JP5578992B2 - 無線移動局装置 - Google Patents
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Description
複数の基地局装置からの報知情報が参照できる場合、どの基地局装置と通信を行うかの選択は、報知情報の受信品質(RSCPやEc/Io)もしくは受信電波の強度(RSSI)を基準に行う場合が多い。ここで、RSSI(Received signal Strength Indicator)は、受信信号強度を表している。また、RSCP(Received signal Code Power)は、希望波受信電力を表している。また、Ec/Ioは、(パイロットの受信電力/全ての受信電力)を表している。
以上説明したように、従来の移動局装置においては、基地局装置の選択基準として、受信品質を用いるか、あるいは受信電波の強度(受信強度)を用いていた。
また、受信品質と受信強度は、移動局装置の設置状況、周辺環境、移動状態などにより刻々と変わるため、基地局選択基準が、受信品質又は受信強度に固定された場合は、通信失敗が発生しやすい状況が続くことも起こりえる。
移動局装置として重要なのは、基地局装置との通信を安定して行えることであり、よって、通信を安定して行えるような基地局装置を選択することが、移動局装置の重要な機能の1つである。
本発明は、このような従来の課題を解決するために為されたもので、通信を安定して行えるような基地局装置を選択することのできる無線移動局装置を提供することを目的とする。
本発明に係る無線移動局装置の代表的な構成は次のとおりである。すなわち、
基地局装置との間で無線通信される信号を送受信する無線送受信部と、
前記無線送受信部で受信した受信信号の受信強度が基準値以上であるか否かを判断する受信強度判断部と、
前記受信信号の受信品質が基準値以上であるか否かを判断する受信品質判断部と、
基地局装置との間で発生した通信失敗の回数が、所定の閾値を超えたか否かを判断する通信失敗判断部と、
前記受信強度の判断と、前記受信品質の判断と、前記通信失敗の回数が所定の閾値を超えたか否かの判断とに基づき、基地局選択の優先順位を設定する基地局選択部とを備える無線移動局装置。
移動局装置11は、有効な電波として扱う基準である受信強度の閾値や受信品質の閾値も保持している。受信強度と受信品質のいずれかが、閾値を満足しないような極端に悪い値の基地局装置12は、有効電波検出の対象外、つまり通信の対象外とする。本実施例では、受信強度の閾値は−85(dB)、受信品質の閾値は−15(dBm)とする。
移動局装置が、受信強度、受信品質のどちらを優先して基地局を選択する方式とするかは任意であるが、本実施例では、受信品質優先とする。
本例の無線移動局装置11は、移動通信システムにおける移動局であって、無線送受信部201と、ベースバンド信号処理部202と、主制御部210と、記憶部220と、表示装置205と、音声入力装置206と、音声出力装置207と、他入力装置208とを備えている。
主制御部210は、機能として、アプリケーション部(AP部)211と、呼処理制御部(呼制御部)212と、受信強度判断部213と、受信品質判断部214と、通信失敗判断部215と、基地局選択部216とを備え、ハードウェア構成としては、CPUとメモリを備えている。また、主制御部210は、無線送受信部201、ベースバンド信号処理部202、表示装置205、音声入力装置206、音声出力装置207、他入力装置208を統括制御する。
呼処理制御部212は、無線移動局装置11の呼処理を制御するものであって、ベースバンド信号処理部202でベースバンド処理された受信信号データを音声出力装置207へ出力したり、音声入力装置206から入力された音声データを、ベースバンド信号処理部202でベースバンド処理して、無線送受信部201を介して送信する。
受信品質判断部214は、前記ベースバンド信号処理部202で測定された受信品質に基づき、無線送受信部201で受信した受信信号の受信品質が所定の基準値以上であるか否かを判断する。
また、本実施例では、一時的な通信状況の不良による突発的な通信失敗が要因で、良い基地局が選択できなくなるのを防ぐため、通信失敗発生回数の閾値(通信失敗閾値)が設定され、この閾値を超えたときに、基地局選択の優先順位が変更される。例えば、通信失敗閾値を5回に設定した場合、在圏中の基地局との間で、無線品質劣化以外の通信失敗が5回を超えるまでは、基地局選択の優先順位を変えないようにするが、通信失敗が5回を超えると、基地局選択の優先順位を変える。通信失敗閾値は、操作者により、他入力装置208から設定される。
基地局Aは、受信品質が−10(dBm)であるので受信品質閾値に達しているが、受信強度が−100(dB)であるので受信強度閾値を下回っており、閾値判定結果は×(閾値不満足)である。基地局Bは、受信強度が−70(dB)であるので受信強度閾値に達しているが、受信品質が−20(dBm)なので、受信品質閾値を下回っており、閾値判定結果は×(閾値不満足)である。基地局Cは、受信強度が−80(dB)であり、受信品質が−10(dBm)なので、受信強度閾値と受信品質閾値を満足しており、閾値判定結果は○(閾値満足)である。基地局Dは、受信強度が−100(dB)であり、受信品質が−20(dBm)なので、受信強度閾値と受信品質閾値を下回っており、閾値判定結果は×(閾値不満足)である。
基地局E、F、Gは、いずれも受信強度閾値と受信品質閾値を満足しており、閾値判定結果は○(閾値満足)である。基地局Hは、受信強度が閾値を下回っており、閾値判定結果は×(閾値不満足)である。
移動局装置11が、受信強度と受信品質のどちらを優先して基地局を選択するかは任意であるが、上述したように、本実施例では受信品質優先とする。また、本実施例では、受信強度と受信品質の、それぞれ最上位の基地局を選択対象とするので、基地局優先順位は、図5に示すように、基地局Eが1位、基地局Fが2位となる。
まず、移動局装置11が、移動局周辺の基地局12との間で、通信を開始する(ステップS1)。次に、通信失敗判断部215が、通信中に通信失敗(通信不良)が発生したか否かを判断する(ステップS2)。通信不良が発生していない場合(ステップS2でNo)は、ステップS5へ遷移する。通信不良が発生している場合(ステップS2でYes)は、受信強度判断部213と受信品質判断部214が、受信強度と受信品質がいずれも良好か否か、つまり、無線品質が良好か否かを判断する(ステップS3)。無線品質が良好でない場合(ステップS3でNo)は、ステップS5へ遷移する。無線品質が良好である場合(ステップS3でYes)は、サブルーチンS4に遷移する。
図6において、基地局Eは、品質最良なので、優先順位は1位となっている(図5を参照)。基地局Eの、設置状況Aにおける通信成功率は90%、設置状況Bにおける通信成功率は25%とする。また、基地局Fは、強度最良なので、優先順位は2位となっている。基地局Fの、設置状況Aにおける通信成功率は50%、設置状況Bにおける通信成功率は95%とする。
また、従来例では、受信品質優先または受信強度優先のいずれかにより、基地局を選択するものである。
本実施例の場合は、選択対象は2基地局(E,F)で、この2つの基地局を選択する優先順位が、通信失敗回数が5回を超える毎に変わる。
基地局E(通信成功率90%)を選択した際に、通信失敗閾値5回を超えて、他の基地局Fを選択するまでの通信回数は約50回である。基地局F(通信成功率50%)を選択した際に、通信失敗閾値5回を超えるまでの通信回数は約10回である。したがって、約60回通信を行うと、基地局優先順位が初期の状態に戻ることになる。
よって、図7に示すように、1000回の通信実施時は、約167回失敗し、通信成功率は約83.3%となる。
従来例の受信強度優先の場合は、選択対象は強度最良の基地局Fのみである。基地局Fを選択した際の通信成功率は、本事例の設定より50%なので、図7に示すように、1000回の通信実施時は、失敗回数が500回となる。
本実施例の場合は、選択対象は2基地局(E,F)で、この2つの基地局を選択する優先順位が、通信失敗回数が5回を超える毎に変わる。
基地局E(通信成功率25%)を選択した際に、通信失敗閾値5回を超えて、他の基地局Fを選択するまでの通信回数は約7回である。基地局F(通信成功率95%)を最優先選択した際に、通信失敗閾値5回を超えるまでの通信回数は約100回である。したがって、約107回通信を行うと、基地局優先順位が初期の状態に戻ることになる。
よって、図8に示すように、1000回の通信実施時は、約94回失敗し、通信成功率は約90.6%となる。
従来例の受信強度優先の場合は、選択対象は強度最良の基地局Fのみである。基地局Fを選択した際の通信成功率は、本事例の設定より95%なので、図8に示すように、1000回の通信実施時は、失敗回数が50回となる。
このように、本実施例に係る選択方式が、最も良い通信成功率となる。これは、本実施例による基地局選択方式が、通信成功率が刻々と変わるような、周辺無線状況が安定しない状況下でも、高い通信成功率を維持できることを示している。
Claims (2)
- 基地局装置との間で無線通信される信号を送受信する無線送受信部と、
前記無線送受信部で受信した受信信号の受信強度が基準値以上であるか否かを判断する受信強度判断部と、
前記受信信号の受信品質が基準値以上であるか否かを判断する受信品質判断部と、
基地局装置との間で通信失敗が発生したか否かを判断して、前記受信強度と前記受信品質がともに劣化することによる通信切断は前記通信失敗の対象外とし、前記通信失敗の回数が所定の閾値を超えたか否かを判断する通信失敗判断部と、
前記受信強度が基準値以上であって前記受信品質が基準値以上である複数の基地局装置が選択対象である場合に、前記選択対象の基地局装置のうち、前記通信失敗の回数が前記所定の閾値を超えた基地局装置の選択優先順位を下げることにより、基地局選択の優先順位を設定する基地局選択部とを備える無線移動局装置。 - 請求項1に記載された無線移動局装置であって、
前記基地局選択部は、
前記受信強度が基準値以上であって前記受信品質が基準値以上である複数の基地局装置のうち、前記受信強度が最上位の基地局装置と、前記受信品質が最上位の基地局装置とを選択対象とする無線移動局装置。
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