JP2014031760A - ジェットポンプおよび複合ジェット流型ジェットポンプによる負圧形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数ノズル型ジェットポンプの小型化を損なうことなく、付着・堆積しやすい雪や固塊物を含んだ粒体の吸引する作業の為の負圧を安定して形成することができ、各種作業の効率を向上できるようにする。
【解決手段】高圧水供給源から供給された高圧水を、中心軸を負圧形成管4の中心軸線上に配設された直進ジェット流を形成する主噴射口11と、噴射されたジェット流が負圧形成管の内周面寄り部分に旋回ジェット流を形成するように負圧形成管の中心軸線に対して所定角度を異ならせて配設された副噴射口12〜17を有する副噴射口の両噴射口から負圧形成管に噴射し、負圧形成管の中心側部分には直進するジェット流を、負圧形成管の内周面寄り部分には旋回ジェット流を形成し、両ジェット流が合体して仮想ピストンを形成することにより、負圧形成管のジェット流上手側部分に負圧を形成するようにした。
【選択図】図3
【解決手段】高圧水供給源から供給された高圧水を、中心軸を負圧形成管4の中心軸線上に配設された直進ジェット流を形成する主噴射口11と、噴射されたジェット流が負圧形成管の内周面寄り部分に旋回ジェット流を形成するように負圧形成管の中心軸線に対して所定角度を異ならせて配設された副噴射口12〜17を有する副噴射口の両噴射口から負圧形成管に噴射し、負圧形成管の中心側部分には直進するジェット流を、負圧形成管の内周面寄り部分には旋回ジェット流を形成し、両ジェット流が合体して仮想ピストンを形成することにより、負圧形成管のジェット流上手側部分に負圧を形成するようにした。
【選択図】図3
Description
本発明は、固塊物を吸引流送したり、撹拌・混合等各種の作業用で使用する負圧を形成するときに使用される負圧形成用のジェットポンプおよび複合ジェット流型ジェットポンプによる負圧形成方法に関するものである。
作業用の負圧や固塊物を吸引するときに使用される負圧を形成する場合、シリンダー内にピストンを往復摺動させて負圧を形成するレシプロ式ポンプや狭窄部(ベンチュリー部)を形成し、この狭窄部でここを流れる流体の流速を速めることにより減圧して負圧を形成する形式のベンチュリ式ポンプが一般的であった。
ところが上記レシプロ式ポンプでは、シリンダー内に固塊物を直接吸引することができないために、リザーブタンクを介して固塊物を吸引するようにしている。
ところが、こうしたリザーブタンクの内部に吸引された固塊物を取り出す場合には、リザーブタンクの内部への負圧の供給を停止した後、開放して大気圧にした後、リザーブタンクを反転させてその内部の固塊物トラックやバージ船等の搬送手段に移して搬送処理するようにしており、手間がかかるだけでなく、連続作業ができず、作業効率が悪いという問題があった。
一方、ベンチュリー式ポンプでは狭窄部で負圧を形成するために、多量の負圧を形成することができないだけでなく、負圧を形成する部分の口径が小さいために固塊物を直接吸引することができないという問題があった。
ところが、こうしたリザーブタンクの内部に吸引された固塊物を取り出す場合には、リザーブタンクの内部への負圧の供給を停止した後、開放して大気圧にした後、リザーブタンクを反転させてその内部の固塊物トラックやバージ船等の搬送手段に移して搬送処理するようにしており、手間がかかるだけでなく、連続作業ができず、作業効率が悪いという問題があった。
一方、ベンチュリー式ポンプでは狭窄部で負圧を形成するために、多量の負圧を形成することができないだけでなく、負圧を形成する部分の口径が小さいために固塊物を直接吸引することができないという問題があった。
そこで、上記問題点を解消するために、特許文献1にあげたような、構造が極めて簡単で、大量の固塊物を連続して直接吸引できるのはもちろんのこと、吸引した固塊物をそのまま流送することまでも連続して行えるようにした混気ジェット(登録商標)ポンプが知られ、現在実用化されている。
斯るジェットポンプは、円筒状乃至は僅かに拡散するようなディフューザ形に形成された吐出管の閉塞された端部に高圧の流体を噴射する一本の噴射ノズルを設け、この噴射ノズルから噴射されたジェット流が吐出管内一杯に広がった時にジェット流の上流側の吐出管内に負圧を生じさせ、この負圧で吸引口から雪や固塊物を含んだ流体並びに粉体を吸引して流送したりするもので、例えば、微粉炭を吸引流送するときに高濃度のスラリー状にした火力発電用燃料の(Coal Water Mixture)を形成したり、気体や粉体を液体に攪拌・混合・溶解及び混練、等の種々の作業をする場合に使用されるようになっている。
こうした従来のジェットポンプでは、例えば、上記した雪のような粉体を吸引口から吸引し、吐出管内をジェット流で所望の場所に流送する場合、その粉体自体が吐出管の内周面に付着し易い上、粉体がジェット流に触れた時に粉体に含有する水分が強力なジェット流に持ち去られるために吐出管の内周面に粉体が固く付着堆積してしまう。
その結果、吐出管内の通路断面積が早期に減少して流送効率を大幅に低減してしまう懸念があった。
また、従来のジェットポンプでは、負圧を大量に形成するために、噴射ノズルから吐出管に向けて噴射されるジェット流の速度を速くし、且つ、負圧を形成する吐出管の口径が大口径のもので構成されている。
したがって、ジェット流の速度が速い場合、ジェット流の下流側での拡がり角度が小さく、ジェット流が吐出管いっぱいに広がるまでの距離が長くなる。
そのため、吐出管は、その管長がかなり長いもので構成されており、装置全体も大型化してしまうと言う問題もあった。
このことは、斯る構造のジェットポンプを、移動用として車両等に装着したり、可搬式のものにすることが出来ない言う問題があり、その実施する場所が大幅に制限されてしまうと言う問題がある。
かかる問題点を解決するために、特許文献2に示すような噴射ノズルを大口径の吐出管に対して複数個均等に配置するようにした複数ノズル型のジェットポンプが提案されている。
この複数ノズル型のジェットポンプは、流体加圧手段で流体を加圧し、加圧された高圧の圧力流体を噴射する噴射ノズルをその前方に配設された吐出管に向けて略同芯状に複数本配設し、吐出管と噴射ノズルとの間に吸引口を設けるようにしたもので、流体加圧手段で加圧された高圧の圧力流体が複数の噴射ノズルから吐出管に向けて噴射されると、このジェット流は夫々同じ広がり角度をもって徐々に拡がって行き、このジェット流が広がり互いに渾然一体となって吐出管内一杯に拡がった時にその上流側の吐出管内に負圧が形成されるようになっている。
こうしたものでは、ジェット流の勢いが強く広がり角度が小さい場合でも、複数の噴射ノズルから夫々噴射されたジェット流の広がり角度が合算された状態になり、噴射ノズルから吐出管内一杯に拡がった位置までの距離が短くなるので、噴射ノズルからジェット流が吐出管いっぱいに広がるまでの距離を特許文献1に示す従来のジェットポンプのものより大幅に短縮することができる。
しかしながらこうした複数ノズル型ジェットポンプは、各ノズルから噴射されたそれぞれのジェット流が、筋状で、夫々同じ広がり角度をもって徐々に拡がって行き、このジェット流が広がり互いに渾然一体となって吐出管内一杯に拡がるまでは、各ジェット流間に隙間が生じ、この隙間部分に粉体等が付着堆積するのを防止することができないという問題があった。
また、吐出管内一杯に拡がったジェット流は、各ジェット流から直線状に流走して広がったものであるから、吸引口から吸引された固塊物で、1部のジェット流が一瞬でも阻害されると、その阻害された部分に筋状の空隙が生じ、吐出管内一杯に拡がるジェット流のバランスが崩れて不安定になるという問題もある。
上記問題点に鑑み提案されたもので、本発明は複数ノズル型ジェットポンプの有する問題点を解決し、複数ノズル型ジェットポンプの小型化を損なうことなく、付着・堆積しやすい雪や固塊物を含んだ粒体の吸引並びに吸引した粒体を吸引して流送したり、粒状固塊物の洗浄作業、気体や粉体を液体に攪拌・混合・溶解あるいは混練したりする作業の為の負圧、特に、大量な負圧は勿論のことで強力な負圧も安定して形成することができ、各種作業の効率を向上できるようにすることを目的とするものである。
上記目的を達成するために本発明にかかるジェットポンプは、高圧水供給源と、高圧水供給源からの高圧水を噴射する噴射ノズルと、噴射ノズルからジェット流を噴射して負圧が形成される負圧形成管を備え、負圧形成管は略円筒直管状とし、当該負圧形成管の一端部を流送管に連通する開口部とし、他端部に噴射ノズルを直接もしくは吸引口形成部材を介して取り付け、噴射ノズル近傍の負圧形成管もしくは吸引口形成管に吸引口を設けるとともに、噴射ノズルは主噴射口と、主噴射口の外周に少なくとも二つの副噴射口を等間隔に設けてなり、主噴射口はその中心軸を負圧形成管の中心軸線上に配設され、副噴射口はその副噴射口から噴射されたジェット流が負圧形成管の内周面寄り部分に旋回ジェット流を形成するように負圧形成管の中心軸線に対して所定角度異ならせて配設したことを最も主要な特徴とするものである。
本発明にかかるジェットポンプでは、副噴射口から噴射される旋回ジェット流が空気を混入された混気ジェット流であることや、副噴射口の合算された面積を主噴射口の面積と等しいか、小さくしてあることも特徴とするものである。
本発明にかかる複合ジェット流型ジェットポンプによる負圧形成方法は、高圧水供給源から供給された高圧水を、中心軸を負圧形成管の中心軸線上に配設された直進ジェット流を形成する主噴射口と、噴射されたジェット流が負圧形成管の内周面寄り部分に旋回ジェット流を形成するように負圧形成管の中心軸線に対して所定角度を異ならせて配設された副噴射口を有する副噴射口の両噴射口から負圧形成管に噴射し、負圧形成管の中心側部分には直進するジェット流を、負圧形成管の内周面寄り部分には旋回ジェット流を形成し、両ジェット流が合体して仮想ピストンを形成することにより、負圧形成管のジェット流上手側部分に負圧を形成するようにしたことを最も主要な特徴とするものである。
本発明によれば、高圧水供給源からの高圧水を噴射ノズルの主噴射口と副噴射とから噴射し、副噴射口はその副噴射口から噴射されたジェット流で負圧形成管の内周面寄り部分に旋回ジェット流を層状の形成するとともに、その層状に形成された旋回ジェット流の中央部分を主噴射口からのジェット流が流走するようになる。
この層状に形成された旋回ジェット流により、この旋回ジェット流と主噴射口から噴射された拡大しながら直進するジェット流とが合体して仮想ピストンを形成する位置が、シングルノズルのジェットポンプの場合に形成される位置に比べて噴射ノズル側に位置することになり装置全体を大幅に小型化できながらも、この旋回ジェット流により、負圧形成管の内周面に付着しようとする粉体や粒体等の固形物の付着が払拭されるので、大量で強力な負圧を安定して形成するというジェットポンプの性能を高く維持することができる。
これにより、各種作業を安定した状態で連続して行うことができるという利点がある。
しかも、吸引された固塊物等により旋回ジェット流の一部が遮られて、当該部分の旋回ジェット流一瞬阻害された場合でも、旋回するジェット流がその阻害された部分を補填するので、負圧形成管内に形成される負圧は安定し、ジェットポンプの性能を高く維持することができる。
また、副噴射口から噴射される旋回ジェット流が空気を混入された混気ジェット流にしたものでは、旋回ジェット流に含まれる気泡等の空気が、主噴射口から噴射されたジェット流と負圧形成管の内周面との摩擦を減殺するインシュレータとして作用するので、主噴射口から噴射されたジェット流の流勢の減衰を可及的に防止する。
これにより、大量で強力な負圧を安定して形成することができる利点がある。
さらに、副噴射口の合算された面積を主噴射口の面積と等しいか、若しくは面積を小さくしてある口径より小径にしたものでは、主噴射口の口径が大きいため、主噴射口から噴射されたジェット流の勢を強くでき、その分、負圧や吸引流送量を大きくすることができる利点がある。
そして、本発明のジェットポンプによる作業方法によれば、上記効果を有するジェットポンプで、負圧の形成作業、吸引作業、流送作業、粒状固塊物の洗浄作業や撹拌・混合若しくは曝気等の各作業の少なくともいずれか1つの作業を行うようにしたもので、いずれの作業でも、安定した大量の負圧あるいは強力な負圧を維持でき、各作業を連続して行うことができる利点がある。
以下、本発明にかかるジェットポンプの最も好ましい実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、ジェットポンプの一例を示す要部の縦断面図であって、図中符号1はジェットポンプを全体的に示す。
このジェットポンプ1は、高圧水供給源2と、高圧水供給源2からの高圧水を噴射する噴射ノズル3と、噴射ノズル3からジェット流が噴射されて負圧を形成する負圧形成管4を備えてなる。
負圧形成管4は円筒直管状に形成され、噴射ノズル3から噴射されるジェット流の下流側の負圧形成管4の端部(一端部)を開口部5とし、この開口部5にフランジ6・7を介して流送管8が連結され、ジェット流の上流側の負圧形成管4の端部(他端部)に、この負圧形成管4よりも大径に形成された吸引口形成部材9が取り付けられている(図1参照)。
この吸引口形成部材9の下部には吸引口10が形成されるとともに、吸引口形成部材9の左側面部分には噴射ノズル3が取り付けられている。
噴射ノズル3は、図1及び図3に示すように、主噴射口11とその周囲に等間隔に配置された6個の副噴射口12〜17とから成り、主・副両噴射口11・12〜17はホルダケース18内の噴射口装着部材19に装着されている。
ここで、1本の主噴射口11の開口面積は、その周囲に等間隔に配置された6個の副噴射口12〜17の開口面積を合算した面積よりも大きく設定してある。
ホルダケース18は、給水口20を設けたキャップ21で閉塞されており、キャップ21とホルダケース18の内部には圧力水室22が形成されている。
上記給水口20は、貯水槽23と、貯水槽23に貯留され水24をストレーナ25を介して吸引し、吸引された水を加圧する加圧ポンプ26で高圧水に加圧するように構成された高圧水供給源2に、高圧水供給管27で連結されている。
これにより、上記圧力水室22に高圧水供給源2からの高圧水が供給されるようになっている。
噴射口装着部材19に装着される主噴射口11は、短寸の円筒状に形成され、先端部を小径に搾って高圧水をそのままジェット流として噴射するように構成され、その周囲に配置される6個の副噴射口12〜17のそれぞれは、後述するように、混気ジェット流を形成するように構成されている。
この副噴射口12〜17は図2に示すように、円筒状に形成された本体部分28に小径の高圧水通路29と、この高圧水通路29の下流側に前記高圧水通路29より僅かに大径に形成された混気通路30とを同心状に形成するとともに、高圧水通路29寄りの混気通路部分30の周壁に複数の吸気孔31を穿設して構成されている。
これらの吸気孔31は、本体部分28の周面に形成された通気溝32と、噴射口装着部材19に形成した通気路33を介して調量弁34を設けたホルダケース18の吸気口35に連通されている(図1参照)。
そして、噴射口装着部材19に装着される主噴射口11は、図1および図3に示すように、その中心軸C1を、負圧形成管4の中心軸Cと同芯状に配置されており、副噴射口12〜17は図3乃至図5に示すように、負圧形成管4の中心軸Cに対して所定の角度(θ1、θ2)傾斜させた状態で配設されている。
この6個の副噴射口12〜17のうち、図上最上部の副噴射口12を例にして上記の所定角度(θ1、θ2)を説明する。
副噴射口12の傾斜角度θ1は、図4に示すようにY軸方向(平面視方向)から見た場合、本例ではおよそ15度に傾斜させてあり、副噴射口12の傾斜角度θ2は、図5に示すように、Z方向(側面視方向)から見た場合、本例ではおよそ5度傾斜させてある。
この傾斜角度θ1、θ2により、6個の副噴射口12〜17から噴射された混気ジェットが、後述するように円筒状の負圧形成管4内の内周面の近傍部分に層状の旋回ジェット流を形成するのであるが、副噴射口12〜17の傾斜角度θ1及びθ2は、必ずしも上記角度に限られるものではない。
つまり、副噴射口12〜17の口径や個数、配置位置等の要因によって設定されるもので、要は副噴射口12〜17から噴射されるジェット流で負圧形成管4内に良好な旋回ジェット流が形成される範囲で設定される。
因みに、副噴射口12〜17の個数の個数は限られないが、旋回ジェット流のバランス上、2つ以上がのぞましい。
また、副噴射口12〜17の傾斜角度θ1及びθ2の両角度は必ずしも必要ではなく、上述したように、副噴射口12〜17から噴射されるジェット流で負圧形成管4の内周面近傍に良好な旋回ジェット流が形成されるならば、副噴射口12〜17の傾斜角度θ1及びθ2のいずれか一方の傾斜角度を省略することができるのは勿論のことである。
また、本例では、1本の主噴射口11の開口面積を、その周囲に等間隔に配置された6個の副噴射口12〜17の開口面積を合算した面積よりも大きく設定してあるが、副噴射口12〜17の個数や作業の用途によって、例えば砂の洗浄等で旋回ジェット流を重要視するような場合には、主噴射口11の開口面積を、その周囲に等間隔に配置される複数の副噴射口12〜17の開口面積を合算した面積と等しいか、それよりも小さく設定されることもある。
上記のように構成された本例のジェットポンプ1の作用を図6乃至図8に基づいて説明する。
先ず、図6に示すように、加圧ポンプ26を駆動させて貯水槽23の水24をストレーナ25を介して吸引し、加圧ポンプ26で高圧に昇圧した後、昇圧された高圧水は、高圧水供給管27を通じて圧力水室22に供給される。
圧力水室22に供給された高圧の圧力水は、そのまま副噴射口12〜17と主噴射口11とに同圧で流入する。
副噴射口12〜17に供給された高圧水は、小径の各高圧水通路29を介してこの高圧水通路29より僅かに大径に形成された混気通路30に流走し、この径の拡大により、この径が拡大した高圧水通路29と混気通路30との境界近傍部分に負圧が形成される。
この境界部分に形成された負圧により、高圧水通路29寄りの混気通路30部分に穿設された吸気孔31から、通気溝32及び通気路33を通じて外気が吸引される。
混気通路30に吸引された外気(空気)は、ここを流走するジェット流の吸引されて混気ジェット流となり、この混気ジェット流は徐々に広がりながら、吸引口形成部材9を通過して負圧形成管4に、その中心軸Cに対して傾斜角θ1及びθ2をもって勢いよく突入する。
かくして負圧形成管4に、その中心軸Cに対して傾斜角θ1及びθ2で勢いよく突入する混気ジェット流36は、円筒状の負圧形成管4の内周面に案内されることにより、負圧形成管4の内周面の近傍部分に下流側で徐々に厚くなる層状の旋回ジェット流37を形成する。
一方、圧力水室22から主噴射口11に突入した高圧水は、吸引口形成部材9を通過し、負圧形成管4の中心軸Cに沿って徐々に広がりながら直進するジェット流となって負圧形成管4内を流走し、その拡がってゆく周辺部分が、上述した副噴射口12〜17から噴射されて負圧形成管4の内周面の近傍部分に旋回しながら下流側で徐々に厚くなる層状の旋回ジェット流37と合体すると、ここに二点鎖線の網目模様部分で示すように、その下流側に向かって連続して作用する仮想ピストン39が形成される
ここで仮想ピストン39が形成される過程を図8で説明すると、主噴射口11から噴射され直進するジェット流38及び副噴射口12〜17からの旋回ジェット流37は、対向する大気の抵抗や、形成される負圧による吸い戻し力等の抗力40のために広げられ、図8に示すように、無数のミスト41・41・・・となって飛翔する。
ここで仮想ピストン39が形成される過程を図8で説明すると、主噴射口11から噴射され直進するジェット流38及び副噴射口12〜17からの旋回ジェット流37は、対向する大気の抵抗や、形成される負圧による吸い戻し力等の抗力40のために広げられ、図8に示すように、無数のミスト41・41・・・となって飛翔する。
この時、各ミスト41・41・・・の飛翔(流走)方向下手側(前面)部分の空気42は点描しているように加圧された状態となり、ミスト41の上手側は負圧となる。
この無数のミスト41・41・・・の各前面部分で加圧された空気42の隣接するもの同士が連続すると、全体として見ると、あたかもここに負圧形成管4の出口方向(流走管8側)に向けて連続して作用するような仮想ピストン39が形成されるのである。
負圧形成管4内に形成される仮想ピストン39の位置は、負圧形成管4内に形成される負圧による吸い戻し力等の抗力40と、副噴射口12〜17並びに主噴射口11から噴射された直進するジェット流38の流勢とが拮抗する位置に形成されるので、作業状況による負圧形成管4内の負圧による吸い戻し力により自動的に変化することになる。
つまり、大きな固塊物を吸引して吸引口10が詰まったりしたような場合には、仮想ピストン39の位置が噴射ノズル3側に移動して吸引力(負圧)を高め、例えば図6におけるD〜E間のLの範囲内で変化し、吸引口10の詰まりを自動的に解消するように作用する。
また、形成された仮想ピストン39により吸引口10から吸引された固塊物等の粒状体は、仮想ピストン39の下流側に流走するときに、主噴射口11から噴射され直進するジェット流38も広がってミスト41になって飛翔するので、この飛翔するミスト41の前後の正圧と負圧との繰り返しや飛翔する粒状体同士の接触や衝突等により、例えば後述の粉炭をスラリー化して火力発電用の燃料を製造する電力中央研究所報告でも明らかにされているように、撥水性を有する粒状物の表面でも、湿潤状態にしてスラリー化することができる。
この仮想ピストン39が形成された部分の負圧形成管4内は、図9に示すように、負圧形成管の内周面の近傍部分に旋回ジェット流37が旋回しながら層状になって流走するともに中央部分には力強く直進するジェット流38が流走している状態となっている。
本例のように、旋回ジェット流37を混気ジェット流38にすると、混気ジェット流38には多くの空気を含んで比重が軽くなっており、この層を形成する混気ジェット流36に含まれている空気や、空気を含んだジェット流が、内燃機関で言うシリンダとピストンとの間の潤滑油のような作用をし、負圧形成管4の内周面と、負圧形成管4の中央部分を直進流走するジェット流38との摩擦を遮断するインシュレータとして作用するので、気密を保ちながら直進流走するジェット流38の流勢が低下するのを可及的防止する。
このように、負圧形成管4の内周面の近傍部分に層状の旋回ジェット流37が形成されると、粉体や粘着物が負圧形成管4の内周面に付着したり、付着しようとするときでも、この旋回ジェット流37が一瞬にして払拭して付着を防止する。
これにより、負圧形成や、浚渫作業、粒状固塊物の洗浄作業、混練作業、吸引して流走する作業等、各種作業を安定した状態で連続して行うことができる。
また、負圧形成管4の内周面の近傍部分に旋回ジェット流37が層状に形成されているので、吸引口10から吸引された固塊物で一部の副噴射口12〜17からの混気ジェット流36の一部が一瞬途切れて阻害されたときでも、他の副噴射口12〜17から噴射されて、層状で旋回する旋回ジェット流37が、その途切れ部分を瞬時に補完するので大きく脈動するのをを防ぎ、安定して負圧を形成することができ、浚渫作業、粒状固塊物の洗浄作業、混練作業、吸引流走作業等、各種作業を効率よく、連続して行うことができる。
本例のように、大きく脈動するのを防ぎ、各種作業を安定した状態で連続して行うことができることから、ジェットポンプを使用して粉炭をスラリー化して製造される火力発電用の燃料を製造する場合にも好適なものとなる。
この混気ジェットポンプを使用して粉炭をスラリー化して製造される火力発電用の燃料を製造することについては、電力中央研究所報告(CWM乾式製造方法の検討−試作試験装置による製造とCWM性状−研究報告:W91047 平成4年7月 財団法人電力中央研究所)に、乾式で石炭を微粉化し、粒径調整された微粉炭を、添加剤を加えた水を駆動源とする混気ジェットポンプを通過させるだけで、粉炭をスラリー化し、高濃度の火力発電用の燃料を形成することができることが記載されている。
つまり、この報告書おける「混気ジェットポンプ」は、1本ノズルの混気ジェットポンプであるが、この「混気ジェットポンプ」にかえて本発明にかかるジェットポンプ1用いると、図8に示したように直進するジェット流38と、層状になって旋回する旋回ジェット流37が加わり、一層の撹拌・洗浄乃至湿潤効果を期待することできる。
因みに、本例では、副噴射口12〜17からは高圧の混気ジェット流36が噴射され、主噴射口11からは高圧の水による直進するジェット流38が噴射されるようにしてあるが、これは、混気ジェット流37は多量の空気や気泡を含んでいることから比重が軽く、流走する速度(v)が同じでも体積(m)が大きい分、単位容積当たりの質量(m×v)は、高圧の水による直進するジェット流38のものに比べて小さくなっている。
従って、多量の吸引量(負圧量)が必要な場合には、主噴射口11から噴射される直進するジェット流38を混気ジェット36にすることにより、形成する負圧量を多くすることができる。
逆に、作業等によって、強力な負圧を必要な時には、副噴射口12〜17から噴射される上記の混気ジェット36を、空気を含まない高圧の水による旋回ジェット流37にすることにより強力な負圧を形成することができる。
さらに、本例では主噴射口11を1本にしてあるが、これを複数本にすることもできる。
主噴射口11を複数本にした場合には、上記仮想ピストン39が形成される位置がさらに噴射ノズル3側に近づくので、負圧形成管4を短縮することができ、装置全体をより小型化することができる利点がある。
加えて、強力な負圧を形成する場合、その強力な負圧が噴射ノズルの周囲近傍にも作用し、ジェット流を吸い出すように働くので、高圧水供給源の駆動力の負担を軽減することができる。
上述したように、本発明にかかるジェットポンプ1は、大きな脈動を防ぎ、各種作業を安定した状態で連続して行うことができるので、浚渫作業等の不均一で比重の大きな固塊物を吸引したり、吸引して搬送を行うような作業のように強力な負圧を必要とする場合や、均一な粒状物の洗浄作業や混練作業のように大量の負圧を必要とする場合のいづれの作業にも幅広く利用することができる。
1・・・ジェットポンプ
2・・・高圧水供給源
3・・・噴射ノズル
4・・・負圧形成管
5・・・4の開口部
6・7・・・フランジ
8・・・流送管
9・・・吸引口形成部材
10・・・吸引口
11・・・主噴射口
12〜17・・・副噴射口
18・・・ホルダケース
19・・・噴射口装着部材
20・・・給水口
21・・・キャップ
22・・・圧力水室
23・・・貯水槽
24・・・水
25・・・ストレーナ
26・・・加圧ポンプ
27・・・高圧水供給管
28・・・本体部分
29・・・高圧水通路
30・・・混気通路
31・・・吸気孔
32・・・通気溝
33・・・通気路
34・・・調量弁
35・・・吸気口
36・・・混気ジェット流
37・・・旋回ジェット流
38・・・直進するジェット流
39・・・仮想ピストン
40・・・抗力
41・・・ミスト
42・・・空気
2・・・高圧水供給源
3・・・噴射ノズル
4・・・負圧形成管
5・・・4の開口部
6・7・・・フランジ
8・・・流送管
9・・・吸引口形成部材
10・・・吸引口
11・・・主噴射口
12〜17・・・副噴射口
18・・・ホルダケース
19・・・噴射口装着部材
20・・・給水口
21・・・キャップ
22・・・圧力水室
23・・・貯水槽
24・・・水
25・・・ストレーナ
26・・・加圧ポンプ
27・・・高圧水供給管
28・・・本体部分
29・・・高圧水通路
30・・・混気通路
31・・・吸気孔
32・・・通気溝
33・・・通気路
34・・・調量弁
35・・・吸気口
36・・・混気ジェット流
37・・・旋回ジェット流
38・・・直進するジェット流
39・・・仮想ピストン
40・・・抗力
41・・・ミスト
42・・・空気
Claims (4)
- 加圧された高圧水供給源と、高圧水供給源からの高圧水を噴射する噴射ノズルと噴射ノズルからジェット流が噴射されて負圧が形成される負圧形成管を備え、負圧形成管は円筒直管状とし、当該負圧形成管の一端部を流送管に連通する開口部とし、他端部に噴射ノズルを直接もしくは吸引口形成部材を介して取り付け、噴射ノズル近傍の負圧形成管もしくは吸引口形成管に吸引口を設けるとともに、噴射ノズルは主噴射口と、主噴射口の外周に少なくとも二つの副噴射口を等間隔に設けてなり、主噴射口はその中心軸を負圧形成管の中心軸線上に配設され、副噴射口はその副噴射口から噴射されたジェット流が負圧形成管の内周面寄り部分に旋回ジェット流を形成するように負圧形成管の中心軸線に対して所定角度を異ならせて配設したことを特徴とするジェットポンプ。
- 副噴射口から噴射されて形成される旋回ジェット流が空気を混入された混気ジェット流であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のジェットポンプ。
- 副噴射口の合算された面積を主噴射口の面積(主噴射口が複数の場合には合算した面積)と等しいか、小さくしてあることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のジェットポンプ。
- 高圧水供給源から供給された高圧水を、中心軸を負圧形成管の中心軸線上に配設された直進ジェット流を形成する主噴射口と、噴射されたジェット流が負圧形成管の内周面寄り部分に旋回ジェット流を形成するように負圧形成管の中心軸線に対して所定角度を異ならせて配設された副噴射口を有する副噴射口の両噴射口から負圧形成管に噴射し、負圧形成管の中心側部分には直進するジェット流を、負圧形成管の内周面寄り部分には旋回ジェット流を形成し、両ジェット流が合体して仮想ピストンを形成することにより、負圧形成管のジェット流上手側部分に負圧を形成するようにしたことを特徴とする複合ジェット流型ジェットポンプによる負圧形成方法。
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---|---|---|---|
JP2012172507A JP2014031760A (ja) | 2012-08-03 | 2012-08-03 | ジェットポンプおよび複合ジェット流型ジェットポンプによる負圧形成方法 |
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JP (1) | JP2014031760A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2012
- 2012-08-03 JP JP2012172507A patent/JP2014031760A/ja active Pending
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