JP2009104903A - 加熱コイル装置及び高周波加熱装置 - Google Patents

加熱コイル装置及び高周波加熱装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高周波電源から加熱コイルまでの配線インダクタンスを低減して、加熱効率を向上させる加熱コイル装置及び高周波加熱装置を提供する。
【解決手段】棒状の被加熱物に対して装着する環状の加熱コイル装置11と、高周波電源と、を含んでおり、加熱コイル装置11が、円環状に巻回した一次巻線13a及び一次巻線13aに隣接して配置され同様に円環状に巻回した二次巻線13bから成るトランス13と、トランスの二次巻線13bと接続され且つ同様に円環状に巻回した加熱コイル12と、を含み、トランスの一次巻線13aと高周波電源をリード線15a,15bにより接続するように高周波加熱装置を構成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、加熱コイル装置及び高周波加熱装置に関する。さらに詳しくは、本発明は、高周波電源により加熱コイルを駆動してPC鋼撚線等の鋼材の加熱や切断を行うための加熱コイル装置及びこの加熱コイル装置を用いた高周波加熱装置に関する。
一般の建設工事において、アンカーがコンクリート構造物の補強のために使用されている。アンカーには所謂PC鋼からなる撚線や棒などの鋼材がコンクリートと共に埋め込まれている。PC鋼材は、引張りに弱いコンクリートに予め圧縮力を付与してその性質を改善し、コンクリートの強度を一段と高める高強度の鋼材である。工事で使用したアンカーにおいて、PC鋼材は工事完成後に除去する必要がある。
図7は、従来の建設工事におけるPC鋼撚線から成るアンカーの切断作業を示す説明図である。図7に示すように、地中の耐荷体51に係合して張没しているアンカーは、PC鋼撚線52がU字状になっており、一対の端部52a,52bが地表に露出している。このアンカーを除去する場合、PC鋼撚線52の一方の端部52aを矢印Aで示すようにガス溶断により切断し、他方の端部52bを大型クレーン等の重機により矢印B方向に引っ張ることでPC鋼撚線52全体を地中から引き抜くようにしている。しかしながら、このようなアンカーの除去方法では、アンカーが途中で切断してその一部が地中に残ってしまうことがあり、アンカーの完全な除去が望まれている。また、アンカーを引き抜くときの摩擦を軽減させるためにPC鋼撚線の周囲にグリースを付着させるが、アンカーの引き抜き時にグリースの飛散が起こり易く、工事現場の養生が必要となり、作業時間及びコストが増大していた。
そこで、アンカー設置前に、アンカーの切断したい部分、例えば地中の最も深い部分に加熱コイルを取り付けてアンカーを地中に設置しておき、アンカーを除去する場合、地上から加熱コイルに対して高周波電流を流し、加熱コイルの誘導加熱によりアンカーを加熱して溶断する技術が用いられている。以下具体的に説明する。
図8は、従来のアンカー切断用の高周波加熱装置53の構成とアンカーに対する加熱コイルの設定状態とを示す概略図である。
図8に示すように、地中に埋設されたコンクリート塊54から地表まで延びる一対のPC鋼撚線55a,55bから成るアンカー55に対し、コンクリート塊54に近い切断箇所でアンカー55を包囲するように加熱コイル56が配置される。この加熱コイル56に対してアンカー55に沿って一対のリード線57a,57bが敷設され、リード線57a,57bは地表まで延びて端部を露出している。
アンカー55を切断する場合、地表に露出した端部に対して高周波電源58が接続され、高周波電源58からリード線57a,57bを介して高周波電流が加熱コイル56に流される。したがって、加熱コイル56を流れる高周波電流により、加熱コイル56によって包囲されたアンカー55の部分が加熱され、溶断される。
これに対して、特許文献1には、アンカーの引張り部材を所定の位置で切断するための装置が開示されている。この装置では、PC鋼撚線を切断位置で、一次巻線としてのコイルが、熱緩衝層及び耐熱性且つ常磁性の材料から成る担持管体を介して包囲している。特許文献1では、この担持管体が第一の二次巻線を、PC鋼撚線が第二の二次巻線を構成するので、一次巻線に対して高周波電流を流すことにより、PC鋼撚線を切断位置で溶断することを開示している。
特許第3163207号公報
ところで、上述した高周波加熱装置53においては、被加熱物であるPC鋼撚線55a,55bから成るアンカー55の周りに巻回された加熱コイル56に対して、高周波電源58からリード線57a,57bを介して高周波電流が流される。
図9は図8の高周波加熱装置における電気回路の等価回路図である。図9に示すように、リード線57a,57bは一般に平均15〜20m程度の長さがあるので、高周波電流を流したとき10μH〜20μH程度の配線インダクタンスL1を有する。これに対して、加熱コイル56のインダクタンスL2は、例えば4μH程度である。したがって、これらのインダクタンスによるインピーダンスωL1,ωL2は、ωL1>ωL2の関係にあるので、高周波電源58からの高周波電圧は、リード線57a,57bへより高く印加されることになり、加熱コイル56における加熱効率が低下してしまう。
図10は、図8の高周波加熱装置により加熱された被加熱物の温度分布を示すグラフである。図10に示す加熱コイル56自体は約50mm程度の長さd1を有している。したがって、アンカー55は、加熱コイル56の全長に対応する部分で、所定温度、例えば500℃程度に加熱され、その外側で徐々に温度が低下する。
このため、加熱コイル56によるアンカー55の加熱対象領域が大きくなってしまい、消費電力がより増大してしまうことになる。
これに対して、特許文献1による装置においては、加熱コイルの内側に二次巻線に相当する金属管、即ち担持管体を配置することにより、担持管体に二次誘導加熱効果を生じさせて、担持管体の加熱によりPC鋼撚線を溶断している。このため、加熱コイル内に担持管体を配置する必要があるので、加熱コイル自体が太く且つ長くなってしまい、構造が複雑でコストが増大すると共に、消費電力が増大してしまう。
上記課題に鑑み、本発明の目的は、高周波電源から見た加熱コイルに設けたトランスのインピーダンスを上げて、加熱効率を向上させるようにした加熱コイル装置及び高周波加熱装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の加熱コイル装置は、棒状の被加熱物に対して装着する環状の加熱コイル装置であって、円環状に巻回した一次巻線及びこの一次巻線に隣接して配置され且つ同様に円環状に巻回した二次巻線から成るトランスと、トランスの二次巻線と接続され且つ同様に円環状に巻回した加熱コイルと、を含むことを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明の高周波加熱装置は、棒状の被加熱物に対して装着する環状の加熱コイル装置と、高周波電源と、を含んでおり、加熱コイル装置が、円環状に巻回した一次巻線及びこの一次巻線に隣接して配置され同様に円環状に巻回した二次巻線から成るトランスと、トランスの二次巻線と接続され且つ同様に円環状に巻回した加熱コイルと、を含み、トランスの一次巻線と高周波電源とがリード線により接続されていることを特徴とする。
上記構成によれば、高周波電源から供給される高周波電流がトランスの一次巻線を流れることで、このトランスの二次巻線に発生した誘導電流が加熱コイルを流れる。したがって、加熱コイルを流れる誘導電流によりその内側に配置された被加熱物が加熱される。
この場合、加熱コイル装置の加熱コイルに隣接してトランスが配置されているので、トランスの一次巻線により負荷側のインピーダンスが高くなっている。これにより、高周波電源からトランスの一次巻線までを電気的に接続するリード線が長くても、リード線における配線インダクタンスが、トランスの一次巻線のコイルインダクタンスより十分に小さい。また、トランスの二次巻線の一部が加熱コイルを共用して一次巻線の内側に配置されているので、一次巻線と二次巻線との結合の良いトランスとなっている。
したがって、リード線における電力損失が低減されるので、高周波電源からの電力がリード線におけるよりもトランスの負荷側で多く消費されることになる。特に、加熱コイル装置、即ち加熱コイル及びトランスが軸方向、即ち被加熱物の長手方向の幅に関して、被加熱物の直径よりも短く構成されているので、被加熱物の加熱領域の長さが低減される。したがって、より一層消費電力が少なくて済む。
上記構成において、好ましくは、トランスの一次巻線が加熱コイルの半径方向外側に配置され、トランスの二次巻線が一次巻線の半径方向外側に配置されている。
上記構成によれば、加熱コイル装置全体を小型化することができる。
上記構成において、好ましくは、トランスは、一次巻線と二次巻線との間にコアを備えている。
上記構成によれば、トランスにおける一次巻線と二次巻線間の変換効率が向上する。
上記構成において、好ましくは、リード線が一対の撚り線から構成されている。
上記構成によれば、撚り線の個々の線で生ずる磁界が互いに相殺されることにより、リード線全体のインダクタンスが低減し、負荷側の電力がより一層増大する。
本発明によれば、従来の高周波電源がリード線を介して直接加熱コイルに接続される場合と比較して、加熱コイルにおける加熱効率が向上する。即ち、従来と同じ加熱効果をより少ない電力で得ることができる。よって、高周波電源を例えば冷却水を必要としない小型化することができ、加熱時間も短縮される。
以下、図面に示した実施形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明による加熱コイル装置の一実施形態を組み込んだ高周波加熱装置の構成を示している。
図1において、高周波加熱装置10は、加熱コイル12及びトランス13から成る加熱コイル装置11と、高周波電源14と、これらの加熱コイル装置11と高周波電源14を接続する一対のリード線15a,15bと、から構成されている。
加熱コイル装置11は、地中に埋設されたコンクリート塊4から地表まで延びる一対のPC鋼撚線から成るアンカーなどの被加熱物5に対して、そのコンクリート塊4に近い切断箇所で、アンカー5を包囲するように配置されており、リード線15a,15bの一端が接続されている。
また、高周波電源14は、地表に露出したリード線15a,15bの他端に対して接続されている。
ここで、リード線15a,15bは、所定の断面積、例えば5.5スケア(スケアは、面積の単位であり、1平方mmである。)のビニール被覆電線が使用されており、一般的に例えば平均15〜20m程度の長さを有している。
図2は、図1の高周波加熱装置10における電気回路図である。本発明実施形態による高周波加熱装置10においては、図2に示すように、加熱コイル装置11が、被加熱物5を誘導加熱する加熱コイル12と、この加熱コイル12に隣接して配置されたトランス13と、から構成されている。リード線15a,15bと高周波電源14との間には、図示しない整合回路を設けてもよい。
トランス13は一次巻線13aと二次巻線13bとから構成されており、一次巻線13aがリード線15a,15bを介して高周波電源14に接続され、二次巻線13bは、連結部13cを介して加熱コイル12に対して接続されている。
図3は図1の高周波加熱装置10における加熱コイル装置11の構成を示し、(A)は正面図、(B)は概略斜視図であり、図4は図3(A)のA−A線に沿う加熱コイル装置11の断面図である。図3及び図4に示すように、加熱コイル装置11は、円環状に巻回された加熱コイル12と、この加熱コイル12の半径方向外側に配置されたトランス13の一次巻線13aと、この一次巻線13aの半径方向外側に配置されたトランス13の二次巻線13bと、から構成され、被加熱物5は加熱コイル12の内側に形成された中空部17に装着される。
トランス13の一次巻線13aは、加熱コイル12及び二次巻線13bに対して絶縁層16a,16bを介して、貼着等により固定保持されている。一次巻線13aの両端はそれぞれ引き出されて、先端に接続端子13d,13eが取り付けられている。接続端子13d,13eは、それぞれリード線15a,15bが接続される。
一次巻線13aは、ビニール被覆電線を密巻きにした巻線や表面が絶縁された所定の幅の銅箔を半径方向に巻回した構成とすることができる。
二次巻線13bは、一次巻線13aの半径方向外側に表面が絶縁された所定の幅の銅箔を半径方向に巻回した構成とすることができる。
加熱コイル12は、一次巻線13aの半径方向内側、つまり加熱コイル装置11の最も内側に配置されている。加熱コイル12は、所定の幅の銅箔を半径方向に巻回した構成とすることができる。そして、加熱コイル12の両端は、二次巻線13bから加熱コイル12の両端から引き回された連結部13cにより互いに電気的に接続されている。ここで、加熱コイル12は、一次巻線13a及び二次巻線13bと同一の幅かまたはそれらより狭い幅としても良い。
被加熱物5は加熱コイル装置11の加熱コイル12の内側に形成された中空部17に挿入されて高周波誘導加熱される。ここで、加熱コイル12の被加熱物5に対向する部分は、図示しない絶縁物により絶縁される。この絶縁物は加熱コイル12自体を被覆する絶縁物であってもよいし、加熱コイル12と被加熱物5との間に挿入される円筒状の絶縁フィルムなどであってもよい。
加熱コイル12及びトランス13の一次巻線13a及び二次巻線13bの被加熱物5の軸方向幅d2は、図3及び図4に示すように、被加熱物5の直径よりも短く形成してもよい。被加熱物5の直径を30mmとした場合には、軸方向の長さd2を、例えば10mm程度と短く形成する。加熱コイル12及びトランス13の一次巻線13a及び二次巻線13bは、全体として中空円筒形状や中空楕円筒形状に形成することができる。
図5は図1の高周波加熱装置10における電気回路の等価回路図である。図5の等価回路に示すように、リード線15a,15bは、その長さに基づいて、例えば10〜20μH程度の配線インダクタンスL1を有し、トランス13の一次巻線13aはインダクタンスL2を有している。
ここで、トランス13の一次巻線13aのインダクタンスL2は、リード線15a,15bのインダクタンスL1より十分に大きく選定されている。したがって、これらのインダクタンスによるインピーダンスωL1及びωL2は、ωL1<<ωL2となる。
これにより、高周波電源14から供給される高周波電圧は、上記のωL1<<ωL2の関係から、リード線15a,15bよりもインピーダンスの高いトランス13の一次巻線13aに効率良く印加される。この場合、トランス13の一次巻線13aのインダクタンスL2が大きいので、トランス13の一次巻線13aに印加される高周波電圧が大きくなり、リード線15a,15b及びトランス13の一次巻線13aを流れる高周波電流が小さくなる。このため、リード線15a,15b及びトランス13の一次巻線13aで生じる直列抵抗によるジュール損失も減少させることができる。
本発明の実施形態による高周波加熱装置10は以上のように構成されており、アンカー5を切断する際には、高周波電源14からリード線15a,15bを介して加熱コイル装置11に高周波電流が流される。
これにより、加熱コイル装置11内では、トランス13の一次巻線13aに高周波電流が流れ、二次巻線13bに誘導によって高周波電流が発生する。この高周波電流が、連結部13cを介して加熱コイル12を流れる。したがって、加熱コイル12を流れる高周波電流によって、加熱コイル装置11の内側に位置する被加熱物としてのアンカー5が加熱され、溶断される。
この場合、リード線15a,15bのインダクタンスと比較して、負荷側即ち加熱コイル装置11におけるトランス13の一次巻線13aのインダクタンスが十分に高い。したがって、リード線15a,15bが例えば15〜20m程度と長くても、リード線15a,15bにおける配線インダクタンスが、トランス13の一次巻線13aのコイルインダクタンスより十分に小さい。これにより、リード線15a,15bにおける電力損失が低減されるので、高周波電源14からの電力はより負荷側、即ち加熱コイル装置11側で消費されることになる。したがって、加熱コイル装置11の加熱コイル12における加熱効率が向上する。
図6は、図1の高周波加熱装置10により加熱された被加熱物5の温度分布を示すグラフである。図6に示すように、特に、加熱コイル装置11が軸方向、即ちアンカー5などの被加熱物5の長手方向に関して短く構成されているので、アンカー5の長手方向の温度分布において、所定温度、例えば500℃以上に加熱される部分の長さが前述した加熱コイル装置11の長さd2程度に低減されることになる。
したがって、アンカー5の加熱すべき部分の熱容量が低減されることによって、より一層消費電力が少なくて済む。
このようにして、従来の高周波電源がリード線を介して直接加熱コイルに接続される場合と比較して、加熱コイルにおける加熱効率が向上する。即ち、従来と同じ加熱効果をより少ない電力で得ることができる。よって、高周波電源14を例えば冷却水を必要としない小型に構成することができ、設備コストが低減される。
本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施することができる。例えば、上述した実施形態においては、加熱コイル装置11のトランス13は、コアを備えていないが、一次巻線13aと二次巻線13bとの間にコアを設けるようにしてもよい。コアを設けることで、一次巻線13aと二次巻線13bとの間の変換効率が向上する。
また、上述した実施形態においては、リード線15a,15bは、一般的には所定の断面積を有するビニール被覆電線などが使用されている。リード線15a,15bは、互いに撚った1対の撚り線を使用することも可能である。撚り線を使用する場合には、撚り線の個々の線で生ずる磁界が互いに相殺されることにより、リード線15a,15b全体のインダクタンスが低減するので、負荷側の電力がより一層増大することになる。
以下、本発明による加熱コイル装置及び高周波加熱装置の実施例について詳細に説明する。
実施例1は、図3に示した加熱コイル装置11において、トランス13の一次巻線13aとして、0.12mm厚,幅10mmの銅箔を40回重ね巻きの1ターン(T)として構成し、二次巻線13bとして、0.12mm厚,幅10mmの銅箔を巻数1Tで構成し、加熱コイル12として、二次巻線13bと同じ寸法の銅箔を巻数1Tで構成した。高周波電源14と加熱コイル装置11との接続に用いたリード線15a,15bは、断面積が5.5mmの電線で長さは15mとした。
(比較例)
比較例として、高周波電源14に接続したリード線に単体の加熱コイルを接続した。加熱コイルは、断面積が5.5mmの銅線を密巻きしたものであり、巻数12Tで長さを50mmのコイルとした。
実施例及び比較例について、高周波電源14により周波数40kHz、1kWの電力で被加熱物5となるPC鋼線を15秒間加熱した。PC鋼線としては、1本の直径が4.2mmのPC鋼線を7本撚り合わせた撚り線を2本用いた。各撚り線の直径は12.7mmである。
実施例では、高周波電圧197V,高周波電流7.7Aで、被加熱物5の5点で測定した平均温度が601℃となり、効率倍率(比較例における昇温を1としたときの昇温値の倍率)は1.26であった。つまり、実施例1の場合には、加熱コイル装置11による加熱効率は約30%向上した。
なお、高周波電圧及び高周波電流は、高周波電源14の出力の両端で測定した値である。高周波電圧は、リード線15a,15bを含むトランス13の一次巻線13aに印加される高周波電圧である。
実施例において、リード線15a,15bとして一対の撚線15a,15bを用いた以外は、上記実施例と同様に加熱を行った。撚らないリード線15a,15b及び撚線15a,15bのインダクタンスをLCRメータで測定したところ、それぞれ、10μH、7.4μHであった。リード線15a,15bとして撚線を用いた場合、上記実施例と同じ条件で加熱を行ったところ、加熱効率は、約1.2倍に改善された。
一方、比較例では、加熱コイルの高周波電圧52V,高周波電流22Aで、被加熱物5の5点で測定した平均温度が476℃であった。
上記実施例及び比較例を比較すると、実施例の高周波電圧は比較例の約3.8倍となり、加熱コイル装置11のトランス13の作用によりインピーダンスが増加していることが明白であり、加熱コイル12に印加される高周波電力が増加し、被加熱物5を効率良く加熱できることが判明した。
このようにして、本発明による高周波加熱装置10は、トランス13を設けることで、負荷側のインダクタンスを配線インダクタンスと比較して十分大きくすることにより、負荷側の消費電力を増大させると共に、配線における電力損失を低減させることができる。また、加熱コイル12がトランス13の最内側に配置されており、加熱コイル12もトランスの二次巻き線13bの一部である連結部13cと接続されることで、トランス13の構造の一部となっている。このため、トランスの二次巻き線13bの一部と加熱コイル12とが共用され、加熱コイル12がトランスの一次巻き線13aの内側に配置されていることにより、一次巻線13aと二次巻線13bとの間の結合が良いトランス13となっている。したがって、被加熱物5の加熱効率が向上するので、同じ加熱効果を得るためにはより少ない電力で済むことになる。
以上述べたように、本発明によれば、高周波電源14から加熱コイル装置11までの配線インダクタンスを低減して、加熱効率を向上させるようにした、極めて優れた加熱コイル装置11及び高周波加熱装置10が提供される。
本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれることはいうまでもない。上述した実施形態における、トランス13や加熱コイル12の形状やその材料は、被加熱物5の形状に応じて適宜に設計することが可能である。
本発明による加熱コイル装置の一実施形態を組み込んだ高周波加熱装置を示す概略図である。 図1の高周波加熱装置における電気回路図である。 図1の高周波加熱装置における加熱コイル装置11の構成を示し、(A)は正面図、(B)は概略斜視図である。 図3(A)のA−A線に沿う加熱コイル装置の断面図である。 図1の高周波加熱装置における電気回路の等価回路図である。 図1の高周波加熱装置により加熱された被加熱物の温度分布を示すグラフである。 従来の建設工事におけるPC鋼撚線から成るアンカーの切断作業を示す説明図である。 従来のアンカー切断用の高周波加熱装置の構成とアンカーに対する加熱コイルの設定状態とを示す概略図である。 図8の高周波加熱装置における電気回路の等価回路図である。 図8の高周波加熱装置により加熱された被加熱物の温度分布を示すグラフである。
符号の説明
4:コンクリート塊
5:アンカー(被加熱物)
5a,5b:PC鋼撚線
10:高周波加熱装置
11:加熱コイル装置
12:加熱コイル
13:トランス
13a:一次巻線
13b:二次巻線
13c:連結部
13d,13e:接続端子
14:高周波電源
15a,15b:リード線
16a,16b:絶縁層

Claims (8)

  1. 棒状の被加熱物に対して装着する環状の加熱コイル装置であって、
    円環状に巻回された一次巻線及びこの一次巻線に隣接して配置され且つ同様に円環状に巻回された二次巻線から成るトランスと、
    上記トランスの二次巻線と接続され且つ同様に円環状に巻回された加熱コイルと、を含むことを特徴とする、加熱コイル装置。
  2. 前記トランスの一次巻線が前記加熱コイルの半径方向外側に配置され、前記トランスの二次巻線が前記一次巻線の半径方向外側に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の加熱コイル装置。
  3. 前記トランスは一次巻線と二次巻線との間にコアを備えていることを特徴とする、請求項1または2に記載の加熱コイル装置。
  4. 棒状の被加熱物に対して装着する環状の加熱コイル装置と、高周波電源と、を含んでおり、
    上記加熱コイル装置が、円環状に巻回された一次巻線及びこの一次巻線に隣接して配置され同様に円環状に巻回された二次巻線から成るトランスと、上記トランスの二次巻線と接続され且つ同様に円環状に巻回された加熱コイルと、を含み、
    上記トランスの一次巻線と高周波電源とがリード線により接続されていることを特徴とする、高周波加熱装置。
  5. 前記トランスの一次巻線が前記加熱コイルの半径方向外側に配置され、前記トランスの二次巻線が前記一次巻線の半径方向外側に配置されていることを特徴とする、請求項4に記載の高周波加熱装置。
  6. 前記トランスの一次巻線のインダクタンスが、リード線のインダクタンスより十分に大きいことを特徴とする、請求項4または5に記載の高周波加熱装置。
  7. 前記リード線が一対の撚り線から構成されていることを特徴とする、請求項4から6の何れかに記載の高周波加熱装置。
  8. 前記トランスが、一次巻線と二次巻線との間にコアを備えていることを特徴とする、請求項4から7の何れかに記載の高周波加熱装置。
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