JP2009096032A - セメント混和材包装体、その製造方法、及びセメント混和材の添加方法 - Google Patents

セメント混和材包装体、その製造方法、及びセメント混和材の添加方法 Download PDF

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Abstract

【課題】短繊維を充填した包装体を、そのままセメント混和材として、直接添加できるセメント混和材包装体、及びその製造方法、モルタル又はコンクリートへの添加方法を提供すること。
【解決手段】外側に水解紙を配した水溶性フィルムからなる包装材料で形成された容器中に、短繊維を含むセメント混和材を充填したことを特徴とするセメント混和材包装体、及び含水状の短繊維を含むセメント混和材を、外側に水解紙を配した水溶性フィルムからなる包装材料で形成された容器中に充填し、容器の開口部をシールするか又はシールすることなく、集積保管し、短繊維が内包する水分が含水率20%以下になるまで揮散せしめることを特徴とするセメント混和材包装体の製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、セメント混和材包装体、その製造方法、及びセメント混和材の添加方法に関する。
繊維を添加した繊維補強のモルタル及びコンクリート、爆裂防止用繊維を添加した高強度コンクリート成形体、構造物等は、各種の建築材料や土木材料として広く使われており、定められた添加量の繊維を、モルタルやコンクリート中に均等に分散することが重要である。モルタル又はコンクリートヘの繊維の添加方法としては、モルタル又はコンクリートのセメントスラリーをミキシングプラントで練り混ぜる時点で、ミキサヘ投入するのが一般的である。
ミキシングプラントにおけるような専用の計量・投入装置を使用せずに繊維を計量し、少量ずつ投入するには人手、手間、時間がかかり、安全性の他、計量や投入時に繊維等の混和材がこぼれたり、飛び散ったりして汚れる等作業環境にも問題がある。そのため前もって所定量の繊維を、スラリー内の水分で溶解ないしは崩壊する高分子等からなるシートで包装しておき、梱包したまま投入する提案がなされている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、混和用短繊維は、生産性の点から湿式法にて後延伸し、これを短繊維状に切断、しかる後、乾燥処理、梱包処理をしようとすると、混和用短繊維は、通常の繊維のように捲縮を有していないため取扱いが難しい。そのため、湿式法で製造した短繊維は、乾燥工程を経ることなく直接梱包することが製造上望ましく、この場合当然水分を含んでいるので、特許文献1記載の如き水で溶解ないしは崩壊する高分子等からなるシートを用いて、含水短繊維を直接包装することはできない。このように、特許文献1に記載の如き水で溶解ないしは崩壊する高分子等からなるシートでは、僅かな水分でもシートがべたつき、特に15%以上の含水短繊維では、シートが極端に弱くなり、取り扱い不能になったり、破損したりする。つまり、セメント混和材として、モルタル又はコンクリートに直接投入可能な包装体は、含水短繊維を充填すれば、当該繊維の水分によっても、包装体が極端に弱くなり、取り扱い不能になったり、破損したりするとういう基本的な矛盾をはらんでいる。
以上、従来においては、含水短繊維、とりわけ短繊維製造工程において15%以上の水分を含む短繊維をセメント混和材としてモルタル又はコンクリートに投入できる包装体とする技術は提案されていない。
特開2000−302493号公報
本発明は、上記の矛盾する問題点を克服するためになされたものであって、含水状の短繊維を充填した包装体となし、その後、これをセメント混和材として、直接投入添加できるセメント混和材包装体、及びその製造方法、モルタル又はコンクリートへの添加方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、この矛盾する問題点を克服するため鋭意検討を行なった結果、外側に水解紙を配した水溶性フィルムからなる包装材料で形成された容器であれば、含水状の短繊維を含むセメント混和材を充填しても、最終的に直接添加使用できる包装体とすることができることを見出した。
すなわち、本発明は、
(1)外側に水解紙を配した水溶性フィルムからなる包装材料で形成された容器中に、短繊維を含むセメント混和材を充填したことを特徴とするセメント混和材包装体、
(2)包装材料の水溶性フィルムがポリビニルアルコール系水溶性樹脂からなる前記(1)記載のセメント混和材包装体、
(3)容器を水溶性フィルムと水解紙を重ね合わせて袋状に形成してなる前記(1)又は(2)記載のセメント混和材包装体、
(4)水溶性フィルムにエンボス加工が施されてなる前記(1)〜(3)のいずれかに記載のセメント混和材包装体、
(5)含水状の短繊維を含むセメント混和材を、外側に水解紙を配した水溶性フィルムからなる包装材料で形成された容器中に充填し、容器の開口部をシールするか又はシールすることなく、集積保管し、短繊維が内包する水分が含水率20%以下になるまで揮散せしめることを特徴とするセメント混和材包装体の製造方法、及び
(6)前記(1)〜(4)のいずれかに記載のセメント混和材包装体をモルタル又はコンクリートスラリー内に投入することを特徴とするセメント混和材の添加方法、
を提供するものである。
本発明のセメント混和材包装体は、モルタル又はコンクリートの調合時にこのセメント混和材包装体を直接添加(投入)すれば、包装材料としての、水解紙はセメントの混和水によって解離分散し、水溶性フィルムは溶解し、内部に充填された短繊維を含むセメント混和材がモルタル又はコンクリート中に拡散混合されて、その性能を発現できる状態とすることができる。このため、従来のごとく、現場で混和材としての繊維を正確に計量して、投入する作業を要せず、モルタル又はコンクリートの混練作業の省力化、作業環境の改善を図ることができる。
本発明のセメント混和材包装体の製造方法は、量産に適した湿式延伸法による含水状の短繊維であっても、延伸、短繊維カット後に乾燥工程や計量・梱包工程を経る必要がないので、短繊維や、捲縮を有しない繊維であることによる取り扱い難さを回避して、セメント混和材包装体とすることができ、製造工程の省力化と、エネルギーコストの低減を図ることができる。
本発明のセメント混和材包装体は、外側に水解紙を配した水溶性フィルムからなる包装材料で形成された容器中に、短繊維を含むセメント混和材を充填したことを特徴とする。
本発明のセメント混和材包装体に使用可能な水溶性フィルムとしては、水中で溶解ないし崩壊する材料として、たとえば、水溶性ポリビニルアルコール系材料やポリアクリル酸ナトリウム、プルラン等の微生物多糖類等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
飽和吸水率が高いなどの観点からポリビニルアルコール系水溶性樹脂からなる水溶性フィルムが好ましい。水溶性ポリビニルアルコール系フィルムとしては、5℃の冷水でも可溶な冷水可溶性タイプ(以下、「Aタイプ」ということがある。)や、25℃の温水に可溶な温水可溶タイプ(以下、「Bタイプ」ということがある。)等を挙げることができるが、本発明のセメント混和材包装体においては、いずれも使用することができる。なお、ポリビニルアルコールの溶解温度は、一般に分子量やけん化度等と関連する。
水溶性フィルムの厚みとしては、ポリビニルアルコール系フィルムの場合、厚くなれば取扱易いが、非重量物用の25μm〜50μmの範囲では、取り扱い上の差はほとんどなく、これらの厚みの範囲が包装材料としてのコストの観点からも好ましい。
水溶性フィルムの外側に配される水解紙は、モルタルやコンクリートに包装体を添加(投入)して混合した場合の分散性の観点から、トイレットペーパーのように、日本工業規格JIS P 4501の「ほぐれやすさ」に適合していることが望ましい。坪量の影響において、市販の19g/m2以上であれば包装時及び保管時には差はないが、投入時の取扱いにおいて、引き剥がす必要がある場合の剥がし易さでは差が発生し、水溶性フィルムとの癒着がしにくいという点で、坪量25g/m2以上がより好ましい。
水解紙のパルプは、モルタルやコンクリート混合物内に残る。その繊維状物(パルプ)がモルタル/コンクリートの硬化後、ひび割れ防止に効果があるとの提案もあるが、できるだけ不純物を除きたい場合もあり、その場合は、取扱いが可能な程度迄水分が放出するまで放置した後、外側の紙を剥がして投入すればよく、その場合は、水解紙の目付けが大きいほど容易に剥がすことができる。
なお本発明においては、外側に水解紙を配された水溶性フィルムからなる包装材料で形成された容器中に充填された、含水率15%以上の短繊維を含むセメント混和材の水分が水溶性フィルム層に浸入・膨潤した際、外側に接する水解紙によって水分は速やかに吸収・拡散される。紙側に移動した水分は外気に開放されているため速やかに放出され、水溶性フィルムをゲル状態に保ち、破損に至るゾル状になるのを防止しする。すなわち、水溶性フィルムの外側に配される水解紙は、水溶性フィルム表面から水分を速やかに吸収し、放散させる層として作用すると共に、水分で膨潤し弱くなった水溶性フィルムの補強材として作用し破損を防止する。
従って、水溶性フィルムが強度を保持できる程度に乾燥した後、すなわち、内部の短繊維を含む混和材を投入する時点では、外側の水解紙は、そのパルプを特にモルタル又はコンクリートの混和材として機能させる場合以外は、取り除いてもよいのである。
また、外装の紙は、膨潤し表面がべとついたフィルムをカバーし、包装体として取り扱い易くする効果もある。
本発明のセメント混和材包装体において、セメント混和材としての短繊維としては、特開2000−302493号公報に記載されているような爆裂防止繊維としてのポリオレフィン系繊維又はポリビニルアルコール系繊維や、一般的な繊維補強コンクリートに使用されるビニロン繊維、ガラス繊維、炭素繊維等の5〜40mmの繊維長に切断した短繊維であって、当該短繊維の製造工程又は、界面活性剤等の水溶液処理によって、水分を含んでいる状態で、袋状等の容器に充填される短繊維状のセメント混和材を対象とする。
短繊維の含水率は、水溶性フィルムが当該短繊維の水分により破損が発生する含水率が下限、短繊維内に水分を遊離することなく保持できる含水率(最大含水率)が上限である。
ポリプロピレン短繊維においては、15%以上の水を含む短繊維を水溶性フィルムのみ、又は水解紙のみで作った袋に入れると袋は崩壊するが、本願の内側に水溶性フィルム、外側に水解紙を配置した複合袋の場合は、最大60%の水を含んだ短繊維を入れても、袋は崩壊せず、安定に保管できることが確認された。外側の水解紙は必ずしも袋状になっている必要はなく、内袋の外側に配置されているだけよい。
含水率15%未満の短繊維の場合は、親水性の劣る合成繊維であっても、界面活性剤等で親水化処理されておれば、繊維表面に水分を薄く保持し、繊維が水溶性フィルムに接触しても特別な外力を加えなければ水溶性フィルムがゾル化して破れることはない。含水量が多くなり、繊維表面での水分保持量を超え、水分が遊離する状況になると、当該遊離水と接触する水溶性フィルムがゾル化してしまうので、外に水解紙を添えても袋は崩壊する。
水分が遊離することの無い最大含水率は、繊維材質、繊度、親水性処理等に影響されるが、例えばポリプロピレン、17デシテックス(径49μm)繊維長10mm、親水性界面活性剤0.4%付着では、含水率60%でも遊離しない。遊離しない最大含水率は、親水性が高く、繊度が小さくなるほど高くなる。
本発明の包装体中には、、フレッシュコンクリートの流動性、空気量の変動を制御する目的で、混和剤を加えることもできる。この場合に、加えることのできる混和剤としては、高性能AE減水剤、高性能減水剤、流動化剤、空気連行剤、消泡剤、収縮低減剤、膨張剤、ポリマー混和剤等の市販の化学混和剤を挙げることができる。
また、短繊維の水分の影響を受ける混和剤では、水分の影響は受けず、モルタル等の混和水又は撹拌力等で開封する容器につめて、短繊維と一緒に充填すればよい。
本発明のセメント混和材包装体において、外側に水解紙を配した水溶性フィルムからなる包装材料で形成された容器の形態としては、箱状、袋状等が一般的であるが、加工性、空袋の保管性、短繊維の充填のし易さ等の観点から、袋状とするのが好ましい。
外側に水解紙を配した水溶性フィルムが熱融着可能なポリビニルアルコール系樹脂であれば、外側からの熱圧着でフィルム同士、及びフィルムと水解紙の熱融着で容易に袋が作製でき、袋にセメント混和材を充填した後、熱圧着で封をすることができ、充填、シール作業が容易である。
なお、水解紙は、外袋状になっているのが好ましいが、必ずしも水溶性フィルムと一体となっている必要はなく、水溶性フィルムによる袋の外側に添設されているだけでもよい。
水溶性フィルムには、エンボス加工を施すことができる。エンボス加工とは、フィルムの表面に凹凸加工を施すことを意味し、当該凹凸の存在によって、セメント混和材としてモルタル又はコンクリートに投入時に、水解紙を剥離する必要がある場合に剥がしやすく、省力化を図ることができる。なお、水溶性フィルムの表面がフラットかエンボス加工を施したかで、セメント混和材としての短繊維を充填後、保管時の影響は少ないが、上述の如く、投入時の取扱いに差が発生する。また、エンボスの有無により、水溶性樹脂の影響としてポリビニルアルコール系樹脂の場合、モルタル/コンクリートスラリー内で溶けるタイプの範囲では差はない。
エンボスの形態としては、大きさ0.5mm角の凹凸を0.625mm程度の所定ピッチで施したもの(10mm角内に16×16個)を挙げることができる。
さらに、以上の作用から推測されるように、水分が速やかに外部に放散され易くするため及び投入時の扱いも含め(後述)、水溶性フィルム及び水解紙にエンボス加工がなされているこれが望ましい。
本発明のセメント混和材包装体の製造方法は、含水状の短繊維を含むセメント混和材を、外側に水解紙を配した水溶性フィルムからなる包装材料で形成された容器中に充填し、要すれば容器開口部をシールして、集積保管して、短繊維が内包する水分を、取り扱いが可能な程度の含水率となるまで揮散せしめることを特徴とする。
本発明のセメント混和材包装体の製造方法では、短繊維が内包する含水率が15%以上のものを対象とするのが好ましい。その理由は、短繊維の含水率が15%未満では、水溶性フィルムのみからの包装体としても袋詰め及び取り扱いが可能であるが、含水率が15%を超えると共に不可能となるからである。
本発明のセメント混和材包装体の製造方法では、外側に水解紙を配する(添える)ことによって、内包する含水率が60%までの短繊維の袋詰めが可能となり、さらに、袋詰め後の取扱いは、短繊維が内包する含水率が20%以下になれば可能となる。
短繊維には、前述のごとく、短繊維の製造工程、あるいは油剤処理工程等で水分が付着含水する。例えば延伸工程での延伸槽中での温水や、蒸気による含水、繊維の表面処理のための油剤槽浸漬やスプレー等によって含水する。そして、これらの製造工程における水分は、延伸工程では、延伸ローラー、油剤槽出口では絞りローラーで水分はある程度除去され、繊維束の単繊維間に保持された水分が、含水率となる場合や、繊維束をカッターにより短繊維カットするに際して、切断しやすくするため水をスプレーしながらカットする方式もあり、この水分が含水率となる場合もある。
繊維長5〜40mmに切断して短繊維化するためのカッターは、通常の繊維の製造に使用できるロータリー式カッター等を使用できる。
外側に水解紙を配した水溶性フィルムからなる包装材料で形成された容器(以下、「本発明の袋等」ということがある。)に、前記含水状の短繊維を充填するには、カッターから落下する短繊維をコンベヤーで受けて、秤量装置で所定重量を計量し、これを空の本発明の袋等に充填し、開口部を熱シールする等して、本発明のセメント混和材包装体とする。
なお、袋等への短繊維の充填時に、必要に応じて、他のセメント用混和剤を同時に充填することができる。また、容器開口部のシールは、必ずしも充填直後にする必要はなく、含水分を開口部から揮散させた後にシールしてもよい。
短繊維が充填された包装体は、パレット等に並べて載置され、短繊維の水分が包装材料の表面を通して揮散され、取り扱いが可能な状態になるまで、なるべく静置状態で保管される。
保管には、換気装置、加温装置等を備えた専用室(倉庫)を用いれば、湿度上昇による他の物質や、室環境への影響を回避できるので好ましい。
保管期間は、保管室の湿度にもよるが、調湿することなく室温で保管する場合、含水率50%のポリプロピレン系短繊維で、概ね2〜5日間である。
上記水溶性フィルムと水解紙からなる袋に、含水短繊維を含む混和材を計量、充填し、保管するに際しては、上記作用から考え適切な方法をとることが望ましい。フィルム、紙を通して外部に速やかに水分を放出させる事が重要であり、外気の湿度は低く、水分を吸収・放出し易いように、ダンボールシートや新聞紙の上に置くのが望ましい。
混和材を袋詰したあと、不純物の混入を避けるため、あるいは取扱い易さや、投入時に混和材が飛び散らないように袋を閉じることが好ましい。フィルム全面から水分が放出されるため、封をしてもしなくても水分の放出速度に差はない。
本発明のセメント混和材の添加方法は、本発明のセメント混和材包装体から充填物を取り出すことなく、当該セメント混和材料包装体をモルタル又はコンクリートスラリー内に直接投入することを特徴とする。本発明のセメント混和材包装体の包装材料は、水溶性なので、モルタル又はコンクリートスラリーで溶解し、内部に充填された短繊維が、混和材としての機能が発現できるようにスラリー中に分散される。
本発明の混和材入りの本発明の包装体をモルタルやコンクリートスラリーに投入する際には、包装体として投入作業ができる程度までに、短繊維の含水率が低下していることが望ましい。
特に、30%を超える高含水率短繊維を袋詰めした時は、含水率が20%以下になるまで乱暴に取り扱わないことが望ましく、従って、モルタルやコンクリートスラリーへの投入は短繊維の含水率が20%以下の段階で投入することが望ましい。
モルタルやコンクリートスラリーに投入して練り混ぜる際に、水溶性フィルムは溶解消滅するが、水解紙のパルプはモルタルやコンクリート混合物内に残る。その繊維状物(パルプ)がモルタル/コンクリートの硬化後、ひび割れ防止に効果があるとの提案もあるが、水解紙のパルプ繊維が、成型体や構造物に悪影響を及ぼす場合には、外側の水解紙を剥がして投入すれば良い。
なお、混和材としての繊維の使用量は、モルタル又はコンクリートスラリーに対して、爆裂防止用で1kg/m3、ひび割れ防止用で200〜300g/m3程度であるから、
混和材包装体として100〜600g/個であれば、添加投入作業の単位として適している。
以下、本発明を実施例及び比較例により説明するが、本発明はこれらの実施例になんら限定されるものではない。
補強用繊維混和材として、短繊維を収納するための容器として、正味140〜200gを収納可能な幅18cm×高さ(深さ)13cmの袋、及び正味400g収納する可能な幅20cm×高さ(深さ)18cmの袋を、水溶性フィルムとしてポリビニルアルコールフィルムのタイプ、厚み、エンボスの有無、水解紙の坪量(目付け)等の異なるものを組み合わせて作製した。具体的には、短繊維、包装材料、袋として、以下のものを準備し、実施例及び比較例を行った。なお、袋は、幅×高さ(深さ)の2倍の大きさの長方形の包装材料を準備し、これを高さ方向に2つ折りして、両側部をヒートシールすることにより形成した。外周に水解紙を配する場合も、水溶性フィルムと水解紙を重ね合わせ、同様にヒートシールして袋を形成した。
1)短繊維
i)ポリプロピレン繊維(宇部日東化成(株)製、繊度;17dtex、繊維長;10mm、活性剤付着量0.4%、繊維物性;破断強度 4.0cN/dtex、破断伸度 150%)、含水率10〜45%、ii)ポリプロピレン繊維(宇部日東化成(株)製、、繊度;2.2dtex、繊維長;5mm、活性剤付着量0.5%、繊維物性;破断強度5.5cN/dtex、破断伸度50%)、含水率30〜90%、iii)ナイロン6繊維(アストン(株)製、商品名アストロン)、繊度;10dtex、繊維長;10mm
2)包装材料
水溶性フィルム:ポリビニルアルコールフィルム;i)日本合成化学工業(株)製、商品名ハイセロン、厚み(μm);25及び40(エンボス付き)、50(フラットタイプ)、水溶性のタイプ:Aタイプ;冷水(5℃)可溶性、Bタイプ;温水(25℃)可溶性
ii)(株)クラレ製、商品名クラリア、厚み35μm、フラットタイプ、水溶性のタイプ:Aタイプ
3)水解紙
イ;トイレットペーパー(坪量19g/m2、厚み0.080mm)、ロ;水解紙(坪量32g/m2、厚み0.068mm)
4)袋の大きさ
ニ;内容量約150g、幅18cm×高さ(深さ)13cm、ホ:内容量約300g、幅20cm×高さ(深さ)18cm
実施例1〜4、比較例1〜7
湿式延伸法で製造され短繊維化された含水率25%の前記ポリプロピレン繊維375g(正味短繊維質量:300g)を表1に示す水溶性フィルムと水解紙との組み合わせにより作製した袋に充填し、開口部をシールした包装体を作製し、これを3日保管して、包装体の外観、性状を観察した。結果を表1に示す。
Figure 2009096032
表1に結果を示すように、実施例1〜4の包装体は3日経過後も水溶性フィルムや、外周の水解紙の破損はなく、安定して保管できる。一方、水溶性フィルムのみとした比較例1〜5は、フィルム厚みや、エンボスの有無にかかわらず、いずれもフィルムが破損し、安定保管ができなかった。また、水解紙のみにより袋を形成した比較例6では水解紙が、袋の内側を水解紙、外側を水溶性フィルムとした比較例7では、内側の水解紙を含めて破損し安定保管ができなかった。なお、比較例5は、水溶性フィルムの可溶性がBタイプ(温水可溶タイプ)、でエンボスを施しているが、安定保管をすることはできなかった。
比較例8〜10、及び11〜13
繊度17dtex、繊維長10mmの上記実施例と同一のポリプロピレン短繊維の正味150gの包装体とする場合、含水率と包装材料との関係を確認した。先ず、含水率10%の短繊維と水溶性フィルム単独(比較例8、10)、又は水解紙単独の場合(比較例9)の、保管性について、表2に結果を示す。また、含水率を15%の短繊維と水溶性フィルム単独(比較例11、13)、又は水解紙単独の場合(比較例12)の、保管性について表3に結果を示す。
Figure 2009096032
Figure 2009096032
表2の示すように、含水率10%のポリプロピレン短繊維では、水溶性フィルムのみあるいは水解紙のみでも安定保管が可能であった。
また、含水率15%になると、表3に示すように、25μmの水溶性フィルムにエンボスを施した場合のみ、水溶性フィルムのみでも安定保管が可能であった。エンボスが短繊維と水溶性フィルムの密着を阻害し、水分の拡散を容易にすると共に、フィルム表面積増大で空気中への蒸発を速めたことによると思われる。
実施例5〜7、及び8〜10
実施例1〜4と同じ短繊維を使用し、実施例5〜7においては含水率35%、実施例8〜10においては含水率45%の場合の包装材料の構成と保管性について検討した。
結果を表4及び表5に示す。さらに、実施例8〜10については、袋上部を熱シールした場合及び開放した場合の経過日数による質量変化を測定した。結果を表6に示す。
Figure 2009096032
表4に結果を示すように、水溶性フィルムの表面にエンボスを有する実施例5では、水解紙との癒着はないが、水溶性フィルムにエンボスを施さないフラット状態の実施例6及び7では、水解紙と水溶性フィルムとが癒着し、完全には引き剥がすことができなかった。
Figure 2009096032
表5に結果を示すように、含水率45%のポリプロピレン短繊維を内層に水溶性フィルム、外層に水解紙を配した袋に232g(正味重量:160g)充填し、袋開口部を熱シールした実施例8、及び開口部を開放状態で保管した実施例9、10とも安定保管が可能であった。
また、表6に示すように経過日数ごとの質量変化を見たが、実施例8と9の比較から、袋上部を熱シールした場合と、開放した場合の水分の減量には差がないことが判明した。
すなわち、水溶性フィルム及び水解紙層を通して水分が揮散していることがわかる。さらに、実施例9と実施例10との比較から、坪量が低い水解紙では、紙が水溶性フィルムと癒着し易いことが判った。
Figure 2009096032
実施例11、12
実施例8に使用した包装材料を使用し、正味短繊維重量160gタイプの袋を準備し、2.2dtex、繊維長5mm、界面活性剤処理済のポリプロピレン短繊維(宇部日東化成(株)製)を含水率30%として充填した実施例11、及び10dtexで繊維長10mmのナイロン6繊維(アストン(株)製)を含水率30%として充填した実施例12について、共に袋上部開放状態での保管性を検討した。いずれも、安定保管状態であった。
実施例13、14、及び比較例14
本発明のセメント混和材包装体において、混和材がポリプロピレン短繊維の場合における含水率の上限を見極めるため、実施例8に使用した包装材料を使用し、正味短繊維重量160gタイプの袋を準備し、17dtex、繊維長10mmで含水率60%の実施例13及び2.2dtexで、繊維長5mmで含水率60%の実施例14、及び2.2dtexで、繊維長5mmで含水率90%の比較例14により安定保管の可否を検討した。
含水率60%のポリプロピレン短繊維において、実施例13、14共に安定保管がされていた。しかし、水溶性フィルムと水解紙とは癒着し、完全には分離できなかった。
一方、含水率90%の比較例14では、水が遊離し、その水分により、水溶性フィルム及び水解紙が破損し、短繊維が一部露出していた。
本発明のセメント混和材包装体及びセメント混和材の添加方法は、外側に水解紙を配した水溶性フィルムからなる包装材料で形成された容器中に、短繊維を含むセメント混和材を充填しているので、モルタル又はコンクリートの調合時にこのセメント混和材包装体を直接投入すれば、水解紙はセメントの混和水によって解離分散し、水溶性フィルムは溶解し、内部に充填された短繊維を含むセメント混和材がモルタル又はコンクリート中に拡散混合されて、その性能を発現できる状態とすることができる。従って、従来のごとく、現場で混和材としての繊維を正確に計量して、投入する作業を要せず、モルタル又はコンクリートの混練作業の省力化、作業環境の改善を図ることができるセメント混和材の添加方法として有効に利用できる。
本発明のセメント混和材包装体の製造方法は、外側に水解紙を配した水溶性フィルムからなる包装材料で形成された容器中に、含水率15%以上の短繊維を含むセメント混和材を直接充填できるので、量産に適した湿式延伸法による含水状の短繊維であっても、延伸、短繊維カット後に乾燥工程や計量・梱包工程を経る必要がないので、短繊維や、帯電した繊維であることによる取り扱い難さを回避して、製造工程の省力化と、エネルギーコストの低減を図ることができるセメント混和材包装体の製造方法として有効に利用できる。

Claims (6)

  1. 外側に水解紙を配した水溶性フィルムからなる包装材料で形成された容器中に、短繊維を含むセメント混和材を充填したことを特徴とするセメント混和材包装体。
  2. 包装材料の水溶性フィルムがポリビニルアルコール系水溶性樹脂からなる請求項1記載のセメント混和材包装体。
  3. 容器を水溶性フィルムと水解紙を重ね合わせて袋状に形成してなる請求項1又は2記載のセメント混和材包装体。
  4. 水溶性フィルムにエンボス加工が施されてなる請求項1〜3のいずれかに記載のセメント混和材包装体。
  5. 含水状の短繊維を含むセメント混和材を、外側に水解紙を配した水溶性フィルムからなる包装材料で形成された容器中に充填し、容器の開口部をシールするか又はシールすることなく、集積保管し、短繊維が内包する水分が含水率20%以下になるまで揮散せしめることを特徴とするセメント混和材包装体の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載のセメント混和材包装体をモルタル又はコンクリートスラリー内に投入することを特徴とするセメント混和材の添加方法。
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