JP2009103036A - 多目的作業に同時に使用可能なジェットポンプ装置 - Google Patents

多目的作業に同時に使用可能なジェットポンプ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】1つの負圧形成装置で、負圧度の異なる作業にも同時に使用することができるジェットポンプ装置を提供できるようにすることにより、ジェットポンプ装置を簡単な構造で、コンパクトにできるようにする。
【解決手段】
単一の圧力流体供給源と、該圧力流体供給源から供給される圧力流体を複数に分岐する分流路と、各分流路に設けた開閉弁と、少なくとも1つの開閉弁の下流側に設けたジェットポンプとを備え、各分流路から買い開閉弁を介してジェットポンプに供給された圧力流体を噴射ノズルから負圧形成管内に噴射、または噴射ノズルから混気管を介して負圧形成管内に噴射させて、負圧形成管の噴射ノズル側部分に負圧を形成し、該負圧を供給する負圧供給口を負圧形成管に設けるとともに、負圧形成管の下流側を上記負圧供給口から吸引された吸引物の流走路に構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、吸引、脱水等、搬送、集塵、その他種々の作業に同時に使用可能なジェットポンプ装置に関するものである。
一般に、吸引作業や浚渫作業、脱水作業や濾過作業等の各種の作業時には負圧が必要とされる。
そして、負圧を形成する場合の負圧形成装置としては、例えば吸込口と吹出口の中間にスロート部が形成された中細ノズル内に、スロート部の上流側から下流側に向かってジェット流を噴射して負圧を生じさせるジェット噴射孔を形成し、前記ジェット流によりスロート部に負圧を形成するようにしたエジェクター式の負圧形成装置が知られており、こうした負圧形成装置を各種の作業ごとにそれぞれ設けたり、1つの負圧形成装置で形成された負圧をレシーバタンク若しくはリザーブタンクに貯留し、このレシーバタンク若しくはリザーブタンクから各種の作業に分配したりしている。
したがって、上記の各種の作業のそれぞれに負圧形成装置をそれぞれ設けるようにしたものでは、装置が複雑になり、大型化するばかりでなく、その製造コストが嵩んでしまうという問題があった。
また、をレシーバタンク若しくはリザーブタンクに貯留した負圧を分配するようにする場合には、各作業に供給される負圧のすべてが同じ負圧になるために、例えば一つの作業の負圧が低い場合、高い負圧を必要とする作業には使えないという問題があった。
一方、これらの作業と並行して搬送や撹拌等の作業を伴うことが多く、こうした場合、コンベア等の搬送手段やミキサ等の撹拌手段を更に付設しなくてはならず、上記問題点に加えて装置が複雑になり、更に装置が大型化してしまう上、製造コストやランニングコストも嵩んでしまうという問題もあった。
特開2002−356224号公報
本発明は上記問題点に鑑みて提案されたもので、1つの負圧形成装置で、負圧度の異なる作業にも使用することができるジェットポンプ装置(負圧形成装置)を提供できるようにすることを目的とするものである。
上記目的を達成するために本発明に係る多目的作業に同時に使用可能なジェットポンプ装置は、単一の圧力流体供給源と、該圧力流体供給源から供給される圧力流体を複数に分岐する分流路と、各分流路に少なくとも1つの開閉弁を設け、各分流路に設けられた開閉弁の下流側に設けたジェットポンプとを備え、各分流路から開閉弁を介してジェットポンプに供給された圧力流体を噴射ノズルから負圧形成管内に噴射、または噴射ノズルから混気管を介して負圧形成管内に噴射させて、負圧形成管の噴射ノズル側部分に負圧を形成し、該負圧を供給する負圧供給口を負圧形成管に設けるとともに、負圧形成管の下流側を上記負圧供給口から吸引された吸引物の流走路とすることにより各分流路に設けられたジェットポンプの用途をジェットポンプ毎に異なる作業に設定し、当該用途の異なる作業を同時に使用可能に構成したことを特徴とするものである。
また、多目的作業に同時に使用可能なジェットポンプ装置では、分流路に設けられたジェットポンプの少なくとも1つが混合気管を有するものであって、混合気管は、噴射ノズルから混気管内にある圧力流体を噴射して混気管内に負圧を形成し、当該負圧で吸気口から吸引された外気を圧力流体に混合して混気ジェット流を形成し、該混気ジェット流を混気管から負圧形成管に噴射させるように構成したことを特徴とするものである。
さらに、本発明にかかる多目的作業に同時に使用可能なジェットポンプ装置では、用途の異なる作業が、1つのプラント若しくは1の工場の構内で行なわれる1連の作業における吸引・脱水・搬送・混練・散水・洗浄の内のすくなくとも2つ以上の作業を含むものであることも特徴とするものである。
加えて、本発明にかかる多目的作業に同時に使用可能なジェットポンプ装置は、加圧ポンプにより形成された圧力水をジェット流として噴射する小孔からなる噴射ノズルのジェット流の噴射方向の下流側に噴射ノズルより大径の高負圧形成用直管を噴射ノズルと同芯状に設け、高負圧形成用管の下流側に高負圧形成用直管より大径の多量負圧形成用直管を高負圧形成用直管と同芯状に設け、高負圧形成用直管と多量負圧形成用直管との境界部分を断面形状がベルマウス状に拡開された曲面若しくは直線状傾斜面で形成するとともに、小径の噴射ノズルの近傍に負圧取り出し口を設けてジェットポンプを構成したことも特徴の1つである。
本発明の多目的作業に同時に使用可能なジェットポンプ装置によれば、単一の圧力流体供給源と、該圧力流体供給源から供給される圧力流体を複数に分岐する分流路と、各分流路に少なくとも1つの開閉弁を設け、各分流路に設けられた開閉弁の下流側に設けたジェットポンプとを備え、各分流路から開閉弁を介してジェットポンプに供給された圧力流体を噴射ノズルから負圧形成管内に噴射、または噴射ノズルから混気管を介して負圧形成管内に噴射させて、負圧形成管の噴射ノズル側部分に負圧を形成し、該負圧を供給する負圧供給口を負圧形成管に設けるとともに、負圧形成管の下流側を上記負圧供給口から吸引された吸引物の流走路とすることにより各分流路に設けられたジェットポンプの用途をジェットポンプ毎に異なる作業に設定し、当該用途の異なる作業を同時に使用可能に構成してあるので、1つの負圧形成装置で、例えば、1つのプラント若しくは1の工場の構内で行なわれる1連の作業における吸引・脱水・搬送・混練・散水・洗浄の内のすくなくとも2つ以上の負圧度の異なる作業にも他の作業に影響を及ぼすことなく独立して使用することができる。
これにより、従来のような各種の作業ごとに負圧形成装置を設けるもの比べて、構造が簡素化できコンパクト化を図れるとともに、製造コストも安価にすることができる利点がある。
また、分流路に設けられたジェットポンプの少なくとも1つが混合気管を有するものであって、混合気管は、噴射ノズルから混気管内にある圧力流体を噴射して混気管内に負圧を形成し、当該負圧で吸気口から吸引された外気を圧力流体に混合して混気ジェット流を形成し、該混気ジェット流を混気管から負圧形成管に噴射させるように構成したものでは、噴射直後の負圧形成管内に生じるキャビテーションを防止してジェットポンプの性能を高く維持できるので、多目的作業に同時に使用可能なジェットポンプ装置の省エネルギー化を図ることができる利点がある。
さらに、加圧ポンプにより形成された圧力水をジェット流として噴射する小孔からなる噴射ノズルのジェット流の噴射方向の下流側に噴射ノズルより大径の高負圧形成用直管を噴射ノズルと同芯状に設け、高負圧形成用管の下流側に高負圧形成用直管より大径の多量負圧形成用直管を高負圧形成用直管と同芯状に設け、高負圧形成用直管と多量負圧形成用直管との境界部分を断面形状がベルマウス状に拡開された曲面若しくは直線状傾斜面で形成するとともに、小径の噴射ノズルの近傍に負圧取り出し口を設けてジェットポンプを構成したものでは、高負圧形成用直管で仮想の連続ピストン部分を形成して高い負圧を形成するとき、この高い負圧が噴射ノズルの出口近傍に作用し、噴射ノズルからのジェット流が吸い出されるように負圧が作用する。
その結果、高い負圧になるほど噴射ノズルからのジェット流の吸い出し力も高まり、高負荷時の動力負荷が軽減されるので、高出力を必要とするほど多目的作業に同時に使用可能なジェットポンプ装置の省エネルギー化を図ることができる利点がある。
以下、本発明にかかる多目的作業に同時に使用可能なジェットポンプ装置の最も好ましい実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、洗浄、吸引、脱水、搬送の各作業を行うジェットポンプ装置の概略図であって、図中符号1はこのジェットポンプ装置を全体的に示す。
このジェットポンプ装置1は、1つの圧力水形成部(圧力流体供給源)2と、この圧力水形成部2で形成された圧力水を駆動源とする洗浄作業部3と、脱水作業部4と、搬送作業部5とを備えてなる。
圧力水形成部2は、貯水槽6と、貯水槽6に貯留された水7を吸引して加圧する加圧ポンプ8とからなり、加圧ポンプ8で加圧された圧力水は内部に分流路9が形成された分岐管10を通じて図上左方の洗浄作業部3と、右方の脱水作業部4及び搬送作業部5とに分岐されて供給されるようになっている。
上記洗浄作業部3は、家屋や門扉、塀等の構築物11の表面を洗浄するために、先端部に洗浄用噴射ノズル12を設けた洗浄用ホース13が開閉弁14を介して分岐管10に連結されて構成されている。
洗浄用噴射ノズル12部分には、この洗浄用噴射ノズル12からの圧力水の噴射を断続する手元操作用のコッ15クが設けられている。
そして、洗浄用噴射ノズル12から家屋や門扉、塀等の構築物11の表面を洗浄するために水が噴射されると、貯水槽6の水7が少なくなることから、水源16の水17を吸引して上記貯水槽6に補給する後述するジェットポンプMJPからなる水の補給手段18が設けてある。
このジェットポンプMJPには、開閉弁49を介して分岐管10に連結されており、圧力水が供給され、吸い上げ管51から吸い上げられた水源16の水17は吐出管52から貯水槽6に供給されて補給されるように構成されている。
上記脱水作業部4は、地盤改良や基礎打ち部分19の湧き水等を除去するためのもので、上記加圧ポンプ8で加圧された圧力水を分岐管10からさらに複数に枝管20を分岐し、各枝管20に脱水用のジェットポンプMJPが供給用開閉弁21を介して設けられており、このジェットポンプMJPに圧力水が供給されて噴射されることにより、ジェットポンプMJP内に吸引用の負圧が形成され、その負圧で吸水管23から地盤改良や基礎打ち部分19の湧き水等を吸引して除去するように構成されている。
そして、脱水作業用のジェットポンプMJPに吸引された水は、還流管23により貯水槽6に還流するようになっている。
こうしたジェットポンプMJPは、図2に示すように、圧力水をジェット流として噴射する小孔からなる噴射ノズル24と、噴射ノズル24から噴射されるジェット流の噴射方向の下流側に、噴射ノズル24より大径の高負圧形成用直管部分(負圧形成管)25と、高負圧形成用直管部分25のさらに下流側に、当該高負圧形成用直管部分25より大径の多量負圧形成用直管部分(負圧形成管)26とがケーシング27に噴射ノズル24と同芯状に設けられて構成されている。
そして、高負圧形成用直管部分25と多量負圧形成用直管26の内部の境界部分28は、その断面形状がベルマウス状に拡開された曲線状若しくは直線状の傾斜面で形成されており、噴射ノズル24の近傍(噴射ノズル24の先端部分と高負圧形成用直管部分25との間のケーシング27部分)には吸引口(負圧供給口)29が設けられている。
因みに、上記境界部分28をその断面形状がベルマウス状に拡開された曲面若しくは直線状傾斜面で形成してあるのは、この部分を急激に拡大する形状にしたときには当該隅部分に発生する乱流によりジェット流が攪乱されてその流勢が低下し、ジェットポンプMJPの性能を十分に発揮させることができない等の悪影響が発生するため、当該部分を傾斜面にすることにより、ジェット流をこの傾斜面に沿わせて円滑に広げて前記のような悪影響を防止するためである。
また、上記噴射ノズル24は混気ジェット用の噴射ノズル24にしてある。
すなわち、この混気ジェット用の噴射ノズル24は、特に図2に示すように加圧ポンプ8からの加圧水を噴射する第一噴射ノズル部分30と、その第一噴射ノズル部分30の噴口31の近傍部分を覆い、第一噴射ノズル部分30の噴口31よりわずかに大径で短寸の混気部32を形成した第二噴射ノズル部分33を吸気用隙間34を開けた状態で配設し、第一噴射ノズル部分30の噴口31の近傍の第二噴射ノズル部分31には吸気孔35が穿設されている。
この吸気孔35は、第一噴射ノズル部分30の噴口31の近傍部分を覆う第二噴射ノズル部分33の外周とケーシング27との間に環状に形成された空間36を通じてケーシング27に設けられたキャビテーションを防止するための空気導入用の吸気口(オリフィス)37に連通しており、吸気口37には調量弁38が設けられている。
上記のように構成されたジェットポンプMJPの吸引口29には、図1に示すように、地盤改良や基礎打ち部分19に挿入された吸引管22が連結され、多量負圧形成用直管部分26の開口端部は還流管23を通じて貯水槽6に開口させてあり、吸引された水は加圧ポンプ8での高圧水に利用できるようになっている。
上記搬送作業部5は、前記洗浄作業部3の洗浄作業により、家屋や門扉、塀等の構築物11の表面を洗い落とされてピット41に流下して堆積した塵や固塊物等を図外の処理作業部に搬送するもので、密閉可能な貯留容器39と、この貯留容器39内を負圧にする吸引用のジェットポンプMJPと、ジェットポンプMJPで負圧にされた貯留容器39内に吸引する吸引路40と、貯留容器39の底部に設けられた搬送物供給用開閉弁42が開かれたときに、貯留容器39内の塵や固塊物を吸引して流送させる搬送用のジェットポンプMJPとで構成されている。
上記貯留容器39内を負圧にするジェットポンプMJPは、その噴射ノズル(図示せず)が分岐管10から更に分岐した枝管47に開閉弁48を介して連結されており、搬送用のジェットポンプMJPの噴射ノズル(図示せず)は分岐管10に搬送用の開閉弁43を介して連結されている。
この吸引用のジェットポンプMJP及び搬送用のジェットポンプMJPの構造は図2を用いて説明した上述の脱水作業用のジェットポンプMJPと同様の構造になっている。
上記貯留容器39は、下半部が下細りテーパー状の密閉可能な容器状に形成され、下端部が搬送用のジェットポンプMJPの吸引口29に搬送用の開閉弁を介して連通させてあり、この搬送物供給用ジェットポンプMJPの噴射ノズル(図示せず)は搬送用の開閉弁43を介して分岐管10に連結されている。
尚、図1中符号44は、上記の作業の他に、例えばコンクリート等のセメントミルクの混練作業や、煙や粉塵の吸着作業等の各種の作業用途の動力源として使用するために、分岐管10から分岐された枝管45に駆動用開閉弁46を介して取りつけられた予備用のジェットポンプMJPであって、駆動用開閉弁46を開くだけでジェットポンプMJPがすぐに使用できるようになっている。
上記のように構成された多目的作業に同時に使用可能なジェットポンプ装置1の作用を次に説明する。
先ず、貯水槽6内の加圧ポンプ8が駆動されると、貯水槽6の水73が吸引されて加圧され、分岐管10内の分流路9に圧送される。
図1の左方の洗浄作業部3では、加圧された水が分流路9に供給され、開閉弁14及び手元操作用コック15が開かれると分流路9の高圧水が洗浄用ホース13を経て洗浄用噴射ノズル12から噴射され、家屋や門扉、塀等の構築物11の表面を洗浄する。
家屋や門扉、塀等の構築物11の表面を洗浄し、塵や固塊物を含んだ洗浄排水はピット41に流下し、比重の大きな固塊物が当該ピット41に堆積する。
一方、上記洗浄作業部3の洗浄作業の開始と同時に、図1の右方の脱水作業部4の供給用開閉弁21が開かれると、この脱水作業部4のジェットポンプMJPの駆動により発生した負圧で吸水管から地盤改良や基礎打ち部分19の湧き水等が吸引されて除去される。
そして、搬送作業部5では搬送供給用開42閉弁が閉じられた状態で貯留容器39内を負圧にする吸引用のジェットポンプMJPに分岐管10から枝管47及び開閉弁48を介して加圧水が供給されて、各ジェットポンプMJPが起動される。
この吸引用のジェットポンプMJPの起動により、貯留容器39内が負圧にされると、この負圧で洗浄作業によりピット41に堆積した比重の大きな塵や固塊物等が吸引路40から貯留容器39内に吸引されて貯留される。
貯留容器39内に塵や固塊物が所定量貯留されると、吸引用のジェットポンプMJPを停止し、貯留容器39内を大気と同圧にする。
しかる後、貯留容器39の底部に設けられた搬送物供給用開閉弁42、及び分岐管10に設けられた搬送用の開閉弁43を開いて搬送用のジェットポンプMJPを駆動し、この搬送用のジェットポンプMJPに発生させた負圧で貯留容器39内の比重の大きな塵や固塊物等を吸引し、ジェット流とともに図外の処理作業部に流走させて搬送する。
このように、洗浄作業部3と、脱水作業部4と、搬送作業部5との作業が、加圧ポンプ5で形成される1つの圧力水形成部2から供給される圧力水を駆動源として同時に行うことができるのである。
こうした脱水作業部4と、搬送作業部5の作業に使用されるジェットポンプMJPの機能について次に詳述する。
加圧ポンプ8で加圧された圧力水が、分岐管10から供給されて噴射ノズル24の第一噴射ノズル部分30から第二噴射ノズル部分33の混気部32に噴射されると、この混気部32に形成された負圧により調量弁38で調量された外気が吸気孔35から吸引されて混気部32を流走するジェット流の周囲に空気層を形成するとともに、ジェット流内にも混入されて混気ジェット流が形成される。
こうして形成された混気ジェットが第二噴射ノズル部分33から高負圧形成用直管部分25乃至多量負圧形成用直管部分26に混気ジェット流が噴射されて流走する。
このとき、吸引口29の負圧が弱い時(負圧度が低い時)、混気ジェット流は多量負圧形成用直管部分26に飛び、当該多量負圧形成用直管部分25で管内一杯に広がる。
そして、吸引口29の負圧が強い時(負圧度が高い時)、混気ジェット流は多量負圧形成用直管部分26の手前の高負圧形成用直管部分25の管内一杯に広がる。
斯くして高負圧形成用直管部分25や多量負圧形成用直管部分26の管内一杯に広がった部分には後述するように混気ジェット流の下流側に向けて連続して作用する仮想の連続ピストン50が形成される(図3参照)。
ここで仮想の連続ピストン50について説明する。
図3では上記噴射ノズル24を説明の便宜上、分岐管10を通じて加圧ポンプ8からの圧力水をそのままジェット流Jとして噴射するものにしてある。
加圧ポンプ8からの圧力水が噴射ノズ24ルから実線矢印で示す抵抗Rに打ち勝ちながら徐々に広がりながら流走してゆくのであるが、このジェット流Jの流走状態をミクロに見ると、無数の水滴が近接した状態で飛翔している。
そして、飛翔する水滴の下流側の空気は圧縮され、水滴の上流側には負圧が形成された状態になっている。
その結果、圧縮された空気は水滴の流勢で多量負圧形成用直管部分26の開口側に押し出され、ここに多量負圧形成用直管部分26の開口側(ジェット流Jの下流側)に向けて連続して作用する仮想の連続ピストン50が形成されることになる。
尚、図1及び図2に示すように噴射ノズル24から噴射されるジェット流が混気ジェット流である場合、その周囲に形成された空気層により、ジェット流の外方の静止している空気層並びに高負圧形成用直管部分25乃至多量負圧形成用直管部分26の内周面部分との間の摩擦を減じるので周囲の空気層の厚みが徐々に薄くなりながらも、ジェット流Jの流勢が減衰するのを防止する。
また、仮想の連続ピストン50が形成される位置は、上述のように、この仮想の連続ピストン50を形成する広がりが、加圧ポンプ8から供給される圧力水の圧力で発生するジェット流Jの流勢とこれに対抗する向きの実線矢印で示す抵抗Rとの相対的な力関係で形成される。
したがって、吸引口29の負圧が弱い(負圧度が低い)時は噴射ノズル24からのジェット流Jは遠くに飛び、多量負圧形成用直管部分26で仮想の連続ピストン50が形成され多量負圧形成用直管部分26の断面積に相当した多量の負圧が形成される。
一方、吸引口29の負圧が強い(負圧度が高い)時は噴射ノズルからのジェット流Jは当該強い負圧により、流勢が減衰されて仮想の連続ピストン50が高負圧形成用直管部分25に引き戻された状態になる。
しかして、仮想の連続ピストン50が高負圧形成用直管部分25に形成されるように負圧が強い時、その強い負圧は、噴射ノズル24の噴口の近傍にも作用し、噴射ノズル24からのジェット流が吸い出されるように作用する。
その結果、高い負圧になればなるほど、噴射ノズル24からのジェット流Jの吸い出し力も高まり、高負荷時の加圧ポンプ8への動力負荷が軽減されることになる。
因みに、加圧ポンプ8に1つのジェットポンプMJPを連結し、加圧ポンプ8の圧力が0.75kg/平方cmのものを用いて試験したところ、仮想の連続ピストン50が多量負圧形成用直管部分で発生させたとき、大径の多量負圧形成用直管部分26の断面積に相応した多量の負圧、すなわち、吸引口29からの吸入量が多く得られた。
次に、仮想の連続ピストン50が高負圧形成用直管部分25で発生するように吸引口29絞って、吸引口29での負圧がゲージ圧で700mmHg(高負荷状態)にした時に、加圧ポンプ8の圧力は0.6kg/平方cm弱にまで下がるのが確認された。
これにより、高い負圧になるほど噴射ノズルからのジェット流Jの吸い出し力も高まり、高負荷時の加圧ポンプ8への動力負荷が軽減することができる。
したがって、本発明のように、多目的作業に同時に使用し、負圧(負荷)が高い状態で使用する時にも圧力水形成部2の加圧ポンプへの負担を軽減することができるのである。
上記実施例ではジェットポンプMJPを混気ジェットにしてあるが、作用を示す図3のように、噴射ノズル24から高圧水流をそのままジェット流として噴射するようにしてもよいことはもちろんである。
また、本発明にかかる多目的作業に同時に使用可能なジェットポンプ装置1は、上述したように、洗浄作業部3と、脱水作業部4と、搬送作業部5とを備えた現場に実施する場合に限られず、種々な作業を一連に行うもの、例えば食品製造工場内での食品の洗浄作業、流送作業、集塵作業、混練作業、煙等の捕捉作業等の各種作業を同時の行う場合や、そのような作業を行うように設定されるシステムにも組み込んで使用することができるのはいうまでもないことである。
は本発明にかかる多目的作業に同時に使用可能なジェットポンプ装置の概略の構成を示す縦断面図である。 は本発明にかかる多目的作業に同時に使用可能なジェットポンプ装置の噴射ノズル部分の縦断側面である。 は本発明にかかる多目的作業に同時に使用可能なジェットポンプ装置における仮想ピストンの作用説明図である。
符号の説明
1・・・ジェットポンプ装置
2・・・圧力水形成部(圧力流体供給源
3・・・洗浄作業部
4・・・脱水作業部
5・・・搬送作業部
8・・・加圧ポンプ
9・・・分岐路
10・・・分岐管
12・・・洗浄用噴射ノズル
25・・・高負圧形成用直管部分
26・・・多量負圧形成用直管部分
21・43・46・48・49・・・開閉弁
MJP・・・ジェットポンプ

Claims (4)

  1. 単一の圧力流体供給源と、該圧力流体供給源から供給される圧力流体を複数に分岐する分流路と、各分流路に少なくとも1つの開閉弁を設け、各分流路に設けられた開閉弁の下流側に設けたジェットポンプとを備え、各分流路から開閉弁を介してジェットポンプに供給された圧力流体を噴射ノズルから負圧形成管内に噴射、または噴射ノズルから混気管を介して負圧形成管内に噴射させて、負圧形成管の噴射ノズル側部分に負圧を形成し、該負圧を供給する負圧供給口を負圧形成管に設けるとともに、負圧形成管の下流側を上記負圧供給口から吸引された吸引物の流走路とすることにより各分流路に設けられたジェットポンプの用途をジェットポンプ毎に異なる作業に設定し、当該用途の異なる作業を同時に使用可能に構成したことを特徴とする多目的作業に同時に使用可能なジェットポンプ装置。
  2. 分流路に設けられたジェットポンプの少なくとも1つが混合気管を有するものであって、混合気管は、噴射ノズルから混気管内にある圧力流体を噴射して混気管内に負圧を形成し、当該負圧で吸気口から吸引された外気を圧力流体に混合して混気ジェット流を形成し、該混気ジェット流を混気管から負圧形成管に噴射させるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の多目的作業に同時に使用可能なジェットポンプ装置。
  3. 用途の異なる作業が、1つのプラント若しくは1の工場の構内で行なわれる1連の作業における吸引・脱水・搬送・混練・散水・洗浄の内のすくなくとも2つ以上の作業を含むものであることも特徴とする請求項1又は請求項2に記載の多目的作業に同時に使用可能なジェットポンプ装置。
  4. 加圧ポンプにより形成された圧力水をジェット流として噴射する小孔からなる噴射ノズルのジェット流の噴射方向の下流側に噴射ノズルより大径の高負圧形成用直管を噴射ノズルと同芯状に設け、高負圧形成用管の下流側に高負圧形成用直管より大径の多量負圧形成用直管を高負圧形成用直管と同芯状に設け、高負圧形成用直管と多量負圧形成用直管との境界部分を断面形状がベルマウス状に拡開された曲面若しくは直線状傾斜面で形成するとともに、小径の噴射ノズルの近傍に負圧取り出し口を設けてジェットポンプを構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の多目的作業に同時に使用可能なジェットポンプ装置。
JP2007275076A 2007-10-23 2007-10-23 多目的作業に同時に使用可能なジェットポンプ装置 Expired - Fee Related JP4913702B2 (ja)

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