JP2009097721A - ねじ部品におけるねじ山 - Google Patents

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Abstract


【課題】ねじ込みトルクを高くすることなくしかも、再ねじ込み作業においてもねじと雌ねじとの間での成形屑の発生を極力少なくしたねじ部品のねじ山を得る。
【解決手段】脚部3にねじ山10が形成されたねじにおいて、ねじ山10のリード線に直交する断面において、ねじ山稜線側にねじ山基部側の第1の追い側フランク面12と第1の進み側フランク面13とのなす第1のフランク角(α)より大きく且つ鈍角をなす第2のフランク角(β)を有する稜線部20を形成し、この稜線部20は第1の追い側フランク面12と第1の進み側フランク面13とに夫々接続された構成のねじ部品におけるねじ山であるので、雌ねじ成形時にねじ山先端が切り込み作用を生じ難いとともにワークに亀裂を発生させることがなくなる。また、摩擦によるワークの剥離の発生が少なくなり、剥離片等の成形屑が電子基板上に落下し、電子回路のショートを誘発することも減少する。
【選択図】図1

Description

本発明は、部品をワークに所定の締結力で締結するねじであって、特に、ワークの下穴あるいは雌ねじにねじ込む際に、ねじ山により下穴や雌ねじを削ることなくワークの塑性変形やねじ山の倣い作用によりねじ込み可能にしたねじ部品におけるねじ山に関する。
近年多く普及している携帯電話、パソコン及び携帯型音楽プレーヤ等の電気製品や自動車部品等においては、その軽量化、薄型化及び小型化等から比較的軽量の材料、例えばアルミニウム合金、マグネシウム合金あるいは樹脂材をワークとして採用し、これに電子配線基板や制御基板等の部品が固定されている。また、この他に冷間圧延鋼板(SPCC版)等鉄系のワークも使用されている。このような部品をワークに固定する構造では、主としてねじが採用されており、このねじのねじ山110は、図11に示すような形状を有している。これは、一般によく普及しているねじ山110の先端のフランク角が60°に形成されたタッピンねじ101であり、通常、ワーク140にあらかじめ形成されている下穴141に雌ねじ142を成形しながらねじ込むようになっているねじがある。
また、図13はもう一つの従来技術で、これは特開平10−176709号公報として開示されている。これには、ねじ山210を雄ねじの基部側が45°で、先端側を60°に設定した雄ねじが示してあり、ナット240に螺合されるねじ201とナット240とが離散しないようにしたものである。そして、このように基部側のねじ山角度が先端側のねじ山角度より小さく成形されているのは、転造前の軸部が細いためにねじ山を所定量高くする必要があるからである。
特開平10−176709号公報
しかしながら、これらの従来からの技術において、先に示した技術では、前記タッピンねじは先端が60°あるいはそれ以下の鋭角に形成されていることから、雌ねじを成形する際にねじ山先端が切り込み作用を生じ、ワークに亀裂を発生させる要因ともなっている。また、この先端には、成形時の応力が集中することから摩擦によるワークの剥離が発生し、ワークの下穴が貫通穴の場合、これが屑となって電子基板上に落下し、電子回路のショートを誘発している。更に、これら屑に加えて、ねじ山と雌ねじとの間でも摩耗粉やねじ山の鍍金剥離粉等も発生し、これらもねじ込み時に発生する成形屑となっている。その上、ワークとの間の摩擦熱によりねじが完全にねじ込まれない状態、即ち、ねじ浮き現象も生じたりしている。しかも、一旦ねじ込まれたねじを緩めて取り外し、再度、前回のねじ込みで雌ねじが形成されている雌ねじ穴にねじ込んだ場合、図12に示すように、既に形成されている雌ねじ142に倣いながらねじ込まれることは難しく、例えば、雌ねじ穴の中心線(A)に対して、θ°だけねじの中心線(B)が傾斜してねじ込まれると、これが修正されず、タッピンねじのねじ山が雌ねじの側面に食い込み、そのため、雌ねじを削ったりしている。このことは、繰り返し再ねじ込みを行うと、やがては十分な強度を持たない雌ねじとなり、部品の取り付けが不可能になっている。また、もう一つの従来技術の場合でも、ねじ山先端のフランク角が60°であるため、依然として前記と同様の問題が生じている等の課題がある。
本発明の目的は、このような課題を解消するとともにねじ込みトルクを高くすることなくしかも、再ねじ込み作業においてもねじと雌ねじとの間での成形屑の発生を極力少なくなるようにしたねじ部品のねじ山を得ることである。
本発明の目的は、駆動穴4を有する頭部2とこれと一体の脚部3とから構成され、この脚部3にねじ山10が形成されたねじにおいて、前記ねじ山10のリード線に直交する断面において、ねじ山稜線側にねじ山基部側の第1の追い側フランク面12と第1の進み側フランク面13とのなす第1のフランク角(α)より大きく且つ鈍角をなす第2のフランク角(β)を有する稜線部20を形成し、この稜線部20は前記第1の追い側フランク面12と第1の進み側フランク面13とに夫々接続され、稜線部20の前記第1の追い側フランク面12と第1の進み側フランク面13とに接続する接続部24の幅(L)はねじ山高さを(H)とすると、L=H/2.35で表される関係を有する構成のねじ部品におけるねじ山を提供することで達成される。
また、本発明の目的は、前記構成に加えて、稜線部はその連続する頂点が形成する稜線21を境に両側に幅の狭い第2の追い側フランク面22及び第2の進み側フランク面23を有し、これら互いのフランク面22、23が形成する第2のフランク角(β)は100°〜120°に設定されていることにより、再ねじ込みにおいて雌ねじにねじ山が沿う、所謂、倣い作用によりワークへのねじ込みが安定する。更に、この第2のフランク角(β)は120°±10%の角度範囲に設定することが最も好適であり、このようにすることで粉状も含む糸状及び比較的大きな帯状の成形屑の発生を最小限にすることができる。しかも、これら構成に加えて、第1のフランク面と第2のフランク面はこれらフランク面12、13、22、23で形成される角が円弧で接続されていることによっても、雌ねじを削ることなくねじ込まれる。
一方、本発明の目的は、前記構成の稜線部に代えて、円弧で形成されているとともにその両端が第1の追い側フランク面と第1の進み側フランク面とに夫々接続されている稜線部としたねじ山とすることでも十分にその目的及び作用が得られる。
本発明によれば、ねじのねじ山は基部側のフランク面で形成される第1のフランク角(α)よりねじ山先端側の第2のフランク角(β)が大きい鈍角になっているので、雌ねじを成形する際にねじ山先端が切り込み作用を生じ難いとともにワークの下穴に雌ねじを滑らかに成形することから、ワークに亀裂を発生させることがなくなる。また、この先端には、成形時の応力集中が減少するから、摩擦によるワークの剥離の発生が少なくなり、剥離片等の成形屑が電子基板上に落下し、電子回路のショートを誘発するといったことも減少する。更に、ねじ山と雌ねじとの間でも摩耗粉やねじ山の鍍金剥離粉等も少なくなり、ねじ込み時に発生する成形屑の発生が抑制されるので、従来のように成形屑を吸着する作用を付加する構成が減り、安価なねじの提供が可能になる。また、第2のフランク角(β)は120°を中心として最小100°〜最大130°超の範囲に設定されているので、この範囲より小さいあるいは大きい角度のねじ山に比べて粉状以外の具体的には、細い長短帯状の成形屑の発生が最も少ない。その上、一旦ねじ込まれたねじを緩めて取り外し、再度、同じ雌ねじ穴にねじ込んだ場合に、既に形成されている雌ねじに対してねじ山が食い込むことなく正確に雌ねじに倣いながらねじ込まれるので、同じ雌ねじへの繰り返しねじ込みが可能になりその耐久性が向上する。このことは、部品の交換等において十分な部品固定が維持されることになる等の特有の効果が得られる。
以下、本発明について最良の実施の形態を図1乃至図10に基づき説明する。図1及び図2において、1は頭部2とこれに一体に形成された脚部3とからなる雌ねじ成形機能付きねじの一例としてのタッピン機能を有するタッピンねじであり、頭部2にはねじ1にドライバビット(図示せず)からねじ込み駆動力が伝達される駆動穴4が形成されている。この頭部2と一体の前記脚部3にはねじ山10が頭部2の座面5の近くから脚部3の先端にかけて形成してあり、この脚部3は図3に示すように、円形形状となっている。しかも、この脚部3の先端部分はねじ山10が徐々に低くなっており、ねじ山10の谷部11はワーク40の下穴径より細い直径となっていて脚部3の先端のねじ山10は不完全ねじ部となってワーク40の下穴41に嵌る構成になっている。
このねじ山10は脚部3の全長に渡って図1に示すように、ねじ山10のリード線に直交する断面において、第1の追い側フランク面12と第1の進み側フランク面13とから構成される第1のフランク角(α)が等角となった形状であり、通常、この第1のフランク角(α)はJISに規定されているタッピンねじのフランク角と同じかそれ以下に設定してあり、この実施例では45°〜60°に設定されている。そして、このねじ山10のねじ山稜線側には前記ねじ山基部側の第1の追い側フランク面12と第1の進み側フランク面13とのなす第1のフランク角(α)より大きく且つ鈍角をなす第2のフランク角(β)を有する稜線部20が形成されている。この稜線部20は前記第1の追い側フランク面12と第1の進み側フランク面13とに夫々接続され、稜線部20が前記第1の追い側フランク面12と第1の進み側フランク面13とに接続する接続部24の幅(L)はねじ山高さを(H)とすると、L=H/2.35で表される関係を有する構成である。
また、前記稜線部20はその連続する頂点が形成する稜線21を境に両側に幅の狭い第2の追い側フランク面22及び第2の進み側フランク面23を有し、これら互いのフランク面22、23が形成する前記第2のフランク角(β)の角度は90度以上の鈍角であればよいが、その最適角度としては、100°〜120°に設定すればよい。この設定値は、この第2のフランク角が90°以下であれば、ねじ山10の稜線部20の角がきつくなり、下穴41に亀裂を発生させる恐れが高く、一方、120°より大きい角度であれば、第1のフランク面12、13と第2のフランク面22、23との接続個所の角がきつくなり、この部分が雌ねじ42のフランク面に食い込む恐れがあることから最適な値として決定されたものである。しかしながら、これ以上であっても第1のフランク面12、13と第2のフランク面22、23との接続部24を円弧で接続することにより、前記食い込み作用は解消されるものであり、このように第1のフランク面12、13と第2のフランク面22、23との角を円弧形状にすれば、第2のフランク角(β)が120°を超えてもよい。しかも、この第1フランク面12、13と第2のフランク面22、23とを円弧で接続する構成は特にこの角度に限定するものではなく、前記角度である120°より小さくてもよい。
更に、前記最適角度を詳細に検討したのでそれを示す。表1は第2のフランク角(β)を90°、120°、150°とした三種類のねじをサンプルとして夫々3本宛準備し、これらを夫々ワーク40の下穴41に初めてねじ込んだときと初めてねじ込んだときに成形された雌ねじを有する下穴41に二回、三回とねじ込んだときのねじ山10との摩擦により発生する夫々の成形屑の量(あるいは数)を20倍の投影機に写し、これを目視で確認して比較したものである。このときのタッピンねじ1とワーク40の測定条件を示すと、タッピンねじの呼び寸法は、呼び径がM3、脚長が12mmで、ねじのメッキは三価クロメートである。またワークは、厚み1.2mmの冷間圧延鋼板、下穴径2.8mmで、このタッピンねじを電動ドライバで締め付ける締め付けトルクは0.8N・mである。
Figure 2009097721
このような前記測定条件に基づき、得られたデータを比較すると、第2のフランク角(β)が120°の場合は切削屑の発生がいずれの場合でも最も少ないことがわかる。即ち、この測定に使用されたタッピンねじ1のねじ山10は図4に示す形状であり、前記ねじ山高さ(H)(図1参照)は三種類とも同じで前記接続部24の幅(L)も三種類とも同じに設定してあり、第2のフランク角(β)は90°、120°、150°に設定したもので、これから明らかなように、図4(イ)に示すように、幅(L)の範囲において稜線部20の断面長さは角90°に設定したものが最も長く、次に長いのは図4(ロ)に示すように、角120°に設定した場合で、最も稜線部20の短いものは図4(ハ)に示すように、角150°に設定したものである。また、ワーク40の下穴41へのねじ込み時にワーク40に作用する応力(F)は稜線部20の夫々の第2フランク面22、23からワーク40に作用することになり、この応力の分力(a)は下穴41をねじの軸直角方向に広げようとする力であり、分力(b)は下穴41のワーク40を押し退け、この押し退けられた肉(材料組織)を雌ねじ42のねじ山に変形させようとする力を表している。即ち、分力(a)はこれら三種類のねじにおいては、第2のフランク角(β)が150°のものが最も大きく、分力(b)は第2のフランク角(β)が90°のものが最も大きいことが明らかである。
これによると、稜線部20の長さの最も長い第2のフランク角(β)が90°のものはワーク40を押し退ける分力(b)も大きいので、ワーク40は塑性変形されてその肉が移動し、ねじ込み時に生じるねじ込み抵抗となるワークとの間において発生する成形屑は少ないことになる。また一方で、この稜線部20はワーク40との接触面積が最も多いことや稜線部20の稜線21が最も鋭いことから、これにより帯状及び粉状の多くの成形屑が発生することになる。
これに対して第2のフランク角(β)が150°のものは、ねじ込み時に下穴41のワーク40を押し退ける分力(b)は第2のフランク角(β)が大きくなるにつれて小さくなるので、この稜線部20によるワーク40の塑性変形量は少ない。また、ワーク40との接触面積も少ないことから一見して成形屑の発生量は少ないと言うことになるが、一方、分力(a)は最も大きいため、ねじ込み時に発生する下穴41との間での摩擦が大きく、そのため、この部分での成形屑の量は多くなり、この第2のフランク角(β)の稜線部20を有するねじ山10により発生する成形屑の量は第2のフランク角(β)が90°のものよりも少ないが、120°のものよりも多くなると推測される。
このことは表1の測定結果からも明らかである。即ち、第2のフランク角(β)が90°、120°、150°夫々の平均値を見ると、ワーク40の下穴41に雌ねじを成形しながらねじ込んだ場合は、第2のフランク角(β)が120°のタッピンねじ1が最も成形屑の発生量が少ない。また、このタッピンねじ1を緩めて再び同じ雌ねじ穴に二回、三回と繰り返しねじ込んだ場合もねじ込み時に発生する成形屑の量は第2のフランク角(β)120°のタッピンねじ1が最も少ないという測定結果が得られた。このことは前記第2のフランク角(β)の角度により得られる稜線部20の面積の差異、稜線部20の斜面がワークに作用する応力(F)の分力(a)、(b)の大小等の要素が総合的に作用することから得られることを裏付けており、第2のフランク角(β)が120°のものが最も好適であることを示している。これにより、この第2のフランク角(β)は120°±10%の許容範囲にすることが好ましい。
一方、前記接続部の幅(L)の設定は、この幅があまり大きいと、下穴41へのタッピンねじ1のねじ込み時に大きなねじ込み抵抗が発生することになり、反対にこの幅(L)が狭いと、ねじ山10の先端の稜線部分に応力集中が発生しやすいことになることに鑑み、ねじ込み時に僅かな傾斜を生じてもねじ山10が雌ねじ42のフランク面に食い付きにくい形状にするために設定されたものである。そして、前記のような関係式にすることで、タッピンねじ1の呼びに応じて適切に接続部24の幅(L)を求めることが可能になり、これにより、ねじ1の呼び径が変わってねじ山10の高さ(H)が変更されてもその作用はほとんど変化するものではない。
更に、上記説明では、第1の追い側フランク面12と第1の進み側フランク面13とを前記稜線部20において第2のフランク角(β)を有する平坦な斜面の第2の追い側フランク面22と第2の進み側フランク面23とで直線状に接続した構成としたが、この稜線部20の第2のフランク面22、23に代えて、これを円弧形状とした弧状面(図示せず)としてその両端が第1の追い側フランク面12と第1の進み側フランク面13とに夫々接続される構成としてもよく、これによっても十分にその作用が得られる。
このように構成されたタッピンねじ1のねじ山10をあらかじめワーク40に形成されている下穴41に図5に示すようにねじ込むと、脚部先端のねじ山10が最初にこの下穴41に嵌り、これをねじ込んでいくと、下穴41にねじ山10で雌ねじ42が徐々に形成されながらねじ込まれる。このとき、ねじ山10により下穴41の内周にねじ山10の稜線部20が徐々に進入していくことになり、このため、下穴41のワークの肉を押し退けながら塑性変形させて雌ねじ42は成形される。
このようにして、雌ねじ42を成形しながらタッピンねじ1はねじ込まれることになる。一方、このタッピンねじ1を緩めた場合は、雌ねじ42は既に成形されて塑性変形した状態となっており、これに再度、同一のねじ1をねじ込むと、図6に示すように、タッピンねじ1のねじ山10はその稜線部20が第2の追い側フランク面22と第2の進み側フランク面23を有していることから、ねじ込み開始時に既に形成されている雌ねじ42に嵌り、雌ねじ42を削ることなく、雌ねじ42にねじ山10が倣いながらねじ込まれることになる。これにより、タッピンねじ1の中心線(B)が雌ねじ42が形成された下穴41の中心線(A)に対してθ°だけ傾斜した状態(図6において、実線で示された状態)でねじ込まれても、この傾斜が修正(図6において、二点鎖線で示された状態)されながらねじ込まれるから、ねじ込み時において、成形屑の発生が極端に減少する。
図7及び図8は、本発明の実施の形態のおける第1の変形例であり、同一の符号を用いて説明すると、前記実施の形態では、ねじ山10を等角山としたが、この例では、第1の追い側フランク面12と第1の進み側フランク面13とから構成される第1のフランク角(α)を角度(α1)、(α2)を合わせた不等角とした非対称ねじ山である。このため、ねじ込み後の軸力即ち、締結力は大きくなり、緩みも生じにくい。この第1の追い側フランク面12と第1の進み側フランク面13とをねじ山稜線側で接続されている稜線部20は前記と同様に第2の追い側フランク面22と第2の進み側フランク面23とで形成される第2のフランク角(β)が等角となっており、その第1、第2の追い側フランク面12、22、第1、第2の進み側フランク面13、23の接続部24の幅(L)も前記実施の形態の実施例と同じくL=H/2.35の関係を有している。
また、図9及び図10は、本発明の実施の形態における第2の変形例を第1の変形例と同様に同一の符号を用いて示しており、第1の変形例と異なるところは、脚部3の頭部側約1/3は脚部3の軸線に直交する断面が円形形状で、脚部3の先端から頭部側の円形形状まではその断面が略三角形状となっており、頭部側に近づくに連れて徐々に略三角形状から円形形状になるように設定されている点と、脚部3の先端部は二山がねじ1の頭部側のねじ山10の半分程度の高さの不完全ねじ部30となっている点と、この不完全ねじ部30と頭部側の完全ねじ部31との間に完全ねじ部31より僅かに谷部11からのねじ山高さが高い雌ねじ成形部32を一山だけ設けた点である。これにより、下穴41へのねじ込み時におけるねじ込み抵抗が軽減されるようになっており、このねじ山10の全長に対しても等角の第2のフランク角(β)が形成されているものである。これら第1、第2変形例においても、これら変形例特有の作用効果に加えて成形屑の発生が減少する等、同様の作用効果が得られている。
本発明の実施の形態としての一実施例を示す要部拡大正面図である。 本発明を採用したタッピンねじの全体正面図である。 図2の右側面図である。 本発明のねじ山稜線部がワークに作用する状態を示すものであり、(イ)は第2のフランク角(β)が90°を示し、(ロ)は第2のフランク角(β)が120°を示し、(ハ)は第2のフランク角(β)が150°を示すねじ山の拡大断面図である。 本発明のねじ込み開始状態を示す要部断面拡大図である。 本発明の再ねじ込み開始状態を示す要部断面拡大図である。 本発明の第1の変形例を示す一部断面要部拡大図である。 図7の要部拡大断面図である。 本発明の第2の変形例を示す一部断面要部拡大図である。 図9の右側面図である。 本発明の従来例を示す要部断面図である。 図11におけるねじの再ねじ込み状態を示す要部断面図である。 もう一つの従来例によるねじ込み開始状態を示す要部断面図である。
符号の説明
1 タッピンねじ
2 頭部
3 脚部
4 駆動穴
5 座面
10 ねじ山
11 谷部
12 第1の追い側フランク面
13 第1の進み側フランク面
20 稜線部
21 稜線
22 第2の追い側フランク面
23 第2の進み側フランク面
24 接続部
30 不完全ねじ部
31 完全ねじ部
32 雌ねじ成形部
40 ワーク
41 下穴
42 雌ねじ

Claims (5)

  1. 駆動穴(4)を有する頭部(2)とこれと一体の脚部(3)とから構成され、この脚部にねじ山(10)が形成されたねじにおいて、
    前記ねじ山のリード線に直交する断面において、ねじ山稜線側にねじ山基部側の第1の追い側フランク面(12)と第1の進み側フランク面(13)とのなす第1のフランク角(α)より大きく且つ鈍角をなす第2のフランク角(β)を有する稜線部(20)を形成し、この稜線部は前記第1の追い側フランク面と第1の進み側フランク面とに夫々接続されていることを特徴とするねじ部品におけるねじ山。
  2. 稜線部はその連続する頂点が形成する稜線(21)を境に両側に幅の狭い第2の追い側フランク面(22)及び第2の進み側フランク面(23)を有し、これら互いのフランク面が形成する第2のフランク角(β)は100°〜120°に設定されていることを特徴とする請求項1記載のねじ部品におけるねじ山。
  3. 第2のフランク角(β)は120°±10%の角度範囲に設定されていることを特徴とする請求項1又は2記載のねじ部品におけるねじ山。
  4. 第1のフランク面と第2のフランク面はこれらフランク面で形成される角が円弧で接続されていることを特徴とする請求項2又は3記載のねじ部品におけるねじ山。
  5. 稜線部は円弧で形成されているとともにその両端が第1の追い側フランク面と第1の進み側フランク面とに夫々接続されていることを特徴とする請求項1記載のねじ部品におけるねじ山。
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