JP2009092395A - 調理器用センサ及び電気加熱調理器 - Google Patents

調理器用センサ及び電気加熱調理器 Download PDF

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Abstract

【課題】被加熱調理体に接触させる調理器用センサの金属キャップにアース接続を追加する仕様変更をアース線の接続だけで行なえるようにしながら、金属キャップの側周形状の影響を受けることなくアース通電時の高温化を防止する。
【解決手段】収容するセンサケース3に収容された感温素子1等と、このセンサケース3の前端に形成された開放口に嵌着される金属キャップ6間に熱伝導経路7を構成し、センサケース3の内側に、リード線11a等を通す主配線路34a等を内側に形成した内筒31、外鍔32の後端及び外筒33の内面で後端からセンサケース外部に開放するばね受け部35を形成し、そのばね受け部35の内部空間に、丸筒状の金属キャップ6の側周一部分から後方に延長した幅広部63b等を挿入し、その挿入部分の後端である平面状の幅狭部63cをセンサケース3から後方に突き出し、そこにアース線を接続可能とした。
【選択図】図1

Description

この発明は、着脱式の被加熱調理体の温度検出に利用される調理器用センサ、及びその調理器用センサを用いた電気加熱調理器に関する。
炊飯器の内鍋、ホットプレートの調理プレートに代表されるように、被加熱調理体は、具材を載せる調理面が形成されているため、清掃性に優れることが求められる。このため、通常、被加熱調理体は、調理器具のケーシングに着脱可能に収まっている。この種の被加熱調理体の温度検出として接触式が広く採用されている。被加熱調理体が着脱式であることを考慮し、調理器用センサは、被加熱調理体の装着動作を利用して接触が得られるようになっている。
上記のような調理器用センサとしては、感温素子を収容するセンサケースと、このセンサケースの前端に形成された開放口に嵌着される金属キャップとを備え、上記金属キャップと上記感温素子間に上記開放口を通じた伝熱が生じるようにし、センサケースを上記被加熱調理体に対して進退可能に支持するため、そのセンサケースの後端をコイルばねで前方に押すものが広く利用されている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
上記センサケースは、調理器具のケーシングに支持される。上記金属キャップは、被加熱調理体との接触部になっている。センサケースの前端に嵌着された金属キャップは、上記付勢により、ケーシングから突き出る状態に維持されている。センサケース側は、ケーシング側に係合することにより、上記付勢に抗する抜け止めが図られる。
被加熱調理体をケーシングに装着するとき、ケーシングから突出する金属キャップに被加熱調理体が当り、その重みでコイルばねが圧縮し、センサケースごと押し下げられる。このため、被加熱調理体の装着が完了した状態でも、金属キャップとの接触が維持される。
コイルばねでセンサケースの後端を押すため、センサケースは、後端にばね受けが形成されている。このため、感温素子のリード線は、コイルばねの内方に通され、センサケースの後方に取り出されている。上記センサケースの内側には、後端からセンサケース外部に開放する配線路が、リード線を別個に、又はまとめて通させるように形成されている。センサケースが絶縁体のため、感温素子とリード線の接続部は外部から絶縁される。
上記金属キャップは、非充電部とされているが、上記ケーシングの収容空間に露出している。このため、感電対策の検討が必要になる。国内では、100V電源電圧の電気加熱調理器において金属キャップのアース接続を求められない。
ところが、輸出仕様では、輸出先の国内法により金属キャップをアースすることが求められる。
前掲の特許文献1の調理器用センサは、センサケースにアース用配線路が上記配線路と同様に形成されている。
アース用配線路を予め形成しておけば、アース線を、センサケースの内側のアース用配線路からセンサケース外部に取り出すことができ、アース線の一端を構成する板部材を、金属キャップの内面に接触させたり、接合したりすることで金属キャップのアース接続ができる。板部材は、絶縁体であるセンサケースの内側に形成されたアース用配線路に通されており、外部から絶縁される。上記のような前掲の特許文献1の調理器用センサは、国内仕様の部品を変更することなく、アース線を追加するだけで輸出仕様へ変更することができる。
特開2003−325324号公報 特開2000−51067号公報
しかしながら、前掲の特許文献1の調理器用センサは、板部材を金属キャップの内周面に接触ないし接合する接続構造のため、金属キャップの側周が曲面形状だと、平坦な板部材と内周面の接触が板部材の両側縁近傍に制限される。ところが、これらの接触面積は、大きいほど好ましい。これは、接触部分の導通断面積が大きくなり、その結果、電気抵抗が小さくなってアース通電時の高温化を防止することができるためである。
上記の事情に鑑み、この発明は、被加熱調理体に接触させる調理器用センサの金属キャップにアース接続を追加する仕様変更をアース線の接続だけで行なえるようにしながら、金属キャップの側周形状の影響を受けることなくアース通電時の高温化を防止することにある。
上記課題を解決するため、この発明は、感温素子を収容するセンサケースと、このセンサケースの前端に形成された開放口に嵌着される金属キャップとを備え、上記金属キャップと上記感温素子間に上記開放口を通じた伝熱が生じるようにし、上記センサケースの後端をコイルばねで前方に押し、上記センサケースの内側に後端からセンサケース外部に開放するアース用配線路を形成し、上記センサケースを絶縁体とした調理器用センサを前提とする。上記背景技術で説明したように、被加熱調理体に金属キャップを接触させる調理器用センサにおいて、金属キャップにアース接続を追加する仕様変更をアース線の接続だけで行なえるようにするためである。なお、この発明における前後は、上記コイルばねがセンサケースを進退可能に支持する方向をいう。
この発明は、上記前提において、上記センサケースの前端と上記アース用配線路間に貫通孔を形成し、上記金属キャップの側周を、上記貫通孔から上記アース用配線路に挿入した構成を特徴とするものである。
センサケースの前端とアース用配線路間に貫通孔を形成すれば、金属キャップの側周を延長してセンサケースの内側に通し、アース用配線路に挿入することができる。
金属キャップの側周を延長してアース用配線路に挿入すれば、仕様変更において、その部分をアース線の接続部とすることができる。
その挿入部分は、金属キャップの側周の一部であるため、全断面で導通する。このため、前掲の特許文献1のように金属キャップの側周形状の影響を受けることなく、導通断面積が狭くなることが避けられ、これにより、アース通電時の高温化を防止することができる。
具体的には、上記センサケースに、上記金属キャップを被せる内筒と、この内筒に連なる外鍔から後方に延びる外筒とを形成し、上記内筒の内側に、上記感温素子を収容すると共に該感温素子のリード線を通す主配線路を形成し、上記内筒、上記外筒の内面、及び上記外鍔の後端で上記コイルばねの前端がセンサケース外部の後方から挿入されるばね受け部を構成し、上記貫通孔を上記ばね受け部に開放させ、そのばね受け部の内部空間を上記アース用配線路とした構成を採用することができる。
この構成によれば、コイルばねのばね受け部を上記アース用配線路に利用するため、センサケースの内部構造の複雑化を防止することができる。
また、感温素子のリード線は、内筒の内側の主配線路に通されており、上記貫通孔から浸水があったとしてもリード線と感温素子の接続部を保護することができる。
なお、上記金属キャップを上記コイルばねの内方に通せるときは、そのようにする方がよい。外筒の内径が大きくなることを避けられるからである。
また、上記金属キャップの側周を上記センサケースの外部に露出させた構成を採用すれば、センサケースの内部にアース用リード線を通さないで済むため、センサケースのコンパクト化を図ることができる。
また、上記金属キャップの側周の周方向一部分を延長した構成を採用すれば、センサケースの金属キャップ固定部分が分離しないようセンサケースに複雑な連結リブを形成することが不要になる。
ここで、上記金属キャップは、温度変化に対する応答性を考慮し、薄肉なものほどよい。このため、金属キャップは、板金から形成することが好ましい。板金を利用すれば、金属キャップをプレス加工で一体成形することができる。このプレス加工時に歪が生じ難くし、周方向の温度分布を均一化を図るため、金属キャップは、丸筒状に形成することが好ましい。
金属キャップを板金から丸筒状に形成した構成を採用すれば、打ち抜きワークから絞り加工することになる。
上記のように側周の周方向一部分を延長すると、絞り加工のとき、丸筒状の曲がりがあるため、上記延長部の幅があるほど、延長部の根元が旨く後方に向き難くなり、その付近に歪が生じ易い傾向がある。
ここで、上記側周の周方向一部分の延長部をその長さ方向の途中から後端までの間で拡幅する形状とした構成を採用すれば、延長部の根元付近を上記のような不都合のない幅に設定し、寸法精度を得ると共に、そのような幅設定部の後方に幅広部を連ねることにより電気抵抗を小さくし、延長部の発熱を軽減することができる。
上記の「長さ方向の途中から後端までの間で拡幅する」とは、途中から後端までの全域で拡幅していること、途中から後端までの一部領域で拡幅していることの双方を含む意味である。延長部の電気抵抗を小さくする目的では、途中から後端までの全域で拡幅している方がよい。
上記延長部は、絞り加工で一体成形されるため、上記金属キャップの側周に沿った曲がりを有する面になる。アース線を上記延長部に接続するとき、そこが曲面であると、リベット止めやスポット溶接において端子を当て難い。上記延長部に後プレス加工を施せば、曲がりを解消することができるが、拡幅域の曲がりを解消すると、やはり歪の懸念がある。
そこで、上記延長部を、その長さ方向の途中から拡幅した後に幅が狭まる形状とした構成を採用すれば、センサ組み立て後に仕様変更を行うとき、又は、予めその幅狭領域に後プレス加工を施すとき、歪を防止しつつ曲がりを解消し、アース線を接続し易くすることができる。
幅狭領域は、センサケースから後方に突き出ている方がよい。アース線の接続作業が容易なるからである。延長部とアース線の接続部がセンサケースの外部に位置しても、この部分は調理器具のケーシングの外側に位置するため、別途、保護することができる。
また、上記センサケースの開放口の内周と上記感温素子間に絶縁部材を介在させ、該絶縁部材で該感温素子を該センサケースに対して位置決めした構成を採用すれば、絶縁部材により感温素子の絶縁を強化と位置決めを両立することができる。感温素子をセンサケースに対して位置決めすれば、電気絶縁の沿面距離を容易に確保することができる。
上記延長部を有する調理器用センサと、上記金属キャップに接触して上記センサケースを後退させる着脱式の被加熱調理体と、この被加熱調理体を収めるケーシングとを備え、上記センサケースを、上記ケーシングの内周壁から上記金属キャップが突き出るように取り付け、上記延長部を上側に配置した電気加熱調理器とすれば、内周壁を伝う水滴が金属キャップに伝っても、上側に延長部が位置するため、その曲がりで両側に落として排水し易くなる。
上記延長部を有する調理器用センサと、上記金属キャップに接触して上記センサケースを後退させる着脱式の被加熱調理体と、この被加熱調理体に誘導渦電流を生じさせる電磁誘導コイルとを備え、上記延長部を、上記電磁誘導コイルとの距離が最短になるところに配置し、その延長部の上記電磁誘導コイルから遠い側の面に沿って上記感温素子のリード線を通した電気加熱調理器とすれば、リード線に対する電磁誘導コイルの電磁的影響が最も強いところに延長部からなる電磁シールドを設け、ノイズ軽減を図ることができる。
上述のように、この発明は、上記センサケースの前端と上記アース用配線路間に貫通孔を形成し、上記金属キャップの側周を、上記貫通孔から上記アース用配線路に挿入した構成の採用により、被加熱調理体に接触させる調理器用センサの金属キャップにアース接続を追加する仕様変更をアース線の接続だけで行なえるようにしながら、金属キャップの側周形状の影響を受けることなくアース通電時の高温化を防止することができる。
以下、この発明の実施形態に係る調理器用センサを添付図面に基づいて説明する。
図1、図2に示すように、実施形態に係る調理器用センサは、複数の感温素子1、2を収容するセンサケース3と、このセンサケース3を進退可能に支持する取り付けホルダ4と、センサケース3の後端を前方に押すコイルばね5と、センサケース3の前端に形成された開放口に嵌着される金属キャップ6とを備えている。
感温素子1は、サーミスタからなり、感温素子2は、温度ヒューズからなる。センサケース3に収容する感温素子の種類、個数は適宜に定めることができる。感温素子1は、通常制御に出力を利用するためのものであり、金属キャップ6の前面壁61の後端に接触させられている。これにより、金属キャップ6と感温素子1間にセンサケース3の開放口を通じた伝熱が生じるようにしている。感温素子2は、被加熱調理体が異常高温になったときの安全作動用のために設けられている。
センサケース3の開放口と金属キャップ6の前面壁61の後端とで形成される空間に、絶縁部材7、8が組み込まれている。絶縁部材7、8には、シリコンゴム製の筒体が利用されている。絶縁部材7は、感温素子1とセンサケース3の開放口の内周間に介在しており、感温素子1をふらつかないようにセンサケース3に対して位置決めしている。その結果、感温素子1から延びる接続脚1aの電気絶縁の沿面距離が確保されている。
絶縁部材8は、感温素子2から延びる接続脚2aと金属キャップ6間に介在するようにセンサケース3の内周に嵌着されている。これにより、金属キャップ6と接続脚2aが絶縁されている。
なお、絶縁部材7は、金属キャップ6にも接触させられている。これは、感温素子1と金属キャップ6間に絶縁部材7を介した熱伝導経路を構成し、感度を高めるためである。
また、絶縁部材8と感温素子2との間の余空間に絶縁性シリコングリース(図1中にドット表示する)が充填されている。これは、感温素子2と金属キャップ6間に絶縁部材8及びシリコングリースを介した熱伝導経路を構成し、感度を高めるためである。なお、所望の感度が得られるのであれば、感温素子1を金属キャップ6から離したり、上記シリコングリースを省略したりすることもできる。
センサケース3には、金属キャップ6を被せる内筒31と、この内筒31に連なる外鍔32から後方に延びる外筒33とが形成されている。内筒31の内側に、感温素子1、2を収容すると共に感温素子1、2のリード線11a、11bを通す主配線路34a、34bが形成されている。内筒31、外筒33の内面、及び外鍔32の後端でコイルばね5の前端がセンサケース外部の後方から挿入されるばね受け部35が構成されている。センサケース3の前端からばね受け部35に通じる貫通孔36が開放させられている。
センサケース3の外鍔32の前端は、金属キャップより外径が大きくなった抜け止めとして利用される。センサケース3の抜け止め位置より前端側の部分は、金属キャップ6を調理器具のケーシングから収容空間内に露出させるため、保安上、リード線11a、11bの取り出しに利用できない。このため、主配線路34a、34bは、抜け止め位置より後端側でセンサケース外部に開放するように形成されている。センサケース3の抜け止めは、外筒33の外周に金属キャップより外径が大きくなった部分を設けたり、外筒33の内周に取り付けホルダ4と係合するように設けたりすることも可能である。
センサケース3は、全体を合成樹脂で一体射出成形することにより、絶縁体とされている。
コイルばね5は、センサケース3の内筒31の外周に通され、その後端は、取り付けホルダ4のばね受け部41の内周に保持されている。これにより、コイルばね5は、傾かないように支えられている。センサケース3自体の傾きは、取り付けホルダ4のばね受け部41がばね受け部35の内部空間に挿入されており、両部の径方向接触で防止されている。
図3に示すように、上記金属キャップ6は、板金から丸筒状に形成されている。図1、図4に示すように、金属キャップ6の側周全周域62は、センサケース3の内筒31の前端部外周に嵌着されている。
図2、図3に示すように、金属キャップ6の側周全周域62は、その周方向一部分が後方に向かって延長されている。その延長部は、根元部63aから後端側に連続する幅広部63bと、この幅広部63bから後端まで連続する幅狭部63cとからなる。幅広部63bは、根元部63aより拡幅しており、幅狭部63cは、幅広部63bより幅が狭まっている。幅狭部63cは、後プレス加工により、平面状に形成されている。この幅狭部63cを利用してアース線12を接続することができる。根元部63a及び幅広部63bは、全体として側周全周域62に沿った曲がりが残されている。歪を防止するためである。
図1、図4に示すように、金属キャップ6は、上記貫通孔36からばね受け部35の内部空間に幅狭部63cから挿入されている。すなわち、ばね受け部35の内部空間がアース用配線路とされている。
幅狭部63cは、センサケース3から後方に突き出るようになっている。これは、アース線12を接続するとき、リベット止めやスポット溶接の作業空間を得易くするためである。
また、金属キャップ6の根元部63a及び幅広部63bは、内筒31の外周に沿って接触しており、上記延長部の位置ずれが防止されている。
さらに、コイルばね5の前端をばね受け部35に挿入すると、内筒31の外周に沿った根元部63a及び幅広部63bがコイルばね5の内径部と内筒31間に挟まれるようになっている。これにより、コイルばね5の内方の余剰空間が金属キャップ6の延長部の配置に利用され、センサケース3のコンパクト化が図られている。なお、特にコンパクト化を図らない場合、金属キャップ6の延長部は、コイルばね5の外径部と外筒33間に通すようにすることもできる。
センサケース3と取り付けホルダ4は、外筒33の前後に長いスリット37にばね受け部41の外周の案内リブ42を通すことにより前後軸回りの回転が防止されている。
取り付けホルダ4と組み合わせたセンサケース3は、取り付けホルダ4の係合部43を利用して取り付けホルダ4を係止することが可能な係合構造を調理器具のケーシングの外部に設けることでケーシングに対して位置決めすることができる。
この実施形態では、センサケース3の主配線路34a、34b及び金属キャップ6の上記延長部は、取り付けホルダ4の開口44に通され、取り付けホルダ4の後面から外部露出している。取り付けホルダ4を介してセンサケース3を支持しながら、その取り付けホルダの後方にリード線11a等を導出させるためである。
上記構成を有する実施形態に係る調理器用センサは、金属キャップ6の側周の一部である延長部(根元部63a、幅広部63b、幅狭部63c)が全断面で導通する。このため、アース線12を接続したとき、前掲の特許文献1のように金属キャップの側周形状の影響を受けることなく、導通断面積が狭くなることが避けられ、これにより、アース通電時の高温化を防止することができる。
また、実施形態に係る調理器用センサは、根元部63a及び幅狭部63cを意図的に形成して歪の発生を防止しながら、アース線を接続し易くすることができる。そのような構成を採用しながらも、幅広部63bを根元部63a及び幅狭部63cの中間位置に形成することにより、延長部全体としての発熱を抑えることができる。このため、センサケース3が溶けるような高温にならない。
また、実施形態に係る調理器用センサは、コイルばね5のばね受け部35を金属キャップ6の延長部を挿入するアース用配線路に利用するため、センサケース3の内部構造の複雑化を防止することができる。
また、実施形態に係る調理器用センサは、金属キャップ6の延長部を周方向一部分に留めたため、内筒31と外筒33を外鍔32で繋ぐことができ、複雑な連結リブが不要である。
また、実施形態に係る調理器用センサは、感温素子1、2のリード線11a、11bが内筒31の内側の主配線路34a、34bに通されており、上記貫通孔36から浸水があったとしても、リード線11a、11bと感温素子1、2の接続部を保護することができる。
以下、上記実施形態に係る調理器用センサを電気加熱調理器に使用した例を説明する。
図5、図6に示すように、電気加熱調理器は、電磁誘導加熱式の電気炊飯器として構成されており、実施形態に係る調理器用センサと、この金属キャップ6に接触してセンサケース3を後退させる着脱式の被加熱調理体110と、この被加熱調理体110を収めるケーシングとを備えている。
被加熱調理体110は、誘導渦電流を生じさせられる素材で形成された内鍋からなる。
上記ケーシングは、肩部材101と、肩部材101の内周部に嵌合かつ上下に突き合された内胴部材102と、肩部材101の外周部に嵌合かつ上下に突き合された外胴部材103と、外胴部材103の外周部に嵌合かつ上下に突き合された底部材104と、内胴部材102の外周部に嵌合かつ上下に突き合された保護枠105と、外胴部材103の蓋ヒンジ格納部を覆うカバー106とで構成されている。
外胴部材103は、金属板の両周方向端部を掛け繋いでおり、その結合部分103aで電気抵抗が高くなっている。その結合部分103aは、内側から金属板107で概ね覆われている。金属板107を外胴部材103にねじ止めすることにより、結合部分103aを跨ぐバイパス導通路が構成されている。これは、保護枠105の外周に、電磁誘導コイル108が巻かれており、加熱調理中に外胴部材103にも誘導された誘導渦電流が結合部分103aに流れず、ねじ109a、109bを介して金属板107に流れるようにし、結合部分103aでの発熱を抑えるためである。
被加熱調理体110は、保護枠105上に載置される。実施形態に係る調理器用センサは、保護枠105の内周壁から金属キャップ6が突き出るように取り付けられている。
ここで、図7に示すように、センサケース3は、上記延長部(幅広部63b等)を上側に配置されている。内胴部材102を水滴が伝って金属キャップ6に付着すると、実施形態に係る調理器用センサを水平に対して上側に傾けた取り付け姿勢となっているため、金属キャップ6を伝って上記延長部に流れ得る。そのようなことが起こっても、曲がりを有する延長部、特に幅広部63bによって水滴が両側に落ち易くなる。これにより、幅広部63bと内筒31間の僅かな隙間に水滴が溜ることがないように排水される。
また、図8に示すように、上記金属キャップ6の延長部、特に幅広部63bを、電磁誘導コイル108との距離が最短になるところに配置し、その延長部の幅広部63b等の電磁誘導コイル108から遠い側の面に沿って感温素子1、2のリード線11a、11bを通すこともできる。このように配置すれば、リード線11a、11bに対する電磁誘導コイル108の電磁的影響が最も強いところに、金属板からなる延長部の幅広部63b等が配置されるので、金属キャップ6の周方向一部分に上記延長部を形成しながらも、その延長部、特に幅広部63bをリード線11a、11bに対する電磁シールドとして利用することができる。
実施形態に係る調理器用センサの全体構成を示す縦断面図 図1の調理器用センサの分解斜視図 aは図1の金属キャップの側面図、bは前記aのb−b線の断面図、cは金属キャップの後面図 図1の調理器用センサを輸出仕様に変更したときの全体斜視図 図1の調理器用センサを備えた電気加熱調理器の全体構成を示す縦断面図 図5の電気加熱調理器の底部材を外した状態を上下逆様の姿勢で示した斜視図 図5の調理器用センサの部分の拡大断面図 図5の調理器用センサの別の取り付け例を示す拡大断面図
符号の説明
1、2 感温素子
1a、2a 接続脚
3 センサケース
4 取り付けホルダ
5 コイルばね
6 金属キャップ
7、8 絶縁部材
11a、11b リード線
12 アース線
31 内筒
32 外鍔
33 外筒
34a、34b 主配線路
35、41 ばね受け部
36 貫通孔
37 スリット
42 案内リブ
43 係合部
44 開口
61 前面壁
62 側周全周域
63a 根元部
63b 幅広部
63c 幅狭部
101 肩部材
102 内胴部材
103 外胴部材
103a 結合部分
104 底部材
105 保護枠
106 カバー
107 金属板
108 電磁誘導コイル
109a、109b ねじ

Claims (8)

  1. 感温素子を収容するセンサケースと、このセンサケースの前端に形成された開放口に嵌着される金属キャップとを備え、上記金属キャップと上記感温素子間に上記開放口を通じた伝熱が生じるようにし、上記センサケースの後端をコイルばねで前方に押し、上記センサケースの内側に後端からセンサケース外部に開放するアース用配線路を形成し、上記センサケースを絶縁体とした調理器用センサにおいて、上記センサケースの前端と上記アース用配線路間に貫通孔を形成し、上記金属キャップの側周を、上記貫通孔から上記アース用配線路に挿入したことを特徴とする調理器用センサ。
  2. 上記センサケースに、上記金属キャップを被せる内筒と、この内筒に連なる外鍔から後方に延びる外筒とを形成し、上記内筒の内側に、上記感温素子を収容すると共に該感温素子のリード線を通す主配線路を形成し、上記内筒、上記外筒の内面、及び上記外鍔の後端で上記コイルばねの前端がセンサケース外部の後方から挿入されるばね受け部を構成し、上記貫通孔を上記ばね受け部に開放させ、そのばね受け部の内部空間を上記アース用配線路とした請求項1に記載の調理器用センサ。
  3. 上記金属キャップの側周を、上記センサケースの外部に露出させた請求項1又は2に記載の調理器用センサ。
  4. 上記金属キャップを板金から丸筒状に形成し、上記金属キャップの側周の周方向一部分を延長し、その延長部をその長さ方向の途中から後端までの間で拡幅する形状とした請求項1から3のいずれか1つに記載の調理器用センサ。
  5. 上記延長部を、その長さ方向の途中から拡幅した後に幅が狭まる形状とした請求項4に記載の調理器用センサ。
  6. 上記センサケースの開放口の内周と上記感温素子間に絶縁部材を介在させ、該絶縁部材で該感温素子を該センサケースに対して位置決めした請求項1から5のいずれか1つに記載の調理器用センサ。
  7. 請求項4又は5に記載の調理器用センサと、上記金属キャップに接触して上記センサケースを後退させる着脱式の被加熱調理体と、この被加熱調理体を収めるケーシングとを備え、上記センサケースを、上記ケーシングの内周壁から上記金属キャップが突き出るように取り付け、上記延長部を上側に配置した電気加熱調理器。
  8. 請求項4又は5に記載の調理器用センサと、上記金属キャップに接触して上記センサケースを後退させる着脱式の被加熱調理体と、この被加熱調理体に誘導渦電流を生じさせる電磁誘導コイルとを備え、上記延長部を、上記電磁誘導コイルとの距離が最短になるところに配置し、その延長部の上記電磁誘導コイルから遠い側の面に沿って上記感温素子のリード線を通した電気加熱調理器。
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