JP2009097668A - リリーフロス低減装置およびこれを備えた作業機械 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リリーフロス低減部20は、油圧ポンプ7から圧油が供給されるメインバルブ21と、メインバルブ21の下流側に配置された解体クラッシャ13を含むボトム回路内に設置されたリリーフ弁22および圧力センサ23と、メインバルブ21を操作するPPC回路内に配置されたEPC弁24と、圧力センサ23における検出結果と所定の閾値とを比較してEPC弁24をフィードバック制御するコントローラ25と、を備えている。
【選択図】図3
Description
例えば、特許文献1には、把持力検出手段における検出結果と把持力の設定値とに基づいて、実際の把持力が設定値を超えないように制御する把持力制御装置およびこれを搭載した解体作業機について開示されている。
すなわち、上記公報に開示された把持力制御装置では、把持力が必要以上に大きくなり過ぎないように最大把持力を制御しているが、把持爪等を装着した作業機械の作業では、常時、リリーフ圧付近で作業が行われることから、リリーフ流量の増大によりエネルギーロスが大きくなるおそれがある。
ここで、一般的な作業機械では、作業機を用いた作業中に、作業機への圧油量が多くなって圧力が高くなり過ぎることを防止するために、メインバルブの下流側にリリーフ弁を設けて圧油を排出しながらボトム圧を調整している。しかし、解体クラッシャ等のアタッチメントを装着した作業機械では、通常、解体クラッシャによって解体物を掴みながらの作業となるため、常時、圧力がリリーフ圧に達して大量の圧油が排出されてしまう。
これにより、油圧センサにおける検出結果が所定の第1閾値を超えた場合には、第2減圧弁を開いてPPC圧を減圧することで、第1減圧弁から排出される圧油の量を低減することができる。なお、通常、メインバルブを操作するPPC回路内は作業機側のボトム回路内よりも圧油の圧力が低い。このため、第1減圧弁よりも第2減圧弁から圧油を排出した方が、油圧回路全体としての圧油の排出量を抑えることができる。この結果、作業機の駆動中に油圧ポンプからの吐出量が増加した場合でも、ボトム回路から排出されるドレイン量を減らして圧油をできる限り有効に用いることでエネルギーロスを低減することができる。
ここでは、油圧センサにおける検出結果に基づいて、メインバルブを操作するPPC回路から圧油を排出する第2減圧弁として、電磁的に流量の比例制御が可能なEPC弁を採用している。
これにより、ボトム回路に設けられた油圧センサにおける検出結果に応じて、適宜、必要な排出量を調整しながらPPC回路内から圧油を排出することができる。この結果、PPC回路内における圧油の圧力を適正に管理しながら、ボトム回路における圧力を十分に保持して作業機による作業を効率よく行うことができる。
ここでは、PPC回路側の第2減圧弁を作動させる際のボトム回路における圧力の第1閾値として、第1減圧弁のリリーフ圧近傍の値を設定している。
ここでは、PPC回路側の第2減圧弁を作動させる際のボトム回路における圧力の第1閾値として、第1減圧弁のリリーフ圧よりも低い値を設定している。
これにより、ボトム回路において圧力が上昇してきたことが油圧センサにおいて検出されると、第1減圧弁からの圧油の排出開始よりも前に、第2減圧弁から圧油を排出することができる。この結果、ボトム回路からの圧油の排出量を効果的に抑制して、エネルギーロスの低減が図れる。
ここでは、ボトム回路における圧力が所定の第1閾値に達して第2減圧弁を作動させた後、第1閾値よりも低い第2閾値までボトム回路の圧力が下がるまでは、第2減圧弁を開状態のまま維持する。
ここでは、リリーフロス低減装置を含む油圧回路によって駆動される作業機として、クラッシャを用いている。
これにより、クラッシャのような、常時、ボトム圧が高い状態で作業を行う作業機の駆動を制御する場合でも、ボトム回路から排出される圧油の量を抑制して、油圧ポンプから排出される圧油を有効に利用することができる。
これにより、作業機の駆動中に油圧ポンプからの吐出量が増加した場合でも、ボトム回路から排出されるドレイン量を減らして圧油をできる限り有効に用いることでエネルギーロスを低減することが可能な作業機械を提供することができる。
[解体作業機1全体の構成]
本実施形態に係る解体作業機1は、図1に示すように、下部走行体2と、旋回台3と、作業機4と、カウンタウェイト5と、エンジン6と、キャブ10とを備えている。
旋回台3は、下部走行体2上において任意の方向に旋回可能であって、上面に作業機4、カウンタウェイト5、エンジン6、キャブ10、リリーフロス低減部(リリーフロス低減装置)20を含む油圧回路30等を搭載している。なお、リリーフロス低減部20を含む油圧回路30の構成については、後段にて詳述する。
エンジン6は、下部走行体2や作業機4を駆動するための駆動源であって、カウンタウェイト5に隣接する位置に配置されている。
[リリーフロス低減部20を含む油圧回路30]
本実施形態の解体作業機1は、図3に示すように、リリーフロス低減部20を含む油圧回路30を内部に構成している。
油圧ポンプ7は、エンジン6によって駆動されており、油圧回路30内において圧油を循環させる。
クラッシャ操作ペダル8は、キャブ10の床面に設置されており、オペレータによって脚で操作されることで、解体クラッシャ13の開閉動作等の操作を行う。また、クラッシャ操作ペダル8は、油圧回路30内においては、油圧ポンプ7とEPC弁24との間に配置されている。そして、クラッシャ操作ペダル8が操作されると、図4に示すように、クラッシャ閉操作用のPPC信号がEPC弁24を介してメインバルブ21に送られ、メインバルブ21が開口することによって油圧ポンプ7からの圧油が解体クラッシャ13のボトム側に供給される。
解体クラッシャ13は、作業機4の先端部を構成するアタッチメントであって、メインバルブ21から供給される圧油によって油圧シリンダ14cを伸縮させることで駆動される。また、解体クラッシャ13は、油圧回路30内におけるメインバルブ21よりも下流側を構成するボトム回路を構成している。
(リリーフロス低減部20)
リリーフロス低減部20は、図3に示すように、メインバルブ21と、リリーフ弁(第1減圧弁)22と、油圧センサ23と、EPC弁(第2減圧弁)24と、コントローラ(制御部)25と、を含むように構成されている。
リリーフ弁22は、メインバルブ21よりも下流側であって、解体クラッシャ13までつながる回路(以下、ボトム回路と示す。)内に配置されている。そして、リリーフ弁22は、ボトム回路内における圧力が予め設定された所定の閾値(第1閾値)(ここでは、19MPa)を超えると、弁を開状態として圧油をタンク22aへと排出する。これにより、ボトム回路における過剰な圧力上昇を抑えることができる。
EPC弁24は、メインバルブ21を操作するための、クラッシャ操作ペダル8を含むPPC回路内に設けられている。そして、EPC弁24は、油圧センサ23における検出結果に応じてコントローラ25によって流量制御される。具体的には、EPC弁24は、油圧センサ23における検出結果が所定の閾値(第2閾値)(ここでは、19MPa)を超える場合には、全開状態から一部閉状態へと移行して、タンク24aに対して圧油を排出する。
本実施形態では、メインバルブ21に接続されたPPC回路内に設けられたEPC弁24と、ボトム回路内に設けられた油圧センサ23とを用いて、コントローラ25によってボトム回路内に設置されたリリーフ弁22からの圧油の排出量を抑制する。
具体的には、図5のフローチャート、図7のグラフを用いて説明する。
次に、ステップS2では、コントローラ25において、ボトム回路における圧力を検出する油圧センサ23における検出結果が所定の閾値である19MPa以上であるか否かを判定する。ここで、19MPa以上である場合には、ステップS3へと進む。一方、19MPa未満である場合には、リリーフ弁22からのリリーフ(圧油の排出)が行われないため、油圧センサ23における検出結果が所定の閾値(19MPa)を超えるまで待機する。
ステップS4では、油圧センサ23における検出結果が、ステップS2において閾値として用いた19MPa以上である時間が0.5秒以上継続したか否かを判定する。ここで、0.5秒以上継続した場合には、ステップS5へと進む。一方、0.5秒以上継続しなかった場合、つまり、すぐに19MPa未満まで圧力が低下した場合には、EPC弁を操作せずに、ステップS2へと戻る。これにより、解体クラッシャ13の操作中等において負荷がかかってボトム回路内の圧力が瞬間的に上昇した場合には、ボトム回路内の圧力が既に低下しているため、EPC弁24からのリリーフを行わないように制御することができる。
ステップS6では、コントローラ25が、油圧センサ23における検出結果に基づいて、EPC弁24に対してフィードバック制御を行う。具体的には、図7のグラフに示すように、コントローラ25からEPC弁24に対する電流出力を30%とし、EPC弁24を操作してメインバルブ21を通過する圧油の流量を30%まで絞る。これにより、メインバルブ21を操作するPPC回路側のEPC弁24からタンク24aに圧油が排出されるため、ボトム回路側の圧力を効率よく低下させることで、既にリリーフ状態にあるリリーフ弁22から排出される圧油のドレイン量を抑制することができる。
EPC弁24から圧油を排出してPPC回路内を減圧することで、油圧ポンプ7から供給され、メインバルブ21を通る圧油の流量を低減し、下流側のボトム回路の圧力を効果的に低下させて、リリーフ弁22からのドレイン量を抑制することができる。この結果、EPC弁24からの少量の圧油の排出によって、ボトム回路側のリリーフ弁22から大量に排出される圧油の量を抑制することで、油圧ポンプ7から送り出される圧油を効率よく利用するとともに、油圧ポンプ7にかかる負荷を低減することができる。
具体的には、ステップS11において、EPC弁24からのリリーフ開始によって低下してくるボトム回路側の圧力が、図7に示すように、所定のリリーフ解除圧(15MPa)未満になったか否かを判定する。ここで、油圧センサ23における検出結果が15MPa未満である場合には、ステップS12へと進む。一方、15MPa以上を維持している場合には、ステップS14へと進み、EPC弁24を流量30%まで絞った状態のまま、ステップS11へと戻る。
ステップS13では、ボトム回路の圧力がリリーフ解除圧未満になっているため、EPC弁24を再び全開状態に戻すように、コントローラ25からEPC弁24に対する電流出力を100%とする。
[本リリーフロス低減部20の特徴]
(1)
本実施形態のリリーフロス低減部20では、図3に示すように、油圧ポンプ7から圧油が供給されるメインバルブ21と、メインバルブ21の下流側に配置された解体クラッシャ13を含むボトム回路内に設置されたリリーフ弁22および油圧センサ23と、メインバルブ21を操作するパイロット回路に設けられたEPC弁24と、油圧センサ23における検出結果と所定の閾値(19MPa)とを比較してEPC弁24をフィードバック制御するコントローラ25と、を備えている。
本実施形態のリリーフロス低減部20では、図3に示すように、メインバルブ21を操作するPPC回路に設けられる第2減圧弁として、電磁的に比例制御が可能なEPC弁24を採用している。
これにより、メインバルブ21の下流側のボトム回路内における圧力が所定の閾値(19MPa)以上になった場合には、適正な電流出力によってEPC弁24の開度を調整することができる。
本実施形態のリリーフロス低減部20では、図5および図7に示すように、EPC弁24の開閉を行う第2閾値として、リリーフ弁22の開閉を行う第1閾値と同値の19MPaが設定されている。
これにより、ボトム回路内の圧力が上昇してリリーフ弁22から圧油の排出が開始されると、ほぼ同時にEPC弁24からも圧油の排出が行われるように制御を行うことができる。この結果、EPC弁24を作動させる閾値が低過ぎて、ボトム回路内の圧力が十分に上昇しなくなって解体クラッシャ13による作業効率が低下してしまうことを回避することができる。
本実施形態のリリーフロス低減部20では、図6および図7に示すように、一旦所定の閾値(19MPa)以上まで上昇したボトム圧が、EPC弁24からの圧油の排出によって低下してきたときにEPC弁24のリリーフ解除を行う第2閾値として、15MPaを設定している。
(5)
本実施形態のリリーフロス低減部20では、図3に示すように、作業機4の先端部を構成するアタッチメントとして、解体クラッシャ13を用いている。
本実施形態の解体作業機1は、図1および図3に示すように、解体クラッシャ13を含む作業機4と、作業機4を駆動するための圧油を供給する油圧ポンプ7と、を備えている。
これにより、上述したように、油圧ポンプ7にかかる負荷を低減しつつ、大量のドレイン排出によるリリーフロスを低減することが可能な解体作業機1を提供することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態では、第2減圧弁としてのEPC弁24の開閉を行う際の閾値として、解体クラッシャ13側のボトム回路における圧力がリリーフ弁22に設定されたリリーフ圧にセットされている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
この場合には、ボトム回路内がリリーフ圧に達する前の段階で、確実にPPC回路側から第2減圧弁を介して圧油を排出することができるため、ボトム回路からのドレイン量を確実に低減して、油圧ポンプのエネルギーを有効に利用することができる。
(B)
上記実施形態では、PPC回路側に設けられた第2減圧弁として、EPC弁24を採用した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
ただし、電磁的に流量調整を容易に行うことができるという点では、上記実施形態のように、EPC弁を用いることがより好ましい。
(C)
上記実施形態では、油圧センサ23を、解体クラッシャ13側のボトム回路におけるリリーフ弁22の直下流側に配置した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
(D)
上記実施形態では、油圧センサ23における検出圧が所定の閾値(19MPa)を超えるとEPC弁24からリリーフを開始させ、その後、別途設定された所定の閾値(15MPa)未満になるとEPC弁24からのリリーフを停止する例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
ただし、1つの閾値だけを用いてリリーフ開始と停止とを制御した場合には、油圧回路内における圧力変動が不安定になり、クラッシャ等の作業機の駆動にも悪影響を及ぼすおそれがある点を考慮すれば、上記実施形態のように、リリーフ開始と停止とでそれぞれの閾値を設定して制御を行うことがより好ましい。
上記実施形態では、本発明のリリーフロス低減部20を搭載する作業機械として、アタッチメントとして解体クラッシャ13を取り付けた解体作業機1を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、解体クラッシャの代わりに、図8(a)に示すような圧砕機(作業機)113aや、図8(b)に示すような小割圧砕機(作業機)113b、ハンドリング装置等の他のアタッチメントを取り付けた作業機械に対して、本発明のリリーフロス低減装置を搭載してもよい。
2 下部走行体
3 旋回台
4 作業機
5 カウンタウェイト
6 エンジン
7 油圧ポンプ
8 クラッシャ操作ペダル
9 自己圧減圧弁
10 キャブ
11 ブーム
12 アーム
13 解体クラッシャ(作業機)
13a,13b 把持爪
13ca,13cb 回動軸
14a〜14c 油圧シリンダ
20 リリーフロス低減部(リリーフロス低減装置)
21 メインバルブ
22 リリーフ弁(第1減圧弁)
22a タンク
23 油圧センサ
24 EPC弁(第2減圧弁)
24a タンク
25 コントローラ(制御部)
30 油圧回路
113a 圧砕機(作業機)
113b 小割圧砕機(作業機)
Claims (7)
- 油圧ポンプから供給される圧油の流出方向を切り換えて、下流側に配置された作業機を駆動する油圧シリンダへ圧油を供給するメインバルブと、
前記メインバルブの下流側に配置されており、前記圧油が所定のリリーフ圧を超えると前記圧油を排出する第1減圧弁と、
前記メインバルブの下流側に配置されており、前記圧油の圧力を検出する油圧センサと、
前記メインバルブの開口量を調整するパイロット回路に設けられ、前記油圧センサにおける検出結果に応じて前記圧油を排出する第2減圧弁と、
前記油圧センサにおける検出結果を受信し、前記検出結果と所定の第1閾値とを比較して、前記第2減圧弁にパイロット圧を増減する指令を送る制御部と、
を備えているリリーフロス低減装置。 - 前記第2減圧弁は、EPC弁である、
請求項1に記載のリリーフロス低減装置。 - 前記第1閾値は、前記第1減圧弁のリリーフ圧近傍になるように設定されている、
請求項1または2に記載のリリーフロス低減装置。 - 前記第1閾値は、前記第1減圧弁のリリーフ圧よりも低い値に設定されている、
請求項1または2に記載のリリーフロス低減装置。 - 前記制御部は、前記第2減圧弁において前記圧油の排出を開始した後、前記油圧センサにおける検出結果が所定の第2閾値まで低下するまで待って、前記第2減圧弁からの前記圧油の排出を停止させる、
請求項1から4のいずれか1項に記載のリリーフロス低減装置。 - 前記作業機は、クラッシャである、
請求項1から5のいずれか1項に記載のリリーフロス低減装置。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載のリリーフロス低減装置と、
前記油圧ポンプと、
前記作業機と、
を備えている作業機械。
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