JP2009091565A - 硬化性樹脂組成物および硬化物 - Google Patents
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Abstract
Description
一方、硬化物の硬度、耐溶剤性、耐熱性、基材への密着性を向上させる目的で、種々の組成の樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、このような樹脂組成物を用いた場合であっても、硬化物についての耐熱変色性、すなわち、高温環境下に置かれた際の変色のし難さを、十分に満足のいくものとすることができなかった。
本発明の硬化性樹脂組成物は、少なくとも下記式(I)で表されるアルコキシシリル基含有ビニル単量体a1を単量体成分として含有してなる重合体Aと、
少なくとも下記式(II)で表されるフルオロアルキル基、もしくはフルオロアリール基含有ビニル単量体b1を単量体成分として含有してなる重合体Bとを含むことを特徴とする。
これにより、耐熱変色性、および、硬化物の基材に対する密着性を特に優れたものにすることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物では、前記重合体A、前記重合体Bに加え、硬化性の樹脂として、前記重合体Aおよび前記重合体Bとは異なる他の重合体を含むことが好ましい。
これにより、硬化性樹脂組成物を用いて形成される硬化物の硬度を特に優れたものとすることができる。
前記重合体Bは、単量体成分として、前記フルオロアルキル基、もしくはフルオロアリール基含有ビニル単量体b1に加え、前記単量体c1を含有するものであることが好ましい。
これにより、硬化物の耐熱変色性を特に優れたものとすることができるとともに、膜強度、硬度、および、耐溶剤性を優れたものとすることができる。
本発明の硬化物は、本発明の硬化性樹脂組成物を硬化することにより得られたことを特徴とする。
これにより、耐熱変色性に優れた硬化物を提供することができる。
まず、本発明の硬化性樹脂組成物の好適な実施形態について説明する。
≪硬化性樹脂組成物≫
本発明の硬化性樹脂組成物は、少なくとも下記式(I)で表されるアルコキシシリル基含有ビニル単量体a1を単量体成分として含有してなる重合体Aと、少なくとも下記式(II)で表されるフルオロアルキル基、もしくはフルオロアリール基含有ビニル単量体b1を単量体成分として含有してなる重合体Bとを含むものである。また、本発明の硬化性樹脂組成物は、加熱、または、活性エネルギー線の照射により硬化する硬化成分を含むものである。
重合体Aは、少なくとも式(I)で表されるアルコキシシリル基含有ビニル単量体a1を単量体成分として含有してなるものである。重合体Aは、実質的に単一の化合物からなるものであってもよいし、複数種の化合物の混合物であってもよい。ただし、重合体Aが複数種の化合物の混合物である場合、各化合物が、少なくともアルコキシシリル基含有ビニル単量体a1を単量体成分として含有するものである。
重合体Aは、少なくとも式(I)で表されるアルコキシシリル基含有ビニル単量体a1を単量体成分として含有してなるものである。このようなアルコキシシリル基含有ビニル単量体a1を単量体成分として含有することにより、重合体A中にアルコキシシリル基を容易かつ確実に導入することができる。また、アルコキシシリル基含有ビニル単量体a1を単量体成分として含有することにより、硬化性樹脂組成物を硬化させて硬化物を得る際に、後述するような硬化成分の硬化を補うことができ、比較的温和な条件で高硬度の硬化物を得ることができるとともに、得られる硬化物の基材への密着性を、十分に優れたものとすることができる。また、重合体Bが、後述するようなビニル単量体b2等を含むものである場合、重合体の合成を好適に行うことができ、所望の特性を有する重合体Bを容易かつ確実に得ることができる。
重合体Aは、少なくともアルコキシシリル基含有ビニル単量体a1を単量体成分として含有してなるものであればよいが、アルコキシシリル基含有ビニル単量体a1に加え、さらに、アルコキシシリル基含有ビニル単量体a1以外の重合性ビニル単量体a2を単量体成分として含有していてもよい。このような重合性ビニル単量体a2としては、アルコキシシリル基含有ビニル単量体a1と共重合可能なビニル単量体を用いることができ、具体的には、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の、多価アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのモノエステル化物、上記多価アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのモノエステル化物にε−カプロラクトンを開環重合した化合物(ダイセル化学工業株式会社製プラクセルFAシリーズ、プラクセルFMシリーズ等)やエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドを開環重合した化合物等の水酸基を備えた重合性ビニル単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜12のアルキル、アラルキル(メタ)アクリレート;スチレン、α−メチルスチレン等のビニル芳香族化合物;(メタ)アクリル酸−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル等のビニルオキシ基含有(メタ)アクリレート(硬化成分として機能する単量体)等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。ただし、重合体Aは、単量体成分として、後述するようなフルオロアルキル基、もしくはフルオロアリール基含有ビニル単量体b1を含有するものではない。
硬化性樹脂組成物中における重合体Aの含有率は、特に限定されないが、4〜30wt%であるのが好ましく、4.5〜25wt%であるのが好ましい。なお、重合体Aが複数種の化合物の混合物である場合、重合体Aの含有率としては、これらの化合物の含有率の総和を採用する。
本発明の硬化性樹脂組成物は、上述したような重合体Aに加え、少なくとも下記式(II)で表されるフルオロアルキル基、もしくはフルオロアリール基含有ビニル単量体b1を単量体成分として含有してなる重合体Bを含むものである。
重合体Bは、実質的に単一の化合物からなるものであってもよいし、複数種の化合物の混合物であってもよい。ただし、重合体Bが複数種の化合物の混合物である場合、各化合物が、少なくともフルオロアルキル基、もしくはフルオロアリール基含有ビニル単量体b1を単量体成分として含有するものである。
重合体Bは、少なくとも式(II)で表されるフルオロアルキル基、もしくはフルオロアリール基含有ビニル単量体b1を単量体成分として含有してなるものである。このようなフルオロアルキル基、もしくはフルオロアリール基含有ビニル単量体b1を単量体成分として含有することにより、重合体B中にフルオロアルキル基、もしくはフルオロアリール基を容易かつ確実に導入することができる。また、フルオロアルキル基、もしくはフルオロアリール基含有ビニル単量体b1を単量体成分として含有することにより、硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物の耐熱変色性、すなわち、高温環境下に置かれた際の変色のし難さを、特に優れたものとすることができる。また、重合体Bが、後述するようなビニル単量体b2等を含むものである場合、重合体の合成を好適に行うことができ、所望の特性を有する重合体Bを容易かつ確実に得ることができる。
重合体Bは、上述したようなフルオロアルキル基、もしくはフルオロアリール基含有ビニル単量体b1以外の重合性ビニル単量体b2を単量体成分として含有していてもよい。このような重合性ビニル単量体b2としては、フルオロアルキル基、もしくはフルオロアリール基含有ビニル単量体b1と共重合可能なビニル単量体を用いることができ、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジル、(メタ)アクリル酸エチルグリシジル、グリシジルビニルベンジルエーテル(セイミケミカル株式会社製、商品名VBGE)、下記式(4)〜式(34)で表される脂環式エポキシ基含有不飽和化合物等のような上記式(II)で表されるエポキシ基含有ビニル単量体(硬化成分として機能する単量体);2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製、商品名「カレンズMOI」)、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート等の、(メタ)アクリロイル基が炭素数2〜6のアルキレン基を介してイソシアネート基と結合した(メタ)アクリロイルイソシアネート、メタクリル酸2−(0−[1’メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル(昭和電工株式会社製、商品名「カレンズMOI−BM」)等の、イソシアネートまたはそれが保護基で保護されたブロックイソシアネート基を備えた重合性ビニル単量体(硬化成分として機能する単量体);2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の、多価アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのモノエステル化物、上記多価アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのモノエステル化物にε−カプロラクトンを開環重合した化合物(ダイセル化学工業株式会社製プラクセルFAシリーズ、プラクセルFMシリーズ等)やエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドを開環重合した化合物等の水酸基を備えた重合性ビニル単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜12のアルキル、アラルキル(メタ)アクリレート;スチレン、α−メチルスチレン等のビニル芳香族化合物;(メタ)アクリル酸−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル等のビニルオキシ基含有(メタ)アクリレート(硬化成分として機能する単量体)等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、重合性ビニル単量体b2として、エポキシ基含有ビニル単量体を含有することにより、重合体Aと重合体Bとの相溶性を特に優れたものとし、硬化物の透明性を非常に優れたものとすることができる。また、硬化性樹脂組成物を用いて形成される硬化物の硬度を特に高いものとすることができる。ただし、重合体Bは、単量体成分として、前述したようなアルコキシシリル基含有ビニル単量体a1を含有するものではない。
また、硬化性樹脂組成物中における重合体Aの含有率と重合体Bの含有率との比率は、重量比で、25:75〜75:25であるのが好ましく、45:55〜55:45であるのがより好ましい。このような条件を満足することにより、硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物の耐熱変色性を特に優れたものとすることができるとともに、硬化物の膜強度、硬度、および、耐溶剤性を特に優れたものとすることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、上述したような重合体Aと重合体Bとを含むものであるが、さらに、少なくともエポキシ基含有ビニル単量体c1を単量体成分として含有してなる重合体C(硬化性の樹脂(硬化成分)として機能する重合体C)を含むものであってもよい。
重合体Cは、実質的に単一の化合物からなるものであってもよいし、複数種の化合物の混合物であってもよい。ただし、重合体Cが複数種の化合物の混合物である場合、各化合物が、少なくともエポキシ基含有ビニル単量体c1を単量体成分として含有するものである。
重合体Cは、少なくともエポキシ基含有ビニル単量体c1を単量体成分として含有してなるものである。このようなエポキシ基含有ビニル単量体c1を単量体成分として含有することにより、重合体C中にエポキシ基(硬化反応に寄与する官能基)を容易かつ確実に導入することができる。また、エポキシ基含有ビニル単量体c1を単量体成分として含有することにより、硬化性樹脂組成物を硬化させて硬化物を得る際に、比較的温和な条件で硬化物を得ることができるとともに、得られる硬化物の硬度等を優れたものとする上で有用である。また、重合体Cが、後述するようなビニル単量体c2、ビニル単量体c3等を含むものである場合、重合体の合成を好適に行うことができ、所望の特性を有する重合体Cを容易かつ確実に得ることができる。
式(III)中、Gによって示される2価のヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基の代表的な例としては、直鎖または分枝状のアルキレン基、より具体的には、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、テトラメチレン、エチルエチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、オキシメチレン、オキシエチレン、オキシプロピレン等が挙げられる。
重合体C中におけるエポキシ基含有ビニル単量体c1の含有率(重合体の合成に用いる単量体の重量で換算して求められる値)は、50〜100wt%であるのが好ましく、70〜94wt%であるのがより好ましい。重合体C中におけるエポキシ基含有ビニル単量体c1の含有率が前記範囲内の値であると、硬化性樹脂組成物を硬化させて硬化物を得る際に、比較的温和な条件で硬化物を得ることができるとともに、得られる硬化物の硬度等を特に優れたものとすることができる。なお、重合体Cが、複数種の化合物の混合物である場合、エポキシ基含有ビニル単量体c1の含有率の値としては、これらの化合物についての加重平均値(重量比に基づいた加重平均値)を採用することができる。また、重合体Cが、複数種の化合物の混合物である場合、これらの化合物が、いずれも、上記のような含有率でエポキシ基含有ビニル単量体c1を含有しているのが好ましい。
重合体Cは、少なくともエポキシ基含有ビニル単量体c1を単量体成分として含有してなるものであればよいが、エポキシ基含有ビニル単量体c1に加え、さらに、イソシアネート基またはそれが保護基で保護されたブロックイソシアネート基を備えたビニル単量体c2を単量体成分として含有してなるもの(共重合体)であるのが好ましい。これにより、硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物の硬度、耐溶剤性を特に優れたものとすることができる。
重合性ビニル単量体c2としては、例えば、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製、商品名「カレンズMOI」)、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート等の、(メタ)アクリロイル基が炭素数2〜6のアルキレン基を介してイソシアネート基と結合した(メタ)アクリロイルイソシアネート等が挙げられる。
重合体Cは、少なくともエポキシ基含有ビニル単量体c1を単量体成分として含有してなるものであればよいが、エポキシ基含有ビニル単量体c1に加え、さらに、水酸基を備えたビニル単量体c3を単量体成分として含有してなるもの(共重合体)であるのが好ましい。これにより、硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物の基材に対する密着性を特に優れたものとすることができる。また、重合体Aと重合体Bと重合体Cとの相溶性を特に優れたものとすることができ、硬化性樹脂組成物およびそれを硬化させて得られる硬化物において、白化が生じてしまうのをより確実に防止することができ、硬化物の透明性を特に高いものとすることができる。
重合体Cは、上述したようなエポキシ基含有ビニル単量体c1、ビニル単量体c2、および、ビニル単量体c3以外の重合性ビニル単量体c4を単量体成分として含有していてもよい。このような重合性ビニル単量体c4としては、エポキシ基含有ビニル単量体c1と共重合可能なビニル単量体を用いることができ、具体的には、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜12のアルキル、アラルキル(メタ)アクリレート;スチレン、α−メチルスチレン等のビニル芳香族化合物等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。ただし、重合体Cは、単量体成分として、前述したようなアルコキシシリル基含有ビニル単量体a1、フルオロアルキル基、もしくはフルオロアリール基含有ビニル単量体b1を含有するものではない。
また、硬化性樹脂組成物中における重合体Aの含有率と重合体Cの含有率との比率は、重量比で、25:75〜75:25であるのが好ましく、45:55〜55:45であるのがより好ましい。このような条件を満足することにより、硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物の耐熱変色性、膜強度、硬度、および、基材への密着性を特に優れたものとすることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、上述したような成分(重合体A、重合体B、重合体C)以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、重合体A、重合体Bおよび重合体Cのいずれとも異なる重合体や、熱酸発生剤、光酸発生剤、架橋剤、酸化防止剤、溶解抑止剤、増感剤、紫外線吸収剤、光安定剤、接着性改良剤、溶媒、金属粉末、セラミックス粉末等が挙げられる。
本発明で使用することができる熱酸発生剤の好ましい例としては、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、セレニウム塩、オキソニウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
具体的には、商品名として、例えば、サンエイドSI−45、同左SI−47、同左SI−60、同左SI−60L、同左SI−80、同左SI−80L、同左SI−100、同左SI−100L、同左SI−145、同左SI−150、同左SI−160、同左SI−110L、同左SI−180L(以上、三新化学工業社製品、商品名)、CI−2921、CI−2920、CI−2946、CI−3128、CI−2624、CI−2639、CI−2064(以上、日本曹達(株)社製品、商品名)、CP−66、CP−77(旭電化工業社製品、商品名)、FC−520(3M社製品、商品名)等が挙げられる。
熱酸発生剤を含む場合、熱酸発生剤の含有量は、硬化性樹脂組成物の固形分に対して、例えば、0.05〜10wt%であるのが好ましく、0.5〜5wt%であるのがより好ましい。
本発明で使用することができる光酸発生剤の好ましい例としては、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、セレニウム塩、オキソニウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
具体的には、商品名として、例えば、サイラキュアUVI−6970、サイラキュアUVI−6974、サイラキュアUVI−6990、サイラキュアUVI−950(以上、米国ユニオンカーバイド社製、商品名)、イルガキュア261(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名)、SP−150、SP−151、SP−170、オプトマーSP−171(以上、旭電化工業株式会社製、商品名)、CG−24−61(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名)、DAICATII(ダイセル化学工業社製、商品名)、UVAC1591(ダイセル・ユーシービー(株)社製、商品名)、CI−2064、CI−2639、CI−2624、CI−2481、CI−2734、CI−2855、CI−2823、CI−2758(以上、日本曹達社製品、商品名)、PI−2074(ローヌプーラン社製、商品名、ペンタフルオロフェニルボレートトルイルクミルヨードニウム塩)、FFC509(3M社製品、商品名)、BBI−102、BBI−101、BBI−103、MPI−103、TPS−103、MDS−103、DTS−103、NAT−103、NDS−103(ミドリ化学社製、商品名)、CD−1012(米国、Sartomer社製、商品名)等が挙げられる。
光酸発生剤を含む場合、光酸発生剤の含有量は、硬化性樹脂組成物の固形分に対して、例えば、0.05〜10wt%であるのが好ましく、0.5〜5wt%であるのがより好ましい。
本発明で使用することができる架橋剤としては、例えば、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸、多官能エポキシモノマー、多官能アクリルモノマー、多官能ビニルエーテルモノマー、多官能オキセタンモノマー等が挙げられる。
多価カルボン酸無水物の具体例としては、無水フタル酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバリル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ジメチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミック酸、無水ナジン酸等の脂肪族または脂環族ジカルボン酸無水物;1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族多価カルボン酸二無水物;無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸等の芳香族多価カルボン酸無水物;エチレングリコールビストリメリテイト、グリセリントリストリメリテイト等のエステル基含有酸無水物が挙げられるが、中でも、芳香族多価カルボン酸無水物が好ましい。また、市販のカルボン酸無水物からなるエポキシ樹脂硬化剤も好適に用いることができる。
多官能アクリルモノマーの具体例としては、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートトリメタリルイソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。
架橋剤を含む場合、架橋剤の含有量は、硬化性樹脂組成物の固形分に対して、例えば、0.05〜50wt%であるのが好ましく、0.5〜20wt%であるのがより好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、重合体Aおよび重合体B、さらには、必要に応じて、上述した各成分を混合することにより、調製することができる。
重合体A、重合体B(さらには、重合体C)は、それぞれ、上述したような単量体成分を、重合溶媒中において、重合反応させることにより合成することができる。
重合体の合成には、必要に応じて、重合開始剤、連鎖移動剤を用いることができる。
重合溶媒は、単量体組成等に応じて適宜選択できる。重合溶媒としては、例えば、エーテル(ジエチルエーテル;エチレングリコールモノまたはジアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノまたはジアルキルエーテル、プロピレングリコールモノまたはジアルキルエーテル、プロピレングリコールモノまたはジアリールエーテル、ジプロピレングリコールモノまたはジアルキルエーテル、トリプロピレングリコールモノまたはジアルキルエーテル、1,3−プロパンジオールモノまたはジアルキルエーテル、1,3−ブタンジオールモノまたはジアルキルエーテル、1,4−ブタンジオールモノまたはジアルキルエーテル、1,6−ヘキサンジオールモノまたはジアルキルエーテル、グリセリンモノ,ジまたはトリアルキルエーテル等のグリコールエーテル類等の鎖状エーテル;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル等)、エステル(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、C5−6シクロアルカノールアセテート、C5−6シクロアルカンジオールモノまたはジアセテート、C5−6シクロアルカンジメタノールモノまたはジアセテート等のカルボン酸エステル類;エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、エチレングリコールモノまたはジアセテート、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノまたはジアセテート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノまたはジアセテート、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノまたはジアセテート、1,3−プロパンジオールモノアルキルエーテルアセテート、1,3−プロパンジオールモノまたはジアセテート、1,3−ブタンジオールモノアルキルエーテルアセテート、1,3−ブタンジオールモノまたはジアセテート、1,4−ブタンジオールモノアルキルエーテルアセテート、1,4−ブタンジオールモノまたはジアセテート、1,6−ヘキサンジオールモノまたはジアセテート、グリセリンモノ,ジまたはトリアセテート、グリセリンモノまたはジC1−4アルキルエーテルジまたはモノアセテート、トリプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノまたはジアセテート等のグリコールアセテート類またはグリコールエーテルアセテート類等)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン等)、アミド(N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等)、スルホキシド(ジメチルスルホキシド等)、アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、C5−6シクロアルカノール、C5−6シクロアルカンジオール、C5−6シクロアルカンジメタノール等)、炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素等)や、これらの混合溶媒等が挙げられる。
重合体(重合体A、重合体B、重合体C)を製造するにあたり、用いられる重合開始剤としては、通常のラジカル開始剤が挙げられる。重合開始剤の具体例としては、例えば、2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2′−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル、ジエチル−2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジブチル−2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ化合物、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物、過酸化水素等が挙げられる。過酸化物をラジカル重合開始剤として使用する場合、還元剤を組み合わせてレドックス型の開始剤としてもよい。上記のなかでもアゾ化合物が好ましく、2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(イソ酪酸)ジメチルがより好ましい。
重合開始剤の使用量は、円滑な重合を損なわない範囲で適宜選択できるが、通常、全単量体成分および重合開始剤の総量に対して、1〜30wt%であるのが好ましく、5〜25wt%であるのがより好ましい。
本発明においては、ラジカル重合において一般的に使用されている連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖移動剤の具体例としては、チオール類(n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、tert−ブチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタン、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、トリエチレングリコールジメルカプタン等)、チオール酸類(メルカプトプロピオン酸、チオ安息香酸、チオグリコール酸、チオリンゴ酸等)、アルコール類(イソプロピルアルコール等)、アミン類(ジブチルアミン等)、次亜燐酸塩類(次亜燐酸ナトリウム等)、α−メチルスチレンダイマー、タービノーレン、ミルセン、リモネン、α−ピネン、β−ピネン等が挙げられる。
連鎖移動剤を使用する場合は、予め、上述したような単量体(ラジカル重合性単量体)に混合させておくことが好ましい。
これらの成分は、重合体の合成後、生成により除去されるものであってもよいし、除去されることなく、最終的な硬化性樹脂組成物中に含まれるものであってもよい。
重合反応における処理温度(重合温度)は、例えば、30〜150℃の範囲で適宜選択することができる。
本発明の硬化物は、上記のような硬化性樹脂組成物を硬化させることにより、得ることができる。
硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、各種基材上に付与され、その後、硬化処理が施される。
また、硬化性樹脂組成物は、成形型内に付与され、所定の形状を有する硬化物よりなる成形体を製造するのに用いられるものであってもよい。このような場合、成形型の内表面(硬化性樹脂組成物が接触する部位)には、離型処理が施されているのが好ましい。
硬化物を膜として形成する場合、その厚さ(硬化物の厚さ)は、特に限定されないが、0.1〜40μmであるのが好ましく、0.3〜20μmであるのがより好ましく、0.5〜10μmであるのがさらに好ましい。
本発明の硬化物は、ガラス基板(厚さ:1mm)上に、厚さ:1μmの膜として形成した際における、JIS K 5600−5−4の引っかき硬度(鉛筆法)に準拠して求められる鉛筆硬度が、H以上であるのが好ましい。
1.重合体の合成(重合体溶液の調製)
(合成例1)
攪拌機、還流冷却機、滴下漏斗、窒素導入管および温度計を備えた1Lの反応容器に1,3−ブチレングリコールジアセテート(1,3−BGDA):37.6重量部を入れて、90℃に加熱した。続いて、2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN):2重量部、および、1,3−BGDA:3重量部を加えた後、該フラスコ内に、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名SZ6030):30重量部を滴下ポンプを用いて約4時間かけて滴下した。一方、重合開始剤としての2,2′−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル(和光純薬工業株式会社製、商品名V−601):5重量部を1,3−BGDA:20重量部に溶解した溶液(重合開始剤溶液)を別の滴下ポンプを用いて約4時間かけて滴下した。重合開始剤溶液の滴下が終了した後、AIBN:0.2重量部、および、1,3−BGDA:1重量部を添加し約2時間同温程度に保持した後、AIBN:0.2重量部、および、1,3−BGDA:1重量部を添加し約2時間同温程度に保持し、その後、室温程度まで冷却して、重合体Aを含む、固形分30wt%の重合体溶液A1を得た。
(合成例2〜5)
重合体の合成(重合体溶液の調製)に用いる単量体成分の種類、使用量を表1に示すように変更した以外は、前記合成例1と同様の操作を行った。その結果、重合体Aを含む、固形分30wt%の4種の重合体溶液(重合体溶液A2〜A5)が得られた。
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名SZ6030):30重量部の代わりに、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルメタアクリレート(ダイセル化学工業株式会社製、商品名サイクロマーM100):24重量部、および、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製、商品名ビスコート8FM):6重量部を用いた以外は、前記合成例1と同様の操作を行った。その結果、重合体Bを含む、固形分30wt%の重合体溶液B1が得られた。
(合成例7〜11)
重合体の合成(重合体溶液の調製)に用いる単量体成分の種類、使用量を表1に示すように変更した以外は、前記合成例6と同様の操作を行った。その結果、重合体Bを含む、固形分30wt%の5種の重合体溶液(重合体溶液B2〜B6)が得られた。
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名SZ6030):30重量部の代わりに、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルメタアクリレート(ダイセル化学工業株式会社製、商品名サイクロマーM100):27重量部、メタクリル酸2−(0−[1’メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル(昭和電工株式会社製、商品名MOI−BM):1.5重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA):1.5重量部を用いた以外は、前記合成例1と同様の操作を行った。その結果、重合体Cを含む、固形分30wt%の重合体溶液C1が得られた。
(合成例13〜16)
重合体の合成(重合体溶液の調製)に用いる単量体成分の種類、使用量を表1に示すように変更した以外は、前記合成例12と同様の操作を行った。その結果、重合体Cを含む、固形分30wt%の4種の重合体溶液(重合体溶液C2〜C5)が得られた。
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名SZ6030):30重量部の代わりに、メタクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(日本触媒株式会社製、商品名VEEM):24重量部、シクロヘキシルメタクリレート:6重量部を用いた以外は、前記合成例1と同様の操作を行った。その結果、重合体Dを含む、固形分30wt%の重合体溶液D1が得られた。
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名SZ6030):30重量部の代わりに、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン:15重量部と、2,2,2−トリフルオロエチルメタアクリレートとを用いた以外は、前記合成例1と同様の操作を行った。その結果、重合体Xを含む、固形分30wt%の重合体溶液X1が得られた。
(実施例1)
重合体溶液A1:50重量部に、重合体溶液B1:50重量部を加えて混合し、その後、1,3−BGDA:100重量部で希釈することにより硬化性樹脂組成物を得た。
(実施例2〜16)
重合体溶液の種類、使用量を変更した以外は、前記実施例1と同様にして硬化性樹脂組成物を調製した。
重合体溶液の種類、使用量を変更した以外は、前記実施例1と同様にして硬化性樹脂組成物を調製した。
前記各実施例および各比較例の硬化性樹脂組成物を調製するのに用いた材料の使用量、各硬化性樹脂組成物の構成を表2にまとめて示した。なお、表中には、硬化性樹脂組成物の室温(25℃)における粘度をあわせて示した。
前記各実施例および各比較例で得られた硬化性樹脂組成物について、下記に示すような試験による評価を行った。
<評価用試験片の作製>
各試験を行うのに先立ち、以下に述べるような方法で、評価用試験片を作製した。
まず、厚さ:1mmのガラス基板(基材)を多数個用意した。
次に、硬化性樹脂組成物が付与されたガラス基板を、100℃のホットプレートで3分間加熱した後、80℃のオーブン中で30分間加熱し、さらに220℃のオーブン中で30分間加熱することで塗膜の硬化を行った。このようにして形成された塗膜(硬化物)の厚さは、いずれも、1μmであった。
前記各実施例および各比較例の評価用試験片(他の試験を行っていないもの)について、分光光度計(150−20型ダブルビーム:日立製作所製)を用いて400〜800nmの波長の光の透過率(透過率1)を測定した。その後、270℃のオーブン中で1.5時間加熱し、前記と同様の条件で、分光光度計を用いて400〜800nmの波長の光の透過率(透過率2)を測定した。{(透過率1)−(透過率2)}×100/(透過率1)で表される透過率の変化率(%)を求め、以下の5段階の基準に従い、評価した。
B:変化率が4%以上10%未満。
C:変化率が10%以上15%未満。
D:変化率が15%以上18%未満。
E:変化率が18%以上。
前記各実施例および各比較例の評価用試験片(他の試験を行っていないもの)について、270℃のオーブン中で20分間加熱し、その後、室温環境下で1時間放冷した。これを、1サイクルとして、合計3回の加熱−放冷の一連の処理を繰り返した。
その後、セロハンテープによるピーリング試験を行い、以下の2段階の基準に従い、評価した。
A:塗膜(硬化物)に、フクレや剥離が一切認められない。
B:塗膜(硬化物)に、フクレや剥離が認められる。
3−3.膜硬度
前記各実施例および各比較例の評価用試験片(他の試験を行っていないもの)について、JIS K 5600−5−4の引っかき硬度(鉛筆法)に準拠し、塗膜(硬化物)の擦傷により鉛筆硬度を測定し、表面硬度を求めた。
前記各実施例および各比較例の評価用試験片(他の試験を行っていないもの)について、塗膜(硬化物)の表面に、Nメチルピロリドン(NMP)およびγ−ブチロラクトン(γ−BL)をそれぞれ1滴ずつ滴下し、30℃の環境下で、5分間放置した。その後、水洗し、溶剤を滴下した箇所について、目視による観察を行い、これらの外観を以下の5段階の基準に従い、評価した。
B:僅かに溶剤の跡が残るが、拭き取りにより溶剤の跡が消えた。
C:溶剤の跡が残り、拭き取ってもその痕跡がわずかに残った。
D:溶剤の跡が残り、拭き取ってもその痕跡がはっきりと残った。
E:明らかな変色が認められた。
前記耐薬品性試験(耐溶剤性試験)を行った前記各実施例および各比較例の評価用試験片の溶剤を滴下した箇所について、JIS K 5600−5−6に準拠してクロスカットを行い、JIS K 5600−5−6の「8.3 表1 試験結果の分類」で規定された分類に従って、以下の5段階の基準に基づいて評価した。
B:「8.3 表1 試験結果の分類」での「分類1」であった。
C:「8.3 表1 試験結果の分類」での「分類2」であった。
D:「8.3 表1 試験結果の分類」での「分類3」であった。
E:「8.3 表1 試験結果の分類」での「分類4」であった。
これらの結果を表3に示す。なお、表中、Nメチルピロリドンを「NMP」で示し、γ−ブチロラクトンを「γ−BL」で示した。
Claims (6)
- 前記重合体Aは、式(I)で表される前記アルコキシシリル基含有ビニル単量体の単独重合体である請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記重合体A、前記重合体Bに加え、硬化性の樹脂として、前記重合体Aおよび前記重合体Bとは異なる他の重合体を含む請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記他の重合体は、単量体成分として、熱硬化性の単量体c1を含有するものであり、
前記重合体Bは、単量体成分として、前記フルオロアルキル基、もしくはフルオロアリール基含有ビニル単量体b1に加え、前記単量体c1を含有するものである請求項3に記載の硬化性樹脂組成物。 - 前記重合体Aの含有率と前記重合体Bの含有率との比率が、重量比で、25:75〜75:25である請求項1ないし4のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
- 請求項1ないし5のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を硬化することにより得られたことを特徴とする硬化物。
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