JP2009102887A - 車両開閉体の制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】車両内への荷物の搬入時などに、運転者が開閉体操作を行う手間を削減することができる車両開閉体の制御システムを提供する。
【解決手段】車外設備1と車載設備11よりなり、車外設備は、車載設備との間の無線通信によって、或いは車両(例えばナンバープレートのナンバー部分)又は搭乗者(例えば運転者の顔)の画像によって車両の認証を実行し、認証結果が該当車両であることを必要条件として、前記無線通信によって車載設備に開閉体17(例えば、荷台の扉)の開命令を送信する機能を有し、車載設備は、前記開命令を受信したことを必要条件として、車両の開閉体を開く制御を行う機能を有する構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両内への荷物の搬入時などに、運転者が開閉体操作を行う手間を削減することができる車両開閉体の制御システムに関する。
ETC(Electronic toll collection)システム等に関連する運転者の利便性を考慮した公知技術としては、特許文献1〜3がある。
このうち特許文献1は、カードが車内の所定位置に取り付けられれば、少なくとも運転席の窓が自動閉になり、所定位置から外されれば窓は自動開になるものである。ただし、この制御は車内にある制御手段が行うのであり、車外からの干渉はない。
次に特許文献2は、ETCを使って、ドライブスルー等で買い物する際の精算ができる発明であるが、窓、ドア等の自動開閉制御については記載がない。
また特許文献3は、ETCは有料道路通行の精算を行うために使い、それとは別に、ドライブスルー等での買い物精算に使う非接触ICカードユニットも用意する。そして、2種類のカードを1つのカードリーダに装着できる構成としたものである。ただし、窓、ドア等の自動開閉制御については記載がない。
特開2002−256770号公報 特開2003−51038号公報 特開2006−119691号公報
このような状況で、車両においては、次のような問題点があった。即ち、ETCシステム等によりドライブスルー決済が可能になったとき、決済は何の操作もなく可能になるが、商品の搬入のときに窓等の開閉体操作をすることになりわずらわしさを感じる。また、流通関係等で荷物の搬入や搬出の作業をするときに荷台やドアの開閉をするために、開閉スイッチ操作をする必要があり、時間を要することが課題である。
そこで本発明は、車両内への荷物の搬入時などに、運転者が開閉体操作を行う手間を削減することができる車両開閉体の制御システムを提供することを目的としている。
本願の車両開閉体の制御システムは、車外設備と車載設備よりなり、
車外設備は、車載設備との間の無線通信によって、或いは車両(例えばナンバープレートのナンバー部分)又は搭乗者(例えば運転者の顔)の画像によって車両の認証を実行し、認証結果が該当車両であることを必要条件として、前記無線通信によって該当車両の車載設備に開閉体の開命令を送信する機能を有し、
車載設備は、前記開命令を受信したことを必要条件として、車両の開閉体を開く制御を行う機能を有することを特徴とする。
本制御システムによれば、車外設備からの開命令で車両の開閉体が自動的に開くので、車両内への荷物の搬入時などに、運転者が開閉体操作を行う手間を削減することができる。しかも、該当車両であることを車外設備が認証することが上記開命令の必要条件となっているので、開ける必要のない車両の開閉体まで自動開動してしまう不具合が防止できる。
次に、本願の制御システムの好ましい態様は、前記車外設備が、前記車両の開閉体を開く制御が行われた後、前記該当車両に物体を搬入し、または前記該当車両から物体を搬出させる搬入搬出手段をさらに有することを特徴とする。
この態様であると、車両への物体の搬入、または搬出が省力化される。
また、本願の制御システムの別の好ましい態様は、前記車外設備が、前記車両に対して、前記車両の認証の結果にかかわらず車両の開閉体への開命令または閉命令を送信するための操作手段をさらに有することを特徴とする。
この態様であると、特に車両の開閉体を閉じる際において、再度車両の認証を行う手間を省略することができる。
本願の車両開閉体の制御システムによれば、車外設備からの開命令で車両の開閉体が自動的に開くので、車両内への荷物の搬入時などに、運転者が開閉体操作を行う手間を削減することができる。しかも、該当車両であることを車外設備が認証することが上記開命令の必要条件となっているので、開ける必要のない車両の開閉体まで自動開動してしまう不具合が防止できる。
以下、本発明の実施の形態の各例を図面に基づいて説明する。
(第1形態例)
まず第1形態例を説明する。本例は、本発明を運送関係に適用した場合の例である。
図1は、本例のシステムの構成を説明するブロック図である。図2及び図3は、同システムの動作を説明するフローチャートである。
本システムは、図1に示すように、車両に対する荷物の搬入搬出を行う物流センター等の施設に設置された車外設備1と、運送用のトラック等の車両に搭載された車載設備11とよりなる。
車外設備1は、詳細を後述するように、車載設備11との間の無線通信等によって車両の認証を実行し、認証結果が該当車両であることを必要条件として、前記無線通信によって該当車両の車載設備11に開閉体の開命令を送信する機能を有する。また車載設備11は、前記開閉体の開命令を受信したことを必要条件として、車両の開閉体を開く制御を行う機能を有する。
そして車外設備1には、無線装置2と、認証手段3と、搬入搬出装置4とが含まれる。一方、車載設備11には、無線装置12と、開閉体制御モジュール14と、開閉確認装置15と、荷物積込み確認装置16と、開閉体17(例えば、トラックなどの車両の荷室又は荷台の扉等)と、荷台18(荷室でもよい)とが含まれる。
ここで、認証手段3は、荷物の搬入搬出を行うべき該当車両か否かを確認する認証を行うものであり、例えばマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)からなる制御部や、認証用機器(例えば、画像認証用のカメラ)、認証情報記憶用の記憶手段(例えばROM)などを含んで構成される。この認証手段3が行う認証方法としては、各種の公知技術が利用できる。例えば、Nシステム(自動車ナンバー自動読取装置)のカメラ画像認証、ETCカードの無線認証、ETC車載器の無線認証、運転者の顔のカメラによる画像認証、自動車に取り付けられたRFタグ(Radio Frequency Identification(RFID)のタグ)の情報を読み取ることによる認証などがあり得る。
なお、認証手段3を構成する上記認証用機器は、カメラによる画像認証の場合にはカメラであり、ETCカード等の無線認証の場合はETC車載器に対する通信機器であり、RFタグによる認証の場合はRFタグの情報を読み取る読取装置である。
また、認証手段3の上記記憶手段に記憶される認証情報は、カメラによる画像認証の場合には例えば該当車両のナンバー情報或いは該当車両の運転者の顔の情報であり、ETCカード等の無線認証の場合は該当車両のETCカードやETC車載器の情報であり、RFタグによる認証の場合は該当車両のRFタグの情報である。これら該当車両を認証するための情報は、この場合、予め認証手段3の上記記憶手段に登録される。そして上記認証では、車両側から読み取った認証情報と、上記記憶手段に予め登録された認証情報とが一致する場合に、認証結果が肯定的であると判定し、一致しない場合には否定的であると判定する。
また、認証手段3が行う認証は、上述した各種認証方法を組み合わせたものであってもよい。例えば、上述した認証方法のうちの何れか複数を行い、全ての認証結果が肯定的になったときのみ該当車両と判定する構成としてもよい。このように複数の認証方法を組み合わせると、該当車両へのなりすましをより確実に防止できる。
また、認証手段3の制御部は、次の制御処理機能を有する。即ち、所定位置に車両がくると該当車両であるか否かの認証処理を行い、この認証結果が肯定的であれば無線装置2に開閉体17の開命令の送信を指令する信号(開命令送信指令)を出力する。
次に無線装置2は、車両側の無線装置12と無線通信を行うための通信回路やアンテナ等を有するとともに、制御部(例えばマイコンからなるもの)を有する。この無線装置2の制御部は、次の制御処理機能を有する。即ち、認証手段3から前記開命令送信指令を受信すると、無線装置12に対して開閉体17の開命令の無線信号(開命令無線信号)を送信する機能を有する。また、無線装置12から後述する許可無線信号を受信すると、搬入搬出装置4に許可信号を出力する。なお、この無線装置2の通信機能は、後述する無線装置12の構成に対応して、車両のキーレスエントリーシステム、或いはラジオ、或いはETC、或いは携帯電話等の無線通信機能を利用したものでもよい。
搬入搬出装置4は、荷台18(或いは車両の荷室でもよい)に対して所定の荷物の搬入又は搬出を行う装置(例えば自動フォークリフトよりなる装置)であり、そのための機械的構成を有するとともに、制御部(例えばマイコンからなるもの)を有する。この搬入搬出装置4の制御部は、次の制御処理機能を有する。即ち、無線装置2から許可信号を受信すると、エラー条件が成立していないことを監視しつつ、荷台18に対して所定の荷物の搬入又は搬出を実行する。
車両側の無線装置12は、車外設備側の無線装置2と無線通信を行うための通信回路やアンテナ等を有するとともに、制御部(例えばマイコンからなるもの)を有する。この無線装置12の制御部は、次の制御処理機能を有する。即ち、無線装置2から前述の開命令無線信号を受信すると、車内通信を利用して開閉体制御モジュール14へ開閉体17の開命令の信号(開命令信号)を出力する。また、開閉確認装置15から荷物の搬入搬出を許可する許可信号(許可信号)を受信すると、無線装置2に対してこの許可信号に対応する無線信号(許可無線信号)を送信する。
なお、この無線装置12の少なくとも通信機能部分は、車両に設けられたキーレスエントリーシステムの車載機、或いはラジオ、或いはETC車載機、或いは携帯電話等と共用化されていてもよい。また、無線装置12や無線装置2に使用する通信技術としては、ETC以外のDSRC(Dedicated short range communications)を用いてもよいことはいうまでもない。
開閉体制御モジュール14は、開閉体17の駆動部(図示省略)を制御する制御部(例えばマイコンからなるもの)を有する。この開閉体制御モジュール14の制御部は、次の制御処理機能を有する。即ち、無線装置12から前記開命令信号を受信すると、エラー条件が成立していないことを監視しつつ開閉体17を開放する制御を実行する。また、荷物積込み確認装置16から後述する閉命令信号を受信すると、エラー条件が成立していないことを監視しつつ開閉体17を閉じる制御を実行する。
開閉確認装置15は、開閉体17の開閉状態を検知して確認可能な装置であり、開閉体17の開動作が完了したことを確認すると、開動終了信号を車内通信によって開閉体制御モジュール14に送信するとともに、前記許可信号を無線装置12に送信する機能を有する。また、開閉体17の閉動作が完了したことを確認すると、閉動終了信号を車内通信によって開閉体制御モジュール14に送信する機能も有する。この開閉確認装置15は、例えば車両に搭載されて開閉体17の開度を検知するセンサーによって構成される。或いは、この開閉確認装置15は、車外設備側に設けられ車外設備1からカメラで開閉体を撮影し、画像で開閉体17の開度を判断する構成であってもよい。この場合、開閉確認装置15は車外設備1に設けられているため、開閉確認装置15から出力される上記開動終了信号等は、無線装置2及び無線装置12を経由して開閉体制御モジュール14に送信される。またこの場合、前記許可信号は、車外設備1内の通信によって開閉確認装置15から搬入搬出装置4に無線装置を介さないで直接送信される。
荷物積込み確認装置16は、荷台18への荷物の積込み状態等を検出して確認可能な装置であり、荷物の搬入又は搬出動作が完了したことを確認すると、開閉体17の閉動作を指令する信号(閉命令信号)を車内通信によって開閉体制御モジュール14に送信する。ここで、搬入や搬出の完了の確認は、例えば荷台18に搭載したカメラ(図示省略)によって荷物や荷物の梱包箱につけられているRFタグの情報を読み取って認証することで行う。なお、車外設備1の側に設けたカメラによって、上記搬入や搬出の完了の確認を行う態様でもよい。
次に、図2及び図3に示したフローチャートにより、システムの全体的動作や構成要素の機能や動作を説明する。
まず、荷物の搬入搬出を行う所定位置に車両がくると、認証手段3が該当車両であるか否かの認証処理を行い(ステップS1)、この認証結果が肯定的であれば認証手段3が無線装置2に開命令送信指令を出力し(ステップS2)、否定的であれば開命令送信指令は出力されない(ステップS3)。
ステップS2を経ると、無線装置2が認証手段3から開命令送信指令を受信して無線装置12に対して開命令無線信号を送信し(ステップS4)、次いで無線装置12が前記開命令無線信号を受信して開閉体制御モジュール14へ開命令信号を出力する(ステップS5)。
ステップS5を経ると、開閉体制御モジュール14が、前記開命令信号を受けて、開閉体17を開くときのエラー条件(開動開始時エラー条件)が成立しているか否か判定する(ステップS6)。この開動開始時エラー条件としては、(a)車両の速度がゼロになっていないこと、(b)車両のパーキングブレーキがオンになっていないこと、(c)AT車の場合にシフトがP位置(パーキング位置)に入っていないこと、(d)車載設備11に設けられた車両の外部監視センサー(図示省略)によって危険を察知していること(例えば、トラックの荷台の扉を開くと人や物に接触しそうな状況であることが検知されていること)、(e)車載設備11に設けられた開閉禁止スイッチ(図示省略)が開動禁止状態になっていること、(f)該当の開閉体17を開動させる車内の操作スイッチ(例えばパワーウインドウの操作スイッチ、図示省略)が操作されていること(外部からの操作よりも車内からの操作を優先とするため)、(g)開閉体17が開いたときに、既に荷台18に格納されている荷物が外部に飛び出しそうな状況であることが例えば前記外部監視センサーによって検知されていること、(h)降雨状態であることが判定されていること、(i)エアコンが作動していること、(j)運転者が車外へ出て、車外から車両ドアを施錠するロック操作をしたこと(キーレスエントリーシステムで施錠操作がなされたこと)、などがあり得る。
なお、上記(h)の降雨状態の判定方法としては、車両のワイパースイッチ(図示省略)がオンになっていると降雨状態であると判定する方法、車両に設けられた雨滴センサー(図示省略)が雨を検知していると降雨状態であると判定する方法、社外からの無線通信(ITS;Intelligent
Transport Systemsやラジオ)によって降雨情報を得ていると降雨状態であると判定する方法、などがあり得る。
そして開閉体制御モジュール14は、上記開動開始時エラー条件(a)〜(j)のうちの例えば何れか一つが成立していると、エラーであると判定して開閉体17の開動作を開始せず、エラーであること(開閉体17の開動作が開始できないこと)を車両の運転者及び搬入搬出施設の係員等(車外設備側の人間)に報知し、このエラーが解除されない限り、この報知を継続してステップS6のエラー判定を繰り返し実行する(ステップS7)。なお、上記ステップS7のエラー報知としては、音声、画像表示、ランプ点灯などによる報知があり得る。
また開閉体制御モジュール14は、ステップS6のエラー判定結果が否定的であると(例えば開動開始時エラー条件(a)〜(j)の全てが非成立であると)、開閉体17の開動作を開始する制御を実行する(ステップS8)。
なお、開閉体17が開動作を開始するときは、運転者に対して音声、及び、モニタ表示で、開閉体17が自動的に開く旨の注意をうながすことが望ましい。また、開く際に、周囲への迷惑防止のため、車内の音楽等の音声装置の音量が大きい場合は、自動的に小さくなる機能を具備することも考えられる。
次に、開閉体17の開動作を開始すると、開閉体制御モジュール14は、開閉体17を開いているときのエラー条件(開動時エラー条件)が成立しているか否か判定する(ステップS9)。この開動時エラー条件としては、例えば前述の開動開始時エラー条件(a)〜(j)と同じ条件が設定されている。
そして開閉体制御モジュール14は、上記開動時エラー条件(a)〜(j)のうちの例えば何れか一つが開閉体17の開動作中に成立すると、エラーであると判定して開閉体17の開動作を途中で停止、または閉動作させ(ステップS10)、エラーであること(開閉体17の開動作が継続できないこと)を車両の運転者及び搬入搬出施設の係員等(車外設備側の人間)に報知し、このエラーが解除されない限り、この報知を継続してステップS9のエラー判定を繰り返し実行する(ステップS11)。なお、上記ステップS11のエラー報知としては、音声、画像表示、ランプ点灯などによる報知があり得る。
また開閉体制御モジュール14は、ステップS9のエラー判定結果が否定的であると(例えば開動時エラー条件(a)〜(j)の全てが非成立であると)、開閉体17の開状態を保つ(ステップS12)。ここで開状態を保つとは、開閉体17が全開状態であればその全開状態を保ち、開閉体17が閉状態あるいは半開状態であれば、全開状態になるように動作させることを指す。
なお、開閉体17が開動作を再開するときは、運転者に対して音声、及び、モニタ表示で、開閉体17が自動的に開く旨の注意をうながすことが望ましい。
また開閉体制御モジュール14は、開閉体17の開動作が終了するまで(即ち、開閉確認装置15から開動作終了信号を受信するまで)は、ステップS9〜S12を繰り返し実行し、開閉体17の開動作が終了すると(即ち、開閉確認装置15から開動作終了信号を受信すると)、ステップS9〜S12の処理を終了し、開閉体17の開動作を終了する。
次に、以上のようにして開閉体17の開動が実行されると、開閉確認装置15が、開閉体17の開動作が完了したか否か(即ち、開閉体17が全開したか否か)を判定し(ステップS13)、開閉体17の開動作が完了したことを確認すると、前記開動終了信号を開閉体制御モジュール14に送信するとともに、前記許可信号を無線装置12に送信する(ステップS14)。なお、この許可信号は、前述した許可無線信号として無線装置12から無線装置2に送信され、さらに無線装置2から搬入搬出装置4に送信される。またステップS13で、開閉確認装置15が開閉体17の開動作が完了したことを確認しないと、前記開動終了信号と前記許可信号が出力されず、ステップS9〜S13の動作が繰り返される。
次に、以上のようにして前記許可信号が搬入搬出装置4で受信されると、搬入搬出装置4が荷物の搬入搬出開始時のエラー条件(搬入搬出開始時エラー条件)が成立しているか否か判定する(ステップS15)。この搬入搬出時エラー条件としては、(a)車両の速度がゼロになっていないこと、(b)車両のパーキングブレーキがオンになっていないこと、(c)AT車の場合にシフトがP位置(パーキング位置)に入っていないこと、などがあり得る。
なお、上記搬入搬出開始時エラー条件は、これを判断するための情報を搬入搬出装置4が無線装置2と無線装置12間の無線通信を経由して車載設備11から受信して判定する。
そして搬入搬出装置4は、上記搬入搬出開始時エラー条件のうちの例えば何れか一つが成立していると、エラーであると判定して荷物の搬入搬出の動作を開始せず、エラーであること(荷物の搬入搬出の動作が開始できないこと)を車両の運転者及び搬入搬出施設の係員等(車外設備側の人間)に報知し、このエラーが解除されない限り、この報知を継続してステップS15のエラー判定を繰り返し実行する(ステップS16)。なお、上記ステップS16のエラー報知としては、音声、画像表示、ランプ点灯などによる報知があり得る。
また搬入搬出装置4は、ステップS15のエラー判定結果が否定的であると(例えば搬入搬出開始時エラー条件(a)〜(c)の全てが非成立であると)、所定の荷物の荷台18に対する搬入又は搬出を開始する制御を実行する(ステップS17)。
なお、搬入又は搬出の動作を開始するときは、運転者に対して音声、及び、モニタ表示で、荷物の搬入等が行われる旨の注意をうながすことが望ましい。
また、開閉体17が開いて荷物の搬入等を開始しようとしたとき、搬入搬出装置4に対する好ましい位置から、車両の駐車位置や車両の開閉体17の位置(高さ等)がずれていることが懸念される。この対応策として以下のことが考えられる。即ち、開閉体17をカメラで検知し、開閉体17の位置認証を行い、搬入搬出装置4の高さを自動調整する。この場合、カメラでの認証がし易いように、車両の開閉体部分外装に線を入れて明暗をつける等の工夫をするのも良い。或いは、カメラで車両の開閉体位置を確認しながら、車両の車輪を固定し、車両下部の搬送部分が移動することで搬入搬出装置4に対する適正な高さ等に車両を合わせる。
次に、荷物の搬入又は搬出の動作を開始すると、搬入搬出装置4は、荷物の搬入又は搬出を実行しているときのエラー条件(搬入搬出時エラー条件)が成立しているか否か判定する(ステップS18)。この搬入搬出時エラー条件としては、例えば前述の搬入搬出開始時エラー条件(a)〜(c)と同じ条件が設定されている。
そして搬入搬出装置4は、上記搬入搬出時エラー条件のうちの例えば何れか一つが荷物の搬入又は搬出の動作中に成立すると、エラーであると判定して荷物の搬入又は搬出の動作を途中で停止し(ステップS19)、エラーであること(荷物の搬入等の動作が継続できないこと)を車両の運転者及び搬入搬出施設の係員等(車外設備側の人間)に報知し、このエラーが解除されない限り、この報知を継続してステップS18のエラー判定を繰り返し実行する(ステップS20)。なお、上記ステップS20のエラー報知としては、音声、画像表示、ランプ点灯などによる報知があり得る。
また搬入搬出装置4は、ステップS18のエラー判定結果が否定的であると(例えば搬入搬出時エラー条件(a)〜(c)の全てが非成立であると)、荷物の搬入又は搬出の動作を継続又は再開する制御を実行する(ステップS21)。
なお、荷物の搬入又は搬出の動作を再開するときは、運転者に対して音声、及び、モニタ表示で注意をうながすことが望ましい。
また搬入搬出装置4は、荷物の搬入又は搬出の動作が終了するまでは、ステップS18〜S21を繰り返し実行する。
次に、以上のようにして荷物の搬入又は搬出の動作が実行されると、荷物積込み確認装置16が、この動作が完了したか否かを判定し(ステップS22)、この動作が完了したことを確認すると、前記閉命令信号を開閉体制御モジュール14に送信する(ステップS23)。なお、ステップS22で、荷物積込み確認装置16が動作完了を確認しないと、前記閉命令信号が出力されず、ステップS18〜S22の動作が繰り返される。
ステップS23を経ると、開閉体制御モジュール14が、前記閉命令信号を受けて、開閉体17を閉じるときのエラー条件(閉動開始時エラー条件)が成立しているか否か判定する(ステップS24)。この閉動開始時エラー条件としては、(a)車載設備11に設けられた開閉禁止スイッチ(図示省略)が閉動禁止状態になっていること、(b)車両のパーキングブレーキがオンになっていないこと、(c)AT車の場合にシフトがP位置(パーキング位置)に入っていないこと、(d)開閉体17が閉じる位置に荷物等が置いてあることが例えば前記外部監視センサーによって検知されていること、などがあり得る。
そして開閉体制御モジュール14は、上記閉動開始時エラー条件のうちの例えば何れか一つが成立していると、エラーであると判定して開閉体17の閉動作を開始せず、エラーであること(開閉体17の閉動作が開始できないこと)を車両の運転者及び搬入搬出施設の係員等(車外設備側の人間)に報知し、このエラーが解除されない限り、この報知を継続してステップS24のエラー判定を繰り返し実行する(ステップS25)。なお、上記ステップS25のエラー報知としては、音声、画像表示、ランプ点灯などによる報知があり得る。
また開閉体制御モジュール14は、ステップS24のエラー判定結果が否定的であると(例えば閉動開始時エラー条件の全てが非成立であると)、開閉体17の閉動作を開始する制御を実行する(ステップS26)。
なお、開閉体17が閉動作を開始するときは、運転者に対して音声、及び、モニタ表示で、開閉体17が自動的に閉じる旨の注意をうながすことが望ましい。
次に、開閉体17の閉動作を開始すると、開閉体制御モジュール14は、開閉体17を閉じているときのエラー条件(閉動時エラー条件)が成立しているか否か判定する(ステップS27)。この閉動時エラー条件としては、例えば前述の閉動開始時エラー条件(a)〜(d)と同じ条件が設定されている。
そして開閉体制御モジュール14は、上記閉動時エラー条件のうちの例えば何れか一つが開閉体17の閉動作中に成立すると、エラーであると判定して開閉体17の閉動作を途中で停止、または開動作させ(ステップS28)、エラーであること(開閉体17の閉動作が継続できないこと)を車両の運転者及び搬入搬出施設の係員等(車外設備側の人間)に報知し、このエラーが解除されない限り、この報知を継続してステップS27のエラー判定を繰り返し実行する(ステップS29)。なお、上記ステップS29のエラー報知としては、音声、画像表示、ランプ点灯などによる報知があり得る。
また開閉体制御モジュール14は、ステップS27のエラー判定結果が否定的であると(例えば閉動時エラー条件の全てが非成立であると)、開閉体17の閉状態を保つ(ステップS30)。ここで閉状態を保つとは、開閉体17が全閉状態であればその全閉状態を保ち、開閉体17が開状態あるいは半開状態であれば、全閉状態になるように動作させることを指す。
なお、開閉体17が閉動作を再開するときは、運転者に対して音声、及び、モニタ表示で、開閉体17が自動的に閉じる旨の注意をうながすことが望ましい。
また開閉体制御モジュール14は、開閉体17の閉動作が終了するまで(即ち、開閉確認装置15から閉動作終了信号を受信するまで)は、ステップS27〜S30を繰り返し実行し、開閉体17の閉動作が終了すると(即ち、開閉確認装置15から閉動作終了信号を受信すると)、ステップS27〜S30の処理を終了し、開閉体17の閉動作を終了する。
以上説明した車外設備1と車載設備11よりなるシステムによれば、車外設備1からの開命令で車両の開閉体17が自動的に開くので、車両内への荷物の搬入時に、運転者が開閉体操作を行う手間を削減することができる。しかも、該当車両であることを車外設備1が認証することが上記開命令の必要条件となっているので、開ける必要のない車両の開閉体まで自動開動してしまう不具合が防止できる。
また、開閉体制御モジュール14は、前述したようにエラー条件が成立していないことを監視しつつ開閉体17を開放又は閉じる制御を実行する。このため、車外設備1からの指令による開閉体17の開閉時の安全性が確保される。
また、搬入搬出装置4は、前述したようにエラー条件が成立していないことを監視しつつ、荷台18に対して所定の荷物の搬入又は搬出を実行する。このため、荷物の搬入又は搬出の際の安全性が確保される。
(第2形態例)
次に第2形態例を説明する。本例は、本発明をドライブスルーに適用した場合の例である。
図4は、本システムの構成を説明するブロック図である。図5は、本システムが適用される施設(ドライブスルーで商品の注文受け渡しが行われる商店)の平面図である。また図6は、本システムの動作を説明するフローチャートである。なお図5において、エリアAは商店の敷地内において、車両から注文等を行う注文エリアを指し、エリアBは同じく商店の敷地内において、商品の受け渡しを行う受け渡しエリアを指す。また図5において、SHOPは商店の建屋を示す。
本システムは、図4に示すように、上記商店に設置された車外設備21と、商店を利用する車両に搭載された車載設備31とよりなる。
車外設備21は、詳細を後述するように、車載設備31との間の無線通信等によって車両の認証を実行し、認証結果が該当車両であることを必要条件として、前記無線通信によって該当車両の車載設備21に開閉体の開命令を送信する機能を有する。また車載設備31は、前記開閉体の開命令を受信したことを必要条件として、車両の開閉体を開く制御を行う機能を有する。
そして車外設備21には、無線装置22と、認証手段23と、窓操作スイッチ(SW)25とが含まれる。一方、車載設備31には、無線装置32と、開閉体制御モジュール34と、開閉体37(例えば、車両の窓)と、情報出力装置38(表示装置、スピーカなど)と、入力装置39(例えばタッチパネル等)とが含まれる。
ここで、認証手段23は、商品の受け渡しを行うべき該当車両か否かを確認する認証を行うものであり、例えばマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)からなる制御部や、認証用機器(例えば、画像認証用のカメラ)、認証情報記憶用の記憶手段(例えばROM)などを含んで構成される。この認証手段23が行う認証方法としては、各種の公知技術が利用できる。例えば、Nシステム(自動車ナンバー自動読取装置)のカメラ画像認証、ETCカードの無線認証、ETC車載器の無線認証、運転者の顔のカメラによる画像認証、自動車に取り付けられたRFタグ(Radio Frequency Identification(RFID)のタグ)の情報を読み取ることによる認証などがあり得る。
なお、認証手段23を構成する上記認証用機器は、カメラによる画像認証の場合にはカメラであり、ETCカード等の無線認証の場合はETC車載器に対する通信機器であり、RFタグによる認証の場合はRFタグの情報を読み取る読取装置である。
また、認証手段23の上記記憶手段に記憶される認証情報は、カメラによる画像認証の場合には該当車両のナンバー情報或いは該当車両の運転者の顔の情報であり、ETCカード等の無線認証の場合は該当車両のETCカードやETC車載器の情報であり、RFタグによる認証の場合は該当車両のRFタグの情報である。これら該当車両を認証するための情報は、この場合、エリアAで注文を行った車両から読み取った情報が認証手段3の上記記憶手段に登録される。そして上記認証では、後述するエリアBで車両側から読み取った認証情報と、上記記憶手段に登録された認証情報(エリアAで読み取った情報)とが一致する場合に、認証結果が肯定的であると判定し、一致しない場合には否定的であると判定する。
また、認証手段23の制御部は、主に次の制御処理機能を有する。即ち、商品注文のための所定位置(エリアA)に車両がくると注文を行った車両の認証情報を上記記憶手段に記憶し、その後、商品受け渡しのための所定位置(エリアB)に車両がくると該当車両であるか否かの認証処理を行い、この認証結果が肯定的であれば無線装置22に開閉体37の開命令の送信を指令する信号(開命令送信指令)を出力する。また認証手段23は、この例の場合、車両(顧客)がエリアAに入ったことを検知する機能も有する。
次に無線装置22は、車両側の無線装置32と無線通信を行うための通信回路やアンテナ等を有するとともに、制御部(例えばマイコンからなるもの)を有する。この無線装置22の制御部は、次の制御処理機能を有する。即ち、認証手段23から前記開命令送信指令を受信すると、無線装置32に対して開閉体37の開命令の無線信号(開命令無線信号)を送信する機能を有する。なお、この無線装置22の通信機能は、後述する無線装置32の構成に対応して、車両のキーレスエントリーシステム、或いはラジオ、或いはETC、或いは携帯電話等の無線通信機能を利用したものでもよい。また無線装置22は、この例の場合、エリアAに入った車両に対してメニューデータを送信するなどの注文に関する処理を実行する機能も有する(詳細後述する)。
また、窓操作スイッチ25は、エリアBにいる車両の開閉体37を開ける指令を、店員等が無線装置22に対して入力するためのスイッチである。
車両側の無線装置32は、車外設備側の無線装置22と無線通信を行うための通信回路やアンテナ等を有するとともに、制御部(例えばマイコンからなるもの)を有する。この無線装置32の制御部は、次の制御処理機能を有する。即ち、無線装置22から前述の開命令無線信号を受信すると、車内通信を利用して開閉体制御モジュール34へ開閉体37の開命令の信号(開命令信号)を出力する。
なお、この無線装置32の少なくとも通信機能部分は、車両に設けられたキーレスエントリーシステムの車載機、或いはラジオ、或いはETC車載機、或いは携帯電話等と共用化されていてもよい。また、無線装置32や無線装置22に使用する通信技術としては、ETC以外のDSRCを用いてもよいことはいうまでもない。
開閉体制御モジュール34は、開閉体37の駆動部(図示省略)を制御する制御部(例えばマイコンからなるもの)を有する。この開閉体制御モジュール34の制御部は、次の制御処理機能を有する。即ち、無線装置32から前記開命令信号を受信すると、エラー条件が成立していないことを監視しつつ開閉体37を開放する制御を実行する。
次に、図6に示したフローチャートにより、システムの全体的動作や構成要素の動作や機能を説明する。
まず、注文を行う所定位置(エリアA)に車両が進入すると(ステップS41)、認証手段23がこれを検知し(ステップS42)、この検知に応答して無線装置22が例えば「いらっしゃいませ」の音声データとともに、商品のメニューデータを無線装置22,32を介してその車両の情報出力装置38に送信する(ステップS43)。これにより情報出力装置38(例えば、車両のナビ画面、TV画面、スピーカからの、画像や音声)により、車両の運転者等に「いらっしゃいませ」と挨拶がなされるとともに商品のメニューが案内される。
これに対して車両の客(運転者等の搭乗者)は、入力装置39(ナビ操作等)によってメニューから商品を選択、決定する(ステップS44)。これにより、決定された注文データが無線装置32,22を介して車外設備側(店側)に送信され(ステップS45)、この注文データが車外設備側の図示省略した商品システムに表示或いは入力され、商品の準備作業が始まる(ステップS46)。
なお、例えばステップS44で商品の決定がなされた時点で、開閉体制御モジュール34の制御処理において外部操作許可モードが開始する。外部操作許可モードは、車外設備21からの開命令によって当該車両の開閉体37を自動開動させる機能を許可して有効とするモードである。この外部操作許可モードになっていない状態では、上記車外設備21からの指令による開閉体37の開動の機能が禁止された外部操作禁止モードになっている。また、この外部操作許可モードになると、開閉体制御モジュール34が外部操作許可モードであることを車両の運転者等に報知する制御を行う。この報知としては、音声、画像表示、ランプ点灯などによる報知があり得る。図6の例では、インジケータ表示を点灯させて報知する。
また、ステップS45で送信された注文データが無線装置22で受信されると、認証手段23は、ユーザ車両を特定し認証するための認証情報を前述の第1形態例における認証手段3と同様の方法で取得し、認証手段23内の記憶手段に記憶する。
なお、ステップS45で送信されるデータには、上記注文データに加えて、上記認証情報が含まれていて、この情報が認証手段23の記憶手段に記憶される構成でもよい。
そして商品の準備が整うと、無線装置22から無線装置32を経由して情報出力装置38に商品準備完了と車両移動の案内の情報を送信し(ステップS46a)、これにより情報出力装置38により、車両の運転者等に例えば「商品の準備が整いましたので、車両を商品の受け渡しエリアまで進めて下さい」といった音声案内等がなされる。なお、商品の準備が整ったことの判断は、店側のシステムで自動に行われて無線装置22にその旨の信号が自動入力される態様でもよいし、店員が商品が準備されたことを確認して無線装置22に対して手動で指令を入力する態様でもよい。また、車両移動の案内の情報送信及びその実行は、商品の準備が整う前(例えば、ステップS45の注文データを受信した時点)に実行されてもよい。
なお、上記車両移動の案内(例えば「車両を商品の受け渡しエリアまで進めて下さい」といった音声出力)を受けて、車両の運転者は車両をエリアBに進めることになり(ステップS47)、エリアBの位置で停止してパーキングブレーキを作動させるなどの車両安全状態を確保する(ステップS48)。
一方車外設備側では、車両移動の案内の情報を送信した後(ステップS46aの後)、エリアBに車両が進入すると、認証手段23が該当車両であるか否かの認証処理を行い(ステップS49)、この認証結果が肯定的であれば認証手段23が無線装置22に開命令送信指令を出力し、否定的であれば開命令送信指令は出力されない。
そして、上記認証手段23からの開命令送信指令を無線装置22が受信すると、無線装置22が無線装置32に対して開命令無線信号を送信し(ステップS50)、次いで無線装置32が前記開命令無線信号を受信して開閉体制御モジュール34へ開命令信号を出力する。
なお、認証手段23の認証結果が肯定的な場合、例えば認証手段23の制御で店側に設けられた表示装置又はスピーカによって店員に認証結果が肯定的であることが報知され、これを受けた店員が窓操作スイッチ25を開動側にオン操作し、この窓操作スイッチ25のオン操作に応答して無線装置22が前記開命令無線信号を無線装置32に対して送信する構成でもよい。
そして、上記開命令信号を無線装置32を経由して開閉体制御モジュール34が受信すると、開閉体制御モジュール34が、開閉体37を開くときのエラー条件(開動開始時エラー条件)が成立していないことを判定する(ステップS51)。この開動開始時エラー条件としては、(a)車両の速度がゼロになっていないこと、(b)車両のパーキングブレーキがオンになっていないこと、(c)AT車の場合にシフトがP位置(パーキング位置)に入っていないこと、(d)車載設備31に設けられた車両の外部監視センサー(図示省略)によって危険を察知していること(例えば、開閉体37である窓ガラスを開くと人や物に接触しそうな状況であることが検知されていること)、(e)車載設備31に設けられた開閉体37の開閉禁止スイッチ(図示省略)が開動禁止状態になっていること、(f)該当の開閉体37を開動させる車内の操作スイッチ(例えばパワーウインドウの操作スイッチ、図示省略)が操作されていること(外部からの操作よりも車内からの操作を優先とするため)、(g)開閉体37が開いたときに、荷物が外部に飛び出しそうな状況であることが例えば前記外部監視センサーによって検知されていること、などがあり得る。
そして開閉体制御モジュール34は、上記開動開始時エラー条件(a)〜(g)のうちの例えば何れか一つが成立していると、エラーであると判定して開閉体37の開動作を開始せず、エラーであること(開閉体37の開動作が開始できないこと)を車両の運転者及び店員等(車外設備側の人間)に報知し、このエラーが解除されない限り、この報知を継続してステップS51の判定を繰り返し実行する。なお、このエラー報知としては、音声、画像表示、ランプ点灯などによる報知があり得る。
また開閉体制御モジュール34は、ステップS51の判定結果が肯定的であると(例えば開動開始時エラー条件(a)〜(g)の全てが非成立であると)、開閉体37の開動作を開始する制御を実行する(ステップS52)。
なお、開閉体37が開動作を開始するときは、運転者に対して音声、及び、モニタ表示で、開閉体37が自動的に開く旨の注意をうながすことが望ましい。また、開く際に、周囲への迷惑防止のため、車内の音楽等の音声装置の音量が大きい場合は、自動的に小さくなる機能を具備することも考えられる。
次に、開閉体37の開動作を開始すると、開閉体制御モジュール34は、開閉体37を開いているときのエラー条件(開動時エラー条件)が成立しているか否か判定する(図示省略)。この開動時エラー条件としては、例えば前述の開動開始時エラー条件(a)〜(g)と同じ条件が設定されている。
そして開閉体制御モジュール34は、上記開動時エラー条件のうちの例えば何れか一つが開閉体37の開動作中に成立すると、エラーであると判定して開閉体37の開動作を途中で停止し、エラーであること(開閉体37の開動作が継続できないこと)を車両の運転者及び店員等(車外設備側の人間)に報知し、このエラーが解除されない限り、この報知を継続して上記開動時エラー条件の判定を繰り返し実行する(図示省略)。
また開閉体制御モジュール34は、上記開動時エラー条件の判定結果が否定的であると(例えば開動時エラー条件の全てが非成立であると)、開閉体37の開動作が終了するまでは、開閉体37の開動作を継続又は再開する制御を実行する(図示省略)。
なお、開閉体37が開動作を再開するときも、運転者に対して音声、及び、モニタ表示で、開閉体37が自動的に開く旨の注意をうながすことが望ましい。
次に、以上のようにして開閉体37の開動が実行され、開閉体37の開動作が完了したことを店員が確認すると、店員は開閉体37が開いてできた開口から運転者等に注文された商品を受け渡す(ステップS53)。これにより運転者等は、開閉体37の開操作をすることなく、商品を受け取ることができる。
次に、以上のようにして商品の受け渡しが実行されると、店員がこれを判断し(ステップS54)、店員が窓操作スイッチ25を閉動側にオン操作することによって(ステップS55)、閉命令信号が無線装置22,32を経由して開閉体制御モジュール34に送信される(ステップS56)。
なお、商品の受け渡しが実行されると、図示省略した商品受け渡し確認装置が、この動作が完了したか否かを判定し、この動作が完了したことを確認すると、前記閉命令信号を開閉体制御モジュール34に自動送信する構成でもよい。この構成であると、自動的に閉命令信号が送信されるので、店員の手間が省ける。
そして、開閉体制御モジュール34が、前記閉命令信号を受けると、開閉体37を閉じる(ステップS57)。なおこの際、開閉体制御モジュール34は、第1形態例における開閉体17を閉じる場合と同様に、開閉体37を閉じるときのエラー条件(閉動開始時エラー条件)や、開閉体37を閉じているときのエラー条件(閉動時エラー条件)が成立しているか否か判定し、エラー条件が成立している場合には、開閉体17の閉動作を中止又は中断する(第1形態例と同様でよいので詳細説明を省略する)。
そして、開閉体37の閉動作が終了すると例えば開閉体制御モジュール34の指令に応じてETCによって決済(商品の代金の支払いの決済)が行われ(ステップS58)、開閉体制御モジュール34が外部操作許可モードを終了させて外部操作許可モードの報知(例えばインジケータ表示)も終了させる(ステップS59)。
なお、ETCによる決済は、他のタイミング、例えばステップS45で注文データが送信された時点、或いはステップS53の商品の受け渡しが終了した時点で行われてもよい。また、決済完了で「ありがとうございました」等の音声案内が出力される構成としてもよい。
以上説明した車外設備21と車載設備31よりなるシステムによれば、車外設備21からの開命令で車両の開閉体37が自動的に開くので、車両内への商品の受け渡し時に、運転者が開閉体操作を行う手間を削減することができる。しかも、該当車両(敷地内エリアAで注文を行った適正な車両)であることを車外設備21が認証することが上記開命令の必要条件となっているので、開ける必要のない車両の開閉体まで自動開動してしまう不具合が防止できる。また認証情報の確認を行うことで、店側のセキュリティを確保することになるとともに、エリアAで商品を買った順番と、エリアBにたどりついた車の順番がちがった場合にも、受け渡しすべき商品をまちがえるおそれをなくすことに貢献できる。
また、開閉体制御モジュール34は、前述したようにエラー条件が成立していないことを監視しつつ開閉体37を開放又は閉じる制御を実行する。このため、車外設備21からの指令による開閉体37の開閉時の安全性が確保される。
なお、本発明は上述した形態例に限られず、各種の変形や応用があり得る。
例えば、前述の第1形態例では、認証手段3と搬入搬出装置4が分かれて示してあるが二つが同一の装置となっていてもよい。また、開閉確認装置15や荷物積込み確認装置16は車外設備側に配置されていることもあり得る。
さらに、第2形態例においては、エリアBに到達した車両に対して閉命令を行うトリガが、窓操作スイッチ25の操作であったが、スイッチ操作がなくとも、認証手段23が別途定めたタイミングにより、自動的に閉命令が無線装置22から送信される形態もあり得る。付け加えると、エリアBに到達した車両に対して認証を行った結果が肯定的であっても、第2形態例のようにすぐに車両に対して開命令を行うのでなく、前記窓操作スイッチ25の操作によって初めて開命令を行う形態もあり得る。
また、本発明の開閉体は、給油口の扉であってもよいし、搭乗者が車室へ出入りするためのドア、或いは他の開閉体(サンルーフ、バックドア、トランクの扉など)であってもよい。例えば、車両の給油口の扉をガソリンスタンド側の指令で開閉するシステムに本発明を適用できる。また、事故発生時に事故車両の開閉体(ドアなど)を外部から開けるシステムに本発明を適用できる。具体例としては、事故をして「車両内の人が動けない」且つ「車の開閉体制御機能がアクティブ状態である」ときに、外部のレスキュー隊等が無線を使用して開ける。事故した車両のナンバーから車両の情報を調査して(車検証の内容やETCの登録番号を保管している局に連絡をとって情報をもらう)、携帯用の開命令発信装置で開命令を送信するなどの態様もあり得る。
システムの構成を説明するブロック図である。 システムの動作を説明するフローチャートである。 システムの動作を説明するフローチャートである。 システム(第2形態例)の構成を説明するブロック図である。 システム(第2形態例)が適用される施設の平面図である。 システム(第2形態例)の動作を説明するフローチャートである。
符号の説明
1,21 車外設備
2,22 無線装置
3,23 認証手段
4 搬入搬出装置(搬入搬出手段)
11,31 車載設備
12,32 無線装置
14,34 開閉体制御モジュール
15 開閉確認装置
16 荷物積込み確認装置
17,37 開閉体
18 荷台
25 窓操作スイッチ(操作手段)
A 注文エリア
B 受け渡しエリア

Claims (3)

  1. 車外設備と車載設備よりなり、
    車外設備は、車載設備との間の無線通信によって、或いは車両又は搭乗者の画像によって車両の認証を実行し、認証結果が該当車両であることを必要条件として、前記無線通信によって該当車両の車載設備に開閉体の開命令を送信する機能を有し、
    車載設備は、前記開命令を受信したことを必要条件として、車両の開閉体を開く制御を行う機能を有することを特徴とする車両開閉体の制御システム。
  2. 前記車外設備は、前記車両の開閉体を開く制御が行われた後、前記該当車両に物体を搬入し、または前記該当車両から物体を搬出させる搬入搬出手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の車両開閉体の制御システム。
  3. 前記車外設備は、前記車両に対して、前記車両の認証の結果にかかわらず車両の開閉体への開命令または閉命令を送信するための操作手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の車両開閉体の制御システム。
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