JP2009103253A - 金属管接合部の被覆構造および被覆方法 - Google Patents

金属管接合部の被覆構造および被覆方法 Download PDF

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剛史 細野
Takeshi Okinoya
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Abstract

【課題】異種材料で構成される金属管の接合部を腐食から保護する金属管の接合部の被覆構造および被覆方法を提供する。
【解決手段】金属管の接合部9の被覆構造は、接合された異種材料である第1の金属管7および第2の金属管8と、金属管の接合部9の外周を覆うように設けられるシリコン系接着剤11と、このシリコン系接着剤11の外周に密着して設けられる熱収縮チューブ12と、を備えたものである。また、被覆方法は、金属管の接合部9にシリコン系接着剤11を塗布し、シリコン系接着剤11が十分に固化する前に熱収縮チューブ12をシリコン系接着剤11にかぶせ、熱収縮チューブ12を加熱することにより、シリコン系接着剤11の形状を保持しながら熱収縮チューブ12を収縮させてシリコン系接着剤11に密着させるものである。
【選択図】図2

Description

本発明は、異種材料で形成される金属管同士を接合し、その接合部を保護する金属管接合部の被覆構造および被覆方法に関する。
従来の金属管の接合部の被覆構造としては、接合された鋼管の溶接継手部を熱収縮チューブによって被覆するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。そして、特許文献1に記載の熱収縮チューブは、接着性樹脂層と収縮性樹脂層とからなる2層構造であり、接着性樹脂層としてポリプロピレン系変性樹脂を使用する熱溶融性接着剤が開示されている。
特開平5‐187592号公報
しかしながら、上記従来技術の被覆構造においては、熱溶融性接着剤は吸水性が高いため、結露等により鋼管の表面に付着した水滴が接着性樹脂層に浸透しやすくなる。浸透した水は、接着性樹脂層に留まり、ついには溶接等が施された接合部表面に停滞することになり、接合部で腐食が発生してしまうという問題がある。この問題は、接合される管が電位差の異なる異種材料である場合に顕著である。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、異種材料で構成される金属管の接合部を防食できる金属管接合部の被覆構造および被覆方法を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するため以下の技術的手段を採用する。金属管接合部の被覆構造に係る第1の発明は、接合された異種材料の金属管(7,8)と、この金属管の接合部(9)の外周を覆うように設けられるシリコン系接着剤(11)と、このシリコン系接着剤(11)の外周に密着して設けられる熱収縮チューブ(12)と、を備えることを特徴としている。
この発明によれば、金属管と熱収縮チューブとの間に密に充填された吸水性の低いシリコン系接着剤により金属管の接合部への水滴等の侵入を抑制することができるので、異種材料で構成される金属管の接合部を長きに亘って防食できる金属管接合部の被覆構造が得られる。
また、第2の発明は、接合された異種材料の金属管(7,8)と、この金属管の接合部(9)の外周を覆うとともに金属管(7,8)に密着して設けられる内側熱収縮チューブ(13)と、この内側熱収縮チューブ(13)の外周および金属管(7,8)の外周を覆うように設けられる熱溶融性接着剤(14)と、この熱溶融性接着剤(14)の外周に密着して設けられる外側熱収縮チューブ(15)と、を備えることを特徴としている。
この発明によれば、金属管に密着させた内側熱収縮チューブの外側を熱溶融性接着剤および外側熱収縮チューブによって覆う構成により、第1の金属管および第2の金属管の表面に付着した水滴が熱溶融性接着剤の層に吸水されたとしても、内側熱収縮チューブと金属管との間から浸水するまでには至らず、内側熱収縮チューブ13を有しない従来の被覆構造に比べて高い防食効果を提供することができる。
また、上記異種材料の金属管(7,8)は、蒸気圧縮式ヒートポンプサイクルの構成部品である蒸発器(5)に接続されている第1の金属管(7)と、この第1の金属管(7)に接合される第2の金属管(8)とで構成されており、蒸発器(5)は室外機(10)内部に配置されていることが好ましい。
この発明によれば、屋外の室外機内部に配置される金属管の被覆構造を提供することにより、金属管の表面に水滴が付着しやすい厳しい環境においても高い防食効果を発揮することができる。
また、上記第1の金属管(7)をアルミニウム製とした場合には、上記第2の金属管(8)は銅製またはステンレス製であることが好ましい。また、上記第1の金属管(7)を銅製とした場合には、ステンレス製の第2の金属管(8)を採用することができる。
また、金属管接合部の被覆方法に係る発明は、異種材料の金属管(7,8)同士を接合することにより形成された接合部(9)周辺を被覆するものであって、
金属管の接合部(9)にシリコン系接着剤(11)を塗布し、シリコン系接着剤(11)が十分に固化する前に熱収縮チューブ(12)をシリコン系接着剤(11)にかぶせ、熱収縮チューブ(12)を加熱することにより、シリコン系接着剤(11)の形状を保持しながら固化を進行させるとともに熱収縮チューブ(12)を収縮させてシリコン系接着剤(11)に密着させることを特徴としている。
この発明によれば、シリコン系接着剤により接合部への水滴等の侵入を抑制することができるとともに、シリコン系接着剤の十分な固化を待たないで熱収縮チューブの収縮を行うので、金属管の接合部の被覆をより短時間で行うことができ、生産性の高い金属管接合部の被覆方法が得られる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
本発明の一実施例である第1実施形態について図1〜図3を用いて説明する。図1は、本実施形態および後述する第2実施形態における金属管の接合部の被覆構造が使用される蒸気圧縮式ヒートポンプサイクルの構成を示した概略図である。
蒸気圧縮式冷凍サイクルは、圧縮機1と、この圧縮機1から吐出された高圧冷媒の熱を放熱する加熱用熱交換器2と、この加熱用熱交換器2の下流側の高圧冷媒を減圧膨張させる減圧器4と、室外空気と液相冷媒とを熱交換させる蒸発器5と、を少なくとも備え、これらが環状に接続されることにより構成されている。蒸気圧縮式冷凍サイクルで用いる冷媒はHFC冷媒、二酸化炭素等であり、二酸化炭素を用いた場合には圧縮機1により吐出される高圧冷媒は臨界圧力以上となる。
圧縮機1は、電動モータにより駆動されて冷媒を吸入、圧縮、および吐出するものであり、吐出冷媒温度または吐出冷媒圧力を所定値となるように可変的に制御することができる。また圧縮機1は、電磁クラッチおよびベルトを介して車両走行用エンジンにより回転駆動されるもの、例えば外部からの制御信号により吐出容量を連続的に可変制御できる斜板式可変容量型圧縮機で構成してもよい。
加熱用熱交換器2は、圧縮機1から吐出された高圧冷媒と貯湯タンク20の下部から取り出された水との間で熱交換を行うことにより、高圧冷媒を冷却するとともに水を加熱して湯を沸き上げる熱交換器である。加熱用熱交換器2は水・冷媒熱交換器であり、高圧冷媒が冷媒通路2aを通り、水が水通路2bを通るときに熱交換し、加熱された水は、高温湯となって貯湯タンク20の上部に戻される。
蒸気圧縮式ヒートポンプサイクルを超臨界ヒートポンプサイクルで構成した場合には、一般的なヒートポンプサイクルよりも高温、例えば、85℃〜90℃程度の湯を貯湯タンク20内に蓄えることができる。この蒸気圧縮式ヒートポンプサイクルは、主に料金設定の安価な深夜時間帯の深夜電力を利用して貯湯タンク20内の湯を沸き上げる運転を行う。深夜時間帯の沸き上げ運転は、主に貯湯タンク20内に貯まっている温水が不足しているときに行われる。
減圧器4は、蒸発器5に流入させる冷媒を減圧する装置であり、固定絞り、可変制御式の減圧器等を採用することができ、圧縮機1の容量制御とあいまって湯の沸き上げ能力制御に寄与している。またエジェクタ装置式の減圧器を用いた場合には、加熱用熱交換器2から流出した冷媒を減圧膨張させることにより蒸発器5で蒸発させた気相冷媒を吸引するとともに、膨張エネルギーを圧力エネルギーに変換して圧縮機1の吸入圧力を上昇させることができる。
蒸発器5は、送風機6により屋外空気が蒸発器5に送風され、減圧器4にて減圧された低圧冷媒を蒸発器5において屋外空気から吸熱して蒸発する。またエジェクタ装置式の減圧器を用いた場合には、蒸発器5で蒸発した気相冷媒はエジェクタ装置の吸引部に接続された冷媒配管内を通ってエジェクタ装置内部に吸引され、加熱用熱交換器2から流入してきた冷媒と混合されて昇圧された後、圧縮機1側に流出される。
蒸発器5の冷媒流入部および流出部には第1の金属管7が接続されている。第1の金属管7は、蒸発器5の入口側タンクや出口側タンクと同様の金属材料でできており、ろう付けによりタンクに接合されたり、あるいはコネクタ等を介してタンクと接続されたりしている。第1の金属管7は、蒸発器5につながっている圧縮機1や減圧器4に接続されている第2の金属管8と接合されて金属管の接合部9を形成している。室外機10の内部には、減圧器4、蒸発器5、送風機6、圧縮機1、第1の金属管7、第2の金属管8および金属管の接合部9が収納されている。
第1の金属管7と第2の金属管8は電位差の異なる異種材料でできている。例えば、第1の金属管7の材料をアルミニウムとした場合には、第2の金属管8の材料は銅またはステンレスとする。また第1の金属管7の材料を銅とした場合には、ステンレス製の第2の金属管8を採用する。これらの接合には、共晶結合(ある温度で金属同士を接触させて共晶合金を形成する接合)、フラッシュパット接合、摩擦攪拌接合(Friction Stir Welding(略称FSW)やFriction Spot Joining(略称FSJ)などを含むものとする)、ろう付け接合、半田付け、溶接等を用いることができる。なお、ここでいう摩擦攪拌接合は、被接合物を溶かさないで固体状態を維持したまま、摩擦熱により被接合物の組織内部を攪拌、流動させて一体化する接合技術を広く含むものとする。
金属管の接合部9に水等が付着すると、次第に酸化還元反応により金属管の接合部9の表面が電子を失ってイオン化し脱落することで、長きに亘って腐食が進行する。この現象は、電位の異なる二極の存在のもとで発生するイオンの溶出および電子の移動を伴う電気化学反応が発生するためであり、電位差のある異種材料の金属管同士を接合した部位に顕著に現れる。
金属管の接合部9のこのような腐食を防止するため、従来から、金属管の接合部9を覆う塗装面の形成、金属管の接合部9を覆う熱収縮チューブの設置等が行われてきたが、金属管に水が付着すると、塗装の場合はその多孔性により水が浸入し、熱収縮チューブの場合は金属管とのわずかな隙間が生じこの隙間から水が浸入するため、ともに金属管の接合部9を防食する効果が十分とはいえないものであった。また、金属管の接合部9の外周を熱溶融性接着剤で被覆してその上にさらに熱収縮チューブを被覆する方法もあるが、この方法でも熱収縮チューブと金属管との隙間は低減できるものの熱溶融性接着剤の吸水性が高いため、長時間の使用により金属管の接合部9が水に浸ることになり腐食に至ってしまう。
金属管の水の付着は、例えば金属管7,8の内部に低温の冷媒が流れるときに、室外機10内部の雰囲気中の水蒸気が第1の金属管7および第2の金属管8の表面に結露する場合である。またこの結露現象は、蒸発器5が冬期に着霜したときに除霜をするために圧縮機1から吐出された高温のガス冷媒(ホットガス)を蒸発器5に供給する場合(除霜運転)にも起こり得る。この場合は、金属管7,8の内部に高温の冷媒が流れるときに、室外機10内部の低温雰囲気中の水蒸気が第1の金属管7および第2の金属管8の表面に水滴となって結露する。
なお、このホットガスの蒸発器5への供給(除霜運転)は、冷媒の流れを通常運転時と反対向きにする逆サイクル除霜によって行ってもよいし、圧縮機1の出口配管から分岐して開閉弁(図示せず)を経て蒸発器5の入口配管に接続されるホットガスバイパス通路(図示せず)を設け、この開閉弁を開放した状態でホットガスバイパス通路にホットガスを流すホットガス運転によって行ってもよい。
本実施形態で説明する特徴的な金属管の接合部の被覆構造および被覆方法は、上述のような金属管の接合部9の腐食を防止するために、金属管の接合部9の被覆に適用するものである。次に、この金属管の接合部9の被覆構造について図2を用いて説明する。図2は、本実施形態における金属管の接合部9の被覆構造を示した断面図である。
図2に示すように、金属管の接合部9の被覆構造は、接合された異種材料である第1の金属管7および第2の金属管8と、金属管の接合部9の外周を覆うように設けられるシリコン系接着剤11と、このシリコン系接着剤11の外周に密着して設けられる熱収縮チューブ12と、を備えたものである。このように第1の金属管7および第2の金属管8の外周には、内側にシリコン系接着剤11の層が形成され、その外側に熱収縮チューブ12の層が形成されている。
結露現象により、第1の金属管7および第2の金属管8の表面に発生した水滴30は、吸水性の低い内側のシリコン系接着剤11の層によって、金属管の接合部9側に浸透することが阻止され、従来と比べて熱収縮チューブと金属管との間に侵入しにくくなり、金属管の表面に留まった状態に保たれ、次第に雰囲気空気によって乾かされて蒸発するようになる。
シリコン系接着剤11は、例えばオルガノポリシロキサンを主成分とする接着剤であり、縮合硬化型と付加硬化型により構成することができる。縮合硬化型は、液状またはペースト状であり、末端に水酸基を有するオルガノポリシロキサンと架橋剤とを混合して生成できる。付加硬化型は、二液タイプであり、末端にビニル基を有するオルガノポリシロキサンと架橋剤の二液を混合させることによって用いられる。付加硬化型は、接着部位に塗布した後空気中の水分と反応して表面から硬化し、最終的には弾性を有して硬化層を形成する。また、縮合反応時に遊離ガスが発生する。シリコン系接着剤11は熱溶融性接着剤等と比較して硬化速度が遅いが、付加硬化型については縮合硬化型よりも硬化速度が速く、発生する遊離ガスも少ないという性質がある。
熱収縮チューブ12は、ポリエチレンを主成分とした樹脂であり、加熱されることにより所定の収縮率(例えば25%〜80%)に収縮する薄肉厚のチューブである。熱収縮チューブ12の軸方向長さは、防食したい金属管の接合部9の十分に覆うことができ、かつ内側のシリコン系接着剤11の層をほぼ覆うことができる程度に形成されている。
次に、この金属管の接合部9の被覆方法の手順について図3を用いて説明する。図3は金属管の接合部9の被覆方法の手順を示した工程図である。図3に示すように、まず、熱収縮チューブ12の筒内に第1の金属管7あるいは第2の金属管8を通しておく(ステップ10)。続いて、第1の金属管7と第2の金属管8を接合する管接合を行う(ステップ20)。この管接合は、種々の方法が取り得るが、上述のように共晶結合、フラッシュパット接合、摩擦攪拌接合、ろう付け接合、半田付け、溶接等により実施する。
ステップ20の管接合が完了すると、次にシリコン系接着剤11の塗布を実施する(ステップ30)。なお、ステップ30の塗布工程の前処理として、接着強度を確保するため、金属管の接合部9を含めた被接着面に対して、予め弱い境界層を除去する調整を行う。弱い境界層は、接着境界面近傍の力学的に弱い層であり、例えば、表面に残存ずる防錆油、吸着物、汚染物、酸化物層、水酸化物層等のことである。これらを清拭、ブラッシング等を実施することにより、確実に取り除いておく。さらに、接着剤の濡れを良くするために研磨、プライマー処理等により、適切な表面状態を形成する前処理も行う。
ステップ30の塗布工程では、表面調整された接着面にシリコン系接着剤11を所定の厚さおよび所定の軸方向長さとなるように塗布する。塗布は、手作業で行う場合には刷毛、へら、こて、ハンドローラー、スプレーガン等を用いて行い、自動化ラインで行う場合には適切な塗布機を使用する。
次に、シリコン系接着剤11が十分に固化する前に、熱収縮チューブ12をシリコン系接着剤11の外側を覆うようにかぶせる工程を実施し(ステップ40)、さらに熱収縮チューブ12に所定温度の熱風を当てることにより加熱し収縮させる(ステップ50)。その内径方向に収縮した熱収縮チューブ12は、シリコン系接着剤11の形状を保持するようにシリコン系接着剤11を覆いながら密着するようになる。
シリコン系接着剤11は、熱溶融性接着剤に対して加熱によって流動し、熱の除去によって固化する速度が遅く、固化を待っていては生産性が低下するという問題がある。しかしながら、十分に固化していない状態で次の工程を実施すると、その形状が崩れてしまい、所定の接着面を覆って所望の被覆を実施することができないという問題が生じる。
そこで、本実施形態の被覆方法では、シリコン系接着剤11が十分に固化する前に、ステップ50までの工程を迅速に行うことにより、シリコン系接着剤11の形状を保持しながら、熱収縮チューブ12の収縮工程を終えてしまうことができる。これにより、シリコン系接着剤が有する硬化速度の遅さを補う工程が提供でき、固化待ち時間を低減して被覆工程を短縮化できるので、高い生産性を確保することができる。
以上のように本実施形態の金属管の接合部9の被覆構造は、接合された異種材料である第1の金属管7および第2の金属管8と、金属管の接合部9の外周を覆うように設けられるシリコン系接着剤11と、このシリコン系接着剤11の外周に密着して設けられる熱収縮チューブ12と、を備えたものである。
この構造によれば、金属管の接合部9と熱収縮チューブ12との間に吸水性の低いシリコン系接着剤密を充填させ、金属管の接合部9への水滴等の侵入を抑制するので、水が金属管の接合部9に接触して停滞する状態を長きに亘って防止することができる。
また、接合部9を形成する異種材料の金属管は、蒸気圧縮式ヒートポンプサイクルの構成部品である蒸発器5に接続されている第1の金属管7と、この第1の金属管7に接合される第2の金属管8で構成され、蒸発器5は室外機10内部に配置されている。
この構成によれば、屋外の室外機10内部に配置される金属管という水滴が付着しやすい厳しい環境において高い防食効果を発揮する構造を提供することができる。
また、金属管の接合部9の被覆方法は、金属管の接合部9にシリコン系接着剤11を塗布し、シリコン系接着剤11が十分に固化する前に熱収縮チューブ12をシリコン系接着剤11にかぶせ、熱収縮チューブ12を加熱することにより、シリコン系接着剤11の形状を保持しながら熱収縮チューブ12を収縮させてシリコン系接着剤11に密着させるものである。
この方法によれば、シリコン系接着剤11の硬化速度の遅さを補って、シリコン系接着剤11の十分な固化を待たないで熱収縮チューブの収縮を行うことにより、シリコン系接着剤11により金属管の接合部9への水滴30等の侵入を抑制することができるとともに、生産性を向上することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、図2に示した金属管の接合部9の被覆構造の他の形態を図4を用いて説明する。図4において図2に示す各部と同じ部品については同符号を付しており、同様の作用効果を奏するものである。
図4に示す被覆構造は、接合された異種材料である第1の金属管7および第2の金属管8と、金属管の接合部9の外周を覆うとともに、第1の金属管7および第2の金属管8に密着して設けられる内側熱収縮チューブ13と、この内側熱収縮チューブ13の外周、第1の金属管7および第2の金属管8の外周を覆うように設けられる熱溶融性接着剤14と、熱溶融性接着剤14の外周に密着して設けられる外側熱収縮チューブ15と、を備えたものである。
外側熱収縮チューブ15は内側熱収縮チューブ13よりも軸方向長さおよび内径寸法が大きいチューブであり、その内側に熱溶融性接着剤14の層を有した二層構造となっている。両熱収縮チューブは、第1実施形態の熱収縮チューブ12と同様の材質、作用効果を有するチューブである。
次に、この金属管の接合部9の被覆方法の手順について説明する。まず、内側熱収縮チューブ13および外側熱収縮チューブ15の筒内に第1の金属管7あるいは第2の金属管8を通しておく。続いて、第1実施形態と同様に、第1の金属管7と第2の金属管8を接合する管接合を行う。
この管接合が完了すると、内側熱収縮チューブ13を完全に覆うように外側熱収縮チューブ15をかぶせる工程を実施する。さらに外側熱収縮チューブ15に所定温度の熱風を当てることにより加熱し収縮させると、外側熱収縮チューブ15は内側の熱溶融性接着剤14が流動して内側熱収縮チューブ13、第1の金属管7および第2の金属管8に接着するとともに、外側に樹脂層が内径方向に収縮して密着するようになる。
このように、金属管に密着した内側熱収縮チューブ13の外側を熱溶融性接着剤14付きの外側熱収縮チューブ15で覆う構成により、第1の金属管7および第2の金属管8の表面に発生した水滴30が熱溶融性接着剤14の層に吸水されたとしても、金属管に密着した内側熱収縮チューブ13の軸方向端部16と金属管との間から浸水するまでには至らず、内側熱収縮チューブ13を有しない従来の被覆構造に比べて高い防食効果が得られる。
本発明の第1実施形態および第2実施形態における金属管の接合部の被覆構造が使用される蒸気圧縮式ヒートポンプサイクルの構成を示した概略図である。 第1実施形態における金属管の接合部の被覆構造を示した断面図である。 第1実施形態における金属管の接合部の被覆方法の手順を示した工程図である。 第2実施形態における金属管の接合部の被覆構造を示した断面図である。
符号の説明
7…第1の金属管
8…第2の金属管
9…金属管の接合部
10…室外機
11…シリコン系接着剤
12…熱収縮チューブ
13…内側熱収縮チューブ
14…熱溶融性接着剤
15…外側熱収縮チューブ

Claims (7)

  1. 接合された異種材料の金属管(7,8)と、
    前記金属管の接合部(9)の外周を覆うように設けられるシリコン系接着剤(11)と、
    前記シリコン系接着剤(11)の外周に密着して設けられる熱収縮チューブ(12)と、
    を備えることを特徴とする金属管接合部の被覆構造。
  2. 接合された異種材料の金属管(7,8)と、
    前記金属管の接合部(9)の外周を覆うとともに前記金属管(7,8)に密着して設けられる内側熱収縮チューブ(13)と、
    前記内側熱収縮チューブ(13)の外周および前記金属管(7,8)の外周を覆うように設けられる熱溶融性接着剤(14)と、
    前記熱溶融性接着剤(14)の外周に密着して設けられる外側熱収縮チューブ(15)と、
    を備えることを特徴とする金属管接合部の被覆構造。
  3. 前記異種材料の金属管(7,8)は、蒸気圧縮式ヒートポンプサイクルの構成部品である蒸発器(5)に接続されている第1の金属管(7)と、前記第1の金属管(7)に接合される第2の金属管(8)とで構成されており、
    前記蒸発器(5)は室外機(10)内部に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の金属管接合部の被覆構造。
  4. 前記第1の金属管(7)はアルミニウム製であり、前記第2の金属管(8)は銅製であることを特徴とする請求項3に記載の金属管接合部の被覆構造。
  5. 前記第1の金属管(7)はアルミニウム製であり、前記第2の金属管(8)はステンレス製であることを特徴とする請求項3に記載の金属管接合部の被覆構造。
  6. 前記第1の金属管(7)は銅製であり、前記第2の金属管(8)はステンレス製であることを特徴とする請求項3に記載の金属管接合部の被覆構造。
  7. 異種材料の金属管(7,8)同士を接合することにより形成された接合部(9)周辺を被覆する金属管接合部の被覆方法であって、
    前記金属管の接合部(9)にシリコン系接着剤(11)を塗布し、前記シリコン系接着剤(11)が十分に固化する前に熱収縮チューブ(12)を前記シリコン系接着剤(11)にかぶせて、前記熱収縮チューブ(12)を加熱することにより、
    前記シリコン系接着剤(11)の形状を保持しながら前記熱収縮チューブ(12)を収縮させ、前記シリコン系接着剤(11)に密着させることを特徴とする金属管接合部の被覆方法。
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