JP2009095375A - クッション - Google Patents

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Abstract

【課題】支持対象物に応じて各エアーセルの高さ寸法や形状を容易に変更することができ、しかも隣接するエアーセルの上端部同士の間に生ずる隙間を小さくすることのできるクッションを提供する。
【解決手段】各エアーセル10の側面部11には互いに周方向に間隔をおいて複数の凹状部11aが設けられ、側面部11の外周面の周長が開口縁部13の外周面の周長に対して同等以上となるように形成されているので、各エアーセル10を膨張させると、各エアーセル10の側面部11がその周長に応じた位置まで径方向外側に広がる。また、各凹状部11aの大きさを適宜設定することにより、側面部11の周長を任意に設定可能であることから、隣接するエアーセル10の上端部12同士の間に生ずる隙間を小さくすることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば車椅子の着座面や病院のベッドに載置され、着座者や患者に発生する褥瘡を防止するために用いられるクッションに関するものである。
一般に、この種のクッションとしては、それぞれ上方に向かって延びる袋状に形成されるとともに下端に開口部を有する複数のエアーセルと、各エアーセルが互いに水平方向に並んで配置されるように各エアーセルの開口縁部が着脱自在に取付けられるベース部材と、各エアーセルの開口縁部をベース部材に押付け、各エアーセルの開口縁部とベース部材との隙間を閉鎖するとともに、各エアーセルをベース部材に保持する押付部材と、各エアーセル内を連通させる空気通路とを備え、各エアーセルによって例えば患者を支持するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2007−044492号公報
ところで、前記クッションでは、各エアーセルが患者の体形や体重に応じて上下方向に潰れるとともに、各エアーセル内の空気圧が空気通路を介して互いに略等しくなり、各エアーセルと患者との接触圧を分散させるようになっている。また、各エアーセルがベース部材に着脱自在に取付けられているので、患者の体形や体重に応じて各エアーセルの高さ寸法や形状等を変更することができ、各エアーセルと患者との接触圧をより均一に分散させることができる。
しかしながら、前記クッションでは、各エアーセルを着脱する際に押付部材を着脱する必要があり、押付部材を着脱する分だけ各エアーセルの高さ寸法や形状の変更に手間がかかるという問題点があった。
また、各エアーセルは側面部が単に上下方向に延びる筒状に形成されているので、隣接するエアーセルの上端部同士の間に隙間が生じ、隙間が生じる分だけ患者と各エアーセルとの接触面積が小さくなり、患者に加わる圧力を効果的に分散させる上で好ましくないという問題点があった。
ここで、隣接するエアーセルの上端部同士の間に生ずる隙間が小さくなるように、各エアーセルの側面部の外径を大きくすることも可能であるが、側面部の外径を大きくすると側面部によって各エアーセルの下端の開口縁部が見難くなり、各エアーセルの開口縁部をベース部材に取付け難くなるという問題点があった。
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、支持対象物に応じて各エアーセルの高さ寸法や形状を容易に変更することができ、しかも隣接するエアーセルの上端部同士の間に生ずる隙間を小さくすることのできるクッションを提供することにある。
本発明は前記目的を達成するために、上下方向に延びる筒状に形成されるとともに可撓性の薄膜から成る側面部と、側面部の上端を閉鎖するように形成されるとともに可撓性の薄膜から成る上端部と、側面部の下端に設けられた可撓性の開口縁部とを有する複数のエアーセルと、各エアーセルが互いに略水平方向に並ぶように着脱自在に取付けられるベース部材とを備え、各エアーセルによって任意の支持対象物を支持するクッションにおいて、前記各エアーセルにそれぞれ対応するようにベース部材に設けられ、それぞれ上方に向かって開口するように形成された複数の取付穴と、各エアーセルの側面部に互いに周方向に間隔をおいて配置され、側面部を形成する薄膜の周方向所定範囲をエアーセルが萎んでいる状態で上下方向所定範囲に亘って径方向内側に突出するように形成して成る複数の凹状部とを備え、各エアーセルの開口縁部の外周面が各取付穴の内周面にそれぞれ嵌合するとともに下方から係止することにより、各エアーセルがベース部材に着脱自在に取付けられるように構成し、各エアーセルを、側面部の外周面の周長が開口縁部の外周面の周長に対して同等以上となるように形成している。
これにより、各エアーセルはベース部材に着脱自在に取付けられることから、各エアーセルをそれぞれ高さ寸法や形状の異なる他のエアーセルに任意に交換することができる。また、ベース部材には各エアーセルにそれぞれ対応する複数の取付穴が設けられるとともに、各取付穴は上方に向かって開口するように形成され、可撓性の開口縁部の外周面が取付穴の内周面に嵌合することにより、各エアーセルがベース部材に着脱自在に取付けられることから、例えば各エアーセルによって支持対象物を支持する際に、各エアーセル内の空気圧が高くなると、開口縁部の外周面が取付穴の内周面に押付けられる。このため、エアーセルをベース部材に取付けるための部材を別途設けなくても、開口縁部の外周面と取付穴の内周面との間から空気漏れが容易に生ずることがない。また、開口縁部の外周面が取付穴の内周面に下方から係止することにより、各エアーセルがベース部材に着脱自在に取付けられることから、エアーセルをベース部材に取付けるための部材を別途設けなくても、開口縁部が取付穴から容易に外れることがない。
また、各エアーセルの側面部には互いに周方向に間隔をおいて複数の凹状部が設けられ、各凹状部は側面部を形成する薄膜の周方向所定範囲をエアーセルが萎んでいる状態で上下方向所定範囲に亘って径方向内側に突出するように形成して成り、側面部の外周面の周長が開口縁部の外周面の周長に対して同等以上となるように形成されているので、各エアーセルを膨張させると、各エアーセルの側面部がその周長に応じた位置まで径方向外側に広がる。
さらに、各エアーセルの側面部には互いに周方向に間隔をおいて複数の凹状部が設けられ、各凹状部は側面部を形成する薄膜の周方向所定範囲をエアーセルが萎んでいる状態で径方向内側に突出するように形成して成ることから、各エアーセルをベース部材に着脱する際に、各エアーセルの側面部が開口縁部に対して径方向外側に大きく突出していることがない。
本発明によれば、各エアーセルをそれぞれ高さ寸法や形状の異なる他のエアーセルに任意に交換することができ、また、エアーセルをベース部材に取付けるための部材を別途設けなくても、開口縁部の外周面と取付穴の内周面との間から空気漏れが容易に生ずることがなく、開口縁部が取付穴から容易に外れることもないので、支持対象物に応じて各エアーセルの高さ寸法や形状を容易に変更することができ、各エアーセルと支持対象物との接触圧を効果的に分散させる上で極めて有利である。
また、各エアーセルを膨張させると、各エアーセルの側面部がその周長に応じた位置まで径方向外側に広がり、また、各凹状部の大きさを適宜設定することにより、側面部の周長を任意に設定可能であることから、隣接するエアーセルの上端部同士の間に生ずる隙間を小さくすることができ、各エアーセルと支持対象物との接触圧を効果的に分散させる上で極めて有利である。
さらに、各エアーセルをベース部材に着脱する際に、各エアーセルの側面部が開口縁部に対して径方向外側に大きく突出していることがないので、各エアーセルの開口縁部を取付穴に容易に着脱することができ、支持対象物に応じて各エアーセルの高さ寸法や形状を変更する上で極めて有利である。
図1乃至図8は本発明の一実施形態を示すもので、図1はクッションの平面図、図2は図1におけるA−A線断面図、図3はエアーセルをベース部材に取付ける際の動作説明図、図4はエアーセルの平面断面図、図5は各エアーセルを膨らませた状態のクッションの断面図、図6は膨らませた状態のエアーセルの断面図、図7及び図8はエアーセルの動作説明図である。尚、以下の文章中の方向の説明は図1及び図2に示した方向に準ずる。また、左右方向は幅方向と一致している。
このクッションは、複数のエアーセル10と、各エアーセル10が互いに略水平方向に並ぶように着脱自在に取付けられるベース部材20と、各エアーセル10から成るエアーセル群の左右方向の両側に設けられた複数のサイドエアーセル30と、エアーセル群の前端側に設けられた前端支持部材40とを備えている(図1参照)。このクッションは例えば車椅子に載置されて使用される。各エアーセル10は着座者の臀部Hの下面を支持するように配置され、各サイドエアーセル30は着座者の臀部Hの幅方向両側を支持するように配置されている。また、前端側支持部材40は着座者の大腿部の近傍を支持するように配置されている。
各エアーセル10は、上下方向に延びる円筒状に形成されるとともに可撓性の薄膜から成る側面部11と、側面部11の上端を閉鎖するように形成されるとともに可撓性の薄膜から成る上端部12と、側面部11の下端に設けられた可撓性の開口縁部13とを有する。尚、各エアーセル10はゴムやプラスチック等の可撓性を有する材料から成る。
開口縁部13は側面部11よりも大きな厚さ寸法を有し、開口縁部13の外周面には全周に亘って延びるように形成されるとともに径方向内側に向かって凹状に形成された係止溝13aが設けられている。
側面部11には互いに周方向に間隔をおいて複数の凹状部11aが設けられている。各凹状部11aは側面部11を形成している薄膜の周方向所定範囲αをエアーセル10が萎んでいる状態で上下方向所定範囲Lに亘ってエアーセル10の径方向内側に突出するように形成して成る(図3及び図4参照)。尚、本実施形態では一例として、各凹状部11aが側面部11の上下方向の全体に亘って設けられているが、各凹状部11aを側面部11の上下方向の一部に設けることも可能である。側面部11における各凹状部11aとその他の部分とは滑らかな曲面11bによって接続されており、各エアーセル10は側面部11の外周面の周長が開口縁部13の外周面の周長に対して同等以上になるように形成されている。さらに、各エアーセル10は、萎んでいる状態において、側面部11の内周面が開口縁部13の内周面と同等の径方向位置または開口縁部13の内周面よりも径方向内側に位置するように形成されている(図3参照)。即ち、各エアーセル10は側面部11の内周面が開口縁部13の内周面よりも径方向外側に位置しないように形成されている。
エアーセル10の上端部12の中央部には凸部12aが設けられ、凸部12aは上端部12を形成している薄膜を上端部12の他の部分よりも上方に突出させることにより形成されるとともに、半球面状に形成されている。即ち、エアーセル10には、上端面12の中央部に上方に向かって突出するように形成された凸部12aが設けられている。
ベース部材20はゴムやプラスチック等の可撓性を有する材料から成り、平板状に形成されている。ベース部材20の上面には各エアーセル10にそれぞれ対応する複数の取付穴21が設けられ、各取付穴21は上方に向かって開口するように形成されている。各取付穴21の内周面には全周に亘って径方向内側に突出する係止突起21aが設けられている。
即ち、各取付穴21の内周面に各エアーセル10の開口縁部13の外周面が嵌合するとともに、開口縁部13の外周面の係止溝13aが取付穴21の内周面の係止突起21aに下方から係止することにより、各エアーセル10がベース部材21に取付けられる(図2及び図3参照)。ここで、開口縁部13が可撓性を有することから、開口縁部13を径方向内側に撓ませながら開口縁部13を取付穴21の内側に配置し、開口縁部13の撓みを解除することにより、開口縁部13の外周面が取付穴21の内周面に嵌合するとともに、開口縁部13の係止溝13aが取付穴21の係止突起21aに係止する。
各サイドエアーセル30は下端に開口部を有するとともに上方に向かって延びる袋状に形成され、下端の開口縁部がベース部材20に固定されている。
前端支持部材40は発泡ウレタン等の可撓性材料から成り、下端がベース部材20に固定されている。
ベース部材20には空気通路20aが形成され、空気通路20aは各エアーセル10,30の開口部を介して各エアーセル10,30内に連通するとともに、図示しない電動ポンプ等の空気量調整装置に接続されている。即ち、空気量調整装置によって各エアーセル10,30内の空気量を調整することにより、着座者の臀部Hに加わる圧力を調整可能である。
以上のように構成されたクッションは、着座者が着座すると、各エアーセル10,30内の空気が空気通路20aを介して移動し、各エアーセル10,30内の空気圧が同等になる。
ところで、各エアーセル10は着座者の臀部Hの下面を支持するように配置されているが、着座者によって臀部Hの形状や体重が異なるので、着座者に応じて各エアーセル10の高さ寸法や形状を変更することが好ましい。ここで、各エアーセル10はベース部材20に着脱自在に取付けられているので、各エアーセル10をそれぞれ高さ寸法や形状の異なる他のエアーセルに任意に交換することができる。
また、各エアーセル10は着座者の臀部Hの下面を支持するように配置されているので、各エアーセル10の空気袋11は着座者の臀部Hによって上下方向に潰れ、各エアーセル10内の空気圧が外気に比べて高くなる。ここで、各エアーセル10はベース部材20に着脱自在に取付けられているが、可撓性の開口縁部13の外周面が取付穴21の内周面に嵌合することにより、各エアーセル10がベース部材20に着脱自在に取付けられていることから、各エアーセル10内の空気圧が高くなると、開口縁部13の外周面が取付穴21の内周面に押付けられる(図5及び図6参照)。即ち、エアーセル10をベース部材20に取付けるための部材を別途設けなくても、開口縁部13の外周面と取付穴21の内周面との間から空気漏れが容易に生ずることがない。また、開口縁部13の外周面が取付穴21の内周面に下方から係止することにより、各エアーセル10がベース部材20に着脱自在に取付けられていることから、エアーセル10をベース部材20に取付けるための部材を別途設けなくても、エアーセル10が取付穴21から容易に外れることがない。
また、各エアーセル10の側面部11には互いに周方向に間隔をおいて複数の凹状部11aが設けられ、各凹状部11aは側面部11を形成する薄膜の周方向所定範囲αをエアーセル10が萎んでいる状態で上下方向所定範囲Lに亘って径方向内側に突出するように形成して成り、側面部11の外周面の周長が開口縁部13の外周面の周長に対して同等以上となるように形成されているので、各エアーセル10を膨張させると、各エアーセル10の側面部11がその周長に応じた位置まで径方向外側に広がる(図5及び図6参照)。尚、図5及び図6では、互いに隣接するように配置された各エアーセル10の側面部11同士が接触するように、各エアーセル10の側面部11が径方向外側に広がるようになっている。
さらに、各エアーセル10の側面部には互いに周方向に間隔をおいて複数の凹状部11aが設けられ、各凹状部11aは側面部11を形成する薄膜の周方向所定範囲αをエアーセル10が萎んでいる状態で径方向内側に突出するように形成して成ることから、各エアーセル10をベース部材20に着脱する際に、各エアーセル10の側面部11が開口部12に対して径方向外側に大きく突出していることがない。
このように、本実施形態によれば、各エアーセル10をそれぞれ高さ寸法や形状の異なる他のエアーセルに任意に交換することができ、また、エアーセル10をベース部材20に取付けるための部材を別途設けなくても、開口縁部13の外周面と取付穴21の内周面との間から空気漏れが容易に生ずることがなく、開口縁部13が取付穴21から容易に外れることもないので、着座者に応じて各エアーセル10の高さ寸法や形状を容易に変更することができ、各エアーセル10と着座者の臀部Hとの接触圧を効果的に分散させる上で極めて有利である。
また、各エアーセル10を膨張させると、各エアーセル10の側面部11がその周長に応じた位置まで径方向外側に広がり、また、各凹状部11aの大きさを適宜設定することにより、側面部11の周長を任意に設定可能であることから、隣接するエアーセル10の上端部12同士の間に生ずる隙間を小さくすることができ、各エアーセル10と臀部Hとの接触圧を効果的に分散させる上で極めて有利である。
さらに、各エアーセル10をベース部材20に着脱する際に、各エアーセル10の側面部11が開口縁部13に対して径方向外側に大きく突出していることがないので、各エアーセル10の開口縁部13を取付穴21に容易に着脱することができ、着座者の体重や臀部Hの形状等に応じて各エアーセル10の高さ寸法や形状を変更する上で極めて有利である。
また、各エアーセル10を膨張させると、各エアーセル10の側面部11において各凹状部11aが設けられた上下方向所定範囲Lがその周長に応じた位置まで径方向外側に広がる。この時、各凹状部11aが設けられていない範囲は径方向外側に広がらないので、側面部11の上下方向所定範囲Lにおいて下側部分LPの外径が徐々に小さくなり、側面部11の剛性が前記下側部分LPにおいて小さくなる。即ち、各エアーセル10が臀部Hによって上下方向に潰れる際に、側面部11における前記下側部分LPに括れが生じ、側面部11の上下方向所定範囲Lにおける前記下側部分LPよりも上側の部分は前記下側部分LPの外周面側を下方に向かって移動する(図7参照)。このため、側面部11が上下方向に外径の変化しない単なる円筒形状である場合と比較し、側面部11において括れの生ずる位置が一定になり、各エアーセル10が互いに同様な状態で上下方向に変形するので、各エアーセル10上の着座者の姿勢を安定させる上で極めて有利である。また、側面部11が上下方向に外径の変化しない単なる円筒形状である場合と比較し、側面部11に括れが生じ易いので、各エアーセル10が上下方向に円滑に潰れることになり、各エアーセル10上の着座者の臀部Hに加わる圧力を効果的に分散させる上で極めて有利である。
また、各エアーセル10が臀部Hによって上下方向に潰れる際に、各エアーセル10に上下方向だけではなく水平方向の力が加わった場合は、各エアーセル10は前記下側部分LPに生じた括れを起点に折れ曲がり方向に変形する。このため、側面部11が上下方向に外径の変化しない単なる円筒形状である場合と比較し、各エアーセル10の折れ曲がる位置が一定になり、各エアーセル10が互いに同様な状態で折れ曲がり方向に変形するので、各エアーセル10上の着座者の姿勢を安定させる上で極めて有利である。また、側面部11が上下方向に外径の変化しない単なる円筒形状である場合と比較し、側面部11に括れが生じ易いので、各エアーセル10が円滑に折れ曲がり方向に変形することになり、各エアーセル10上の着座者の臀部Hに加わる圧力を効果的に分散させる上で極めて有利である。さらに、側面部11が上下方向に外径の変化しない単なる円筒形状である場合と比較し、側面部11に括れが生じ易く、開口縁部13と取付穴21との嵌合部に臀部Hからの水平方向の力が加わり難いので、開口縁部13が取付穴21に確実に保持される。
また、各エアーセル10は、側面部11の内周面が開口縁部13の内周面と同等の径方向位置または開口縁部13の内周面よりも径方向内側に位置するように形成されているので、エアーセル10を金型で成形する際に、エアーセル10の内周面側に配置される突起状金型の外径は先端に向かって大きくなることがない。即ち、突起状金型の外径が先端に向かって大きくなる場合に、エアーセル10を金型内から取出すためには、エアーセル10の外周面側に配置される凹状金型をエアーセル10の水平方向に分割した後、エアーセル10の開口縁部13を少し広げながら突起状金型をエアーセル10から抜く必要がある。このため、エアーセル10の開口縁部13の外周面が凹状金型の型割り位置において滑らかな面に成形されず、開口縁部13と取付穴21との間からの空気漏れを防止する上で好ましくない。これに対し、本実施形態では、突起状金型の外径は先端に向かって大きくなることがないので、エアーセル10が凹状金型内に配置されている状態で、エアーセル10から突起状金型を抜くことができる。即ち、凹状金型を割り型にする必要がなく、開口縁部13の外周面を滑らかな面にすることができるので、開口縁部13と取付穴21との間からの空気漏れを防止する上で極めて有利である。
また、前述の効果はエアーセル10の高さ寸法が小さい時に顕著にあらわれる。即ち、図9乃至図11に示すように、各エアーセル10の高さ寸法が小さい場合でも、側面部11の上下方向所定範囲Lにおいて下側部分LPの外径が小さくなり、側面部11の剛性が前記下側部分LPにおいて小さくなる。即ち、各エアーセル10が臀部Hによって上下方向に潰れる際に、側面部11における前記下側部分LPに括れが生ずる。一方、エアーセル10の高さ寸法が小さく、側面部11が上下方向に外径の変化しない単なる円筒形状である場合は、側面部11に括れがより生じ難いので、側面部の一定の位置に括れが生じ易い本実施形態の構成はエアーセル10の高さ寸法が小さい場合に特に有効である。
また、側面部11の外周面の周長は開口縁部13の外周面の周長の1.1倍以上2.0倍以下であることが好ましい。即ち、前記倍率が1.1倍未満であっても、前述と同様の効果を達成することが可能であるが、前記倍率が1.1倍以上である場合に、前述の各効果が顕著にあらわれる。また、前記倍率が2.0倍を超える場合であっても、前述と同様の効果を達成することが可能であるが、前記倍率が2.0倍を超える場合は、側面部11に設ける凹状部11aの大きさが大きくなるとともに凹状部11aの数が多くなり、凹状部11aとその他の部分とを滑らかな曲面で接続し難くなる。
また、各エアーセル10の上端部12の中央部には凸部12aが設けられているので、各エアーセル10上に着座者が着座した際に、各エアーセル10の上端部12の中央部が凸部12aの分だけ下方に向かって大きく変形するとともに、着座者の臀部Hと各エアーセル12の上端部12との間に隙間Gが生じ、隙間Gが生ずる分だけ各エアーセル10と臀部Hとの間の通気性を向上することができる。
尚、本実施形態では、係止溝13aを開口縁部13の外周面の全周にわたって延びるように設け、係止突起21aを取付穴21の内周面の全周に亘って設けたものを示したが、係止溝13aが係止突起21aに下方から係止すれば本実施形態と同様の作用効果を達成することができるので、係止溝13aを互いに周方向に間隔をおいて設けるとともに、係止突起21aを係止溝13aに応じた位置に設けることも可能である。また、開口縁部13の外周面に係止突起を設け、取付穴21の内周面に係止溝を設けることも可能である。
また、図12に示すように、開口縁部13の外周面の下端側を上方に向かって徐々に外径が小さくなるように形成するとともに、取付穴21の上端側を上方に向かって徐々に内系が小さくなるように形成することも可能である。この場合でも、開口縁部13の外周面が取付穴21の内周面に嵌合するとともに、開口縁部13の外周面が取付穴21の内周面に下方から係止することにより、エアーセル10が取付穴21に着脱自在に取付けられる。
尚、本実施形態では、各エアーセル10の側面部11が円筒状に形成されたものを示した。これに対し、各エアーセル10の側面部11を断面多角形の筒状に形成することも可能であり、この場合でも、側面部11が円筒状に形成された場合と同様の作用効果を達成することが可能である。
また、本実施形態では、ベース部材20上に各エアーセル10、各サイドエアーセル30及び前端支持部材40を設けたクッションによって着座者を支持するようにしたものを示した。これに対し、ベース部材20上にさらに他の構成を設けたクッションによって着座者を支持することも可能であり、ベース部材20上に各エアーセル10のみを設けたクッションによって着座者を支持することも可能である。さらに、ベース部材20上に各エアーセル10等を設けたクッションをベッド上に載置して患者を支持することも可能である。
本発明における一実施形態を示すクッションの平面図 図1におけるA−A線断面図 エアーセルをベース部材に取付ける際の動作説明図 エアーセルの平面断面図 各エアーセルを膨らませた状態のクッションの断面図 膨らませた状態のエアーセルの断面図 エアーセルの動作説明図 エアーセルの動作説明図 本実施形態の第1変形例を示す膨らませた状態のエアーセルの断面図 本実施形態の第1変形例を示すエアーセルの動作説明図 本実施形態の第1変形例を示すエアーセルの動作説明図 本実施形態の第2変形例を示すエアーセルの要部断面図
符号の説明
10…エアーセル、11…側面部、11a…凹状部、11b…曲面、12…上端部、12a…凸部、13…開口縁部、13a…係止溝、20…ベース部材、20a…空気通路、21…取付穴、21a…係止突起、30…サイドエアーセル、40…前端支持部材。

Claims (3)

  1. 上下方向に延びる筒状に形成されるとともに可撓性の薄膜から成る側面部と、側面部の上端を閉鎖するように形成されるとともに可撓性の薄膜から成る上端部と、側面部の下端に設けられた可撓性の開口縁部とを有する複数のエアーセルと、各エアーセルが互いに略水平方向に並ぶように着脱自在に取付けられるベース部材とを備え、各エアーセルによって任意の支持対象物を支持するクッションにおいて、
    前記各エアーセルにそれぞれ対応するようにベース部材に設けられ、それぞれ上方に向かって開口するように形成された複数の取付穴と、
    各エアーセルの側面部に互いに周方向に間隔をおいて配置され、側面部を形成する薄膜の周方向所定範囲をエアーセルが萎んでいる状態で上下方向所定範囲に亘って径方向内側に突出するように形成して成る複数の凹状部とを備え、
    各エアーセルの開口縁部の外周面が各取付穴の内周面にそれぞれ嵌合するとともに下方から係止することにより、各エアーセルがベース部材に着脱自在に取付けられるように構成し、
    各エアーセルを、側面部の外周面の周長が開口縁部の外周面の周長に対して同等以上となるように形成した
    ことを特徴とするクッション。
  2. 前記各エアーセルを、萎んでいる状態で側面部の内周面が開口縁部の内周面と同等の径方向位置または開口縁部の内周面よりも径方向内側に位置するように形成した
    ことを特徴とする請求項1記載のクッション。
  3. 前記各エアーセルを、前記側面部の外周面の周長が開口縁部の外周面の周長の1.1倍以上2.0倍以下となるように形成した
    ことを特徴とする請求項1または2記載のクッション。
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