JP2009092499A - 原子間力顕微鏡のアプローチ制御方法及び装置 - Google Patents

原子間力顕微鏡のアプローチ制御方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は原子間力顕微鏡のアプローチ制御方法及び装置に関し、高精度の試料観察を行なうことができるようにすることを目的としている。
【解決手段】Zフィードバックのリファレンス電圧値18に、ある一定周波数の正弦波を出力できる発振器33を用いて変調をかけ、探針6が試料1の表面に近づくと探針6と試料間に働く力によりシフトしたカンチレバ7の共振周波数をFM復調回路16で検出し、フィードバック制御によりそのシフト量がフィードバックリファレンス電圧値18に等しくなるように制御され、Z軸フィードバックリファレンス電圧値18はある一定周波数で変調をかけられ、この変調信号をカンチレバが受けた力としてFM復調回路で検出し、この変調周波数だけを通過させるバンドパスフィルタ30を通し、その振幅量を実効値回路31で検出し、その振幅値がリミット値を越えるとモータ19を止めるように構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は原子間力顕微鏡のアプローチ制御方法及び装置に関し、更に詳しくは高精度の試料観察を行なうことができるようにした原子間力顕微鏡のアプローチ制御方法及び装置に関する。
走査型プローブ顕微鏡(SPM)は、試料表面の微小範囲の形状を観察する装置として広く用いられている。走査型プローブ顕微鏡は、走査型トンネル顕微鏡(STM)、走査型原子間力顕微鏡(AFM)、走査型磁気力顕微鏡(MFM)、走査型容量顕微鏡(SCM)等に分けられる。AFMは探針と試料の間に働く微小な力を測定することで、ナノメートル領域の表面観察ができる表面観察装置としてよく知られている。
原子間力顕微鏡には、試料と探針間に働く微小な力を検出するための方法として、探針を試料表面にコンタクトさせ、カンチレバのたわみを検出するコンタクトAFM、カンチレバをある一定周波数で加振して、探針と試料間に働く力を振幅の変化として検出するタッピングAFM、カンチレバを正帰還回路によってカンチレバの共振周波数で自励発振させ、探針と試料間に働く力を共振周波数の変化として検出するノンコンタクトAFM等が知られている。
図4はノンコンタクトAFMの従来装置の構成例を示す図である。図において、1は試料、2は該試料1を高さ(Z軸)方向に動かすためのZスキャナ、3は試料表面をカンチレバ7の探針6が走査するためのXYスキャナ、5は該XYスキャナ3を駆動するためのXY走査回路、6は探針、7は該探針6を持つカンチレバである。
8はカンチレバ7のたわみを光てこ方式で検出するための光源として用いられるレーザダイオード、9はカンチレバ7の背面に当てられたレーザ反射光を検出するための2分割フォトダイオード、10はそれぞれのフォトダイオードに流れる電流を検出して電圧信号に増幅変換するためのプリアンプ、11は該プリアンプ10の出力よりカンチレバ7の変位を求める変位検出回路である。
12は該変位検出回路11から出力される信号の内、カンチレバ7の共振周波数分だけを取り出すためのバンドパスフィルタ(BPS)、13は該バンドパスフィルタ12の出力を受けて、カンチレバ7が持つ共振周波数で正帰還発振させるために、正帰還発振ループの位相を調整する移相器、14は該移相器13の出力の振幅を調整する可変ゲインアンプ(VGA)、15はカンチレバ7を加振させるための圧電素子である。
16はカンチレバ7の共振周波数の周波数シフト量を検出するFM変調回路(FMD)、17はリファレンス電圧値18とFM復調回路16の出力であるFM復調信号を比較し、その誤差が少なくなるようにZスキャナ2をPID制御方法等で制御するZフィードバック制御回路、4は該Zフィードバック制御回路17の出力を受けてZスキャナ2を駆動するZ駆動回路、19は試料1と探針6を近づけるためにX,Y,ZスキャナをZ方向に動かすモータ、20はそのモータ19を動かすためのモータドライバ、21はZフィードバック制御回路17の出力とモータリミット値22とを比較し、探針6が試料1に近づいたことを検出するコンパレータ、23はカンチレバ7の周波数シフト量が一定になるように試料表面上を探針6が走査することによって、Zフィードバック制御回路17の出力より得られる凹凸信号を画像化するデータ処理機能を持つコンピュータである。このように構成された装置の動作を説明すれば、以下の通りである。
試料1はスキャナ3の上に置かれており、Zスキャナ2は試料1を高さ方向(Z軸方向)に動かすためのスキャナで、Z駆動回路4によって駆動される。XYスキャナ3は、試料1を走査するためのスキャナであり、XY走査回路5により駆動される。レーザダイオード8からの光はカンチレバ7の背面に当てられ、その反射光は2分割フォトダイオード9によって検出される。各フォトダイオードで検出された光は、電流信号に変換され、それぞれの電流信号は、続くプリアンプ10によって電圧信号へと変換される。その各信号は変位検出回路11に入り、該変位検出回路11はカンチレバ7のたわみを検出する。図中に示すA,Bはそれぞれのフォトダイオードからの信号を示す。A−Bを演算することにより変位信号(カンチレバ7のたわみ)を検出する。
カンチレバ7は共振周波数を持っており、その周波数を通過周波数に設定されたバンドパスフィルタ12に変位検出信号を通すことによって、ノイズ成分を除去し、必要な周波数成分(共振周波数)の信号だけを取り出す。バンドパスフィルタ12を通過した信号は、入力信号の位相を可変できる移相器13と入力信号の振幅を可変できる可変増幅器(VGA)14を通過してカンチレバ7を加振するための圧電素子15に入力される。移相器13で位相を少しずつずらしていくと、上記要素により構成されたループによって、ある位相で正帰還が形成され、カンチレバ7はカンチレバ7の持つ共振周波数で発振を始める。
カンチレバ7が発振している状態で、探針6と試料1が近づく方向にモータをモータ駆動回路20で駆動する。探針6と試料1が近づき始めると、カンチレバ7は探針6と試料1間に働く微小な力によって共振周波数が変化する。この共振周波数が変化すると、FM復調回路16はその変化分を出力する。Zフィードバック制御回路17は、FM復調回路16の出力とリファレンス電圧値18とを比較し、リファレンス電圧値18とFM復調回路16の出力が等しくなるように制御する。コンパレータ21は、Zフィードバック制御回路17より出力された信号とモータリミット値22とを比較し、Zフィードバック制御回路17の出力がモータリミット値22を越えると、モータ駆動回路20にモータ19を止めるように信号を送り、モータ19を止める。
この状態で、XYスキャナ3を走査し、試料表面の高さの違い、物性の違い等によりカンチレバ7の共振周波数は変調を受ける。それをFM復調回路16によって復調し、この復調した信号がリファレンス電圧値18の値と一定になるように、Zフィードバック系によって制御することで試料間の距離が一定になるよう探針6が試料1の表面上を走査する。この時のZフィードバック制御回路17の出力信号を コンピュータ23によって画像化することで試料1の表面の凹凸像を得ることができる。
従来のこの種の装置としては、探針と試料を接近させ、両者の相互作用で表面の微細性状を測定する走査型プローブ顕微鏡であって、カンチレバに微振動を与える発振器と、微振動を利用してカンチレバに大振動を信号生成機構と、大振動に対応する低周波信号に基づいてパルスを発生するパルス発生機構と、パルス信号で制御されるモータドライバと、探針と試料を接近させるステージとからなる技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
また、走査型力顕微鏡内のプローブ・ティップの動きを制御する方法であって、前記プローブティップは、検査すべき試料の表面と、係合方向に係合するように動き、前記プローブティップは、カンチレバーの遠端に取り付けられており、前記方法は、前記カンチレバーの共振周波数よりも高い励振周波数で、および前記励振周波数よりも低い重畳されたディザリング周波数で、前記係合方向と同じまたは反対方向に、前記プローブティップを振動させるステップと、前記ディザリング周波数での前記プローブティップの振動に応じた、前記励振周波数での前記プローブティップの振動の振幅の変化を測定するステップと、前記振動の振幅の前記変化が所定のしきい値レベルより小さいならば、前記プローブティップを前記係合方向に動かすアクチュエータを駆動して、前記プローブティップと前記試料表面との間の離間距離を1ステップ減少させるステップと、前記励振周波数でね前記プローブティップの振動と、前記励振周波数で前記プローブティップを振動させる信号との間の位相差を、前記離間距離を1ステップ減少させるたびに測定するステップと、前記位相差が所定のしきい値レベルより大きいならば、前記励振周波数を減少させるステップと、前記励振周波数での前記プローブティップの振動の振幅を、前記離間距離を1ステップ減少させるたびに測定するステップと、振動の前記振幅が所定のしきい値レベルより小さいならば、前記励振周波数で前記プローブティップを振動させる信号の振幅を増大させるステップと、振動の振幅の前記変化が、前記所定のしきい値レベルよりも大きいならば、前記係合方向における前記プローブティップの運動を終了して、検査される前記試料の前記表面を測定するプロセスを有するステップとを含む技術が知られている(例えば特許文献2参照)。
また、先部に探針を有するカンチレバーを備え、前記探針と試料を接近させ、前記探針と前記試料の表面との間の相互作用に基づき当該表面の微細性を大気環境で測定する走査型プローブ顕微鏡において、パルス信号で動作するように構成され、前記探針と前記試料を接近させる接近装置と、前記カンチレバーを発振させる発振装置とを備え、前記パルス信号で前記接近装置を駆動して前記探針と前記試料を接近させるとき、前記カンチレバーの発振動作から得られる発振信号に基づいて前記パルス信号を生成するようにした技術が知られている(例えば特許文献3参照)。
特開平10−38900号公報(段落0013〜0020、図1) 特許第3745718号公報(段落0026〜0038、図3) 特開平9−281119号公報(段落0009〜0016、図1)
探針を試料表面にアプローチする際に、大気や液中等の環境下においては、探針と試料間に存在する空気や液体により探針が力を受け、試料に近づいていないにも関わらずカンチレバの共振周波数が変化してしまい、それによって探針が試料に近づいたと判断してしまい、モータを止めてしまう。そのために、何度も再アプローチを実施しなければ探針を試料に近づけることができない。また、Zフィードバックリファレンス電圧値を空気や液体の影響を受ける周波数シフト量より大きな値に設定しアプローチさせようとすると、探針と試料間が急激に近づき、探針が試料に接触してしまい、高精度な観察ができなくなってしまう。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、大気中や液中等の環境下においても、適切な距離に探針を近づけることができ、それによって高精度の試料観察を行なうことができるようにした原子間力顕微鏡のアプローチ制御方法及び装置を提供することを目的としている。
(1)請求項1記載の発明は、探針を試料表面に近づける時に、Zフィードバックのリファレンス電圧値に、ある一定周波数の正弦波を出力できる発振器を用いて変調をかけ、探針が試料表面に近づくと探針と試料間に働く力によりシフトしたカンチレバの共振周波数をFM復調回路で検出し、フィードバック制御によりそのシフト量がフィードバックリファレンス電圧値に等しくなるように制御され、Z軸フィードバックリファレンス電圧値はある一定周波数で変調をかけられ、この変調信号をカンチレバが受けた力としてFM復調回路で検出し、この変調周波数だけを通過させるバンドパスフィルタを通し、その振幅量をRMS回路で検出し、その振幅値がリミット値を越えると、モータを止めるように構成したことを特徴とする。
(2)請求項2記載の発明は、探針を試料表面に近づける時に、Zフィードバックのリファレンス電圧値に、ある一定周波数の正弦波を出力できる発振器を用いて変調をかける変調手段と、探針が試料表面に近づくと探針と試料間に働く力によりシフトしたカンチレバの共振周波数を検出するFM復調回路と、フィードバック制御によりそのシフト量がフィードバックリファレンス電圧値に等しくなるように制御する制御手段と、を具備し、Z軸フィードバックリファレンス電圧値はある一定周波数で変調をかけられ、この変調信号をカンチレバが受けた力としてFM復調回路で検出し、この変調周波数だけを通過させるバンドパスフィルタを通し、その振幅量をRMS回路で検出し、その振幅値がリミット値を越えると、モータを止めるように構成したことを特徴とする。
本発明によれば、フィードバックリファレンス電圧値に発振器で変調をかけ、それによって受けるカンチレバの変調をFM検出回路で検出し、その信号によって探針が試料に近づいたかどうかを判別させることにより、空気や液体の影響を受けることなく、更に探針を試料に接触させること無く、探針を試料表面にアプローチさせることができ、これにより高精度の試料観察を行なうことができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態を示す構成図である。図4と同一のものは、同一の符号を付して示す。図において、1は試料、2は該試料1を高さ(Z軸)方向に動かすためのZスキャナ、3は試料表面をカンチレバ7の探針6が走査するためのXYスキャナ、5は該XYスキャナ3を駆動するためのXY走査回路、6は探針、7は該探針6を持つカンチレバである。
8はカンチレバ7のたわみを光てこ方式で検出するための光源として用いられるレーザダイオード、9はカンチレバ7の背面に当てられたレーザ反射光を検出するための2分割フォトダイオード、10はそれぞれのフォトダイオードに流れる電流を検出して電圧信号に増幅変換するためのプリアンプ、11は該プリアンプ10の出力よりカンチレバ7の変位を求める変位検出回路である。
12は該変位検出回路11から出力される信号の内、カンチレバ7の共振周波数分だけを取り出すためのバンドパスフィルタ(BPS)、13は該バンドパスフィルタ12の出力を受けて、カンチレバ7が持つ共振周波数で正帰還発振させるために、正帰還発振ループの位相を調整する移相器、14は該移相器13の出力の振幅を調整する可変ゲインアンプ(VGA)、15はカンチレバ7を加振させるための圧電素子である。
16はカンチレバ7の共振周波数の周波数シフト量を検出するFM復調回路(FMD)、17はリファレンス電圧値18とFM復調回路16の出力であるFM復調信号を比較し、その誤差が少なくなるようにZスキャナ2をPID制御方法等で制御するZフィードバック制御回路、4は該Zフィードバック制御回路17の出力を受けてZスキャナ2を駆動するZ駆動回路、19は試料1と探針6を近づけるためにX,Y,ZスキャナをZ方向に動かすモータ、20はそのモータ19を動かすためのモータドライバ、21はZフィードバック制御回路17の出力とモータリミット値22とを比較し、探針6が試料1に近づいたことを検出するコンパレータ、23はカンチレバ7の周波数シフト量が一定になるように試料表面上を探針6が走査することによって、Zフィードバック制御回路17の出力より得られる凹凸信号を画像化するデータ処理機能を持つコンピュータである。
30はFM復調回路16の出力を受け、所定の周波数帯域のみを通過させるバンドパスフィルタ(BPF)、31は該バンドパスフィルタ30の出力を受けて、その実効値(振幅値:RMS)を得る実効値回路である。該実効値回路31の出力は、コンパレータ21の一方の入力に入っている。33はアプローチ時にZフィードバック制御のリファレンス電圧値18を正弦波によって一定周波数で変調する発振器、32はその共通接点cがリファレンス電圧値18の負側に接続されるスイッチである。スイッチ32のa接点はグラウンドに接続され、b接点は発振器33に接続されている。このように構成された装置の動作を説明すれば、以下の通りである。
試料1とカンチレバ7の探針6が十分に離された状態で、正帰還ループの位相とゲインをそれぞれ移相器13と可変ゲインアンプ14とで調整する。この結果、カンチレバ7が共振周波数で自励発振を始める。共振周波数で発振を始めたカンチレバ7にレーザダイオード8からビームを照射する。その時、該カンチレバ7の背面から反射されるたわみに応じたビームは2分割フォトダイオード9に入る。
該フォトダイオード9はカンチレバ7の背面からの反射信号を電流信号に変換してプリアンプ10に与える。該プリアンプ10は電流信号を電圧信号に変換すると共に、信号振幅を増幅させる。変位検出回路11は、プリアンプ10の出力を受けて変位分(2分割フォトダイオードの出力をそれぞれA,BとしてA−B)のみ抽出する。この抽出された変位信号は、続くバンドパスフィルタ(BPF)でその他の周波数成分が排除される。この結果、バンドパスフィルタ12からカンチレバ7の共振周波数を得ることができる。
一方、リファレンス電圧値18を適切な値に設定し、スイッチ32を発振器33側に設定する。つまり、スイッチ32の共通接点cをb接点側に接続する。FM復調回路16の出力をバンドパスフィルタ30、実効値回路(RMS回路)31により直流電圧に変換し、コンパレータ21を介してモータ駆動回路20を駆動する。この結果、モータ19は回転を開始し、試料1を探針6が近づく方向に動かす。
探針6と試料1間の距離が近づき始めると、カンチレバ7は力を受けて共振周波数が変化し始める。FM復調回路16は、この変化を検出する。続くZフィードバック制御回路17は、このFM復調回路16の出力とリファレンス電圧値18とを入力し、Z駆動回路4にその差分信号を与える。該Z駆動回路4でZスキャナ2を駆動する。そして、Zフィードバック制御回路17により、FM復調回路16の出力とリファレンス電圧値18とが等しくなるようにフィードバック制御が行なわれる。
また、リファレンス電圧値18を発振器33で変調しているため、カンチレバ7は発振器33の周波数でも変調を受ける。そのため、FM復調回路16の出力には、発振器33の周波数成分も出力される。FM復調回路16の出力を、発振器33の周波数に設定したBPF30を通し、直流成分と他の周波数成分を取り除き、続く実効値回路31で直流に変換された振幅値(RMS)を得ることができる。
カンチレバ7が発振器33によって受けた変調信号の振幅値は、コンパレータ21でモータリミット値22と比較され、モータリミット値22を越えるとモータ駆動回路20にモータ停止信号を送り、モータ19の回転を止める。そして、スイッチ32の共通接点cをa側に接続し、グランド側へ切り替える。
この状態でXY走査回路5はXYスキャナ3を駆動する。これにより、試料表面の高さの違い、物性の違い等によりカンチレバ7の共振周波数は変調を受ける。その変調成分をFM復調回路16で復調し、この復調した信号がリファレンス電圧値18の値と一定の関係になるようにZフィードバック制御回路17でフィードバック制御を行なう。これにより、探針6と試料1間の距離が一定となるように探針6が試料1の表面上を走査する。
この時のZフィードバック制御回路17の出力信号をコンピュータ23により画像化することで試料表面の凹凸像を得ることができる。
以上、説明したように、この実施の形態によれば、フィードバックリファレンス電圧値に発振器で変調をかけ、それによって受けるカンチレバの変調をFM検出回路で検出し、その信号によって探針が試料に近づいたかどうかを判別させることにより、空気や液体の影響を受けることなく、更に探針を試料に接触させること無く、探針を試料表面にアプローチさせることができ、これにより高精度の試料観察を行なうことができる。
図2は本発明の第2の実施の形態を示す構成図である。図1と同一のものは、同一の符号を付して示す。図2に示す実施の形態は、図1の実施の形態に比較してモータ駆動回路の部分が異なる。即ち、モータ駆動回路部分は、コンパレータ21a、21bと、これらコンパレータ21a、21bの出力を受けるAND回路40と、該AND回路40の出力を受けてモータ駆動を行なうモータ駆動回路20から構成されている。該モータ駆動回路20は、モータ19を駆動する。
第1のコンパレータ21aの一方の入力にはZフィードバック制御回路17の出力が接続され、他方の入力にはモータリミット値22aが接続されている。第2のコンパレータ21bの一方の入力にはFM復調回路16の出力がBPF30、実効値回路31を介して接続され、他方の入力にはモータリミット値22bが出力されている。これら、第1及び第2のコンパレータ21a、21bの出力は、AND回路40に入り、該AND回路40の出力でモータ駆動回路20を駆動するようになっている。その他の構成は、図1に示す回路と同じである。このように構成された装置の動作を説明すれば、以下の通りである。
試料1とカンチレバ7の探針6が十分に離された状態で、正帰還ループの位相とゲインを移相器13と可変ゲインアンプ14で調整する。この結果、カンチレバ7が共振周波数で自励発振を始める。共振周波数で発振を始めたカンチレバ7のたわみを2分割フォトダイオード9で検出する。
この検出された信号は、プリアンプ10に入り、電流信号を電圧信号に変換した後、増幅される。このプリアンプ10の出力は、続く変位検出回路11に入り、変位分(A−B)のみ抽出される。この抽出された信号は、続くBPF12でその他の周波数成分を排除し、カンチレバ7の共振周波数信号を得ることができる。
一方、リファレンス電圧値18を適切な値に設定し、スイッチ32の共通接点cを接点bに接続する。この結果、リファレンス電圧値18に発振器33の発振周波数が重畳された信号がZフィードバック制御回路17の一方の入力に入る。該Zフィードバック制御回路17の他方の入力にはFM復調回路16の出力が入る。
第1及び第2のコンパレータ21a、21bの出力はAND回路40を介してモータ駆動回路20を制御する。この結果、モータ19は回転を始め、試料1と探針6とを近づく方向に動かす。探針6と試料1間の距離が近づき始めると、カンチレバ7は力を受け、共振周波数が変化し始める。この変化を、FM復調回路16で検出する。そして、FM復調回路16の出力がリファレンス電圧値18と等しくなるようにZフィードバック制御回路17でフィードバック制御が行なわれる。
コンパレータ21aは、Zフィードバック制御回路17によって出力された信号とモータリミット値22aとを比較し、Zフィードバック制御回路17の出力がモータリミット値22aを越えると信号を出力する。この場合において、リファレンス電圧値18を発振器33で変調しているため、カンチレバ7は発振器33の出力でも変調を受ける。
このため、FM復調回路16の出力には、発振器33の成分も含まれることになる。そこで、FM復調回路16の出力を発振器33の周波数に設定したBPF30を通して直流成分と他の周波数成分を取り除き、実効値回路31で発振器33の周波数に応じた振幅値を得ることができる。カンチレバ7が発振器33により受けた変調信号の振幅値は、コンパレータ21bでモータリミット値22bと比較される。該コンパレータ21bは、実効値回路31の出力がモータリミット値22bよりも大きくなると信号を発生する。
このようにして、第1及び第2のコンパレータ21a、21bの出力は、AND回路40により論理積がとられ、2つのコンパレータの出力信号が一致すると、モータ停止信号をモータ駆動回路20に送り、モータ19の回転を止める。そして、スイッチ32の共通接点cをa接点側、つまりグランド側へ切り替える。これで、探針6と試料1間が接近した状態となる。
図3は第2の実施の形態におけるコンパレータ部の動作を示すタイムチャートである。(a)はZフィードバック制御回路17の出力を、(b)は実効値回路31の出力(RMS)を、(c)は第1のコンパレータ21aの出力を、(d)は第2のコンパレータ21bの出力を、(e)はAND回路40の出力をそれぞれ示している。Zフィードバック制御回路17の出力がモータリミット値22aより小さくなると、第1のコンパレータ21aの出力が(c)に示すようにHレベルに変化する。一方、実効値回路31の出力がモータリミット値22bよりも大きくなると、第2のコンパレータ21bの出力が(d)に示すようにHレベルに変化する。これら信号(c)と(d)の出力を受けるAND回路40の出力は、(e)に示すようにHレベルに変換する。このAND回路40の出力により、モータ駆動回路20は制御され、動作を停止することになる。
この状態で、XY走査回路5でXYスキャナ3を駆動して走査し、試料表面の高さの違い、物性の違い等によりカンチレバ7の共振周波数は変調を受ける。この変調分をFM復調回路16で復調し、この復調した信号がリファレンス電圧値18と一定の関係になるように、Zフィードバック制御回路17で制御する。これにより、探針6と試料1間の距離が一定になるように探針6が試料表面上を走査する。この時の、Zフィードバック制御回路17の出力信号をコンピュータ23によって画像化することで試料表面の凹凸像を得ることができる。
上述の実施の形態では、カンチレバのたわみを検出するフォトダイオードとして2分割フォトダイオードを用いた場合を例にとったが、本発明はこれに限るものではなく、4分割フォトダイオード等の多分割フォトダイオードを用いることができる。
以上、説明したように、この実施の形態によればフィードバックリファレンスに発振器で変調をかけ、それによって受けるカンチレバの変調をFM復調回路で検出し、その信号によって探針が試料に近づいたかどうかを判別させることにより、空気や液体の影響を受けることなく、更に探針を試料に接触させることなく、探針を試料表面にアプローチさせることができる。これによって、高精度の試料観察を行なうことができる。
本発明の第1の実施の形態を示す構成図である。 本発明の第2の実施の形態を示す構成図である。 第2の実施の形態におけるコンパレータ部の動作を示すタイムチャートである。 従来装置の構成例を示す図である。
符号の説明
1 試料
2 Zスキャナ
3 XYスキャナ
4 Z駆動回路
5 XY走査回路
6 探針
7 カンチレバ
8 レーザダイオード
9 フォトダイオード
10 プリアンプ
11 変位検出回路
12 バンドパスフィルタ(BPF)
13 移相器
14 可変ゲインアンプ
15 圧電素子
16 FM復調回路
17 Zフィードバック制御回路
18 リファレンス電圧値
19 モータ
20 モータ駆動回路
21 コンパレータ
22 モータリミット値
23 コンピュータ
30 バンドパスフィルタ(BPF)
31 実効値回路(RMS回路)
32 スイッチ
33 発振器

Claims (2)

  1. 探針を試料表面に近づける時に、Zフィードバックのリファレンス電圧値に、ある一定周波数の正弦波を出力できる発振器を用いて変調をかけ、
    探針が試料表面に近づくと探針と試料間に働く力によりシフトしたカンチレバの共振周波数をFM復調回路で検出し、
    フィードバック制御によりそのシフト量がフィードバックリファレンス電圧値に等しくなるように制御され、
    Z軸フィードバックリファレンス電圧値はある一定周波数で変調をかけられ、この変調信号をカンチレバが受けた力としてFM復調回路で検出し、
    この変調周波数だけを通過させるバンドパスフィルタを通し、その振幅量をRMS回路で検出し、その振幅値がリミット値を越えると、モータを止めるように構成したことを特徴とする原子間力顕微鏡のアプローチ制御方法。
  2. 探針を試料表面に近づける時に、Zフィードバックのリファレンス電圧値に、ある一定周波数の正弦波を出力できる発振器を用いて変調をかける変調手段と、
    探針が試料表面に近づくと探針と試料間に働く力によりシフトしたカンチレバの共振周波数を検出するFM復調回路と、
    フィードバック制御によりそのシフト量がフィードバックリファレンス電圧値に等しくなるように制御する制御手段と、
    を具備し、
    Z軸フィードバックリファレンス電圧値はある一定周波数で変調をかけられ、この変調信号をカンチレバが受けた力としてFM復調回路で検出し、
    この変調周波数だけを通過させるバンドパスフィルタを通し、その振幅量をRMS回路で検出し、その振幅値がリミット値を越えると、モータを止めるように構成したことを特徴とする原子間力顕微鏡のアプローチ制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101492575B1 (ko) * 2013-05-31 2015-02-11 명지대학교 산학협력단 힘 상수 보정 주사탐침 현미경 및 그의 보정 방법

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