクタ及び系の識別情報に対応して、各RF−SWをどのように設定するかを示す情報が、予め基地局制御部216のメモリ等に記憶され、基地局制御部216は、メモリ等を参照して、指定されたアンテナに対応する各RF−SWの設定を命令することができる。
次に、ステップ602では、試験機能制御部217は、RF−SW設定命令に従い、RF−SW220〜224を設定する。例えば、セクタ1の0系アンテナ201を試験する場合は、図4のように、RF−SW224、223、221を設定する。このようにRF−SWが設定されることで、端末機能部122からの上り方向のパケットは図中の経路260を介して、一方、下り方向のパケットは図中の経路250を介して送受信可能となる。また、試験機能制御部217は、RF−SW221を、図4に示すように設定する。このように設定されることで、端末機能部122と送受信される信号の経路260は、アンテナ201を介さないようになる。
ステップ605では、基地局制御部216が、試験機能制御部217に対し、端末機能部122を設定し呼接続を開始するように命令する(呼接続開始命令)。ステップ606では、呼接続開始命令を受け取った試験機能制御部217は、端末機能部122の電源を投入する。
ステップ607では、電源が投入された端末機能部122が、予め定められた設定に従い、例えばテストサーバ107にダイアルアップして、呼接続状態を確立する。なお、テストサーバ107のダイヤル番号などの接続先情報は、予め端末機能部122内のメモリに記憶されている。このとき、端末機能部122は、経路250及び260を介して無線アナログ部210と通信する。主信号処理部120の呼接続処理部215は、通常の端末における場合と同様に呼処理を行い、端末機能部122とテストサーバ107の呼を確立する。なお、通常、基地局100は端末に対して呼接続を維持するのに必要な最小電力を送信するように、端末に対して電力制御を実施している。本実施の形態における端末機能部122も同様に電力制御が実施されている。
ステップ608では、端末機能部122が、基地局制御部216に呼が接続されたことを通知する。本実施の形態では、例えばこのシーケンスのような端末機能部122の状態変更の通知を「TAT−State変更通知」と記している。「TAT−State変更通知」には、例えば端末機能部122の状態、又は、状態の変化を示す情報が含まれる。なお、端末機能部122及び基地局制御部216は、例えば試験機能部217を介して互いにデータの送受信が可能である。
次に、ステップ610では、基地局制御部216は、端末機能部122に、パケット送信を開始するよう命令する(パケット送信開始命令)。ステップ611では、パケット送信開始命令を受け取った端末機能部122は、例えばpingを実行してテストサーバ107に対してパケット送信を開始する。なお、ping以外にもパケットを送信するための適宜のコマンド、アプリケーションを実行することができる。端末機能部122から送信されるパケットは、図4に示す経路260及び無線受信部0(233)、回線インタフェース214等を介してテストサーバ107に送信される。なお、端末機能部122は、パケット送信停止命令があるまでパケット送信を継続する。ステップ612では、端末機能部122は基地局制御部216に、パケット送信を開始した情報を含む「TAT−State変更通知」を通知する。
次に、ステップ615では、基地局制御部216が、端末機能部122に、端末機能部122の送信電力を報告するよう要求する(送信電力報告要求)。ステップ616では、送信電力報告要求に応じて、端末機能部122が基地局制御部216に、端末機能部122の送信電力を報告する。例えば、端末機能部122は、送信電力報告要求を受け取る前又は後の、所定時間の送信電力の平均値を報告する。また、送信電力報告要求を受け取った時の送信電力の瞬時値を報告してもよい。ステップ617では、基地局制御部216は、報告された送信電力値P1をメモリに記憶する。
次に、ステップ620では、基地局制御部216が、試験機能制御部217に、RF−SW220又は221の切り換えを命令する。例えば、図4に示す例では、基地局制御部216は、無線アナログ部内の、試験するアンテナに対応するRF−SW221を切り換えるよう命令する。ステップ621では、試験機能制御部217は、ステップ620での命令に従い、RF−SW220又は221を設定する。例えば、試験機能制御部217は、図5に示すように、端末機能部122から送受信されるパケットがアンテナを介するようにRF−SW221を切り換える。RF−SW221が切り換えられると、端末機能部122からの上り方向のパケットは、図5中のアンテナ201を含む経路261を介して、一方、下り方向のパケットは、図中の経路251を介して送受信可能となる。
端末機能部122は通常の端末と同様に電力制御が実施されているが、RF−SW221が上述のように切り換えられたことにより、端末機能部122の送信電力はアンテナの透過係数分だけ増加する。この送信電力の違いから、アンテナのVSWR(電圧定在波比)を計算し、アンテナの障害検出を可能にする。なお、RF−SWの切換を行なう間、一瞬回線が切断される場合があるが、微小な時間であるため、これにより呼が切断されることはない。
ステップ622では、基地局制御部216が、端末機能部122に、端末機能部122の送信電力を報告するよう要求する(送信電力報告要求)。ステップ623では、送信電力報告要求622に応じて、端末機能部122が基地局制御部216に、RF−SW切り換え後の、端末機能部122の送信電力を報告する。ステップ624では、基地局制御部216は、報告された送信電力値P2をメモリに記憶する。
ステップ625では、基地局制御部216は、ステップ617及びステップ624で記憶した送信電力値P1及びP2の値をメモリから読み出し、次式を用いてVSWRを算出する。
VSWR=(P2+P1)/(P2−P1)
ここで、P1:前記端末機能部と送受信される信号の経路が前記アンテナを介さないときの、前記端末機能部の送信電力値、P2:前記端末機能部と送受信される信号の経路が前記アンテナを介するときの、前記端末機能部の送信電力値である。
また、基地局制御部216は、算出したVSWRをメモリに記憶する。なお、基地局制御部216は、VSWRに応じて、例えば所定の閾値より大きい又は小さいか、所定範囲内又は外か等により、アンテナ障害が発生しているか否かを判断し、判断結果をメモリに記憶することもできる。
ここで、他のアンテナについてさらに試験を行う場合、ステップ601に戻り、ステップ601〜ステップ625の各処理を実行することができる。なお、ステップ601では、例えば、基地局制御部216は、予め定められた順序に従い、次に試験を行うアンテナ(セクタ及び系)を指定し、試験機能制御部217に対してRF−SWを設定するよう命令することができる。
一方、ステップ630では、基地局制御部216は、端末機能部122にパケット送信を停止するよう命令する(パケット送信停止命令)。ステップ631では、端末機能部122は、パケット送信停止命令に従い、パケット送信を停止する。ステップ632では、端末機能部122は、基地局制御部216にパケット送信を停止した情報を含む「TAT−State変更通知」を通知する。
次に、ステップ633では、基地局制御部216は、端末機能部122に呼接続を解放するよう命令する。ステップ634では、端末機能部122は、呼接続解放命令に従い呼接続を解放する。さらに、ステップ635では、端末機能部122は、基地局制御部216に、呼接続を解放した情報を含む「TAT−State変更通知」を通知する。
ステップ636では、基地局制御部216は、試験機能制御部217に、端末機能部122の電源を切断するよう命令する(電源切断命令)。ステップ637では、電源切断命令を受け取った試験機能制御部217は、端末機能部122の電源を切断する。
ステップ638では、基地局制御部216は、OMC106に、試験結果を報告する。試験結果には、例えば、試験を行ったアンテナを識別するための情報(例えば、セクタ及び系)、メモリに記憶されているVSWRの値及び/又はアンテナ障害が発生しているか否かを示す情報を含むことができる。ステップ639では、OMC106は、試験結果を受信し、受信した試験結果を表示部に表示、及び/又は、記憶部に記憶し、本試験を終了する。
以上、セクタ1の0系アンテナ201の試験を例として説明したが、他のアンテナ(例えば、セクタ1の1系アンテナ、他のセクタのアンテナ等)についても上述と同様にしてVSWR試験を実行することができる。すなわち、試験を行うアンテナによりRF−SW220〜224の設定が変わるだけであり、動作は、図3に示すシーケンス図と同様である。
図6及び図7は、セクタ1の1系アンテナ202について、アンテナ障害検出を行う際の無線信号の経路の説明図(1)及び(2)である。ここで、図6及び図7を参照し、図3に示すシーケンス図に従いセクタ1の1系アンテナ202の試験について説明する。
まず、保守作業者からOMC106にVSWR試験(アンテナ障害試験)実行の命令が入力されることにより、試験が開始される。ここで、VSWR試験実行の命令には、例えば、試験する基地局の指定、及び、試験するアンテナの指定(ここでは、セクタ1の1系アンテナ202)を含む。ステップ600は、OMC106は、上述と同様に、指定された基地局の基地局制御部216に、試験種別(ここではVSWR障害試験)、指定されたアンテナの識別情報(ここでは、セクタ1の1系)を含む試験開始命令を通知する。
ステップ601では、基地局制御部216は、試験機能制御部217に対し、セクタ1の1系アンテナ202に対応するRF−SWの設定を命令する。ステップ602において、試験機能制御部217は、セクタ1の1系アンテナ202に対応するRF−SW設定命令に従い、RF−SW220〜224を図6に示すように設定する。例えば、RF−SW224は、上り方向のパケットが1系アンテナ202に対応する無線受信部232に送られるように設定される。ステップ605〜620は、上述と同様であるので、省略する。
また、ステップ621において、試験機能部217は、図7に示すように、上り方向の経路263がアンテナ202を介するように、セクタ1の1系アンテナ202に対応するRF−SW220を切り換える。ステップ622以降は、上述と同様であるので省略する。
このように、試験を行うアンテナに対応してRF−SWを切り換えることにより、基地局100内のいずれのアンテナについても試験を行うことが可能である。なお、アンテナに対応するRF−SWの設定については、例えば、基地局制御部216又は試験機能制御部のメモリに予め記憶しておくことができる。
(受信機障害検出試験)
図8は、受信機障害検出試験を行う際のシーケンスの説明図である。また、図9及び図10は、セクタ1の無線受信部0及び1について受信機障害検出試験を行う際の信号経路の説明図(1)及び(2)である。以下、図8、9及び10を参照し、受信機障害検出試験の動作について説明する。なお、図8及び以下の説明では、要求に対するAckは通常存在するため、省略する。
例えば、保守作業者からOMC106に受信機障害検出(受信感度試験)実行の命令が入力されることにより、試験が開始される。受信機障害検出実行の命令には、例えば、試験する基地局の指定、及び、試験するセクタ及び系の指定を含む。
ステップ640では、OMC106は、指定された基地局100の基地局制御部216に、試験種別(ここでは受信機障害検出)、指定されたセクタ及び系の識別情報を含む試験開始命令を通知する。なお、試験するセクタ及び系の指定を省略し、基地局100内の全てのセクタ及び系、又は、予め定められたセクタ及び系について順次試験を実行するようにしてもよい。
ステップ641では、試験種別が受信機障害検出を示す試験開始命令を受けた基地局制御部216は、試験機能制御部217に、RF−SW220〜224の設定を命令する(RF−SW設定命令)。なお、保守作業者は試験する受信機のセクタ及び系(0系または1系)を指定することができ、基地局制御部216は、指定された受信機に対応するRF−SWの設定を命令する。例えば、それぞれの受信機について、セクタ及び系の識別情報に対応して、各RF−SWをどのように設定するかを示す情報が、予め基地局制御部216のメモリに記憶され、基地局制御部216は、メモリを参照して、指定された受信機に対応する各RF−SWの設定を命令することができる。
ステップ642では、試験機能制御部217は、RF−SW設定命令に従い、RF−SW220〜224を設定する。例えば、セクタ1の0系を試験する場合は、図9のように、RF−SW224、223、221を設定する。また、試験機能制御部217は、RF−SW221を図9のように信号経路がアンテナ201及び202を介さないように設定する。このようにRF−SWが設定されることで、端末機能部122からの上り方向のパケットは図中の経路260を介して、一方、下り方向のパケットは図中の経路250を介して送受信可能となる。
ステップ645では、基地局制御部216が、試験機能制御部217に、端末機能部122を設定し呼接続を開始するように命令する(呼接続開始命令)。ステップ646では、呼接続開始命令を受け取った試験機能制御部217は、端末機能部122の電源を投入する。ステップ647では、電源が投入された端末機能部122が、予め定められた設定に従い、例えばテストサーバ107にダイアルアップして、呼接続状態を確立する。なお、テストサーバ107のダイヤル番号などの接続先情報は、予め端末機能部122内のメモリに記憶されている。
ステップ648では、端末機能部122が、基地局制御部216に呼が接続されたことを示す情報を含む「TAT−State変更通知」を通知する。なお、端末機能部122及び基地局制御部216は、例えば試験機能部217を介して互いにデータの送受信が可能である。
ステップ650では、基地局制御部216は、端末機能部122に、パケット送信を開始するよう命令する(パケット送信開始命令)。ステップ651では、パケット送信開始命令を受け取った端末機能部122は、例えばpingを実行してテストサーバ107に対してパケット送信を開始する。なお、ping以外にもパケットを送信するための適宜のコマンド、アプリケーションを実行することができる。端末機能部122から送信されるパケットは、経路260及び無線受信部0(233)、回線インタフェース214等を介してテストサーバ107に送信される。なお、端末機能部122は、パケット送信停止命令があるまでパケット送信を継続する。ステップ652では、端末機能部122は基地局制御部216に、パケット送信を開始した情報を含む「TAT−State変更通知」を通知する。
次に、ステップ653では、基地局制御部216が、端末機能部122に、端末機能部122の送信電力を報告するよう要求する(送信電力報告要求)。ステップ654では、送信電力報告要求に応じて、端末機能部122が基地局制御部216に、端末機能部122の送信電力を報告する。例えば、端末機能部122は、送信電力報告要求を受け取る前又は後の、所定時間の送信電力の平均値を報告する。また、送信電力報告要求を受け取った時の送信電力の瞬時値を報告してもよい。基地局制御部216は、報告された送信電力値P1をメモリに記憶する。
ステップ655では、基地局制御部216は、PER(パケット・エラー・レート)を取得する。PERは、例えば以下のように測定することができる。図2等に記載しているディジタル信号処理部213は、端末機能部122より送信される上り信号を復調する際に、エラーにより復調できないパケットを再度送信するよう要求する機能を有している。従って、ディジタル信号処理部213が受信した上り信号のパケットのうち、エラーにより再送要求をしたパケット数(以下、エラーパケット数と呼ぶ)と、正常に受信したパケット数をカウントすることが可能である。ディジタル信号処理部213は、エラーパケット数と正常に受信したパケット数をカウントしておき、PERを次式より算出する。
PER[%]=(エラーパケット数)/(受信パケット総数)
なお、受信パケット総数は、エラーパケット数と正常に受信したパケット数の合計である。
基地局制御部216は、例えば、ディジタル信号処理部213にPERの値を報告するよう要求し、ディジタル信号処理部213がその要求に応じて送信したPERを取得することができる。なお、基地局制御部216はディジタル信号処理部213からエラーパケット数と正常に受信したパケット数(又は、受信パケット総数)を取得し、上述の式によりPERを求めるようにしてもよい。また、基地局制御部216は、取得したPERをメモリに記憶する。
ステップ656では、基地局制御部216は、PERに応じて、端末機能部122に送信電力を変更するように命令する(送信電力変更命令)。例えば、測定されたPERが既定の閾値より低い場合は送信電力を下げ、逆にPERが既定の閾値より高い場合は送信電力を上げるよう命令する。
ステップ657では、端末機能部122は、基地局制御部216からの命令に応じて、送信電力を変更する。次に、ステップ658では、端末機能部122は、基地局制御部216に変更後の送信電力を報告する。ステップ660では、基地局制御部216は、再度PERを取得し、メモリに記憶する。PERの測定については、上述と同様である。
ステップ690では、基地局制御部216は、PERが既定の閾値の範囲内か判断する。基地局制御部216は、PERが既定の閾値の範囲内の場合、ステップ661の処理へ移る。一方、基地局制御部216は、測定されたPERが既定の閾値の範囲内となっていない場合、ステップ656の処理に戻り、ステップ656〜660及び690の処理を繰り返して、PERが既定の閾値の範囲内となるよう端末機能部122の送信電力を調整する。
ステップ661では、基地局制御部216は、報告された端末機能部122の送信電力の値と、端末機能部122〜無線受信部0(233)又は無線受信部1(232)の信号経路260又は262の損失の値とから、受信感度を算出する。例えば、基地局制御部216は、試験機能制御部217のメモリを参照して、報告された端末機能部122の送信電力値と、経路損失値とを読み出し、次式により受信感度を算出する。
受信感度=(端末機能部の送信電力値)−(経路損失値)
ここで用いられる端末機能部122の送信電力は、上述のステップ653〜660の処理を繰り返すことにより、PERが既定の閾値の範囲内となっている送信電力であり、例えばステップ660においてメモリに記憶されている。また、経路損失の値は、端末機能部122の送信電力を、受信感度点まで減衰させることが可能な値に固定することができる。すなわち装置設計時に固定的に定めている値である。ただし、経路損失値には製造ばらつきが存在するため、製造時に損失の値を測定し、その値を試験機能制御部217のメモリに格納しておくことができる。ここで、受信感度点は、基地局100の受信電力がその電力以下になると受信不能となる電力値を示す。
また、基地局制御部216は、算出された受信感度をメモリに記憶する。また、基地局制御部216は、受信感度に基づき、例えば所定の閾値より大きい又は小さいか、所定範囲内又は外か等により、受信機障害が発生しているか否かを判断し、判断結果をメモリに記憶してもよい。
ステップ662では、基地局制御部216は、端末機能部122にパケット送信を停止するよう命令する(パケット送信停止命令)。ステップ663では、端末機能部122は、パケット送信停止命令に従い、パケット送信を停止する。ステップ664では、端末機能部122は、基地局制御部216にパケット送信を停止した情報を含む「TAT−State変更通知」を通知する。
次に、ステップ665では、基地局制御部216は、端末機能部122に呼接続を解放するよう命令する(呼接続解放命令)。ステップ666では、端末機能部122は、呼接続解放命令に従い呼接続を解放する。さらに、ステップ667では、端末機能部122は、基地局制御部216に、呼接続を解放した情報を含む「TAT−State変更通知」を通知する。
ステップ668では、基地局制御部216は、試験機能制御部217に、端末機能部122の電源を切断するよう命令する(電源切断命令)。ステップ669では、電源切断命令を受け取った試験機能制御部217は、端末機能部122の電源を切断する。
ステップ670では、基地局制御部216は、OMC106に、試験結果を報告する。試験結果には、例えば、試験を行った受信機を識別するための情報(例えば、セクタ及び系)、メモリに記憶されている受信感度及び/又は受信機障害が発生しているか否かを示す情報を含むことができる。ステップ671では、OMC106は、試験結果を受信し、受信した試験結果を表示部に表示、及び/又は、記憶部に記憶し、本試験を終了する。
以上、セクタ1の0系について説明したが、他の系、他のセクタについても同様に受信機障害試験を行うことができる。すなわち、試験を行うアンテナによりRF−SW220〜224の設定が変わるだけであり、動作は、図8に示すシーケンス図と同様である。例えば、セクタ1の1系について試験する場合は、図10に示すようにRF−SW(221〜224)を設定する。
(送信機障害検出試験)
図11は、送信機障害検出試験を行う際のシーケンスの説明図である。また、図12は、セクタ1の無線送信部234について送信機障害検出試験を行う際の信号経路の説明図である。以下、図11及び12を参照し、送信機障害検出試験の動作について説明する。なお、図11及び以下の説明では、要求に対するAckは通常存在するため省略する。
例えば、保守作業者からOMC106に送信機障害検出(送信電力試験)実行の命令が入力されることにより、試験が開始される。送信機障害検出実行の命令には、例えば、試験する基地局の指定、及び、試験するセクタの指定を含む。
ステップ680では、OMC106は、指定された基地局100の基地局制御部216に、試験種別(ここでは送信機障害検出)、指定されたセクタの識別情報を含む試験開始命令を通知する。なお、試験するセクタの指定を省略し、基地局100内の全てのセクタ又は予め定められたセクタについて順次試験を実行するようにしてもよい。
ステップ681では、試験種別が送信機障害検出を示す試験開始命令を受けた基地局制御部216は、試験機能制御部217に、RF−SW220〜224の設定を命令する(RF−SW設定命令)。なお、保守作業者は試験する送信機のセクタを指定することができ、基地局制御部216は、指定された送信機に対応するRF−SWの設定を命令する。例えば、それぞれの送信機について、セクタの識別情報に対応して、各RF−SWをどのように設定するかを示す情報が予め基地局制御部216のメモリに記憶され、基地局制御部216は、メモリを参照して指定された送信機に対応する各RF−SWの設定を命令することができる。なお、これらの対応情報は、上述のアンテナ障害試験や受信機障害検出試験に用いる情報と共通の構成とすることができる。
ステップ682では、試験機能制御部217は、RF−SW設定命令に従い、RF−SW220〜224を設定する。例えば、セクタ1を試験する場合は、図12のように、RF−SW221、223を設定する。このようにRF−SWが設定されることで、下り方向のパケットは図中の経路250を介して送受信可能となる。次に、ステップ683では、試験機能制御部217は、端末機能部122の電源を投入する。
また、ステップ685では、基地局制御部216は、端末機能部122に、端末機能部122の受信電力を報告するよう要求する(受信電力報告要求)。ステップ686では、受信電力報告要求に応じて、端末機能部122が基地局制御部216に、端末機能部122の受信電力を報告する。例えば、端末機能部122は、受信電力報告要求を受け取る前又は後の、所定時間の受信電力の平均値を報告する。また、受信電力報告要求を受け取った時の受信電力の瞬時値を報告してもよい。基地局制御部216は、報告された受信電力値をメモリに記憶する。
ステップ687では、基地局制御部216は、端末機能部122の受信電力の値と、無線送信部234〜端末機能部122間の信号経路250の経路損失の値をメモリから読み出し、次式を用いて無線送信部234の送信電力値を算出する。
基地局の送信電力値=(端末機能部の受信電力値)+(経路損失値)
ここで、経路損失の値については、上述の受信機障害検出の場合と同様である。また、基地局制御部216は、算出された送信電力値をメモリに記憶する。また、基地局制御部216は、算出された送信電力値に基づき、例えば所定の閾値より大きい又は小さいか、所定範囲内又は外か等により、送信機障害が発生しているか否かを判断し、判断結果をメモリに記憶してもよい。
ステップ690では、基地局制御部216は、試験機能制御部217に、端末機能部122の電源を切断するよう命令する(電源切断命令)。ステップ691では、電源切断命令を受け取った試験機能制御部217は、端末機能部122の電源を切断する。
ステップ692では、基地局制御部216は、OMC106に、試験結果を報告する。試験結果には、例えば、試験を行った送信機を識別するための情報(例えば、セクタ、識別情報)、メモリに記憶されている送信電力値及び/又は送信機障害が発生しているか否かを示す情報を含むことができる。ステップ693では、OMC106は、試験結果を受信し、受信した試験結果を表示部に表示、及び/又は、記憶部に記憶し、本試験を終了する。
なお、他のセクタについても、RF−SW222〜224を適宜切り換え、上述と同様に送信機障害試験を行うことができる。
本発明は、例えば無線通信システムに利用可能である。
1xEV−DOシステムにおける無線基地局試験システムのシステム構成図である。 基地局100の構成を示すブロック図である。 アンテナ障害検出を行う際のシーケンスの説明図である。 セクタ1の0系アンテナについて、アンテナ障害検出を行う際の無線信号の経路の説明図(1)である。 セクタ1の0系アンテナについて、アンテナ障害検出を行う際の無線信号の経路の説明図(2)である。 セクタ1の1系アンテナについて、アンテナ障害検出を行う際の無線信号の経路の説明図(1)である。 セクタ1の1系アンテナについて、アンテナ障害検出を行う際の無線信号の経路の説明図(2)である。 受信機障害検出試験を行う際のシーケンスの説明図である。 セクタ1の無線受信部0について受信機障害検出試験を行う際の信号経路の説明図である。 セクタ1の無線受信部1について受信機障害検出試験を行う際の信号経路の説明図である。 送信機障害検出試験を行う際のシーケンスの説明図である。 セクタ1の無線送信部について送信機障害検出試験を行う際の信号経路の説明図である。 空中線障害検出器の従来例の説明図。 試験装置の従来例の説明図。
符号の説明
100 基地局
101 IP−SW(IPスイッチ)
102 PCF−SC(無線パケット制御装置)
103 AN−AAA
104 IP−NW(IPネットワーク)
105 OMC−NW(保守装置ネットワーク)
106 OMC(保守装置)
107 テストサーバ
108 ISPサーバ
110、111、112 端末
120 主信号処理部
121 試験機能部
122 端末機能部
140 主信号経路
141 基地局試験信号経路
201 0系アンテナ
202 1系アンテナ
210、211、212 無線アナログ部(セクタ1、2、3)
213 ディジタル信号処理部
214 回線インタフェース部
215 呼接続処理部
216 基地局制御部
217 試験機能制御部
220〜224 RF−SW(高周波用同軸スイッチ)
230 濾波器
231、240、243 分波器
232、233 無線受信部
234 無線送信部
241 上り経路減衰器
242 下り経路減衰器
250、251 下り信号経路
260、261、262、263 上り信号経路

Claims (10)

  1. 複数セクタに対応し、該セクタ内の無線端末と無線通信を行う基地局であって、
    該セクタ毎に、
    複数のアンテナと、
    前記複数のアンテナのうちのひとつと接続され、該アンテナを介して無線端末に無線信号を送信する無線送信部と、
    前記複数のアンテナのうちのひとつと接続され、該アンテナを介して無線端末から無線信号を受信する無線受信部と、
    基地局制御部とを有し、
    さらに、
    無線端末と同様の通信機能を有する端末機能部を有する試験機能部と、
    該試験機能部からの制御に従って試験を行う対象のセクタを選択するための第1のスイッチと、
    該試験機能部からの制御に従って試験を行う対象のアンテナを選択するための第2のスイッチと、
    前記試験機能部の接続先として、前記無線送信部または該無線送信部が接続されるアンテナを選択するための第3のスイッチと、
    前記試験機能部の接続先として、前記無線受信部または該無線受信部が接続されるアンテナを選択するための第4のスイッチと、
    試験機能制御部と
    を備え、
    前記試験機能制御部は、各スイッチを制御し、前記試験機能部の無線端末の機能を利用して、該無線端末が前記基地局の所望のセクタのカバーエリア内に存在する端末であるかのように基地局と通信を行わせることにより、該基地局の障害検出を行うことを特徴とする基地局。
  2. 請求項1に記載の基地局であって、
    ネットワークを介して保守装置から試験実行命令をうけとると、
    前記基地局制御部は、前記試験実行命令に含まれるアンテナ識別情報に基づいて、前記試験機能制御部に対して前記第1および第2のスイッチを設定するよう命令し、
    また、前記基地局制御部は、前記試験実行命令に含まれる試験種別情報に基づいて、前記試験機能制御部に対して、前記第3、第4のスイッチを設定するように命令することで、保守装置から指定されたセクタの指定されたアンテナに対して、指定された種別の試験を行うことを特徴とする基地局。
  3. 請求項2に記載の基地局であって、
    前記試験実行命令に含まれる試験種別情報が、アンテナ障害試験を示す情報であった場合、前記基地局制御部からの制御に従って、
    前記試験機能制御部は、
    前記第1、第2のスイッチによりセクタおよびアンテナを選択後、
    前記第3、第4のスイッチを、無線送信部および無線受信部側に接続するように設定し、
    前記端末機能部が、予め記憶しておいた接続先に呼接続を行ってパケットの送信を行うことで得られる第1の送信電力値を基地局制御部に報告するように制御し、
    続いて、前記第3、第4のスイッチを、アンテナ側に接続するように設定し、前記端末機能部が予め記憶しておいた接続先とパケットの送信を行うことで得られる第2の送信電力値を基地局制御部に報告するように制御し、
    前記第1および第2の送信電力値から前記アンテナの電圧定在波比を計算することにより、アンテナ障害の試験を行うことを特徴とする基地局。
  4. 請求項2に記載の基地局であって、
    前記試験実行命令に含まれる試験種別情報が、受信機障害試験を示す情報であった場合、前記基地局制御部からの制御に従って、
    前記試験機能制御部は、
    前記第1、第2のスイッチによりセクタおよびアンテナを選択後、
    前記第2、第3のスイッチを、無線送信部および無線受信部側に接続するように設定し、前記端末機能部が、予め記憶しておいた接続先に呼接続を行い、パケットの送信を行うと、
    前記基地局制御部は、
    前記無線受信部において受信したパケットのパケットエラーレートを算出して該パケットエラーレートに基づいて、前記端末機能部の送信電力制御を行い送信電力値を設定し、
    該送信電力値と前記無線送信部から送信された信号が前記試験機能部を経由して前記無線受信部に戻ってくるまでの経路損失値とから前記無線受信部の受信感度を求めることにより受信機障害の試験を行うことを特徴とする基地局。
  5. 請求項2に記載の基地局であって、
    前記試験実行命令に含まれる試験種別情報が、送信機障害試験を示す情報であった場合、前記基地局制御部からの制御に従って、
    前記試験機能制御部は、
    前記第1、第2のスイッチによりセクタおよびアンテナを選択後、
    前記第3のスイッチを、無線送信部に接続するように設定することで、前記無線送信部からの送信信号が前記試験機能部に送信される経路を設定し、
    前記基地局制御部は、
    前記端末機能部の受信電力値と前記無線送信部から前記試験機能部までの経路の経路損失値とから基地局の送信電力値を計算することにより送信機障害の試験を行うことを特徴とする基地局。
  6. 複数セクタに対応し、該セクタ内の無線端末と無線通信を行う基地局において障害を検出するための試験方法であって、
    該基地局に、無線端末の機能を有し、基地局を制御する基地局制御部からの制御に基づいて無線端末の機能を実行する試験機能部を設け、
    ネットワークを介して試験実行命令を受信すると、
    前記基地局制御部は、
    前記試験機能部の無線端末の機能を利用して、該無線端末が前記基地局の所望のセクタのカバーエリア内に存在する端末であるかのように基地局と通信を行わせることにより、
    該基地局の障害検出を行うことを特徴とする基地局の試験方法。
  7. 請求項6に記載の基地局の試験方法であって、
    前記試験実行命令には、試験対象のセクタおよびアンテナを指定する情報であるアンテナ識別情報と、試験の種別を指定する情報である試験種別情報とが含まれ、
    前記アンテナ識別情報に基づいて試験対象のセクタおよびアンテナを設定し、
    前記試験種別情報に基づいて指定された種別の試験を行うことを特徴とする基地局の試験方法。
  8. 請求項7に記載の基地局の試験方法であって、
    前記試験実行命令に含まれる試験種別情報が、アンテナ障害試験を示す情報であった場合、
    前記アンテナ識別情報に従ってセクタおよびアンテナを選択後、
    前記試験機能部が基地局の無線送信部および無線受信部側に接続するように設定し、
    前記試験機能部の無線端末の機能を利用して、予め記憶しておいた接続先に呼接続を行ってパケットの送信を行って無線端末側の第1の送信電力値を得て、
    前記試験機能部が基地局の前記複数のアンテナ側に接続するように設定し
    前記試験機能部の無線端末の通信機能を利用してパケットの送信を行うことで得られる第2の送信電力値を得て、
    前記第1および第2の送信電力値から前記アンテナの電圧定在波比を計算することにより、アンテナ障害の試験を行うことを特徴とする基地局の試験方法。
  9. 請求項7に記載の基地局の試験方法であって、
    前記試験実行命令に含まれる試験種別情報が、受信機障害試験を示す情報であった場合、
    前記アンテナ識別情報に従って、セクタおよびアンテナを選択後、
    前記試験機能部が無線送信部および無線受信部側に接続するように設定し、
    前記試験機能部の無線端末の機能を利用して、予め記憶しておいた接続先に呼接続を行ってパケットの送信を行い、
    前記無線受信部において受信したパケットのパケットエラーレートを算出して該パケットエラーレートに基づいて、前記試験機能部の無線端末機能に対して送信電力制御を行い無線端末における送信電力値を設定し、
    該送信電力値と前記無線送信部から送信された信号が前記試験機能部を経由して前記無線受信部に戻ってくるまでの経路損失値とから前記無線受信部の受信感度を求めることにより受信機障害の試験を行うことを特徴とする基地局の試験方法。
  10. 請求項7に記載の基地局であって、
    前記試験実行命令に含まれる試験種別情報が、送信機障害試験を示す情報であった場合、
    前記アンテナ識別情報に従ってセクタおよびアンテナを選択後、
    前記試験機能部が無線送信部に接続するように設定することで、前記無線送信部からの送信信号が前記試験機能部に送信される経路を設定し、
    前記試験機能部の無線端末の機能を利用して、該無線端末における受信電力値と前記無線送信部から前記試験機能部までの経路の経路損失値とから基地局の送信電力値を計算することにより送信機障害の試験を行うことを特徴とする基地局の試験方法。
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