JP2009096975A - 熱可塑性樹脂発泡成形体 - Google Patents

熱可塑性樹脂発泡成形体 Download PDF

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武史 杉山
Mitsuharu Korogi
光治 興梠
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Abstract

【課題】 芳香族ビニルを含んでなる熱可塑性樹脂予備発泡粒子を型内発泡成形することにより得られる熱可塑性樹脂発泡成形体において、一般的なポリスチレン発泡成形体と同等の圧縮強度を維持したまま、高い耐熱性を有する熱可塑性樹脂発泡成形体を提供すること。
【解決手段】 単量体として、芳香族ビニル単位、不飽和ジカルボン酸無水物単位、N−アルキル置換マレイミド単位からなる共重合体Aと、単量体として、芳香族ビニル単位、シアン化ビニル単位からなる共重合体Bを混合してなる熱可塑性樹脂組成物を基材樹脂としてなる熱可塑性樹脂粒子から得られる熱可塑性樹脂予備発泡粒子を型内発泡成形することにより得られる熱可塑性樹脂発泡成形体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂予備発泡粒子を型内発泡成形することにより得られる熱可塑性樹脂発泡成形体に関する。
従来、発泡成形体は、軽量性を活かして各種トレイ、容器などの食品包装材料や断熱性、緩衝性等を活かして建築材料、流通材料、自動車材料などとして広く使用されている。その中でも発泡ポリスチレン樹脂成形体は軽量、良好な断熱性、緩衝性、耐水性さらに安価であるため幅広く用いられている。しかし、発泡ポリスチレンの熱変形温度は低いため、雰囲気温度が100℃以上となる場所での断熱材、自動車部材、緩衝材等として使用できない。そのため、より高い耐熱性を有した発泡ポリスチレン樹脂成形体が求められている。
この問題を解決するために、耐熱性を有する発泡ポリスチレン樹脂成形体として、様々な検討がなされている。例えば、特許文献1には、ポリスチレン系樹脂に低分子量ポリエチレンをブレンドしたポリスチレン系樹脂とポリフェニルエーテル系樹脂からなる基材樹脂に揮発性発泡剤を含有してなる耐熱性発泡性樹脂粒子が開示されている。しかし、特許文献1に開示されている技術は、低分子量ポリエチレンが可塑剤として機能しているため、ポリスチレン樹脂とポリフェニルエーテル樹脂からなる基材樹脂が本来有している耐熱性を十分に活かせていない。さらに、低分子量ポリエチレンが発泡成形体表面に滲み出る可能性があるため、発泡成形体の表面美観や強度が悪化する恐れがある。
特許文献2にはポリフェニレンエーテル系樹脂とポリスチレン系樹脂の混合樹脂に炭酸ガスを含有してなる耐熱性発泡性樹脂粒子が開示されている。しかし特許文献2に開示されている技術は、その実施に当たって特別な加圧式予備発泡設備を導入することが必要である。従って、直ちに採用できるのもではない。
特許文献3には芳香族ビニル単位、不飽和ジカルボン酸無水物単位、N−アルキル置換マレイミド単位からなる共重合体存在下に芳香族ビニル単位、シアン化ビニル単位を懸濁重合することによりで得られる熱可塑性樹脂組成物からなる球状の樹脂粒子を用いる方法が開示されている。しかし、特許文献3は110℃までの耐熱性について検討されているのみであり、また、発泡体の強度については言及されていない。さらに熱可塑性樹脂組成物を懸濁重合により得るため、要求物性に応じた樹脂組成の変更や添加剤等の添加が容易に行えない。
特許文献4、5には、マレイミド系重合体とアクリロニトリル・スチレン共重合体を混合して発泡剤を添加した発泡性樹脂組成物が開示されているが、射出発泡成形や押出発泡成形体が開示されたものであり、熱可塑性樹脂予備発泡粒子を型内発泡成形することにより得られる熱可塑性樹脂発泡成形体に関する本願とは技術分野を異としている。
特開平10−316792号公報 特開2004−244440号公報 特開平4−345639号公報 特開昭60−184546号公報 特開昭62−235340号公報
本発明の目的は、芳香族ビニルを含んでなる熱可塑性樹脂予備発泡粒子を型内発泡成形することにより得られる熱可塑性樹脂発泡成形体において、一般的なポリスチレン発泡成形体と同等の圧縮強度を維持したまま、高い耐熱性を有する熱可塑性樹脂発泡成形体を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、単量体として、芳香族ビニル単位、不飽和ジカルボン酸無水物単位、N−アルキル置換マレイミド単位からなる共重合体Aと、単量体として芳香族ビニル単位、シアン化ビニル単位からなる共重合体Bを混合してなる熱可塑性樹脂組成物を基材樹脂としてなる熱可塑性樹脂粒子から得られる熱可塑性樹脂予備発泡粒子を型内発泡成形することにより得られる熱可塑性樹脂発泡成形体が上記課題を解決できることを見出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明は、単量体として、芳香族ビニル単位、不飽和ジカルボン酸無水物単位、N−アルキル置換マレイミド単位からなる共重合体Aと、単量体として、芳香族ビニル単位、シアン化ビニル単位からなる共重合体Bを混合してなる熱可塑性樹脂組成物を基材樹脂としてなる熱可塑性樹脂粒子から得られる熱可塑性樹脂予備発泡粒子を型内発泡成形することにより得られる熱可塑性樹脂発泡成形体に関する。
好ましい態様としては、前記熱可塑性樹脂組成物100重量部中、芳香族ビニル単位、不飽和ジカルボン酸無水物単位、N−アルキル置換マレイミド単位からなる共重合体Aが30重量部以上80重量部以下であり、芳香族ビニル単位、シアン化ビニル単位からなる共重合体Bが20重量部以上70重量部以下である前記記載の熱可塑性樹脂発泡成形体に関する。
芳香族ビニル単位、不飽和ジカルボン酸無水物単位、N−アルキル置換マレイミド単位からなる共重合体と芳香族ビニル単位−シアン化ビニル単位共重合体を混合してなる熱可塑性樹脂組成物からなる発泡成形体は、一般的なポリスチレン発泡成形体と同等の圧縮強度を維持したまま、高い耐熱性を有する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、芳香族ビニル単位、不飽和ジカルボン酸無水物単位、N−アルキル置換マレイミド単位からなる共重合体A(以下、単に共重合体Aと称す場合がある)と芳香族ビニル単位、シアン化ビニル単位からなる共重合体B(以下、単に共重合体Bと称す場合がある)を混合してなる。
熱可塑性樹脂組成物中の芳香族ビニル単位、不飽和ジカルボン酸無水物単位、N−アルキル置換マレイミド単位からなる共重合体Aと芳香族ビニル単位、シアン化ビニル単位からなる共重合体Bの配合量は、熱可塑性樹脂組成物100重量部中、芳香族ビニル単位、不飽和ジカルボン酸無水物単位、N−アルキル置換マレイミド単位からなる共重合体が30重量部以上80重量部以下であることが好ましく、より好ましくは35重量部以上75重量部以下であり、さらに好ましくは40重量部以上70重量部以下である。芳香族ビニル単位、シアン化ビニル単位からなる共重合体は、熱可塑性樹脂組成物100重量部中、20重量部以上70重量部以下であることが好ましく、より好ましくは25重量部以上65重量部以下であり、さらに好ましくは、30重量部以上60重量部以下である。当該配合量であれば、耐熱性、圧縮強度が優れた熱可塑性樹脂発泡成形体が得られる傾向にある。
なお、特性を損なわない限りにおいて共重合体Aと共重合体B以外の熱可塑性樹脂を含んでいても構わない。混合可能な熱可塑性樹脂としては、ポリエチレテレフタレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、フェニレンエーテル系樹脂等が挙げられる。
共重合体Aを構成する芳香族ビニル単位としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン等が挙げられる。
これらのうち、芳香族ビニル単位、シアン化ビニル単位からなる共重合体Bとの相溶性、重合の容易性の点から、芳香族ビニル単位としてスチレン、α−メチルスチレンを使用することが好ましく、さらに価格的に安価であるスチレンを使用することが好ましい。
不飽和ジカルボン酸無水物単位としては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等が挙げられる。中でも、芳香族ビニル単位、シアン化ビニル単位からなる共重合体Bとの相溶性、重合の容易性、安価の点から、不飽和ジカルボン酸無水物単位として無水マレイン酸を使用することが好ましい。
N−アルキル置換マレイミド単位としては、例えば、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−4−ジフェニルマレイミド、N−2−クロロフェニルマレイミド、N−4−ブロモフェニルマレイミド、N−1−ナフチルマレイミド等が挙げられる。中でも、芳香族ビニル単位、シアン化ビニル単位からなる共重合体Bとの相溶性、重合の容易性、安価の点から、N−アルキル置換マレイミド単位としてN−フェニルマレイミドを使用することが好ましい。
なお、共重合体A中、芳香族ビニル単位、不飽和ジカルボン酸無水物単位、N−アルキル置換マレイミド単位の合計量を100重量%とした場合、耐熱性を付与できる点からN−アルキル置換マレイミド単位は40重量%以上であることが好ましい。
共重合体Bを構成する芳香族ビニル単位としては、具体的には前記記載ものと同様のものが挙げられる。共重合体Aとの相溶性、重合の容易性の点からスチレン、α−メチルスチレンを使用することが好ましく、さらに価格的に安価であるスチレンを使用することが好ましい。
シアン化ビニル単位としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル等が挙げられ、共重合体Aとの相溶性、重合の容易性の点から、アクリロニトリルを使用することが好ましい。共重合体Aとの更なる相溶性、重合の容易性、価格が安価であることなどから鑑み、芳香族ビニル単位、シアン化ビニル単位からなる共重合体Bとしては、スチレンとアクリロニトリルとの共重合体が好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、公知の方法によって、熱可塑性樹脂粒子とすることが出来る。例えば、共重合体Aと共重合体Bを押出機内で溶融混錬した熱可塑性樹脂組成物を一定の径を有する穴の開いたダイスを通して一旦空気中に押出した後、冷却させ、ペレタイザ等で一定の大きさに熱可塑性樹脂組成物を切断する方法や、ダイスを通して水中に押出した後、ペレタイザ等で一定の大きさに熱可塑性樹脂組成物を切断する方法等で作製することが出来る。このようにして得られる熱可塑性樹脂粒子の大きさは、0.5mg以上1.5mg以下であることが好ましく、より好ましくは、0.8mg以上1.2mg以下である。当該範囲の大きさの熱可塑性樹脂粒子であれば、発泡性熱可塑性樹脂粒子を予備発泡させた際、融着性や発泡成形体の表面美観に優れた熱可塑性樹脂予備発泡粒子となる傾向がある。
本発明において熱可塑性樹脂組成物中に更に造核剤を添加することが好ましい。造核剤としてはタルク、アルミナ、シリカ、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、エチレンビスステアリルアミド等が挙げられ、これらの1種または2種類以上使用することが出来る。また、必要に応じて各種添加剤を使用することができる。
本発明において、熱可塑性樹脂組成物中に造核剤や添加剤を添加する方法としては公知の方法を採用することができる。一般的には、共重合体Aと共重合体Bを押出機で溶融混錬する際に、造核剤や添加剤を添加し、熱可塑性樹脂組成物と共に溶融混錬する方法が挙げられる。
本発明における発泡剤としては、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン等の脂肪族炭化水素;空気、窒素、酸素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウム等の無機ガス;水等が挙げられる。また、発泡剤として、これらを、2種類以上組み合わせて使用することができる。
本発明における熱可塑性樹脂粒子を熱可塑性樹脂予備発泡粒子にする方法としては、以下の方法が挙げられる。
(1)分散剤を添加した水系溶媒中に熱可塑性樹脂粒子を分散させ、発泡剤を添加し、好ましくは100℃以上130℃以下の温度、6時間以上24時間以下の時間加熱攪拌することによって、熱可塑性樹脂粒子100重量部に対して発泡剤を、好ましくは2重量部以上15重量部以下含浸せしめた発泡性熱可塑性樹脂粒子を取出し、水洗い、乾燥を行うことで得られた発泡性熱可塑性樹脂粒子とし、該発泡性熱可塑性樹脂粒子を加熱して熱可塑性樹脂予備発泡粒子とする方法、が挙げられる。
この場合、上記攪拌時に使用する発泡剤の量としては、使用する容器の容量等によっても異なるが、熱可塑性樹脂粒子100重量部に対して2重量部以上40重量部以下であることが好ましく、当該範囲であると、得られた発泡性熱可塑性樹脂粒子中の発泡剤量を、熱可塑性樹脂粒子100重量部中2重量部以上15重量部以下にしやすい傾向にある。
前記分散剤としては、公知の分散剤でよく、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース等の水溶性高分子化合物、リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、カオリン等の水不溶性または難溶性の無機化合物が用いられる。水系溶媒中の分散剤の濃度は0.1〜0.5重量%の範囲であることが好ましい。また、必要に応じて水溶性の界面活性剤を使用することが出来、その濃度は、水系溶媒中、0.001〜0.01重量%が好ましい。加熱手段としては、例えば、水蒸気、熱風等を用いて行うことができる。また、発泡性熱可塑性樹脂粒子の軟化点が高い場合は、加圧水蒸気、過熱水蒸気を用いることで予備発泡することができる。予備発泡の条件は、発泡性熱可塑性樹脂粒子の軟化点温度等にもよって異なるが、100℃以上200℃以下の温度、10秒以上300秒以下の時間であることが好ましい。さらに、発泡性熱可塑性樹脂粒子を目標とする嵩倍率より低倍に予備発泡させ得られた熱可塑性樹脂予備発泡粒子を高温高圧空気中で一定時間処理した後、大気圧下に払い出すことによって目標とする嵩倍率の熱可塑性樹脂予備発泡粒子を得ることが出来る。嵩倍率とは、発泡性樹脂粒子の重量を測定し、基材樹脂の密度で除することで求めた体積で、その発泡性樹脂粒子を予備発泡させた予備発泡粒子をメスシリンダに充填した時の体積を除した値である。
また、熱可塑性樹脂粒子を熱可塑性樹脂予備発泡粒子にする他の方法としては、
(2)分散剤を添加した水系溶媒中に熱可塑性樹脂粒子を分散させ、ついで発泡剤を添加し、高温高圧に保って発泡剤を熱可塑性樹脂粒子に含浸させた後、低圧雰囲気下に放出することで熱可塑性樹脂予備発泡粒子とする方法、(3)熱可塑性樹脂粒子を、耐圧容器内を高圧にして液体状態にした発泡剤中に分散させて発泡剤を含浸させ、取り出し、水洗い、乾燥を行うことで発泡性熱可塑性樹脂粒子を得、該発泡性熱可塑性樹脂粒子を加熱して熱可塑性樹脂予備発泡粒子とする方法、(4)熱可塑性樹脂組成物を押出機にて溶融混錬中に発泡剤を圧入して含浸させ、ペレタイザ等で一定の大きさに切断した後、えられた発泡性熱可塑性樹脂粒子を加熱して熱可塑性樹脂予備発泡粒子とする方法、も挙げられる。
なお、(2)〜(4)の方法において使用しうる発泡剤や分散剤は(1)の方法において例示したものと同じものが使用しうる。
得られた熱可塑性樹脂予備発泡粒子は、一般的な方法で、型内発泡成形を行い、熱可塑性樹脂発泡成形体とすることが出来る。例えば、熱可塑性樹脂予備発泡粒子を成形用金型に充填し、金型内に蒸気を吹き込んで熱可塑性樹脂予備発泡粒子を加熱する。蒸気により熱可塑性樹脂予備発泡粒子が加熱されると熱可塑性樹脂予備発泡粒子は膨張するが、金型内の体積は不変であるため、熱可塑性樹脂予備発泡粒子はお互いに密着して融着するため熱可塑性樹脂発泡成形体となり、その後、水等で冷却、取り出し、乾燥することで所望の熱可塑性樹脂発泡成形体が得られる。このようにして得られた熱可塑性樹脂発泡成形体は高い耐熱性と圧縮強度を有するため、雰囲気温度が高い場所での自動車材料や建築材料や緩衝材料等に好適に使用することが出来る。
以下、本発明の熱可塑性樹脂発泡成形体の具体的な実施例により詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は重量基準である。
〈熱可塑性樹脂発泡成形体耐熱性評価〉
耐熱性評価は、JIS−K6767に準じて熱寸法変化率から評価した。
長さ100mm、幅100mm、厚さ25mmの平板状の発泡成形体を、23℃、相対湿度50%の恒温高湿室に24時間静置させた後、発泡成形体に縦および横方向にそれぞれお互いに平行となる3本の直線を33.3mmの等間隔になるように記入し、直線の寸法を測定し加熱前寸法(L1)とした。次に100℃〜140℃の所定の温度に保った熱風循環式乾燥機内に試験片を水平に置き、168時間加熱した後、取り出し、23℃、相対湿度50%の恒温高湿室に24時間静置した後、試料片の寸法を測定し、加熱後寸法(L2)とした。熱寸法変化率は以下の式から算出した。
熱寸法変化率(%)=(L2−L1)/L1×100
この時の値が±1.0%未満である時、その温度において耐熱性があるとした。
〈熱可塑性樹脂発泡成形体強度評価〉
発泡成形体の強度評価はJIS−K6767に準じて圧縮応力−歪測定から評価した。
長さ50mm、幅50mm、厚さ25mmで両面の表面層を除いた平板状の発泡成形体を、23℃、相対湿度50%の恒温高湿室に24時間静置させた後、ミネベア(株)製引張圧縮試験機TG−20kNを用いて圧縮応力−歪測定を行った。圧縮試験における圧縮強度は、圧縮歪50%時における圧縮強度とし、試験片4個の平均値を圧縮歪50%における発泡成形体の圧縮強度とした。試験条件
(a)圧縮応力(Pa):荷重/力を受ける試験片の面積(N/m
(b)圧縮歪(%):圧縮した距離(mm)/25(mm)×100
(c)圧縮試験速度:2.5mm/min
(d)試験温度、相対湿度:23℃、50%
(実施例1)
共重合体Aとして電気化学工業(株)製、商品名:デンカIP(グレード名:MS−NA、N−フェニルマレイミド/スチレン/無水マレイン酸のモノマー比がそれぞれ50%/49%/1%)と共重合体Bとして東洋スチレン(株)製、商品名:トーヨーAS(グレード名:AS−XGS、アクリロニトリル/スチレンのモノマー比がそれぞれ25%/75%)を60%/40%の比率にて混合した熱可塑性樹脂組成物をミニペレット化して、1.0mgのミニペレットを得た。攪拌機の付いた6Lオートクレーブに、得られた熱可塑性樹脂粒子100重量部、純水100重量部、リン酸カルシウム0.2重量部、α−オレフィンスルホン酸塩0.006重量部、ノルマルリッチペンタン(ノルマル/イソ=80/20)6.25重量部を仕込んだ。次に、n−ブタンを6.25重量部加え、攪拌しながら1時間で125℃に昇温し、次いで125℃で9.5時間加熱し、熱可塑性樹脂粒子中に発泡剤を含浸させた。その後、40℃まで冷却し、発泡性熱可塑性樹脂粒子を得た。次に、この発泡性熱可塑性樹脂粒子を過熱水蒸気発生装置で発生させた190℃の水蒸気で、3分間加熱し、嵩倍率25倍の熱可塑性樹脂予備発泡粒子を得た。得られた熱可塑性予備発泡樹脂粒子を24時間養生した後、ダイセン工業(株)製KD−345成形機にて、長さ300mm×幅400mm×厚さ40mmの金型内に熱可塑性予備発泡樹脂粒子を充填し、この金型内に蒸気を吹き込み、平板状の熱可塑性樹脂発泡成形体を得た。得られた熱可塑性樹脂発泡成形体を50℃で24時間乾燥させた後、該熱可塑性樹脂発泡成形体を上記各試験片サイズに切削し密度0.0467g/cmの発泡成形体試験片を作製した。この発泡成形体試験片の熱寸法変化率、圧縮強度を評価した。その結果を表1に示す。
(実施例2)
共重合体Aとして電気化学工業(株)製、商品名:デンカIP(グレード名:MS−NA、N−フェニルマレイミド/スチレン/無水マレイン酸のモノマー比がそれぞれ50%/49%/1%)と共重合体Bとして東洋スチレン(株)製、商品名:トーヨーAS(グレード名:AS−XGS、アクリロニトリル/スチレンのモノマー比がそれぞれ25%/75%)を30%/70%の比率にて混合した熱可塑性樹脂組成物をミニペレット化して、1.0mgのミニペレットを得た。攪拌機の付いた6Lオートクレーブに、得られた熱可塑性樹脂粒子100重量部、純水100重量部、リン酸カルシウム0.2重量部、α−オレフィンスルホン酸塩0.006重量部、ノルマルリッチペンタン(ノルマル/イソ=80/20)6.25重量部を仕込んだ。次に、n−ブタンを6.25重量部加え、攪拌しながら1時間で125℃に昇温し、次いで125℃で9.5時間加熱し、熱可塑性樹脂粒子中に発泡剤を含浸させた。その後、40℃まで冷却し、発泡性熱可塑性樹脂粒子を得た。次に、この発泡性熱可塑性樹脂粒子を過熱水蒸気発生装置で発生させた150℃の水蒸気で、3分間加熱し、嵩倍率30倍の熱可塑性樹脂予備発泡粒子を得た。得られた熱可塑性予備発泡樹脂粒子を24時間養生した後、ダイセン工業(株)製KD−345成形機にて、長さ300mm×幅400mm×厚さ40mmの金型内に熱可塑性予備発泡樹脂粒子を充填し、この金型内に蒸気を吹き込み、平板状の熱可塑性樹脂発泡成形体を得た。得られた熱可塑性樹脂発泡成形体を50℃で24時間乾燥させた後、該熱可塑性樹脂発泡成形体を上記各試験片サイズに切削し密度0.0364g/cmの発泡成形体試験片を作製した。この発泡成形体試験片の熱寸法変化率、圧縮強度を評価した。その結果を表1に示す。
(比較例1)
ポリスチレン100重量%の組成を持つ樹脂を基材樹脂とし、発泡剤として工業用ブタン(ノルマル/イソ=70/30)を5%含む嵩倍率20倍のポリスチレン系樹脂発泡粒子を用いて、ダイセン工業(株)製KR−57BMC成形機にて450×300×40mmの平板状の熱可塑性樹脂発泡成形体を得た。得られた熱可塑性樹脂発泡成形体を50℃で24時間乾燥させた後、上記各試験片サイズに切削し密度0.0460g/cmの発泡成形体試験片を作製した。この発泡成形体試験片の熱寸法変化率、圧縮強度を評価した。その結果を表1に示す。
(比較例2)
市販されている耐熱ポリスチレン系樹脂発泡成形体(商品名:カネパール(登録商標)ヒートマックス(登録商標)HM)を用い、上記各試験片サイズに切削し密度0.0460g/cmの発泡成形体試験片を作製した。この発泡成形体試験片の熱寸法変化率、圧縮強度を評価した。その結果を表1に示す。
Figure 2009096975
芳香族ビニル単位、不飽和ジカルボン酸無水物単位およびN−アルキル置換マレイミド単位からなる共重合体と芳香族ビニル単位、シアン化ビニル単位からなる共重合体を混合してなる熱可塑性樹脂からなる熱可塑性樹脂発泡成形体は、一般的なポリスチレン発泡成形体と同等の圧縮強度を維持したまま、高い耐熱性を有していることがわかる。

Claims (2)

  1. 単量体として、芳香族ビニル単位、不飽和ジカルボン酸無水物単位、N−アルキル置換マレイミド単位からなる共重合体Aと、単量体として、芳香族ビニル単位、シアン化ビニル単位からなる共重合体Bを混合してなる熱可塑性樹脂組成物を基材樹脂としてなる熱可塑性樹脂粒子から得られる熱可塑性樹脂予備発泡粒子を型内発泡成形することにより得られる熱可塑性樹脂発泡成形体。
  2. 前記熱可塑性樹脂組成物100重量部中、芳香族ビニル単位、不飽和ジカルボン酸無水物単位、N−アルキル置換マレイミド単位からなる共重合体Aが30重量部以上80重量部以下であり、芳香族ビニル単位、シアン化ビニル単位からなる共重合体Bが20重量部以上70重量部以下である請求項1記載の熱可塑性樹脂発泡成形体。
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