JP2009091266A - 遺伝子導入剤及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】芳香族環を核としてカチオン性及び/又は非イオン性分岐鎖が放射状に伸延する分岐型重合体を有する遺伝子導入剤であって、該分岐鎖の末端がN,N−2置換ジチオカルバミルメチル分子団であり、該N,N−2置換ジチオカルバミルメチル分子団の窒素原子上の2つの置換基のうち少なくとも1つが炭素数3以上の疎水性置換基であり、複数の該分岐型重合体同士を架橋させた架橋体よりなる遺伝子導入剤。前記分岐型重合体を極性溶媒に溶解及び/又は分散させた状態で光照射することにより分岐型重合体同士を架橋させる遺伝子導入剤の製造方法。
【選択図】図1
Description
複数の分岐型重合体の分岐鎖同士の架橋(所謂、分子間の架橋)及び同一分子中の分岐鎖同士の架橋(所謂、分子内架橋)並びに分子間と分子内の混合架橋を意味する。
粉末状を採用した場合、分岐型重合体は極性溶媒に速やかに溶解する。
[4分岐型遺伝子導入剤の合成]
i)イニファターの合成
下記反応式に従って、1,2,4,5−テトラキス(N,N−ジフェニルジチオカルバミルメチル)ベンゼンを次のようにして合成した。
1,2,4,5−テトラキス[(N,N−ジフェニルジチオカルバミル)ポリ(3−N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド)−メチル]ベンゼン(以下、pDMAPAAmと記載することがある。)よりなるカチオン性ホモポリマーの合成を行った。
合成したスター形4分岐型pDMAPAAmホモポリマー凍結乾燥品を水へ溶解し、濃度1mg/mL〜100mg/mLの水溶液を調製した。溶液を軟質ガラス製の50mLバイアル瓶(厚み2mm)へ移し、ここへ2.5mW/cm2の近紫外線を30分間照射した。光照射終了後、各水溶液を0.2μmシリンジフィルターで濾過し、液体窒素で凍結させ、そのまま凍結乾燥を行った。得られた粉末の分子量を測定した。濃度が高くなるに従って分子量の増大が確認された。結果を図1に示す。
実施例1の工程i)においてN,N−ジフェニルジチオカルバミル酸ナトリウム30.0gをN,N−ジエチルジチオカルバミル酸ナトリウム34.0gとした以外は同様にしてイニファター(1,2,4,5−テトラキス(N,N−ジエチルジチオカルバミルメチル)ベンゼン)を合成し、続いて実施例1の工程ii)の方法に従ってカチオン性ホモポリマーを合成した。分子量は約50,000(分散=1.3)で、NMRのピーク位置、積分比などの分析値は実施例1と同じ(NMRにて積算回数を3万回程度まで上げれば、ポリマー末端のジチオカルバメート基中の2つのフェニル基(実施例1)とエチル基(比較例1)の差が確認される)4分岐型カチオン性ホモポリマーが合成された。続いて実施例3の工程iii)と同様に水溶液にて光架橋を行うと、濃度1mg/mL〜10mg/mLの範囲内で分子量に変化は確認されなかった。しかしながら、水溶液濃度を50mg/mLまで上げると一気に架橋反応が起こり、あらゆる溶媒に不溶性のゲルが形成された。反応が爆発的に起こった結果であると考えられる。結果を図2に示す。
実施例1では、分岐鎖のリビング末端であるジフェニルジチオカルバメート分子団の疎水性が強く、水溶液中で4分岐型ポリマーの末端同士は集合して凝集していると考えられる。ポリマー末端同士が凝集する、すなわちラジカル活性種同士が接近している状態で光照射を行うことで高分子鎖末端同士の結合が優先的に起こり、低濃度でも分子間の光架橋が行えることが分かった。
これに対し、比較例1では、架橋反応がほとんど起こらないか一気に進行して暴走することが分かった。
Claims (11)
- 芳香族環を核とし、それから放射状に伸延したカチオン性及び/又は非イオン性の複数の分岐鎖を有する分岐型重合体を有する遺伝子導入剤であって、
該分岐鎖の末端がN,N−2置換ジチオカルバミルメチル分子団であり、
該N,N−2置換ジチオカルバミルメチル分子団の窒素原子上の2つの置換基のうち少なくとも1つが炭素数3以上の疎水性置換基であり、
複数の該分岐鎖同士が架橋した架橋体よりなる遺伝子導入剤。 - 請求項1において、前記置換基がフェニル基であることを特徴とする遺伝子導入剤。
- 請求項1又は2において、前記分岐型重合体は、N,N−2置換ジチオカルバミルメチル分子団を同一分子内に3個以上有する化合物をイニファターとし、これにビニル系モノマーを光照射リビング重合させた分岐型重合体であり、
該分岐型重合体の分岐鎖同士が架橋していることを特徴とする遺伝子導入剤。 - 請求項3において、前記N,N−2置換ジチオカルバミルメチル分子団を同一分子内に3個以上有する化合物は、ベンゼン環を核とし、この核に分岐鎖として3個以上の該N,N−2置換ジチオカルバミルメチル分子団が結合していることを特徴とする遺伝子導入剤。
- 請求項3又は4において、ビニル系モノマーが3−N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、2−N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、及びこれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする遺伝子導入剤。
- 請求項3ないし5のいずれか1項において、分岐型重合体の分岐鎖のN,N−2置換ジチオカルバミルメチル分子団が架橋点として寄与していることを特徴とする遺伝子導入剤。
- 請求項3ないし6のいずれか1項において、該分岐鎖はビニル系モノマーのホモポリマーよりなることを特徴とする遺伝子導入剤。
- 請求項3ないし6のいずれか1項において、前記分岐鎖は、前記ビニル系モノマーと、異なるモノマーとのランダム又はブロック共重合体であることを特徴とする遺伝子導入剤。
- 請求項8において、前記異なるモノマーは、N,N-ジメチルアクリルアミド、メトキシエチル(メタ)アクリレート、N−イソプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド及びこれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする遺伝子導入剤。
- 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の遺伝子導入剤を製造する方法であって、
前記分岐型重合体を極性溶媒に溶解及び/又は分散させた状態で光照射することにより分岐型重合体同士を架橋させることを特徴とする遺伝導入剤の製造方法。 - 請求項10において、該極性溶媒が水、低級アルコール、及びこれらの混合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする遺伝子導入剤の製造方法。
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