JP2009099031A - タッチパネル入力装置および入力ペン - Google Patents

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Abstract

【課題】タッチパネルと入力ペンを用いた入力装置において、筆圧を検知できるようにすることを課題とする。
【解決手段】タッチパネル入力装置として、2つのペン先を有するとともに、各ペン先を共に板体に押し付けると、押し付ける力に応じて各ペン先の板体における接点間の距離が変化する入力ペンYと、板状のパネル上に接触物が接触したときに、当該接触物の接触点の前記パネル上の位置を検知し出力するタッチパネル17であって、少なくとも2点以上の位置を同時に出力するタッチパネル17と、前記タッチパネル17からの2点の接触点に関する出力を受け、これに基づき当該2点間の距離を算出し、算出された距離に基づき筆圧データとして出力する演算手段とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、タッチパネルを用いた入力装置に関し、特に入力ペンによる筆圧を検知する入力装置に関する。
従来、ペン入力による入力デバイスとして、ペンタブレットがある。これは、磁界を発する入力ペンを用いて、磁界の位置変化によりタブレット上の座標位置を検知できるとともに、磁界変化により筆圧を検知することができる。
また、類似した入力装置として、タッチパネル(タッチパッドを含む)とタッチペンの組み合わせがある。タッチパネルは、接触された位置の座標値を検出し、座標データとして出力するものである。
ところで、ペンタブレットは、筆圧を検知することができるが、構造が複雑で、タブレットを厚くする必要があり、また、製造コストが高くなる。一方、タッチパネルを用いる場合は、薄く製造でき、製造コストも安くなるが、位置を検知できるのみで筆圧を検知することはできない。
本発明は、このような問題に鑑みて、タッチパネルと入力ペンを用いた入力装置において、筆圧を検知できるようにすることを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は次のような構成を有する。
請求項1に記載の発明は、2つのペン先を有するとともに、各ペン先を共に板体に押し付けると、押し付ける力に応じて各ペン先の板体における接点間の距離が変化する入力ペンと、板状のパネル上に接触物が接触したときに、当該接触物の接触点の前記パネル上の位置を検知し出力するタッチパネルであって、少なくとも2点以上の位置を同時に出力するタッチパネルと、前記タッチパネルからの2点の接触点に関する出力を受け、これに基づき当該2点間の距離を算出し、算出された距離に基づき筆圧データとして出力する演算手段とを有するタッチパネル入力装置である。なお、タッチパネルは、抵抗膜方式、光学式、超音波方式、電磁誘導方式など種々の形式があるが、2点の接触点を電気的な信号として出力することができればどのような仕組みのものでも採用することができる。
請求項2に記載の発明は、前記タッチパネル入力装置において、前記演算手段は、前記2点の中点を算出し、算出された中天を仮想的な接触点として出力するものである。
請求項3に記載の発明は、前記タッチパネル入力装置において、前記演算手段は、前記2点を結んだ線分の前記タッチパネル上の所定の基準方向に対する角度を算出し、算出された角度に基づいて所定のデータ値を取得し出力するものである。所定のデータは、色を特定するデータ、線幅を特定するデータ、コントラストを特定するデータ、グラディエーションを特定するデータ等の描画に関するデータ、グラフィックソフトウエアにおけるペンと消しゴムの選択を指示するデータ、ウェブブラウザにおけるスクロールとウインドウの移動の選択を指示するデータ、ゲームにおけるキャラクターの移動、アイテム使用などの選択を指示するデータなど種々のデータが例示される。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のタッチパネル入力装置において、前記所定のデータ値は色を特定するデータ値であって、予め角度の範囲ごと定められるデータ値群の中から、算出された角度に基づき選択されるものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1、3、4、5に記載のタッチパネル入力装置において、前記入力ペンは、前記2つペン先の他に第3のペン先を有し、前記タッチパネルは少なくとも3点以上の位置を同時に出力するものであり、前記演算手段は当該第3のペン先による接触点を選択肢、これを仮想的な接触点として出力するものである。
請求項6に記載の発明は、2つのペン先を有するとともに、各ペン先を共に板体に押し付けると、押し付ける力に応じて各ペン先の板体における接点間の距離が変化するように形成された入力ペンである。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の入力ペンにおいて、可撓性のある弾性体により形成されるとともに、互いに一定距離を開けてペン軸先端から延び、互いに交差するように屈曲する棒状体の先端に前記各ペン先は形成されるものである。
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載の入力ペンにおいて、前記2つのペン先の他に第3のペン先を、ペン軸先端中央に出没動可能に保持するとともに、当該第3のペン先を突出方向に押圧する弾性部材を有するものである。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の入力ペンにおいて前記2つのペン先の前記第3のペン先までの距離が異なるものである。
請求項10に記載の発明は、コンピューターに請求項1から5に記載の演算装置としての機能を実現させるプログラムである。
上記構成により本発明は、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明は、接触位置のみを検知できるタッチパネルを用いて、入力ペンをタッチパネルに押し付ける力に応じた筆圧データを出力することができる。
請求項2に記載の発明は、2点の接触による筆圧データとともに、当該2点から仮想的に1点の接触点を出力することができる。
請求項3に記載の発明は、接触点のみを検知できるタッチパネルを用いて、入力ペンの回転角によって所定のデータを出力することができる。
請求項4に記載の発明は、操作者が所定範囲の回転角に含まれるように入力ペンを回転させるてタッチパネルに触れることで色データを出力することができる。
請求項5に記載の発明は、入力ペンに第3のペン先を設け、3点の接触点のうち、この第3のペン先の接触点を仮想的な接触点として出力するので、操作者が視覚的に接触点を確認することができる。
請求項6に記載の発明は、2つのペン先を有し、各ペン先を板体に押し付けると押し付ける力に応じて板体における接点間の距離が変化するので、タッチパネル上において、筆圧に応じてペン先同士の間隔が変化ことになる。これにより、タッチパネル上における2点間の距離を筆圧データとして出力することで、接触位置のみを検知できるタッチパネルにおいて筆圧データを得ることができる。
請求項7に記載の発明は、可撓性と弾性を有する棒状体を互いに交差するように屈曲させて、この先端に入力ペンの2つのペン先を設けたので、ペン先同士を比較的近くに位置づけることができ、操作者がペン先の中点を認識しやすくすることができる。
請求項8に記載の発明は、第3のペン先を有することで、操作者が接触点を視覚的に認識しやすくなる。また、第3のペン先をペン軸中央に出没可能に保持し、弾性体により突出方向に押圧することで、ペン軸を押し付ける筆圧の変化により2つのペン先の軸に平行な方向の位置が変わっても、第3のペン軸もこれに追従するように軸に平行な方向に出没動することができる。
請求項9に記載の発明は、第3のペン先と他の2つのペン先との距離を変えることで、2つのペン先をタッチパネル上において識別することができるので、2つのペン先がタッチパネルに接する2点を結んだ線分の前記タッチパネル上の所定の基準方向に対する角度を360°入力することができる。
請求項10に記載の発明は、当該プログラムを一般的なタッチパネルに接続されるコンピューターに組み込むことで、請求項6から9に記載の入力ペンとがあれば筆圧データ等を入力することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
図1に実施形態に係るタッチパネル入力装置Xの構成を模式的に表すブロック図を示す。タッチパネル入力装置Xは、演算処理を行うCPU11、CPU11の作業領域となるRAM12、プログラム等を記憶するROM13、CPU11の動作タイミングを取るためのクロック14、画像等を表示するディスプレイ15、文字等の入力を行うキーボード16、画面上の位置を接触により感知するタッチパネル17、タッチパネル17に接触するための入力ペンYとから構成される。タッチパネル入力装置Xの入力ペンYを除いたハードウエア部分は、デスクトップ型パソコン、ノート型パソコン、携帯電話、携帯情報端末など種々の情報処理装置により実現され、記憶装置としてフラッシュメモリやハードディスクなどを有する等、他の構成部分が含まれる場合もある。タッチパネル17は、2点以上の接触を同時に検知して、各検知点を座標データとして同時に出力できるものが採用される。
図2(a)に入力ペンYの斜視図を示し、図2(b)に入力ペンYの分解斜視図を示す。入力ペンYは、ペン軸20とペン先ユニット10とから構成される。ペン軸20は、合成樹脂性の棒体であり、先端に雄ねじが形成されている。ペン先ユニット10は、ペン軸20の先端の雄ねじに係合する雌ねじが形成された円筒を後端側に有し、先端側に円錐体が形成されるキャップ部13と、キャップ部13の円推体の軸に対して対称な側面部分のそれぞれから先端側に向って突出するように設けられる、先端側で互いに交わるように屈曲する2本の棒状体12、12と、各棒状体12、12の先端に設けられる球状のペン先11、11とから構成される。ペン先ユニット10は、可撓性及び弾性を有する合成樹脂により一体に形成される。
入力ペンYは、このような構成によって2つのペン先を同時に滑らかな平面に押し付けると、棒状体12は屈曲しているのでペン先11に横方向の力が発生し、さらに可撓性を有するので、この力によってより撓んでペン先11は棒状体12が屈曲している側に向って平面上を摺動する。棒状体12、12は互いに対称に交わるように屈曲しているので、各ペン先11、11同士は互いに離れる方向に摺動することになる。また、棒状体12は弾性を有するので、押し付ける力を緩めると、弾性によって元の形状に戻ろうとするため、各ペン先11、11同士の距離は縮まることになる。即ち、入力ペンYは平面に押し付ける力Fに応じて各ペン先11、11同士の距離Dが変わることになり、図3(a)に示すように押し付ける力Fが弱いと、各ペン先11、11同士の距離Dは小さく、図3(b)に示すように押し付ける力Fが強いと、各ペン先11、11同士の距離は大きくなる。
図4に、所定のプログラムを図1に示すハードウエアに組み込むことにより実現される演算手段100の機能を模式的に表す機能ブロック図を示す。演算手段100は、タッチパネル17からタッチパネル17上の接触点を座標データとして受け付ける座標データ受付部101、受け付けられた座標データに基づき筆圧データを算出し出力する筆圧データ算出部102、受け付けられた座標データに基づき位置データを算出し出力する位置データ算出部103、受け付けられた座標データに基づき座標データ同士を結んだ線分の角度を算出する角度算出部104、角度算出部104により算出された角度から出力色データを判断し出力する出力色判断部105とから構成される。
座標データ受付部101は、タッチパネル17から送られる座標データを受け付ける。入力ペンYがタッチパネル17に接触した場合は、ペン先11が2つあり、2点の座標データが送られてくるので、これらを受け付けることとなる。
筆圧データ算出部102は、座標データ受付部101により受け付けられた2つの座標値から、座標値間の距離を算出する。具体的には、(X1,Y1)、(X2,Y2)が受け付けられた座標データであるとすると距離Dは計算式D=√((X1−X2)+(Y1−Y2))によって算出され、出力される。
位置データ算出部103は、座標データ受付部101により受け付けられた2つの座標値から、平均値を座標値として出力する。即ち、入力ペンYはペン先11が2つあるが、操作者がタッチパネル17に接触することを意図する点は1点であり、この一点はペン先11、11の中点であると考えられる。そこで、位置データ算出部103は、この中点を入力ペンYが仮想的に接触した接触点として出力する。具体的には、(X1,Y1)、(X2,Y2)が受け付けられた座標データであるとすると((X1+X2)/2,(Y1+Y2)/2)が擬似的な接触点として算出され、出力される。
角度算出部104は、座標データ受付部101により受け付けられた2つの座標値から、座標値を結ぶ線分の水平線(X軸)に対する角度を算出する。具体的には、(X1,Y1)、(X2,Y2)が受け付けられた座標データであるとすると角度θは計算式θ=Tan−1(|Y1−Y2|/|X1−X2|)によって算出され、出力される。なお、X1=X2の場合はθ=90°とされる。
出力色判断部105は、角度算出部104により算出された角度によって、出力する色データを判断して、抽出出力する。ここでは、入力ペンYの2つのペン先が互いに横方向に並んでいる場合は赤色を、互いに縦方向に並んでいる場合は黒色を出力するものとする。横方向に並んでいるかどうかの判断は、各ペン先11、11の接触点を結んだ線分が水平線(X軸)に対して0°〜45°(0°を含む)の間にある場合は互いに横方向に並んでいるものとする。また、縦方向に並んでいるかどうかの判断は、各ペン先11、11の接触点を結んだ線分が水平線(X軸)に対して45°〜90°(45°、90°を含む)の間にある場合は互いに縦方向に並んでいるものとする。出力色判断部105は、この基準を予め記憶しており、角度算出部104が算出した角度をこの基準に照らして、0°〜45°の範囲に入っている場合は赤色のデータ値を選択して出力し、45°〜90°の範囲に入っている場合は、黒色のデータ値を選択して出力する。
次に、このような構成を有するタッチパネル入力装置Xの動作について説明する。図5にタッチパネル入力装置Xの動作を表すフローチャートを示す。まず、操作者が入力ペンYを用いて、タッチパネル17に触れる。これによりタッチパネル17から座標データが電気信号として出力されるので、座標データ受付部101がこれを受け付ける(s101)。ここで受け付けられた座標データが2点かどうかが判断され、2点で無い場合は、通常処理へ移行する(s102)。座標データが2点である場合には、筆圧データ算出部102が受け付けられた座標データ間の距離を算出し(s103)、この距離データを筆圧データとして出力する(s104)。なお、筆圧データは距離データに係数を掛けるなど所定の処理を施して出力するようにしてもよい。次に、位置データ算出部103が受け付けられた座標データの中点を算出し(s105)、接点データとして出力する(s106)。さらに、角度算出部104が受け付けられた座標データから座標値を結ぶ線分の角度を算出する(s107)。そして、出力色判断部105が、算出された角度が45°〜90°の間に含まれるかどうかを判断し(s108)、含まれると判断した場合は、黒色の色データ値を出力し(s109)、含まれないと判断した場合は、赤色の色データ値を出力する。
このように、本実施形態に係るタッチパネル入力装置Xは、接触点のみを検知できるタッチパネルと、簡易な構成を有する入力ペンを用いてソフトウエア処理により筆圧を入力できる他、入力ペンの回転角により色データを同時に入力することができる。
(実施形態2)
本実施形態に係るタッチパネル入力装置X2は、ハードウエア構成は実施形態1にかかるタッチパネル入力装置と同様であるが、入力ペンの構成が変わり、これに伴い、ソフトウエア処理が変更になっている点が相異する。
図6(a)に実施形態2に係る入力ペンY2の斜視図を示し、図6(b)に実施形態2に係る入力ペンY2の分解斜視図を示す。入力ペンY2は、ペン軸40とペン先ユニット30とから構成される。ペン軸40は、合成樹脂性の棒体であり、先端に雄ねじが形成されているとともに、先端中心に穴41が形成されている。ペン先ユニット30は、ペン軸40の先端の雄ねじに係合する雌ねじが形成された外周に雄ねじが形成された円筒を後端側に有し、先端側に中心軸を通る貫通孔が形成された円錐体を有する、中心軸を貫く貫通孔34aが形成されるキャップ部34を有する。キャップ部34の貫通孔34aには、棒体からなる第3ペン先体35が摺動可能に保持される。また、第3ペン先体35の基端側には、ペン軸40の穴41により保持される。第3ペン先体35の側面には張り出し部35bが設けられ、圧縮バネ36が張り出し部35bと、ペン軸40の先端面の間に第3ペン先体35の後端側に貫通されて保持される。これにより第3ペン先体35は先端側に押圧されて、キャップ部34の先端から第3のペン先35aが突出するとともに、第3のペン先35aがペン軸方向に押されると、ペン軸40方向に移動する。キャップ部34の円筒体外周の雄ねじには、内側に雌ねじが形成されたリング体33が係合し、リング体33の側面にはリング体33の中心軸に対して対称な側面部分のそれぞれから先端側に向って突出する、先端側で互いに交わるように屈曲する2本の棒状体32、32が設けられる。各棒状体32、32の先端には球状のペン先31、31が形成されている。リング体33、棒状体32、ペン先31は、可撓性及び弾性を有する合成樹脂により一体に形成される。
入力ペンY2は、このような構成により、2つの球形のペン先31、31及び第3のペン先35aを同時に滑らかな平面に押し付けると、棒状体32は撓んで球形のペン先31は棒状体32が屈曲している側に向って平面上を摺動し、互いに対称に交わるように屈曲する棒状体32、32の先端に設けられる球状のペン先31、31同士は互いに離れる方向に摺動することになる。同時に、第3のペン先35aも平面に押し付けられ、棒状体32、32が撓むことにより平面側に近づくので、第3のペン先35aを構成する第3ペン先体35は、これによって圧縮バネ36を縮めるようにして基端側に押し上げられることになる。
ここから、押し付ける力を緩めると、棒状体32、32は弾性によって元の形状に戻ろうとするため、各ペン先11、11同士の距離は縮まることになり、第3ペン先35aは圧縮バネ36に押されて先端側に移動する。即ち、入力ペンY2は平面に押し付ける力Fに応じて球状の各ペン先31、31同士の距離Dが変わるとともに、これに追従して第3ペン先35aは出没することになる。具体的には、図7(a)に示すように押し付ける力Fが弱いと、球状の各ペン先11、11同士の距離D及び第3のペン先35aの移動量lは小さく、図7(b)に示すように押し付ける力Fが強いと、各ペン先11、11同士の距離D及び第3のペン先35aの移動量l大きくなる。
上記のような構成を有する入力ペンY2を用いることで、第3のペン先35aのタッチパネル17への接触点を接触点として用いることで、仮想的な接触点を計算する必要はなくなる。また、タッチパネル17から3点の座標点の出力があるので、これに応じてソフトウエア処理が変更となる。図8に実施形態2に係る演算手段200の機能を模式的に示す機能ブロック図を示す。なお、機能ブロック図は、図4に示す実施形態1に係る機能ブロック図とほぼ同じであるが、各構成部分の動作が3点の座標を処理するために多少異なる。
座標データ受付部201は実施形態1の座標データ受付部201と同様に、タッチパネル17から送られる座標データを受け付ける。入力ペンY2がタッチパネル17に接触した場合は、ペン先が3つあり、3点の座標データが送られてくるので、これらを受け付けることとなる。
筆圧データ算出部202は、座標データ受付部201により受け付けられた3つの座標値から、各2点間の距離を算出し、最も距離の長い距離を抽出して出力する。即ち、2つの球形のペン先31、31と第3のペン先35aの接点において、筆圧を表すのは2つの球形のペン先31、31間の距離となるが、これは各2点間の距離のうち必ず最長の距離が該当するので、これを筆圧データとして抽出し出力する。
位置データ算出部203は、第3のペン先35aの接触点を仮想的な接触点として出力する。具体的には、3点の座標データから、筆圧データ算出部202により最長の距離を構成する2点の座標データを除き、残った座標データを接触点として出力する。
角度算出部204は、座標データ受付部201が受け付けた任意の2点に基づいて角度を算出する。出力色判断部205の構成は実施形態1に係る出力色判断部105と同様である。
次に、このような構成を有するタッチパネル入力装置X2の動作について説明する。図9にタッチパネル入力装置X2の動作を表すフローチャートを示す。まず、操作者が入力ペンY2を用いて、タッチパネル17に触れる。これによりタッチパネル17から座標データが電気信号として出力されるので、座標データ受付部201がこれを受け付ける(s201)。ここで受け付けられた座標データが3点かどうかが判断され、3点で無い場合は、通常処理へ移行する(s202)。座標データが3点である場合には、筆圧データ算出部202が受け付けられた座標データ間のすべての組み合わせの距離を算出し(s203)、この中から最長の距離データを筆圧データとして出力する(s204)。なお、筆圧データはやはり距離データに係数を掛けるなど所定の処理を施して出力するようにしてもよい。次に、位置データ算出部203が受け付けられた3点の座標データから、筆圧データ算出部202により最長の距離データを構成する座標データを除いた座標データを抽出し(s205)、これを接点データとして出力する(s206)。さらに、角度算出部204が受け付けられた座標データから任意の2点の座標値を結ぶ線分の角度を算出する(s207)。そして、出力色判断部205が、算出された角度が45°〜90°の間に含まれるかどうかを判断し(s208)、含まれると判断した場合は、黒色の色データ値を出力し(s209)、含まれないと判断した場合は、赤色の色データ値を出力する。
本実施形態に係るタッチパネル入力装置X2は、接触点を第3のペン先35aにより実際に接触する点とすることができるので、操作者は視覚的に接触点を把握でき、接触点をと操作者が意図した点とがほぼ一致するようにすることができる。
(実施形態3)
本実施形態に係るタッチパネル入力装置は、ハードウエア構成は実施形態1に係るタッチパネル入力装置と同様であるが、入力ペンの構成が変わり、これに伴い、ソフトウエア処理が変更になっている点が相異する。
図10に実施形態3に係る入力ペンY3の斜視図を示す。入力ペンY3は、実施形態2に係る入力ペンY2とほぼ同様の構成をしているが、ペン先ユニット30Xにおける球状のペン先31p、31qのそれぞれから第3のペン先35aまでの距離D1、D2が異なる点が相異する。この相異により、入力ペンY3は回転角を360度入力することができる。
即ち、本実施形態に係る演算手段は、図8に示す実施形態に係る演算手段200と構成は同じであるが、角度算出部において、ペン先31p、31qの入力座標をそれぞれP(X1、Y1)、Q(X2、Y2)とし、点Pが原点となるように線分PQをXY座標上に移動させた際のX軸(>0)に対する線分PQの角度θを算出する。具体的には、PQが垂直かどうかをX1、X2の値が同じかどうかにより判断し、同じ場合は、Y1、Y2の値を比較し、Y2の方が大きい場合は90°に、Y2の方が小さい場合は270°と判断し、これ以外の場合は、計算式θ=Tan−1(Y1−Y2/X1−X2)によって角度θを算出する。ただし、タンジェントの値は、XY座標において第1象限と第3象限、第2象限と第4象限とで同じ値となるので、Y1とY2の値を比較することで、どの象限に平行移動した際のQ点が存在するのかを判断する。即ち、Y2がY1よりも大きい場合は、第1象限か第2象限にあることとなるので、計算式から得られたθが求める値となる。Y2がY1よりも小さい場合は、第3象限か第4象限に在ることとなるので、計算式から得られたθに180°を足したものが求める値となる。
このように、360°の回転を判断するので、本実施形態における演算手段の出力色判断部は、3つの角度範囲によって出力色を判断するようにする。具体的には、0°〜120°(0°含む)の場合は、黒の色データを選択し手出力し、120°〜240°(120°含む)の場合は赤の色データを選択し手出力し、240°〜360°(240°含む)の場合は青の色データを選択し手出力する。
次に、このような構成を有する 次に、このような構成を有するタッチパネル入力装置の動作について説明する。図11に本実施形態に係るタッチパネル入力装置の動作を表すフローチャートを示す。まず、操作者が入力ペンY3を用いて、タッチパネル17に触れることで、タッチパネル17に複数の点の入力を行う。なお、接点データを出力するまでのステップs301からステップs306までの動作は、実施形態2に係るタッチパネル入力装置におけるステップ201からs206までの動作と同様なので説明を省略する。
接点データが出力されると、角度算出部はまず、入力された3点の内から接点データを除いた2点の内、s303で算出した距離に基づき、接点から近い点をP(X1,Y1)、接点から遠い点をQ(X2,Y2)に設定する(s307)。その後、X1とX2の値を比較し(s308)、X1とX2とが等しい場合は、線分PQは垂直なので、さらにY1、Y2を比較する(s309)。ここで、Y1が小さい場合は角度θ=90°とし(s310)、Y1が大きい場合は角度θ=270°とする(s311)。また、s308において、X1とX2が等しくない場合は、計算式θ=Tan−1(Y1−Y2/X1−X2)により、仮の角度θを算出し(s312)、さらに、Y1とY2とを比較して(s313)、Y1が大きい場合は、θに180°を足したものを角度θとして確定する(s314)。
角度の算出が完了すると、出力色判断部205が、算出された角度が0°〜120°の間に含まれるかどうかを判断し(s315)、含まれると判断した場合は、黒色の色データ値を出力する(s317)。含まれないと判断した場合は、さらに、算出された角度が12°〜240°の間に含まれるかどうかを判断し(s316)、含まれると判断した場合は、赤色の色データ値を出力する(s318)。これ以外の場合は、240°〜360°に含まれるので、青の色データ値を出力する。
本実施形態に係るタッチパネル入力装置は、入力ペンが360°の回転を入力することができるので、回転角によるより細かな入力を行いやすくなる。
なお、上記各実施形態1,2では、球状のペン先の回転角により2つの角度エリアに分けて2色の色データを出力し、実施形態3では3つのエリアに分けて3色の色データを出力するようにしているが、角度エリアの設定エリアの数は、適宜に増やしてよく4つ以上のエリアにして4色以上の色データを出力するようにしてもよい。また、回転角による出力データは色データに限らず、濃度データや線幅データ、コントラスト値など種々のデータや、角度によりペンツールと消しゴムツールの切り替えをしたり、角度により画面のスクロールと、ウインドウの移動を切り替えるなどのアクションを指示するデータ等、種々のデータ出力をすることが可能である。
実施形態に係るタッチパネル入力装置の構成を模式的に表すブロック図である。 (a)は実施形態1に係る入力ペンの斜視図であり、(b)は実施形態1に係る入力ペンの分解斜視図である。 (a)は実施形態1に係る入力ペンを弱く押し付けた状態を示す正面図であり、(b)は実施形態1に係る入力ペンを強く押し付けた状態を示す正面図である。 実施形態1に係る演算手段の機能を模式的に表す機能ブロック図である。 実施形態1に係るタッチパネル入力装置の動作を表すフローチャートである。 (a)は実施形態2に係る入力ペンの斜視図であり、(b)は実施形態2に係る入力ペンの分解斜視図である。 (a)は実施形態2に係る入力ペンを弱く押し付けた状態を示す一部破断部分拡大図であり、(b)は実施形態2に係る入力ペンを強く押し付けた状態を示す一部破断部分拡大図である。 実施形態2に係る演算手段の機能を模式的に表す機能ブロック図である。 実施形態2に係るタッチパネル入力装置の動作を表すフローチャートである。 実施形態3に係る入力ペンのペン先近傍を示す拡大斜視図である。 実施形態2に係るタッチパネル入力装置の動作を表すフローチャートである。
符号の説明
X タッチパネル入力装置
Y1、Y2、Y3 入力ペン
10、30、30X ペン先ユニット
20、40 ペン軸
11、31、31p、31q ペン先
12、32 棒状体
35 第3ペン先体
35a 第3のペン先
36 圧縮バネ
17 タッチパネル
100、200 演算手段
101、201 座標データ受付部
102、202 筆圧データ算出部
103、203 位置データ算出部
104、204 角度算出部
105、205 出力色判断部

Claims (10)

  1. 2つのペン先を有するとともに、各ペン先を共に板体に押し付けると、押し付ける力に応じて各ペン先の板体における接点間の距離が変化する入力ペンと、
    板状のパネル上に接触物が接触したときに、当該接触物の接触点の前記パネル上の位置を検知し出力するタッチパネルであって、少なくとも2点以上の位置を同時に出力するタッチパネルと、
    前記タッチパネルからの2点の接触点に関する出力を受け、これに基づき当該2点間の距離を算出し、算出されて距離に基づき筆圧データを出力する演算手段と
    を有するタッチパネル入力装置。
  2. 前記演算手段は、前記2点の中点を算出し、算出された中点を仮想的な接触点として出力するものである請求項1に記載のタッチパネル入力装置。
  3. 前記演算手段は、前記2点を結んだ線分の前記タッチパネル上の所定の基準方向に対する角度を算出し、算出された角度に基づき所定のデータ値を出力するものである請求項1又は2に記載のタッチパネル入力装置。
  4. 前記所定のデータ値は色を特定するデータ値であって、予め角度の範囲ごと定められるデータ値群の中から、算出された角度に基づき選択されるものである請求項3に記載のタッチパネル入力装置。
  5. 前記入力ペンは、前記2つペン先の他に第3のペン先を有し、
    前記タッチパネルは少なくとも3点以上の位置を同時に出力するものであり、
    前記演算手段は当該第3のペン先による接触点を選択して、これを仮想的な接触点として出力する請求項1、3、4、5に記載のタッチパネル入力装置。
  6. 2つのペン先を有するとともに、各ペン先を共に板体に押し付けると、押し付ける力に応じて各ペン先の板体における接点間の距離が変化するように形成された入力ペン。
  7. 前記各ペン先は、可撓性のある弾性体により形成されるとともに、互いに一定距離を開けてペン軸先端から延び、互いに交差するように屈曲する棒状体の先端に形成されるものである請求項6に記載の入力ペン。
  8. 前記2つのペン先の他に第3のペン先を、ペン軸先端中央に出没動可能に保持するとともに、当該第3のペン先を突出方向に押圧する弾性部材を有する請求項6又は7に記載の入力ペン。
  9. 前記2つのペン先の前記第3のペン先までの距離が異なる請求項8に記載の入力ペン。
  10. コンピューターに請求項1から5に記載の演算装置としての機能を実現させるプログラム。
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JP2013125311A (ja) * 2011-12-13 2013-06-24 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 情報入力システムとそのプログラム
JP2015005284A (ja) * 2013-06-07 2015-01-08 コミサリア ア レネルジ アトミクエ オウ エネルジ アルタナティヴ 書き込み媒体上に描かれていくマークを追跡するシステムおよび方法

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