JP2009105176A - 圧電体膜の製造方法、および圧電素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉛を含有せず、キュリー温度が高く、かつ優れた圧電特性を備えた圧電体膜の製造方法、および圧電素子を提供することにある。
【解決手段】本発明に係る圧電素子の製造方法は、Bi、Ti、Ba、Sr、およびNdを含有するゾル状前駆体溶液を調製する工程と、前記ゾル状前駆体溶液を焼成して、一般式Bi4−xNdTi12−(Ba1−ySr)BiTi15(式中のxは0.1〜1.5の数であり、yは0.2〜0.8の数である。)からなる粒子を作製する工程と、前記粒子を含有するペーストを調製する工程と、前記ペーストと前記ゾル状前駆体溶液とを混合して、混合ペーストを調製する工程と、前記混合ペーストを塗布した後、乾燥および焼成する工程と、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧電体膜の製造方法、および圧電素子に関する。
従来、インクジェット式記録ヘッドなどに用いられる圧電材料としては、圧電特性に優れているという観点からジルコン酸チタン酸鉛(以下、「PZT」という。)が最も広く利用されてきた(例えば、特許文献1または2参照)。しかしながら、最近、鉛系廃棄物が酸性雨などに曝されると鉛が溶出し、環境に悪影響を与えることから、PZTに代わる鉛を含まない圧電材料が望まれている。
近年、鉛を含有せず、かつ圧電特性に優れた圧電材料として、ビスマスを含む層状強誘電体が報告されている(例えば、特許文献3参照)。この強誘電体は、酸化ビスマス層とペロブスカイト層が交互に積層した構造を有しており、ペロブスカイト層を形成するTiO八面体層の数が1〜5までの強誘電体が公知となっている。
しかしながら、上記非鉛の圧電体膜をゾル・ゲル法により形成すると、コストが高くなり、量産化には適さない。また、ゾル・ゲル法により形成された圧電体膜は、膜密度が低く、圧電特性が悪いという難点があった。
特開2004−296679 特開2005−159309 特開2005−255424
本発明の目的は、鉛を含有せず、キュリー温度が高く、かつ優れた圧電特性を備えた圧電体膜の製造方法、および圧電素子を提供することにある。
本発明に係る圧電体膜の製造方法は、Bi、Ti、Ba、Sr、およびNdを含有するゾル状前駆体溶液を調製する工程と、前記ゾル状前駆体溶液を焼成して、一般式Bi4−xNdTi12−(Ba1−ySr)BiTi15(以下、「BNT−BSBT」ともいう。)(式中のxは0.1〜1.5の数であり、yは0.2〜0.8の数である。)からなる粒子を作製する工程と、前記粒子を含有するペーストを調製する工程と、前記ペーストと、前記ゾル状前駆体溶液とを混合して、混合ペーストを調製する工程と、前記混合ペーストを塗布した後、乾燥および焼成する工程と、を含む。
上記圧電体膜の製造方法によれば、鉛を含有せず、キュリー温度が高く、かつ優れた圧電特性を備えた圧電体膜を得ることができる。
本発明に係る圧電体膜の製造方法において、前記ゾル状前駆体溶液の焼成温度は、600〜800℃であることができる。
本発明に係る圧電体膜の製造方法において、前記混合ペーストは、前記ゾル状前駆体溶液を2〜30重量%含有することができる。
本発明に係る圧電体膜の製造方法において、前記混合ペーストの焼成温度は、600〜1000℃であることができる。
本発明に係る圧電体膜の製造方法は、Bi、Ti、Ba、Sr、およびNdを含有するゾル状前駆体溶液を調製する工程と、前記ゾル状前駆体溶液を焼成して、一般式Bi4−xNdTi12−(Ba1−ySr)BiTi15(式中のxは0.1〜1.5の数であり、yは0.2〜0.8の数である。)からなる粒子を形成する工程と、前記粒子を含有するエアゾルを作製する工程と、前記エアゾルを噴霧することにより層を形成し、該層を焼成する工程と、を含む。
本発明に係る圧電体膜の製造方法において、前記ゾル状前駆体溶液の焼成温度は、600〜800℃であることができる。
本発明に係る圧電素子は、上記の圧電体膜の製造方法により形成された圧電体膜を備えたものである。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
1.圧電体膜の製造方法
1.1 第1の製造方法
本実施形態に係る圧電素子の第1の製造方法は、Bi、Ti、Ba、Sr、およびNdを含有するゾル状前駆体溶液を調製する工程と、前記ゾル状前駆体溶液を焼成して、一般式Bi4−xNdTi12−(Ba1−ySr)BiTi15(以下、「BNT−BSBT」ともいう。)(式中のxは0.1〜1.5の数であり、yは0.2〜0.8の数である。)からなる粒子を作製する工程と、前記粒子を含有するペーストを調製する工程と、前記ペーストと前記ゾル状前駆体溶液とを混合して、混合ペーストを調製する工程と、前記混合ペーストを塗布した後、乾燥および焼成する工程と、を含む。
図1は、本発明の一実施形態に係る圧電素子の第1の製造方法を示すフローチャートである。以下、圧電素子の第1の製造方法について、詳細に説明する。
(1)ゾル状前駆体溶液の調製
ゾル状前駆体溶液は、複合金属化合物となる材料の構成金属をそれぞれ含んでなる有機金属化合物、あるいはその部分加水分解物および/または重縮合物を各金属が所望のモル比となるように混合され、さらにアルコールなどの有機溶媒を用いてこれらを溶解または分散させることにより調製することができる。有機金属化合物は、溶液状態で安定なものを用いることが好ましい。
本実施形態において、使用可能な有機金属化合物としては、加水分解または酸化されることにより、その有機金属化合物に由来する金属酸化物を生成し得るものであり、各金属のアルコキシド、有機金属錯体、および有機酸塩などから選ばれる。
Baを含む有機金属化合物、Biを含む有機金属化合物、Tiを含む有機金属化合物、Srを含む有機金属化合物、およびNdを含む有機金属化合物を各金属が所望のモル比となるように混合し、さらにアルコールなどの有機溶媒を用いてこれらを溶解または分散させたアルコキシド溶液を調製する。
Baを含む有機金属化合物としては、例えば、アルコキシド化合物(Baエトキシドなど)が挙げられる。Baを含む金属化合物としては、例えば、炭酸バリウムなどが挙げられる。
Biを含む有機金属化合物としては、例えば、アルコキシド化合物(Biトリメトキシド、Biトリエトキシド、Biトリプロポキシドなど)が挙げられる。Biを含む金属化合物としては、例えば、酸化ビスマス、硝酸ビスマス、塩化ビスマス、水酸化ビスマスなどが挙げられる。
Tiを含む有機金属化合物としては、例えば、アルコキシド化合物(Tiテトライソプロポキシドなど)が挙げられる。Tiを含む金属化合物としては、例えば、酢酸塩、オクチル塩などが挙げられる。
Srを含む有機金属化合物としては、例えば、アルコキシド化合物(Srジメトキシド、Srジエトキシド、Srジイソプロポキシド)が挙げられる。Srを含む金属化合物としては、例えば、酸化ストロンチウム、塩化ストロンチウム、炭酸ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、水酸化ストロンチウムなどが挙げられる。
Ndを含む有機金属化合物としては、例えば、トリス(アセチルアセトナト)ネオジオなどが挙げられる。Ndを含む金属化合物としては、例えば、硝酸ネオジオなどが挙げられる。
有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、イソプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル類、シクロヘキサン、シクロヘキサノール等のシクロアルカン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物、カルボン酸、エステル、テトラヒドロフランなどが挙げられる。溶媒として、アルコール類を用いると、金属アルコキシドを良好に溶解することができる。
加水分解・重縮合を起こさせる場合には、上記アルコキシド溶液に適当な量の水を添加するとともに、触媒として酸あるいは塩基を添加することにより、ゾル状前駆体溶液を調製することができる。具体的には、上記金属アルコキシド溶液に、0.001規定塩酸のアルコール溶液を徐々に添加して加水分解を行う。この反応により高分子量化が進行する。この反応後に、例えば、所定量のエトキシエタノールを添加し、撹拌すると混合溶液が得られる。このようにして得られた混合溶液をゾル状前駆体溶液とする。
(2)BNT−BSBT粒子の作製
上記ゾル状前駆体溶液をるつぼに入れ、約600〜800℃で約1〜4時間焼成すると、BNT−BSBTの粒子を得ることができる。このようにして得られたBNT−BSBT粒子の粒子径は、好ましくは0.05〜5.0μmであり、より好ましくは0.1〜1.0μmである。BNT−BSBT粒子の粒子径が上記範囲内にあると、次工程において均質なBNT−BSBTペーストが得られる。
(3)BNT−BSBTペーストの作製
上記BNT−BSBT粒子に分散剤、可塑剤、溶剤、バインダー、および高分子ポリマーなどの添加剤を加えて、さらに1時間混合する。こうして、BNT−BSBTペーストを調製する。
分散剤は、BNT−BSBT粒子を均一に分散させる目的で添加することができる。分散剤として、例えば、エトキシエタノール、シクロヘキサノールなどが挙げられる。
可塑剤は、ペーストに柔軟性を付与する目的で添加することができる。可塑剤として、例えば、炭酸プロピレンが挙げられる。
溶剤は、分散性および塗布性を考慮して、公知の各種溶剤から適宜選択される。溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−ブタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤、または、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶剤を挙げることができる。これらの中では、特にアルコール系溶剤を好ましく用いることができる。
バインダーは、塗布時の膜厚を厚くする目的で添加することができる。バインダーとしては、例えば、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。これらの中では、特に分子量300以下のポリビニルブチラールを好ましく用いることができる。
BNT−BSBTペーストは、上記の添加剤のほかに、さらにポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール、およびポリビニルアルコールから選択される少なくとも1種の高分子ポリマーを添加することができる。BNT−BSBT粒子は、0.05〜0.1μm程度の比較的大きな粒子径を有するため、圧電体膜を形成する際にマイクロクラックと呼ばれる欠陥が発生しやすい。そこで、上記高分子ポリマーをBNT−BSBTペーストに添加すると、圧電体膜を形成する際に発生するマイクロクラックを抑制することができるようになる。
(4)混合ペーストの作製
上記BNT−BSBTペーストと、上記(1)で調製したゾル状前駆体溶液とを十分に混合することにより、混合ペーストが得られる。ここで、ゾル状前駆体溶液の含有量は、混合ペーストの総重量に対し、好ましくは2〜30重量%であり、より好ましくは5〜15重量%である。ゾル状前駆体溶液の含有量が2重量%未満であると、焼成後における圧電体膜の電気的特性の一指標となる比誘電率が低くなる。一方、ゾル状前駆体溶液の含有量が30重量%を超えても、比誘電率が低くなる。すなわち、ゾル状前駆体溶液の含有量が上記範囲内にあると、形成される圧電体膜の電気的特性が安定化する。
上記混合ペーストには、上記の添加剤のほかに、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染料、顔料等の公知の各種添加剤を添加することができる。
(5)塗布、乾燥および焼成
例えば、シリコン基板上に白金電極を形成し、その上に上記混合ペーストを、例えば、印刷法やバーコータ法などの公知の塗布法で塗布し、膜厚が1〜50μmの圧電体膜を形成する。塗布法として、印刷法を適用することがより好ましい。
次いで、室温で30分間、50℃で30分間、250℃で90分間乾燥させる。その後、600〜1000℃で5〜60分間焼成を行うことにより、圧電体膜が製造される。600〜1000℃の温度で焼成を行うと、バインダーや溶媒を確実に除去することができる。
上記第1の製造方法によれば、非鉛のBNT−BSBTからなる圧電体膜を形成することができる。詳細は後述するが、BNT−BSBTは、超格子構造を有するため、圧電変位量が大きく信頼性も高い。
上記第1の製造方法によれば、簡単なプロセスで圧電体膜を形成することができるので、従来のゾル・ゲル法などによる製膜プロセスに比べ、コストを下げることができる。
上記第1の製造方法によれば、上記混合ペーストは高粘度を有するため、一回の塗布で1〜50μmの厚さの圧電体膜を形成することができる。
上記第1の製造方法によれば、上記混合ペーストは、高い金属密度を有するため、焼成による収縮率が小さくなり応力の状態が改善される。
1.2 第2の製造方法
本実施形態に係る圧電素子の第2の製造方法は、Bi、Ti、Ba、Sr、およびNdを含有するゾル状前駆体溶液を調製する工程と、前記ゾル状前駆体溶液を焼成して、一般式Bi4−xNdTi12−(Ba1−ySr)BiTi15(式中のxは0.1〜1.5の数であり、yは0.2〜0.8の数である。)からなる粒子を形成する工程と、前記粒子を含有するエアゾルを作製する工程と、前記エアゾルを噴霧することにより層を形成し、該層を焼成する工程と、を含む。
図2は、本発明の一実施形態に係る圧電素子の第2の製造方法を示すフローチャートである。以下、圧電素子の第2の製造方法について、詳細に説明する。
(1)ゾル状前駆体溶液の調製
上述した第1の製造方法と同じであるから、説明を省略する。
(2)BNT−BSBT粒子の作製
上述した第1の製造方法と同じであるから、説明を省略する。
(3)BNT−BSBTエアゾル剤の作製
液化ガスあるいは圧縮ガス(噴射剤)とBNT−BSBT粒子とを、弁をもつ容器に封入し、BNT−BSBTエアゾル剤を作製する。液化ガスあるいは圧縮ガスとしては、例えば、空気、窒素またはアルゴンなどが挙げられる。
(4)製膜および焼成
例えば、シリコン基板上に白金電極を形成し、その上にBNT−BSBTエアゾル剤を噴霧することにより、膜厚が1〜50μmの圧電体膜を形成する。その後、600〜1000℃で5〜60分間焼成を行うことにより、圧電体膜が製造される。上記のBNT−BSBTエアゾル剤を噴霧することにより形成された圧電体膜は、BNT−BSBT粒子のみから形成されているので、焼成による収縮がほとんどなく応力の状態を改善することができる。
上記第2の製造方法によれば、非鉛のBNT−BSBTからなる圧電体層を形成することができる。詳細は後述するが、BNT−BSBTは、超格子構造を有するため、圧電変位量が大きく信頼性も高い。
上記第2の製造方法によれば、簡単なプロセスで圧電体膜を形成することができるので、従来のゾル・ゲル法などによる製膜プロセスに比べ、コストを下げることができる。
上記第2の製造方法によれば、上記BNT−BSBTエアゾル剤を噴霧することにより圧電体膜を形成するので、容易に膜厚の調整をすることができる。
1.3 インクジェット式記録ヘッドの製造方法
以下、本実施形態にかかる圧電素子を適用したインクジェット式記録ヘッドの製造方法について、図面を用いて具体的に説明する。図3(A)ないし(E)は、本実施形態にかかる圧電素子を適用したインクジェット式記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
(1)まず、圧力室基板10を用意する。圧力室基板10として、例えば、厚さ200μmのシリコン単結晶基板を用いる。
次に、図3(A)に示すように、圧力室基板10の上に、振動板20を形成する。振動板20の形成方法として、熱酸化によって二酸化ケイ素の酸化膜を形成する方法やCVD(Chemical Vapor Deposition)法などの公知の方法を適用することができる。
振動板20の材料として、例えば、二酸化ケイ素や酸化ジルコニウムが挙げられる。振動板20は、例えば、二酸化ケイ素を厚さ約1000nm、チタンを約400nmに成膜した二層構造とすることができる。もちろん、二酸化ケイ素またはチタンの単層構造とすることもできる。
(2)図3(B)に示すように、振動板20の上に下部電極膜32を形成する。下部電極膜32の形成方法として、例えば、ゾル・ゲル法、レーザーアブレーション法、スパッタ法、MOCVD法などの公知の方法を適用することができる。下部電極膜32の材料として、例えば、導電性を有する白金、イリジウム、チタンなどを用いることができる。下部電極膜32は、例えば、白金層とイリジウム層の二層構造とし、その二層構造の厚みを約200nmに成膜することができる。もちろん、白金層またはイリジウム層の単層構造とすることもできる。
(3)図3(C)に示すように、下部電極膜32の上に、圧電体膜34を形成する。
圧電体膜34は、上記の「1.1 第1の製造方法」または「1.2 第2の製造方法」を適用して形成することができる。
圧電体膜の厚さは、例えば、1〜10μmとすることができる。圧電体膜の厚さが上記範囲内であれば、十分な圧電特性を有する圧電体膜を形成することができる。
(4)図3(D)に示すように、圧電体膜34の上に、上部電極膜36を形成する。上部電極膜36は、例えば、白金等を直流スパッタ法で形成する。
(5)図3(E)に示すように、圧電体膜34および上部電極膜36を所定の形状に加工して、圧電素子30を形成する。具体的には、上部電極膜36上にレジストをスピンコートした後、圧力室が形成されるべき位置に合わせて露光および現像してパターニングする。残ったレジストをマスクとして圧電体膜34および上部電極膜36をイオンミリングまたはドライエッチング法等により不要な部分を除去する。以上の工程により、圧電素子30が形成される。
一方、圧力室基板10の圧力室12が形成されるべき部分をイオンミリングまたはドライエッチング法等により除去し、圧力室12を形成する。
このようにして、本実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドにおける圧電素子を形成することができる。
2.圧電素子
本発明に係る圧電素子は、上記の「1.1 第1の製造方法」または「1.2 第2の製造方法」を適用して形成された圧電体膜を備えた圧電素子であり、例えば、上記「1.3 インクジェット式記録ヘッドの製造方法」において製造された圧電素子が挙げられる。
本発明に係る圧電素子は、
一般式Bi4−xNdTi12−(Ba1−ySr)BiTi15
(式中のxは0.1〜1.5の数であり、yは0.2〜0.8の数である。)
で表される非鉛の圧電体膜を備えたことを特徴とする。
BiTi12−BaBiTi15の結晶構造は、ペロブスカイト層におけるTiO八面体の数が3つのBiTi12と4つのBaBiTi15とが交互に積層した超格子構造となる。このように面内の格子定数が異なる二種類のペロブスカイト層が交互に積層すると、層間に構造的ストレスが発生する。この超格子構造に特有な構造的ストレスにより、大きな変位量が発生すると考えられている。
上記の圧電体膜は、BiTi12のBiの一部をイオンサイズの異なるNdに置換したものであって、これによりBiTi12の結晶構造の一部に欠陥が発生する。ここで、xの値は、好ましくは0.1〜1.5である。xの値がこの範囲内にあると、分極が起こりやすくなり、変位量が安定性し、さらに信頼性も高まる。
また、上記の圧電体膜は、BaBiTi15のBaの一部をイオンサイズの異なるSrに置換したものであって、これによりBaBiTi15の結晶構造の一部に欠陥が発生する。ここで、yの値は、好ましくは0.2〜0.8である。yの値がこの範囲内にあると、上記圧電体の電気特性の一指標となる比誘電率が高くなる。
このような結晶構造を有するBNT−BSBTは、鉛を含有せず、少なくともキュリー温度が400℃以上であって、かつ優れた電界誘起歪み特性を備えている。また、BNT−BSBTを10回繰り返し使用しても、分極強度の変化率は10%以内であり、信頼性も高いことが確認されている。
本実施形態に係る圧電素子は、上述したようなインクジェット式記録ヘッドに限らず、圧電アクチュエータ、圧電センサ、圧電共振子などに応用することができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
本発明の一実施形態に係る圧電体膜の第1の製造方法を示すフローチャート。 本発明の一実施形態に係る圧電体膜の第2の製造方法を示すフローチャート。 (A)ないし(E)は、本実施形態にかかる圧電素子を適用したインクジェット式記録ヘッドの製造工程を示す断面図。
符号の説明
10…圧力室基板、12…圧力室、20…振動板、30…圧電素子、32…下部電極膜、34…圧電体膜、36…上部電極膜

Claims (7)

  1. Bi、Ti、Ba、Sr、およびNdを含有するゾル状前駆体溶液を調製する工程と、
    前記ゾル状前駆体溶液を焼成して、一般式Bi4−xNdTi12−(Ba1−ySr)BiTi15(式中のxは0.1〜1.5の数であり、yは0.2〜0.8の数である。)からなる粒子を作製する工程と、
    前記粒子を含有するペーストを調製する工程と、
    前記ペーストと、前記ゾル状前駆体溶液とを混合して、混合ペーストを調製する工程と、
    前記混合ペーストを塗布した後、乾燥および焼成する工程と、
    を含む、圧電体膜の製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記ゾル状前駆体溶液の焼成温度は、600〜800℃である、圧電体膜の製造方法。
  3. 請求項1または2において、
    前記混合ペーストは、前記ゾル状前駆体溶液を2〜30重量%含有する、圧電体膜の製造方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記混合ペーストの焼成温度は、600〜1000℃である、圧電体膜の製造方法。
  5. Bi、Ti、Ba、Sr、およびNdを含有するゾル状前駆体溶液を調製する工程と、
    前記ゾル状前駆体溶液を焼成して、一般式Bi4−xNdTi12−(Ba1−ySr)BiTi15(式中のxは0.1〜1.5の数であり、yは0.2〜0.8の数である。)からなる粒子を形成する工程と、
    前記粒子を含有するエアゾルを作製する工程と、
    前記エアゾルを噴霧することにより層を形成し、該層を焼成する工程と、
    を含む、圧電体膜の製造方法。
  6. 請求項5において、
    前記ゾル状前駆体溶液の焼成温度は、600〜800℃である、圧電体膜の製造方法。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の圧電体膜の製造方法により形成された圧電体膜を備えた、圧電素子。
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