JP2009102390A - ベーチェット病治療剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】ベーチェット病の治療・予防に有用な新しい薬剤を提供すること。
【解決手段】抗ヒトTNF−αモノクローナル抗体又はその一部を有効成分として含有してなる、ベーチェット病に罹患したヒトの個体における網膜ぶどう膜炎のための治療剤;抗ヒトTNF−αモノクローナル抗体又はその一部を有効成分として含有してなる、ベーチェット病に罹患したヒトの個体における網膜ぶどう膜炎に伴う眼症状を予防するための予防剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なベーチェット病の治療剤又は予防剤に関する。さらに詳しくは、抗ヒト腫瘍壊死因子α(TNF−α)抗体を有効成分とするベーチェット病に罹患した患者のぶどう膜炎の治療剤又は予防剤に関する。
ベーチェット病は、多臓器侵襲性の原因不明の炎症性疾患であり、(1)口腔粘膜の再発性アフタ性潰瘍、(2)結節性紅斑や毛嚢様皮疹などの皮膚症状、(3)眼のぶどう膜炎、及び(4)外陰部潰瘍の4症状を主症状とする。
ベーチェット病の諸症状の中でも、ぶどう膜炎(特に網膜ぶどう膜炎)による眼の病変は、視力に影響を及ぼし、場合によっては、失明に至る重篤な機能障害をもたらす。ぶどう膜炎の炎症は、急性の炎症(眼発作)を繰り返し起こすことが特徴である。ぶどう膜炎のうち、前部の炎症を主体とするものを虹彩毛様体炎(又は虹彩炎)、眼底の病変を主体とするものを網膜ぶどう炎(又は網脈絡膜炎)という(非特許文献1)。
ベーチェット病の眼症状に対する治療法としては、通常、コルヒチン、シクロスポリン等の治療薬が用いられており、これらの併用療法が用いられることもある。また、強い網膜ぶどう膜炎の眼発作では短期間、全身ステロイド療法が用いられることもある(非特許文献2)。
コルヒチンは、アルカロイドの一種で広義の免疫抑制薬である。またシクロスポリンは、Tリンパ球に特異的に作用する免疫抑制剤である。シクロスポリンは、コルヒチンを対照とした二重盲検試験にて眼発作に対する有効性が認められており(非特許文献3)、眼発作のコントロールに広く使用されている。
しかし、このような様々な治療を用いても、なお眼発作を繰り返し、ついには失明してしまう例も少なくなかった。このため、ベーチェット病における眼症状を抑えるための、より優れた治療薬が望まれていた。
一方、TNF−α、IL−1、IL−6等のサイトカインは種々の炎症性疾患に関与していることが知られている。その中でも、TNF−αは、IL−1、IL−6等のサイトカイン産生を上流で調節していることが明らかにされてきた。難治性炎症性疾患である慢性関節リウマチ、クローン病などの活動期の患者において、TNF−αの産生亢進が報告され(非特許文献4;非特許文献5)、TNF−αの活性や産生を抑制することによる治療法が考えられている。
ベーチェット病とTNF−αの関係については、以下のようなことが知られている。ぶどう膜炎を有するベーチェット病患者の末梢血単球、及び眼球内T−cellのTNF−α産生能は、健常人に比べ亢進していることが認められており、特に、眼症状の活動性の高い患者ほど末梢血単球のTNF−α産生能が高いことが報告されている(非特許文献6)。
また、ラット実験的自己免疫性ぶどう膜炎(EAU)の動物モデルにおいて、TNF−αがぶどう膜炎を増悪させる因子であると考えられている(非特許文献7)。この実験的自己免疫性ぶどう膜炎(EAU)を惹起したマウス及びラットに対して、抗TNF−αポリクローナル抗体(ウサギ抗血清)を投与した結果、炎症が抑制されたことが報告されている。(非特許文献8;非特許文献9)。しかし、免疫初期段階(afferant stage)での投与は有効であった一方、免疫後期段階(efferant stage)では効果は認められていない。また、この病態モデルは、光受体内レチノイド結合蛋白質(IRBP)もしくはそれ由来のペプチドを、マウス又はラットに免疫することにより実験的自己免疫性ぶどう膜炎(EAU:experimental autoimmune uveorenitis)を惹起したものであるが、ベーチェット病の病態モデルではない。
インフリキシマブ(Infliximab)(cA2、治験薬TA−650とも称される)は、キメラ型の抗TNF−αモノクローナル抗体であり、ヒトTNF−αと高い親和性を持つマウス由来の抗原結合可変領域と、ヒトIgG1の定常領域から成る。Infliximabは、基礎試験で、ヒトTNF−αとの高い選択的結合性、TNF−αによる細胞障害に対する中和作用などが確認されている。
インフリキシマブは、ヒトTNF−αに対する特異性が非常に高く、ヒト以外の動物種のTNF−αで交差反応性を示すのは、チンパンジーのTNF−αのみである。従って、インフリキシマブの作用を評価できる動物種もヒト以外ではチンパンジーに限られる。慢性関節リウマチやクローン病などを対象として、インフリキシマブの第二相臨床試験が実施され、症状の改善効果が認められている(非特許文献10;非特許文献11;非特許文献12;非特許文献13;非特許文献14)。
医学のあゆみ、第164巻、第13〜16頁、1993年 医学のあゆみ、第164巻、第77〜80頁、1993年 増田ら、臨床評価、第14巻2号、437-461頁、1986年 Chuら、Arthritis Rheum.、34巻、1125-1132頁、1991年 Braeggerら、Lancet、339巻、89-91頁、1992年 中村ら、日本眼科学会雑誌、第96巻10号、1282−1285頁、1992年 Nakamuraら、Investigative Ophthalmology & Visual Science、第35巻11号、第3884-3889頁、1994年 Sartaniら、Investigative Ophthalmology & Visual Science、第37巻11号、第2211-2218頁、1996年 中村ら、日本眼科学会雑誌、第101巻12号、975−986頁、1997年 Elliotら、Arthritis Rheum.、36巻、1681-1690頁、1993年 Elliotら、Lancet、344巻、1125-1127頁、1994年 Elliotら、Lancet、344巻、1105-1110頁、1994年 Dekxら、Lancet、342巻、173-174頁、1993年 Hendrikら、Gastroenterology、109巻、129-135頁、1995年
本発明は、ベーチェット病の治療・予防に有用な新しい薬剤を提供することを目的とする。
本発明者は、抗TNF−α抗体が、ぶどう膜炎(網膜ぶどう膜炎)を有するベーチェット病における眼症状の改善に好適に使用できることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、
〔1〕 抗ヒトTNF−αモノクローナル抗体又はその一部を有効成分として含有してなる、ベーチェット病に罹患したヒトの個体における網膜ぶどう膜炎のための治療剤;並びに
〔2〕 抗ヒトTNF−αモノクローナル抗体又はその一部を有効成分として含有してなる、ベーチェット病に罹患したヒトの個体における網膜ぶどう膜炎に伴う眼症状を予防するための予防剤;に関するものである。
本発明によりベーチェット病におけるぶどう膜炎に対して有用な治療剤、予防剤が提供される。
本発明の治療剤又は予防剤は、個体におけるぶどう膜炎を有するベーチェット病の治療又は予防に有効である。また、ベーチェット病に起因するぶどう膜炎の治療に適用できる。このようなぶどう膜炎としては、網膜ぶどう膜炎、及び虹彩毛様体炎が挙げられる。本発明の治療剤又は予防剤は、網膜ぶどう膜炎(とりわけ眼底に活動性病変のある網膜ぶどう膜炎)に特に好適に適用できる。
活動性病変とは、出血、浮腫、滲出斑などを伴う眼底炎症(もしくは眼底病変)に合併して強い硝子体混濁を反復する病変をいう。このような活動性病変には、視神経炎や前房蓄膿性虹彩炎(毛様体炎)などが伴う場合がある。
本発明の治療剤又は予防剤は、ベーチェット病に起因するぶどう膜炎に伴う種々の眼症状を抑制又は予防する。このような眼症状のうち、特に主要なものとして眼発作が挙げられる。この他、眼症状としては、視力低下、前眼部炎症、硝子体混濁及び眼底炎症が挙げられる。
眼発作の型としては、眼底型、前眼部型及び汎ぶどう膜型が挙げられる。これらのうち、眼底型及び汎ぶどう膜型は、重篤なものであるが、本発明の治療剤はこれらに対しても好適に抑制効果を発揮する。
また、シクロスポリンの投与によって効果が得られないぶどう膜炎及びそれに伴う眼症状に対しても、本発明の治療剤は、好適に効果を発揮する。
本明細書において治療とは、症状の改善、重症化の予防、緩解の維持、再燃の防止、さらには再発の防止も含む。本発明の予防剤における予防とは、ぶどう膜炎及びそれに伴う眼症状の発症の予防をいい、本発明の治療剤が適用される。前記のような各種の症状の発症の予防を含む。
本発明の治療剤又は予防剤は、非経口的に、例えば、点滴等の静脈内注射により好適に投与できる。また、その他、筋肉内注射、又は皮下注射等により全身あるいは局所的に投与することができる。さらに、眼局所に点眼投与してもよい。
本発明の治療剤は、病気の症状を治癒するか、あるいは少なくとも部分的に阻止するために十分な量で投与される。また、本発明の予防剤は、かかる病気の症状を予防するに十分な量で投与される。有効成分である抗TNF−α抗体としての投与量は、投与方法、患者の年齢、体重、状態及び治療又は予防すべき疾患によっても変動するが、大人の一日あたりの投与量は、通常、約0.01〜100mg/kgである。静脈投与の場合、通常2.5〜20mg/kg、好ましくは3.0〜10mg/kgの範囲の用量で投与される。また、皮下、筋肉内又は眼局所内投与の場合、通常、0.1〜2.5mg/kgの範囲の用量で投与される。
また、投与期間は患者の年齢、症状により適宜選択することができる。2回目以降の投与は、その患者に対する最初の又は以前の投与量と同じ用量か、それより少ないか多い用量で投与することができる。2回目以降の投与は、疾患又は疾患の症状の再発期又はその直前に行なうことが好ましい。必要に応じて合計2、3、4回又はそれ以上の投与を患者に行なうことができる。
抗TNF−α抗体は、個々の治療剤、予防剤として投与してもよいし、他の治療剤、予防剤と併用してもよい。これらは単独でも投与できるが、一般的には、選択した投与経路と標準的な製薬上の慣例に基づいて選択される医薬担体と共に投与される。
製剤の剤形は、投与方法に応じた形態で使用される。製剤化は、常法にしたがって、例えば、溶液、懸濁液、乳剤又は凍結乾燥粉末として製剤化することができる(Remington's Pharmaceutical Science, latest edition, Mark Publishing Company,Easton,米国)。
製剤は、医薬的に許容される担体や添加物を共に含むものであってもよい。
例えば、注射用剤として使用する場合、精製された抗体を溶剤(例えば、水、生理食塩水、リンゲル溶液、デキストロース溶液、ブドウ糖溶液等)に溶解し、それに、吸着防止剤(例えば、Tween 80、Tween 20、ゼラチン、ヒト血清アルブミン等)を加えたものを使用することができる。例えば、注射用剤は、1.5重量%の作用成分を0.9%塩化ナトリウム溶液に溶解することによって調製される。
使用前に溶解・再構成して使用されるために凍結乾燥したものとして製剤化してもよい。凍結乾燥のための賦形剤としては、例えば、白糖(シュークロース)、マンニトール、ブドウ糖等の糖アルコールや糖類を使用することができる。
本発明の治療剤又は予防剤に使用される抗ヒトTNF−α抗体としては、ヒト生体内のTNF−αに対し、高い親和性を有するとともにその活性を中和する作用を有する抗体を好適に使用できる。
ヒトTNF−αに対する親和性としては、Kaにして少なくとも108M-1、より好ましくは少なくとも109M-1の親和性を持つことが好ましい。また、強力な生体内TNF−α阻止能及び/又は中和能(例えば、ヒトTNF−αの細胞傷害活性を中和する能力、TNF誘導性のIL-6分泌を遮断する能力、TNF誘導性凝血促進活性を遮断する能力等)を有することが好ましい。また、ヒトTNF−αに対する特異性の高いものが好ましい。
本発明で使用する抗ヒトTNF−α抗体としては、低い免疫原性と低毒性を有するモノクローナル抗体(HAMA応答及び/又はHACA応答の低いものなど)又はその一部が使用できる。このような抗体としては、キメラ型抗体、ヒト化抗体、ヒト型抗体、霊長類化(primatized)抗体、表面再処理(resurfaced)抗体、単鎖抗体などが挙げられる。なお、「HAMA」は、ヒト抗マウス抗体(human anti-murine antibody)を示し、「HACA」は、ヒト抗キメラ抗体(human anti-chimericantibody)を示す。
本明細書において「低」免疫原性とは、有意なHACA応答又はHAMA応答を起す患者が、治療される患者の約75%未満、好ましくは約50%未満であること、及び/又は、治療される患者で低い力価(二重抗原酵素免疫検定法で測定した場合に約300未満、好ましくは約100未満)を生じることと定義される(参考文献:Elliottら、Lancet、344巻、1125〜1127頁、1994年)。
キメラ型抗体は、異なる動物種に由来する2以上の部分の結合によって特徴づけられる免疫グロブリン分子である。一般に、キメラ型抗体の可変領域は、ヒト以外の哺乳類抗体(例えばマウスモノクローナル抗体)に由来し、その免疫グロブリン定常領域は、ヒト免疫グロブリン分子に由来する。好ましくは、低免疫原性を持つ可変領域を選択し、それを、やはり低免疫原性を持つヒト定常領域と組み合わせる。そして、その組み合わせもまた、低い免疫原性を持つことが好ましい。キメラ型抗体には、一価、二価又は多価免疫グロブリンが含まれる。一価のキメラ型抗体は、ジスルフィド橋を介してキメラL鎖と結合したキメラH鎖によって形成される二量体(HL)である。二価のキメラ型抗体は、少なくとも1つのジスルフィド橋を介して結合した2つのHL二量体によって形成される四量体(H2L2)である。
キメラ型抗体及びそれらの製造方法は、当該技術分野で既に記述されている(Morrisonら,Proc.Natl.Acad.Sci. USA 81:6851〜6855(1984);Boulianneら,Nature 312: 643〜646 (1984);Neubergerら,Nature 314:268〜270(1985);Taniguchiら,欧州特許出願第171496号明細書(1985年2月19日公開);Morrisonら,欧州特許出願第173494号明細書(1986年3月5日公開);Neubergerら,国際公開第86/01533号パンフレット(1986年3月13日公開);Kudoら,欧州特許出願第184187号明細書(1986年6月11日公開);Morrisonら,欧州特許出願第173494号明細書(1986年3月5日公開);Sahaganら,J. Immunol.137 :1066〜1074(1986);Robinsonら,国際公開第87/02671号パンフレット(1987年5月7日公開);Liuら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84 :3439〜3443(1987);Sunら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,84:214〜218(1987);Betterら,Science 240:1041〜1043(1988);及びHarlowとLane, ANTIBODIES: ALABORATORY MANUAL Cold Spring Harbor Laboratory (1988))。
抗体のヒト化及び表面再処理によって、抗体の免疫原性をさらに減少させることができる(Winter、米国特許第5225539号明細書及びEP 239400号明細書;Padlanら、EP 519596号明細書;Pedersenら、EP 592106号明細書)。
また、ヒト型抗体及びそれらの製造方法も、当該技術分野で既に記述されている(Lonbergら、Nature 368: 856〜859 (1994);Kayら、国際公開第92/03918号パンフレット(1992年3月19日公開);Jakobovitsら、国際公開第91/10741号パンフレット(1991年7月25日公開);Brennerら、国際公開第96/33735号パンフレット(1996年10月31日公開);Brennerら、国際公開第96/34096号パンフレット(1996年10月31日公開);Greenら、国際公開第98/24893号パンフレット(1998年6月11日公開);Burtonら、Adv. Immunol. 57:191〜280 (1994); Tsurushitaら、Gene 172:59〜63 (1996); Waterhouseら、Nucl. Acids. Res. 21:2265〜2266(1993))。
本発明の治療剤又は予防剤に使用される抗ヒトTNF−α抗体の好適な具体例として、インフリキシマブが挙げられる。インフリキシマブ〔一般名:Infliximab、商品名:Remicade、Centocor Inc.(USA)社製〕(cA2あるいは治験薬TA−650とも称する)は、マウス抗ヒトTNF−αマウスIgG1抗体(モノクローナル抗体A2と命名された)の抗原結合性可変領域と、ヒトIgG1カッパ免疫グロブリンの定常領域とからなるキメラ型のモノクローナル抗体である。
インフリキシマブ(cA2)の製造方法は、特表平6−506120号公報等に記述されている。キメラ型抗体cA2は、c168Aと命名された細胞株によって産生される。c168Aは、アメリカンタイプカルチャーコレクション(American Type Culture Collection)(メリーランド州ロックビル)に「培養確定寄託」として寄託された。また、マウスIgG1モノクローナル抗体A2は、c134Aと命名された細胞株によって産生される。
本発明の治療剤又は予防剤に使用される抗ヒトTNF−α抗体としては、インフリキシマブ(cA2)が認識するヒトTNF−α中のエピトープと同じエピトープに結合する抗体(すなわち、インフリキシマブのヒトTNF−αに対する結合を競合的に阻止する抗体)もまた、インフリキシマブ(cA2)と実質的に同等の作用が期待され、好適に使用できる。
mAbの特異性と親和性を競合阻止によって決定するための好ましい方法は、当該技術分野で既に記述されている(Harlowら,Antibodies: A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,ニューヨーク州コールドスプリングハーバー(1988)、Colliganら編,Current Protocols in Immunology, Greene Publishing Assoc.and Wiley Interscience, ニューヨーク(1992,1993)、Kozborら,Immunol. Today 4 :72〜79(1983)、Ausubelら編,Current Protocols in Molecular Biology,Wiley Interscience,ニューヨーク(1987,1992,1993);及びMuller,Meth.Enzymol. 92 :589〜601(1983))。
「エピトープ」という用語は、抗体によって認識され、かつ、その抗体の1以上の抗原結合領域で結合可能な抗原の一部分を意味する。エピトープは通常、特定の三次元構造特徴と特定の荷電特徴を持つ、アミノ酸や糖側鎖などの、化学的に活性な分子の表面基を有する。
一般的には、エピトープは、領域内の少なくとも1個を包含する(又はそれらと部分的に重なる)少なくとも約5個(通常約22個未満)のアミノ酸残基を含む。
好適な抗体としては、上記の他、ヒトTNF−α中の(i)約87番目から約108番目までのアミノ酸残基、(ii)約59番目から約80番目までのアミノ酸残基、ならびに(iii)約59番目から約80番目までのアミノ酸残基と約87番目から約108番目までのアミノ酸残基、からなる群より選択された領域に存在するエピトープ中の1以上のアミノ酸と結合するものが挙げられる。より具体的には、87番目から108番目までのアミノ酸残基;59番目から80番目までのアミノ酸残基;または59番目から80番目までのアミノ酸残基と87番目から108番目までのアミノ酸残基の領域に存在するエピトープ中の1以上のアミノ酸と結合するものが挙げられる。このような好適な抗体は、これらの領域の中の、少なくとも1個、好ましくは約5個以上のアミノ酸と結合する。このような抗体の製造方法もまた、特表平6−506120号公報等に記述されている。このような抗体は、インフリキシマブ(cA2)と実質的に同等の有効性が期待される。また、EckとSprang(J.Biol.Chem.264 (29):17595〜17605(1989))が示した推定受容体結合中心(ヒトTNF−α中の11〜13番目、37〜42番目、49〜57番目及び155〜157番目のアミノ酸残基)に結合することなく、TNF−αの作用を遮断する。
本発明の治療剤又は予防剤に用いる抗体としては、抗体全体を用いてもよいが、その断片又は一部領域を使用してもよい。断片には、例えばFab、Fab'、F(ab')2及びFvが含まれる。これらの断片は完全な抗体のFc断片を欠き、循環系からより迅速に消失し、完全な抗体よりも低い非特異的組識結合性を持ちうる(Wahlら,J.Nucl.Med.24 :316〜325(1983))。これらの断片は、当該技術分野で良く知られる方法を用いて、例えばパパイン(Fab断片の製造)やペプシン(F(ab')2断片の製造)などの酵素によるタンパク質分解的切断によって、完全な抗体から産生される。
本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例1 ベーチェット病患者における有効性の評価方法
ぶどう膜炎(網膜ぶどう膜炎)を有するベーチェット病患者に対する効果を、以下のように試験する。
(1)対象患者
眼底に活動性病変のある網膜ぶどう膜炎を有するベーチェット病の患者を対象とする。ここで、活動性病変とは、出血、浮腫、滲出斑などを伴う眼底炎症(もしくは眼底病変)に合併して強い硝子体混濁を反復する病変を意味する。このような活動性病変には、視神経炎や前房蓄膿性虹彩炎(毛様体炎)などが伴う場合がある。
(2)投薬前観察及び評価の期間
投薬前に、観察期間をおよそ6〜10週間とる。また、観察期間の前およそ8〜14週間を遡及期間とし、観察期間に準じて観察を行う。観察期間終了後、2〜3週間後に初回投与を行い、有効性の評価を、初回投与日以降12〜14週まで行う。
(3)試験に用いた薬剤
薬剤名:インフリキシマブ(TA−650とも称する)
剤形:注射剤(1バイアル中、抗TNFーαキメラ型モノクローナル抗体として100mg含有する凍結乾燥品)
薬剤溶液の調製法:インフリキシマブの凍結乾燥粉末100mg含有するバイアル(容量:20ml)に9.6mLの注射用蒸留水を注入し、バイアルを注意深く回転させて凍結乾燥粉末を完全に溶解させる。かくして10mLに抗TNF−αキメラ型モノクローナル抗体を100mg含有する無色〜淡黄色の溶液を調製する。溶液の調製は用時調製とする。
(4)用法及び用量
インフリキシマブを5mg/kg又は10mg/kgのいずれかの用量で投薬する。初回投与(0週)には寛解期(眼科検査により炎症の消退(消失)が確認された時期)を選択して投薬を開始し、0、2、6及び10週に同一用量を以下のように点滴静注する。
すなわち、患者の体重から換算した必要量の薬剤溶液(上記(3)にて調製したもの)をシリンジで測りとり、点滴用生理食塩液に注入し、約500mLとなるように調製した後、これを2時間程度で点滴静注する。
体温、血圧、脈拍数を投与前、投与中及び投与終了2時間後まで30分毎に測定し、患者の状態に異常がないことを確認する。
(5)有効性の評価方法
網膜ぶどう膜炎を有するベーチェット病患者は、眼発作を繰り返すことにより、不可逆的な視力の低下をきたすことが知られている。そこで、有効性の主要な評価項目として、眼発作の頻度を調べる。また、有効性の副次的な評価項目として、視力(寛解期)、眼所見、眼外症状を検査・観察する。眼発作、視力及び眼所見は両眼の各々について、遡及期間中1〜数週間毎、観察期間中2週間毎、初回投与日、有効性評価期間中2週間毎に検査・観察する。また眼発作の自覚症状を認めた場合は可能であればその日から1週間以内に、検査・観察する。
眼外症状は、初回投与日(0週)および有効性評価期間の2、6、10、14週に前4週間(但し、投与後2週については前2週間)を振り返ってその間の症状を観察する。
<眼発作の頻度>
眼科検査により、前眼部の炎症(フレア、細胞数)、硝子体混濁あるいは眼底の炎症(浮腫、滲出斑、出血、血管白鞘化)が確認された場合「眼発作が有る」ものと評価される。
また、眼発作が認められた場合には、眼発作の状況(新規又は継続)、眼発作の程度(軽度、中等度又は高度)及び眼発作の型(前眼部型、眼底型、硝子体型又は汎ぶどう膜型)を合せて評価する。
<眼所見>
前眼部所見は、細隙灯顕微鏡(Haag-Streitあるいはそれと同等の細隙灯顕微鏡)を用い、前房中細胞数及び前房中フレア(混濁の状況)について観察を行う。細隙灯顕微鏡では、最大光量、スリット幅0.5mm、スリット高8mmでの1視野を観察する。
硝子体所見は、硝子体混濁の程度について観察を行う。眼底所見は、眼底の炎症(浮腫、滲出斑、出血、血管白鞘化)について観察を行う。
観察結果は以下の基準で判定する。
前眼部所見/前房中細胞数:
0:0〜4個(なし,nil)
1:5〜10個(軽度,mild)
2:11〜20個(中等度,moderate)
3:21〜50個(著明,marked)
4:51個以上(重度,severe)
5:蓄膿(Hypopyon)
前眼部所見/前房中フレア:
0:なし(なし,nil)
1:かすかな混濁を認める(軽度,mild)
2:明瞭な混濁を認める(中等度,moderate)
3:強い混濁を認める(著明,marked)
4:フィブリンを伴う強い混濁(重度,severe)
硝子体所見:
0:全く正常眼と同様に見える(なし,nil)
1:後極は明瞭に見えるが、硝子体中に焦点を合わすと多少の混濁あり(最少度,minimal)
2:後極の詳細はわかるが、見え方がややぼやけている(軽度,mild)
3:後極の詳細がかすんで見える(中等度,moderate)
4:後極の詳細がかろうじて見える(著明,marked)
5:後極の詳細が全く見えない(重度,severe)
眼底所見:
0:症状なし(なし,nil)
1:軽度(軽度,mild)
2:中等度(中等度,moderate)
3:著明(著明,marked)
また、その他の所見として、眼圧、眼球運動(正常・異常)及び角膜後面沈着物・虹彩後癒着・周辺虹彩前癒着・虹彩ルベオーシス・網膜剥離の有無などを観察する。
<視力(寛解期)>
遡及期間、観察期間あるいは有効性評価期間に眼発作が確認された眼についてのみ測定を行う。また、投与後14週の視力測定時が寛解期でない場合は、投与後26週までの間で最初に寛解期となった時点に視力を測定する。ここで「寛解期」とは、眼科検査により炎症の消退(消失)を確認したときを意味する。
<眼外症状>
眼外症状としては、ベーチェット病に起因する口腔内アフタ、外陰部潰瘍及び皮膚症状(結節性紅斑、毛嚢炎様皮疹、皮下血栓性静脈炎など)の存在について検査・観察する。
実施例2 ベーチェット病患者における有効性の評価結果
網膜ぶどう膜炎(眼底型のぶどう膜炎)を有するベーチェット病患者2例に対し、前記実施例1に記載の方法に従って、インフリキシマブ(5mg/kg)を投与し、眼症状に対する有効性を評価した。
両症例はいずれも、眼底に活動性病変の認められる網膜ぶどう膜炎を有するベーチェット病の患者であり、薬剤投与前の観察期間中に、汎ぶどう膜型又は眼底型の眼発作が複数回認められた。また、いずれも、過去にシクロスポリンの投与を受けたが、眼症状に対する効果が認められなかった経歴を有する。
有効性の評価結果を表1〜表4に示す。これらの表に示されるように、2つの症例(症例A及び症例B)において、遡及および観察期間中には眼発作が認められた。症例A及び症例Bの遡及期間〜観察期間中の新規眼発作回数は、各々、計4回(遡及期間8週間中3回、観察期間6週間中1回)及び計6回(遡及期間10週間中3回、観察期間10週間中3回)であった。一方、いずれの症例とも、インフリキシマブ投与後の評価期間中、新規眼発作は全く見られず、発作の継続も認められなかった。
また、いずれの症例とも、眼所見(前眼部所見、硝子体所見及び眼底所見)は、観察期間中と比較して評価期間中において症状の改善傾向が認められた。
いずれも投薬中あるいは投薬後に副作用などの有害事象は認められなかった。
Figure 2009102390
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なお、本発明の態様として、以下のものが挙げられる。
〔1〕 抗ヒトTNF−α抗体を有効成分として含有してなる、ベーチェット病に罹患した個体におけるぶどう膜炎のための治療剤。
〔2〕 ぶどう膜炎が、網膜ぶどう膜炎である、前記〔1〕記載の治療剤。
〔3〕 ぶどう膜炎が、眼底に活動性病変のある網膜ぶどう膜炎である、前記〔1〕記載の治療剤。
〔4〕 ぶどう膜炎が、眼発作の症状を伴うものである、前記〔1〕記載の治療剤。
〔5〕 ぶどう膜炎に伴う眼症状の抑制のために使用される治療剤である、前記〔1〕記載の治療剤。
〔6〕 ぶどう膜炎に伴う眼症状が眼発作である、前記〔5〕記載の治療剤。
〔7〕 ぶどう膜炎に伴う眼症状が、眼底型又は汎ぶどう膜型の眼発作である、前記〔5〕記載の治療剤。
〔8〕 ぶどう膜炎に伴う眼症状が、視力低下、前眼部炎症、硝子体混濁及び眼底炎症から選択される症状である、前記〔5〕記載の治療剤。
〔9〕 ぶどう膜炎に伴う眼症状が、シクロスポリンの投与によって抑制が得られない眼症状である、前記〔5〕記載の治療剤。
〔10〕 抗ヒトTNF−α抗体が、キメラ型抗体、ヒト化抗体及びヒト型抗体からなる群より選ばれたモノクローナル抗体又はその一部からなる抗体である、前記〔1〕〜〔9〕いずれか記載の治療剤。
〔11〕 抗ヒトTNF−α抗体が、インフリキシマブによって認識されるヒトTNF−α中のエピトープと同じエピトープに結合する抗体である、前記〔1〕〜〔10〕いずれか記載の治療剤。
〔12〕 抗ヒトTNF−α抗体が、ヒトTNF−α中の(i)約87番目から約108番目までのアミノ酸残基、(ii)約59番目から約80番目までのアミノ酸残基、ならびに(iii)約59番目から約80番目までのアミノ酸残基及び約87番目から約108番目までのアミノ酸残基からなる群より選ばれた領域に存在するエピトープの中の1以上のアミノ酸と結合する抗体である、前記〔1〕〜〔11〕いずれか記載の治療剤。
〔13〕 抗ヒトTNF−α抗体が、インフリキシマブである、前記〔1〕〜〔10〕いずれか記載の治療剤。
〔14〕 静脈内、皮下、筋肉内又は眼局所に投与されるための製剤である、前記〔1〕〜〔13〕いずれか記載の治療剤。
〔15〕 静脈内に、2.5〜20mg/kgの範囲の用量で投与されるための製剤である、前記〔1〕〜〔14〕いずれか記載の治療剤。
〔16〕 皮下、筋肉内又は眼局所に、0.1〜2.5mg/kgの範囲の用量で投与されるための製剤である、前記〔1〕〜〔14〕いずれか記載の治療剤。
〔17〕 抗ヒトTNF−α抗体を有効成分として含有してなる、ベーチェット病に罹患した個体におけるぶどう膜炎を予防するための予防剤。
〔18〕 ぶどう膜炎が、網膜ぶどう膜炎である、前記〔17〕記載の予防剤。
〔19〕 ぶどう膜炎に伴う眼症状の予防のために使用される予防剤である、前記〔17〕記載の予防剤。
〔20〕 ぶどう膜炎に伴う眼症状が眼発作である、前記〔19〕記載の予防剤。
〔21〕 ぶどう膜炎に伴う眼症状が、眼底型又は汎ぶどう膜型の眼発作である、前記〔19〕記載の予防剤。
〔22〕 ぶどう膜炎に伴う眼症状が、視力低下、前眼部炎症、硝子体混濁及び眼底炎症から選択された症状である、前記〔19〕記載の予防剤。
〔23〕 抗ヒトTNF−α抗体が、キメラ型抗体、ヒト化抗体及びヒト型抗体からなる群より選ばれたモノクローナル抗体又はその一部からなる抗体である、前記〔17〕〜〔22〕いずれか記載の予防剤。
〔24〕 抗ヒトTNF−α抗体が、インフリキシマブによって認識されるヒトTNF−α中のエピトープと同じエピトープに結合する抗体である、前記〔17〕〜〔23〕いずれか記載の予防剤。
〔25〕 抗ヒトTNF−α抗体が、ヒトTNF−α中の(i)約87番目から約108番目までのアミノ酸残基、(ii)約59番目から約80番目までのアミノ酸残基、ならびに(iii)約59番目から約80番目までのアミノ酸残基及び約87番目から約108番目までのアミノ酸残基からなる群より選ばれた領域に存在するエピトープの中の1以上のアミノ酸と結合する抗体である、前記〔17〕〜〔24〕いずれか記載の予防剤。
〔26〕 抗ヒトTNF−α抗体が、インフリキシマブである、前記〔17〕〜〔23〕いずれか記載の予防剤。
〔27〕 患者に有効用量の抗ヒトTNF−α抗体を投与することを特徴とする、ベーチェット病を有する患者におけるぶどう膜炎の治療又は予防方法。

Claims (23)

  1. 抗ヒトTNF−αモノクローナル抗体又はその一部を有効成分として含有してなる、ベーチェット病に罹患したヒトの個体における網膜ぶどう膜炎のための治療剤。
  2. 網膜ぶどう膜炎が、眼底に活動性病変のある網膜ぶどう膜炎である、請求項1記載の治療剤。
  3. 網膜ぶどう膜炎が、眼発作の症状を伴うものである、請求項1又は2記載の治療剤。
  4. 網膜ぶどう膜炎に伴う眼症状の抑制のために使用される治療剤である、請求項3記載の治療剤。
  5. 網膜ぶどう膜炎に伴う眼症状が眼発作である、請求項4記載の治療剤。
  6. 網膜ぶどう膜炎に伴う眼症状が、眼底型又は汎ぶどう膜型の眼発作である、請求項4記載の治療剤。
  7. 網膜ぶどう膜炎に伴う眼症状が、眼底型の眼発作である、請求項4記載の治療剤。
  8. 網膜ぶどう膜炎に伴う眼症状が、視力低下、前眼部炎症、硝子体混濁及び眼底炎症から選択される症状である、請求項4記載の治療剤。
  9. 網膜ぶどう膜炎に伴う眼症状が、シクロスポリンの投与によって抑制が得られない眼症状である、請求項4記載の治療剤。
  10. 抗ヒトTNF−αモノクローナル抗体が、キメラ型抗体、ヒト化抗体及びヒト型抗体からなる群より選ばれたモノクローナル抗体である、請求項1〜9いずれか記載の治療剤。
  11. 抗ヒトTNF−αモノクローナル抗体が、インフリキシマブによって認識されるヒトTNF−α中のエピトープと同じエピトープに結合する抗体である、請求項1〜10いずれか記載の治療剤。
  12. 抗ヒトTNF−αモノクローナル抗体が、ヒトTNF−α中の(i)約87番目から約108番目までのアミノ酸残基、(ii)約59番目から約80番目までのアミノ酸残基、並びに(iii)約59番目から約80番目までのアミノ酸残基及び約87番目から約108番目までのアミノ酸残基からなる群より選ばれた領域に存在するエピトープの中の1以上のアミノ酸と結合する抗体である、請求項1〜11いずれか記載の治療剤。
  13. 静脈内、皮下、筋肉内又は眼局所に投与されるための製剤である、請求項1〜12いずれか記載の治療剤。
  14. 静脈内に、2.5〜20mg/kgの範囲の用量で投与されるための製剤である、請求項1〜12いずれか記載の治療剤。
  15. 皮下、筋肉内又は眼局所に、0.1〜2.5mg/kgの範囲の用量で投与されるための製剤である、請求項1〜12いずれか記載の治療剤。
  16. 抗ヒトTNF−αモノクローナル抗体又はその一部を有効成分として含有してなる、ベーチェット病に罹患したヒトの個体における網膜ぶどう膜炎に伴う眼症状を予防するための予防剤。
  17. 網膜ぶどう膜炎に伴う眼症状が眼発作である、請求項16記載の予防剤。
  18. 網膜ぶどう膜炎に伴う眼症状が、眼底型又は汎ぶどう膜型の眼発作である、請求項16記載の予防剤。
  19. 網膜ぶどう膜炎に伴う眼症状が、眼底型の眼発作である、請求項16記載の予防剤。
  20. 網膜ぶどう膜炎に伴う眼症状が、視力低下、前眼部炎症、硝子体混濁及び眼底炎症から選択された症状である、請求項16記載の予防剤。
  21. 抗ヒトTNF−αモノクローナル抗体が、キメラ型抗体、ヒト化抗体及びヒト型抗体からなる群より選ばれたモノクローナル抗体である、請求項16〜20いずれか記載の予防剤。
  22. 抗ヒトTNF−α抗体が、インフリキシマブによって認識されるヒトTNF−α中のエピトープと同じエピトープに結合する抗体である、請求項16〜21いずれか記載の予防剤。
  23. 抗ヒトTNF−α抗体が、ヒトTNF−α中の(i)約87番目から約108番目までのアミノ酸残基、(ii)約59番目から約80番目までのアミノ酸残基、並びに(iii)約59番目から約80番目までのアミノ酸残基及び約87番目から約108番目までのアミノ酸残基からなる群より選ばれた領域に存在するエピトープの中の1以上のアミノ酸と結合する抗体である、請求項16〜22いずれか記載の予防剤。
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