JP2009099050A - パラメトリック多目的最適化装置、パラメトリック多目的最適化方法およびパラメトリック多目的最適化プログラム - Google Patents

パラメトリック多目的最適化装置、パラメトリック多目的最適化方法およびパラメトリック多目的最適化プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】条件により目的関数が変化する最適化対象の決定変数を短時間で効率良く最適化することが可能なパラメトリック多目的最適化装置、パラメトリック多目的最適化方法およびパラメトリック多目的最適化プログラムを提供する。
【解決手段】条件変数計画部2は、最適化対象6の条件変数の値を予め設定された順序で選択する。多目的進化型アルゴリズム部4は、条件変数計画部2により選択された条件変数の値ごとに多目的進化型アルゴリズムによりパレート最適個体集合を求める。探索履歴記憶部5は、多目的進化型アルゴリズム部4により条件変数の値ごとに得られるパレート最適個体集合を記憶する。個体集合初期化部3は、条件変数計画部2により選択される条件変数の一の値についての初期個体集合を探索履歴記憶部5に記憶される条件変数の他の複数の値についてのパレート最適個体集合の内挿により生成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、条件により目的関数が変化する最適化対象のパラメータ(決定変数)を最適化するパラメトリック多目的最適化装置、パラメトリック多目的最適化方法およびパラメトリック多目的最適化プログラムに関する。
本明細書において、最適化とは、最適解または最適に近い解(準最適解)を求めることをいう。
従来、多目的最適化問題と呼ばれる問題クラスが存在する。例えば、ある製品のコストを最小化し、性能を最大化するという問題を考えた場合、これは2つの目的関数の多目的最適化問題となる。この場合、コストおよび性能が2つの目的関数となる。一般的には、コストを下げると性能が悪化し、性能を上げるとコストがかさむというトレードオフの関係が生じるために、多目的最適化問題の解は一つではない。
図28は多目的最適化問題をエンジンの最適化に適用した例を示す図である。多目的最適化問題をエンジンの燃費およびトルクの最適化に適用する場合、燃費およびトルクが2つの目的関数f1,f2である。この場合、燃料噴射量、点火時期等のパラメータを調整することにより目的関数f1,f2の値を最適化する。
解Aは、燃費が解Bに比べて優れているが、トルクが解Bに比べて劣っている。このように、エンジンの燃費とエンジンのトルクとはトレードオフの関係を有するため、複数の最適解が存在する。使用者は、複数の最適解から目的に合った解を選択することができる。例えば、スポーツ走行に適した自動二輪車に用いるエンジンには解Aを選択し、ロングツーリングに適した自動二輪車に用いるエンジンには解Bを選択する。
一般に多目的最適化問題は、N個のパラメータについてM個の目的関数の値を、各パラメータの制約条件の範囲で最小化する問題と定義される。目的関数の値を最大化する場合は、目的関数に負の符号を付けて目的関数の値を最小化する問題に変換することとする。
このような多目的最適化問題は、一般的に単一の最適解を持たず、パレート最適解と呼ばれる概念で定義される最適解集合を持つ。ここで、パレート最適解とは、ある目的関数の値を改善するためには、少なくとも1つの他の目的関数の値を改悪せざるを得ない解のことをいい、以下のように定義される(例えば、非特許文献1参照)。
〔定義1〕あるp個の目的関数fk(k=1,・・・,p)の2つの解x1,x2∈Fに関して、fk(x1)≦fk(x2)(∀k=1,・・・,p)∧fk(x1)<fk(x2)(∃k=1,・・・,p)のとき、x1はx2に優越するという。ここで、Fは解の集合である。
〔定義2〕ある解x0が他のすべての解x∈Fに優越するとき、x0は最適解である。
〔定義3〕ある解x0に優越する解x∈Fが存在しないとき、x0はパレート最適解(または非劣解)である。
パレート最適解集合を求めることは、目的関数のトレードオフに関して最適な解の集合を求めることになる。
図29はパレート最適解について説明するための図である。図29は2つの目的関数f1,f2の例を示す。解aについての目的関数f1の値f1(a)は解bについての目的関数f1の値f1(b)よりも小さく、解aについての目的関数f2 の値f2(a)は解bについての目的関数f2の値f2(b)よりも小さい。したがって、解aは解bに優越する。
同様に、解aは解c,dに優越する。解aに優越する解は存在しない。同様に、解e,fに優越する解も存在しない。したがって、解a,e,fはパレート最適解である。
なお、解gは、弱パレート最適解である。弱パレート最適解とは、ある目的関数についてのみパレート最適解に優越されないパレート解である。弱パレート最適解は、合理的な解ではなく、本来求める必要のない解である。
多目的最適化問題の解法は多数提案されている。最近注目されている方法に多目的進化型アルゴリズム(MOEAs:Multiobjective Evolutionary Algorithm)がある。
この方法の最大の特徴は、進化型アルゴリズムの多点探索を利用してパレート最適解集合を一度に求めることである。得られたパレ一ト最適解集合は、その中から目的に合致した解を探す意志決定、またはパレ一ト最適解集合(パレート境界)の形状からの知見の獲得等に用いられる。
進化型アルゴリズムとして遺伝的アルゴリズム(GA:Genetic Algorithm)を多目的最適化問題に適用する研究が数多く行われている。遺伝的アルゴリズムは、生物の適応進化を模倣した計算手法である。遺伝的アルゴリズムでは、解の候補を個体と呼ぶ。また、目的関数は適応度関数と呼び、適応度関数の値を適応度と呼ぶ。
この遺伝的アルゴリズムは、自然進化に見られる過程(染色体の選択、交叉および突然変異)をヒントにして、J.Hollandにより提案されたアルゴリズムである。設計変数を遺伝子とみなして、初期設計の個体集合をランダムに生成し、各個体の適応度を評価する。適応度の良い個体ほど親として選択される可能性が高くなるように親を選択する。そして、交叉(遺伝子の入れ換え)および突然変異(遺伝子のランダムな変化)により子孫を作る。さらに、評価、選択、交叉および突然変異により世代を繰り返し、最適解を探索する。
具体的には、FonsecaらのMOGA(Multiobjective Genetic Algorithm:例えば、非特許文献1参照)、DebらのNSGA−II(Non-Dominated Sorting Genetic Algorithm-II:例えば、非特許文献2参照)、ZitzlerらのSPEA2(Strength Pareto Evolutionary Algorithm 2: 例えば、非特許文献3参照)等が提案されている。特に、NSGA−IIおよびSPEA2は優秀な多目的進化型アルゴリズムとして知られている。
C.M.fonseca,p.J.Flemimg:genetic algorithms for multiobjective optimization:formulation,discussion and generalization,of the 5th international conference on genetic algorithms,pp.416-423(1993) K.Deb,S.Agrawal,A.Pratab,and T.Meyarivan:A Fast Elitist Non-Dominated Sorting Genetic Algorithm for Multi-Objective Optimization:NSGA-II,KanGAL report 20001,Indian Institute of Technology,Kanpur,India(20OO) E.Zitzler,M.Laumanns,L.Thiele:SPEA2:Improving the Performance of the Strength Pareto Evolutionary A1gorithm,Technical Report 103,Computer Engineering and Communication Networks Lab(TIK),Swiss Federal Institute of Technology(ETH)Zurich(2001) A.Zhou et al.: Prediction-based Population Re-initialization for Evolutionary Dynamic Multi-objective Optimization, Proc. of EMO2007
近年の自動車用エンジンには、排出ガスに含まれる有害成分を低減して環境問題に対応しつつ動力性能を向上するために、燃料噴射装置等の様々な電子制御装置が搭載され、高精度な制御が行われている。
エンジンは非線形性が強い制御対象であるため、電子制御装置によるエンジン制御としてはマップ制御と呼ばれるフィードフォワード制御が主流である。マップ制御では、例えば負荷トルクおよびエンジン回転速度のような運転条件ごとに設定された電子制御装置の制御パラメータが用いられる。マップ制御の制御パラメータは運転条件ごとに事前実験を行って決定される。この作業は適合(Calibration)と呼ばれる。
従来の適合は、エンジン試験機に接続されたエンジンを技術者が手動で調整することにより行われる。しかし、このような適合は、排出ガスの有害成分量(CO濃度、HC濃度およびNO濃度)、燃費および出力トルク等の多目的評価となり、これらは一般にトレードオフの関係にある。さらに、電子制御装置およびその制御パラメータの数は増加する傾向にある。そのため、手動による最適化は困難さを増してきている。
図30はエンジンの適合を説明するための図である。
エンジンの適合では、負荷トルクおよびエンジン回転速度という運転条件(条件変数w,w)の値を選択する。そして、選択された運転条件でのNO濃度および燃費(目的関数f,fの値)を最適にするような燃料噴射時期および点火時期(制御パラメータ(決定変数x,x))を探索する。
図30においては、条件変数w,wの値を選択し、選択された条件変数w,wの値について目的関数f,fの多目的最適化を行い、決定変数x,xのパレート最適解を得る。その後、パレート最適解から好適な解を選択し、その解に対応する決定変数xの値と条件変数w,wの値との関係を示すマップM1、およびその解に対応する決定変数xの値と条件変数w,wとの値の関係を示すマップM2を作成する。
マップM1,M2を完成させるためには、マップM1,M2の格子の数に相当する条件変数w,wの値について多目的最適化を繰り返す必要がある。
エンジンの適合とは、マップ制御に必要な運転条件(条件変数)ごとに、複数の対立する評価規範(目的関数)を満たすような制御パラメータ(決定変数)を探索する多目的最適化問題を解くことである。
このように、条件変数により特徴付けられている多目的最適化問題をパラメトリック多目的最適化問題(Parametric Multi-objective Optimization Problems;PMOP)と呼ぶ。図31はパラメトリック多目的最適化問題の概念図を示す図である。
ここで、条件件数w,wを統合して条件変数wで表す。また、条件変数wの値をw,w,w,…で表す。目的関数f,fは条件変数wの値により特徴付けられており、条件変数wの値の変化に伴って目的関数f,fの景観が変化する。目的関数f,fの景観の変化に伴いパレート最適解集合も変化する。
例えば、エンジンの最適化の場合、条件変数wであるエンジン回転速度を高くすると、目的関数fの値である燃費が大きくなり、また最適な燃費を与える決定変数x,xである燃料噴射時期および点火時期が異なる。
パラメトリック多目的最適化問題を解くということを、条件変数のすべての値についてのパレート最適解集合を求めることと定義する。
図32は条件変数の複数の値についての多目的最適化問題を解く様子を示す図である。図32に示すように、パラメトリック多目的最適化では、条件変数の値ごとにランダムに生成された初期解集合を用いて多目的最適化を行い、パレート最適解を得る。そのため、最適化に多大な時間が必要となる。
ところで、パラメトリック多目的最適化問題に類似の問題クラスとして、動的多目的最適化問題(Dynamic Multi-objective Optimization Problems;DMOP)と呼ばれる問題クラスがある。これは、多目的最適化問題が時間に依存して変化するという問題である。
たとえば、Zhouらは時間が経過して問題が変化したときのための初期化戦略を提案している(非特許文献4)。この初期化戦略は、一時刻前のパレート最適個体集合と現時刻のパレート最適個体集合とから一時刻後のパレート最適個体集合を予測し、これを初期個体集合として用いるものである。
しかしながら、上記の初期化戦略は、常に過去のパレート最適個体集合から未来のパレート最適個体集合を推定することになるため、エンジンの最適化のようなパラメトリック多目的最適化問題に適用することができない。
本発明の目的は、条件により目的関数が変化する最適化対象の決定変数を短時間で効率良く最適化することが可能なパラメトリック多目的最適化装置、パラメトリック多目的最適化方法およびパラメトリック多目的最適化プログラムを提供することである。
(1) 第1の発明に係るパラメトリック多目的最適化装置は、条件変数に依存して複数の目的関数が変化する最適化対象を最適化するためのパラメトリック多目的最適化装置であって、最適化対象の条件変数の値を予め設定された順序で選択する条件変数選択部と、多目的最適化のための初期解集合を生成する初期解集合生成部と、条件変数選択部により選択された条件変数の値ごとに初期解集合生成部により生成された初期解集合を用いて多目的最適化を行うことにより複数の目的関数について決定変数のパレート最適解集合を求める多目的最適化部と、多目的最適化部による多目的最適化により条件変数の値ごとに得られるパレート最適解集合を記憶する記憶部とを備え、初期解集合生成部は、条件変数選択部により選択される条件変数の一の値についての初期解集合を記憶部に記憶される条件変数の他の値についてのパレート最適解集合に基づいて生成するものである。
そのパラメトリック多目的最適化装置においては、条件変数選択部により最適化対象の条件変数の値が予め設定された順序で選択される。また、初期解集合生成部により多目的最適化のための初期解集合が生成される。さらに、条件変数選択部により選択された条件変数の値ごとに初期解集合生成部により生成された初期解集合を用いて多目的最適化部により多目的最適化が行われる。それにより、複数の目的関数について決定変数のパレート最適解集合が求められる。多目的最適化部による多目的最適化により条件変数の値ごとに得られるパレート最適解集合は記憶部に記憶される。この場合、条件変数選択部により選択される条件変数の一の値についての初期解集合が記憶部に記憶される条件変数の他の値についてのパレート最適解集合に基づいて初期解集合生成部により生成される。
このようにして生成される初期解集合はランダムに生成された初期解集合に比べてパレート最適解集合に近いため、より少ない回数の最適化でパレート最適解集合を得ることができる。したがって、条件により目的関数が変化する最適化対象の決定変数を短時間で効率良く最適化することが可能となる。
また、条件変数選択部による条件変数の選択順序をパレート最適解の探索の収束性が向上するように設定することができるので、パレート最適解をより短時間で得ることができる。
(2) 初期解集合生成部は、条件変数選択部により選択される条件変数の一の値についての初期解集合を記憶部に記憶される条件変数の他の複数の値についての複数のパレート最適解集合の演算により求めてもよい。
この場合、初期解集合が複数のパレート最適解集合の演算により求められるので、簡単な処理によりパレート最適解集合に近い初期解集合を得ることができる。したがって、最適化に要する時間を大幅に短縮することができる。
(3) 初期解集合生成部は、条件変数空間における条件変数の一の値と記憶部に記憶された条件変数の他の値との距離に基づいて複数のパレート最適解集合を選択し、条件変数の一の値に最も近い条件変数の他の値についてのパレート最適解集合を基準とし、基準のパレート最適解集合に含まれる各パレート最適解と選択された条件変数の残りの値についてのパレート最適解集合に含まれる各パレート最適解との対応付けを行い、対応付けられた複数のパレート最適解を表す決定変数を被説明変数とし、条件変数を説明変数として統計的処理を行うことにより、条件変数の一の値についてのパレート最適解集合を予測し、予測したパレート最適解集合を条件変数の一の値についての初期解集合として生成してもよい。
この場合、複数のパレート最適解集合の選択、パレート最適解集合に含まれる各パレート最適解の対応付けおよび統計的処理により、パレート最適解集合に近い初期解集合を得ることができる。したがって、最適化に要する時間を大幅に短縮することができる。
(4) 初期解集合生成部は、決定変数空間において対応付けられたパレート最適解間の距離が最小となるようにパレート最適解の対応付けを行ってもよい。この場合、よりパレート最適解集合に近い初期解集合を得ることができる。
ここにおけるパレート最適解間の距離は、複数のパレート最適解の間の距離の総和または平均値として算出される。
(5) 第2の発明に係るパラメトリック多目的最適化方法は、条件変数に依存して複数の目的関数が変化する最適化対象を最適化するためのパラメトリック多目的最適化方法であって、最適化対象の条件変数の値を予め設定された順序で選択するステップと、多目的最適化のための初期解集合を生成するステップと、選択された条件変数の値ごとに生成された初期解集合を用いて多目的最適化を行うことにより複数の目的関数について決定変数のパレート最適解集合を求めるステップと、多目的最適化部による多目的最適化により条件変数の値ごとに得られるパレート最適解集合を記憶部に記憶するステップとを備え、初期解集合を生成するステップは、選択される条件変数の一の値についての初期解集合を記憶部に記憶される条件変数の他の値についてのパレート最適解集合に基づいて生成するステップを含むものである。
そのパラメトリック多目的最適化方法によれば、最適化対象の条件変数の値が予め設定された順序で選択される。また、多目的最適化のための初期解集合が生成される。さらに、選択された条件変数の値ごとに生成された初期解集合を用いて多目的最適化が行われる。それにより、複数の目的関数について決定変数のパレート最適解集合が求められる。多目的最適化により条件変数の値ごとに得られるパレート最適解集合は記憶部に記憶される。この場合、条件変数選択部により選択される条件変数の一の値についての初期解集合が記憶部に記憶される条件変数の他の値についてのパレート最適解集合に基づいて初期解集合生成部により生成される。
このようにして生成される初期解集合はランダムに生成された初期解集合に比べてパレート最適解集合に近いため、より少ない回数の最適化でパレート最適解集合を得ることができる。したがって、条件により目的関数が変化する最適化対象の決定変数を短時間で効率良く最適化することが可能となる。
また、条件変数の選択順序をパレート最適解の探索の収束性が向上するように設定することができるので、パレート最適解をより短時間で得ることができる。
(6) 第3の発明に係るパラメトリック多目的最適化プログラムは、条件変数に依存して複数の目的関数が変化する最適化対象を最適化するためのパラメトリック多目的最適化方法をコンピュータに実行させるパラメトリック多目的最適化プログラムであって、最適化対象の条件変数の値を予め設定された順序で選択する処理と、多目的最適化のための初期解集合を生成する処理と、選択された条件変数の値ごとに生成された初期解集合を用いて多目的最適化を行うことにより複数の目的関数について決定変数のパレート最適解集合を求める処理と、多目的最適化部による多目的最適化により条件変数の値ごとに得られるパレート最適解集合を記憶部に記憶する処理とを、コンピュータに実行させ、初期解集合を生成する処理は、選択される条件変数の一の値についての初期解集合を記憶部に記憶される条件変数の他の値についてのパレート最適解集合に基づいて生成する処理を含むものである。
そのパラメトリック多目的最適化プログラムによれば、最適化対象の条件変数の値が予め設定された順序で選択される。また、多目的最適化のための初期解集合が生成される。さらに、選択された条件変数の値ごとに生成された初期解集合を用いて多目的最適化が行われる。それにより、複数の目的関数について決定変数のパレート最適解集合が求められる。多目的最適化により条件変数の値ごとに得られるパレート最適解集合は記憶部に記憶される。この場合、条件変数選択部により選択される条件変数の一の値についての初期解集合が記憶部に記憶される条件変数の他の値についてのパレート最適解集合に基づいて初期解集合生成部により生成される。
このようにして生成される初期解集合はランダムに生成された初期解集合に比べてパレート最適解集合に近いため、より少ない回数の最適化でパレート最適解集合を得ることができる。したがって、条件により目的関数が変化する最適化対象の決定変数を短時間で効率良く最適化することが可能となる。
また、条件変数の選択順序をパレート最適解の探索の収束性が向上するように設定することができるので、パレート最適解をより短時間で得ることができる。
本発明によれば、より少ない回数の最適化でパレート最適解集合を得ることができる。したがって、条件により目的関数が変化する最適化対象の決定変数を短時間で効率良く最適化することが可能となる。
また、条件変数の選択順序をパレート最適解の探索の収束性が向上するように設定することができるので、パレート最適解をより短時間で得ることができる。
以下、本発明の一実施の形態に係るパラメトリック多目的最適化装置(以下、多目的最適化装置と略記する。)について図面を参照しながら説明する。
(1)多目的最適化装置の機能的な構成
図1は本発明の一実施の形態に係る多目的最適化装置の機能的な構成を示すブロック図である。
本実施の形態では、多目的最適化装置1は、多目的進化型アルゴリズムを利用して多目的最適化問題のパレート最適個体集合を算出する。例えば、多目的進化型アルゴリズムとして多目的遺伝的アルゴリズム(GA)が用いられる。
この多目的最適化装置1は、最適化対象6に接続される。最適化対象6は、機器の性能を評価する評価システムである。評価システムは、実システムを評価する評価装置またはシミュレータである。実システムは、例えばエンジンまたはモータであり、評価装置は、例えばエンジン評価装置またはモータ評価装置である。また、シミュレータは、例えばエンジンシミュレータまたはモータシミュレータである。本実施の形態では、最適化対象6はエンジン試験機である。
多目的最適化装置1は、条件変数計画部2、個体集合初期化部3、多目的進化型アルゴリズム部4および探索履歴記憶部5を含む。
条件変数計画部2、個体集合初期化部3および多目的進化型アルゴリズム部4は、後述するCPU101(図2)がパラメトリック多目的最適化プログラムを実行することにより実現される。探索履歴記憶部5は、後述する外部記憶装置106(図2)により構成される。
この多目的最適化装置1には、複数の適応度関数(目的関数)、1または複数の条件変数および複数の決定変数が設定される。
複数の適応度関数としては、燃費(燃料消費量)、トルク、エンジンの排気ガスに含まれるCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、NOx (窒素酸化物)等の成分の濃度等のうち複数が設定される。
ここで、トレードオフの関係としては、トルクと燃費、トルクとCO濃度、トルクとHC濃度、燃費とNOx 濃度、CO濃度とNOx 濃度、HC濃度とNOx 濃度等が挙げられる。後述する例では、2つの適応度関数f,fが設定され、適応度関数fは例えばNOx 濃度であり、適応度関数fは例えば燃費である。
また、多目的最適化問題の条件を表す条件変数が設定される。後述する例では、2つの条件変数w,wの組み合わせを条件変数wと称する。すなわち、条件変数wは2次元ベクトルからなる。この場合、w=(w,w)である。条件変数wは、例えばエンジンの運転条件であり、条件変数wは例えば負荷トルクであり、条件変数wは例えばエンジン回転速度である。条件変数w,wがそれぞれV個の値を有する場合、条件変数wはV組の値を有する。
条件変数wが3次元以上のN次元ベクトルからなってもよい。この場合、条件変数wはU個の条件変数w,w,…,wからなる。
さらに、調整可能な値として複数の決定変数が設定される。決定変数は、例えば最適化対象6の制御パラメータである。決定変数としては、燃料噴射量、燃料噴射時期、点火時期、スロットル開度等が挙げられる。決定変数は、遺伝的アルゴリズムでは、遺伝子と呼ばれる。多目的遺伝的アルゴリズムの個体とは、多目的最適化問題の解の候補であり、複数の決定変数の組および複数の適応度を有する。適応度は、適応度関数の値(目的関数値)である。以下、多目的遺伝的アルゴリズムの個体を単に個体と呼ぶ。
多目的最適化装置1は、条件変数の各値での適応度を最適にするような決定変数を求める。ここで、条件変数の各値での適応度を最適にするような決定変数を求めることを条件変数の各値の評価と呼ぶ。
条件変数計画部2は、条件変数の複数の値からなる条件変数集合の評価順序を決定し、評価すべき条件変数の値を個体集合初期化部3、探索履歴記憶部5および最適化対象6に出力する。条件変数計画部2から出力された条件変数の値を特に要求条件変数値と呼ぶ。詳細は後述する。
個体集合初期化部3は、条件変数の各値について探索履歴記憶部5に記憶された中途個体集合またはパレート最適個体集合から、未評価の条件変数の値についてのパレート最適個体集合の探索のための初期個体集合を生成する。ここで、中途個体集合とは、条件変数の各値についてパレート最適個体集合の探索過程で得られる個体の集合である。詳細は後述する。
多目的進化型アルゴリズム部4は、条件変数計画部2から出力された条件変数の各値により定まる多目的最適化問題について、個体集合初期化部3により生成される初期個体集合を用いてパレート最適個体集合の探索を行う。本実施の形態では、多目的進化型アルゴリズム部4は、条件変数の各値について多目的進化型アルゴリズムにしたがって個体を発生して多点探索を行い、適応度関数をパレート最適性で評価することにより、パレート最適個体集合を求める。また、多目的進化型アルゴリズム部4は、求められたパレート最適個体集合を使用者に提示する。
この多目的進化型アルゴリズム部4は、複数の決定変数の値を最適化対象6に与えるとともに、最適化対象6から出力される適応度を受ける。また、多目的進化型アルゴリズム部4は、中途個体集合またはパレート最適個体集合を適応度とともに探索履歴記憶部5に与える。詳細は後述する。
探索履歴記憶部5は、条件変数の各値について多目的進化型アルゴリズム部4により得られた中途個体集合およびパレート最適個体集合を記憶する。
最適化対象6は、条件変数計画部2から出力される条件変数の値および多目的進化型アルゴリズム部4から与えられる決定変数の値に基づいて適応度を出力する。
(2)多目的最適化装置のハードウエア構成
図2は図1の多目的最適化装置1のハードウエア構成を示すブロック図である。
多目的最適化装置1は、CPU(中央演算処理装置)101、ROM(リードオンリメモリ)102、RAM(ランダムアクセスメモリ)103、入力装置104、表示装置105、外部記憶装置106、記録媒体駆動装置107および入出力インタフェース108を含む。
入力装置104は、キーボード、マウス等からなり、各種指令および各種データを入力するために用いられる。ROM102にはシステムプログラムが記憶される。記録媒体駆動装置107は、CD(コンパクトディスク)ドライブ、DVD(デジタルバーサタイルディスク)ドライブ、フレキシブルディスクドライブ等からなり、CD、DVD、フレキシブルディスク等の記録媒体109に対してデータの読み書きを行う。
記録媒体109には、パラメトリック多目的最適化プログラム(以下、多目的最適化プログラムと呼ぶ。)が記録されている。外部記憶装置106は、ハードディスク装置等からなり、記録媒体駆動装置107を介して記録媒体109から読み込まれた多目的最適化プログラムおよび各種データを記憶する。CPU101は、外部記憶装置106に記憶された多目的最適化プログラムをRAM103上で実行する。
表示装置105は、液晶表示パネル、CRT(陰極線管)等からなり、中途個体集合およびパレート最適個体集合等の各種画像を表示する。入出力インタフェース108には最適化対象6が無線通信または有線通信により接続される。入出力インタフェース108は、最適化対象6から出力される適応度の組を外部記憶装置106に転送するとともに、多目的最適化プログラムにより生成された個体の決定変数の組を最適化対象6に与える。
なお、多目的最適化プログラムを記録する記録媒体109として、ROM等の半導体メモリ、ハードディスク等の種々の記録媒体を用いることができる。また、多目的最適化プログラムを通信回線等の通信媒体を介して外部記憶装置106にダウンロードし、RAM103上で実行してもよい。
ここで、記録媒体109は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体であれば、電子的読み取り方式、磁気的読み取り方式、光学的読み取り方式またはその他のあらゆる読み取り方式の記録媒体を含むものである。例えば、上記のCD、DVDおよびフレキシブルディスクの他、CDV(コンパクトディスクビデオ)等の光学的読取方式記録媒体、RAM、ROM等の半導体記録媒体、ハードディスク等の磁気記録型記録媒体、MO(光磁気ディスク)等の磁気記憶型/光学的読取方式記録媒体を用いることができる。
(3)最適化対象の構成
図3は最適化対象6の構成の一例を示すブロック図である。図3の最適化対象6はエンジン評価装置である。
最適化対象6は、エンジン61、ECU(エンジン制御ユニット)62、計測装置63、制御用コンピュータ64および超低慣性ダイナモメータ65を含む。ECU62、計測装置63、制御用コンピュータ64および超低慣性ダイナモメータ65がエンジン試験機を構成する。このエンジン試験機によれば、エンジン61単体を用いてエンジン61を実車に搭載した場合と同等に評価することができる。
超低慣性ダイナモメータ65は、エンジン61のクランクシャフトに接続され、エンジン61に与える負荷トルクを実時間で制御する。エンジン61は、燃料噴射時期および点火時期を制御するための電子制御装置を有する。
ECU62は、多目的最適化装置1から制御パラメータとして決定変数の値を受信する。本例では、決定変数は燃料噴射時期および点火時期である。ECU62は、決定変数の値に基づいてエンジン61の燃料噴射時期および点火時期を制御する。
また、制御用コンピュータ64は、多目的最適化装置1から運転条件として条件変数の値を受信する。本例では、条件変数w,wは負荷トルクおよびエンジン回転速度である。制御用コンピュータ64には、駆動系モデルおよび車両モデルが搭載される。制御用コンピュータ64は、条件変数の値に基づいて超低慣性ダイナモメータ65によりエンジン61に与えられる負荷トルクを制御する。また、制御用コンピュータ64は、エンジン61の回転数を制御する。
計測装置63は、排気ガス分析装置、燃焼解析装置および燃料流量計を含み、
エンジン61からの排気ガス中の成分を分析し、適応度としてNOx濃度および燃費を多目的最適化装置1に出力する。
(4)探索履歴
図4は初期個体集合を用いたパレート最適個体集合の探索履歴の一例を示す図である。図4(a)は探索履歴記憶部5に記憶される個体集合の構成を示し、図4(b)は多目的進化型アルゴリズムにより初期個体集合がパレート最適個体集合に収束する様子が示される。
図4(a)に示すように、個体集合は、条件変数wのある値についての決定変数x,xの値および適応度関数f,fの値からなる。図4(b)において、第t世代および第t+1世代は、初期世代と最終世代との間の世代を表す。初期世代では、後述する方法で生成された初期個体集合を用いて中途個体集合が得られる。各世代で中途個体集合が得られ、最終世代でパレート最適個体集合が得られる。
図5は初期世代から最終世代までに探索履歴記憶部5に記憶される探索履歴の一例を示す図である。
図5において、w〜wは条件変数wの異なる値を示している。条件変数w=(w,w)の場合、w=(w ,w )、w=(w ,w )、w=(w ,w )およびw=(w ,w )を意味する。
図5の例では、条件変数の値wについて初期世代、第t世代および第t+1世代で得られた中途個体集合、および最終世代で得られたパレート最適個体集合が探索履歴記憶部5に記憶されている。また、条件変数の値wについて初期世代および第t世代で得られた中途個体集合が探索履歴記憶部5に記憶されている。
このようにして、条件変数の各値について探索により得られる中途個体集合およびパレート最適個体集合が探索履歴記憶部5に記憶される。
(5)初期個体集合の生成の概念
本実施の形態では、条件変数の一部の値について初期個体集合が条件変数の他の複数の値について得られたパレート最適個体集合を内挿することにより生成される。
図6はパレート最適個体集合の内挿による初期個体集合の生成を説明するための概念図である。
条件変数の値wおよび条件変数の値wについてパレート最適個体集合が得られた後、条件変数の値wについてのパレート最適個体集合および条件変数の値wについてのパレート最適個体集合の内挿により条件変数の値wについての初期個体集合が生成される。その初期個体集合を用いて条件変数の値wについてのパレート最適個体集合が得られた後、条件変数の値wについてのパレート最適個体集合および条件変数の値wについてのパレート最適個体集合の内挿により条件変数の値wについての初期個体集合が生成される。
このようにして、条件変数の値wについてのパレート最適個体集合の探索および条件変数の値wについてのパレート最適個体集合の探索が効率化される。
(6)多目的最適化装置の全体処理
図7は図1の多目的最適化装置1の全体処理を示すフローチャートである。
まず、条件変数計画部2が条件変数の値を選択する(ステップS1)。条件変数の値の選択方法については後述する。
次に、探索履歴記憶部5は、条件変数計画部2により選択された条件変数の値を記憶する(ステップS2)。個体集合初期化部3は、探索履歴記憶部5に記憶された条件変数の値の数が所定数以上であるか否かを判別する(ステップS3)。
探索履歴記憶部5に記憶された条件変数の値の数が所定数よりも少ない場合には、個体集合初期化部3は、選択された条件変数の値についての初期個体集合をランダムに生成する(ステップS4)。
探索履歴記憶部5に記憶された条件変数の値の数が所定数以上の場合には、個体集合初期化部3は、探索履歴記憶部5に記憶された条件変数の複数の値についてのパレート最適個体集合を内挿することにより、選択された条件変数の値についての初期個体集合を生成する(ステップS5)。
次に、多目的進化型アルゴリズム部4は、選択された条件変数の値について生成された初期個体集合を用いて多目的進化型アルゴリズムによりパレート最適個体集合の探索を行う(ステップS6)。探索履歴記憶部5は、探索により得られる中途個体集合を記憶する(ステップS7)。
多目的進化型アルゴリズム部4は、選択された条件変数の値について最終世代まで探索が終了したか否かを判別する(ステップS8)。最終世代まで探索が終了していない場合には、ステップS6に戻り、ステップS6〜S8の処理を繰り返す。最終世代の中途個体集合は、パレート最適個体集合として探索履歴記憶部5に記憶される。
最終世代まで探索が終了した場合には、多目的進化型アルゴリズム部4は、条件変数のすべての値についてパレート最適個体集合の探索が終了したか否かを判別する(ステップS9)。
条件変数のすべての値についてパレート最適個体集合の探索が終了していない場合には、ステップS1に戻る。それにより、条件変数計画部2が次の条件変数の値を選択する。
条件変数のすべての値についてパレート最適個体集合の探索が終了した場合には、多目的最適化を終了する。この場合、条件変数のすべての値についてのパレート最適個体集合が探索履歴記憶部5に記憶される。
(7)条件変数計画部2による条件変数の選択方法
条件変数計画部2は、条件変数の値の評価順序を決定し、評価すべき条件変数の値を順に出力する。条件変数計画部2から出力された条件変数の値を要求条件変数値と呼ぶ。
図8(a),(b)は条件変数の選択方法の例を示す図である。本例では、条件変数wが二次元ベクトル(w,w)からなる。図8(a),(b)の横軸は条件変数wの値であり、縦軸は条件変数wの値である。
図8(a)の例では、2次元ベクトル空間で条件変数の値が外側から順に選択される。また、図8(b)の例では、2次元ベクトル空間で近い条件変数の値が順に選択される。
条件変数の値の選択順序は、図8の例に限定されるものではなく、条件変数の次数または数等に応じて様々の順序で選択することができる。
(8)多目的進化型アルゴリズム
図9は多目的進化型アルゴリズムを説明するための模式図である。また、図10は多目的進化型アルゴリズムを説明するためのフローチャートである。
本実施の形態では、Debらにより提案されたNSGA−II(Non-Dominated Sorting Genetic Algorithm-II)を用いる(非特許文献2参照)。
まず、多目的進化型アルゴリズム部4は、図9(a)に示すように、t世代において、親個体集合Pから子個体集合Qを生成する(図10のステップS11)。
次に、多目的進化型アルゴリズム部4は、図9(b)に示すように、親個体集合Pと子個体集合Qとの和集合Rに対して非優越ソートを行う(図10のステップS12)。非優越ソートとは、非優越ランキングにより個体をランク付けし,ランクがより小さい個体を優秀な個体として次世代に残すように個体集合を並び替える(ソートする)方法である。非優越ランキングの詳細は後述する。図9(b)の例では、和集合Rがランク1〜4に並び替えられている。
次いで、多目的進化型アルゴリズム部4は、図9(c),(d)に示すように、和集合Rのランクごとに混雑度ソートを行う(図10のステップS13)。混雑度ソートとは、同一ランク内での個体の優劣を評価するために個体分布の疎密を評価し、より疎の部分に存在する個体を優秀な個体として次世代に残すように個体集合を並び替える(ソートする)方法である。混雑度ソートの詳細は後述する。
次に、多目的進化型アルゴリズム部4は、上位p(=|P|)個の個体を次世代(t+1世代)の親個体集合Pとして残す(図10のステップS14)。ここで、|P|は親個体集合の個数を表す。図9の例では、ランク4の個体が淘汰され、ランク3の個体のうち一部の下位の個体が淘汰されている。
その後、多目的進化型アルゴリズム部4は、世代数が所定の終了条件に達したか否かを判別する(図10のステップS15)。
世代数が所定の終了条件に到達していない場合には、ステップS11に移行する。世代数が所定の終了条件に到達した場合には、多目的進化型アルゴリズム部4は、ステッブS15で生成された親個体集合Pをパレート最適個体集合として使用者に提示し、処理を終了する。
(9)非優越ランキング
図11は非優越ランキングを説明するための模式図である。図11では、適応度空間の個体集合が示されている。
非優越ランキングでは、各個体のランク付けに基づいてパレート最適個体集合を求める。各個体のランク付けは次の手順により行う。
まず、優越比較の定義に基づいてすべての個体について優越比較を行い、他の個体に優越されない個体(非優越個体)を選択し、その非優越個体をランク1とする。次に、個体集合からランク1の個体を取り除き、残った個体集合について同様の操作を行う。残った個体集合における非優越個体をランク2とする。すべての個体のランクが決定するまで上記の操作を繰り返す。
ここでは、ランク1を最上位ランクとし、それ以上の数値のランクは数値が大きくなるほど下位のランクとなる。
図11の例では、個体I1〜I4は他の個体に優越されていない。したがって、個体I1〜I4のランクは1である。
個体I1〜I4を取り除いた状態で個体I5〜I8は他の個体に優越されていない。したがって、個体I5〜I8のランクは2である。
個体I5〜I8を取り除いた状態で個体I9,I10は他の個体に優越されていない。したがって、個体I9,I10のランクは3である。残った個体I11のランクは4である。
(10)混雑度ソート
図12は混雑度ソートを説明するための図である。図12では、適応度空間の個体集合が示されている。
混雑度ソートでは、同じランクの各注目個体について、それに隣接する2つの個体を結ぶ線を対角線とする長方形を想定し、長方形の縦および横の辺の長さの合計で混雑度(混雑距離)を表す。混雑度の値が小さいほど注目個体は混雑した領域に存在する。同じランクの両端の個体には最大の混雑度を与える。
図12の例では、個体I2の混雑度は、隣接する個体I1,I3が作る長方形s1の横の辺の長さd1および縦の辺の長さd2の合計で表される。個体I3の混雑度は、隣接する個体I2,I4が作る長方形s2の横の辺の長さd3および縦の辺の長さd4の合計で表される。
図13は多目的進化型アルゴリズム部4による混雑度ソートの処理を示すフローチャートである。
まず、多目的進化型アルゴリズム部4は、個体集合を適応度関数ごとにソートし、適応度関数ごとに同一ランク内で各注目個体に隣接する2つの個体を調べる(ステップS21)。
次に、多目的進化型アルゴリズム部4は、各注目個体に隣接する2つの個体間の数学的距離を適応度関数ごとに算出し、各注目個体についての複数の適応度関数における数学的距離の合計を混雑度として算出する(ステップS22)。ここで、数学的距離としてはユークリッド距離を用いる。
その後、多目的進化型アルゴリズム部4は、各ランクの個体集合の個体を混雑度の値の大きい順にソートする(ステップS23)。
このようにして、より上位のランクでより大きな混雑度を有する所定数の個体が選択され、他の個体が削除される。その結果、より優秀な個体が次世代に残される。
(11)個体集合の類似度
次に、個体集合同士の類似度の概念について説明する。図14は個体集合の類似度を説明するための模式図である。
図14には、決定変数空間における2つの個体集合P1,P2が示されている。個体集合P1は、個体p11〜p15を含む。個体集合P2は、個体p21〜p25を含む。個体集合P1内の個体p11〜p15から個体集合P2内の最も近い個体p21〜p24までの距離をそれぞれ矢印a1〜a5で示す。また、個体集合P2内の個体p21〜p25から個体集合P1内の最も近い個体p11〜p15までの距離を矢印c1〜c5で示す。
2つの個体集合P1,P2間の類似度は次式で定義される。
類似度α=(L12+L21)/2
上式において、L12は個体集合P1内の各個体から個体集合P2内の最も近い個体までの距離の平均値であり、L21は個体集合P2内の各個体から個体集合P1内の最も近い個体までの距離の平均値である。
(12)個体集合のマッチング
ここで、パレート最適個体集合の内挿に用いるマッチングについて説明する。マッチングとは、等しい要素数の2つの集合間で距離が最小となる要素の対を決定することである。距離としては、ユークリッド距離が用いられる。特に、1対1で要素の対を決定することを最適マッチングと呼ぶ。最適マッチングには、2−opt法等による近似解法と、シンプレックス法により最適解を求める方法とがある。本実施の形態では、2−opt法によるマッチングにより2つの個体集合に含まれる個体同士が対応付けられる。
図15は2−opt法による個体集合同士のマッチングを説明するための模式図である。
図15には、決定変数空間における2つの個体集合P1,P2が示されている。個体集合P1は、個体p11〜p15を含み、個体集合P2は、個体p21〜p25を含む。
図15(a)のマッチングでは、個体p11,p12,p13,p14,p15と個体p21,p22,p24,p23,p25とがそれぞれ対応付けられている。対応付けられた個体同士が枝b1〜b5で結ばれている。図15(a)のマッチングにおける枝b3,b4を入れ替えると図15(b)のようになる。
あるマッチングに対して2つの枝を入れ替えたマッチングを2−opt近傍と呼ぶ。図15(b)のマッチングは、図15(a)のマッチングに対する2−opt近傍である。
あるマッチングに対する2−opt近傍における平均枝長を調べ、2−opt近傍における平均枝長が元のマッチングにおける平均枝長よりも短い場合には、2−opt近傍を新たなマッチングとして採用する。この操作を平均枝長が収束するまで繰り返す方法を2−opt法と呼ぶ。
図15(b)の2−opt近傍における枝b1〜b5の平均長は、図15(a)のマッチングにおける枝b1〜b5の平均長よりも短い。したがって、図15(b)の2−opt近傍を新たなマッチングとして採用する。
図16は3つ以上の個体集合のマッチングを説明するための模式図である。図16には、決定変数空間における4つの個体集合P1,P2,P3,P4が示されている。この場合、1つの個体集合P1を基準とし、基準の個体集合P1と他の個体集合P2,P3,P4とのマッチングを上記の2−optでそれぞれ行う。
(13)パレート最適個体集合の内挿による初期個体集合の生成方法
上記のように、個体集合初期化部3は条件変数wの複数の値についてのパレート最適個体集合を用いて条件変数wのある値についての初期個体集合を生成する。次に、パレート最適個体集合の内挿による初期個体集合の生成方法について説明する。
図17〜図23はパレート最適個体集合の内挿による初期個体集合の生成方法を説明するための模式図である。
ここでは、条件変数計画部2から出力される要求条件変数値wについての初期個体集合を生成するものとする。
図17には、条件変数空間における要求条件変数値wおよび複数の条件変数wの値w,w,w,wが示されている。図18には、決定変数空間における条件変数wの複数の値w,w,w,wについてのパレート最適個体集合が示されている。
また、図19および図21には、決定変数空間における選択されたパレート最適個体集合が示されている。図20および図22には、回帰による要求条件変数値wの予測方法が示されている。図20の横軸は条件変数wであり、縦軸は決定変数xである。また、図22の横軸は条件変数wであり、縦軸は決定変数xである。さらに、図23には、決定変数空間における内挿個体集合が示されている。
まず、図17の条件変数空間でk−NN法(k-nearest-Neighbor Method)を用い、要求条件変数値wの近傍の条件変数の値w,wを選択する。次に、図18の決定変数空間において、選択された条件変数の値w,wについてのパレート最適個体集合を選択する。
さらに、図19に示すように、決定変数空間で条件変数の値w,wについてのパレート最適個体集合同士のマッチングをとり、点線で示すように、対応付けられた1組の個体を取り出す。
次に、図20に示すように、条件変数wを説明変数とし、決定変数xを被説明変数として回帰を行う。それにより、要求条件変数値wに対応する条件変数xの値x を予測する。また、図21に示すように、条件変数wを説明変数とし、決定変数xを被説明変数として回帰を行う。それにより、要求条件変数値wに対応する条件変数xの値x を予測する。
予測された条件変数x,xの値x ,x を統合することにより、図22に示すように、要求条件変数値wに対応する内挿個体Iが求められる。上記の操作をパレート最適個体集合のすべての組の個体について行うことにより、図23に示すように、要求条件変数値wに対応する内挿個体集合が求められる。
図24は複数のパレート最適個体集合から内挿個体集合を初期個体集合として求めるためのアルゴリズムを示すフローチャートである。
ここでは、条件変数wの複数の値についての複数のパレート最適個体集合から要求条件変数値w=(w ,w ,…w )についての内挿個体集合を求める場合を説明する。
まず、探索履歴記憶部5に記憶された条件変数wの値のうち要求条件変数値wの近傍の条件変数wの値(近傍集合)をk−NN法を用いて選択する(ステップS31)。選択された条件変数wの値をw,w,…,wとする。ここで、w=(w ,w ,…,w )、w=(w ,w ,…,w )、w=(w ,w ,…,w )である。
次に、選択された条件変数wの値w,w,…,wを用いて回帰のための計画行列Wを生成する(ステップS32)。計画行列Wは次式のようになる。
Figure 2009099050
次に、選択された条件変数wの値w,w,…,wについてのパレート最適個体集合間のマッチングをとる(ステップS33)。この場合、要求条件変数値wに最も近い条件変数wの値wを基準とし、基準の値wについてのパレート最適個体集合と他の値w,…,wについてのパレート最適個体集合とのマッチングを順に求める。
次に、変数iを1に設定する(ステップS34)。また、変数jを1に設定する(ステップS35)。
その後、k個のマッチングされた個体の第i組x1,i,…xk,iについて、すべての個体の第j番目の要素x 1,i,…x k,iを統合したベクトルy =[x 1,i… x k,iを生成する(ステップS36)。
さらに、y =[x 1,i … x k,iを被説明変数とし、条件変数wの値w,w,…,wを説明変数として、回帰係数ベクトルγ を最小二乗法により次式から求める(ステップS37)。
γ =(WW)−1Wy
次に、要求条件変数w=(w ,w ,…w )および回帰係数ベクトルγ から次式により内挿個体の第j番目の要素を算出する(ステップS38)。
=[1 w …w ]γ
その後、すべての要素の算出が終了したか否かを判別する(ステップS39)。すべての要素の算出が終了していない場合には、変数jに1を加算し(ステップS40)、ステップS36に戻る。そして、ステップS36〜S39の処理を繰り返す。
ステップS39においてすべての要素の算出が終了した場合には、算出された要素を統合した内挿個体x={x … x]を生成する(ステップS41)。
そして、k個のマッチングされた個体のすべての組についての内挿個体が生成されたか否かを判別する(ステップS42)。マッチングされた個体のすべての組についての内挿個体が生成されていない場合には、変数iに1を加算し(ステップS43)、ステップS35に戻る。そして、ステップS35〜S42の処理を繰り返す。
ステップS42においてマッチングされた個体のすべての組についての内挿個体が生成された場合には、パレート最適個体集合の内挿を終了する。
(14)実施の形態の効果
本実施の形態に係る多目的最適化装置1においては、条件変数wの複数の値についての初期個体集合が条件変数wの他の複数の値についてのパレート最適個体集合から生成される。それにより、少ない世代数で適切なパレート最適個体集合を効率良く得ることができる。したがって、条件変数の種類数が多い場合でも、パラメトリック多目的最適化に要する時間を大幅に削減することができる。
また、条件変数計画部2により条件変数wの値の評価順序をパレート最適個体集合の探索の収束性が向上するように任意に設定することができるので、パレート最適個体集合をより効率良く得ることが可能となる。
(15)実施例
以下の実施例では、数値実験により上記実施の形態に係る多目的最適化装置1による評価回数の削減効果について調べた。
本実施例では、多目的進化型アルゴリズムとして上記のNSGA−IIを用い、親個体集合サイズ|P|を100とし、子個体数集合サイズ|Q|も100とする。交叉演算としては、UNDX(単峰性正規分布交叉:Unimodal Normal Distribution Crossover)を交叉率1.0で用い、突然変異演算は用いない。
図25(a),(b)は実施例における条件変数wの値およびその評価順序を示す図である。図25の横軸は条件変数wの値を示し、縦軸は条件変数wの値を示す。
図25(a)に示すように、条件変数w,wの値をいずれも0.0、0.25、0.5、0.75および1.0とする。この場合、条件変数wの値は25組である。
実験の手順は次の通りである。まず、条件変数wの値の評価順序を決定する。本実施例では、図25(b)の丸内に数字で示す順序で条件変数wの値を評価する。
探索履歴記憶部5に記憶された条件変数wの値がk個未満の場合にはランダムに生成された初期個体集合を用いて世代数Tの最適化を実施し、中途個体集合(最終世代より前の世代で得られた個体集合)およびパレート最適個体集合(最終世代で得られた個体集合)を探索履歴記憶部5に記憶する。条件変数wの値がk個以上になれば、k−NN法により探索履歴記憶部5に記憶された条件変数wのうち複数の条件変数wの値を選択する。そして、選択された条件変数wの値についてのパレート最適個体集合から内挿個体集合を生成し、その内挿個体集合を要求条件変数wについての初期個体集合として次の最適化を実施する。
本実施例では、T=100およびk=4とする。また、本実施例では、上記実施の形態の多目的最適化装置1による効果を確認するために、探索を途中で終了せずにT+1世代まで最適化を実施する。そのため、質の良いパレート最適個体集合を初期個体集合の生成に用いることができる。
ただし、実際には、所定の終了条件で探索を終了する。例えば、類似度の変化率が所定値ε以下となる場合に探索を終了する。ここで、類似度は、現世代の個体集合と前世代の個体集合との類似度である。この場合、所定の終了条件が満たされた時点での個体集合がパレート最適個体集合となる。
テスト関数としては、次式の2条件2目的n変数問題を用いる。
Figure 2009099050
ここで、−2≦x≦2、−2≦x≦2、0≦w≦1、0≦w≦1とし、n=20とする。
多目的進化型アルゴリズムは確率的な最適化手法であるため、初期個体集合の配置および探索過程での多目的進化型アルゴリズムによる操作により結果に違いが生じる。したがって、実施例では、上記実施の形態の多目的最適化装置の平均的な性能を評価するために、30回の最適化結果の平均値を求める。
一方、比較例では、条件変数wのすべての値についてランダムに生成された初期個体集合を用いて探索を行う。
次に、比較例で最終世代(第101世代)に得られた類似度を用いて、実施例の全世代の類似度を正規化する。そして、正規化された類似度が1以下になったときの世代数を求める。これにより、実施例でどの程度世代数を削減することができるかを知ることができる。
図26は実験結果を示す図である。図26の横軸は条件変数wの値を示し、縦軸は条件変数wの値を示す。図26の各マス目内の数字は正規化された類似度が1以下になったときの世代数を示す。
図26の左下の条件変数の4組の値については、ランダムに生成された初期個体集合を用いて最適化を行っているので、第101世代で比較例と同じ類似度が得られる。また、条件変数wのその他の各値については、条件変数wの他の値についてのパレート最適個体集合から初期個体集合が生成される。それにより、図26の結果より、第1世代〜第46世代で比較例と同等の類似度が得られ、平均して30世代程度で比較例と同じ類似度が得られることがわかる。したがって,本実施例では、全探索時間を1/3程度に低減できるといえる。
以上のように、上記実施の形態に係る多目的最適化装置によれば、多目的進化型アルゴリズムによる最適化に要する時間を大幅に低減できることがわかる。
(16)他の実施の形態
(a)上記実施の形態では、多目的進化型アルゴリズムとしてNSGA−IIを用いているが、これに限定されず、NSGA−IIの代わりに、SPEA2(非特許文献3)等の同様のアイデアに基づく計算法を用いてもよい。
(b)3以上の目的への適用
上記実施の形態では、2目的の最適化を例に挙げて説明したが、本発明は、3以上の目的の最適化にも同様に適用することができる。この場合、トレードオフの関係を有する3以上の適応度関数が設定される。
(c)上記実施の形態では、条件変数計画部2、個体集合初期化部3、多目的進化型アルゴリズム部4および探索履歴記憶部5がCPU101およびプログラムにより実現されるが、条件変数計画部2、個体集合初期化部3、多目的進化型アルゴリズム部4および探索履歴記憶部5の一部または全てが電子回路等のハードウエアにより実現されてもよい。
(d)多目的進化型アルゴリズムの代わりに他の最適化アルゴリズムを用いてもよい。
図27は他の最適化アルゴリズムを用いた多目的最適化装置の例を示すブロック図である。
図27の多目的最適化装置1では、図1の個体集合初期化部3の代わりに解集合初期化部30が用いられ、図1の多目的進化型アルゴリズム部4の代わりに多目的最適化部40が用いられ、図1の探索履歴記憶部5の代わりに探索履歴記憶部50が用いられる。
解集合初期化部30は、条件変数の各値について探索履歴記憶部50に記憶された中途解集合またはパレート最適解集合から、未評価の条件変数の値についてのパレート最適解集合の探索のための初期解集合を生成する。ここで、中途解集合とは、条件変数の各値についてパレート最適解集合の探索過程で得られる解の集合である。
多目的最適化アルゴリズム部40は、条件変数計画部2から出力された条件変数の各値により定まる多目的最適化問題について、解集合初期化部30により生成される初期解集合を用いてパレート最適解集合の探索を行う。本例では、多目的最適化アルゴリズム部40は、条件変数の各値について最適化アルゴリズムにしたがって多点探索を行い、目的関数をパレート最適性で評価することによりパレート最適解集合を求める。また、多目的最適化アルゴリズム部40は、求められたパレート最適解集合を使用者に提示する。
多目的最適化アルゴリズム部40は、複数の決定変数の値を最適化対象6に与えるとともに、最適化対象6から出力される目的関数値を受ける。また、多目的最適化アルゴリズム部40は、中途解集合またはパレート最適解集合を目的関数値とともに探索履歴記憶部50に与える。
探索履歴記憶部50は、条件変数の各値について多目的最適化アルゴリズム部40により得られた中途解集合およびパレート最適解集合を記憶する。
最適化対象6は、条件変数計画部2から出力される条件変数の値および多目的最適化アルゴリズム部40から与えられる決定変数の値に基づいて目的関数値を出力する。
本例の多目的最適化装置1においては、条件変数の複数の値についての初期解集合が条件変数の他の値についてのパレート最適解集合から生成される。それにより、少ない最適化回数で適切なパレート最適解集合を効率良く得ることができる。したがって、条件変数の種類数が多い場合でも、パラメトリック多目的最適化に要する時間を大幅に削減することができる。
(17)請求項の構成要素と実施の形態の各部との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態では、条件変数計画部2が条件変数選択部の例であり、個体集合初期化部3または解集合初期化部30が初期解集合生成部の例であり、探索履歴記憶部5または探索履歴記憶部50が記憶部の例であり、多目的進化型アルゴリズム部4または多目的最適化アルゴリズム部40が多目的最適化部の例である。
また、初期個体集合が初期解集合の例であり、パレート最適個体集合がパレート最適解集合の例であり、パレート最適個体がパレート最適解の例であり、マッチングが対応付けの例であり、最小二乗法による回帰処理が統計的処理の例である。
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
本発明は、条件により目的関数が変化する最適化対象の決定変数を最適化するため等に利用することができる。
本発明の一実施の形態に係る多目的最適化装置の機能的な構成を示すブロック図である。 図1の多目的最適化装置のハードウエア構成を示すブロック図である。 最適化対象の構成の一例を示すブロック図である。 初期個体集合を用いたパレート最適個体集合の探索履歴の一例を示す図である。 初期世代から最終世代までに探索履歴記憶部に記憶される探索履歴の一例を示す図である。 パレート最適個体集合の内挿による初期個体集合の生成を説明するための概念図である。 図1の多目的最適化装置の全体処理を示すフローチャートである。 条件変数の選択方法の例を示す図である。 多目的進化型アルゴリズムを説明するための模式図である。 多目的進化型アルゴリズムを説明するためのフローチャートである。 非優越ランキングを説明するための模式図である。 混雑度ソートを説明するための図である。 多目的進化型アルゴリズム部による混雑度ソートの処理を示すフローチャートである。 個体集合の類似度を説明するための模式図である。 2−opt法による個体集合同士のマッチングを説明するための模式図である。 3つ以上の個体集合のマッチングを説明するための模式図である。 パレート最適個体集合の内挿による初期個体集合の生成方法を説明するための模式図である。 パレート最適個体集合の内挿による初期個体集合の生成方法を説明するための模式図である。 パレート最適個体集合の内挿による初期個体集合の生成方法を説明するための模式図である。 パレート最適個体集合の内挿による初期個体集合の生成方法を説明するための模式図である。 パレート最適個体集合の内挿による初期個体集合の生成方法を説明するための模式図である。 パレート最適個体集合の内挿による初期個体集合の生成方法を説明するための模式図である。 パレート最適個体集合の内挿による初期個体集合の生成方法を説明するための模式図である。 複数のパレート最適個体集合から内挿個体集合を初期個体集合として求めるためのアルゴリズムを示すフローチャートである。 実施例における条件変数の値およびその評価順序を示す図である。 実験結果を示す図である。 他の最適化アルゴリズムを用いた多目的最適化装置の例を示すブロック図である。 多目的最適化問題をエンジンの最適化に適用した例を示す図である。 パレート最適解について説明するための図である。 エンジンの適合を説明するための図である。 パラメトリック多目的最適化問題の概念図を示す図である。 条件変数の複数の値についての多目的最適化問題を解く様子を示す図である。
符号の説明
1 多目的最適化装置
2 条件変数計画部
3 個体集合初期化部
4 多目的進化型アルゴリズム部
5 探索履歴記憶部
6 最適化対象
30 解集合初期化部
40 多目的最適化アルゴリズム部
50 探索履歴記憶部
61 エンジン
62 ECU
63 計測装置
64 制御用コンピュータ
65 超低慣性ダイナモメータ
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 入力装置
105 表示装置
106 外部記憶装置
107 記録媒体駆動装置
108 入出力インタフェース
109 記録媒体
b1〜b5 枝
c1〜c5 矢印
,f 適応度関数
I1〜I10 個体
内挿個体
p11〜p15,p21〜p25 個体
P1,P2 個体集合
w,w,w 条件変数
,w 条件変数の値
要求条件変数値
,x 決定変数

Claims (6)

  1. 条件変数に依存して複数の目的関数が変化する最適化対象を最適化するためのパラメトリック多目的最適化装置であって、
    前記最適化対象の条件変数の値を予め設定された順序で選択する条件変数選択部と、
    多目的最適化のための初期解集合を生成する初期解集合生成部と、
    前記条件変数選択部により選択された条件変数の値ごとに前記初期解集合生成部により生成された初期解集合を用いて多目的最適化を行うことにより前記複数の目的関数について決定変数のパレート最適解集合を求める多目的最適化部と、
    前記多目的最適化部による多目的最適化により条件変数の値ごとに得られるパレート最適解集合を記憶する記憶部とを備え、
    前記初期解集合生成部は、前記条件変数選択部により選択される条件変数の一の値についての初期解集合を前記記憶部に記憶される条件変数の他の値についてのパレート最適解集合に基づいて生成することを特徴とするパラメトリック多目的最適化装置。
  2. 前記初期解集合生成部は、前記条件変数選択部により選択される条件変数の一の値についての初期解集合を前記記憶部に記憶される条件変数の他の複数の値についての複数のパレート最適解集合の演算により求めることを特徴とする請求項1記載のパラメトリック多目的最適化装置。
  3. 前記初期解集合生成部は、
    条件変数空間における条件変数の前記一の値と前記記憶部に記憶された条件変数の他の値との距離に基づいて複数のパレート最適解集合を選択し、
    条件変数の前記一の値に最も近い条件変数の他の値についてのパレート最適解集合を基準とし、基準のパレート最適解集合に含まれる各パレート最適解と選択された条件変数の残りの値についてのパレート最適解集合に含まれる各パレート最適解との対応付けを行い、
    対応付けられた複数のパレート最適解を表す決定変数を被説明変数とし、条件変数を説明変数として統計的処理を行うことにより、条件変数の前記一の値についてのパレート最適解集合を予測し、予測したパレート最適解集合を条件変数の前記一の値についての初期解集合として生成することを特徴とする請求項1または2記載のパラメトリック多目的最適化装置。
  4. 前記初期解集合生成部は、決定変数空間において対応付けられたパレート最適解間の距離が最小となるように前記パレート最適解の対応付けを行うことを特徴とする請求項3記載のパラメトリック多目的最適化装置。
  5. 条件変数に依存して複数の目的関数が変化する最適化対象を最適化するためのパラメトリック多目的最適化方法であって、
    前記最適化対象の条件変数の値を予め設定された順序で選択するステップと、
    多目的最適化のための初期解集合を生成するステップと、
    前記選択された条件変数の値ごとに前記生成された初期解集合を用いて多目的最適化を行うことにより前記複数の目的関数について決定変数のパレート最適解集合を求めるステップと、
    前記多目的最適化部による多目的最適化により条件変数の値ごとに得られるパレート最適解集合を記憶部に記憶するステップとを備え、
    前記初期解集合を生成するステップは、前記選択される条件変数の一の値についての初期解集合を前記記憶部に記憶される条件変数の他の値についてのパレート最適解集合に基づいて生成するステップを含むことを特徴とするパラメトリック多目的最適化方法。
  6. 条件変数に依存して複数の目的関数が変化する最適化対象を最適化するための最適化方法をコンピュータに実行させるパラメトリック多目的最適化プログラムであって、
    前記最適化対象の条件変数の値を予め設定された順序で選択する処理と、
    多目的最適化のための初期解集合を生成する処理と、
    前記選択された条件変数の値ごとに前記生成された初期解集合を用いて多目的最適化を行うことにより前記複数の目的関数について決定変数のパレート最適解集合を求める処理と、
    前記多目的最適化部による多目的最適化により条件変数の値ごとに得られるパレート最適解集合を記憶部に記憶する処理とを、
    前記コンピュータに実行させ、
    前記初期解集合を生成する処理は、前記選択される条件変数の一の値についての初期解集合を前記記憶部に記憶される条件変数の他の値についてのパレート最適解集合に基づいて生成する処理を含むことを特徴とするパラメトリック多目的最適化プログラム。
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