JP2009097659A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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保徳 大石
Daiki Nishii
大樹 西井
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Abstract

【課題】軸方向にガタ付きを生じさせることなくトラニオンと駆動ピスントとを確実に固定することができるトロイダル型無段変速機を提供する。
【解決手段】このトロイダル型無段変速機においては、トラニオン15を枢軸14の軸方向に変位させる駆動ピストン33が、枢軸14から延びる軸部29に対してベベル形軸用止め輪150により軸方向に固設されている。そのため、トラニオン15と駆動ピスント33とを軸方向にガタ付きなく確実に固定することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車や各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
例えば自動車用変速機として用いるダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機は、図5および図6に示すように構成されている。図5に示すように、ケーシング50の内側には入力軸1が回転自在に支持されており、この入力軸1の外周には、2つの入力側ディスク2,2と2つの出力側ディスク3,3とが取り付けられている。また、入力軸1の中間部の外周には出力歯車4が回転自在に支持されている。この出力歯車4の中心部に設けられた円筒状のフランジ部4a,4aには、出力側ディスク3,3がスプライン結合によって連結されている。
入力軸1は、図中左側に位置する入力側ディスク2とカム板(ローディングカム)7との間に設けられたローディングカム式の押圧装置12を介して、駆動軸22により回転駆動されるようになっている。また、出力歯車4は、2つの部材の結合によって構成された仕切壁(中間壁)13に対しアンギュラ玉軸受107を介して支持されるとともに、この仕切壁13を介してケーシング50内に支持されており、これにより、入力軸1の軸線Oを中心に回転できる一方で、軸線O方向の変位が阻止されている。
出力側ディスク3,3は、入力軸1との間に介在されたニードル軸受5,5によって、入力軸1の軸線Oを中心に回転自在に支持されている。また、図中左側の入力側ディスク2は、入力軸1にボールスプライン6を介して支持され、図中右側の入力側ディスク2は、入力軸1にスプライン結合されており、これら入力側ディスク2は入力軸1と共に回転するようになっている。また、入力側ディスク2,2の内側面(凹面;トラクション面とも言う)2a,2aと出力ディスク3,3の内側面(凹面;トラクション面とも言う)3a,3aとの間には、パワーローラ11(図6参照)が回転自在に挟持されている。
図5中右側に位置する入力側ディスク2の内周面2cには、段差部2bが設けられ、この段差部2bに、入力軸1の外周面1aに設けられた段差部1bが突き当てられるとともに、入力側ディスク2の背面(図5の右面)は、入力軸1の外周面に形成されたネジ部に螺合されたローディングナット9に突き当てられている。これによって、入力側ディスク2の入力軸1に対する軸線O方向の変位が実質的に阻止されている。また、カム板7と入力軸1の鍔部1dとの間には、皿ばね8が設けられており、この皿ばね8は、各ディスク2,2,3,3の凹面2a,2a,3a,3aとパワーローラ11,11の周面11a,11aとの当接部に押圧力を付与する。
図5のA−A線に沿う断面図である図6に示すように、ケーシング50の内側であって、出力側ディスク3,3の側方位置には、両ディスク3,3を両側から挟む状態で一対のヨーク23A,23Bが支持されている。これら一対のヨーク23A,23Bは、鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。そして、後述するトラニオン15の両端部に設けられた枢軸14を揺動自在に支持するため、ヨーク23A,23Bの四隅には、円形の支持孔18が設けられるとともに、ヨーク23A,23Bの幅方向の中央部には、円形の係止孔19が設けられている。
一対のヨーク23A,23Bは、ケーシング50の内面の互いに対向する部分に形成された支持ポスト64,68により、支持ポスト64,68を支点として揺動できるように支持されている。これらの支持ポスト64,68はそれぞれ、入力側ディスク2の内側面2aと出力側ディスク3の内側面3aとの間にある第1キャビティ221および第2キャビティ222にそれぞれ対向する状態で設けられている。
したがって、ヨーク23A,23Bは、各支持ポスト64,68に支持された状態で、その一端部が第1キャビティ221の外周部分に対向するとともに、その他端部が第2キャビティ222の外周部分に対向している。
第1および第2のキャビティ221,222は同一構造であるため、以下、第1キャビティ221のみについて説明する。
図6に示すように、ケーシング50の内側において、第1キャビティ221には、入力軸1に対し捻れの位置にある一対の枢軸(傾転軸)14,14を中心として揺動する一対のトラニオン15,15が設けられている。なお、図6においては、入力軸1の図示は省略している。各トラニオン15,15は、その本体部である支持板部16の長手方向(図6の上下方向)の両端部に、この支持板部16の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部20,20を有している。そして、この折れ曲がり壁部20,20によって、各トラニオン15,15は、パワーローラ11を収容するための凹状の収容空間であるポケット部Pを形成している。また、各折れ曲がり壁部20,20の外側面には、各枢軸14,14が互いに同心的に設けられている。
支持板部16の中央部には円孔21が形成され、この円孔21には支軸としての変位軸23の基端部(第1の軸部)23aが支持されている。そして、各枢軸14,14を中心として各トラニオン15,15を揺動させることにより、これら各トラニオン15,15の中央部に支持された変位軸23の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン15,15の内側面から突出する変位軸23の先端部(第2の軸部)23bの周囲には、各パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の間に挟持されている。なお、各変位軸23,23の基端部23aと先端部23bとは、互いに偏心している。
また、前述したように、各トラニオン15,15の枢軸14,14はそれぞれ、一対のヨーク23A,23Bに対して揺動自在および軸方向(図6の上下方向)に変位自在に支持されており、各ヨーク23A,23Bにより、トラニオン15,15はその水平方向の移動を規制されている。前述したように、各ヨーク23A,23Bの四隅には円形の支持孔18が4つ設けられており、これら支持孔18にはそれぞれ、トラニオン15の両端部に設けた枢軸14がラジアルニードル軸受(傾転軸受)30を介して揺動自在(傾転自在)に支持されている。また、前述したように、ヨーク23A,23Bの幅方向(図5の左右方向)の中央部には、円形の係止孔19が設けられており、この係止孔19の内周面は円筒面として、支持ポスト64,68を内嵌している。すなわち、上側のヨーク23Aは、ケーシング50に固定部材52を介して支持されている球面ポスト64によって揺動自在に支持されており、下側のヨーク23Bは、球面ポスト68およびこれを支持する駆動シリンダ31の上側シリンダボディ61によって揺動自在に支持されている。
なお、各トラニオン15,15に設けられた各変位軸23,23は、入力軸1に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸23,23の先端部23bが基端部23aに対して偏心している方向は、両ディスク2,2,3,3の回転方向に対して同方向(図6で上下逆方向)となっている。また、偏心方向は、入力軸1の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸1の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸1の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
また、パワーローラ11の外側面とトラニオン15の支持板部16の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉(転動体)26,26と、これら各玉26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の外側面(大端面)に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
また、スラストニードル軸受25は、トラニオン15の支持板部16の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これらパワーローラ11および外輪28が各変位軸23の基端部23aを中心として揺動することを許容する。
さらに、各トラニオン15,15の一端部(図6の下端部)にはそれぞれ駆動ロッド(枢軸14から延びる軸部)29,29が設けられており、各駆動ロッド29,29の中間部外周面に駆動ピストン(油圧ピストン)33,33が固設されている。そして、これら各駆動ピストン33,33はそれぞれ、板状の上側シリンダボディ61と下側シリンダボディ62とによって構成された駆動シリンダ31内に油密に嵌装されている。これら各駆動ピストン33,33と駆動シリンダ31とで、各トラニオン15,15を、これらトラニオン15,15の枢軸14,14の軸方向に変位させる駆動装置32を構成している。
このように構成されたトロイダル型無段変速機の場合、駆動軸22の回転は、押圧装置12を介して、各入力側ディスク2,2および入力軸1に伝えられる。そして、これら入力側ディスク2,2の回転が、一対のパワーローラ11,11を介して各出力側ディスク3,3に伝えられ、更にこれら各出力側ディスク3,3の回転が、出力歯車4より取り出される。
入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン33,33を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン33,33の変位に伴って、一対のトラニオン15,15が互いに逆方向に変位(オフセット)する。例えば、図6の左側のパワーローラ11が同図の下側に、同図の右側のパワーローラ11が同図の上側にそれぞれ変位する。その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の内側面2a,2a,3a,3aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン15,15が、ヨーク23A,23Bに枢支された枢軸14,14を中心として、互いに逆方向に揺動(傾転)する。
その結果、各パワーローラ11,11の周面(トラクション面)11a,11aと各内側面2a,3aとの当接位置が変化し、入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比が変化する。また、これら入力軸1と出力歯車4との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11およびこれら各パワーローラ11,11に付属の外輪28,28が、各変位軸23,23の基端部23a、23aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28,28の外側面と各トラニオン15,15を構成する支持板部16の内側面との間には、それぞれスラストニードル軸受25,25が存在するため、前記回動は円滑に行われる。したがって、前述のように各変位軸23,23の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
ところで、このようなトロイダル型無段変速機において、駆動ピストン33は、例えば、図7に示すように、トラニオン15側の駆動ロッド29の外周面に嵌合されてナット300により締結されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。あるいは、駆動ピストン33と駆動ロッド29とをボルトまたはボルトに相当する部材によって締結する技術も知られている(例えば、特許文献3および特許文献4参照)。また、駆動ロッド29に雄ネジを設けるとともに、駆動ピストン33に雌ネジを設け、駆動ピストン33と駆動ロッド29とを螺合装着することも行なわれている(例えば、特許文献5参照)。
特開平9−184554号公報 特開平11−184554号公報 実公平5−16444号公報 特開2005−54980号公報 特開2004−84816号公報
しかしながら、特許文献1ないし特許文献5に開示された従来の技術では、トラニオン15とピストン33とが単にネジ機構により締結されているだけであるため、トラニオン15が傾転運動を行なう際に、駆動ピストン33のシール部の抵抗が過大に大きくなったり、また、駆動ピストン33がシリンダ31の端面に接触している場合にはネジが緩んでしまうといった問題がある。ネジが緩んでしまうと、トラニオン15と駆動ピストン33との間で枢軸(傾転軸)14の軸方向にガタが生じてしまい、トラニオン15と駆動ピストン33とが傾転軸方向に同期して動けなくなるため、変速の応答性が悪化するほか、各パワーローラ11の同期が不安定になるなどする。
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、軸方向にガタ付きを生じさせることなくトラニオンと駆動ピスントとを確実に固定することができるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載のトロイダル型無段変速機は、それぞれの内側面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワーローラと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの回転中心軸に対して捻れの位置にあり且つ互いに同心的に設けられた一対の枢軸を中心に揺動するとともに、前記各パワーローラを回転自在に支持するトラニオンと、前記枢軸から延びる軸部に取り付けられ、前記トラニオンを前記枢軸の軸方向に変位させる駆動ピストンとを備えるトロイダル型無段変速機において、前記駆動ピストンは、前記軸部に対してベベル形軸用止め輪により軸方向に固設されていることを特徴とする。
この請求項1に記載された発明においては、駆動ピストンがトラニオンの軸部に対してベベル形軸用止め輪により軸方向に固設されているので、軸方向にガタ付きを生じさせることなくトラニオンと駆動ピスントとを確実に固定することができる。また、ベベル形止め輪の場合、トラニオンの軸部を大きな力で締め付けることはなく、前記軸部に大きな引張り応力が発生しない。このため、前記軸部の外径を小さくすることができ、駆動ピストンを小型化することもできる。また、ベベル形止め輪の場合、前記軸部の外周にネジを形成する必要はなく、前記軸部に1つの溝を設けるだけでベベル形止め輪を装着できるので、ネジを形成する場合に比べて軸部の長さを短くすることができ、省スペース化を図ることができる。
また、請求項2に記載されたトロイダル型無段変速機は、請求項1に記載された発明において、前記駆動ピストンと前記ベベル形軸用止め輪との間に、当該止め輪の位置を調整するためのワッシャが介挿されていることを特徴とする。
この請求項2に記載された発明においては、駆動ピストンとベベル形止め輪との間に止め輪の位置を調整するための調整ワッシャが介挿されている。そのため、このワッシャの厚さを調整することにより、その他の部品の寸法精度にかかわらず止め輪を軸部の溝に対して適切な位置に設置することができる。
本発明によれば、駆動ピストンがトラニオンの軸部に対してベベル形軸用止め輪により軸方向に固設されている。そのため、軸方向にガタ付きを生じさせることなくトラニオンと駆動ピスントとを確実に固定することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明の特徴は、トラニオン側の駆動ロッドと駆動ピストンとの間の取り付け構造にあり、その他の構成および作用は前述した従来の構成および作用と同様であるため、以下においては、本発明の特徴部分についてのみ言及し、それ以外の部分については、図5ないし図7と同一の符号を付して簡潔に説明するに留める。
図1および図2は本発明の第1の実施形態を示している。図1に示すように、本実施形態においては、駆動ピストン33がトラニオン15の軸部としての駆動ロッド29に対してベベル形軸用止め輪150により軸方向に固設されている。この場合、ベベル形軸用止め輪150は、図2に示すように、駆動ピストン33の一端部33aの端面に突き当たり、駆動ロッド29の端部に形成された溝29aに装着されており、これにより駆動ピストン33が駆動ロッド29に対して駆動ロッド29の軸方向に移動しないように、ベベル形軸用止め輪150によって規制されている。また、枢軸14の端部外周には同期ワイヤ(トラニオン同士の同期をとるワイヤ)を掛けるためのプーリ160が装着されており、このプーリ160と駆動ピストン33の他端部と間にはワッシャ162が介挿されている。
ベベル形軸用止め輪150は、溝29aに入る嵌合部分が傾斜面150aとして形成されており、また、ベベル形軸用止め輪150が入る溝29aにも対応する嵌合部位に傾斜面170が形成されている(図2参照)。これにより、ベベル形軸用止め輪150のバネ作用により傾斜が楔として作用し、保持部品の隣接する面との間のガタを取り除くことができる。一般の止め輪の場合、ベベル形軸用止め輪のような傾斜が無く、止め輪を設置するためには保持部品の隣接する面との間にガタが必要なため、トラニオン15と駆動ピストン33を軸方向にガタ無く固設することができない。
また、図7に示される従来技術の場合、ナット300でトラニオン15側の駆動ロッド29を締め上げるが、緩み防止のため大きな締め付け力を必要とする。そのため、駆動ロッド29には、組立段階から大きな引張り応力が作用する。しかしながら、ベベル形軸用止め輪150の場合、駆動ロッド29を大きな力で締め付けることはなく、駆動ロッド29に大きな引張り応力が発生しない。このため、駆動ロッド29の外径を小さくすることができ、駆動ピストン33を小型化することができる。また、図7の構造の場合、駆動ロッド29の先端にネジを形成する必要があるが、本実施形態の構成では、1つの溝29aを設けるだけで済むため、駆動ロッド29の長さを短くすることができ、省スペース化を図ることができる。
更に、図7の構造のようにナット300でネジ止めする場合には、締め付けトルクの管理をしなければならないが、ベベル形軸用止め輪150の場合にはトルク管理といったものが必要ない。また、ナット300を使用する場合、駆動ロッド29にネジを形成しなければならないため、遅れ破壊防止のため、ネジ部を軟らかくする必要がある。このため、駆動ロッド29を軟らかい材料(調質程度)により形成するか或いはネジ部を例えば防炭処理する必要がある。これに対し、ベベル形軸用止め輪150の場合には、溝29aを軟らかくする必要がないため、駆動ロッド29を硬質材料(ずぶ焼鋼や浸炭鋼など)にすることができ、溝29aを防炭処理する必要がない。
また、枢軸14の端部の外側にプーリ160を嵌入されるとともに、駆動ロッド(枢軸14から延びる軸部)29の外側にワッシャ162および駆動ピストン33が嵌入され、そしてベベル形軸用止め輪150が駆動ピストン33の一端部33aの端面に突き当てられて駆動ロッド29の端部の溝29aに装着され、これによりプーリ160、ワッシャ162および駆動ピストン33がトラニオン15の軸部としての枢軸14および駆動ロッド29に装着されているので、プーリ160および駆動ピストン33をトラニオン15の軸部に対して軸方向に簡単に位置決めすることができる。
さらに、駆動ピストン33が板状の上側シリンダボディ61と下側シリンダボディ62とによって構成される駆動シリンダ31内に嵌装されているとともに、駆動ピストン33が長い筒体の外周面にこの筒体と一体に形成されており、そして駆動ロッド29の端部および駆動ピストン33の一端部33aが下側シリンダボディ62から外側に突出しており、ベベル形軸用止め輪150が駆動ピストン33の一端部33aの端面に突き当てられて駆動ロッド29の端部の溝29aに装着されているので、上側シリンダボディ61、駆動ピストン33および下側シリンダボディ62を順次組み付けていくことができるとともに、駆動シリンダ31の外側でベベル形軸用止め輪15を駆動ロッド29に装着することができ、したがって組立性が良いという利点がある。
また、ベベル形軸用止め輪150が駆動シリンダ31の外側で駆動ロッド29に装着されるので、コンタミネーションが混入するのを防止することができるという利点がある。
図3は本発明の第2の実施形態を示している。同図に示すように、本実施形態においては、駆動ピストン33とベベル形軸用止め輪150との間に、止め輪150の位置を調整するためのワッシャ152が介挿されている。このワッシャ152の厚さを調整することにより、駆動ピストン33の長さや、ワッシャ162、プーリ160、溝29a位置などの止め輪150と溝29aとの位置に関わる部品の寸法精度にかかわらず止め輪150を溝29aに対して適切な位置に設置することができる。
図4は本発明の第3の実施形態を示している。同図に示すように、本実施形態においては、駆動ピストン33の一端部33aに脱落防止部材としてのキャップ190が設けられている。このキャップ190は、ベベル形軸用止め輪150が径方向に広がって駆動ロッド29から溝29aから脱落するのを防止するものである。
このキャップ190は、断面形状がコ字状の扁平な有底円筒状に形成されているとともに、開口側の端部の内周面191に開口側から順に環状の凸部192および溝193を備えている。一方、駆動ピストン33の一端部33aの外周面には、環状の溝195が形成されている。キャップ190は、その凸部192が駆動ピストン33の溝195に嵌合されるとともに、その溝193には駆動ピストン33の一端部33aの端面を含めた最端部が嵌合されている。溝193に近傍のキャップ190の内周面191は、ベベル形軸用止め輪150の外周面の外側に接近して位置しており、これによりベベル形軸用止め輪150が径方向に広がって駆動ロッド29から溝29aから脱落するのが防止されている。
キャップ190は、キャップ190の開口側の端部が少し拡径できるようになっており、これにより駆動ロッド29の端部および駆動ピストン33の一端部33aの先端側から駆動ピストン33の一端部33aの外側に被せることにより、一端部33aに装着できるようになっている。
なお、本実施形態では、脱落防止部材としてキャップ190を用いたが、この脱落防止部材はベベル形軸用止め輪150が径方向に広がるのを防止できるものであればよく、例えば断面形状が略コ字状の板状のものなどを用いることもできる。
本発明は、シングルキャビティ型やダブルキャビティ型などの様々なハーフトロイダル型無段変速機に適用することができる。
本発明の第1の実施形態に係るトロイダル型無段変速機における要部断面図である。 ベベル形軸用止め輪の装着部を示す拡大断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るトロイダル型無段変速機における要部断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るトロイダル型無段変速機における要部断面図である。 従来から知られているトロイダル型無段変速機の具体的構造の一例を示す断面図である。 図5のA−A線に沿う断面図である。 駆動ロッドと駆動ピストンとをナットで締結する従来の構造を示す要部断面図である。
符号の説明
2 入力側ディスク
3 出力側ディスク
11 パワーローラ
14 枢軸
15 トラニオン
29 駆動ロッド(軸部)
33 駆動ピストン
150 ベベル形軸用止め輪
152 ワッシャ

Claims (2)

  1. それぞれの内側面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワーローラと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの回転中心軸に対して捻れの位置にあり且つ互いに同心的に設けられた一対の枢軸を中心に揺動するとともに、前記各パワーローラを回転自在に支持するトラニオンと、前記枢軸から延びる軸部に取り付けられ、前記トラニオンを前記枢軸の軸方向に変位させる駆動ピストンとを備えるトロイダル型無段変速機において、
    前記駆動ピストンは、前記軸部に対してベベル形軸用止め輪により軸方向に固設されていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 前記駆動ピストンと前記ベベル形軸用止め輪との間に、当該止め輪の位置を調整するためのワッシャが介挿されていることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
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Citations (3)

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