JP2009105088A - 半導体発光素子およびそれを用いる照明装置ならびに半導体発光素子の製造方法 - Google Patents

半導体発光素子およびそれを用いる照明装置ならびに半導体発光素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ナノコラムLEDにおいて、光取出し効率を向上する。
【解決手段】Si基板3上にEB蒸着によってSiO薄膜4を50nm蒸着し、さらにEB蒸着によって反射部材5となるロジウム(Rh)薄膜6を1μm蒸着する(図2(a))。この後、パターニングされたフォトレジスト7を形成し、それをマスクとしてロジウム薄膜6をテーパーエッチングし、フォトレジスト7を除去することで、ロジウムから成る円錐台状の反射部材5を形成する(図2(b))。その後、通常のナノコラムの作製工程を経て、ナノコラム2および電極12,14,15を形成する。したがって、発光層10から放射された光の内、円盤状の該発光層(量子ディスク)10の外周側へ放射された光を、光取出し面方向に反射することができるので、光取出し効率を向上することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体内で電子と正孔とを結合させて発光させる半導体発光素子およびそれを用いる照明装置ならびに半導体発光素子の製造方法に関し、特に前記半導体発光素子としては、ナノコラムやナノロッドなどと称されるナノスケールの柱状結晶構造体を複数有して成るものに関する。
近年、窒化物半導体もしくは酸化物半導体で構成された発光層を有する半導体発光素子が注目されている。この発光素子の構造は、主として、サファイア基板を用い、発光層の下部にシリコン(Si)がドーピングされたn−GaN層から成るn−クラッド層およびコンタクト層、発光層の上部にマグネシウム(Mg)がドーピングされたp−AlGa1−xNから成る電子ブロック層、電子ブロック層の上部にp−GaNのコンタクト層がそれぞれ形成されて構成されている。これらのプレーナー型の発光素子(LED)は、基板のサファイアと、窒化物や酸化物の半導体層との格子定数が大きく異なり、かつ基板上に薄膜として形成されるので、結晶内に非常に多くの貫通転位を含んでおり、発光素子の効率を増加させるのは困難であった。
そこで、このような問題を解決する手法の従来例として、特許文献1が知られている。図5は、その従来技術による発光ダイオード(LED)31の構造を示す断面図である。この従来例では、サファイア基板32上に、n型GaNバッファ層33を形成した後、アレイ状に配列された多数の前記柱状結晶構造体(ナノコラム)34を形成しており、そのGaNナノコラム34間に、該柱状結晶構造体34の保護等のために透明絶縁物層35を埋め込んだ後、透明電極36および電極パッド37,38が成膜されて構成されている。特に青色GaNナノコラムは、n型GaNナノコラム34a、発光層(InGaN量子井戸)34b、p型GaNナノコラム34cから構成されている。
このGaNナノコラムLED31では、プレーナー型LEDのように、GaNエピ層成長時に点在していた成長核が横(面)方向に結合した後、平面で縦方向に成長してゆくというのではなく、成長核が前記横(面)方向に結合する前に縦方向に成長するので、貫通転位は原理上存在せず、貫通転位の周りに発生する点欠陥もプレーナー型と比較して圧倒的に少ないことが期待できる。このため、プレーナー型LEDに比べて極めて結晶品質の良いGaN単結晶が得られ、内部量子効率も飛躍的に向上することが期待できる。
特開2005−228936号公報
上述のように構成されるナノコラムLED31では、発光層34bは、pn接合もしくは量子井戸で形成されており、形状としては、プレーナー型LEDと異なり、円盤状になっている。このため量子ディスクとも呼ばれる。一方、GaNナノコラムの場合、周囲より屈折率が高い(約2.5)ので、ナノコラム中をガイドされて端面から放出される光も多いが、一部は上記量子ディスクの周辺から直接ナノコラム外部へ放射される。しかしながら、ナノコラムは単独で用いられることはまずなく、ナノコラムアレイとして、複数本のナノコラムが、p電極およびn電極を共通化されて用いられる。したがって、前記ナノコラムアレイの内側のナノコラムにおいてその量子ディスク周辺から放射された光は、周囲のナノコラムを通ってナノコラムアレイの外部へ向かうが、その一部はナノコラム内に存在する点欠陥やナノコラム表面に存在する深い準位にトラップされて吸収され、ロスとなる。そして、光出力を上げるためにナノコラムの本数を増加する程、前記吸収ロスの増大を招くことになる。このように、上記ナノコラム構造の半導体発光素子には、光取り出し効率に課題がある。
本発明の目的は、光取り出し効率を向上することができる半導体発光素子およびそれを用いる照明装置ならびに半導体発光素子の製造方法を提供することである。
本発明の半導体発光素子は、基板上に、n型半導体層と、発光層と、p型半導体層とを順に積層したナノスケールの柱状結晶構造体を複数有する半導体発光素子において、前記発光層から放射された光を該柱状結晶構造体の積層方向に反射させる反射部材を備えることを特徴とする。
上記の構成によれば、基板またはその上に必要に応じて適宜形成されたバッファ層上に、n型の窒化物または酸化物の半導体層と、発光層と、p型の窒化物または酸化物の半導体層とを順に積層したナノスケールの柱状結晶構造体(ナノコラム)を複数有する半導体発光素子において、前記発光層から放射された光の内、円盤状の該発光層(量子ディスク)の外周側へ放射された光を柱状結晶構造体の積層方向に反射させる反射部材を設ける。
したがって、前記円盤状の発光層(量子ディスク)の外周側へ放射された光も、光取出し面に向う割合が高くなり、再び他の柱状結晶構造体に入射し、吸収されてしまうことを抑えることができる。こうして、光取出し効率を向上することができる。
また、本発明の半導体発光素子では、前記反射部材は、錐形状に形成され、前記基板上に離散配置されて成ることを特徴とする。
上記の構成によれば、前記反射部材が、錐形状、理想的には円錐形状に形成され、前記基板またはバッファ層上に、適度に間隔を隔てて、好ましくは格子状に離散配置される。
したがって、発光層から基板側へ出た光は、その反射部材の斜面で、前記柱状結晶構造体の積層方向、すなわち基板とは反対方向に反射される。これによって、上述のように光取出し面に向う割合を高めることができる。
さらにまた、本発明の半導体発光素子では、前記反射部材は、前記複数の柱状結晶構造体を囲む壁から成り、その内壁側に傾斜を有するすり鉢形状に形成されることを特徴とする。
上記の構成によれば、前記反射部材を、前記複数の柱状結晶構造体を囲む壁によって形成し、その壁の内壁面に傾斜を持たせてすり鉢形状に形成する。
したがって、発光層から基板側へ出た光は、その反射部材の斜面で、前記柱状結晶構造体の積層方向、すなわち基板とは反対方向に反射される。これによって、上述のように光取出し面に向う割合を高めることができる。
また、本発明の半導体発光素子では、前記反射部材は、ロジウム、または母材にロジウムが成膜されて成ることを特徴とする。
上記の構成によれば、ロジウムは融点が1900℃と、GaN成長の1000℃で溶けず、また発光層からの青色光に対する反射率が80%以上と高い反射率を有し、前記反射部材として極めて好適である。
さらにまた、本発明の半導体発光素子では、前記反射部材の高さは、前記柱状結晶構造体における前記発光層の高さよりも高いことを特徴とする。
上記の構成によれば、前記円盤状の発光層(量子ディスク)から、前記基板方向(柱状結晶構造体の積層方向とは反対方向)に放射された光だけでなく、側方(柱状結晶構造体の軸直角方向)から光取出し面方向(柱状結晶構造体の積層方向)へ放射された光も、前記柱状結晶構造体の積層方向、すなわち基板とは反対方向に反射することができる。
また、本発明の照明装置は、前記の半導体発光素子を用いることを特徴とする。
上記の構成によれば、光取出し効率の向上によって、同じ光束(輝度、照度)を得るにも、小型で低消費電力な照明装置を実現することができる。
さらにまた、本発明の半導体発光素子の製造方法は、基板上に、n型半導体層と、発光層と、p型半導体層とを順に積層したナノスケールの柱状結晶構造体を複数有する半導体発光素子の製造方法において、前記基板上に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜上に反射部材を形成する工程と、前記柱状結晶構造体を成長させるべき配置位置で、成長させるべき柱径に対応した形状に前記絶縁膜をパターニングして、前記基板またはバッファ層が露出するように開口を穿設する工程と、前記開口部内で露出した前記基板から、前記柱状結晶構造体を順次結晶成長させる工程とを含むことを特徴とする。
上記の構成によれば、前述のような反射部材を有する光取出し効率を向上することができる半導体発光素子を作製することができる。また、前記絶縁膜によって反射部材は柱状結晶構造体から電気的に絶縁されており、リークもしくはショートパスを形成する懸念がなく、また柱状結晶構造体を形成する工程に最小の工程を付加することで本発明を実現できるので、製造コストも安価で量産工程に適しているという利点を有する。
また、本発明の半導体発光素子の製造方法では、前記反射部材を形成する工程は、該反射部材の材料を成膜する工程と、成膜された反射部材の膜上に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜をパターニングする工程と、パターニングされた絶縁膜をマスクとして、前記反射部材の膜をテーパーエッチングする工程とを含むことを特徴とする。
上記の構成によれば、テーパーエッチングによって反射部材の外周に斜面を形成することができ、前記発光層から放射された光を柱状結晶構造体の積層方向に反射させることが可能になる。
本発明の半導体発光素子は、以上のように、基板またはその上に必要に応じて適宜形成されたバッファ層上に、n型の窒化物または酸化物の半導体層と、発光層と、p型の窒化物または酸化物の半導体層とを順に積層したナノスケールの柱状結晶構造体を複数有する半導体発光素子において、前記発光層から放射された光の内、円盤状の該発光層の外周側へ放射された光を柱状結晶構造体の積層方向に反射させる反射部材を設ける。
それゆえ、前記円盤状の発光層の外周側へ放射された光も、光取出し面に向う割合が高くなり、再び他の柱状結晶構造体に入射し、吸収されてしまうことを抑えることができる。こうして、光取出し効率を向上することができる。
また、本発明の半導体発光素子は、以上のように、前記反射部材を、錐形状に形成し、前記基板またはバッファ層上に、適度に間隔を隔てて離散配置する。
それゆえ、発光層から基板側へ出た光は、その反射部材の斜面で、前記柱状結晶構造体の積層方向、すなわち基板とは反対方向に反射され、上述のように光取出し面に向う割合を高めることができる。
さらにまた、本発明の半導体発光素子は、以上のように、前記反射部材を、前記複数の柱状結晶構造体を囲む壁によって形成し、その壁の内壁面に傾斜を持たせてすり鉢形状に形成する。
それゆえ、発光層から基板側へ出た光は、その反射部材の斜面で、前記柱状結晶構造体の積層方向、すなわち基板とは反対方向に反射され、上述のように光取出し面に向う割合を高めることができる。
また、本発明の半導体発光素子は、以上のように、前記反射部材を、融点が1900℃と、GaN成長の1000℃で溶けず、また発光層からの青色光に対する反射率が80%以上と高い反射率を有するロジウムまたは母材にそれを成膜して成る。
それゆえ、前記反射部材として極めて好適である。
さらにまた、本発明の半導体発光素子は、以上のように、前記反射部材の高さを、前記柱状結晶構造体における前記発光層の高さよりも高くる。
それゆえ、前記円盤状の発光層から、前記基板方向に放射された光だけでなく、側方から光取出し面方向へ放射された光も、前記柱状結晶構造体の積層方向、すなわち基板とは反対方向に反射することができる。
また、本発明の照明装置は、以上のように、前記の半導体発光素子を用いる。
それゆえ、光取出し効率の向上によって、同じ光束(輝度、照度)を得るにも、小型で低消費電力な照明装置を実現することができる。
さらにまた、本発明の半導体発光素子の製造方法は、以上のように、基板上に、n型半導体層と、発光層と、p型半導体層とを順に積層したナノスケールの柱状結晶構造体を複数有する半導体発光素子の製造方法において、前記基板上に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜上に反射部材を形成する工程と、前記柱状結晶構造体を成長させるべき配置位置で、成長させるべき柱径に対応した形状に前記絶縁膜をパターニングして、前記基板またはバッファ層が露出するように開口を穿設する工程と、前記開口部内で露出した前記基板から、前記柱状結晶構造体を順次結晶成長させる工程とを含む。
それゆえ、前述のような反射部材を有する光取出し効率を向上することができる半導体発光素子を作製することができる。また、前記絶縁膜によって反射部材は柱状結晶構造体から電気的に絶縁されており、リークもしくはショートパスを形成する懸念がなく、また柱状結晶構造体を形成する工程に最小の工程を付加することで本発明を実現できるので、製造コストも安価で量産工程に適しているという利点を有する。
また、本発明の半導体発光素子の製造方法は、以上のように、前記反射部材を形成する工程を、該反射部材の材料を成膜する工程と、成膜された反射部材の膜上に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜をパターニングする工程と、パターニングされた絶縁膜をマスクとして、前記反射部材の膜をテーパーエッチングする工程とで行う。
それゆえ、テーパーエッチングによって反射部材の外周に斜面を形成することができ、前記発光層から放射された光を柱状結晶構造体の積層方向に反射させることが可能になる。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の第1の形態に係る半導体発光素子である発光ダイオード(LED)1の構造を模式的に示す斜視図であり、図2はその製造工程を模式的に示す断面図である。本実施の形態では、ナノコラム2はGaNを例に挙げるが、そのような窒化物に限らず、酸化物や酸窒化物などを含む化合物半導体発光素子の総てについても当てはまることは言うまでもない。また、成長用基板3としてSiを用いているが、それに限定されるものではなく、たとえばサファイア、GaN、SiC、SiO、ZnO、AlN等を用いることもできる。前記サファイアやGaN等の絶縁性基板の場合は、電極引出しのために、適宜バッファ層が設けられればよい。
さらにナノコラム2の形成にあたっては、フォトリソグラフィが用いられるが、その形成方法は本方法に限定されるものではなく、たとえば電子ビーム露光などの方法を用いても良いことは言うまでもない。また、本実施の形態および後述する他の実施の形態では、ナノコラム2の成長は、有機金属気相成長(MOCVD)によって行うことを前提としているが、ナノコラム2の成長方法はこれに限定されるものではなく、分子線エピタキシー(MBE)やハイドライド気相成長(HVPE)等の装置を用いてもナノコラムが作製可能であることは公知である。以下、特に断らない限り、MOCVD装置を用いるものとする。
先ず、図2(a)で示すように、Si基板3の上に、EB蒸着によって、SiO薄膜4が50nm蒸着され、引き続きこのSiO薄膜4上に、EB蒸着によって、反射部材5となるロジウム(Rh)薄膜6が1μm蒸着される。この後、蒸着されたロジウム薄膜6上に、パターニングされたフォトレジスト7を形成し、そのフォトレジスト7をマスクとして、前記ロジウム薄膜6をテーパーエッチングし、フォトレジスト7を除去すると、図2(b)で示すように、前記SiO薄膜4上に、ロジウムから成る円錐台状の反射部材5が形成される。
たとえば、ナノコラム2の径が100nm、高さが1.2μmであるのに対して、この反射部材5の上底(絶縁膜7)の幅は100nmであり、45°程度の傾斜とすると、下底の径が1.1μmとなり、高さが前記1μmとなる。前記パターニングされたフォトレジスト7の作成は、通常のリソグラフィ技術を用いて形成することができるが、商業ベースの量産では、ナノインプリントを用いることが好ましい。前記テーパーエッチングの手法は、たとえば特許文献2(特開平10−214826号公報)に記載されている。
続いて、通常のリソグラフィ技術とエッチング技術とを用いて、露出したSiO薄膜4のナノコラム2を形成する箇所に、図2(c)で示すように、直径100nmの開口部8を設け、Si基板3を露出させる。その後、上記基板3全体をMOCVD装置に入れて温度を900℃に設定し、この温度を保持しながらGaN結晶成長の成長ガスであるTMG(トリメチルガリウム)とNH(アンモニア)とを供給すると、露出したSi基板3の表面にはGaとNとが吸着し、互いに結合してGaN結晶格子を形成する。一方、SiO薄膜4上に堆積したGaとNとは、該SiO薄膜4表面に長くとどまることができずに離脱し、該SiO薄膜4上にはGaN単結晶は形成されない。こうして、図2(d)から図2(e)で示すように、開口部8にのみナノコラム2が成長する。
以下は、ナノコラム2の通常の作製方法であり、当業者には公知であるので、ここでの詳しい説明は省略するが、図2(e)で示すように、先ず上記Si基板3からのGaN単結晶の成長において、Siをドーピングすることで高さ方向にn型GaN層9を成長させ、次にInをドーピングすることでGaN/InGaNの多重量子井戸構造(MQW)から成る発光層(活性層)10を成長させ、続いてAlをドーピングすることでAlGaN電子障壁層を形成し、最後にMgをドーピングすることでp型GaN層11を成長させ、所要の高さで工程を終了する。
このとき、前記900℃の高温のGaN成長時には、ロジウムとGaNとの結合エネルギーより上記温度が高いために、反射部材5の表面にGaNは付着しないけれども、発光層10を成長させる際は、Inをドープするために温度を700℃程度まで低下させるので、高温では堆積しなかったGaNも、前記反射部材5の表面に多結晶で成長する可能性がある。しかしながら、反射部材5が略円錐でテーパーを持った構造であることから、堆積厚みは極めて薄く、たとえば10nm以下と発光波長よりも充分短く、また元々それらは発光波長に対して透明であるので、この堆積層13が反射部材5の反射率に影響を与えることは殆どない。しかしながら、この堆積層13を完全に除去したい場合には、p型GaN層11成長後に、全体をICPで軽くエッチングすることで、該p型GaN層11に多少のダメージを与えるが、それで除去することもできる。
そして、前記p型GaN層11を成長させる際に、その径を徐々に広げて互いに重なり合わせ、p型層のプレーナー構造を形成させる。これは、一般にNHの流量、キャリアガスHの流量、もしくは成長温度を徐々に変えてゆくことで実現できる。このように成長させることで、後述のp型電極14の形成の際にn型GaN層9とp型GaN層11との短絡が防止され、該p型電極14の形成が可能となる。このような成長方法は、たとえば非特許文献1(A.Kikuchi,M.Kawai,M.Tada and K.Kishino:Jpn.J.Appl.Phys.43(2004)L1524)に記載されている。
その後、「リフトオフ」というリソグラフィ技術を用いて、図2(f)で示すように、レジスト16を塗布し、前記p型GaN層11が露出するまでレジストを除去し、スパッタ蒸着によって、Ni5nm/ITO25nmの積層膜をナノコラム2上に積層して、p型透明電極12とする。再びレジストを塗布し、露光、現像によって前記p型電極14となる部分のレジストを除去し、レジストの上からNi30nm/Au500nmの積層膜を蒸着した後、現像液に浸けて、レジスト16も合わせて除去することで、図2(g)で示すように、p型透明電極12上に、部分的にp型電極パッド14を形成する。さらにその後、Si基板3の裏面に、Ti30nm/Au500nmを全面蒸着して、n型電極15を形成する。こうして、図1で示すLED1を作製することができる。
なお、前記レジスト16は、p型透明電極12やp型電極パッド14の形成にあたって、それらの材料でn型GaN層9とp型GaN層11とが短絡しないように埋込まれるものであり、充分洗浄すれば除去することができ、特性上問題ない。
以上のように、本実施の形態のLED1は、Si基板3上に、n型GaN層9と、発光層10と、p型GaN層11とを順に積層したナノコラム2を複数有するLEDにおいて、前記発光層10から放射された光の内、円盤状の該発光層(量子ディスク)10の外周側へ放射された光をナノコラム2の積層方向に反射させる反射部材5を備えているので、前記円盤状の発光層(量子ディスク)10の外周側へ放射された光も、光取出し面(p型透明電極12側)に向う割合が高くなり、再び他のナノコラム2に入射し、吸収されてしまうことを抑えることができる。そして、この反射部材5を適当な密度で配置することで、多数本のナノコラム2における光吸収ロスをある一定の値にとどめることができ、光取出し効率を向上することができる。
なお、前記反射部材5の密度は、高くなる程ナノコラム2の本数が減少して発光光量の減少を招くので、該反射部材5の占有面積や反射率などを勘案して、適宜定められればよい。図1や図2等では、説明し易くするために、反射部材5の割合を多く描いているが、たとえば、1mm角の素子に、100nm径のナノコラム2は1000×1000本植立され、1.1μm径の反射部材5は、ナノコラム100本につき1本程度である。
また、好ましくは前記反射部材5を格子状に配置して、ある一定のナノコラムアレイ本数を該反射部材5で囲い込むことで、格子内のナノコラムから放出され、反射部材5に到達した光はすべて所望の方向(ナノコラム2の積層方向)へ反射され、格子外のナノコラムに吸収されることを防止でき、より光取出し効率を向上させることができる。
さらに、前記反射部材5を、錐形状、理想的には円錐形状に形成することで、発光層10から基板3側へ出た光は、その反射部材5の斜面で、ナノコラム2の積層方向、すなわち基板3とは反対方向に反射されるので、光取出し面に向う割合を高めることができる。ここで、図1および図2では、反射部材5は、前記円錐台状であるけれども、これは前記フォトレジスト7を形成していたことによるもので、該フォトレジスト7を剥いだ後、再度エッチングすることで、円錐等、尖鋭に形成でき、また底部の径、すなわち占有面積も縮小することができるが、高さも若干低くなる可能性があるので、その分、高く形成しておく必要がある。
さらにまた、前記反射部材5をロジウムで形成することで、該ロジウムは融点が1900℃と、GaN成長の1000℃程度では溶けず、また発光層10からの青色光に対する反射率が80%以上(たとえば、発光波長が460−470nmに対して、ロジウムは反射率90%を有する。)と高い反射率を有する。前記反射率は、少なくとも80%以上なければ、反射部材5による吸収ロスが大きく、効果が低減する。一方、たとえば、白金、銀も反射率は高いが、融点が低く、アルミは融点は高いが、青色光に対する反射率が低い。したがって、前記ロジウムが前記反射部材5として極めて好適である。なお、反射部材5全体がロジウムで形成されていなくてもよく、反射部材5となる母材に、ロジウムが成膜されて形成されてもよい。
また、前記反射部材の高さを、前述のように1μmとし、ナノコラム全体の高さを前述のように1.2μmとするのに対して、前記発光層10の高さを0.9μmとする。ここで、反射部材5の高さが発光層10より低いと放出された光は該反射部材5を越えて進んでしまい、その効果が損なわれ、また反射部材5の高さがナノコラム2自体よりも高いとナノコラム2の先端にナノコラムアレイ20共通の電極層(p型透明電極12)を設ける際に邪魔になる。前記ロジウムは金属であり、反射部材5と共通電極(p型透明電極12)とは電気的に絶縁しておく必要がある。したがって、上記の高さに設定することで、前記円盤状の発光層(量子ディスク)10から、前記基板3方向(ナノコラム2の積層方向とは反対方向)に放射された光だけでなく、側方(ナノコラム2の軸直角方向)から光取出し面方向(ナノコラム2の積層方向)へ放射された光も、前記ナノコラム2の積層方向、すなわち基板3とは反対方向に反射することができるとともに、反射部材5とp型透明電極12との干渉も回避することができる。
さらにまた、前記SiO薄膜4によって反射部材5はナノコラムアレイ20から電気的に絶縁されており、リークもしくはショートパスを形成する懸念がなく、またナノコラムアレイ20を形成する工程に最小の工程を付加することで本発明を実現できるので、製造コストも安価で量産工程に適している。
[実施の形態2]
図3は、本発明の実施の第2の形態に係る半導体発光素子である発光ダイオード(LED)21の構造を模式的に示す斜視図であり、図4はその平面図である。このLED21の構造は上述のLED1に類似し、また製法も同様であり、対応する部分には同一の参照符号を付して示し、その説明を省略する。注目すべきは、本実施の形態では、前記ロジウムから成る反射部材は、ナノコラムアレイ20を外囲する周壁25から成り、その内周側に傾斜を有するすり鉢形状に形成されることである。前記周壁25は、これらの図3および図4では現れていないけれども、前記SiO薄膜4によってナノコラムアレイ20から電気的に絶縁されているが、このナノコラムアレイ20と該周壁25との間は、間隙22を隔てて形成されている。
したがって、発光層10から基板3側へ出た光は、その周壁25の斜面で、ナノコラム2の積層方向、すなわち基板3とは反対方向に反射されるので、これによってもまた、上述のように光取出し面に向う割合を高め、光取出し効率を向上することができる。なお、前述の反射部材5とこの周壁25とが併用されてもよい。
ここで、酸化物半導体であるZnOは、発光素子として非常に優れた特性を有している。励起子の結合エネルギが60meVと、GaNの2〜3倍であり、内部量子効率がGaNに比べて高くなる可能性がある上、屈折率は約2であり、GaNの屈折率2.5に比べて小さく、光取出しの点で圧倒的に有利である。また材料自身が安価であることも商業ベースで考えると魅力的である。
そこで、上述の実施の形態1,2は、窒化物半導体であるGaN系ナノコラムについて述べているが、結晶構造上、よく似ている酸化物半導体であるZnOについても、全く同じ構造の半導体発光素子を、同様に作製することができる。詳述すれば、以下のとおりである。
GaNとZnOとは、共に六方晶系の結晶構造を持ち、結晶の格子定数も近い。バンドギャップも、GaNの3.4に対して、ZnOは3.3と、これもまた近い。両方とも直接遷移型半導体である。したがってGaNでナノコラムが形成されるのであれば、ZnOでもナノコラムが形成できる。実際、非特許文献2(W.I.Park, Y.H.Jun, S.W.Jung and Gyu-Chul Yi Appl.Phys.Lett. 964(2003))では、MOCVD法を用いて、サファイア基板上にZnOのナノコラム(同文献ではナノロッドと呼んでいる)を形成している。
上述のように構成されるLED1,21を照明装置に用いることで、同じ光束(輝度、照度)を得るにも、小型で低消費電力な照明装置を実現することができる。
本発明の実施の第1の形態に係る半導体発光素子である発光ダイオード1の構造を模式的に示す斜視図である。 図1で示す発光ダイオードの製造工程を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の第2の形態に係る半導体発光素子である発光ダイオードの構造を模式的に示す斜視図である。 図3の平面図である。 典型的な従来技術の発光ダイオードの構造を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1,21 発光ダイオード(LED)
2 ナノコラム
3 Si基板
4 SiO薄膜
5 反射部材
6 ロジウム薄膜
7 フォトレジスト
9 n型GaN層
10 発光層
11 p型GaN層
12 p型透明電極
13 堆積層
14 p型電極
15 n型電極
16 レジスト
20 ナノコラムアレイ
25 周壁

Claims (8)

  1. 基板上に、n型半導体層と、発光層と、p型半導体層とを順に積層したナノスケールの柱状結晶構造体を複数有する半導体発光素子において、
    前記発光層から放射された光を該柱状結晶構造体の積層方向に反射させる反射部材を備えることを特徴とする半導体発光素子。
  2. 前記反射部材は、錐形状に形成され、前記基板上に離散配置されて成ることを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
  3. 前記反射部材は、前記複数の柱状結晶構造体を囲む壁から成り、その内壁側に傾斜を有するすり鉢形状に形成されることを特徴とする請求項1または2記載の半導体発光素子。
  4. 前記反射部材は、ロジウム、または母材にロジウムが成膜されて成ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  5. 前記反射部材の高さは、前記柱状結晶構造体における前記発光層の高さよりも高いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  6. 前記請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体発光素子を用いることを特徴とする照明装置。
  7. 基板上に、n型半導体層と、発光層と、p型半導体層とを順に積層したナノスケールの柱状結晶構造体を複数有する半導体発光素子の製造方法において、
    前記基板上に絶縁膜を形成する工程と、
    前記絶縁膜上に反射部材を形成する工程と、
    前記柱状結晶構造体を成長させるべき配置位置で、成長させるべき柱径に対応した形状に前記絶縁膜をパターニングして、前記基板またはバッファ層が露出するように開口を穿設する工程と、
    前記開口部内で露出した前記基板から、前記柱状結晶構造体を順次結晶成長させる工程とを含むことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  8. 前記反射部材を形成する工程は、
    該反射部材の材料を成膜する工程と、
    成膜された反射部材の膜上に絶縁膜を形成する工程と、
    前記絶縁膜をパターニングする工程と、
    パターニングされた絶縁膜をマスクとして、前記反射部材の膜をテーパーエッチングする工程とを含むことを特徴とする請求項7記載の半導体発光素子の製造方法。
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