JP2009096756A - 新規な、含フッ素化合物および含フッ素重合体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記化合物(1)、下記化合物(2)またはその塩、および、化合物(1)を重合させて得られた重合体(ただし、Xは水素原子またはフッ素原子であり2個のXは同一であってもよく異なっていてもよい。mおよびnはそれぞれ独立に0〜3の整数でありmとnの和は1〜4の整数である。Yは水素原子または炭素数1〜12の1価飽和炭化水素基であり3個のYは同一であってもよく異なっていてもよい。Zは水素原子または−C(O)O−Q−NHSO2−RFである。ZNは水素原子または−C(O)O−Q−NH2である。Qは炭素数2〜6の2価飽和炭化水素基である。RFは炭素数1〜12の1価含フッ素飽和炭化水素基または炭素数2〜12のエーテル性酸素原子を含む1価含フッ素飽和炭化水素基である。)。
【化1】
【選択図】なし
Description
前記繰り返し単位を形成する環化重合性の化合物として、CF2=CFOCF2CF2CF=CF2等のポリフルオロアルケニルビニルエーテルが知られている(特許文献1など参照。)。
前記繰り返し単位を形成する環化重合性の化合物として、特許文献2には、側鎖に官能基を有するフルオロアルカジエン類(CF2=CFCF2C(CF3)(OH)CH2CH=CH2等。)が記載されている。
また、側鎖にカルボキシ誘導基を有するフルオロアルカジエンとして、特許文献3には、側鎖にtert−ブトキシカルボニル基を有するフルオロアルカジエン(CF2=CFCH2CH(C(O)OC(CH3)3)CH2CH=CH2。)が記載されている。
側鎖にカルボキシ誘導基を有するフルオロアルカジエンに関しても、特許文献3の化合物が知られるに過ぎず、他の化合物は知られていなかった。
<1> 下式(1)で表される化合物。
X:水素原子またはフッ素原子であり、2個のXは同一であってもよく異なっていてもよい。
mおよびn:それぞれ独立に0〜3の整数であり、mとnの和は1〜4の整数である。
Y:水素原子または炭素数1〜12の1価飽和炭化水素基であり、3個のYは同一であってもよく、異なっていてもよい。
Z:水素原子または式−C(O)O−Q−NHSO2−RFで表される基。
Q:炭素数2〜6の2価飽和炭化水素基。
RF:炭素数1〜12の1価含フッ素飽和炭化水素基または炭素数2〜12のエーテル性酸素原子を含む1価含フッ素飽和炭化水素基。
Q1:炭素数2〜6のアルキレン基。
RF1:炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基。
X:水素原子またはフッ素原子であり、2個のXは同一であってもよく異なっていてもよい。
mおよびn:それぞれ独立に0〜3の整数であり、mとnの和は1〜4の整数である。
Y:水素原子または炭素数1〜12の1価飽和炭化水素基であり、3個のYは同一であってもよく、異なっていてもよい。
ZN:水素原子または式−C(O)O−Q−NH2で表される基。
Q:炭素数2〜6の2価飽和炭化水素基。
Q1:炭素数2〜6のアルキレン基。
<6> 重量平均分子量が1000〜1000000である<5>に記載の重合体。
また、基中の記号は、特に記載しない限り前記と同義である。
mおよびnは、mが1でありnが0または1であるのが好ましく、mおよびnの両方が1であるのが好ましい。
3個のYは、いずれも水素原子であるのが好ましい。なお、炭素数1〜12の1価飽和炭化水素基であるYは、メチル基または1−アダマンチル基であるのが好ましい。
Zは、水素原子であるのが特に好ましい。
Qは、炭素数2〜6のアルキレン基であるのが好ましい。Qは、直鎖状の基であってもよく、分岐状の基であってもよい。
RF1は、−CF3、−CF2CF3、−CF(CF3)2、−CF2CF2CF2CF3、−CF2CF2CF2CF2CF3または−CF2CF2CF2CF2CF2CF3であるのが好ましい。
ZNは、水素原子であるのが特に好ましい。
RFSO2−Wまたは(RFSO2)2Oの具体例としては、下記化合物が挙げられる。
前記反応は、塩基性化合物の存在下に行うのが好ましい。塩基性化合物の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジエチルメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、2,6−ジメチルピリジン、ジメチルアミノピリジン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが挙げられる。塩基性化合物は、化合物(2)に対して、0.5〜30.0倍モル用いるのが好ましく、1.5〜5.0倍モル用いるのが特に好ましい。
化合物(2)またはその塩は、下記化合物(3)(ただし、Zpは水素原子またはカルボキシ基を示す。)と、Q(OH)(NH2)またはその塩とを反応させて製造するのが好ましい。
Zpは、水素原子であるのが特に好ましい。
また、反応収率の観点から、Q(OH)(NH2)中のアミノ基は、保護基(−C(O)OCH3、−C(O)OC(CH3)3等。)で保護されていてもよい。
CH2(C(O)OC(CH3)3)2 (8)、
CY2=CY(CH2)n−Br (7)、
CH(C(O)OC(CH3)3)2((CH2)nCY=CY2) (6)、
CF2=CF(CX2)m−OSO2F (5)、
CF2=CF(CX2)mC(C(O)OC(CH3)3)2(CH2)nCY=CY2 (4)、
CF2=CF(CX2)mC(C(O)OH)2(CH2)nCY=CY2 (32)。
CF2=CF(CX2)mCH(C(O)OH)(CH2)nCY=CY2 (31)。
なお、それぞれの化合物におけるX、m、nおよびYの好ましい範囲は、化合物(1)におけるそれと同様である。
本発明は、化合物(1)を重合させて得られた重合体(以下、本発明の重合体ともいう。)を提供する。化合物(1)は環化重合性の化合物であり、本発明の重合体は、通常は、下式(U1)、下式(U2)および下式(U3)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる1種以上の繰り返し単位(U)を含む含フッ素重合体である。
重合開始剤は、ラジカル重合開始剤が好ましく、過酸化物、アゾ化合物または過硫酸塩がより好ましく、過酸化物が特に好ましい。
重合溶媒の具体例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;メタノール、エタノール、ジアセトンアルコール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−エチルブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール等の炭化水素系アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の炭化水素系ケトン類;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等の炭化水素系エーテル類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の環状脂肪族炭化水素系エーテル類;アセトニトリル等のニトリル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸t−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等の炭化水素系エステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等の塩化炭化水素類;R−113、R−141b、R−225ca、R−225cb等のフッ化塩化炭化水素類、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−トリデカフルオロヘキサン、1,1,1,2,2,3,3,4,4−ノナフルオロヘキサンなどのフッ化炭化水素類;メチル2,2,3,3−テトラフルオロエチルエーテル等のフッ化炭化水素系エーテル類;2,2,2−トリフルオロエタノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロパノール、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンタノール等のフッ化炭化水素系アルコール類が挙げられる。
他の化合物としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のα−オレフィン類;テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ペルフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール、ペルフルオロ(ブテニルビニルエーテル)等の含フッ素オレフィン類;CF2=CFCF2C(CF3)(OH)CH2CH=CH2、CF2=CFCH2CH(C(CF3)2OH)CH2CH=CH2等の化合物(1)または(2)以外の官能基を有するハイドロフルオロジエン類、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリレート類、酢酸ビニル、安息香酸ビニル、アダマンチル酸ビニル等のビニルエステル類;エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル類;シクロヘキセン、ノルボルネン、ノルボルナジエン等の環状オレフィン類;無水マレイン酸、塩化ビニルが挙げられる。ただし、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸とメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとはアクリレートとメタクリレートを意味する。
本発明は、本発明の重合体と有機溶媒とを含む組成物を提供する。
本発明の組成物は、有機溶媒の総質量に対して本発明の重合体を、0.1〜20質量%含むのが好ましく、1〜10質量%含むのが特に好ましい。
本発明の組成物の塗布方法は、特に限定されず、ロールコート法、キャスト法、ディップ法、スピンコート法、水上キャスト法、ダイコート法、およびラングミュア・ブロジェット法が挙げられる。
実施例において、テトラヒドロフランをTHFと、ジクロロペンタフルオロプロパンをR225と、ジイソプロピルパーオキシジカーボネートをIPPと、テトラメチルシランをTMSと、記す。
[例1−1]CF2=CFCF2C(C(O)OH)2CH2CH=CH2(以下、化合物(32)という。)の製造例
反応器に、純度60%のNaH(1.8g)とTHF(80mL)とを入れた後に混合撹拌した。つぎに、反応器に、CH2=CHCH2CH(C(O)OC(CH3)3)2(9.4g)を15分かけて滴下した。滴下に際しては、反応器内温を20℃以下に保持した。そのまま25℃にて、反応器内を75分間撹拌した。
つぎに反応器内温0℃にて、反応器に、CF2=CFCF2OSO2F(8.5g)を25分かけて加えると、反応器内容液は黄変し固体(FSO3Na)が析出した。そのまま反応器内を20時間撹拌した後に、反応器に水(150mL)を加えてクエンチした。
反応器内溶液をt−ブチルメチルエーテル(50mL)で3回抽出した。抽出液を、塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後に濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をカラム精製して、CF2=CFCF2C(C(O)OC(CH3)3)2CH2CH=CH2(5.3g)を得た。
1H−NMR(300.4MHz,溶媒:CDCl3,基準:TMS)δ(ppm):2.97(2H),5.20(1H),5.26(1H),5.89(1H),11.29(2H)。
19F−NMR(282.7MHz,溶媒:CDCl3,基準:CFCl3)δ(ppm):−92.4(1F),−102.6(2F),−105.1(1F),−183.0(1F)。
化合物(32)(2.6g)をトルエン(15mL)と混合し、そのままトルエンを留去した後に、引き続き112〜139℃にて1時間加熱した。さらに、減圧乾燥して、化合物(31)(1.8g)を得た。
1H−NMR(300.4MHz,溶媒:CDCl3,基準:TMS)δ(ppm):2.55(m,1H),2.67(m,1H),3.28(m,1H),5.15(m,1H),5.20(m,1H)5.79(m,1H),11.72(br,1H)。
19F−NMR(282.7MHz,溶媒:CDCl3,基準:CFCl3)δ(ppm):−93.6(1F),−105.4(2F),−108.0(1F),−186.7(1F)。
反応器(内容積100mL、ガラス製)に、化合物(31)(8.0g)、CH2(OH)CH2(NHC(O)OC(CH3)3)(6.16g)およびジクロロメタン(30g)を入れた。反応器内温0℃にて、反応器に、ジシクロヘキシルカルボジイミドを1mol/L含むジクロロメタン溶液(50.5g)をゆっくり滴下した。滴下終了後、25℃にて反応器内を1時間撹拌した。反応器内溶液をろ過して得られたろ液を、濃縮した後にシリカゲルカラムクロマトグラフィー法(展開溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=6:1)にて精製して下記化合物(p21)(13.8g)を得た。
1H−NMR(399.8MHz、溶媒:CDCl3、基準:TMS)δ(ppm):1.44(s,9H)、2.49〜2.71(m,2H)、3.20〜3.29(m,1H)、3.38〜3.39(m,2H)、4.20〜4.24(m,2H)、4.71(s,1H)、5.11〜5.20(m,2H)、5.69〜5.82(m,1H)。
19F−NMR(376.2MHz、溶媒:CDCl3、基準:CFCl3)δ(ppm):−93.5〜−93.8(m,1F)、−104.2〜−106.5(m,2F),−107.7〜−108.6(m,1F)、−186.2〜−186.9(m,1F)。
反応器(内容積200mL、ガラス製)に、例2で得た化合物(21)のトリフルオロ酢酸塩(16.9g)およびジクロロメタン(10g)を入れた。反応器内温0℃にて、反応器に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(2.19g)をジクロロメタン(10g)に希釈させてなる溶液をゆっくり滴下した。滴下終了後、さらに、反応器に、ジイソプロピルエチルアミン(3.01g)をジクロロメタン(10g)に希釈させてなる溶液をゆっくり滴下した。滴下終了後、そのまま反応器内を1時間撹拌した後に、反応器に2mol/Lの塩酸(20g)を添加した。つぎに反応器内溶液を分液して回収した有機層を飽和食塩水で2回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後に濃縮し、得られた濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー法(展開溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=4:1)にて精製して下記化合物(11)(2.1g)を得た。
1H−NMR(399.8MHz、溶媒:CDCl3、基準:TMS)δ(ppm):δ(ppm):2.49〜2.70(m,2H)、3.23〜3.36(m,1H)、3.62〜3.68(m,2H)、4.31〜4.35(m,2H)、5.11〜5.20(m,2H)、5.68〜5.81(m,1H)、6.76(s,1H)。
19F−NMR(376.2MHz、溶媒:CDCl3、基準:CFCl3)δ(ppm):−76.7(s,3F)、−93.1〜−93.4(m,1F)、−103.0〜−107.5(m,2F)、−107.5〜−108.3(m,1F)、−186.5〜−187.2(m,1F)。
耐圧反応器(内容積30mL、ガラス製)に、化合物(11)(1.0g)および酢酸エチル(7.0g)を仕込み、50質量%のR225溶液としてIPP(0.667g)を仕込んだ。反応器内を減圧脱気した後に、40℃にて18時間重合反応を行った。反応器内溶液をヘキサン中に滴下して得られた固形物を回収し、60℃にて24時間真空乾燥して重合体(11)(0.93g)を得た。
重合体(11)は下式(U11)、下式(U21)および下式(U31)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる1種以上の繰り返し単位(11)を含む重合体であり、アセトン、THF、酢酸エチル、メタノールのそれぞれに可溶であった。
サンプル瓶中にて、重合体(11)をPGMEAに溶解させて、重合体(11)を4質量%含む樹脂溶液を得た。樹脂溶液をシリコンウエハー上に回転数1500rpmにてスピンコートした後に、シリコンウエハーを100℃にて60秒間でベークして、重合体(11)の被膜が形成されたシリコンウエハを得た。
つづいて、該被膜の水に対する、静的接触角、転落角、前進角および後退接触角を、滑落法により測定した結果、静的接触角は73°、転落角は29°、後退接触角は51°、前進接触角は82°であった。
Claims (6)
- 下式(1)で表される化合物を重合させて得られた重合体。
X:水素原子またはフッ素原子であり、2個のXは同一であってもよく異なっていてもよい。
mおよびn:それぞれ独立に0〜3の整数であり、mとnの和は1〜4の整数である。
Y:水素原子または炭素数1〜12の1価飽和炭化水素基であり、3個のYは同一であってもよく、異なっていてもよい。
Z:水素原子または式−C(O)−Q−NHSO2−RFで表される基。
Q:単結合または炭素数2〜4のオキシアルキレン基。
RF:炭素数1〜12の1価含フッ素飽和炭化水素基または炭素数2〜12のエーテル性酸素原子を含む1価含フッ素飽和炭化水素基。 - 重量平均分子量が1000〜1000000である請求項5に記載の重合体。
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