JP2009105847A - 無線データ伝送における復調方法及び復調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】MIMOなどの空間多重伝送方式を移動体通信においても高品質で実現する。
【解決手段】誤り訂正符号とを無線により送信し、受信側では、既知のパイロットデータと、その受信データとに基づいて求められた伝送路の伝達特性を初期特性として、該伝達特性の更新タイミングにおいて伝達特性を、逐次、更新して、伝達特性と、受信データとに基づき、第1復号データを復号する。第1復号データを、誤り訂正符号を用いた訂正復号により、第2復号データを求める。受信データと、第2復号データとに基づき、受信データの受信時刻における補正伝達特性を演算する。その補正伝達特性と、受信データとに基づき、第3復号データを演算する。第3復号データを第1復号データとして、訂正復号により、第2復号データを求める。これを繰り返して、第2復号データを真の復号データとする。
【選択図】図6
【解決手段】誤り訂正符号とを無線により送信し、受信側では、既知のパイロットデータと、その受信データとに基づいて求められた伝送路の伝達特性を初期特性として、該伝達特性の更新タイミングにおいて伝達特性を、逐次、更新して、伝達特性と、受信データとに基づき、第1復号データを復号する。第1復号データを、誤り訂正符号を用いた訂正復号により、第2復号データを求める。受信データと、第2復号データとに基づき、受信データの受信時刻における補正伝達特性を演算する。その補正伝達特性と、受信データとに基づき、第3復号データを演算する。第3復号データを第1復号データとして、訂正復号により、第2復号データを求める。これを繰り返して、第2復号データを真の復号データとする。
【選択図】図6
Description
本発明は、無線によるデータ伝送方法における復調方法及び復調装置に関する。本発明は、特に、MIMO(Multi-Input Multi-Output)伝送方法に用いることができ、伝送路特性が時間的に変動する移動体通信に有効である。また、MISO、STBC(:Space Time Block Code)通信方式においても有効である。
MIMOを用いた空間多重伝送方法に関しては、下記特許文献が知られている。受信装置において復調された受信データから、真の送信データを予測するには、送信アンテナと受信アンテナ間の伝達関数である伝送路行列が知られている必要がある。何れの特許文献においても、この伝送路行列を推定する方法として、必要なシンボル数の、受信装置において既知のパイロットデータを送信して、これを受信装置で復調して受信データを得て、その受信データとパイロットデータとの関係から、伝送路行列を推定する方式が採用されている。パイロットデータのシンボル数の期間は、伝送路行列が変化しないとすれば、パイロットデータを受信した時の伝送路行列は、正確に推定することが可能となる。また、パイロットデータの送信周期に比べて、伝送路行列の変動周期が長い場合には、次のパイロットデータが受信されるまでの間は、前のパイロットデータにより推定された伝送路行列を用いることで、可なり正確な受信データの復調が可能となる。
また、上記の伝送方法においては、データに対してLDPC(Low Dencity Parity Check)などのブロック符号化を行い、受信データの復調時には、誤り訂正符号を用いて誤り訂正をして復号することも行われている。
特開2006−222872号公報
特開2004−201296号公報
特開2005−223450号公報
特開2007−166194号公報
しかしながら、上記のMIMOを用いた空間多重伝送方式を移動体通信に用いる場合には、次の問題がある。パイロットデータの送信周期に比べて、伝送路行列の変動周期が短くなった場合において、隣接するパイロットデータの送信時刻間で、一定の伝送路行列を用いて復調をした場合には、復調誤差が大きくなり、ビットエラーが発生する。
この問題を解決するために、特許文献4に開示された技術が存在する。その技術は、受信データと、その受信データとその時の伝送路行列とを用いて、真の復号データを判定し、その判定誤差を求め、その判定誤差に基づいて、次の復調時の伝送路行列を、逐次、推定する方式である。これは、時間的に変動する伝送路行列を、判定誤差によって、逐次、推定することから、判定帰還方式と言われている。
しかしながら、特許文献4の方式は、伝送路行列を、受信データを用いて逐次、推定する方式であるために、真の判定誤差が、隣接する符号間距離の1/2よりも小さい間は、正確に、送信符号に復号できる。しかし、真の判定誤差が、隣接する符号間距離の1/2を越えると、見かけ上の判定誤差が隣接する符号間距離の1/2よりも小さくなる基準符号(送信符号の候補となる符号)を、復号データとして選択するために、復号誤りが発生する。なお、真の判定誤差は、検出できず、判定誤差として得られるのは、見かけ上の判定誤差である。このような復号誤りが発生しても、伝送路行列は、見かけ上の判定誤差に基づいて、更新せざるを得ないので、それ以後、復号誤りが発生し、次のパイロットデータを受信するまでは、この誤りを修復することができない。このような復号誤りは、周波数選択フェージングや受信信号にドップラーシフトが発生する場合には、発生する確率が高くなる。
しかも、誤り訂正符号を付加している場合には、所定のデータ長を単位としてブロック符号化している。このために、周波数フェージングやドップラーシフトにより、隣接するパイロットデータ間で、誤り訂正復号(ブロック復号)できない程度のバーストビットエラーが発生すると、その1 ブロック全体のデータを全く真の値に復号することができないという問題がある。すなわち、伝送路の伝達特性を推定して、受信データを復調する場合において、判定誤りが発生する前の受信データにも、誤りが伝搬し、結局、1 ブロックのデータの全ての受信データを誤りなく復号することができなくなる。
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、本発明の目的は、高速移動体通信においても正確な復調が可能なようにすることである。
また、高速移動体通信においてデータの正確な復号のできる確率を向上させることである。
また、高速移動体通信においてデータの正確な復号のできる確率を向上させることである。
上記課題を解決するための第1の発明は、無線によるデータ伝送の復調方法であって、復調側において既知のパイロットデータと、その受信データとに基づいて求められた伝送路の伝達特性を初期特性として、該伝達特性の更新タイミングにおいて伝達特性を、逐次、更新して、その伝達特性と、受信データとに基づき、第1復号データを復号する復調方法において、受信データと、第1復号データとに基づき、受信データの受信時刻における補正伝達特性を演算し、その補正伝達特性と、受信データとに基づき、真の復号データを演算することを特徴とする復調方法である。
また、第2の発明は、第1の方法発明を実現する復調装置である。すなわち、第2の発明は、無線によるデータ伝送の復調装置であって、復調側において既知のパイロットデータと、その受信データとに基づいて求められた伝送路の伝達特性を初期特性として、該伝達特性の更新タイミングにおいて伝達特性を、逐次、更新して、その伝達特性と、受信データとに基づき、第1復号データを復号する復調装置において、受信データと、第1復号データとに基づき、受信データの受信時刻における補正伝達特性を演算する伝達特性補正装置と、その補正伝達特性と、受信データとに基づき、真の復号データを演算する復号装置とを有することを特徴とする復調装置である。
また、第3の発明は、受信側において既知のパイロットデータと、伝送すべき情報のデータと、誤り訂正符号とを無線により送信し、受信側では、既知のパイロットデータと、その受信データとに基づいて求められた伝送路の伝達特性を初期特性として、伝達特性の更新タイミングにおいて伝達特性を、逐次、更新して、その伝達特性と、受信データとに基づき、第1復号データを復号する復調方法において、第1復号データを、誤り訂正符号を用いた訂正復号により、第2復号データを求め、受信データと、第2復号データとに基づき、受信データの受信時刻における補正伝達特性を演算し、その補正伝達特性と、受信データとに基づき、第3復号データを演算し、第3復号データを第1復号データとして、訂正復号により、第2復号データを求めることを特徴とする復調方法である。
また、第4の発明は、第3の方法発明を実現する復調装置である。すなわち、第4の発明は、受信側において既知のパイロットデータと、伝送すべき情報のデータと、誤り訂正符号とを無線により送信し、受信側では、既知のパイロットデータと、その受信データとに基づいて求められた伝送路の伝達特性を初期特性として、伝達特性の更新タイミングにおいて伝達特性を、逐次、更新して、その伝達特性と、受信データとに基づき、第1復号データを復号する復調装置において、第1復号データを、誤り訂正符号を用いた訂正復号により、第2復号データを求め誤り訂正復号装置と、受信データと、第2復号データとに基づき、受信データの受信時刻における補正伝達特性を演算する伝達特性補正装置と、その補正伝達特性と、受信データとに基づき、第3復号データを演算する復号装置と、誤り訂正復号装置に、第3復号データを第1復号データとして、入力させる制御装置とを有することを特徴とする復調装置である。
本発明は、全てのディジタルの無線データ伝送方式に用いることができる。送信アンテナや受信アンテナの数には、限定されない。送信アンテナは、単数でも、複数でも良く、受信アンテナも、単数でも複数でも良い。送信アンテナと受信アンテナの数は同一であっても、異なっていても良い。また、複数の送信アンテナから送信される送信データの組(送信データベクトル)と、次のタイミングにおける送信データベクトルとが所定の関係にある時分割多重を行う方式、すなわち、STBC(Space Time Block Code) 通信方式にも適用できる。また、MISO、MIMO、MIMO−SDM(Space Division Multiplex)に、適用することができる。
伝送路の伝達特性は、単一の送信アンテナと、単一の受信アンテナとを用いる場合には、それらのアンテナ間の伝達関数を意味する。また、複数の送信アンテナが用いられる場合には、この伝達特性は、伝送路行列として表される。請求項における伝送路の伝達特性は、これらの両者を含む概念である。伝送路の伝達特性の更新タイミングは、各受信データの復調タイミングであっても良いし、この復調タイミングの周期よりは長い周期であっても良い。また、伝送路の伝達特性の推定誤差が、所定値以上となった時に、伝送路の伝達特性を更新するようにしても良い。推定誤差としては、現受信データが現送信伝送路の補正された補正伝達特性により逆変換される送信データと、その送信データを判定した後に得られる真の送信データである真の復号データとの間の偏差を用いることがでできる。誤り訂正符号を用いて符号化している場合には、受信データが、訂正復号して得られる第2復号データと受信データとに基づいて求められる補正伝達特性により、逆変換して得られる送信データと、その送信データを判定した後に得られる真の復号データ(第3復号データ)との偏差を用いることができる。
本発明での変調方式は、FSK、PSKなどのディジタル変調方式を用いることができるが、QPSK、QAM、64QAMなどのPSK変調方式が有効である。また、QPSKやQAMなどのPSKに、OFDM変調方式を組合せて周波数多重化した場合には、伝送路の伝達特性が、周波数特性を有するものとなり、伝送路行列の各成分が、周波数特性を有したものとなる。各サブキャリア毎に、MIMO、MISO、STBCを適用して、各サブキャリア毎に、伝送路行列を含む伝送路の伝達特性を考えればよい。
ディジタル変調方式であれば、送信データの値は、複素空間上の離散的な値として限定されているので、受信データを用いて、MLD(Maximum Likelihood Detection)等を用いて判定処理をして、真の送信データである真の復号データを推定することができる。判定処理をして、真の復号データを得る方法は、MLDの他、伝送行列の逆行列を用いるZF(Zero Forcing)法、MMSE(Minimum Mean Square Error) 法などの空間フィルタリング手法を用いることができる。
誤り訂正符号を用いた符号化を用いる場合には、符号語は、伝達すべき情報データと、訂正符号(パリティチェックコード)とから成る。訂正符号は、たとえば、データの各ビットの線形結合で生成されるものを用いることができる。線形結合は、任意の線形結合を用いることができる。誤り訂正符号を用いたデータの復号には、受信符号語と、基準符号語(その種類は、予め、データのビット列の種類により、一意的に決定されている)とのハミング距離が最小の基準符号語を選択する最尤復号法を用いることができる。その他、受信符号語に対して、基準符号語の集合における最小ハミング距離の1/2以下の距離にある基準符号語を選択する最小距離復号法を用いることができる。また、ターボ符号やLDPC符号を用いることができ、その復号には、Sum-Product 復号、繰り返し復号を用いることができる。符号化の方法や、誤り訂正復号の方法は、公知であるので、説明を省略する。符号化を用いた場合には、第1復号データと、第3復号データとが、判定後の復号データとなる。判定、誤り訂正、補正伝達特性の演算を繰り返す場合には、誤り訂正後の第2復号データを最終の真の復号データとするのが望ましい。しかし、第3復号データを真の復号データとしても良い。
マルチキャリア通信方法においては、誤り訂正符号を用いたブロック符号には、時間軸方向と周波数軸方向に配列されているデータを1ブロックとして、これらのデータを構成するビットの線形結合により、誤り訂正符号を発生させる方法を用いることができる。特定のサブキャリアをパイロットデータする場合には、パイロットデータが送信されている限り、そのサブキャリアの周波数での伝達特性を正確に求めることができる。したがって、正確に求められる周波数の伝達特性を用いて、その周波数間の任意の周波数の伝達特性は、補間演算により、求めることができる。一方、時間軸方向には、伝送路の伝達特性か、逐次、推定される。
ある受信時刻における伝送路の伝達特性は、過去の受信データと、それらの復号結果に基づいて決定されている。本発明は、この受信時刻において、予測される伝達特性を用いて、受信データを復号して第1復号データを得て、さらに、その第1復号データと受信データとに基づいて、その受信時刻での補正された伝達特性を、再度求め、その補正伝達特性と受信データとに基づいて真の復号データを得るようにしたことが特徴である。すなわち、伝達特性が、最新に受信された受信データに基づいて、補正された後に、その最新の補正伝達特性に基づいて、真の復号データを得るようにしている。したがって、周波数選択フェージングやドップラーシフトなど、高速移動体通信における受信品質を向上させることができる。
また、誤り訂正符号化を用いている場合には、上記の第1復号データを誤り訂正符号を用いて訂正復号して、第2復号データを得る。これにより、第2復号データの信頼性が向上する。信頼性の高い第2復号データと、受信データとに基づいて、その受信時刻での補正された補正伝達特性が求められる。すなわち、補正伝達特性の信頼性がより向上したものとなる。次に、この信頼性が高くなった補正伝達特性と、受信データとに基づいて、第3復号データが得られる。これにより、さらに、信頼性の高い第3復号データを得ることができる。この第3復号データを、第1復号データとして、誤り訂正符号を用いて訂正復号して、第2復号データが求められる。この第2復号データは、補正伝達特性を用いずに求められた最初の第2復号データよりは、より信頼性の高いものとなる。この第2復号データを最終の真の復号データとすることで、信頼性の高い復号が可能となる。この場合、この復号データを第2復号データとして、さらに、補正伝達特性を求めるようにしても良い。すなわち、誤り訂正符号を用いた訂正復号と、補正伝達特性を求める演算と、復号判定とを、繰り返すことにより、最終的に得られるデータは、極めて信頼性の高いものとなる。
各受信時刻間における伝達特性の更新は、次のように、実行される。復調タイミングにおいて、第1復号データを求めるのに用いられる伝達特性を、前回の復調タイミングにおいて求められた補正伝達特性とする方法がある。この補正伝達特性の演算に用いられた受信データの受信時刻と、次の受信データを復号化する時刻とは異なる。したがって、復調タイミングにおいて、真の復号データを求めるのに用いられる伝送路の伝達特性は、過去の復調タイミングにおいて求められた伝送路の伝達特性の時間変化特性を、その復調タイミングまで外挿して得られる伝達特性に補正することが望ましい。このようにすれば、さらに、復調時刻における伝送路の伝達特性を反映した伝達特性を求めることができる。復調タイミング間の伝達特性の変動を、移動体の速度を用いて予測することになる。
伝達特性の更新には、隣接する2つの第1パイロットデータと、第2パイロットデータ間の受信データを一旦、記憶しておき、時刻の経過方法に沿って、第1パイロットデータから第2パイロットデータに向けて更新する方法と、時刻の経過方向とは逆方向に沿って、更新する方法とがある。これらの方法は、何れか一方を用いても良いし、両方を用いると、より信頼性の高い復調が可能となる。
また、求められる伝送路の補正伝達特性は、復号データベクトルの組と受信データベクトルの組とが用いられるために、誤差を含む。推定された伝送路の伝達特性に高周波的に変動する誤差が含まれる場合には、正確な復調が妨げられる。よって、伝送路の補正伝達特性から高周波変動成分を除去するような各種のフィルタリングを行うことが望ましい。例えば、真の復号データ又は第3復号データを求めるための補正伝達特性は、最新の受信データとその最新の第1復号データ又は誤り訂正復号した第2復号データとに基づいて求められる、受信データの受信時刻での補正伝達特性(瞬時補正伝達特性)と、過去の所定回数の瞬時補正伝達特性とに基づいて決定される伝達特性とすることが望ましい。
また、真の復号データ又は第3復号データを求めるための補正伝達特性は、最新の受信データの受信時刻での上記で求められた瞬時補正伝達特性と、前回において加重平均された前回の補正伝達特性とを加重平均した伝達特性とすることができる。また、瞬時補正伝達特性と、過去に更新された所定回数の瞬時補正伝達特性とを平均した平均伝達特性を、真の復号データ又は第3復号データを求めるための補正伝達特性とするようにしても良い。このような処理をした伝送路の伝達特性を用いると、高周波的変動誤差が除去され、復号精度を向上させることができる。
本発明は、過去に受信した受信データから予測される伝送路の伝達特性を用いて、ある時刻での受信データが復調されて第1復号データが得られる。この第1復号データと受信データとに基づいて、その受信時刻での、伝送路の伝達特性を補正伝達特性として求めて、その補正伝達特性を用いて、その時の受信データを、再度、復号するようにしている。したがって、その受信時刻での受信データによるその時の伝送路を反映した補正伝達特性が求められて、その補正伝達特性により、再度、受信データを復号するので、復号の信頼性が高くなる。
また、誤り訂正符号化を用いている場合には、訂正復号により得られた第2復号データと受信データとに基づいて、その時の補正伝達特性が求められる。その補正伝達特性を用いて、再度、受信データを復調して、第3復号データを得て、これを第1復号データとして、再度、訂正復号して、補正された第2復号データを得ている。このように、この第2復号データを最終の真の復号データとするか、上記の処理を所定回数又は誤差の大きさが収束するまで、繰り返して、最後に得られた第2復号データを、真の復号データとすることで、極めて、信頼性の高い復号が可能となる。したがって、周波数選択フェージングやドップラーシフトなど、高速移動体通信における受信品質を向上させることができる。とくに、マルチキャリア伝送方式において、周波数−時空間でブロック符号化した場合には、ある周波数ではバーストエラーが発生するような場合でも、健全な他の周波数のデータにより誤りを訂正でき、最新の正確な伝達特性を得て、復号できるので、精度の高い復号を実現することができる。
よって、本発明は、受信装置が停止しているが、送信装置が移動している場合、送信装置が停止しているが、受信装置が移動している場合、その両者が移動している場合などの、空間多重伝送方式を移動体通信に用いた場合に有効である。
まず、伝送路の伝達特性を、逐次、推定して、受信信号を復号する原理について説明する。説明を簡単にするために、単一搬送波を用いたQPSK変調方式で、送信アンテナ数が2、受信アンテナ数が2の2×2のMIMO−SDM方式に本発明を用いた場合について説明する。また、伝送路の伝達特性は、伝送路行列として表される。
なお、以下の説明で、誤り訂正符号化をする場合には、送信データベクトルや送信データ行列の成分、受信データベクトルや受信データ行列の成分は、データに誤り訂正符号を付加した符号語を構成する1シンボルを意味する。したがって、データを構成するシンボルだけではなく、誤り訂正符号を構成するシンボルをも意味する。また、本実施例では、1シンボルは4値の位相をとるが、これは2ビットの符号に相当する。データを構成する各シンボルを2ビットの符号に展開して得られる符号列が、ブロック符号、誤り訂正復号に関与するデータとなる。
1.時刻の経過方向に沿った伝送路行列の推定
〔初期伝送路行列の推定〕
伝送路の第1初期特性である初期伝送路行列が、次のように、推定される。
まず、伝送路行列Hは、2行2列であり、時刻tにおける伝送路行列H(t)を(1)式のように定義する。ただし、hijは、図2に示すように、送信アンテナjから受信アンテナiへの伝送路の伝達関数である。
次に、各送信アンテナから送信される送信データの組を考える。すなわち、各送信アンテナの送信データを成分とするベクトルsを、時刻tにおける送信データベクトルs(t)として、(2)式のように定義する。ただし、s1 、s2 は、それぞれ、送信アンテナ1、2から送信される送信データである。s1 、s2 は、exp(π/4) 、exp(3 π/4) 、exp(5 π/4) 、exp(7 π/4) の4値の何れかをとる値である。
同様に、各受信アンテナにより受信される受信データの組を考える。すなわち、各受信アンテナにより受信される受信データを成分とするベクトルrを、時刻tにおける受信データベクトルr(t)として、(3)式のように定義する。ただし、r1 、r2 は、それぞれ、受信アンテナ1、2により受信される受信データである。
〔初期伝送路行列の推定〕
伝送路の第1初期特性である初期伝送路行列が、次のように、推定される。
まず、伝送路行列Hは、2行2列であり、時刻tにおける伝送路行列H(t)を(1)式のように定義する。ただし、hijは、図2に示すように、送信アンテナjから受信アンテナiへの伝送路の伝達関数である。
送信データベクトルs(t)と、それに対応する受信データベクトルr(t)を、与えても、(4)又は(5)式では、4要素を有する伝送路行列H(t)を求めることができない。そこで、Δt時刻前、すなわち、時刻、t−Δtにおける送信データベクトルs(t−Δt))と、それに対応する受信データベクトルr(t−Δt)を考える。そして、2つの送信データベクトル(s(t) s(t−Δt))から成る送信データ行列S(t)を、(6)式で定義する。
同様に、2つの受信データベクトル(r(t) r(t−Δt))から成る受信データ行列R(t)を、(7)式で定義する。
以上の定義のように、行列は英文字の大文字、ベクトルは同一文字の小文字、行列、ベクトルの要素は、添字付きの小文字で表す。
以下、説明を簡単にするために、送信タイミングを0,Δt、2Δt、…、nΔtとし、それぞれの時刻を、Δtを1単位として、単に、0、1、2、…nで表す。そして、時刻0、1で送信される2シンボルの送信データをパイロットデータ(第1パイロットデータ)と定義する。すると、上記の送信データに関する定義から、各送信アンテナから送信される第1シンボルのパイロットデータは、s1 (0)、s2 (0)、第1シンボルのパイロットデータベクトルは、s(0)、第2シンボルのパイロットデータは、s1 (1)、s2 (1)、第2シンボルのパイロットデータベクトルは、s(1)、2シンボルで構成されるパイロットデータ行列は、S(1)で定義される。
同様に、時刻0、1で受信される2シンボルの受信データを受信パイロットデータと定義する。すると、上記の受信データに関する定義から、各受信アンテナから出力される第1シンボルの受信パイロットデータは、r1 (0)、r2 (0)、第1シンボルの受信パイロットデータベクトルは、r(0)、第2シンボルの受信パイロットデータは、r1 (1)、r2 (1)、第2シンボルの受信パイロットデータベクトルは、r(1)、2シンボルで構成される受信パイロットデータ行列は、R(1)で定義される。
このように定義すれば、パイロットデータ行列S(1)、受信パイロットデータ行列R(1)、伝送路行列H(1)には、(10)、(11)式の関係が成立する。
ここで、パイロットデータ行列S(1)の逆行列が存在するようにパイロットデータを選択する。すると、(12)式により、伝送路行列H(1)を求めることができる。
この伝送路行列H(1)が、初期値を与える初期伝送路行列となる。ただし、(11)式から明らかなように、時刻0、1での送信データと受信データとから、伝送路行列を求めているので、時刻0と、時刻1とで、伝送路行列が不変であれば、(11)式から、伝送路行列は正確に求まる。しかし、この時刻間で、伝送路行列が変動していると、(12)式で求められる伝送路行列H(1)は、近似値となる。
今、受信装置が電波の進行方向に平行に直線的に等速運動をしているとする。搬送波の伝搬定数γ( ただし、γ=α+jβ、αは減衰定数、βは位相定数である)として、送信データの周期Δt間での受信装置の移動距離(送信装置から遠ざかる方向を正とする)Δxで、搬送波はexp(- γΔx) だけ、振幅と位相が変化する。以下、γΔxを、時間Δt又は距離Δx当たりの伝送量Δγ=(α+jβ)Δxとする。伝送路行列Hは、Δtの間に、exp(- γΔx) =exp(- Δγ) 倍の値に変化する。したがって、受信データベクトルは、伝送量Δγだけ、減算された値となる。例えば、減衰定数を0とすれば、受信データの位相は、伝送路がΔxだけ長くなったことによる遅延作用により、βΔxだけ遅れる。また、伝送路行列H(1)を受信データの復調に用いる時刻は時刻2であるから、伝送路行列は時刻2における値が必要となる。一般的に、時刻m−1における伝送路行列H(m−1)と、Δt後の時刻mにおける伝送路行列H(m)との間には、(13)式が成立する。
ただし、Eは単位行列である。
このような伝送路行列の時間変化を考慮すると、(12)式で求められた伝送路行列H(1)は、時刻0と時刻1との中点時刻における伝送路行列と考えることができる。したがって、時刻2における補正された正確な伝送路行列G(2)は、H(1)のexp(- 3Δγ/2) 倍の値となる。すなわち、G(2)とH(1)との間には、(14)式による関係が成立する。
この補正された時刻2における伝送路行列G(2)を、初期伝送路行列とすると、より正確な復調が可能となる。なお、復調時刻2において、伝送路行列H(1)を用いた場合には、伝送路行列H(1)は、(15)式に示す誤差ΔH(1)を有する。
ΔH(1)が存在しても、受信データを判定して、MLD法などにより、真の送信データを求める場合に、ビットエラーが発生しない程度であれば、伝送路行列を補正することなく、H(1)を初期伝送路行列とすることも可能である。
以下の説明では、より正確な復調を実現するために、時刻2におけるより正確な伝送路行列である補正された初期伝送路行列G(2)を用いる。
以下の説明では、より正確な復調を実現するために、時刻2におけるより正確な伝送路行列である補正された初期伝送路行列G(2)を用いる。
〔受信データの復調〕
時刻2以後、次のパイロットデータが受信されるまでの期間において、Δt間隔で、データの復調が行われるものとする。
時刻2での復調においては、時刻1において推定された時刻2での伝送路行列G(2)を用いる。すると、時刻2で受信された受信データベクトルr(2)、送信データベクトルs(2)、初期伝送路行列G(2)との間には、(16)式が成立する。
時刻2以後、次のパイロットデータが受信されるまでの期間において、Δt間隔で、データの復調が行われるものとする。
時刻2での復調においては、時刻1において推定された時刻2での伝送路行列G(2)を用いる。すると、時刻2で受信された受信データベクトルr(2)、送信データベクトルs(2)、初期伝送路行列G(2)との間には、(16)式が成立する。
したがって、受信装置において、推定される送信データベクトルs(2)は、伝送路行列G(2)の逆行列が存在すれば、(17)式で、一意に、符号間干渉なく求められる。しかし、伝送路行列G(2)の逆行列が存在しない場合には、各送受信アンテナ間の伝送路の独立性がなく、一意的には、送信データベクトルを決定することはできない。すなわち、符号間干渉が発生する。
このようにして、(17)式で得られた送信データベクトルs(2)は、推定された伝送路行列G(2)が時刻2における現実の伝送路の正確な伝送路行列であれば、理論値である(exp((2i−1)π/4) 、exp((2j−1)π/4) )の16通りの何れかになる。ただし、i,j=1、2、3、4である。ところが、伝送路行列G(2)は、時刻2における真の伝送路行列に対して、一般的には、推定誤差(第1判定誤差)を有する。したがって、(17)式で求められた送信データベクトルs(2)に最も近い理論値(exp((2i−1)π/4) 、exp((2j−1)π/4) )を決定する必要がある。これが受信データの判定処理である。この16通りの理論値だけをとる送信データベクトルを候補送信データベクトルuとする。(18)式で定義されるように、(17)式で求められた送信データベクトルs(2)と、候補送信データベクトルuの差ベクトルのノルムLs が最小となる候補送信データベクトルuを真の復号データベクトルqとして決定することで、受信データの判定が完了する。このときの送信データベクトルs(2)と真の復号データベクトルqの差ベクトルのノルムが、第1判定誤差Γ(2)となる。
また、上記の判定は、受信データベクトルの次元で行っても良い。候補送信データベクトルの任意の一つのベクトルuに対して、その受信データベクトルをレプリカ受信データベクトルvとすると、候補送信データベクトルuと、時刻2でのレプリカ受信データベクトルv(2)との間には、(19)式の関係が成立する。
そして、現実の受信データベクトルr(2)と、レプリカ受信データベクトルv(2)との差のベクトルのノルムLr が最小となる候補送信ベクトルuを真の復号データベクトルqとして決定する。このようにしても、受信データベクトルr(2)に対応した最も確からしい復号データベクトルqを決定することができる。
なお、伝送路行列G(2)の逆行列が存在しない場合にも、この方法で、復号データベクトルqを決定することができるが、符号間干渉によりその復号データベクトルは複数となり、受信データベクトルから復号データベクトルを一意的に決定することができないことに変わりはない。この方法は、MLD(Maximum Likelihood Detection)と言われる方法である。
なお、伝送路行列G(2)の逆行列が存在しない場合にも、この方法で、復号データベクトルqを決定することができるが、符号間干渉によりその復号データベクトルは複数となり、受信データベクトルから復号データベクトルを一意的に決定することができないことに変わりはない。この方法は、MLD(Maximum Likelihood Detection)と言われる方法である。
〔伝送路行列の更新〕
次に、伝送路行列の更新方法について説明する。上記の(18)式、又は、(20)式のノルムを最小とする確定された一つの候補送信データベクトルuを、時刻2における復号データベクトルq(2)として定義する。この復号データベクトルq(2)が、第1復号データである。また、Δt前の時刻1における復号データベクトルq(1)は、第2シンボルのパイロットデータs(1)として知られている。よって、この時刻1、2における復号データベクトル(q(1) q(2))の行列を復号データ行列Q(2)として定義する。この時の受信データ行列はR(2)となり、受信装置におて、既に、受信されているデータで構成される。
次に、伝送路行列の更新方法について説明する。上記の(18)式、又は、(20)式のノルムを最小とする確定された一つの候補送信データベクトルuを、時刻2における復号データベクトルq(2)として定義する。この復号データベクトルq(2)が、第1復号データである。また、Δt前の時刻1における復号データベクトルq(1)は、第2シンボルのパイロットデータs(1)として知られている。よって、この時刻1、2における復号データベクトル(q(1) q(2))の行列を復号データ行列Q(2)として定義する。この時の受信データ行列はR(2)となり、受信装置におて、既に、受信されているデータで構成される。
受信装置において真の送信データと考えられる復号データ行列Q(2)を受信データ行列R(2)に変換する伝送路行列H(2)が、最も新しい受信データ情報により得られる補正伝送路行列である。補正伝送路行列H(2)が、補正伝達特性に該当する。この時刻2における推定すべき補正伝送路行列H(2)、復号データ行列Q(2)、受信データ行列R(2)には、(21)式の関係式が成立する。
よって、復号データ行列Q(2)の逆行列が存在すれば、(22)式により、時刻2における補正伝送路行列H(2)が求められる。
よって、復号データ行列Q(2)の逆行列が存在すれば、(22)式により、時刻2における補正伝送路行列H(2)が求められる。
この伝送路行列H(2)に対して、(14)式と類似した式で、位相を−Δγ/2だけ補正した補正伝送路行列G(2)を求める。この伝送路行列G(2)も復調時刻2におけるより正確な補正伝達特性に相当する。この復調時刻2における補正伝送路行列G(2)と、その時刻の受信データベクトルr(2)を用いて、再度、(17)式〜(20)式を用いて、復号データベクトルq(2)を得ることができる。この復号データベクトルq(2)が、復調時刻2での受信データの真の復号データとなる。
次に、次の復調時刻3の伝達関数を更新するために、次の処理が行われる。求めるべきは、次の受信データの復調タイミングである時刻3における予測される伝送路行列である。前述したように、この伝送路行列H(2)は、時刻1と時刻2との中点時刻1.5における伝送路行列である。中点時刻1.5と次の時刻3間における伝送路の伝達関数の変化を(14)式と同様に考慮して、補正された時刻3における正確な伝送路行列G(3)(更新された伝達特性に相当)を求める。(14)式におけるΔrは、パイロットデータとパイロットデータの間のデータを送信するデータブロックにおいては、一定と見做す。受信装置の移動の様子(加速度などを)を知ることができるのであれば、それを考慮して、各時刻におけるΔrを求めることは可能である。
このようにして、次の復調時刻3において、用いられる補正された伝送路行列G(3)を求めることができる。
このようにして、次の復調時刻3において、用いられる補正された伝送路行列G(3)を求めることができる。
〔逐次演算の一般化〕
時刻mにおける受信データの復調は、次のようにして行われる。Δt時間前の時刻m−1において、時刻mにおける補正された正確な伝送路行列G(m)は、既に、求められている。したがって、時刻mでの受信データベクトルr(m)と送信データベクトルs(m)と伝送路行列G(m)との間には、(23)式の関係式が成立する。
時刻mにおける受信データの復調は、次のようにして行われる。Δt時間前の時刻m−1において、時刻mにおける補正された正確な伝送路行列G(m)は、既に、求められている。したがって、時刻mでの受信データベクトルr(m)と送信データベクトルs(m)と伝送路行列G(m)との間には、(23)式の関係式が成立する。
次に、(24)式により、受信データベクトルr(m)と候補送信データベクトルuのレプリカ受信データベクトルG(m)uとの差ベクトルのノルムLr (m)が最小となる候補送信データベクトルを復号データベクトルq(m)として決定する。これにより、時刻mにおいて、受信データベクトルr(m)から、復調時刻mでの第1復号データベクトルq(m)が決定される。
そして、次のように時刻mでの補正伝達特性であるところの補正伝送路行列H(m)を求める。時刻m−1での真の復号データベクトルq(m−1)は、時刻m−1における復調処理によって決定されているので、復号データベクトルq(m−1)と、上記で求められた第1復号データベクトルq(m)からなる復号データ行列Q(m)を生成することができる。時刻mにおては、時刻m−1における受信データベクトルr(m−1)及びr(m)は既知であるので、受信データ行列R(m)を求めることができる。復号データ行列Q(m)が真の値であれば、復号データ行列Q(m)と、受信データ行列R(m)との間の関係が、その時の伝送路行列H(m)となる。Q(m)、R(m)、H(m)には、(25)、(26)式の関係が成立する。
そして、復号データ行列Q(m)の逆行列Q-1(m)が存在する場合には、(27)により、その復調時刻mでの伝送路における瞬時の補正伝送路行列H(m)を求めることができる。Q-1(m)が存在する場合とは、行列式a=q1 (m−1)q2 (m)−q1 (m)q2 (m−1)≠0の場合である。
具体的には、補正伝送路行列H(m)の各成分hij(m)は、(28)式により求められる。
具体的には、補正伝送路行列H(m)の各成分hij(m)は、(28)式により求められる。
次に、この伝送路行列H(m)は、時刻m−1と時刻mの中点時刻(2m−1)/2における伝送路行列である。これが、補正伝達特性に相当する。そして、(29)式と類似の式で、位相を−Δγ/2だけ補正した伝送路行列G(m)を求める。伝送路行列G(m)は、伝送行列H(m)の時刻差を補正するもので、より正確な補正伝達特性に相当する。このようにして求められた復調時刻mにおける補正伝送路行列G(m)と、その時刻の受信データベクトルr(m)を用いて、再度、(23)式〜(24)式を用いて、基準データベクトルuから復号データベクトルq(m)を得ることができる。この復号データベクトルq(m)が、復調時刻mでの受信データの真の復号データとなる。
次に、時刻m+1での伝送路行列H(m+1)が求められる。これは、伝達特性の更新演算に相当する。上記の補正伝送路行列H(m)は、中点時刻(2m−1)/2での値であるので、次の復調時刻m+1における伝送路行列を予測する必要がある。したがって、中点時刻(2m−1)/2から時刻m+1までの伝送路の変動に基づく、補正された正確な伝送路行列G(m+1)を求める必要がある。補正は、(29)式による。
ただし、Δγ(m)は、前述したように、時刻mにおいて予測される時刻m+1と時刻m間における伝送量の変化分、又は、伝送路がその時間においてΔxだけ長くなったことによるその長さΔxの伝送路における伝送量である。このような補正は、伝送路行列の時間変化特性の外挿による補正である。
このようにして、時刻mでの全ての処理は完了する。時刻m+1では、伝送路行列G(m+1)を用いて、時刻m+1での補正伝送路行列の演算と、受信データの復調処理と、次の復調時刻m+2における伝送路行列の更新処理とが実行される。このような逐次演算が、次のパイロットデータが受信されるまで実行される。次のパイロットデータが受信された時には、伝送路行列をリセットして、2シンボルから成るパイロットデータにより正確な初期伝送路行列H(1)、G(2)が演算されて、上記の処理が繰り返される。
復号データ行列Q(m)の逆行列Q-1(m)が存在しない場合には、伝送路行列H(m)の更新は、行わずに、直近に求められている伝送路行列H、Gを用いる。ただし、その求められた時刻と、次に復調に使用する時刻との差に応じた時間差又は距離差に対応する伝送量の補正を(29)式と同様な式で補正しても良い。ただし、(29)式の3/2が、時刻差又は距離差に対応した時間単位となる。
この復調の様子を図に示すと図1のようになる。時刻mにおける受信データベクトルr(m)と、伝送路行列G(m)とを用いて、第1復号データベクトルq(m)を求める。次に、真の復号データベクトルq(m−1)と、第1復号データベクトルq(m)と、受信データベクトルr(m−1)、r(m)とを用いて、補正伝送路行列H(m)を求める。その補正伝送路行列H(m)と、受信データベクトルr(m)とから、真の復号データベクトルq(m)を求める。その補正伝送路行列H(m)から、伝送路の変動を考慮し、時刻m+1におけるより正確な補正伝送路行列G(m+1)を求める。これの繰り返し演算となる。初期値は、パイロットデータベクトルs(0)、s(1)と、その受信データベクトルr(0)、r(1)とから、伝送路行列H(1)を求める。その伝送路行列H(1)を、伝送路の変動を考慮して、最初にデータを復調する時刻2における補正された伝送路行列G(2)を求める。この逐次演算により伝送路行列が更新されて、正確な受信データの復調が可能となる。
次に、送信データを誤り訂正符号化をする場合について説明する。上記の処理により、受信データの復調、すなわち、送信した符号語を構成する各シンボルが復号されたことになる。以下、この各シンボルを符号列に変換して得られる符号の集合を、受信符号語という。この受信符号語から、誤り訂正符号を用いた復号により、データだけを復号することになる。この誤り訂正復号には、送信符号語の候補(以下、基準符号語という)の集合の中から、受信符号に対して、その集合の最小符号距離の1/2以下の距離にある基準符号を決定する最小距離復号法を用いる。最小符号距離の1/2以下の距離にある基準符号が、存在するとすると、その基準符号は、必ず1となる。その他、この復号には、受信符号語とのハミング距離が最も小さい基準符号語を選択する最尤復号法を用いることができる。また、LDPCを用いた場合には、Sum-Product 復号や繰り返し復号を用いることができる。
上記の復調において、誤り訂正復号は、時刻mにおける受信データベクトルr(m)と、伝送路行列G(m)とを用いて、第1復号データベクトルq(m)を求めた後、この第1 復号データベクトルq(m)に対して実行される。そして、誤り訂正復号した後のデータを第2復号データベクトルq(m)とする。次に、誤り訂正された真の復号データベクトルq(m−1)と、第2復号データベクトルq(m)と、受信データベクトルr(m−1)、r(m)とを用いて、補正伝送路行列H(m)を求め、H(m)から時刻差を補償した補正伝送路行列G(m)を求める。その補正伝送路行列G(m)と、受信データベクトルr(m)とから、第3復号データベクトルq(m)を求める。そして、その第3復号データベトルq(m)を、上記の第1復号データベクトルq(m)として、再度、誤り訂正復号して、その結果である第2復号データベクトルq(m)を求める。この第2復号データベクトルq(m)を、最終の真の復号データベクトルとする。なお、この処理を、所定回数だけ、または、第2復号データベクトルq(m)が収束するまで、実行しても良い。また、この処理の終了判定に、CRCチェックやLDPCのパリティチェックによる誤り率が所定値以下となる条件を用いても良い。
そして、補正伝送路行列H(m)から、伝送路の変動を考慮し、時刻m+1におけるより正確な補正伝送路行列G(m+1)を求める。これの繰り返し演算となる。なお、上記の実施例において、時刻mにおいて、復号データを求める場合に、時刻m−1で予測された時刻mでの伝送路行列から、第1復号データベクトルを求め、時刻m−1での最終の復号データベクトルと、時刻mでの第1復号データベトルから成る復号データ行列と、時刻m−1での受信データベトルと、時刻mでの受信データベクトルから成る受信データ行列とから、補正伝送路行列を求め、時刻mでの受信データベクトルとこの補正伝送路行列とから、時刻mでの復号データベクトルを求め、これを第1復号データベクトルとして、これらの処理を繰り返し演算するようにしても良い。
〔実施態様の各種の変形〕
(1)伝送量Δγの推定
パイロットデータのシンボル数を多くすれば、隣接するシンボルの各中点時刻における伝送路行列Hを複数求めることができる。この伝送路行列Hの時間変化特性を測定して、データの送信周期Δt当たりの伝送量の変化を測定すれば、Δγを得ることができる。パイロットデータブロックを受信する毎に、この伝送量Δγは、更新することができる。パイロットデータブロック間のデータブロックにおいては、伝送量Δγは一定と見做すか、受信装置の移動速度をリアルタイムに検出してΔt時間毎の移動距離Δxを求めて、そのΔxに応じて、伝送量Δγを補正するようにしても良い。
(1)伝送量Δγの推定
パイロットデータのシンボル数を多くすれば、隣接するシンボルの各中点時刻における伝送路行列Hを複数求めることができる。この伝送路行列Hの時間変化特性を測定して、データの送信周期Δt当たりの伝送量の変化を測定すれば、Δγを得ることができる。パイロットデータブロックを受信する毎に、この伝送量Δγは、更新することができる。パイロットデータブロック間のデータブロックにおいては、伝送量Δγは一定と見做すか、受信装置の移動速度をリアルタイムに検出してΔt時間毎の移動距離Δxを求めて、そのΔxに応じて、伝送量Δγを補正するようにしても良い。
受信装置の移動速度が速くなく、パイロットデータブロックの送信周期が長い場合には、次のようにして求めても良い。一つのパイロットデータブロックを受信して、これから求められる伝送路行列Hの平均値HE を求めて、1周期前のパイロットデータブロックで求められている平均された伝送路行列Hの平均値HS を求め、それらの値HE 、HS から、隣接するパイロットデータブロック間のΔt当たりの平均された伝送量Δγを求める。この値を次のパイロットデータブロックが受信されるまでの伝送量Δγとする。多数シンボルで構成されるパイロットデータを用いる場合の上述の手法も含めて、これらは、直線外挿補間の手法であるが、受信装置の移動態様が測定でき、伝送量の曲線的変化が予測できるのであれば、曲線による外挿補間の手法を用いても良い。
(2)時刻補償された伝送路行列Gの必要性
上記したように、補正伝送路行列を求めた時刻と、それを用いて、次に、第1復調データを求める復調時刻のずれを、伝送量Δγにより補正することで、より、正確な受信データの復調が可能となる。上記したように、この補正は、1.5Δtの時間差に基づく伝送量の変化を補正するものであるが、この期間の伝送量の変動が小さい場合には、1.5Δt時間前の伝送路を反映している伝送路行列Hを用いても良い。伝送路行列Hを用いた時の誤差は、(24)式においてG(m)をH(m−1)として求められた復号データベクトルq(m)のレプリカ受信ベクトルH(m−1)q(m)と、受信データベクトルr(m)との差ベクトルのノルムとなる。したがって、ビットエラーが発生する確率は、G(m)を用いた場合に比べて高くなるが、ビットエラーが発生しない余裕がある範囲の誤差であれば、伝送路行列Hを用いることも十分に可能である。
また、上記の説明では、(29)式のように、伝送路行列H(m)の全ての要素について、同一の補正係数exp (−3Δγ/2)を掛けているが、各要素毎に補正係数が異なるのであれば、補正係数を各要素毎に変えても良い。
上記したように、補正伝送路行列を求めた時刻と、それを用いて、次に、第1復調データを求める復調時刻のずれを、伝送量Δγにより補正することで、より、正確な受信データの復調が可能となる。上記したように、この補正は、1.5Δtの時間差に基づく伝送量の変化を補正するものであるが、この期間の伝送量の変動が小さい場合には、1.5Δt時間前の伝送路を反映している伝送路行列Hを用いても良い。伝送路行列Hを用いた時の誤差は、(24)式においてG(m)をH(m−1)として求められた復号データベクトルq(m)のレプリカ受信ベクトルH(m−1)q(m)と、受信データベクトルr(m)との差ベクトルのノルムとなる。したがって、ビットエラーが発生する確率は、G(m)を用いた場合に比べて高くなるが、ビットエラーが発生しない余裕がある範囲の誤差であれば、伝送路行列Hを用いることも十分に可能である。
また、上記の説明では、(29)式のように、伝送路行列H(m)の全ての要素について、同一の補正係数exp (−3Δγ/2)を掛けているが、各要素毎に補正係数が異なるのであれば、補正係数を各要素毎に変えても良い。
また、本発明は、受信時刻での受信データを反映させて補正伝送路行列をもとてめ、再度、復号データを求めるようにしている。したがって、第1復号データを得る時の伝送路行列に、前回の補正伝送路行列をそのまま用いても、時刻差による伝送路の変化量は、補正されるようになっているので、補正量が小さい場合には、伝送路行列の時刻差補償を行わなくとも良い。
(3)送信アンテナと受信アンテナの数について
上記の説明では、送信アンテナと受信アンテナとを同数の2本とした。上記の説明が、3以上のn×nのMIMOにおいても、成立することは明らかである。全ての行列がn×nの正方行列となるからである。
上記の説明では、送信アンテナと受信アンテナとを同数の2本とした。上記の説明が、3以上のn×nのMIMOにおいても、成立することは明らかである。全ての行列がn×nの正方行列となるからである。
送信アンテナの数が、受信アンテナの数よりも多い場合にも、上記した説明は成立する。例えば、送信アンテナの数をn本、受信アンテナの数をm本(1≦m<n)とした場合を考える。送信データ行列Sをn×nの正方行列(データ数を増加するだけであるので、このように設定できる)とすれば、受信データ行列Rはm×n、伝送路行列Hは、m×n行となる。送信データ行列の逆行列が存在する限り、伝送路行列Hを求めることができる。伝送路行列Hが求まれば、受信データベクトルとレプリカ受信データベクトルの差ベクトルのノルムが最小な復号データベクトルを求めることができる。
また、送信アンテナの数が、受信アンテナの数よりも少ない場合にも、上記した説明は成立する。例えば、送信アンテナの数をn本、受信アンテナの数をm本(2≦n<m)とした場合を考える。送信データ行列Sをn×nの正方行列とすれば、受信データ行列Rはm×n、伝送路行列Hは、m×n行となる。送信データ行列の逆行列が存在する限り、伝送路行列Hを求めることができる。伝送路行列Hが求まれば、受信データベクトルとレプリカ受信データベクトルの差ベクトルのノルムが最小な復号データベクトルを求めることができる。
したがって、本発明は、送信アンテナが1本又は2本以上存在した空間多重伝送方式において適用することができる。
また、STBC方式は、上述した方式の特別な場合であるから、送信データ行列Sを正方行列として、送信データ行列に逆行列が存在する限り、伝送路行列Hを推定することができる。よって、本発明は、STBC方式にも適用可能である。
したがって、本発明は、送信アンテナが1本又は2本以上存在した空間多重伝送方式において適用することができる。
また、STBC方式は、上述した方式の特別な場合であるから、送信データ行列Sを正方行列として、送信データ行列に逆行列が存在する限り、伝送路行列Hを推定することができる。よって、本発明は、STBC方式にも適用可能である。
(4)伝送路行列の更新時期について
上記の説明では、Δt毎の毎回の復調時刻において、伝送路行列の更新を実行している。伝送路行列が大きく変化しないのであれば、この更新周期は、復調周期Δtよりも長くすることができる。また、(24)式におけるノルムLr (m)の最小値が所定値を越える毎に、伝送路行列の更新を実行し、越えない場合には、その更新を実行しないような不定期な更新であっても良い。さらに、更新周期が復調周期よりも長い場合において、直近に更新された補正伝送路行列をkΔγで補正しして、kだけ経過した復調時刻における時刻補償された伝送路行列を求め、この伝送路行列を受信データの復調に用いても良い。そして、この時刻補償された伝送路行列に対して、(24)式におけるノルムLr (m)の最小値が所定値を越える毎に、補正伝送路行列を更新するようにしても良い。
上記の説明では、Δt毎の毎回の復調時刻において、伝送路行列の更新を実行している。伝送路行列が大きく変化しないのであれば、この更新周期は、復調周期Δtよりも長くすることができる。また、(24)式におけるノルムLr (m)の最小値が所定値を越える毎に、伝送路行列の更新を実行し、越えない場合には、その更新を実行しないような不定期な更新であっても良い。さらに、更新周期が復調周期よりも長い場合において、直近に更新された補正伝送路行列をkΔγで補正しして、kだけ経過した復調時刻における時刻補償された伝送路行列を求め、この伝送路行列を受信データの復調に用いても良い。そして、この時刻補償された伝送路行列に対して、(24)式におけるノルムLr (m)の最小値が所定値を越える毎に、補正伝送路行列を更新するようにしても良い。
(5)伝送路行列H,Gのフィルタリングについて
上記の説明では、最も新しい受信データ行列R、復号データ行列Qとから、最新の補正伝送路行列H,Gを求めている。この場合には、推定された伝送路行列の高周波的変動が、そのまま、復号に反映される。高周波成分が雑音成分であることも考えられるので、この補正伝送路行列H,Gに関して、良く知られている比例、積分演算や、所定期間における各種の平均、加重平均などにより、補正伝送路行列を求めても良い。
上記の説明では、最も新しい受信データ行列R、復号データ行列Qとから、最新の補正伝送路行列H,Gを求めている。この場合には、推定された伝送路行列の高周波的変動が、そのまま、復号に反映される。高周波成分が雑音成分であることも考えられるので、この補正伝送路行列H,Gに関して、良く知られている比例、積分演算や、所定期間における各種の平均、加重平均などにより、補正伝送路行列を求めても良い。
例えば、(30)式に示されるように、受信データ行列R、復号データ行列Q(第1復号データ又は訂正復号された第2復号データ)とから求められる各復調時刻毎の瞬時補正伝送路行列H(t)、G(t)の過去の一定期間(k+1の復調時刻数)における平均行列H1 (m)、G1 (m)を、再度、復号データを求める又は次の時刻での第1復号データを求めるための補正伝送路行列としても良い。
また、最新の時刻mにおいて求められた補正伝送路行列H(m)、G(m)と、それらのΔt時刻前の時刻m−1での加重平均により求めれている補正伝送路行列H2 (m−1)、G2 (m−1)との、加重平均値を、新たに更新された補正伝送路行列H2 (m)、G2 (m)として、この伝送路行列に基づいて再度、復号し、又は、次の時刻m+1での第1復号データを得るための伝送路行列とする方法がある。すなわち、(31)式により、補正伝送路行列H2 (m)、G2 (m)を求める方法がある。係数αを大きくすれば、過去の履歴に重きを置いて補正伝送路行列が演算されることになる。比例、積分演算で、積分係数を大きくしたのと等価である。
また、上記の第1の方法と第2の方法とを組合せた方法も考えられる。受信データ行列R、復号データ行列Qとから求められた各復調時刻毎の補正伝送路行列H(t)、G(t)の過去の一定期間(k+1の復調時刻数)における平均行列H1 (m)、G1 (m)と、最新の時刻mにおいて求められた補正伝送路行列H(m)、G(m)との加重平均を、時刻mでの更新された補正伝送路行列H3 (m)、G3 (m)とする方法である。すなわち、(32)式により、更新された伝送路行列H3 (m)、G3 (m)を求める方法である。
(6)伝送路行列の更新の意味
復調時刻mにおける補正伝送路行列H(m)、G(m)は、それらの初期伝送路行列H(1)、G(2)を用いて、(33)式のように表現することができる。ただし、B(m)は、初期伝送路行列に対する変位を表しているので、変位行列と呼ぶ。
また、送信データベクトルs(m)は、受信データベクトルr(m)を用いて、(34)式で表現される。したがって、B-1(m)r(m)を補正された受信データベクトルr' (m)とすれば、この補正された受信データベクトルr' (m)を用いるのであれば、変動しない初期伝送路行列H(1)、G(2)を用いて、復号できる。したがって、補正伝送路行列を求めることと、受信データベクトルのB-1(m)r(m)による補正は、等価となる。よって、本件発明の伝送路行列の補正は、このような伝送路行列の変動により、受信データベクトルを補正することも含むものである。
復調時刻mにおける補正伝送路行列H(m)、G(m)は、それらの初期伝送路行列H(1)、G(2)を用いて、(33)式のように表現することができる。ただし、B(m)は、初期伝送路行列に対する変位を表しているので、変位行列と呼ぶ。
以下、本発明の具体的な実施例として、本発明を実現する復調装置を示す。本実施例は、時刻の経過方向に、逐次、伝送路の伝達特性を推定する場合の例である。本実施例は図2に示すように、送信アンテナが2本、受信アンテナが2本の2×2のMIMO伝送方式によるものである。送信装置10は送信アンテナ11、12を有し、受信装置20は受信アンテナ21、22を有する。送信装置10はシリアルな送信データを、2系統に分離して、変調して、各送信アンテナ11、12から送信する多重化装置15を有している。また、受信装置20は、受信アンテナ21、22から受信された高周波変調信号を受信して、送信時のベースバンドデータに復号化する復調装置25を有している。
送信アンテナ11、12から受信アンテナ21、22への伝達関数が伝送路行列である。伝送路行列の各要素は、図示されているように、h11は、送信アンテナ1から受信アンテナ1への伝達関数、h12は、送信アンテナ2から受信アンテナ1への伝達関数、h21は、送信アンテナ1から受信アンテナ2への伝達関数、h22は、送信アンテナ2から受信アンテナ2への伝達関数である。送信データs1 、s2 、受信データr1 、r2 、時刻mにおける送信データベクトル、受信データベクトル、送信データ行列、受信データ行列の定義は前述した通りである。
次に、受信装置20の復調装置25の構成について、図3に基づいて説明する。復調装置25は、受信アンテナ21、22で受信された高周波変調信号から搬送波を再生して、その搬送波を用いて高周波変調信号を同期復調して受信データを得るQPSK復調装置50を有している。このQPSK復調装置50から、受信データr1 、r2 が得られる。これらの受信データr1 、r2 は、一旦、受信データ記憶装置55に記憶される。受信データr1 、r2 は複素空間にけおる任意の値exp(j θ) であり、まだ、exp(j (2k−1)π/4)(ただし、k=1,2,3,4)の離散値には判定されて復号されていない値である。本明細書では、この離散的な真の送信データを求めることを復号と言い、誤り訂正符号を用いた誤り訂正復号も、復号という。
また、復調装置25は、受信データ判定部51と初期伝送路行列演算部52とMIMOデコード部53と伝送路行列更新部54と伝達特性補正装置56と復号装置57などから主に構成されている。これらは、アナログ回路、デジタル回路、コンピュータ・ハードウェア、またはコンピュータ・ソフトウェアなどによって実現することができ、それらの実現方式は任意でよく、特段限定されるものではない。
受信データ判定部51は、受信データr1 ,r2 がパイロットデータであるか否かを判定し、これらがパイロットデータである場合には、受信データr1 ,r2 を初期伝送路行列演算部52へ、そうでなければ受信データr1 ,r2 をMIMOデコード部53へ送出する。また、同時に、受信データr1 ,r2 がパイロットデータである場合には、スイッチsw1を接点aに接続し、そうでなければスイッチsw1を接点bに接続する。
初期伝送路行列演算部52は、入力されたパイロットデータに基づいて、送信局と当該受信局との間のマルチパスの各伝搬路特性を推定する。即ち、(10)、(11)、(12)式にしたがって、初期伝送路行列H(1)を演算する。その後、(14)式に従って、次の復調時刻2における時刻補償された初期伝送路行列G(2)を求め、接点aに出力する。
MIMOデコード部53は、スイッチsw1から初期伝送路行列G(2)を入力する。次に、MIMOデコード部53は、パイロットデータではない復号されるべき受信データr1 ,r2 を受信データ判定部51から入力する。(16)〜(20)式に従って、最初のデータの第1復号データq(2)を得る。
また、一般に、データの復調時刻mにおいては、受信データ判定部51から受信データベクトルr(m)を入力して、伝送路行列更新部54からその時刻における伝送路行列G(m)を入力して、(24)式によるノルムLr (m)が最小となる候補送信データベクトルuを第1の復号データベクトルq(m)として求める。
また、一般に、データの復調時刻mにおいては、受信データ判定部51から受信データベクトルr(m)を入力して、伝送路行列更新部54からその時刻における伝送路行列G(m)を入力して、(24)式によるノルムLr (m)が最小となる候補送信データベクトルuを第1の復号データベクトルq(m)として求める。
伝達特性補正装置56は、受信データ判定部51から既に入力されているパイロットデータブロックではない復調時刻m−1、mにおける受信データベクトルr(m−1)、r(m)から、受信データ行列R(m)を生成する。また、MIMOデコード部から出力される第1復号データベクトルq(m)と、復号装置57から時刻m−1において出力された復号データベクトルq(m−1)とから復号データ行列Q(m)を生成し、その行列と受信データ行列R(m)とから、補正伝送路行列H(m)と、時刻補償した補正伝送路行列G(m)を求める。そして、復号装置57は、その補正伝送路行列G(m)と、受信データベクトルr(m)とから、真の復号データベクトルq(m)を求める。
伝送路行列更新部54は、伝達特性補正装置56から補正伝送路行列H(m)を入力して、(29)式により、次の時刻での伝送路行列G(m+1)を演算する。そして、伝送路行列G(m+1)をMIMOデコード部53に出力する。MIMOデコード部53は、次の復調時刻m+1において、入力した受信データベクトルr(m+1)と、伝送路行列G(m+1)から、第1復号データベクトルq(m+1)を求める。このような処理が、時刻の経過と共に、繰り返し実行される。
次に、復調装置25の動作手順について、図4に基づいて説明する。本実施例では、図3の装置は、コンピュータ装置で実現したもので、受信された高周波変調信号をサンプリングして、ディジタルデータにしてから、QPSK復調以下の処理を行うものである。受信データ記憶装置55は、FIFO構造のバッファメモリを構成しており、QPSK復調された受信データをリアルタイムで記憶している。図4のプログラムは、受信データ記憶装置55に記憶されている2時刻の受信データを読み出して、処理するプログラムである。
複素空間のベースバンドの受信データrに変換されたデータに関して、以下の処理が実行される。図4の手順は、復調装置25が受信モードになった時に実行される。まず、ステップ100において、受信データベクトルrが、受信データ記憶装置5から読み取られ、ステップ102で、装置が受信モードに設定されてから、初めて入力するデータがパイロットデータか否かが判定される。パイロットデータが入力されていない場合には、伝送路行列が、全く求まっていないので、受信データの復調処理をすることなく、ステップ100に戻る。このステップ100、102のループにより、最初のパイロットデータが入力されるまで、CPUは、待機することになる。
次に、初めてのパイロットデータが入力されると、初めて、受信データの処理が可能となる。パイロットデータであれば、ステップ104において、受信データベクトルr(m)として記憶し、時刻変数mを1だけ更新する。次に、ステップ106において、次の受信データベクトルrが読み込まれ、次のステップ108において、パイロットデータか否かが判定される。パイロットデータであれば、次のステップ110において、パイロットデータの先頭か否かが判定れる。先頭でない場合には、次のステップ112で、受信データベクトルr(m)を、他の記憶領域に記憶し、復調時刻変数mを1だけ更新し、ステップ114へ移行して、パイロットデータの終了か否かが判定される。受信データがパイロットデータの最終でない場合には、ステップ106へ移行して、受信データの記憶を繰り返す。受信データがパイロットデータの最終である場合には、本実施例では、2シンボルの受信パイロットデータr(0)、r(1)の入力が完了したことになるので、ステップ116に移行して、初期伝送路行列H(1)が、(12)式により演算される。ここで、送信データ行列S(1)は、パイロットデータs(0)、s(1)で構成されるので、受信装置において既知の値である。次に、ステップ118において、(14)式により、初期伝送路行列H(1)の補正演算を行って、次の復調時刻2における補正された初期伝送路行列G(2)が求められる。そして、次の受信データを読み取るべく、ステップ106に戻る。
ステップ108で、受信データがパイロットデータでないと判定された場合には、復号すべきデータであるから、ステップ120に移行して、受信データベクトルr(m)を、他の領域に記憶して、時刻変数mを1だけ更新して、ステップ122に移行する。ステップ122では、時刻mにおける伝送路行列G(m)、既に得られている受信データ行列R(m)とから、(23)、(24)式により、候補送信データベクトルuの中から、ノルムLr (m)を最小とする第1復号データベクトルq(m)を求める。
次に、ステップ124において、第1復号データ行列Q(m)、受信データ行列R(m)とから、補正伝送路行列(m)を(26)、(27)式により求める。次に、ステップ126において、時刻mでの時刻補償された補正伝送行列G(m)を求める。次に、ステップ128において、その補正伝送行列G(m)と受信データ行列R(m)とから、再度、復号データベクトルq(m)を時刻mにおける最終の真の復号データとして求める。
次に、ステップ130において、補正伝送行列H(m)から、次の復調時刻m+1での伝送路行列G(m+1)を(29)式により求める。そして、ステップ106に戻る。この処理の繰り返しにより、受信データベクトルr(m)から、精度高く、復号データベクトルq(m)を得ることができる。
また、このデータの復号の後に、次のパイロットデータが受信されると、ステップ108の判断がYes となるので、ステップ110で、パイロットデータの先頭か否かが判定されて、判定がYes であれば、ステップ128において、時刻変数mが0に初期設定され、次のステップ112で、受信データベクトルr(m)は、受信パイロットデータr(0)として、別の領域に記憶される。このような処理により、パイロットデータが受信される毎に、伝送路行列H、Gは、初期値にリセットされることになり、伝送路の推定誤差が伝搬することを防止することができる。
本実施例は、送信データを誤り訂正符号化した例である。実施例1と異なる点は、MIMOデコード部53の出力する第1復号データベクトルq(m)を入力して、誤り訂正復号して第2復号データベクトルq(m)を伝達特性補正装置56に出力する誤り訂正復号装置58と、誤り訂正復号装置58と伝達特性補正装置56と復号装置57とを制御する制御装置59を設けたことである。制御装置59は、誤り訂正復号、補正伝達特性、判定復号を繰り返し実行することを制御する装置である。
繰り返し演算は、図6、図7に示すように実行される。時刻m−1において予測された時刻mでの伝送路行列G(m)と、時刻mでの受信データベクトル(m)とから、第1復号データベクトルq(m)が判定復号される(ステップ222)。次に、この第1復号データベクトルq(m)が、誤り訂正復号されて、第2復号データベクトルq(m)とされる(ステップ224)。この第2復号データベクトルq(m)と、時刻m−1の最終の真の復号データベクトルq(m−1)とから構成される第2復号データ行列Q(m)と、受信データ行列R(m)とから、補正伝送路行列H(m)が演算される(ステップ228)。そして、このをH(m)を時刻補償して、補正伝送路行列G(m)が求められる(ステップ230)。この補正伝送路行列G(m)と受信データベクトルr(m)とから、判定復号されて、第3復号データベクトルq(m)が演算される(ステップ22)。この第3復号データベクトルq(m)は、第1復号データベトルq(m)として、誤り訂正復号される(ステップ224)。この処理が繰り返されることになる。そして、所定回数の繰り返し演算が修了した後(ステップ226)に、誤り訂正復号された第2復号データベトルq(m)が、受信データベトルr(m)の最終の真の復号データベトルトとして出力される(ステップ234)。また、最後の補正伝送路行列H(m)は、時刻補償されて、次の復調時刻m+1において、第1復調データベクトルを求めるための伝送路行列G(m+1)となる(ステップ236)。
実施例1、2は、データの復調時刻毎に伝送路行列を推定する方法を採用している。本実施例では、(24)式により、受信データベクトルr(m)と、レプリカ受信データベクトルG(m)uとの差ベクトルのノルムLr (m)の最小値、すなわち、受信データベクトルr(m)とレプリカ復号データベクトルG(m)q(m)のノルムLq (m)が所定値Th以上である場合に、伝送路行列を更新するようにしたことが特徴である。図8に示すように、図4のステップ122と124との間に、又は、図7のステップ222と224との間に、ステップ300の判定ステップを挿入している。ステップ300で、上記のノルムLq (m)が所定値Th以上と判定された場合には、図4又は図7のステップ124、224以下の送路行列H、Gの更新処理が実行され、そうでない場合には、図4のステップ124、図7のステップ224以下の更新処理をすることなく、図4のステップ106、図7のステップ206に戻り、次の復調時刻m+1での受信データベクトルr(m+1)の読取が実行される。
また、高周波変動誤差があることを考慮して、ノルムLq (m)が所定回数(例えば、3、4回)連続して、所定値Th以上となった場合に、伝送路行列の更新を行うようにしても良い。さらに、ノルムLq (m)の過去の所定回数分の平均値が、所定値Th以上となった場合に、伝送路行列の更新を行うようにしても良い。
実施例1、2、3は、時刻m−1、mの2時刻における2シンボル分の復号データベクトルq(m−1)、q(m)と、受信データベクトルr(m−1)、r(m)から、補正伝送路行列H(m)、時刻補償された補正伝送路行列G(m+1)を求める方式である。したがって、伝送路の高周波的変動が直ちにデータの復号に反映されることになる。これも一つの利点ではあるが、この高周波変動を除去して、ある時間範囲での平均された値で補正伝送路行列を求めるのも効果がある。このために、実施例1、2における図4のステップ126、図7のステップ230の後に、上述した高周波成分を除去する(31)、(32)式で示すG2 (m)、G3 (m)を求めて、ステップ128、ステップ232の補正伝送路行列G(m)としている。同様に、次の復調時刻で、第1復号データを求めるための伝送路行列は、ステップ130、ステップ236において、H2 (m)、H3 (m)から、(29)式により求められるG2 (m+1)、G3 (m)、G3 (m+1)とした。
〔変形例〕
全実施例において、時刻補償された伝送路行列Gを用いることなく、時刻mでの補正伝送路行列H(m)を次の復調時刻m+1での第1復号データを求めるための伝送路行列としても良い。また、パイロットデータは、2×2のMIMOの場合には、少なくとも2シンボルあれば良い。パイロットデータは、送信データ行列を正方行列とするために、少なくとも送信アンテナの数だけのシンボルを有すれば良い。パイロットデータを最低限のシンボル数以上とした場合には、複数の初期伝送路行列を求めることができるので、それらの平均値などを用いることで、さらに、正確な初期伝送路行列を得ることができると共に、伝送路の変化特性を予測することができる。
全実施例において、時刻補償された伝送路行列Gを用いることなく、時刻mでの補正伝送路行列H(m)を次の復調時刻m+1での第1復号データを求めるための伝送路行列としても良い。また、パイロットデータは、2×2のMIMOの場合には、少なくとも2シンボルあれば良い。パイロットデータは、送信データ行列を正方行列とするために、少なくとも送信アンテナの数だけのシンボルを有すれば良い。パイロットデータを最低限のシンボル数以上とした場合には、複数の初期伝送路行列を求めることができるので、それらの平均値などを用いることで、さらに、正確な初期伝送路行列を得ることができると共に、伝送路の変化特性を予測することができる。
誤り訂正符号化を用いずに、第1復号データを求めるための伝達特性は、前回の復号時に得られた補正伝達特性とした場合のS/N比とビットエラーレイトの関係をシミュレーションした結果を図9に示す。すなわち、実施例1で、 補正伝送路行列H(m−1)を、時刻差だけ、位相補償して時刻mでの伝送路行列G(m)を求めることなく、前回の補正伝送路行列H(m−1)を、そのまま、時刻mでの第1復号データを求めるための伝送路行列H(m)とした場合(H(m)=H(m−1))のシミュレーション結果である。その時刻での受信データと第1復号データに基づいて補正伝達特性を求めて、その補正伝達特性と受信データとを用いて、再度、復号データを求めた場合の結果である。この補正伝達特性を求めずに、単に、時刻m−1での伝送路行列を用いて得られた第1復号データを、最終の復号データとした場合と比較されている。実線が本発明の方式、破線が、補正伝達特性を求めない方式である。本発明の方が、ビットエラーレイトが小さいことが理解される。
次に、LDPCの誤り訂正符号化を行って、さらに、補正伝達特性を求めて、復号する方式について、S/N比とビットエラーレイトの関係をシミュレーションした結果を図10に示す。すなわち、実施例2において、時刻差の位相補償を行うことなく、前回の補正伝送路行列H(m−1)を、そのまま、時刻mでの第1復号データを求めるための伝送路行列H(m)とした場合(H(m)=H(m−1))のシミュレーション結果である。判定復号、誤り訂正復号、補正伝達関数の演算、判定復号の繰り返し処理回数は、1、5、10、30回である。繰り返し回数が増加するにつれて、ビットエラーレイトが減少しているのが理解される。5回程度の繰り返しにより、ほぼ、飽和した特性が得られる。
本発明は、高品質の移動体通信に用いることができる。
10…送信装置
15…多重化装置
20…受信装置
25…復調装置
50…QPSK復調装置
51…受信データ判定部
52…初期伝送路行列演算部
53…MIMOデコード部
54…伝送路行列更新部
56…伝達特性補正装置
57…復号データ選択部
58…誤り訂正復号装置
59…制御装置
15…多重化装置
20…受信装置
25…復調装置
50…QPSK復調装置
51…受信データ判定部
52…初期伝送路行列演算部
53…MIMOデコード部
54…伝送路行列更新部
56…伝達特性補正装置
57…復号データ選択部
58…誤り訂正復号装置
59…制御装置
Claims (12)
- 無線によるデータ伝送の復調方法であって、復調側において既知のパイロットデータと、その受信データとに基づいて求められた伝送路の伝達特性を初期特性として、該伝達特性の更新タイミングにおいて前記伝達特性を、逐次、更新して、前記伝達特性と、受信データとに基づき、第1復号データを復号する復調方法において、
前記受信データと、前記第1復号データに基づき、前記受信データの受信時刻における補正伝達特性を演算し、
その補正伝達特性と、前記受信データとに基づき、真の復号データを演算
することを特徴とする復調方法。 - 受信側において既知のパイロットデータと、伝送すべき情報のデータと、誤り訂正符号とを無線により送信し、受信側では、既知のパイロットデータと、その受信データとに基づいて求められた伝送路の伝達特性を初期特性として、該伝達特性の更新タイミングにおいて前記伝達特性を、逐次、更新して、前記伝達特性と、受信データとに基づき、第1復号データを復号する復調方法において、
前記第1復号データを、誤り訂正符号を用いた訂正復号により、第2復号データを求め、
前記受信データと、前記第2復号データとに基づき、前記受信データの受信時刻における補正伝達特性を演算し、
その補正伝達特性と、前記受信データとに基づき、第3復号データを演算し、
前記第3復号データを前記第1復号データとして、前記訂正復号により、前記第2復号データを求める
ことを特徴とする復調方法。 - 各受信時刻において、前記第1復号データ、前記第2復号データ、前記第3復号データを得ることを、繰り返し実行し、前記第2復号データ又は前記第3復号データを、真の復号データとすることを特徴とする請求項2に記載の復調方法。
- 前記補正伝達特性は、最新の受信データとその最新の第1復号データとに基づいて求められる最新の補正伝達特性と、過去の所定回数の補正伝達特性とに基づいて決定される伝達特性であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の復調方法。
- 前記補正伝達特性は、最新の受信データとその最新の第1復号データとに基づいて求められる最新の補正伝達特性と、前回における補正伝達特性とを加重平均した伝達特性であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の復調方法。
- 復調タイミングにおいて、前記第1復号データを求めるのに用いられる伝達特性を、前回の復調タイミングにおいて求められた補正伝達特性とするか、又は、過去の復調タイミングにおいて求められた前記補正伝達特性の時間変化特性を、その復調タイミングまで外挿して得られる伝達特性とすることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の復調方法。
- 無線によるデータ伝送の復調装置であって、復調側において既知のパイロットデータと、その受信データとに基づいて求められた伝送路の伝達特性を初期特性として、該伝達特性の更新タイミングにおいて前記伝達特性を、逐次、更新して、前記伝達特性と、受信データとに基づき、第1復号データを復号する復調装置において、
前記受信データと、前記第1復号データとに基づき、前記受信データの受信時刻における補正伝達特性を演算する伝達特性補正装置と、
その補正伝達特性と、前記受信データとに基づき、真の復号データを演算する復号装置と
を有することを特徴とする復調装置。 - 受信側において既知のパイロットデータと、伝送すべき情報のデータと、誤り訂正符号とを無線により送信し、受信側では、既知のパイロットデータと、その受信データとに基づいて求められた伝送路の伝達特性を初期特性として、該伝達特性の更新タイミングにおいて前記伝達特性を、逐次、更新して、前記伝達特性と、受信データとに基づき、第1復号データを復号する復調装置において、
前記第1復号データを、誤り訂正符号を用いた訂正復号により、第2復号データを求め誤り訂正復号装置と、
前記受信データと、前記第2復号データとに基づき、前記受信データの受信時刻における補正伝達特性を演算する伝達特性補正装置と、
その補正伝達特性と、前記受信データとに基づき、第3復号データを演算する復号装置と、
前記誤り訂正復号装置に、前記第3復号データを前記第1復号データとして、入力させる制御装置と
を有することを特徴とする復調装置。 - 前記制御装置は、各受信時刻において、前記第1復号データ、前記第2復号データ、前記第3復号データを得ることを、繰り返し実行し、前記第2復号データ又は前記第3復号データを、真の復号データとすることを特徴とする請求項8に記載の復調装置。
- 前記伝達特性補正装置は、前記補正伝達特性を、最新の受信データとその最新の第1復号データとに基づいて求められる最新の補正伝達特性と、過去の所定回数の補正伝達特性とに基づいて決定される伝達特性とすることを特徴とする請求項7乃至請求項9の何れか1項に記載の復調装置。
- 前記伝達特性補正装置は、前記補正伝達特性を、最新の受信データとその最新の第1復号データとに基づいて求められる最新の補正伝達特性と、前回における補正伝達特性とを加重平均した伝達特性とすることを特徴とする請求項7乃至請求項9の何れか1項に記載の復調装置。
- 復調タイミングにおいて、前記第1復号データを求めるのに用いられる伝達特性を、前回の復調タイミングにおいて求められた補正伝達特性とするか、又は、過去の復調タイミングにおいて求められた前記補正伝達特性の時間変化特性を、その復調タイミングまで外挿して得られる伝達特性とする伝達特性更新手段を有することを特徴とする請求項7乃至請求項11の何れか1項に記載の復調装置。
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WO2011025027A1 (ja) * | 2009-08-31 | 2011-03-03 | ソニー株式会社 | 信号伝送装置、電子機器、及び、信号伝送方法 |
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2007
- 2007-10-25 JP JP2007278063A patent/JP2009105847A/ja active Pending
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WO2011025027A1 (ja) * | 2009-08-31 | 2011-03-03 | ソニー株式会社 | 信号伝送装置、電子機器、及び、信号伝送方法 |
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