JP2009092424A - マジックアングル調整機構 - Google Patents

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清水禎
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根本貴宏
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Abstract

【課題】実験中のマジックアングルのずれを短時間で修正することのできるNMR装置におけるマジックアングル調整機構を提供する。
【解決手段】NMR装置におけるMAS法でのマジックアングル調整機構であって、セットしたサンプルに対する静磁場の傾斜角度を段階的に変更調整する角度調整手段と、前記傾斜角度の段階的な変更毎にNMRパルスを前記サンプルに印加するパルス印加手段と、前記NMRパルスの印加後、サンプル由来の信号を検出する検出手段と、前記NMRパルスの印加によるサンプル由来の信号をそのときの前記傾斜角度とともに記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されたデータより、前記信号が最大となる傾斜角度を抽出して、その傾斜角度により静磁場を照射するようにする静磁場角設定手段とによりなる。
【選択図】図2

Description

本発明は、固体NMRプローブに関し、特に、固体NMR測定用高速スピナーの回転軸を制御する技術に関する。
固体状態の試料のNMRスペクトルには、双極子相互作用のような、溶液中では回転ブラウン運動で消去されている相互作用がそのまま現れるため、スペクトルの線幅が極端に広くなり、化学シフト項が覆い隠されてしまう。そのため、NMRスペクトルにおいて、測定分子の各部位のシグナルピークが分離できず、結果的に固体NMR法は、分子構造解析には不向きであると考えられていた。
この現象を克服し、シャープな固体NMRスペクトルを得る方法が、1958年にE.R.Andrewによって発見された。それは、試料管を静磁場B0の方向から54.7°だけ傾けて高速回転させることにより、異方的な相互作用を取り除き、化学シフト項を取り出すことができるという原理であり、MAS(Magic Angle Sample Spinning)法と呼ばれるものである。
固体NMR装置において、試料管の回転軸の角度を調整する機構のブロック図を図1に示す。図中1は、プローブ全体を示している。2は、サンプルを入れる試料管で、この試料管を3のスピナロータに入れ、圧縮空気ないしは窒素ガスのような媒体を用い、試料管2を高速に回転させる。
4は、スピナロータ3のアングルを可変させるための、例えば歯車などの可動機構である。5は、可動機構4に接続され、可動機構4を外部から操作するための、例えばシャフトである。6は、シャフト5に接続され、実際にマジックアングル調整する際に人間がアクセスするつまみである。
静磁場B0に対してマジックアングル(54.7°)を軸として試料管を回転させることにより、化学シフトの異方性を消去し、NMRスペクトルの線幅を狭くすることが可能になるため、マジックアングル調整を行なう。
もし、回転軸がマジックアングルからずれると、化学シフトの異方性の影響が現れ、結果としてNMRスペクトルの線幅が広くなり、スペクトルの分解能が悪くなる。
そのため、マジックアングルの調整は、初期調整の他に、プローブに大きな衝撃を与えた場合や温度可変測定を行なった後などでは、プローブ材料の熱膨張、熱収縮により回転軸がマジックアングルからずれることがあるので、再調整を必要とする場合がある。また、長期間使用していると、調整機構が持つ機械的な誤差、マジックアングルスピニング時の振動等により、少しずつずれる場合があり、このような場合にも再調整を行なう。
一般的に、マジックアングルの調整は、基準物質KBrを試料管に入れ、79Br核のスペクトルを実際に観測しながら、プローブ下部にあるつまみ6を回し、KBrのスピニングサイドバンドが最大になるように調整を行なう。
特開2003−177172号公報 特開2006−90767号公報
ところで、前述した図1の方法では、実験直前にマジックアングルを調整するため、実験中のマジックアングルのずれを修正することができないため、スペクトルの精度が得られなくなるという問題があった。また、マジックアングルは、スペクトルを見ながら調整するため、時間がかかるという問題があった。
本発明の目的は、上述した点に鑑み、実験中のマジックアングルのずれを短時間で修正することのできるマジックアングル調整機構を提供することにある。
この目的を達成するため、本発明にかかるマジックアングル調整機構は、
NMR装置におけるMAS法でのマジックアングル調整機構であって、
セットしたサンプルに対する静磁場の傾斜角度を段階的に変更調整する角度調整手段と、
前記傾斜角度の段階的な変更毎にNMRパルスを前記サンプルに印加するパルス印加手段と、
前記NMRパルスの印加後、サンプル由来の信号を検出する検出手段と、
前記NMRパルスの印加によるサンプル由来の信号をそのときの前記傾斜角度とともに記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されたデータより、前記信号が最大となる傾斜角度を抽出して、その傾斜角度により静磁場を照射するようにする静磁場角設定手段と
によりなることを特徴としている。
本発明のマジックアングル調整機構によれば、
NMR装置におけるMAS法でのマジックアングル調整機構であって、
セットしたサンプルに対する静磁場の傾斜角度を段階的に変更調整する角度調整手段と、
前記傾斜角度の段階的な変更毎にNMRパルスを前記サンプルに印加するパルス印加手段と、
前記NMRパルスの印加後、サンプル由来の信号を検出する検出手段と、
前記NMRパルスの印加によるサンプル由来の信号をそのときの前記傾斜角度とともに記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されたデータより、前記信号が最大となる傾斜角度を抽出して、その傾斜角度により静磁場を照射するようにする静磁場角設定手段と
によりなるので、
実験中のマジックアングルのずれを短時間で修正することのできるマジックアングル調整機構を提供することが可能になった。
以下、図面に基づいて、発明の実施の形態を説明する。
図2は、本発明にかかるNMR装置の新しいマジックアングル調整機構の一実施例である。以下、図2を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図2は、遠隔にてマジックアングル調整が可能な機構を持ったNMR装置である。図中2は、サンプルを入れる試料管で、この試料管を3のスピナロータに入れ、圧縮空気ないしは窒素ガスのような媒体を用い、試料管2を高速に回転させる。
4は、スピナロータのアングルを可変させるための、例えば歯車などの可動機構である。5は、可動機構4に接続され、可動機構4を外部から操作するための、例えばシャフトである。7は、マジックアングル調整コントローラで、内部のモータを駆動し、フレキシブルワイヤ8を介してシャフト5を可動させている。
フレキシブルワイヤ8とシャフト5との間には、カップリング9が用意され、両者を接続している。尚、このカップリング9は、単なる接合機能だけでも良いが、ウォームギヤ等で構成した減速機構を持たせることにより、回転精度を高めることも可能である。
当然ながら、フレキシブルワイヤ8を使用せず、シャフト5を直接マジックアングル調整コントローラで駆動しても構わない。逆にシャフト5を使用せずにフレキシブルワイヤ8を直接可動機構4に接続してマジックアングル調整コントローラ7で駆動しても良い。
さらには、マジックアングル調整コントローラ7で使用するモータが強磁場での影響を受けない(例えば、超音波モータなど)のであれば、モータを直接シャフト5に直結しても構わない。
図中10は、マジックアングル調整コントローラ7への命令を送る命令手段である。例えばスイッチボックスのようなものと考えると、オペレータはマジックアングル調整の基準物質KBrを試料管に入れ、79Br核のスペクトルを実際に観測しながら、スイッチボックスから遠隔操作によりプローブのマジックアングル調整を行ない、KBrのスピニングサイドバンドが最大になるように調整を行なう。
また、図中10をスイッチボックスではなく、NMRスペクトルを処理するホストコンピュータに接続された制御ユニットもしくはホストコンピュータそれ自身とした場合、オペレータはマジックアングル調整の基準物質KBrを試料管に入れ、ホストコンピュータは79Br核のスペクトルのスピニングサイドバンドが最大になるようにマジックアングル調整コントローラに信号を送り、プローブのマジックアングルが最良となるように制御する。
尚、マジックアングルの制御方法について説明すると、図3に示すように、まず、発振器11より発振した高周波が、ゲート回路12においてパルス化され、パワーアンプ13により増幅された後、方向性結合器14を介してNMRプローブ15に供給される。
NMRプローブ15に供給された高周波パルスは、図示しないサンプルコイルからほぼ57.4°傾いた軸で高速回転している図示しない試料管に印加される。高周波パルス印加後、サンプルから微弱なFID(自由誘導減衰)が放出され、このFIDは方向性結合器14を介して検波器16に送られ、検波後、AD変換器17でデジタル化された後、ホストコンピュータ18に取り込まれ、フーリエ変換されてNMR信号となる。
このような構成において、試料管を高速回転させながら試料管の傾斜角度を54.7°前後で段階的に変化させ、該傾斜角度を変えるごとに高周波パルスをサンプルに対して印加すると共に、該高周波パルス印加後に得られるサンプル由来の信号を前記傾斜角度の値に対応させてホストコンピュータ18の記憶装置に記憶させておく。
一連の可変測定後、前記NMR信号の高さが最大となるような傾斜角度を決定して、その角度を前記試料管の静磁場に対する傾斜角度とするように、試料管のマジックアングルを微調整する。
すなわち、ホストコンピュータ18は、サンプルから放出されたNMR信号の高さが最大となるような傾斜角度になるよう、パルス発生器19を制御し、該パルス発生器19から発生したパルス信号でモータドライバ20を稼動させてパルスモータ21を駆動させ、試料管の回転軸を微調整する。
上述した実施例1においては、基準物質KBrの79Br核由来のスピニングサイドバンドを用いて自動的にマジックアングル調整を行なっているが、サンプル由来のNMR信号を用い、NMR測定の待ち時間中にマジックアングルを調整しても良い。
図4は、NMR測定中にマジックアングルを調整するタイミングを模式的に示したものである。まず通常のNMRパルスをサンプルに照射し、その信号を取り込む。通常、次のNMRパルスの照射までには数秒〜数百秒の待ち時間があり、この間に、マジックアングルを測定するパルスを照射してNMRスペクトルをA回繰り返して観測し、必要があればマジックアングルを修正する。最適角の選択方法は、実施例1と同じである。
固体NMR装置に広く利用できる。
従来のマジックアングル調整機構の一例を示す図である。 本発明にかかるマジックアングル調整機構の一実施例を示す図である。 本発明にかかるマジックアングル調整機構の一実施例を示す図である。 本発明にかかる固体NMR測定方法の一実施例を示す図である。
符号の説明
1:プローブ全体、2:試料管、3:スピナロータ、4:可動機構、5:シャフト、6:つまみ、7:マジックアングル調整コントローラ、8:フレキシブルワイヤ、9:カップリング、10:命令手段、11:発振器、12:ゲート回路、13:パワーアンプ、14:方向性結合器、15:NMRプローブ、16:検波器、17:AD変換器、18:ホストコンピュータ、19:パルス発生器、20:モータドライバ、21:パルスモータ

Claims (1)

  1. NMR装置におけるMAS法でのマジックアングル調整機構であって、
    セットしたサンプルに対する静磁場の傾斜角度を段階的に変更調整する角度調整手段と、
    前記傾斜角度の段階的な変更毎にNMRパルスを前記サンプルに印加するパルス印加手段と、
    前記NMRパルスの印加後、サンプル由来の信号を検出する検出手段と、
    前記NMRパルスの印加によるサンプル由来の信号をそのときの前記傾斜角度とともに記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶されたデータより、前記信号が最大となる傾斜角度を抽出して、その傾斜角度により静磁場を照射するようにする静磁場角設定手段と
    によりなることを特徴とするマジックアングル調整機構。
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