以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2にはガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、特別図柄表示装置4が設けられている。特別図柄表示装置4は、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。例えば、特別図柄表示装置4は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、特別図柄表示装置4にて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、演出動作に用いられる各種の画像(演出画像)を表示する表示領域を形成している。この実施の形態では、画像表示装置5における表示画面が、XGAモード(1024×768ピクセル)に対応した画素総数を有している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける特別図柄表示装置4による特別図柄の可変表示に対応して、例えば3つといった複数に分割された可変表示部となる飾り図柄表示部などにて、特別図柄とは異なる各々が識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄などを可変表示する。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて特別図柄表示装置4による特別図柄の変動が開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rは、画像表示装置5の表示領域内で移動可能とされ、飾り図柄を縮小あるいは拡大して表示することができるようにしてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字「一」〜「八」、英文字「A」〜「H」、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなど。なお、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい。)が含まれていればよい。また、こうした8種類の飾り図柄の他に、ブランク図柄(大当り組合せを構成しない図柄)が含まれていてもよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。
飾り図柄の変動中には、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示部5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つにおいて、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。そして、最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示される以前には、飾り図柄が仮停止表示されることがあり、この仮停止表示時には、表示されている飾り図柄が微少な揺れや伸縮などを行うようにすればよい。
加えて、画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示部が配置されてもよい。始動入賞記憶表示部では、可変表示の保留数(保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入(始動入賞)したときに発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームを開始するための開始条件は成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
一例として、始動入賞記憶表示部には、始動入賞の発生に基づき先に始動条件が成立した可変表示ゲームから順に左から右へと、表示色が変更される複数の表示部位が設けられている。そして、第1始動入賞口や第2始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき、特別図柄表示装置4における特図ゲームや画像表示装置5における飾り図柄の可変表示について、始動条件が成立したときには、通常透過色表示となっている表示部位のうちの1つ(例えば透過色となっている表示部位のうち左端の表示部位)を所定の不透過色表示(例えば白色表示や赤色表示、黄色表示、青色表示など)に変化させる。その後、特図ゲームや飾り図柄の可変表示を開始するための開始条件が成立したときには、例えば左端の表示部位における表示を除去するとともに、各表示部位における表示を1つずつ左方向に移動させる。このとき、所定の不透過色表示に変化していた表示部位のうちの1つ(例えば不透明色となっていた表示部位のうち右端の表示部位)は、透明色表示に戻る。
なお、始動入賞記憶表示部とともに、あるいは始動入賞記憶表示部に代えて、保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、特別図柄表示装置4の上部に、特図保留表示器25Aが設けられている。特図保留表示器25Aは、第1始動入賞口や第2始動入賞口に進入した有効始動入賞球数としての保留記憶数を特定可能に表示する。例えば、特図保留表示器25Aは、保留記憶数の上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されていればよい。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用となるソレノイド81(図3)によって垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口に進入しにくい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口に進入しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球と、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図3に示す始動口スイッチ22によって検出される。なお、第1始動入賞口に進入した遊技球を検出する始動口スイッチと、第2始動入賞口に進入した遊技球を検出する始動口スイッチとを、別個に設けるようにしてもよい。始動口スイッチ22によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、可変表示の始動条件が成立する。なお、第1始動入賞口に進入した遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動入賞口に進入した遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、大入賞口扉用となるソレノイド82(図3)によって開閉駆動される大入賞口扉(開閉板)を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7では、ソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、ソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態にする。特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口に進入した遊技球は、例えば図3に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。このように、特別可変入賞球装置7における大入賞口は、大入賞口扉によって遊技者にとって有利な第1状態としての開放状態と、遊技者にとって不利な第2状態としての閉鎖状態とに、変化する。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、特別図柄表示装置4などと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20は、例えば「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の普通図柄を可変表示する。複数種類の普通図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。なお、普通図柄表示器20は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等を普通図柄として可変表示するものに限定されず、例えば「○」と「×」とを示す装飾ランプ(またはLED)を交互に点灯させることや、「左」、「中」、「右」といった複数の装飾ランプ(またはLED)を所定順序で点灯させることにより、普通図柄を可変表示するものであってもよい。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口が1つ又は複数設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。例えば、打球操作ハンドル30は、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドル30には、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿が設けられている。例えば上皿の上面における手前側の所定位置には、遊技者が所定操作(例えば押下操作)することが可能な操作ボタン40が設置されている。
普通図柄表示器20による普図ゲームは、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図3に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
特別図柄表示装置4による特図ゲームは、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球が図3に示す始動口スイッチ22によって検出されたことなどにより始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態が終了したことなどにより開始条件が成立したことに基づいて、開始される。この特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄以外の特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「1」、「3」、「7」を示す数字を大当り図柄とし、「−」を示す記号をハズレ図柄としている。
この実施の形態では、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄を15ラウンド大当り図柄とし、「1」の数字を示す特別図柄を2ラウンド大当り図柄とする。特図ゲームにおける確定特別図柄として15ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される第1特定遊技状態としての大当り遊技状態(15ラウンド大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンド中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態に変化させて、1回のラウンドを終了させる。15ラウンド大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第1回数(例えば「15」)となる。ラウンドの実行回数が「15」となる15ラウンド大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として2ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される第2特定遊技状態としての大当り遊技状態(2ラウンド大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる期間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間)が、15ラウンド大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.5秒間)となる。また、2ラウンド大当り状態では、ラウンドの実行回数が、15ラウンド大当り状態における第1回数よりも少ない第2回数(例えば「2」)となる。なお、2ラウンド大当り状態では、各ラウンドで大入賞口を開放状態とする期間が第2期間となることと、ラウンドの実行回数が第2回数となることのうち、少なくともいずれか一方が行われるように制御されればよく、それ以外の制御は15ラウンド大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。ラウンドの実行回数が「2」となる2ラウンド大当り状態における遊技は、2回開放遊技とも称される。なお、2ラウンド大当り状態では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7とは別個に設けられた所定の入賞球装置を、遊技者にとって不利な第2状態から遊技者にとって有利な第1状態に変化させ、所定期間(第1期間または第2期間)が経過した後に第2状態へと戻すようにしてもよい。
15ラウンド大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく15ラウンド大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、通常状態に比べて特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮される時短状態に制御される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や時短状態等の特別遊技状態以外の遊技状態のことであり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態は、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。なお、特図ゲームにおける確定特別図柄として15ラウンド大当り図柄のうち「3」の数字を示す特別図柄が停止表示されたことに基づく15ラウンド大当り状態が終了した後には、時短状態とはならずに通常状態となるようにしてもよい。こうした「3」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に時短状態や通常状態に制御される15ラウンド大当り図柄は、通常大当り図柄(「非確変大当り図柄」ともいう)と称される。
15ラウンド大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく15ラウンド大当り状態が終了した後や、2ラウンド大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく2ラウンド大当り状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、例えば通常状態に比べて特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されるとともに、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態(高確率遊技状態)に制御される。この確変状態では、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態よりも高くなるように向上する。この実施の形態では、確変状態となった後に、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、確変状態が終了する。これに対して、確変状態となった後には、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで、確変状態が継続するようにしてもよい。また、確変状態において所定回数の特図ゲームが実行されたり可変表示結果が「大当り」となる以前であっても、特図ゲームが開始されるときに、所定の割合で確変状態が終了することがあるようにしてもよい。この実施の形態では、確変状態においても時短状態と同様に、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が通常状態に比べて短縮されるものとする。これに対して、確変状態には、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が向上する一方で、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は通常状態と同様に設定されるものが含まれてもよい。「7」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御される15ラウンド大当り図柄は、確変大当り図柄と称される。また、「1」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御される2ラウンド大当り図柄も、確変大当り図柄に含まれる。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の可変表示時間を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、第2始動入賞口に遊技球が進入する可能性を高めて始動条件が成立しやすくなることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。確変状態と時短状態とでは、行われる制御が異なるようにしてもよいし、行われる制御の組合せ(同一の制御を含んでも含まなくてもよい)が異なるようにしてもよい。また、確変状態には、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が向上する一方で、始動条件が成立しやすくなることで遊技者にとって有利となる制御は行われないものが含まれてもよい。
画像表示装置5の表示領域では、特別図柄表示装置4による特別図柄の可変表示に対応して飾り図柄の可変表示が行われる。すなわち、画像表示装置5の表示領域では、開始条件が成立したことに基づいて、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させ、例えば「左」→「右」→「中」といった所定順序で飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄を停止表示(導出表示)する。なお、確定飾り図柄を停止表示する手順としては、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rにおいて所定順序で飾り図柄を停止表示するものに限定されず、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにおいて同時に確定飾り図柄となる飾り図柄を停止表示するものが含まれていてもよい。
飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示部5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示部(例えば「中」の飾り図柄表示部5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。また、リーチ状態となったことに対応して、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすること(例えば、未だ停止表示していない飾り図柄が、リーチ状態となる以前に比べて遅い速度で変動することなど)がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、飾り図柄の変動態様の変化を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち通常大当り図柄である「3」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、所定の通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。ここで、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。このように通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。そして、特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「通常」(「通常大当り」ともいう)の可変表示態様(大当り種別ともいう)と称される。こうして「通常」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、15ラウンド大当り遊技状態に制御され、その15ラウンド大当り状態が終了すると、時短状態または通常状態に制御されることになる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち確変大当り図柄である「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、大当り種別が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後、もしくは、大当り種別が「通常」である場合とは異なるリーチ演出が実行された後、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。ここで、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。そして、特図ゲームにおける確定特別図柄が確変大当り図柄となることに対応して、リーチ演出が実行された後に、確変大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「確変」(「確変大当り」ともいう)の可変表示態様(大当り種別ともいう)と称される。こうして「確変」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、15ラウンド大当り状態に制御され、その15ラウンド大当り状態が終了すると、確変状態に制御されることになる。
なお、特図ゲームにおける確定特別図柄が確変大当り図柄となる場合には、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示された後、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、あるいは、大当り遊技状態の終了時などに、確変状態に制御される旨を報知する演出動作が行われることがあるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、2ラウンド大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、例えば突確チャンス目として予め定められた確定飾り図柄が停止表示されることがある。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、2ラウンド大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。このように特図ゲームにおける確定特別図柄が2ラウンド大当り図柄である「1」の数字を示す特別図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)の可変表示態様(大当り種別ともいう)と称される。こうして「突確」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、2ラウンド大当り状態に制御され、その2ラウンド大当り状態が終了すると、確変状態に制御されることになる。
この実施の形態では、通常状態や時短状態であるときに画像表示装置5にて飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が停止表示される有効ラインとして、例えば図2(A)に示すように、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにおける上段のみ、中段のみ、下段のみからなる水平方向や、「左」の飾り図柄表示部5Lにおける上段と「中」の飾り図柄表示部5Cにおける中段と「右」の飾り図柄表示部5Rにおける下段とからなる斜め方向、あるいは、「左」の飾り図柄表示部5Lにおける下段と「中」の飾り図柄表示部5Cにおける中段と「右」の飾り図柄表示部5Rにおける上段とからなる斜め方向などが定められている。これに対して、確変状態であるときの有効ラインとしては、例えば図2(B)に示すように、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rに飾り図柄が1つずつ停止表示されることにより、横方向に1本だけが定められている。このときには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにおける飾り図柄が、通常状態や時短状態のときに比べて大きく表示されることになる。
可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別が「通常」あるいは「確変」であるときには、飾り図柄の可変表示中に変動中昇格演出が実行されてもよい。変動中昇格演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rの有効ライン上に通常大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄と、通常大当り組合せとなる飾り図柄のうちいずれかを、確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「通常」であることに対応して変動中昇格演出が実行される場合には、その変動中昇格演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する変動中昇格失敗演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」であることに対応して変動中昇格演出が実行される場合には、その変動中昇格演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する変動中昇格成功演出が行われることもあれば、変動中昇格失敗演出が実行されることもある。
可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別が「通常」あるいは「確変」であるときには、可変表示結果が停止表示されてから、15ラウンド大当り状態が終了するまでの期間にて、確変状態に制御するか否かの報知演出としての大当り中昇格演出が実行されてもよい。ここで、大当り中昇格演出が実行されるタイミングは、可変表示結果が停止表示されてから、15ラウンド大当り状態における最初のラウンドが開始される以前の期間であってもよいし、15ラウンド大当り状態においていずれかのラウンドが実行中の期間であってもよいし、15ラウンド大当り状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間であってもよいし、15ラウンド大当り状態において最終のラウンドが終了してから、次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間であってもよい。あるいは、15ラウンド大当り状態の終了後における最初の特別図柄や飾り図柄の変動中に、大当り中昇格演出に相当する演出動作が行われるようにしてもよい。15ラウンド大当り状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。なお、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別が「確変」であるときに、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示された場合には、大当り中昇格演出が実行されないようにすればよい。
大当り中昇格演出には、確定飾り図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。一例として、大当り中昇格演出では、画像表示装置5の表示領域にて飾り図柄を可変表示させ、通常図柄と、確変図柄のうちいずれかを、演出表示結果として停止表示させる。このとき、大当り中昇格失敗演出では通常図柄を演出表示結果として停止表示させる一方、大当り中昇格成功演出では確変図柄を演出表示結果として停止表示させればよい。他の一例として、大当り中昇格演出では、画像表示装置5の表示領域にてルーレットゲームを示す演出画像の表示を行う。このとき、大当り中昇格失敗演出では回転するルーレットに投入されたボールが「偶数」に入って「残念!」という演出画像の表示を行う一方、大当り中昇格成功演出では回転するルーレットに投入されたボールが「奇数」に入って「確変!」という演出画像の表示を行う。大当り種別が「確変」でありながら通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示された場合には、大当り遊技状態が終了するまでに、大当り中昇格成功演出を実行することにより、確変状態となる昇格がある旨を報知すればよい。大当り種別が「通常」である場合には、大当り遊技状態が終了するまでに、大当り中昇格成功演出を実行せず、確変状態となる昇格がある旨の報知は行われないようにすればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図3に示すような主基板11、演出制御基板12といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための信号中継基板13なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、特別図柄表示装置4を構成する各セグメントの点灯/消灯制御を行って特別図柄表示装置4による特別図柄の可変表示を制御することや、普通図柄表示器0の点灯/消灯/発色制御を行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、信号中継基板13を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
図3に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ22及びカウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ22及びカウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行うための指令信号をソレノイド81に伝送する配線や、特別可変入賞球装置7における大入賞口扉の開閉制御を行うための指令信号をソレノイド82に伝送する配線が接続されている。さらに、主基板11には、特別図柄表示装置4や普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて出力される制御信号は、信号中継基板13によって中継される。主基板11には、例えば信号中継基板13に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ100との間には、出力バッファ回路が接続されている。出力バッファ回路は、主基板11から信号中継基板13を介して演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、信号中継基板13から主基板11への信号の入力を阻止する。従って、演出制御基板12や信号中継基板13の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。
信号中継基板13には、例えば主基板11から演出制御基板12に対して出力される制御信号を伝送するための配線毎に、伝送方向規制回路が設けられていればよい。各伝送方向規制回路は、主基板11対応の主基板用コネクタにアノードが接続されるとともに演出制御基板12対応の演出制御基板用コネクタにカソードが接続されたダイオードと、一端がダイオードのカソードに接続されるとともに他端がグランド(GND)接続された抵抗とから構成されている。この構成により、各伝送方向規制回路は、演出制御基板12から信号中継基板13への信号の入力を阻止して、主基板11から演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。従って、演出制御基板12の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。この実施の形態では、信号中継基板13において制御信号を伝送するための配線毎に伝送方向規制回路を設けるとともに、主基板11にて遊技制御用マイクロコンピュータ100と主基板側コネクタの間に出力バッファ回路を設けることで、外部から主基板11への不正な信号の入力を防止することができる。
このような信号中継基板13を介して主基板11から演出制御基板12に対して送信される制御コマンドは、例えば電気信号として伝送される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。図4は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図4に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図4に示す例において、コマンド80XXHは、特別図柄表示装置4による特図ゲームにて特別図柄の可変表示を開始するときに送信される可変表示開始コマンドである。なお、XXHは不特定の16進数であるであることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。可変表示開始コマンドでは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄の可変表示パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
図4に示すコマンド90XXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば開始条件が成立した時点で可変表示結果が「ハズレ」と「大当り」のいずれとなるかを判定した事前判定結果、また、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別が「通常」、「確変」、「突確」のいずれとなるかの大当り種別決定結果に対応して、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9000Hは可変表示結果が「ハズレ」となる旨の事前判定結果を示す第1可変表示結果通知コマンドであり、コマンド9001Hは可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別が「通常」となる旨の事前判定結果及び大当り種別決定結果を示す第2可変表示結果通知コマンドであり、コマンド9002Hは可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別が「確変」となる旨の事前判定結果及び大当り種別決定結果を示す第3可変表示結果通知コマンドであり、コマンド8C03Hは可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別が「突確」となる旨の事前判定結果及び大当り種別決定結果を示す第4可変表示結果通知コマンドであればよい。
図4に示すコマンド9F00Hは、画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画像表示)をさせるためのデモ表示コマンドである。コマンドA0XXHは、大当り遊技状態が開始される旨の報知を指示する大当り開始コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。大当り開始コマンドでは、事前判定結果が「大当り」となる場合における大当り種別に応じて、異なるEXTデータが設定されればよい。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において開始されるラウンドの回数を示す大当りラウンド数通知コマンドである。大当りラウンド数通知コマンドでは、大当り遊技状態において開始されるラウンドの実行回数に対応して、異なるEXTデータが設定されればよい。
図4に示すコマンドB0XXHは、大当り遊技状態が終了する旨を指示する大当り終了コマンドである。大当り終了コマンドでは、例えば大当り開始コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前判定結果が「大当り」となる場合における大当り種別に応じて、異なるEXTデータが設定されればよい。あるいは、大当り終了コマンドでは、大当り種別とEXTデータとの対応関係を、大当り開始コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。コマンドC000Hは、パチンコ遊技機1における遊技状態を確変状態とする制御(確変制御)が開始されることを示す確変開始コマンドである。コマンドC001Hは、パチンコ遊技機1における遊技状態を確変状態とする制御が終了されることを示す確変終了コマンドである。コマンドD0XXHは、画像表示装置5に設けられた始動入賞記憶表示部などにて入賞表示を行うために、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に入賞した有効入賞球数となる特図保留記憶数を通知する保留記憶数通知コマンドである。保留記憶数通知コマンドでは、特図保留記憶数に対応して、異なるEXTデータが設定されればよい。
図5は、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100の構成例を示す図である。図5に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、クロック回路111と、リセット/割込みコントローラ112と、乱数回路113と、CPU(Central Processing Unit)114と、ROM(Read Only Memory)115と、RAM(Random Access Memory)116と、タイマ回路(PIT)117と、シリアル通信回路(SCI)118と、入出力ポート119とを備えて構成されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU114がROM115から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU114がROM115から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU114がRAM116に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU114がRAM116に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU114が入出力ポート119を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU114が入出力ポート119を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
クロック回路111は、例えばCPU114といった、遊技制御用マイクロコンピュータ100内の各回路に供給するクロック信号を生成する回路である。具体的な一例として、クロック回路111は、所定のクロック入力端子に入力された外部クロックを4分周して内部システムクロックCLKを生成し、生成した内部システムクロックCLKをCPU114などの遊技制御用マイクロコンピュータ100内の各回路に供給する。
リセット/割込みコントローラ112は、遊技制御用マイクロコンピュータ100内で発生する各種リセット、割込み要求を制御するためのものである。リセット/割込みコントローラ112が制御するリセットには、システムリセットとユーザリセットが含まれている。システムリセットは、所定のSRST端子に一定の期間にわたりローレベルの信号が入力されたときに発生するリセットである。ユーザリセットは、所定のURST端子に一定の期間にわたりローレベルの信号が入力されたことや、ウォッチドッグタイマ(WDT)のタイムアウト信号が発生したこと、指定エリア外走行禁止(IAT)信号が発生したこと、あるいは、インターバルリセット信号が発生したことなど、所定の要因により発生するリセットである。
また、リセット/割込みコントローラ112が制御する割込みには、Xクラス割込み(XIRQ)、Iクラス割込み(IRQ)、ソフトウェア割込み(SWI)、イリーガルオペコードトラップ(ILGOP)といった4種類の割込みが含まれている。Xクラス割込みは、所定のXIRQ端子に一定の期間にわたりローレベルの信号が入力されたときに発生する割込みである。Iクラス割込みは、ユーザプログラムにより割込み要求の受付を許可/禁止できる割込みであり、所定のIRQ端子に一定の期間にわたりローレベルの信号が入力されたことや、タイマ回路117からの割込み要求信号が発生したこと、シリアル通信回路118からの割込み要求信号が発生したことなど、予め定められた各種の割込み要因により発生する割込みである。
乱数回路113は、主基板11の側において用いられる各種の乱数の全てまたは一部を生成する回路である。図6は、主基板11の側において用いられる乱数値を例示する説明図である。図6に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、リーチ決定用の乱数値MR3、可変表示パターン決定用の乱数値MR4が用いられ、これらの乱数値を示す数値データがカウント可能となるように制御される。なお、遊技効果を高めるために、主基板11の側で乱数値MR1〜MR4以外の乱数値が用いられてもよい。乱数回路113では、乱数値MR1〜MR4の全部または一部を示す数値データがカウントされればよい。また、乱数値MR1〜MR4の一部を示す数値データは、CPU114が乱数回路113とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特別図柄の可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値である。例えば、特図表示結果決定用の乱数値MR1は、「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果が「大当り」となる場合に、大当り種別を「通常」、「確変」、「突確」といった複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。例えば、大当り種別決定用の乱数値MR2は、「1」〜「100」の範囲の値をとる。
リーチ決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「239」の範囲の値をとる。可変表示パターン決定用の乱数値MR4は、飾り図柄の可変表示パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「150」の範囲の値をとる。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM115には、遊技制御用のユーザプログラムや、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータテーブルが格納されている。例えば、ROM115には、CPU114が各種の判定や決定、設定などを行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルをそれぞれ構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM115には、CPU114が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルをそれぞれ構成するテーブルデータなども記憶されている。
図7は、ROM115に記憶される特図表示結果決定テーブル200の構成例を示している。特図表示結果決定テーブル200は、特別図柄表示装置4による特別図柄を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。特図表示結果決定テーブル200は、図12に示す遊技制御フラグ設定部162に設けられた確変フラグがオンであるかオフであるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1を、大当り決定値データやハズレ決定値データに対応付ける(割り当てる)設定データ(決定用データ)などから構成されている。
ここで、図7に示す特図表示結果決定テーブル200の設定では、確変フラグがオンであるかオフであるかに応じて、大当り決定値データに対する特図表示結果決定用の乱数値MR1の割当てが異なっている。より具体的には、確変フラグがオフである場合に、特図表示結果決定用の乱数値MR1のうち「8001」〜「8190」の範囲の値が大当り決定値データに割り当てられる一方で、確変フラグがオンである場合には、特図表示結果決定用の乱数値MR1のうち「8001」〜「9900」の範囲の値が大当り決定値データに割り当てられる。このような設定により、確変フラグがオンであるときには、確変フラグがオフであるときに比べて高い確率で、特図表示結果決定用の乱数値MR1が大当り決定値データと合致することにより大当り遊技状態に制御する旨の決定がなされることになる。
図8は、ROM115に記憶される大当り種別決定テーブル201の構成例を示している。大当り種別決定テーブル201は、大当り遊技状態に制御する旨の決定がなされたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を「通常」、「確変」、「突確」といった複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル201は、大当り種別決定用の乱数値MR2を、「通常」、「確変」、「突確」の大当り種別に割り当てる決定用データなどから構成されている。また、大当り種別決定テーブル201は、図12に示す遊技制御バッファ設定部165に設けられた大当り種別バッファの値(大当り種別バッファ値)を、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて決定された大当り種別に対応した「0」〜「2」のいずれかに設定するためのテーブルデータ(設定用データ)を含んでいてもよい。
図9は、ROM115に記憶されるリーチ決定テーブル202の構成例を示している。リーチ決定テーブル202は、大当り遊技状態に制御しない旨の決定がなされたときに、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを、リーチ決定用の乱数値MR3に基づいて決定するために参照されるテーブルである。リーチ決定テーブル202は、「非リーチ」とするか「リーチ」とするかのリーチ決定結果のそれぞれに対して、リーチ決定用の乱数値MR3を割り当てる決定用データなどから構成されている。
ここで、図9に示すリーチ決定テーブル202の設定では、保留記憶数が「0」である場合に対応して、リーチ決定用の乱数値MR3のうち「1」〜「204」の範囲の値が「非リーチ」の決定結果に割り当てられる一方で「205」〜「239」の範囲の値が「リーチ」の決定結果に割り当てられる。また、保留記憶数が「1」である場合に対応して、リーチ決定用の乱数値MR3のうち「1」〜「217」の範囲の値が「非リーチ」の決定結果に割り当てられる。さらに、保留記憶数が「2」である場合に対応して、リーチ決定用の乱数値MR3のうち「1」〜「220」の範囲の値が「非リーチ」の決定結果に割り当てられる。保留記憶数が「3」である場合に対応して、リーチ決定用の乱数値MR3のうち「1」〜「230」の範囲の値が「非リーチ」の決定結果に割り当てられる。保留記憶数が「4」である場合に対応して、リーチ決定用の乱数値MR3のうち「1」〜「235」の範囲の値が「非リーチ」の決定結果に割り当てられる。このような設定により、保留記憶数が多いときには、保留記憶数が少ないときに比べて、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とする旨の決定がなされる割合が低くなる。そして、「非リーチ」に対応した可変表示パターンにおける平均的な可変表示時間は、「リーチ」に対応した可変表示パターンにおける平均的な可変表示時間に比べて短くなるように設定されている。これにより、保留記憶数が多いときには、保留記憶数が少ないときに比べて、平均的な可変表示時間を短縮することができる。なお、「非リーチ」とする決定結果や「リーチ」とする決定結果に対するリーチ決定用の乱数値MR3の割当ては、保留記憶数だけでなく、例えばパチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態、確変状態、時短状態のいずれであるかなどに応じて、異ならせるようにしてもよい。一例として、確変状態であることに対応して確変フラグがオンであるときには、確変フラグがオフであるときに比べて、「非リーチ」の決定結果により多くのリーチ決定用の乱数値MR3が割り当てられるように設定してもよい。このような設定によれば、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときには、通常状態であるときに比べて、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とする旨の決定がなされる割合を、低くすることができる。
図10は、ROM115に記憶される可変表示パターンテーブル203の構成例を示している。可変表示パターンテーブル203は、特別図柄や飾り図柄の可変表示で使用される複数種類の可変表示パターンに関する情報を含んだテーブルデータなどから構成されている。図10に示す構成例では、特図表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかに応じて、各可変表示パターンの名称や可変表示時間(秒)などが、対応付けられて記憶されている。ここで、特図表示結果は、図7に示す特図表示結果決定テーブル200を参照することにより、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが大当り決定値データに合致する場合には「大当り」となり、ハズレ決定値データに合致する場合には「ハズレ」となる。
この実施の形態では、特図表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた可変表示パターンとして、可変表示態様が「非リーチ」となる非リーチハズレパターンと、可変表示態様が「リーチ」となるリーチハズレパターンとが用意されている。非リーチハズレパターンには、図10に示す非リーチA〜非リーチDの可変表示パターンが含まれている。リーチハズレパターンには、図10に示すノーマル、スーパーA〜スーパーDの可変表示パターンが含まれている。ここで、ノーマルの可変表示パターンでは、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に、例えば「中」の飾り図柄表示部5Cにて飾り図柄の減速表示が行われてから、最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示される。スーパーA〜スーパーDの可変表示パターンでは、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に、例えばノーマルの可変表示パターンとは異なる特別のリーチ演出が行われてから、最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示される。また、スーパーA〜スーパーDの可変表示パターンでは、互いに異なるリーチ演出が行われる。
特図表示結果が「大当り」となる場合に応じた可変表示パターンとしては、大当り種別が「通常」あるいは「確変」となる場合に対応した15ラウンド大当りパターンと、大当り種別が「突確」となる場合に対応した2ラウンド大当りパターンとが用意されている。15ラウンド大当りパターンと2ラウンド大当りパターンは、大当りパターンともいう。15ラウンド大当りパターンには、図10に示すノーマル、スーパーA〜スーパーDの可変表示パターンが含まれている。なお、これらの可変表示パターンは、可変表示結果が「ハズレ」で可変表示態様が「リーチ」となる場合の可変表示パターンと共通の可変表示パターンとして用意され、最終停止図柄となる確定飾り図柄だけを異ならせるものであってもよいし、可変表示結果が「ハズレ」となる場合の可変表示パターンとは別個の可変表示パターンとして用意されてもよい。2ラウンド大当りパターンには、図10に示す特異A〜特異Cの可変表示パターンが含まれている。特異A〜特異Cの可変表示パターンでは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となることに対応して、例えば特殊演出といった特別の演出動作が行われてから、あるいは、特別の演出動作が行われることなく、最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示される。特異A〜特異Cの可変表示パターンのいずれか(例えば特異Aの可変表示パターン)では、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、突確チャンス目として予め定められた確定飾り図柄が停止表示されればよい。また、特異A〜特異Cの可変表示パターンのうちの一部(例えば特異Cの可変表示パターン)では、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後、所定のリーチ演出が実行されてから、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されてもよい。
図11(A)は、ROM115に記憶される大当りパターン決定テーブル204Aの構成例を示している。図11(B)は、ROM115に記憶されるリーチハズレパターン決定テーブル204Bの構成例を示している。図11(C)は、ROM115に記憶される非リーチハズレパターン決定テーブル204Cの構成例を示している。大当りパターン決定テーブル204Aは、可変表示結果を「大当り」とする決定結果に基づいて、可変表示パターンを複数種類の大当りパターンのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。リーチハズレパターン決定テーブル204Bは、可変表示結果を「ハズレ」とし可変表示態様を「リーチ」とする決定結果に基づいて、可変表示パターンを複数種類のリーチハズレパターンのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。非リーチハズレパターン決定テーブル204Cは、可変表示結果を「ハズレ」とし可変表示態様を「非リーチ」とする決定結果に基づいて、可変表示パターンを複数種類の非リーチハズレパターンのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
大当りパターン決定テーブル204Aは、図12に示す遊技制御バッファ設定部165に格納された大当り種別バッファ値が「0」〜「2」のいずれであるかに応じて、可変表示パターン決定用の乱数値MR4を、大当りパターンとなる複数種類の可変表示パターンに割り当てる決定用データなどから構成されている。リーチハズレパターン決定テーブル204Bは、可変表示パターン決定用の乱数値MR4を、リーチハズレパターンとなる複数種類の可変表示パターンに割り当てる決定用データなどから構成されている。非リーチハズレパターン決定テーブル204Cは、図12に示す遊技制御フラグ設定部162に設けられた確変フラグや時短フラグがオフであるかオンであるかに応じて、また、保留記憶数に応じて、可変表示パターン決定用の乱数値MR4を、非リーチハズレパターンとなる複数種類の可変表示パターンに割り当てる決定用データなどから構成されている。
図11(C)に示す非リーチハズレパターン決定テーブル204Cでは、確変フラグや時短フラグがオフである場合に、保留記憶数が所定数(例えば「4」)に達していれば、非リーチAの可変表示パターンに対して可変表示パターン決定用の乱数値MR4が割り当てられていない一方で、非リーチCの可変表示パターンに対しては乱数値MR4が割り当てられている。これに対して、保留記憶数が所定数に達していなければ、非リーチAの可変表示パターンに対して乱数値MR4が割り当てられている一方で、非リーチCの可変表示パターンに対しては乱数値MR4が割り当てられていない。そして、図10に示すように、非リーチCの可変表示パターンでは非リーチAの可変表示パターンに比べて、可変表示時間が短くなるように設定されている。こうして、保留記憶数が所定数に達しているときには、所定数に達していないときに比べて、特別図柄や飾り図柄の平均的な可変表示時間が短縮される。これにより、第1始動入賞口や第2始動入賞口に遊技球が進入して始動入賞が発生したときに、保留記憶数が上限値に達しているために始動条件が不成立となる可能性を低減し、パチンコ遊技機1における遊技を促進することができる。
図5に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM116には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図12に示すような遊技制御用データ保持エリア160が設けられている。図12に示す遊技制御用データ保持エリア160は、特図保留記憶部161と、遊技制御フラグ設定部162と、遊技制御タイマ設定部163と、遊技制御カウンタ設定部164と、遊技制御バッファ設定部165とを備えている。
特図保留記憶部161は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が入賞して始動条件は成立したが開始条件は成立していない特図ゲームの保留データを記憶する。一例として、特図保留記憶部161は、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への入賞順に保留番号と関連付けて、その入賞による始動条件の成立に基づいてCPU114により乱数回路113等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データや大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データなどを保留データとし、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部162には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部162には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御フラグ設定部162に、特別図柄プロセスフラグ、デモ表示フラグ、大当りフラグ、確変フラグ、時短フラグ、確変確定フラグ、確変終了確認フラグなどが設けられている。
特別図柄プロセスフラグは、特別図柄表示装置4による特図ゲームの進行や、大当り遊技状態において特別可変入賞球装置7が形成する大入賞口の開閉動作などを制御するために、図29のステップS15にて実行される図30のフローチャートに示すような特別図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。デモ表示フラグは、主基板11から演出制御基板12に対してデモ表示コマンドの送信が行われるときに、オン状態にセットされる。その一方で、デモ表示フラグは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「ハズレ」となる場合に特図ゲームが終了したとき、または、大当り遊技状態が終了したときに、クリアされてオフ状態となる。
大当りフラグは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御する旨の決定がなされたときにオン状態にセットされる一方で、その決定に基づく特図ゲームが終了したときなどにクリアされてオフ状態となる。確変フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態を確変状態とする制御が開始されるときにオン状態にセットされる一方で、確変状態とする制御が終了されるときにクリアされてオフ状態となる。時短フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態を時短状態とする制御が開始されるときにオン状態にセットされる一方で、時短状態とする制御が終了されるときにクリアされてオフ状態となる。
確変確定フラグは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とする場合に大当り種別が「確変」や「突確」に決定されたときにオン状態にセットされる一方で、その決定に基づく特図ゲームに続いて大当り遊技状態が終了するときにクリアされてオフ状態となる。確変終了確認フラグは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態への制御が開始されるときに、確変フラグがクリアされて確変状態への制御が終了される場合であれば、オン状態にセットされる。その一方で、確変終了確認フラグは、大当り遊技状態が終了したときにオン状態であれば、クリアされてオフ状態となる。なお、確変終了確認フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態に制御されているときに可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「通常」となった場合において、その可変表示結果に基づく大当り遊技状態の終了後に確変状態の終了を演出制御基板12に対して通知する確変終了コマンドを送信するために用いられる。
遊技制御タイマ設定部163パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部163には、各種のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御タイマ設定部163に、特別図柄プロセスタイマなどが設けられている。
特別図柄プロセスタイマは、例えば特図ゲームの実行時間である特別図柄の可変表示時間といった特図ゲームの進行を制御するための時間や、大当り遊技状態の進行を制御するための時間などを、主基板11の側にて計測するためのものである。例えば、特別図柄プロセスタイマは、特図ゲームの進行や大当り遊技状態の進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値データを、特別図柄プロセスタイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。この場合、特別図柄表示装置4による特図ゲームが開始されるに際して、特別図柄プロセスタイマには可変表示パターンに対応して決定されたタイマ初期値が設定され、大当り遊技状態にて特別可変入賞球装置7が形成する大入賞口を開放状態とするに際して、1ラウンドの最長継続時間(例えば29秒間)に対応するタイマ初期値が設定される。あるいは、特別図柄プロセスタイマは、特図ゲームの開始時点からの経過時間や、大当り遊技状態の開始時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部164には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部164には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御カウンタ設定部164に、ランダムカウンタ、特図保留記憶数カウンタ、ラウンド回数カウンタ、確変回数カウンタ、時短回数カウンタなどが設けられている。
遊技制御カウンタ設定部164のランダムカウンタは、遊技の進行を制御するために用いられる乱数値を示す数値データの一部を、乱数回路113におけるハードウェアによる更新とは異なり、CPU114がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのものである。一例として、遊技制御カウンタ設定部164のランダムカウンタには、乱数値MR2〜MR4を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU114によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。
特図保留記憶数カウンタは、特図保留記憶部151における保留データの数としての保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、特図保留記憶数カウンタには、保留記憶数に対応したカウント値データが、保留記憶数カウント値として記憶され、保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。ラウンド回数カウンタは、大当り遊技状態におけるラウンドの実行回数などをカウントするためのものである。例えば、ラウンド回数カウンタには、大当り遊技状態の開始時にカウント初期値「1」を示すデータが、ラウンド回数カウント値として設定される。そして、1回のラウンドが終了して次回のラウンドが開始されるときに、ラウンド回数カウント値が1加算されて更新される。
確変回数カウンタは、確変制御が行われる確変状態にて実行可能な特図ゲームの残存回数をカウントするためのものである。例えば、確変回数カウンタには、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」や「突確」となったことに基づく大当り遊技状態が終了するときに、確変状態にて実行可能として予め定められた特図ゲームの上限回数(例えば「100」)を示すデータが、カウント初期値として設定される。そして、確変状態にて可変表示結果が「ハズレ」となる特図ゲームが実行されたときには、確変回数カウンタにおけるカウント値が更新(例えば1減算)される。なお、確変状態となった後に特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで確変状態が継続する場合には、確変回数カウンタが設けられていなくてもよい。
時短回数カウンタは、時短状態にて実行可能な特図ゲームの残存回数をカウントするためのものである。例えば、時短回数カウンタには、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「通常」となったことに基づく大当り遊技状態が終了するときに、時短状態にて実行可能として予め定められた特図ゲームの上限回数(例えば「100」)を示すデータが、カウント初期値として設定される。そして、時短状態にて可変表示結果が「ハズレ」となる特図ゲームが実行されたときには、時短回数カウンタにおけるカウント値が更新(例えば1減算)される。なお、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「通常」となったことに基づく大当り遊技状態の終了後には時短状態とならずに通常状態となる場合には、時短回数カウンタが設けられていなくてもよい。
遊技制御バッファ設定部165には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部165には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御バッファ設定部165に、送信コマンドバッファ、大当り種別バッファ、メインチェックサムバッファなどが設けられている。
送信コマンドバッファは、主基板11からサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信するための設定データを一時的に格納するために用いられる。一例として、送信コマンドバッファには、主基板11から演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための設定データを一時的に格納する演出制御コマンドバッファが含まれていればよい。そして、送信コマンドバッファは、複数(例えば「12」)のバッファ領域を備えて構成され、送信する制御コマンドに対応したコマンドテーブルのROM115における記憶アドレスを示す設定データなどが、各バッファ領域に格納される。また、送信コマンドバッファにおいて設定データの書込や読出を行うバッファ領域は、送信コマンドポインタなどによって指定され、複数のバッファ領域をリングバッファとして使用することができるように構成されていればよい。
大当り種別バッファには、可変表示結果が「大当り」となる場合における飾り図柄の可変表示態様を、「通常」、「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別のいずれかとする決定結果に対応したバッファ値が格納される。一例として、図8に示すような大当り種別決定テーブル201での設定に基づき、大当り種別が「通常」の場合には大当り種別バッファの値(大当り種別バッファ値)が「0」に設定され、大当り種別が「確変」の場合には大当り種別バッファ値が「1」に設定され、大当り種別が「突確」の場合には大当り種別バッファ値が「2」に設定される。メインチェックサムバッファは、パチンコ遊技機1への電力供給が停止されるときにRAM116の特定領域における記憶データを用いて算出されたチェックサムを保存するためのものである。
図5に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるタイマ回路117は、例えば8ビットのプログラマブルカウンタを4チャネル(CH0〜CH3)内蔵して構成され、リアルタイム割込みの発生や時間計測を可能とする回路である。例えば、タイマ回路117では、チャネルごとに予め設定したカウント値から所定周期でのカウントダウンを開始し、カウント値が「00」となったチャネルがあるときには、そのチャネルに対応した割込みフラグをオン状態にセットする。このとき、割込み許可状態であれば、タイマ回路117がCPU114に対する割込み要求を発生する。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるシリアル通信回路118は、例えば全二重、非同期、標準NRZ(Non Return to Zero)フォーマットにより、払出制御基板などといった所定のサブ側の制御基板との間で送受信される通信データを取扱う回路である。なお、主基板11とサブ側の制御基板との間におけるデータの送受信が、全て入出力ポート119を介したパラレル通信などによって行われる場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ100がシリアル通信回路118を備えていなくてもよい。入出力ポート119は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図3に示す演出制御基板12には、信号中継基板13を介して主基板11から送信された演出制御コマンドを受信して、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9、その他の役物といった、各種の演出用電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9におけるランプの点灯動作及び消灯動作、所定の役物の駆動動作などといった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。例えば、演出制御基板12には、演出制御用マイクロコンピュータ120と、表示制御部121と、音制御部122と、ランプ制御部123とが搭載されている。また、演出制御基板12には、画像表示装置5に映像信号を伝送する配線や、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9に駆動信号を伝送する配線などが接続されている。
図13は、演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120や表示制御部121などの構成例を示してる。図13に示す演出制御用マイクロコンピュータ120は、例えば1チップマイクロコンピュータなどを用いて構成され、プログラムに従って制御動作を行うCPU131と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM132と、CPU131のワークエリアを提供するRAM133と、CPU131とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路134と、入出力ポート135とを備えている。
演出制御用マイクロコンピュータ120では、CPU131がROM132から読み出したプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、CPU131がROM132から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU131がRAM133に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU131がRAM133に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU131が入出力ポート135を介して演出制御用マイクロコンピュータ120の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU131が入出力ポート135を介して演出制御用マイクロコンピュータ120の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。この実施の形態において、CPU131は、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して、表示制御用のコマンド(電気信号)となる表示制御指令を出力させて伝送させる。また、CPU131は、入出力ポート135から音制御部122に対して、音声データを出力させて伝送させる。さらに、CPU131は、入出力ポート135からランプ制御部123に対して、ランプデータを出力させて伝送させる。
演出制御基板12では、乱数回路134によって、演出制御基板12の側において用いられる各種の乱数の全部または一部が生成される。例えば、演出制御基板12の側では、確定飾り図柄決定用の乱数値やリーチ予告決定用の乱数値、大当り予告決定用の乱数値などが用いられる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数値が演出制御基板12の側で用いられてもよい。各乱数値を示す数値データは、乱数回路134にてハードウェアによる更新が可能となるようにカウントされてもよいし、CPU131が乱数回路134とは異なるランダムカウンタを用いてソフトウェアによる更新が可能となるようにカウントされてもよい。
確定飾り図柄決定用の乱数値は、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて確定飾り図柄として停止表示される飾り図柄を決定するために用いられる乱数値である。例えば、確定飾り図柄決定用の乱数値には、大当り図柄・左確定図柄決定用の乱数値や中確定図柄決定用の乱数値、右確定図柄決定用の乱数値などが含まれている。リーチ予告決定用の乱数値は、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることを予告する予告演出を実行するか否かを決定し、実行すると決定した場合には予告演出の態様を決定するために用いられる乱数値である。大当り予告決定用の乱数値は、飾り図柄の可変表示結果として大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される可能性があることを予告する予告演出を実行するか否かを決定し、実行すると決定した場合には予告演出の態様を決定するために用いられる乱数値である。
演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるROM132には、CPU131による制御動作を決定するためのデータとして、例えば複数種類の飾り図柄決定テーブルや、予告決定テーブル、事前転送設定テーブル、演出制御パターンテーブルなどを構成するデータが記憶されている。飾り図柄決定テーブルは、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示結果として停止表示される確定飾り図柄などを決定するために用いられるテーブルである。予告決定テーブルは、リーチ予告決定用の乱数値や大当り予告決定用の乱数値といった予告決定用の乱数値に基づき、リーチ予告や大当り予告といった予告演出を実行するか否かや、実行する場合における予告演出の態様を示す予告パターンなどを決定するために用いられるテーブルである。
ROM132に記憶された事前転送設定テーブルは、例えば飾り図柄の画像や背景画像といった、各種の演出画像を示す画像データのうちで、画像表示装置5における表示頻度が所要の演出画像に比べて高くなるように設定された演出画像を示す画像データを、その演出画像が画像表示装置5の表示画面上に表示されることに先立ち、事前に表示制御部121が備える画像データメモリ142(図13)からVDP141内の一時記憶メモリ156(図13)へと転送するよう指令するために用いられるテーブルである。ここで、演出画像は、画像表示装置5の表示画面にて表示可能な所定部位(表示画面の全体または一部)の画像のことであり、また、画像データは、画像表示装置5の表示画面において所定部位(表示画面の全体または一部)の画像を表示するために用意されたデータのことである。
事前転送設定テーブルの具体的な一例として、この実施の形態では、図14(A)に示すような事前転送設定テーブル210が用いられる。図14(A)に示す事前転送設定テーブル210は、3N+1個(Nは任意の自然数)のテーブルデータから構成されている。事前転送設定テーブル210から読み出すテーブルデータは、事前転送カウンタにおけるカウント値である事前転送カウント値によって決定される。
事前転送設定テーブル210には、事前に画像データメモリ142から一時記憶メモリ156へと転送すべき画像データを特定するためのテーブルデータとして、処理数、読出アドレス#1〜#N、書込アドレス#1〜#N、転送データ量#1〜#Nなどを示すデータが格納されている。ここで、画像表示装置5の表示画面上に表示する各演出画像を示す画像データの使用頻度は、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や時短状態であるか確変状態であるかによって差異が生じる。例えば、通常状態や時短状態であるときには、図2(A)に例示したように確変状態のときに比べて飾り図柄を小さく表示するために、飾り図柄を表示するための画像データとして、VGAモード(640×480ピクセル)の画素数に対応して構成された画像データが使用される。これに対して、確変状態であるときには、図2(B)に例示したように通常状態や時短状態のときに比べて飾り図柄を大きく表示するために、飾り図柄を表示するための画像データとして、SVGAモード(800×600ピクセル)の画素数に対応して構成された画像データが使用される。ここで、SVGAモードの画素数に対応して構成された画像データを使用する際には、画像表示装置5に表示する演出画像の拡大率が、VGAモードの画素数に対応して構成された画像データを使用する際に比べて小さい拡大率となるように設定される。したがって、SVGAモードの画素数に対応して構成された画像データを使用すれば、VGAモードの画素数に対応して構成された画像データを使用する場合に比べて、きめの細かい演出画像を表示することができ、大きな演出画像を表示する場合でも画質の粗さが目立たないようにすることができる。
このような設定において、パチンコ遊技機1が通常状態や時短状態であるにもかかわらず、SVGAモードに対応した飾り図柄を示す画像データを一時記憶メモリ156に記憶させても、この画像データを使用する機会がなく、一時記憶メモリ156の使用効率が低下する。そこで、この実施の形態では、図14(B)に示すように、通常状態や時短状態に対応した通常・時短状態用の事前転送設定テーブル210Aと、確変状態に対応した確変状態用の事前転送設定テーブル210Bとを予め用意して、パチンコ遊技機1における遊技状態に対応して表示頻度が所要の演出画像に比べて高くなるように設定された演出画像を示す画像データが事前に画像データメモリ142から一時記憶メモリ156へと転送されるようにする。
演出制御パターンテーブルの具体的な一例として、この実施の形態では、図15(A)に示すような演出制御パターンテーブル211が用いられる。演出制御パターンテーブル211には、特別図柄や飾り図柄の可変表示パターンなどに対応して選択可能となる複数種類の演出制御パターンが格納されている。また、演出制御パターンテーブル211には、大当り遊技状態に制御されている期間における各種の演出制御に対応した複数種類の演出制御パターンや、背景画像の切替、デモ画像表示といった各種の演出制御に対応した複数種類の演出制御パターンが格納されてもよい。
図15(B)は、図15(A)に示す各演出制御パターンの構成例を示している。図15(B)に示すように、演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ初期値を示すデータや、表示制御パターン、音声制御パターン、ランプ制御パターンを構成するパターンデータを含んでいる。ここで、演出制御プロセスタイマ初期値は、各演出制御パターンに対応した演出動作の制御を開始する際に、例えば図18に示す演出制御タイマ設定部192などに設けられた演出制御プロセスタイマにセットされるタイマ初期値である。表示制御パターンは、各種の演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させる動作の制御パターンであり、例えば表示制御用タイマ判定値や表示制御データといった制御データを含んで構成される。音声制御パターンは、スピーカ8L、8Rから演出用音声を出力させるための制御パターンであり、例えば音声制御用タイマ判定値や音声制御データといった制御データを含んで構成される。ランプ制御パターンは、遊技効果ランプ9を点灯、消灯、点滅などさせるための制御パターンであり、例えばランプ制御用タイマ判定値やランプ制御データといった制御データを含んで構成される。
また、ROM132には、複数種類の表示要素を仮想3次元空間内に配置するときの奥行き値(z座標)を、それぞれの表示要素に対応して設定するための奥行き値データが記憶されている。加えて、ROM132には、仮想3次元空間内に配置された表示要素を透視投影変換といった座標変換によりスクリーン座標系に変換して描画するときに、既に描画済みの画像との間で半透明合成を行う場合の不透明度を設定するための不透明度データが記憶されている。こうした奥行き値データと不透明度データとは、それぞれ奥行き値設定テーブルと不透明度設定テーブルとを構成している。
奥行き値設定テーブルの具体的な一例として、この実施の形態では、図16(A)に示す奥行き値設定テーブル212Aと、図16(B)に示す奥行き値設定テーブル212Bとが、ROM132の所定領域に記憶されている。また、不透明度設定テーブルの具体的な一例として、この実施の形態では、図17に示す不透明度設定テーブル213が、ROM132の所定領域に記憶されている。奥行き値設定テーブル212A、212Bには、経過時間と、奥行き値を示すデータとしての奥行き値データとが、対応付けて記憶されている。不透明度設定テーブル213には、奥行き値データと、不透明度を示すデータとしての不透明度データとが、対応付けて記憶されている。
奥行き値設定テーブル212Aは、仮想3次元空間内に配置される複数種類の表示要素のうちで、第1表示要素となる平面画像P1(図27(A)を参照)の奥行き値を、経過時間に応じて減少させる方向に移動させるように設定するためのテーブルデータなどから構成されている。なお、この実施の形態では、仮想3次元空間内で描画領域を含むスクリーン平面に最も接近して表示要素を配置可能な配置位置における奥行き値(z座標)を「00H」とし、そのスクリーン平面から遠方に向かって奥行き値が増大するように設定されているものとする。そして、スクリーン平面から最も遠方で表示要素を配置可能な配置位置における奥行き値を「FFH」としている。描画領域を含むスクリーン平面に最も接近して表示要素を配置可能な配置位置は、そのスクリーン平面と同一平面上となるように設定されてもよい。
奥行き値設定テーブル212Bは、仮想3次元空間内に配置される複数種類の表示要素のうちで、第2表示要素となる平面画像P2(図27(B)を参照)の奥行き値を、平面画像P1の奥行き値とは異なる値に設定するとともに、経過時間に応じて減少させる方向に移動させるように設定するためのテーブルデータなどから構成されている。
不透明度設定テーブル213は、仮想3次元空間内に配置された複数種類の表示要素のうち、所定の視点(仮想カメラ)からみて手前側(近隣)に配置された表示要素の透明度が奥側(遠方)に配置された表示要素の透明度に比べて低くなるように、各表示要素の不透明度を設定するためのテーブルデータなどから構成されている。
図13に示す演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるRAM133には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図18に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図18に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示状態といった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作といった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。なお、フラグ設定やカウンタ/タイマに用いる回路は、RAM133とは別個に設けたレジスタ回路などによって構成してもよい。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
演出制御用マイクロコンピュータ120が備える入出力ポート135は、演出制御用マイクロコンピュータ120に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御用マイクロコンピュータ120の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。例えば、入出力ポート135の出力ポートからは、表示制御部121へと伝送される表示制御指令や、音制御部122へと伝送される音声データ、ランプ制御部123へと伝送されるランプデータなどが出力される。また、入出力ポート135の入力ポートには、主基板11から伝送された演出制御コマンドとしての制御信号などが入力される。
図13に示す表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)141と、画像データメモリ142とが含まれている。VDP141は、例えば画像表示装置5の画面上に各種画像を表示させるための高速描画機能や動画像デコード機能といった画像データ処理機能を有し、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令に従った画像データ処理を実行する画像プロセッサである。画像データメモリ142は、例えばフラッシュメモリなどの半導体メモリや磁気メモリ、光学メモリといった不揮発性の記録媒体を用いて構成され、画像表示装置5における表示画像を示す各種の画像データを記憶する。例えば、画像データメモリ142が記憶する画像データには、画像表示装置5において可変表示される複数種類の飾り図柄などといった、複数種類の演出画像に対応した複数種類の画像データが含まれている。
VDP141は、図13に示すように、ホストインタフェース151と、転送制御回路152と、画像データメモリインタフェース153と、動画像用デコーダ154と、描画回路155と、一時記憶メモリ156と、VRAM157と、表示回路158とを備えている。
ホストインタフェース151は、演出制御用マイクロコンピュータ120との間で各種データをやり取りするためのアドレス入力端子やデータ入出力端子などを含んで構成されている。転送制御回路152は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令などに基づき、画像データメモリ142から読み出した画像データを一時記憶メモリ156に転送する動作といった、VDP141と外部回路との間などでのデータ転送動作を制御する。例えば、転送制御回路152は、DMA(Direct Memory Access)転送を用いて、画像データメモリ142から一時記憶メモリ156へのデータ転送を行うためのDMA装置を備えていればよい。
画像データメモリインタフェース153は、画像データメモリ142に記憶された画像データを読み出すためのアドレスバス接続端子やデータバス接続端子、チップ選択信号出力端子などを含んで構成されている。動画像用デコーダ154は、例えば動き補償予測符号化によりデータ圧縮された状態で画像データメモリ142に記憶されている動画像データを読み出し、所定の伸張処理を実行することなどにより、動画像データのデコードを行う。ここで、動画像用デコーダ154は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令に応答して、動画像データを1フレームずつデコードすることができればよい。
描画回路155は、一時記憶メモリ156に記憶された画像データに基づき画像表示装置5に画像を表示させるために、表示用データの作成などが行われる描画処理を実行する。例えば、描画回路155は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令に応答して、一時記憶メモリ156の読出アドレスから読み出した画像データをVRAM157の書込アドレスに書き込んで記憶させることにより、画像表示装置5の画面上における所定座標に各種画像を表示させるための表示用データを作成する。一例として、描画回路155は、表示要素を仮想的に配置する仮想3次元空間となる空間座標系や、画像表示装置5の表示画面に合わせたスクリーン座標系などを有し、仮想3次元空間に配置された表示要素の座標を透視投影によりスクリーン座標とする座標変換処理や、半透明合成、隠面消去などの処理といった、ジオメトリ処理を実行することができればよい。こうして、描画回路155は、座標変換を伴う半透明合成などにより、仮想3次元空間内に複数種類の表示要素を配置した場合に所定の視点(仮想カメラ)から見える画像を画像表示装置5に表示させるための表示用データを、生成することができる。
一時記憶メモリ156は、例えば揮発性の半導体メモリ(RAMなど)を用いて構成され、画像データメモリ142から読み出された画像データを一時記憶する。図19は、一時記憶メモリ156におけるアドレスマップの一例を示す図である。図19に示すように、一時記憶メモリ156には、固定アドレスエリア156Aと、可変アドレスエリア156Bとを設けることができる。
固定アドレスエリア156Aは、画像表示装置5の画面上に表示される複数種類の表示画像のうちで、表示頻度が高くなるように設定された表示画像を示す画像データとして、事前転送設定テーブル210に登録された画像データを一時記憶する領域である。例えば、飾り図柄となる演出画像を示す画像データは、毎回の可変表示が実行される期間において、少なくとも1回は画像表示装置5の画面上で可変表示を行うために使用される。これに対して、リーチ演出表示にて用いられる演出画像を示す画像データは、可変表示の開始時に、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とする旨の決定がなされたことに基づき、所定の可変表示パターンが決定されたときに限り、その可変表示パターンに応じた飾り図柄の可変表示中における所定期間内にて、画像表示装置5の画面上に演出画像を表示するために使用される。すなわち、飾り図柄を形成する表示画像は、リーチ演出表示を行うための表示画像に比べて、画像表示装置5における表示頻度が高くなるように設定されている。また、例えばリーチ演出表示を行うための表示画像のなかでも、演出の信頼度が低いリーチ演出表示を行うための表示画像の方が、演出の信頼度が高いリーチ演出表示を行うための表示画像にに比べて、画像表示装置5における表示頻度が高くなるように設定されることになる。
可変アドレスエリア156Bは、固定アドレスエリア156Aに画像データが記憶される表示画像に比べて画像表示装置5における表示頻度が低い表示画像を示す画像データとして、事前転送設定テーブル210には登録されていない画像データを一時記憶する領域である。また、可変アドレスエリア156Bは、例えば動画像用デコーダ154によってデコードされた動画像データといった、固定アドレスエリア156Aには記憶されない各種のデータを一時記憶することができる。可変アドレスエリア156Bの先頭アドレスSTADDと終了アドレスENADDは、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令によってVDP141に通知されて設定される。
図13に示すVDP141が備えるVRAM157は、例えば一時記憶メモリ156とは物理的に分離された別個の半導体メモリなどを用いて構成され、描画回路155による描画処理などにより作成される画像の表示用データが展開記憶される。なお、一時記憶メモリ156とVRAM157とは、物理的に分離されたものに限定されず、例えば所定のアドレス設定に応じて、論理的(機能的)に分離された1個の半導体メモリなどを用いて構成されてもよい。VRAM157に展開記憶される表示用データは、例えばポイント、ライン、ポリゴンなどのベクトルデータ(ベクタデータ)等に基づいて描画回路155が作成したピクセルデータ(ラスタデータ)などであればよい。図20は、VRAM157におけるアドレスマップの一例を示している。図20に示すように、VRAM157には、描画用バッファ157Aと、表示用バッファ157Bと、Zバッファ157Cとが設けられている。
描画用バッファ157Aには、飾り図柄や背景などの各表示要素を構成する画素それぞれの表示色であるR、G、Bの表示色データや、各画素の表示色データに対応して設定される不透明度データとしてのアルファ値データが記憶される。ここで、この実施の形態では、一例として図21(A)に示すように、R、G、B、αの各値が、各画素に対応して6ビットずつの合計24ビットからなるピクセルデータPD1として、描画用バッファ157Aに格納される。例えば描画回路155は、一時記憶メモリ156から読み出した画像データを用いたジオメトリ処理などを実行し、画像表示装置5における表示要素の表示位置に対応して決定される描画用バッファ157Aの書込位置に表示色データやアルファ値データを書き込んで記憶させる。VRAM157におけるアドレスRESTAからアドレスRVENDまでの領域は、例えばパチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や時短状態であるときのように、VGAモードに対応した画像データに基づきVGAモードのサイズ(640×480ピクセル)を有する表示用データが作成されるときに、描画用バッファ157Aとして使用される。また、VRAM157におけるアドレスRESTAからアドレスRSENDまでの領域は、例えばパチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときのように、SVGAモードに対応した画像データに基づきSVGAモードのサイズ(800×600ピクセル)を有する表示用データが作成されるときに、描画用バッファ157Aとして使用される。
表示用バッファ157Bには、画像表示装置5における演出画像の表示用データとなる各画素の表示色データが記憶される。この実施の形態では、一例として図21(B)に示すように、R、G、Bの各値が、各画素に対応して8ビットずつの合計24ビットからなるピクセルデータPD2として、表示用バッファ157Bに格納される。表示用バッファ157Bに格納された表示用データは、表示回路158によって読み出される。VRAM157におけるアドレスDISTAからアドレスDVENDまでの領域は、例えばパチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や時短状態であるときのように、VGAモードに対応した画像データに基づきVGAモードのサイズ(640×480ピクセル)を有する表示用データが作成されるときに、表示用バッファ157Bとして使用される。また、VRAM157におけるアドレスDISTAからアドレスDSENDまでの領域は、例えばパチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときのように、SVGAモードに対応した画像データに基づきSVGAモードのサイズ(800×600ピクセル)を有する表示用データが作成されるときに、表示用バッファ157Bとして使用される。なお、表示用バッファ157Bは、画像データのサイズがVGAモードとSVGAモードのいずれに対応しているかに関わりなく、一定の画像サイズに対応した表示用データを格納するものであってもよい。一例として、表示用バッファ157Bには、SVGAモードのサイズ(800×600ピクセル)を有する表示用データが格納されるように構成してもよい。この場合、VGAモードに対応した画像データを用いた描画が行われたときには、描画用バッファ157Aの記憶データを一定の倍率で拡大(縦横ともに1.25倍)することで生成されるSVGAモードのサイズを有する表示用データが、表示用バッファ157Bに格納されるようにすればよい。その一方で、SVGAモードに対応した画像データを用いた描画が行われたときには、描画用バッファ157Aの記憶データを、拡大/縮小せずに表示用バッファ157Bに格納させればよい。
Zバッファ157Cには、描画用バッファ157Aに表示色データやアルファ値データが書き込まれた各画素について、奥行き値となるZ値を示すZ値データが記憶されて保持される。Zバッファ157Cに記憶されたZ値データは、描画用バッファ157Aに書き込まれる画像データが有する奥行き値(z座標)と比較される。そして、その比較結果に応じて描画用バッファ157Aに対する画像データの書込を許可/拒否することで、隠面消去などの処理が行われる。VRAM157におけるアドレスZBSTAからアドレスZVENDまでの領域は、例えばパチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や時短状態であるときのように、VGAモードに対応した画像データに基づきVGAモードのサイズ(640×480ピクセル)を有する表示用データが作成されるときに、Zバッファ157Cとして使用される。また、VRAM157におけるアドレスZBSTAからアドレスZSENDまでの領域は、例えばパチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときのように、SVGAモードに対応した画像データに基づきSVGAモードのサイズ(800×600ピクセル)を有する表示用データが作成されるときに、Zバッファ157Cとして使用される。
表示回路158は、VRAM157の表示用バッファ157Bから表示用データを読み出し、画像表示装置5の表示画面を構成する各画素の階調データを生成するとともに、所定のクロック信号に基づいて走査信号を生成して画像表示装置5に出力することなどにより、画像表示装置5の画面上に各種画像を表示させる回路である。表示回路158は、表示用バッファ157Bから読み出した表示用データの画素数を変換して、画像表示装置5の表示画面を構成する各画素の階調データを生成するスケーラ回路を有している。このスケーラ回路には、表示用バッファ157Bから読み出された表示用データが入力され、垂直方向及び水平方向のいずれか一方あるいは双方について、所定の拡大率で拡大(または縮小)することで、ピクセルデータの画素数を変換する。例えば、スケーラ回路は、拡大後の画素値を拡大前における4点の画素値から線形補間により求めるバイリニアフィルタリングを用いて、ピクセルデータの画素数を変換することができる。スケーラ回路における垂直方向と水平方向の拡大率は、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令により、個別に設定することができる。
また、VDP141には、画像データメモリ142から読み出されて一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aあるいは可変アドレスエリア156Bに一時記憶された画像データを特定可能に管理するテーブルとして、例えば図22に示すようなインデックステーブル220が設けられている。図22に示すインデックステーブル220は、例えば「開始アドレス」、「水平サイズ」、「読出完了フラグ」などを示すデータが、「インデックス番号」を示すデータと対応付けられたテーブルデータにより構成されている。ここで、「開始アドレス」は、画像データメモリ142に記憶されている画像データの先頭アドレスを示す。また、「水平サイズ」は、画像データが示す演出画像の水平方向における大きさを示す。「読出完了フラグ」は、画像データメモリ142から読み出された画像データの一時記憶メモリ156に対する転送が完了した場合に「オン」を示し、転送が完了していない場合や可変アドレスエリア156Bから読み出されてVRAM157への書き込みが完了した場合には「オフ」を示す。
図23は、演出制御用マイクロコンピュータ120にてCPU131が入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して送信する複数種類の表示制御指令の具体例を示している。図23に示すように、この実施の形態では、記憶領域設定指令、画像表示初期設定指令、事前転送指令、自動転送指令、固定アドレス指定転送指令、確変開始用表示設定指令、確変終了用表示設定指令、動画像表示初期設定指令、動画像表示開始設定指令、動画像デコード指令、動画像表示終了設定指令、投影・合成描画指令などといった表示制御指令が、演出制御用マイクロコンピュータ120からVDP141へと送信される。なお、これらの表示制御指令は、主基板11から演出制御基板12に対して送信される演出制御コマンドと同様に、指令の分類を示すデータと、指令の種類を示すデータとから構成されるものでもよい。あるいは、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131によって、入出力ポート135を介してVDP141が備える各種のレジスタに、各表示制御指令に対応した制御データが書き込まれるようにしてもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120の入出力ポート135と、VDP141のホストインタフェース151との間には、所定のバス幅を有するアドレスバスとデータバスが接続されている。そして、VDP141が備える各種のレジスタにはアドレスが付与されており、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、入出力ポート135からアドレスバスに出力したアドレス信号によりVDP141のレジスタを指定してアクセスすることができればよい。
記憶領域設定指令は、一時記憶メモリ156における記憶領域の設定を示す。例えば、記憶領域設定指令は、可変アドレスエリア156Bの先頭アドレスSTADD、可変アドレスエリア156Bの最終アドレスENADDなどを、VDP141に通知するためのデータを含んでいる。
画像表示初期設定指令は、画像表示装置5の画面上に各種画像を表示するための初期設定を示す。例えば、画像表示初期設定指令は、VDP141と画像データメモリ142との間に接続されたデータバスのバス幅を、スプライト画像の表示に対応する第1のバス幅として予め定められた64ビットに設定することを示すデータを含んでいる。また、画像表示初期設定指令は、画像データメモリ142に含まれるメモリチップ142−1〜142−3(図24)のうち読出対象となるチップをスプライト画像用のメモリチップ142−1、142−2とするために、チップセレクトの設定をCS#0とすることを示すデータを含んでいる。
事前転送指令は、画像データメモリ142に記憶されている画像データのうちで、画像表示装置5における表示頻度が所要の表示画像に比べて高くなるように設定された表示画像を示す画像データについて、事前に一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに転送して展開記憶させることを示す。例えば、事前転送指令は、画像データメモリ142における画像データの読出位置や、固定アドレスエリア156Aにて展開記憶させた後の画像サイズなどを、VDP141に通知するためのデータを含んでいる。ここで、画像データメモリ142における画像データの読出位置は、画像データメモリ142における読出アドレスであってもよいし、読出対象となる画像データが示す表示画像に付された特定情報(例えば画像データが示すキャラクタ画像に付与されたキャラクタ番号)などといった、任意の情報を用いて特定されるものでもよい。また、事前転送指令は、固定アドレスエリア156Aに対応して設けられたインデックステーブル220の記憶内容を更新するためのデータを含んでいてもよい。
自動転送指令は、画像データメモリ142に記憶されている画像データのうちで、事前に一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aへと転送されていない画像データについて、VDP141における自動的な転送設定に基づき、VRAM157に書き込ませて、当該画像データが示す表示画像を画像表示装置5の画面上に表示することを示す。例えば、自動転送指令は、画像データメモリ142における画像データの読出位置、VRAM157の描画用バッファ157Aにおける画像データの書込位置、画像データメモリ142から読み出して転送される画像データのデータ量などを、VDP141に通知するためのデータを含んでいる。ここで、VRAM157の描画用バッファ157Aにおける画像データの書込位置は、VRAM157における1次元の書込アドレスであってもよいし、例えば画像表示装置5の画面上における表示画像の配置(例えば表示画像における左上部の表示座標)に対応した2次元アドレスなどといった、任意の情報を用いて特定されるものでもよい。
固定アドレス指定転送指令は、画像データメモリ142から一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aへと事前に転送された画像データについて、VRAM157に書き込ませて、当該画像データが示す表示画像を画像表示装置5の画面上に表示できるようにする。例えば、固定アドレス指定転送指令は、固定アドレスエリア156Aにおける画像データの読出位置、VRAM157の描画用バッファ157Aにおける画像データの書込位置、固定アドレスエリア156Aから読み出して転送される画像データのデータ量などを、VDP141に通知するためのデータを含んでいる。ここで、固定アドレスエリア156Aにおける画像データの読出位置は、例えば固定アドレスエリア156Aに対応して設けられたインデックステーブル220における「インデックス番号」あるいはテーブルデータの記憶アドレスといった、固定アドレスエリア156Aから読み出される画像データの読出アドレスを特定できるものであればよい。
確変開始用表示設定指令は、パチンコ遊技機1において確変状態への制御が開始される場合に対応した表示動作の設定を示す。例えば、確変開始用表示設定指令は、確変状態であるときにVRAM157の表示用バッファ157Bに記憶されるSVGAモードのサイズを有する表示用データから、画像表示装置5の表示画面における画素総数に対応したXGAモードのサイズを有するピクセルデータへの変換を行えるように、表示回路158に設けられたスケーラ回路における拡大率の設定を示すデータを含んでいる。また、確変開始用表示設定指令は、VDP141と画像データメモリ142との間に接続されたデータバスのバス幅を、第1のバス幅となる64ビットに設定することを示すデータを含んでいる。加えて、確変開始用表示設定指令は、画像データメモリ142に含まれるメモリチップ142−1〜142−3(図24)のうち読出対象となるチップを選択するためのチップセレクトの設定をCS#0とすることを示すデータを含んでいる。
確変終了用表示設定指令は、パチンコ遊技機1において確変状態への制御が終了する場合に対応した表示動作の設定を示す。例えば、確変終了用表示設定指令は、通常状態や時短状態であるときにVRAM157の表示用バッファ157Bに記憶されるVGAモードのサイズを有する表示用データから、画像表示装置5の表示画面における画素総数に対応したXGAモードのサイズを有するピクセルデータへの変換を行えるように、表示回路158に設けられたスケーラ回路における拡大率の設定を示すデータを含んでいる。なお、表示用バッファ157Bに一定の画像サイズ(例えばSVGAモードのサイズ)に対応した表示用データが格納される場合には、確変開始用表示設定指令や確変終了用表示設定指令によって、描画用バッファ157Aの記憶データを表示用バッファ157Bに格納する際の拡大率が設定されるようにすればよい。この場合には、確変開始用表示設定指令と確変終了用表示設定指令のいずれが伝送されたときでも、表示回路158に設けられたスケーラ回路では、表示用バッファ157Bにおける一定の画像サイズ(例えばSVGAモードのサイズ)を画像表示装置5の表示画面における画素総数に対応したサイズ(例えばXGAモードのサイズ)とするための拡大率に設定されればよい。また、確変終了用表示設定指令は、VDP141と画像データメモリ142との間に接続されたデータバスのバス幅を、第1のバス幅となる64ビットに設定することを示すデータを含んでいる。加えて、確変終了用表示設定指令は、画像データメモリ142に含まれるメモリチップ142−1〜142−3(図24)のうち読出対象となるチップを選択するためのチップセレクトの設定をCS#0とすることを示すデータを含んでいる。
動画像表示初期設定指令は、画像表示装置5の画面上に動画像を表示するための初期設定を示す。例えば、動画像表示初期設定指令は、動画像の再生表示を行う際にVRAM157の表示用バッファ157Bに記憶されるVGAモードのサイズを有する表示用データから、画像表示装置5の表示画面における画素総数に対応したXGAモードのサイズを有するピクセルデータへの変換を行えるように、表示回路158に設けられたスケーラ回路における拡大率の設定を示すデータを含んでいる。また、動画像表示初期設定指令は、VDP141と画像データメモリ142との間に接続されたデータバスのバス幅を、動画像の表示に対応する第2のバス幅として予め定められた32ビットに設定することを示すデータを含んでいる。加えて、動画像表示初期設定指令は、画像データメモリ142に含まれるメモリチップ142−1〜142−3(図24)のうち読出対象となるチップを動画像用のメモリチップ142−3とするために、チップセレクトの設定をCS#1とすることを示すデータを含んでいる。
動画像表示開始設定指令は、画像表示装置5の画面上にて動画像の再生表示を開始するための設定を示す。例えば、動画像表示開始設定指令には、インデックステーブル220にて動画像に対して付与されるインデックス番号や画像サイズ(水平サイズなど)といった、動画像に対応したインデックステーブル220の設定を示すデータが含まれている。また、動画像表示開始設定指令は、画像データメモリ142における動画像データの読出位置、一時記憶メモリ156における動画像データの書込位置などを、VDP141に通知するためのデータを含んでいる。
動画像デコード指令は、動画像用デコーダ154により1フレーム分の動画像データをデコードすることを示す。例えば、動画像デコード指令は、インデックステーブル220にて動画像に対して付与されたインデックス番号などといった、デコードの対象となる動画像の識別情報を示すデータを含んでいる。また、動画像デコード指令は、デコードの実行を指示するためのデータを含んでいる。
動画像表示終了設定指令は、画像表示装置5の画面上における動画像の再生表示を終了するための設定を示す。例えば、動画像表示終了設定指令には、VDP141と画像データメモリ142との間に接続されたデータバスのバス幅を、スプライト画像の表示に対応する第1のバス幅として予め定められた64ビットに設定することを示すデータが含まれている。加えて、動画像表示終了設定指令は、画像データメモリ142に含まれるメモリチップ142−1〜142−3(図24)のうち読出対象となるチップをスプライト画像用のメモリチップ142−1、142−2とするために、チップセレクトの設定をCS#0とすることを示すデータを含んでいる。
投影・合成描画指令は、透視投影変換及び半透明合成などによる描画処理を実行するための設定を示す。例えば、投影・合成描画指令には、描画処理の対象となる描画対象画像を指定するデータ、描画対象画像の奥行き値を指定する奥行き値設定データ、描画対象画像の不透明度を指定する不透明度設定データなどが含まれている。ここで、描画対象画像を指定するデータは、例えばインデックステーブル220にて描画対象画像に対して付与されたインデックス番号などといった、描画対象画像に付与された画像指定情報を示すデータであってもよいし、画像データメモリ142や一時記憶メモリ156における画像データの記憶アドレスを示すデータであってもよい。また、描画対象画像を指定するデータには、描画対象画像の画像データにおけるデータ量を示すデータ量情報が含まれていてもよい。
図13に示す表示制御部121が備える画像データメモリ142は、例えば図24に示すような複数(図24に示す例では3個)のメモリチップ142−1〜142−3を含んで構成される。図24に示す例では、メモリチップ142−1とメモリチップ142−2に、スプライト画像を表示するために用いられるスプライト画像データが記憶されている。メモリチップ142−1とメモリチップ142−2に記憶されたスプライト画像データは、第1のバス幅として予め定められた64ビットを単位として読み出される。メモリチップ142−1とメモリチップ142−2の記憶データは、VDP141から出力されるチップセレクト信号CS#0がオン状態であるときに読出可能となる。チップセレクト信号CS#0は、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120からVDP141へと伝送される表示制御指令によりチップセレクトの設定をCS#0としたことに対応して、オン状態となる。そして、チップセレクト信号CS#0がオン状態であるときには、メモリチップ142−1からの読出データに対応したデータ信号がデータバス#0〜#31を介して画像データメモリインタフェース153へと伝送され、メモリチップ142−2からの読出データに対応したデータ信号がデータバス#32〜#63を介して画像データメモリインタフェース153へと伝送される。
図24に示すメモリチップ142−3には、動画像を再生表示するために用いられる動画像データが記憶されている。メモリチップ142−3に記憶された動画像データは、第2のバス幅として予め定められた32ビットを単位として読み出される。メモリチップ142−3の記憶データは、VDP141から出力されるチップセレクト信号CS#1がオン状態であるときに読出可能となる。チップセレクト信号CS#1は、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120からVDP141へと伝送される表示制御指令によりチップセレクトの設定をCS#1としたことに対応して、オン状態となる。そして、チップセレクト信号CS#1がオン状態であるときには、メモリチップ142−3からの読出データに対応したデータ信号がデータバス#0〜#31を介して画像データメモリインタフェース153へと伝送される。このときには、データバス#32〜#63は使用されない。
図25は、画像データメモリ142におけるアドレスマップの一例を示している。図25に示すように、画像データメモリ142には、スプライト画像データエリア142Aと、動画像データエリア142Bとが設けられている。
スプライト画像データエリア142Aは、画像表示装置5の画面上にスプライト画像(静止画像)を表示するために使用されるスプライト画像データを記憶する。この実施の形態では、画像データメモリ142におけるアドレスSPSTAからアドレスSPENDまでの領域が、スプライト画像データエリア142Aに設定され、図24に示すスプライト画像用のメモリチップ142−1、142−2を割り当てている。例えば、スプライト画像データエリア142Aでは、64ビット単位でアドレスが付与されており、上位32ビットのデータがメモリチップ142−1に記憶される一方で、下位32ビットのデータがメモリチップ142−2に記憶される。
図26(A)は、スプライト画像データエリア142Aにおけるアドレスマップの一例を示している。図26(A)に示すように、スプライト画像データエリア142Aには、飾り図柄となる「1」〜「8」の数字を示すスプライト画像データや、平面画像P1、P2を示すスプライト画像データ、背景画像B1、B2を示すスプライト画像データなどが記憶されている。この実施の形態では、図26(B)に示すように、SVGAモードに対応したSVGA用の第1スプライト画像データエリア142A−1と、VGAモードに対応したVGA用の第2スプライト画像データエリア142A−2とが、スプライト画像データエリア142Aに設けられている。第1スプライト画像データエリア142A−1には、SVGAモードに対応したスプライト画像表示用の画像データが記憶される。第2スプライト画像データエリア142A−2には、VGAモードに対応したスプライト画像表示用の画像データが記憶される。
図27(A)は、スプライト画像データエリア142Aに記憶される画像データにより形成される平面画像P1の一例を示している。図27(B)は、スプライト画像データエリア142Aに記憶される画像データにより形成される平面画像P2の一例を示している。図27(A)に示すように、平面画像P1は、雲の形状を有する白色の表示オブジェクトCL1を含んでいる。図27(B)に示すように、平面画像P2は、表示オブジェクトCL2とは異なる雲の形状を有する白色の表示オブジェクトCL2を含んでいる。なお、平面画像P1に含まれる表示オブジェクトと、平面画像P2に含まれる表示オブジェクトとでは、その表示色や大きさ、オブジェクトの個数などのうち、全部または一部が互いに異なるものであればよい。
図25に示す動画像データエリア142Bは、画像表示装置5の画面上にて動画像を再生表示するために使用される動画像データを記憶する。この実施の形態では、画像データメモリ142におけるアドレスMBSTAからアドレスMBENDまでの領域が、動画像データエリア142Bに設定され、図24に示す動画像用のメモリチップ142−3を割り当てている。例えば、動画像データエリア142Bでは、32ビット単位でアドレスが付与されており、全てのデータがメモリチップ142−3に記憶される。動画像データエリア142Bに記憶される動画像データのフォーマットは任意であり、フレーム内符号化やフレーム間符号化などを施すことにより圧縮した所定の画像データなどから構成されていればよい。例えば、動画像データのフォーマットとして、図28に示すようなデータ構成からなるMPEG−2形式などの予測符号化形式を採用してもよい。図28に示すMPEG−2のビデオストリームは、シーケンス、GOP、ピクチャ、スライス、マクロブロックが、ブロックの各レイヤごとに階層的に構成されている。シーケンスとは、一つのビデオプログラム全体の符号化信号を意味する。シーケンスは、シーケンスヘッダで始まり、シーケンスエンドで終わる。シーケンスヘッダには、画像の大きさを表す情報や一秒間に符号化するフレーム数、通信速度などの情報が含まれる。シーケンスは一つ以上の「GOP」から構成される。GOP(Group Of Picture)は、「GOPヘッダ」、「ピクチャ」(1つ以上)から成り、GOPヘッダには、画像復元時に音声などとの時間あわせを可能とするためのタイムスタンプ情報などが含まれる。
ピクチャは、動画信号を構成する1枚1枚の各画面に相当し、フレーム内符号化により圧縮されて単独で画像を復号可能なキーフレームであるIピクチャ、過去のフレームのみを用いて前方向の動き補償予測を行って画像を復号するための前方予測フレームであるPピクチャ、過去及び未来両方のフレームを用いて双方向の動き補償を行う双方向予測フレームであるBピクチャのいずれかから構成される。各ピクチャは、「ピクチャヘッダ」、「スライス」(1つ以上)から成る。ピクチャヘッダには、I、P、Bピクチャを識別するための情報や、各ピクチャの表示順を指定する情報などが含まれる。スライスは、「スライス情報」、「マクロブロック」(1つ以上)から成り、スライス情報には、このスライス内で使われる符号化情報、たとえば量子化特性を表す情報などが含まれる。マクロブロックは、「マクロブロック情報」、「ブロック」(1つ以上)から成り、Y信号4個と、Cr、Cb各1ブロックから構成される。マクロブロック情報には、マクロブロック単位で符号化制御を行うための情報などが含まれる。ブロックは、Y信号、Cr信号、Cb信号いずれかのDTC係数データから構成されている。なお、映像自体は、実写による映像でも、CG(コンピュータグラフィック)による映像でもかまわない。
図3に示す演出制御基板12に搭載された音制御部122は、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120から受けた音声データにデジタル/アナログ変換を施すなどして音声信号を生成し、スピーカ8L、8Rに供給することによって音声を出力させる回路を含んでいる。演出制御基板12に搭載されたランプ制御部123は、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120から受けたランプデータに応じたランプ駆動信号を生成し、遊技効果ランプ9や各種の装飾用ランプ、LED等の電飾部材に供給することによって点灯/消灯切換を行う回路を含んでいる。なお、音制御部122やランプ制御部123は、演出制御基板12の外部に設置された回路などにより構成されてもよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU114によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU114は、割込禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えば、電源基板などに搭載されたクリアスイッチが押圧操作されたか否かの判定を行い、押圧操作された場合には、RAM116をクリアした後に所定の作業領域に初期値を設定するなどの初期設定処理が実行される。これに対して、クリアスイッチが押圧操作されていない場合には、RAM116のバックアップ領域における記憶内容などに基づき、チェックサムを算出した結果とメインチェックサムバッファの内容とが一致した場合などに、主基板11の内部状態をパチンコ遊技機1にて電源断が生じる前の状態に戻すための復旧処理が実行される。また、初期設定では、演出制御基板12の側において表示制御部121の画像データメモリ142から読み出されたスプライト画像データがVDP141の一時記憶メモリ156における固定アドレスエリア156Aに転送されて記憶されるまで、所定の遅延処理を実行して待機するようにしてもよい。この遅延処理は、CPU114が定期的にタイマ割込み処理を実行するためにタイマ回路117のレジスタ設定を行うより以前に、実行されるようにすればよい。これにより、画像データの転送が不完全な状態で特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されることを防止して、画像表示装置5の画面上にて適切な飾り図柄の可変表示を行うことができる。
また、遊技制御メイン処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるタイマ回路117のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにタイマ回路117からの割込み要求信号がCPU114へ送出され、CPU114は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定処理や復旧処理が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU114は、タイマ回路117からの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図29のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
図29に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU114は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路101を介して各スイッチ21〜23などから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のエラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR4の一部をソフトウェアにより更新するためのメイン側乱数値更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU114は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部162に設けられた特別図柄プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や特別可変入賞球装置7における大入賞口開閉動作の設定などを所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU114は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示(例えば、点灯・点滅表示など)や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御の設定などを可能にする。普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU114は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信させる(ステップS17)。
ステップS17にて実行されるコマンド制御処理では、例えばCPU114が遊技制御バッファ設定部165に設けられた送信コマンドバッファにおけるバッファ領域の記憶データを読み出して有効な演出制御コマンドを送信するための設定データであるか否かを判定することなどにより、送信コマンドの有無を判定する。一例として、読み出したデータがヌルデータ「00H」や所定の終了コードに対応するデータである場合には、有効な演出制御コマンドを送信するための設定データではないと判定する。これに対して、例えば読み出したデータの先頭ビット(ビット7)が「1」である場合など、演出制御コマンドにおけるMODEデータとして設定可能なデータである場合には、有効な演出制御コマンドを送信するための設定データであると判定する。こうして送信コマンドがないと判定された場合には、そのままコマンド制御処理を終了する。他方、送信コマンドがある場合には、送信コマンドバッファにおけるバッファ領域の記憶データを読み出すことにより、指定されたコマンドテーブルに格納された設定データを読み出す。そして、読み出された設定データを演出制御コマンドのMODEデータとして送信する場合には、入出力ポート119に含まれる出力ポートのうち演出制御基板12に対する演出制御コマンド送信用の出力ポート(演出制御コマンド用出力ポート)にセットする。続いて、入出力ポート119に含まれる出力ポートのうち演出制御基板12に対して演出制御INT信号を送信するための出力ポートにオン状態を示すデータを設定することなどにより、演出制御INT信号の出力を開始する。その後、所定時間(例えば約1マイクロ秒)が経過するまで待機してから、演出制御INT信号の出力を停止し、所定時間(例えば約2.5マイクロ秒)が経過するまで待機する。
その後、送信コマンドポインタの値を1加算して更新し、更新後の送信コマンドポインタが指定するバッファ領域の記憶データを読み出すことにより、指定されたコマンドテーブルに格納された次の設定データを読み出す。このときには、読み出された設定データに基づき、各種の拡張データを参照するようにしてもよい。拡張データを参照する場合には、遊技制御バッファ設定部165に設けられた所定のバッファなどから、拡張データを演出制御コマンドにおけるEXTデータとして読み出せばよい。拡張データを参照しない場合には、コマンドテーブルから読み出された設定データを演出制御コマンドにおけるEXTデータとする。こうして取得した演出制御コマンドのEXTデータは、入出力ポート119に含まれる演出制御コマンド用出力ポートにセットされる。その後、MODEデータを送信する場合と同様にして、演出制御INT信号を一定時間が経過するまで出力してから、その出力を停止するための処理を実行する。そして、送信コマンドポインタの値を1加算して更新してから、コマンド制御処理を終了する。こうしてコマンド制御処理を実行した後に、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図30は、特別図柄プロセス処理として、図29に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す特別図柄プロセス処理を開始すると、CPU114は、まず、例えば始動口スイッチ22からの検出信号がオン状態となったか否かをチェックすることにより、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に、遊技球が入賞したか否かを判定する(ステップS101)。遊技球が第1始動入賞口及び第2始動入賞口のいずれかに入賞して始動口スイッチ22からの検出信号がオン状態となった場合には(ステップS101;Yes)、始動入賞処理を実行する(ステップS102)。始動入賞処理を実行した後には、例えば遊技制御カウンタ設定部164に設けられた特図保留記憶数カウンタにおけるカウント値である特図保留記憶数カウント値に対応する保留記憶数通知コマンドテーブルの先頭アドレスを、遊技制御バッファ設定部165に設けられた送信コマンドバッファにセットすることなどにより、保留記憶数通知コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS103)。こうしたステップS103での設定を行った場合には、特別図柄プロセス処理が終了してから図29に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることにより、主基板11から演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドが送信されることになる。ステップS101にて始動口スイッチ22からの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS101;No)、ステップS102、S103の処理をスキップする。
ステップS102にて実行される始動入賞処理では、まず、特図保留記憶部161に記憶されている保留データの個数である特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、特図保留記憶数が上限値となっていれば、今回の入賞による始動検出は無効で始動条件は不成立として、そのまま始動入賞処理を終了する。これに対して、特図保留記憶数が上限値未満であるときには、例えば乱数回路113の乱数値レジスタにおける格納値などを、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データとして読み出す。例えばCPU114は、乱数回路113に伝送される出力制御信号をオン状態に設定した後、乱数回路113から伝送される乱数値出力信号を取り込むことにより、乱数回路113が備える乱数値レジスタから読み出された数値データを乱数値MR1として取得すればよい。同様にして、あるいは、遊技制御カウンタ設定部164に設けられたランダムカウンタなどから、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを読み出す。こうして特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を読み出したことに続いて、その乱数値MR1、MR2を示す数値データを、特図保留記憶部161における空きエントリの先頭にセットする。このときには、例えば特図保留記憶数カウント値を1加算することなどにより、特図保留記憶部161における特図保留記憶数を1加算して更新する。
ステップS103の処理を実行した後や、ステップS101にて始動口スイッチ22からの検出信号がオフ状態であると判定された後には、遊技制御フラグ設定部162に設けられた特別図柄プロセスフラグの値に応じて、CPU114が図33に示すようなステップS110〜S117の各処理を実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理は、特図保留記憶部161に格納された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データなどに基づき、特別図柄表示装置4による特図ゲームを開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。ステップS111の可変表示パターン設定処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この可変表示パターン設定処理は、特別図柄や飾り図柄の可変表示パターンを決定する処理や、可変表示パターン等に対応した可変表示時間を決定する処理などを含んでいる。
ステップS112の特別図柄可変表示処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄可変表示処理では、特別図柄表示装置4を構成する各セグメントの点灯/消灯制御を行って特別図柄を変動させるための制御が行われる。また、特別図柄可変表示処理は、特別図柄表示装置4による特図ゲームにおける可変表示の残存時間を、遊技制御タイマ設定部163に設けられた特別図柄プロセスタイマの値である特別図柄プロセスタイマ値によって計測する処理、特図ゲームにおける可変表示時間が経過したことに対応して確定特別図柄を停止表示させる処理などを含んでいる。ステップS113の特別図柄停止処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理は、特別図柄表示装置4による特図ゲームが終了したことに対応して、大当り開始コマンドを送信するための設定を行う処理などを含んでいる。
ステップS114の大入賞口開放前処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大入賞口開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して特別可変入賞球装置7が形成する大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大入賞口開放回数最大値の設定に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大入賞口開放回数最大値が15ラウンド大当り状態に対応した「15」に設定された場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定する。これに対して、大入賞口開放回数最大値が2ラウンド大当り状態に対応した「2」に設定された場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.5秒」に設定する。そして、大入賞口を開放状態とするときには、ソレノイド駆動信号をソレノイド回路102からソレノイド82に対して供給させる処理などが実行されればよい。
ステップS115の大入賞口開放中処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大入賞口開放中処理は、大当り遊技状態にて実行されるラウンドごとに大入賞口を開放状態とする残存時間を、特別図柄プロセスタイマ値を更新することなどによって計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、ソレノイド回路102からソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS116の大入賞口開放後処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大入賞口開放後処理は、大入賞口を開放状態とすることによるラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値(例えば「2」あるいは「15」)に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了コマンドを送信するための設定を行う処理などを含んでいる。ステップS117の大当り終了処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理は、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品により大当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応した各種の設定を行う処理などを含んでいる。
図31は、図30のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す特別図柄通常処理において、CPU114は、まず、例えば遊技制御カウンタ設定部164に保持された特図保留記憶数カウント値を読み取ることなどにより、特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS201)。
ステップS201にて特図保留記憶数が「0」以外である場合には(ステップS201;No)、特図保留記憶部161から保留番号「1」に対応して記憶されている特図表示結果決定用の乱数値MR1を示すデータと、大当り種別決定用の乱数値MR2を示すデータとを読み出す(ステップS202)。このときには、例えば特図保留記憶数カウント値を1減算することなどにより、特図保留記憶数を更新する(ステップS203)。さらに、ステップS203の処理では、特図保留記憶部161において保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された保留データとしての乱数値MR1、MR2を示すデータを、1エントリずつ上位にシフトする。
ステップS203の処理に続いて、図7に示す特図表示結果決定テーブル200を参照することにより、確変フラグがオンであるか否かに応じて、ステップS203にて読み出した乱数値MR1を示す数値データが大当り決定値データと合致するか否かを判定する(ステップS204)。これにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの判定が行われる。そして、乱数値MR1が大当り決定値データと合致した場合には(ステップS204;Yes)、遊技制御フラグ設定部162に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS205)。このときには、ステップS203にて読み出した乱数値MR2を示す数値データに基づき、図8に示す大当り種別決定テーブル201を参照することにより、大当り種別を、「通常」、「確変」、「突確」という複数種類のうち、いずれかの大当り種別に決定する(ステップS206)。ステップS206の処理では、大当り種別決定テーブル201における設定用データに基づき、決定された大当り種別を示す大当り種別バッファ値が「0」〜「2」のいずれかに設定される。例えば、大当り種別が「通常」に決定された場合には大当り種別バッファ値が「0」に設定され、大当り種別が「確変」に決定された場合には大当り種別バッファ値が「1」に設定され、大当り種別が「突確」に決定された場合には大当り種別バッファ値が「2」に設定される。
ステップS206の処理を実行した後には、ステップS206にて大当り種別が「通常」に決定されて可変表示態様が「通常大当り」となるか否かを判定する(ステップS207)。このとき、可変表示態様が「通常大当り」とはならない旨の判定がなされた場合には(ステップS207;No)、ステップS206にて大当り種別が「確変」または「突確」に決定されて可変表示態様が「確変大当り」または「突確大当り」となることに対応して、遊技制御フラグ設定部162に設けられた確変確定フラグをオン状態にセットする(ステップS208)。そして、大当り種別に応じた確変大当り図柄である特別図柄を、始動条件の成立に基づき今回実行される特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄に決定する(ステップS209)。例えばステップS206にて決定された大当り種別が、「確変」である場合には「7」の数字を示す確変大当り図柄としての15ラウンド大当り図柄を確定特別図柄に決定し、「突確」である場合には「1」の数字を示す確変大当り図柄としての2ラウンド大当り図柄を確定特別図柄に決定する。これに対して、ステップS207にて可変表示態様が「通常大当り」となる旨の判定がなされた場合には(ステップS207;Yes)、通常大当り図柄である「3」の数字を示す15ラウンド大当り図柄を、確定特別図柄に決定する(ステップS210)。
ステップS209、S210の処理のいずれかを実行した後には、大入賞口開放回数最大値を設定する(ステップS211)。このときには、例えばステップS206にて設定された大当り種別バッファ値などに基づき、15ラウンド大当り状態と2ラウンド大当り状態のいずれかに制御するための大入賞口開放回数最大値が設定されればよい。一例として、ステップS206にて設定された大当り種別バッファ値が「0」及び「1」のいずれかであれば、大入賞口開放回数最大値を15ラウンド大当り状態に対応した「15」に設定する。大当り種別バッファ値は、ステップS206にて決定された大当り種別が「通常」である場合に「0」に設定され、ステップS206にて決定された大当り種別が「確変」である場合に「1」に設定される。これに対して、ステップS206にて設定された大当り種別バッファ値が「2」であれば、大入賞口開放回数最大値を2ラウンド大当り状態に対応した「2」に設定する。大当り種別バッファ値は、ステップS206にて決定された大当り種別が「突確」である場合に、「2」に設定される。
ステップS204にて乱数値MR1を示す数値データが大当り決定値データと合致しない場合には(ステップS204;No)、可変表示結果を「ハズレ」として大当り遊技状態には制御しない旨の決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に決定する(ステップS212)。ステップS211、S212の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄プロセスフラグの値を可変表示パターン設定処理に対応した値である“1”に更新した後(ステップS213)、特別図柄通常処理を終了する。
ステップS201にて特図保留記憶数が「0」である場合には(ステップS201;Yes)、遊技制御フラグ設定部162に設けられたデモ表示フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS214)。このとき、デモ表示フラグがオンであれば(ステップS214;Yes)、特別図柄通常処理を終了する。これに対して、ステップS214にてデモ表示フラグがオフである場合には(ステップS214;No)、例えば予め用意されたデモ表示コマンドテーブルのROM115における先頭アドレスを、遊技制御バッファ設定部165に設けられた送信コマンドバッファにて送信コマンドポインタで指定されるバッファ領域にセットすることなどにより、デモ表示コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(S215)。こうしたステップS215での設定を行った場合には、特別図柄プロセス処理が終了してから図29に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることにより、主基板11から演出制御基板12に対してデモ表示コマンドが送信されることになる。ステップS215の処理を実行した後には、デモ表示フラグをオン状態にセットしてから(ステップS216)、特別図柄通常処理を終了する。
図32は、図30のステップS111にて実行される可変表示パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図32に示す可変表示パターン設定処理において、CPU114は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS221)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS221;Yes)、可変表示パターンを決定するための使用テーブルとして、図11(A)に示す大当りパターン決定テーブル204Aを設定する(ステップS222)。一例として、CPU114は、ステップS222の処理において、ROM115に記憶された大当りパターン決定テーブル204Aを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、RAM116に設けられた所定のテーブルポインタにセットすればよい。
ステップS221にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS221;No)、リーチ決定用の乱数値MR3を示す数値データを、乱数回路113、あるいは、遊技制御カウンタ設定部164に設けられたランダムカウンタなどから、読み出すことにより取得する(ステップS223)。続いて、ステップS223にて取得した乱数値MR3を示す数値データに基づき、図9に示すリーチ決定テーブル202を参照することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」と「非リーチ」のいずれとするかを決定する(ステップS224)。このときには、ステップS224にて決定された可変表示態様が「リーチ」であるか否かの判定が行われれる(ステップS225)。
ステップS225にて可変表示態様が「リーチ」であると判定された場合には(ステップS225;Yes)、可変表示パターンを決定するための使用テーブルとして、図11(B)に示すリーチハズレパターン決定テーブル204Bを設定する(ステップS226)。一例として、CPU114は、ステップS226の処理において、ROM115に記憶されたリーチハズレパターン決定テーブル204Bを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、テーブルポインタにセットする。
ステップS225にて可変表示態様が「リーチ」ではなく「非リーチ」であると判定された場合には(ステップS225;No)、可変表示パターンを決定するための使用テーブルとして、図11(C)に示す非リーチハズレパターン決定テーブル204Cを設定する(ステップS227)。一例として、CPU114は、ステップS227の処理において、ROM115に記憶された非リーチハズレパターン決定テーブル204Cを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、テーブルポインタにセットする。
ステップS222、S226、S227の処理のいずれかを実行した後には、可変表示パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データを、乱数回路113、あるいは、遊技制御カウンタ設定部164に設けられたランダムカウンタなどから、読み出すことにより取得する(ステップS228)。そして、ステップS228にて取得した乱数値MR4に基づき、ステップS222、S226、S227の処理のいずれかにて設定したパターン決定テーブル204A〜204Cのいずれかを参照することにより、乱数値MR4などに対応した可変表示パターンを決定する(ステップS229)。その後、ステップS229にて決定された可変表示パターン等に対応する可変表示時間を決定する(ステップS230)。ステップS230の処理では、決定された可変表示時間に対応したタイマ初期値を、遊技制御タイマ設定部163に設けられた特別図柄プロセスタイマに設定してもよい。
ステップS230の処理に続いて、例えばステップS229にて決定された可変表示パターンなどに対応して、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されることに対応して各種コマンドを送信するための設定が行われる(ステップS231)。例えば、CPU114は、ステップS231の処理において、予め用意された複数種類の可変表示開始コマンドテーブルのうち、可変表示パターンなどに対応したコマンドテーブルを構成するテーブルデータのROM115における先頭アドレスを、送信コマンドバッファにセットする。また、ステップS231の処理では、予め用意された複数種類の表示結果通知コマンドテーブルのうち、確定特別図柄などに対応したコマンドテーブルを構成するテーブルデータのROM115における先頭アドレスを、送信コマンドバッファにセットする。加えて、ステップS231の処理では、予め用意された複数種類の保留記憶数通知コマンドテーブルのうち、特図保留記憶数に対応したコマンドテーブルを構成するテーブルデータのROM115における先頭アドレスを、送信コマンドバッファにセットする。あるいは、可変表示開始コマンドテーブルには、可変表示開始コマンドを送信するための制御データの他に、表示結果通知コマンドや保留記憶数通知コマンドを送信するための制御データが含まれていてもよい。この場合には、ステップS231の処理において、可変表示開始コマンドテーブルの先頭アドレスが送信コマンドバッファにセットされればよい。こうしてステップS231での設定が行われた後には、特別図柄プロセス処理が終了してから図29に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して、可変表示開始コマンド、表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。なお、このとき送信される演出制御コマンドの送信順序は、任意に設定されたものであればよい。
ステップS231での設定に続いて、例えばCPU114が特別図柄表示装置4における各セグメントや各ドットの点灯/消灯動作を開始させるなどといった、特別図柄表示装置4において特別図柄の可変表示を開始させるための設定を行う(ステップS232)。このときには、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄可変表示処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS233)、可変表示パターン設定処理を終了する。
図33は、図30のステップS113にて実行される特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図33に示す特別図柄停止処理において、CPU114は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS241)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS241;Yes)、大当り開始時演出待ち時間を設定する(ステップS242)。一例として、CPU114は、ステップS242の処理において、大当り開始時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値を、特別図柄プロセスタイマに設定する。
ステップS242の処理に続いて、大当り開始コマンドを送信するための設定を行う(ステップS243)。例えば、CPU111は、ステップS243の処理において、ROM115に記憶された大当り開始コマンドテーブルを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、送信コマンドバッファにセットする。ステップS243での設定を行った場合には、特別図柄プロセス処理が終了してから図29に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることによって、主基板11から演出制御基板12に対して大当り開始コマンドが送信される。
ステップS243の処理を実行した後には、大当りフラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS244)。続いて、確変フラグがオンであるか否かを判定し(ステップS245)、オンである場合には(ステップS245;Yes)、確変フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS246)、遊技制御カウンタ設定部164に設けられた確変回数カウンタをクリアして、その値を「0」に初期化する(ステップS247)。このときには、遊技制御フラグ設定部162に設けられた確変終了確認フラグをオン状態にセットしておく(ステップS248)。
ステップS245にて確変フラグがオフである場合や(ステップS245;No)、ステップS248の処理を実行した後には、時短フラグがオンであるか否かを判定し(ステップS249)、オンである場合には(ステップS249;Yes)、時短フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS250)、遊技制御カウンタ設定部164に設けられた時短回数カウンタをクリアして、その値を「0」に初期化する(ステップS251)。ステップS249にて時短フラグがオフである場合や(ステップS249;No)、ステップS251の処理を実行した後には、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS252)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS241にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS241;No)、確変フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS253)。このとき、確変フラグがオンであれば(ステップS253;Yes)、確変回数カウント値を1減算して更新する(ステップS254)。そして、ステップS254での更新後における確変回数カウント値が「0」であるか否かを判定する(ステップS255)。
ステップS255にて確変回数カウント値が「0」であると判定された場合には(ステップS255;Yes)、例えばROM115に記憶された確変終了コマンドテーブルの先頭アドレスを送信コマンドポインタにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して確変終了コマンドを送信するための設定を行う(ステップS256)。こうしたステップS256での設定を行った場合には、特別図柄プロセス処理が終了してから図29に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることによって、主基板11から演出制御基板12に対して確変終了コマンドが送信される。ステップS256の処理を実行した後には、確変フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS257)。
ステップS253にて確変フラグがオフである場合や(ステップS253;No)、ステップS255にて確変回数カウント値が「0」以外の値である場合(ステップS255;No)、あるいはステップS257の処理を実行した後には、時短フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS258)。このとき、時短フラグがオンであれば(ステップS258;Yes)、時短回数カウント値を1減算して更新する(ステップS259)。そして、ステップS259での更新後における時短回数カウント値が「0」であるか否かを判定する(ステップS260)。ステップS260にて時短回数カウント値が「0」であると判定された場合には(ステップS260;Yes)、時短フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS261)。
ステップS258にて時短フラグがオフである場合や(ステップS258;No)、ステップS260にて時短回数カウント値が「0」以外の値である場合(ステップS260;No)、あるいはステップS261の処理を実行した後には、デモ表示フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS262)、特別図柄プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS263)、特別図柄停止処理を終了する。
図34は、図30のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図34に示す大当り終了処理において、CPU114は、まず、所定の大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS271)。ここで、大当り終了時演出待ち時間は、図30のステップS116にて実行される大入賞口開放後処理にて、特別図柄プロセスフラグの値を“7”に更新するときに特別図柄プロセスタイマに設定されたタイマ初期値に基づいて計測されればよい。例えば、CPU114は、ステップS271の処理にて特別図柄プロセスタイマにおけるタイマ値を1減算するなどして更新し、更新後のタイマ値を所定の待ち時間経過判定値データ(例えば「0」を示すデータ)と比較することなどにより、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS271にて大当り終了時演出待ち時間が経過していない場合には(ステップS271;No)、そのまま大当り終了処理を終了させる。
ステップS271にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS271;Yes)、確変確定フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS272)。このとき、確変確定フラグがオンであれば(ステップS272;Yes)、確変フラグをオン状態にセットするとともに(ステップS273)、確変確定フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS274)。また、確変回数カウンタに所定のカウント初期値(例えば「100」)を設定する(ステップS275)。この実施の形態では、ステップS273にて確変フラグがオン状態にセットされた後、図32のステップS229において、ステップS227で設定された図11(C)に示す非リーチハズレパターン決定テーブル204Cを参照して可変表示パターンが決定されるときに、確変フラグがオンであることに対応して、非リーチハズレパターンが決定される。これにより、確変状態であるときには、時短フラグがオンである時短状態と同様に、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が通常状態に比べて短縮される。そして、例えばROM115に記憶された確変開始コマンドテーブルの先頭アドレスを送信コマンドポインタにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して確変開始コマンドを送信するための設定を行う(ステップS276)。こうしたステップS276での設定を行った場合には、特別図柄プロセス処理が終了してから図29に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることによって、主基板11から演出制御基板12に対して確変開始コマンドが送信される。ステップS276の処理を実行した後には、確変終了確認フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS277)。
ステップS272にて確変確定フラグがオフである場合には(ステップS272;No)、時短フラグをオン状態にセットするとともに(ステップS278)、時短回数カウンタに所定のカウント初期値(例えば「100」)を設定する(ステップS279)。続いて、確変終了確認フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS280)。このとき、確変終了確認フラグがオンであれば(ステップS280;Yes)、例えばROM115に記憶された確変終了コマンドテーブルの先頭アドレスを送信コマンドポインタにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して確変終了コマンドを送信するための設定を行う(ステップS281)。こうしたステップS281での設定を行った場合には、特別図柄プロセス処理が終了してから図29に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることによって、主基板11から演出制御基板12に対して確変終了コマンドが送信される。
ステップS277にて確変終了確認フラグがオンである場合や(ステップS277;Yes)、ステップS281の処理を実行した後には、確変終了確認フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS282)。ステップS277にて確変終了確認フラグがオフである場合や(ステップS277;No)、ステップS280にて確変終了確認フラグがオフである場合(ステップS280;No)、あるいはステップS272の処理を実行した後には、デモ表示フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS283)、特別図柄プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS284)、大当り終了処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板から電源電圧の供給を受けると、演出制御用マイクロコンピュータ120が起動し、CPU131が図35のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図35に示す演出制御メイン処理を開始すると、CPU131は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS51)、RAM133のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載された図示せぬCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。続いて、CPU131は、記憶領域設定指令処理を実行することにより、VDP141が備える一時記憶メモリ156における記憶領域を、図19に示すような固定アドレスエリア156Aと可変アドレスエリア156Bとに設定するための指令を行う(ステップS52)。
図36は、図35のステップS52にて実行される記憶領域設定指令処理の一例を示すフローチャートである。この記憶領域設定指令処理において、CPU131は、図19に示すような可変アドレスエリア156Bとなる記憶領域を設定するためのデータとして、STADDの設定データと、ENADDの設定データとを、ROM132から読み出す(ステップS131、S132)。そして、ステップS131、S132にて読み出した設定データに基づき、記憶領域設定指令を作成して、表示制御部121が備えるVDP141に対して送信する(ステップS133)。例えば、CPU131は、ステップS133の処理において、入出力ポート135に含まれる出力ポートのうち表示制御部121のVDP141に対する表示制御指令送信用の出力ポートに、記憶領域設定指令に対応した制御データをセットする。これにより、CPU131は、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して記憶領域設定指令を送信させる。演出制御用マイクロコンピュータ120の入出力ポート135から送信された記憶領域設定指令は、VDP141のホストインタフェース151にて取り込まれる。
以上のような記憶領域設定指令処理を実行した後には、事前転送指令処理を実行することにより、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aとなる記憶領域に、画像表示装置5における表示頻度が所要の演出画像に比べて高くなるように設定された演出画像に対応した画像データを一時記憶させるための指令を行う(図35のステップS53)。
図37は、図35のステップS53などにて実行される事前転送指令処理の一例を示すフローチャートである。この事前転送指令処理において、CPU131は、まず、例えば演出制御フラグ設定部191に設けられた確変開始フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS141)。ここで、確変開始フラグは、図38に示すように、主基板11から伝送された受信コマンドが確変開始コマンドであるときに、オン状態にセットされる。ステップS141にて確変フラグがオフであれば(ステップS141;No)、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や時短状態であることに対応して、図14(B)に示す通常・時短状態用の事前転送設定テーブル210Aを、使用テーブルとしてセットする(ステップS142)。具体的な一例として、CPU131は、ステップS142の処理において、ROM132に記憶された事前転送設定テーブル210Aの先頭アドレスを、ワークエリアとしてのRAM133に設けられた事前転送ポインタにセットする。
ステップS141にて確変開始フラグがオンである場合には(ステップS141;Yes)、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変遊技状態であることに対応して、図14(B)に示す確変状態用の事前転送設定テーブル210Bを、使用テーブルとしてセットする(ステップS143)。このときには、確変開始フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS144)。
なお、図35のステップS53にて事前転送指令処理を実行する際には、ステップS141の処理において、主基板11から所定の演出制御コマンド(一例として、確変開始コマンドと同一のコマンド)を受信したか否かを判定するなどして、電力供給の停止時にパチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であった旨が通知されたか否かを判定してもよい。そして、確変状態であった旨が通知された場合には、ステップS143の処理に進んで確変状態用の事前転送設定テーブル210Bをセットする一方で、確変状態であった旨の通知がない場合には、ステップS142の処理に進んで通常・時短状態用の事前転送設定テーブル210Aをセットすればよい。電力供給の停止時に確変状態であった旨を通知するための演出制御コマンドとしては、背景指定コマンドや可変表示開始コマンド(可変表示パターンを指定するコマンド)などが用いられてもよい。ここで、背景指定コマンドには、パチンコ遊技機1における遊技状態を示すEXTデータが含まれていればよい。
ステップS142、S144の処理のいずれかを実行した後には、演出制御カウンタ設定部193に設けられた事前転送カウンタをクリアして、そのカウント値である事前転送カウント値を「0」に初期化する(ステップS145)。そして、事前転送設定テーブル210(事前転送設定テーブル210A、210Bのうち事前転送ポインタに先頭アドレスがセットされたもの。以下同様。)から、事前転送カウント値が「0」であることに対応したテーブルデータを読み出すことにより、処理数の設定を行う(ステップS146)。
この後、CPU131は、事前転送カウント値を、例えば1加算するなどして更新する(ステップS147)。そして、ステップS147にて更新した事前転送カウント値に対応した事前転送設定テーブル210のテーブルデータを読み出すことにより、画像データメモリ142における画像データの読出位置を示す読出アドレスを特定する(ステップS148)。また、CPU131は、事前転送カウント値を、例えば1加算するなどして更新し(ステップS149)、更新後のカウント値に対応した事前転送設定テーブル210のテーブルデータを読み出すことにより、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aとなる記憶領域にて画像データを一時記憶させる書込位置を示す書込アドレスを特定する(ステップS150)。
さらに、CPU131は、事前転送カウント値を、例えば1加算するなどして更新し(ステップS151)、更新後のカウント値に対応した事前転送設定テーブル210のテーブルデータを読み出すことにより、転送データ量を特定する(ステップS152)。こうして特定された読出アドレス、書込アドレス、転送データ量に基づき、CPU131は事前転送指令を作成し、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して送信させる(ステップS153)。ここで、図14(B)に示す事前転送設定テーブル210A、210Bには、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態であるか、確変状態であるかに応じて、演出画像を異なる表示態様で表示するための複数種類の画像データに対応したテーブルデータが含まれている。そのため、ステップS153の処理を繰り返し実行することにより、演出画像を表示するための画像データに対応した事前転送指令を、VDP141に対して順次に送信することができる。この事前転送指令に対応して、表示制御部121では、画像データメモリ142から演出画像を異なる表示態様で表示するための複数種類の画像データが順次に読み出され、VDP141が備える一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに書き込まれて一時記憶されることになる。ステップS153の処理を実行したときには、処理数を、例えば1減算するなどして更新する(ステップS154)。
続いて、ステップS154にて更新した処理数が、所定の終了判定値(例えば「0」)に達したか否かを判定する(ステップS155)。このとき、処理数が終了判定値に達していなければ(ステップS155;No)、ステップS147の処理に戻る。これに対して、処理数が終了判定値に達すれば(ステップS155;Yes)、事前転送カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化してから(ステップS156)、事前転送指令処理を終了する。ステップS156では、事前転送ポインタもクリアして、そのポインタ値を初期化してもよい。
図35のステップS53にて以上のような事前転送指令処理を実行した後には、パチンコ遊技機1における電源が投入されたことに対応して、画像表示装置5の画面上における表示の初期設定を行うための初期表示設定処理を実行する(ステップS54)。例えば、ステップS54の初期表示設定処理では、CPU131が画像表示初期設定指令を作成し、入出力ポート135からVDP141に対して伝送させる。これにより、画像データメモリ142からVDP141に画像データを読み出す際におけるデータバスのバス幅が、第1のバス幅として予め定められた64ビットに設定されるとともに、チップセレクトの設定をCS#0として、画像データメモリ142に含まれるメモリチップ142−1〜142−3のうち、スプライト画像用のメモリチップ142−1、142−2からスプライト画像データを読み出すように設定される。
ステップS54の初期表示設定処理を実行した後には、演出制御フラグ設定部191に設けられたタイマ割込みフラグを監視して、そのフラグがオンとなったか否かを判定する(ステップS55)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。ステップS55にてタイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS55;No)、タイマ割込みが発生するまでループ処理を実行する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ120では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、CPU131は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。CPU131は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、演出制御用マイクロコンピュータ120が備える入出力ポート135に含まれる入力ポートのうちで、信号中継基板13を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートから、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた受信コマンドバッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して受信コマンドバッファに格納する。その後、CPU131は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS55にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS55;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS56)、主基板11から伝送された演出制御コマンドを解析するためのコマンド解析処理を実行する(ステップS57)。図38は、図35のステップS57におけるコマンド解析処理にて実行される処理内容の一例を示す説明図である。ステップS57のコマンド解析処理では、まず、受信コマンドバッファをチェックして主基板11から送信された演出制御コマンドの受信があるか否かの判定が行われる。そして、受信コマンドありと判定したときには、そのコマンドを受信コマンドバッファから読み出す。これに続いて、読み出された受信コマンドに対応する各種の処理が実行される。
例えば、受信コマンドが可変表示開始コマンドであるときには(受信コマンド;可変表示開始)、受信コマンドの下位バイトを可変表示指定データとして、演出制御バッファ設定部194に設けられた可変表示開始バッファに記憶させるなどしてセーブする。このときには、演出制御フラグ設定部191に設けられた可変表示開始フラグをオン状態にセットする。受信コマンドが表示結果通知コマンドであるときには(受信コマンド;表示結果通知)、受信コマンドの下位バイトを表示結果指定データとして、演出制御バッファ設定部194に設けられた表示結果バッファに記憶させるなどしてセーブする。受信コマンドがデモ表示コマンドである場合には(受信コマンド;デモ表示)、演出制御フラグ設定部191に設けられたデモ表示設定フラグをオン状態にセットする。受信コマンドが大当り開始コマンドであるときには(受信コマンド;大当り開始)、演出制御フラグ設定部191に設けられた大当り開始フラグをオン状態にセットする。
また、受信コマンドが大当りラウンド数通知コマンドであるときには(受信コマンド;大当りラウンド数通知)、例えば受信コマンドの下位バイトをラウンド数指定データとして、演出制御バッファ設定部194に設けられたラウンド数バッファに記憶させるなどしてセーブする。このときには、演出制御フラグ設定部191に設けられたラウンド数通知済みフラグをオン状態にセットする。受信コマンドが大当り終了コマンドであるときには(受信コマンド;大当り終了)、演出制御フラグ設定部191に設けられた大当り終了フラグをオン状態にセットする。受信コマンドが確変開始コマンドであるときには(受信コマンド;確変開始)、演出制御フラグ設定部191に設けられた確変開始フラグをオン状態にセットする。受信コマンドが確変終了コマンドであるときには(受信コマンド;確変終了)、演出制御フラグ設定部191に設けられた確変終了フラグをオン状態にセットする。
受信コマンドが保留記憶数通知コマンドであるときには(受信コマンド;保留記憶数通知)、所定の保留記憶数表示設定処理を実行する。この保留記憶数表示設定処理では、例えば保留記憶数通知コマンドによって通知された特図保留記憶数を特定し、特定された特図保留記憶数に対応した設定や制御を行うことにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた始動入賞記憶表示部にて特図保留記憶数の表示が行われる。受信コマンドがその他のコマンドであるときには(受信コマンド;その他のコマンド)、例えば演出制御フラグ設定部191にて受信した演出制御コマンドに対応するコマンド受信フラグをオン状態にセットするなど、受信コマンドに対応した処理が実行される。
図35のステップS57にて以上のようなコマンド解析処理を実行した後には、飾り図柄プロセス処理を実行する(ステップS58)。この飾り図柄プロセス処理では、画像表示装置5の表示画面にて行われる飾り図柄の可変表示の進行状況に応じて、画像表示装置5の表示出力、スピーカ8L、8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9の点灯動作などにより、各種の演出動作を実行するための設定が行われる。そして、演出側乱数値更新処理が実行されることにより(ステップS59)、演出制御基板12の側にて乱数回路134等によりカウントされる各種の乱数値が更新される。ステップS59にて演出側乱数値更新処理を実行した後には、ステップS55に戻る。
図39は、図35のステップS58にて実行される飾り図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図39に示す飾り図柄プロセス処理では、例えば演出制御フラグ設定部191に設けられた演出制御プロセスフラグの値に応じて、CPU131が以下のようなステップS170〜S175の各処理を選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出制御プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの可変表示開始コマンドを受信したか否かに基づいて、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。ステップS171の飾り図柄可変表示設定処理は、演出制御プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この飾り図柄可変表示設定処理は、特別図柄表示装置4による特図ゲームにて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、例えば画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を含めた画像表示装置5における演出画像の表示動作といった、各種の演出動作を行うために、例えば図15(A)に示す演出制御パターンテーブル211に格納されている複数種類の演出制御パターンのうちから、可変表示パターンや可変表示結果の種類などに対応するものを選択する処理を含んでいる。
ステップS172の飾り図柄可変表示中処理は、演出制御プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この飾り図柄可変表示中処理において、CPU131は、既に選択された演出制御パターンの設定に基づき、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、例えば表示制御部121のVDP141に表示制御指令を伝送することや、音制御部122に音声データを伝送すること、ランプ制御部123にランプデータを伝送することといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。そして、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示の終了に対応した終了コードを読み出したことなどに基づき、大当り開始コマンド受信待ち時間に対応する所定のタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。この後、飾り図柄プロセスフラグの値を大当り開始待ち処理に対応した値である“3”に更新する。
ステップS173の大当り開始待ち処理は、演出制御プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この大当り開始待ち処理において、CPU131は、主基板11から送信された大当り開始コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り開始コマンドを受信した場合には、飾り図柄の可変表示結果が大当りであるとの判断に基づき、演出制御プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。これに対して、主基板11からの大当り開始コマンドを受信することなく、演出制御プロセスタイマがタイムアウトした場合には、飾り図柄の可変表示結果がハズレであるとの判断に基づき、演出制御プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の大当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、CPU131は、例えば画像表示装置5における表示動作を制御して大当り遊技状態に応じた画像を表示させたり、スピーカ8L、8Rにおける音声出力動作を制御して大当り遊技状態に応じた音声を出力させたり、遊技効果ランプ9における点灯/消灯動作を制御して大当り遊技状態に応じた点灯・消灯・点滅の動作をさせたりするといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を行う。そして、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技が最終ラウンド(例えば第2ラウンドあるいは第15ラウンド)の終了に達したことや、主基板11から送信される大当り終了コマンドを受信したことなどに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175のエンディング演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理は、例えば画像表示装置5に所定の演出画像を表示させたり、スピーカ8L、8Rから音声を出力させたり、遊技効果ランプ9を点灯させたりすることにより、大当り遊技状態の終了を報知するための演出動作を制御する処理を含んでいる。
図40は、図39のステップS170にて実行される可変表示開始待ち処理の一例を示すフローチャートである。この可変表示開始待ち処理において、CPU131は、まず、確変開始フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS291)。このとき、確変開始フラグがオンであれば(ステップS291;Yes)、確変状態とする制御が開始されるときに対応した確変開始用の表示設定を行う(ステップS292)。例えば、確変状態では、図2(B)に示すように、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rに飾り図柄が1つずつ停止表示されることにより、有効ラインが横方向に1本だけ定められ、各飾り図柄表示部における飾り図柄が通常状態や時短状態のときに比べて大きく表示される。そこで、CPU131は、ステップS292の処理において、図23に示すような確変開始用表示設定指令を作成し、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して送信させる。この確変開始用表示設定指令により、VDP141では表示回路158のスケーラ回路における拡大率の調整が行われ、SVGAモードのサイズ(800×600ピクセル)を有する表示用データから、画像表示装置5の表示画面における画素総数に対応したXGAモードのサイズ(1024×768ピクセル)を有するピクセルデータへの変換を行えるように、拡大率を設定する。また、確変開始用表示設定指令により、VDP141が画像データメモリ142から画像データを読み出す際におけるデータバスのバス幅が、第1のバス幅となる64ビットに設定される。
ステップS291にて確変開始フラグがオフである場合には(ステップS291;No)、確変終了フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS293)。このとき、確変終了フラグがオンであれば(ステップS293;Yes)、確変終了フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS294)。そして、確変状態が終了して通常状態や時短状態への制御が開始されるときに対応した確変終了用の表示設定を行う(ステップS295)。例えば、通常状態や時短状態では、図2(A)に示すように、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rに飾り図柄が3つずつ停止表示されることが可能となり、有効ラインが5本定められ、各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにおける飾り図柄が確変状態のときに比べて小さく表示される。そこで、CPU131は、ステップS295の処理において、図23に示すような確変終了用表示設定指令を作成し、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して送信させる。この確変終了用表示設定指令により、VDP141では表示回路158のスケーラ回路における拡大率の調整が行われ、VGAモードのサイズ(640×480ピクセル)を有する表示用データから、画像表示装置5の表示画面における画素総数に対応したXGAモードのサイズ(1024×768ピクセル)を有するピクセルデータへの変換を行えるように、拡大率を設定する。また、確変終了用表示設定指令により、VDP141が画像データメモリ142から画像データを読み出す際におけるデータバスのバス幅が、第1のバス幅となる64ビットに設定される。
ステップS292、S295の処理のいずれかを実行した後には、図35のステップS53と同様にして、事前転送指令処理を実行する(ステップS296)。ステップS293にて確変終了フラグがオフである場合や(ステップS293;No)、ステップS296にて事前転送指令処理を実行した後には、可変表示開始フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS297)。
ステップS297にて可変表示開始フラグがオフである場合には(ステップS297;No)、演出制御フラグ設定部191に設けられたデモ表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS298)。なお、デモ表示中フラグは、後述するステップS302の処理が実行されたときにオン状態にセットされる一方で、ステップS307、S311の処理のいずれかが実行されたときにクリアされてオフ状態となる。ステップS298にてデモ表示中フラグがオフであれば(ステップS298;No)、デモ表示設定フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS299)。このとき、デモ表示設定フラグがオフであれば(ステップS299;No)、可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS299にてデモ表示設定フラグがオンである場合には(ステップS299;Yes)、所定のデモ表示待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS300)。ここで、デモ表示待ち時間は、可変表示結果が「ハズレ」となる飾り図柄の可変表示が終了したタイミングや、大当り遊技状態の終了を報知するための演出動作が完了したタイミングから、デモンストレーション画像からなるデモ画面の表示を画像表示装置5にて開始させるまでの待機時間として予め設定された時間であればよい。このとき、デモ表示待ち時間が経過していなければ(ステップS300;No)、可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS300にてデモ表示待ち時間が経過した旨の判定がなされた場合には(ステップS300;Yes)、デモ表示設定フラグをクリアしてオフ状態とする一方で(ステップS301)、デモ表示中フラグをオン状態にセットする(ステップS302)。続いて、デモ画面表示を開始させるための設定を行う(ステップS303)。一例として、CPU131は、VDP141に対して所定の表示制御指令を送信するなどして、画像表示装置5における表示を初期化させる。また、CPU131は、演出制御パターンテーブル211に格納されている複数種類の演出制御パターンのうちから、デモ表示用演出制御パターンを選択し、デモ画面表示中における演出動作を制御するための演出制御パターンとしてセットする。ステップS298にてデモ表示中フラグがオンである場合や(ステップS298;Yes)、ステップS303における設定が行われた後には、合成描画指令処理を実行する(ステップS304)。なお、ステップS304にて実行される合成描画指令処理については、後述する。
ステップS304にて合成描画指令処理を実行した後には、デモ表示期間が終了したか否かを判定する(ステップS305)。このとき、デモ表示期間が終了していなければ(ステップS305;No)、可変表示開始待ち処理を終了する。これに対して、デモ表示期間が終了した場合には(ステップS305;Yes)、デモ画面表示を終了させるための設定を行う(ステップS306)。一例として、CPU131は、VDP141に対して所定の表示制御指令を送信するなどして、画像表示装置5における表示を初期化させる。また、CPU131は、デモ表示待ち時間に対応したタイマ初期値を演出制御プロセスタイマにセットしてもよい。このときには、デモ表示中フラグをクリアしてオフ状態とする一方で(ステップS307)、デモ表示設定フラグをオン状態にセットしてから(ステップS308)、可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS297にて可変表示開始フラグがオンである場合には(ステップS298;Yes)、デモ表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS309)。このとき、デモ表示中フラグがオンであれば(ステップS309;Yes)、デモ画面表示を終了させるための設定を行う(ステップS309)。一例として、CPU131は、ステップS309の処理において、ステップS306の処理と同様に、VDP141に対して所定の表示制御指令を送信するなどして、画像表示装置5における表示を初期化させる。その一方で、ステップS309の処理においては、ステップS306の処理とは異なり、デモ表示待ち時間に対応したタイマ初期値を演出制御プロセスタイマにセットする必要はない。このときには、デモ表示中フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS311)。
ステップS309にてデモ表示中フラグがオフである場合や(ステップS309;No)、ステップS311の処理を実行した後には、デモ表示設定フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS312)。このとき、デモ表示設定フラグがオンであれば(ステップS312;Yes)、デモ表示設定フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS313)。ステップS312にてデモ表示設定フラグがオフである場合や(ステップS312;No)、ステップS313の処理を実行した後には、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄可変表示設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS314)、可変表示開始待ち処理を終了する。
図41は、図39のステップS171にて実行される飾り図柄可変表示設定処理の一例を示すフローチャートである。この飾り図柄可変表示設定処理において、CPU131は、まず、例えば表示結果バッファにセーブされている表示結果指定データを読み取ることなどにより、主基板11から伝送された表示結果通知コマンドに示された表示結果の種類が「大当り」に含まれるか否かを判定する(ステップS321)。このとき、表示結果の種類が「大当り」であれば(ステップS321;Yes)、例えば通常大当り組合せや確変大当り組合せ、あるいは、突確チャンス目といった、予め定められた複数種類の大当り組合せの飾り図柄のうちから、確定飾り図柄となる飾り図柄の組合せを決定する(ステップS322)。一例として、CPU131は、表示結果指定データから特定される大当り種別が「確変」である場合に、乱数回路134等により更新される大当り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め記憶された飾り図柄決定テーブルに含まれる確変大当り図柄決定テーブルを参照することなどにより、複数種類の確変図柄のうちで確定飾り図柄とするものを決定する。他の一例として、大当り種別が「通常」である場合には、乱数回路134等により更新される大当り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め記憶された飾り図柄決定テーブルに含まれる通常大当り図柄決定テーブルを参照することなどにより、複数種類の通常図柄のうちで確定飾り図柄とするものを決定する。さらに他の一例として、大当り種別が「突確」である場合には、乱数回路134等により更新される大当り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め記憶された飾り図柄決定テーブルに含まれる突確チャンス目決定テーブルを参照することなどにより、複数種類の突確チャンス目のうちで確定飾り図柄とするものを決定する。
ステップS321にて表示結果の種類が「大当り」ではない場合には(ステップS321;No)、例えば可変表示開始バッファにセーブされている可変表示指定データを読み取ることなどにより、主基板11から伝送された可変表示開始コマンドに示された可変表示パターンがリーチハズレパターンであるか否かを判定する(ステップS323)。このとき、可変表示パターンがリーチハズレパターンであれば(ステップS323;Yes)、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄を決定する(ステップS324)。一例として、CPU131は、乱数回路134等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め記憶された飾り図柄決定テーブルに含まれる左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5における「左」の飾り図柄表示部5Lにて停止表示される左確定飾り図柄を決定する。また、左確定飾り図柄と同一の図柄番号である飾り図柄を、確定飾り図柄のうち画像表示装置5における「右」の飾り図柄表示部5Rにて停止表示される右確定飾り図柄に決定する。さらに、乱数回路134等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め記憶された飾り図柄決定テーブルに含まれる中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5における「中」の飾り図柄表示部5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチハズレ組合せとなるようにすればよい。
ステップS323にて可変表示パターンがリーチハズレパターンではない場合には(ステップS323;No)、非リーチハズレ組合せの確定飾り図柄を決定する(ステップS325)。一例として、CPU131は、乱数回路134等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め記憶された飾り図柄決定テーブルに含まれる左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、左確定飾り図柄を決定する。また、乱数回路134等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め記憶された飾り図柄決定テーブルに含まれる中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、中確定飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路134等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め記憶された飾り図柄決定テーブルに含まれる右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、右確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せやリーチハズレ組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を右確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せやリーチハズレ組合せとはならずに通常ハズレ組合せとなるようにすればよい。また、非リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が突確チャンス目と同一にならないように、飾り図柄決定テーブルにおけるテーブルデータが構成されていればよい。
ステップS322、S324、S325の処理のいずれかを実行した後には、決定された確定飾り図柄を示すデータを演出制御バッファ設定部194に設けられた停止図柄バッファに記憶させることなどにより、確定飾り図柄をセーブする(ステップS326)。続いて、演出制御パターンテーブル211に格納されている複数種類の演出制御パターンのうちから、可変表示パターンに対応した演出制御パターンを選択し、飾り図柄の可変表示中における演出動作を制御するための演出制御パターンとしてセットする(ステップS327)。
ステップS327の処理に続いて、演出モード変更の有無を決定する(ステップS328)。一例として、CPU131は、乱数回路134等により更新される演出モード変更決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め記憶された演出モード変更決定テーブルを参照することなどにより、パチンコ遊技機1における演出モードの変更を行うか否かを決定する。他の一例として、CPU131は、主基板11から伝送された可変表示開始コマンドで指定された可変表示パターンが演出モードを変更するために予め用意された可変表示パターンであるか否かに対応して、演出モードの変更を行うか否かを決定してもよい。このときには、ステップS328における決定結果が演出モードの変更ありであるか否かが判定される(ステップS329)。
ステップS329にて演出モードの変更ありと判定された場合には(ステップS329;Yes)、演出制御パターンテーブル211に格納されている複数種類の演出制御パターンのうちから、背景切替用演出制御パターンを選択し、背景画像を切り替える際の演出動作を制御するための演出制御パターンとしてセットする(ステップS330)。ステップS329にて演出モードの変更なしと判定された場合や(ステップS329;No)、ステップS330の処理を実行した後には、例えばステップS327の処理で設定された演出制御パターンの先頭アドレスから演出制御プロセスタイマ初期値を読み出して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにセットすることなどにより、タイマ初期値の設定を行う(ステップS331)。
その後、例えば演出制御パターンの表示制御パターンに含まれる表示制御データに対応した表示制御指令を入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して送信することなどにより、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始させるための設定を行う(ステップS332)。その後、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄可変表示中処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS333)、飾り図柄可変表示設定処理を終了する。
図42は、図39のステップS172にて実行される飾り図柄可変表示中処理の一例を示すフローチャートである。この飾り図柄可変表示中処理において、CPU131は、まず、演出制御プロセスタイマ値を、例えば1減算するなどして更新する(ステップS341)。このときには、更新後の演出制御プロセスタイマ値を演出制御パターンにて示される各種のタイマ判定値と比較することなどにより、いずれかのタイマ判定値と合致したか否かの判定を行う(ステップS342)。そして、いずれのタイマ判定値とも合致しなければ(ステップS342;No)、飾り図柄可変表示中処理を終了する。
ステップS342にてタイマ判定値と合致した場合には(ステップS342;Yes)、そのタイマ判定値と対応付けて演出制御パターンに格納された各種制御データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、終了コードのいずれか)を読み出す(ステップS343)。ここで、ステップS342の処理で演出制御パターンにて示される複数のタイマ判定値が演出制御プロセスタイマ値と合致した場合には、合致した各々のタイマ判定値と対応付けて格納されている複数の制御データを、ステップS343の処理にて読み出すようにすればよい。そして、ステップS343にて読み出された制御データが終了コードであるか否かの判定を行う(ステップS344)。このとき、終了コードであると判定されれば(ステップS344;Yes)、例えば所定のタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定することなどにより、大当り開始コマンド受信待ち時間の設定を行う(ステップS345)。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り開始待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS346)、飾り図柄可変表示中処理を終了する。
ステップS344にて終了コードではないと判定された場合には(ステップS344;No)、ステップS343にて読み出された制御データに応じた指令や設定を行うための演出制御指令処理を実行してから(ステップS347)、飾り図柄可変表示中処理を終了する。
図43は、図42のステップS347にて実行される演出制御指令処理の一例を示すフローチャートである。この演出制御指令処理において、CPU131は、まず、図42に示すステップS343の処理で読み出された制御データの種類を、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データのうちから特定する(ステップS401)。そして、ステップS401の処理で特定された制御データの種類は音声制御データであるか否かの判定を行う(ステップS402)。
ステップS402にて音声制御データであると判定された場合には(ステップS402;Yes)、読み出した音声制御データに従って作成した音声データを、入出力ポート135から音制御部122に対して伝送させる(ステップS403)。ステップS402にて音声制御データではないと判定された場合や(ステップS402;No)、ステップS403の処理を実行した後には、ステップS401の処理で特定された制御データの種類はランプ制御データであるか否かの判定を行う(ステップS404)。
ステップS404にてランプ制御データであると判定された場合には(ステップS404;Yes)、読み出したランプ制御データに従って作成したランプデータを、入出力ポート135からランプ制御部123に対して伝送させる(ステップS405)。ステップS404にてランプ制御データではないと判定された場合や(ステップS404;No)、ステップS405の処理を実行した後には、スプライト画像の表示期間であるか否かを判定する(ステップS406)。一例として、CPU131は、ステップS401にて特定された制御データの種類が表示制御データである場合に、その表示制御データを読み取ることなどにより、スプライト画像の表示期間であるか否かを判定する。スプライト画像の表示期間としては、例えば飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる場合に、飾り図柄の可変表示が開始されてからリーチ状態となるまでの期間が、演出制御パターンに含まれる表示制御データなどにより予め定められていればよい。また、例えば飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が停止表示されるまでの期間が、スプライト画像の表示期間として演出制御パターンに含まれる表示制御データなどにより予め定められていればよい。このように、表示制御データには、スプライト画像の表示期間であるか否かや、動画像の表示期間であるか否かを示す画像表示期間指定情報が含まれていればよい。
ステップS406にてスプライト画像の表示期間である場合には(ステップS406;Yes)、スプライト画像更新指令処理を実行する(ステップS407)。ステップS406にてスプライト画像の表示期間ではない場合や(ステップS406;No)、ステップS407にてスプライト画像更新指令処理を実行した後には、動画像の表示期間であるか否かを判定する(ステップS408)。一例として、CPU131は、ステップS401にて特定された制御データの種類が表示制御データである場合に、その表示制御データを読み取ることなどにより、動画像の表示期間であるか否かを判定する。
ステップS408にて動画像の表示期間である場合には(ステップS408;Yes)、動画像表示指令処理を実行する(ステップS409)。ステップS408にて動画像の表示期間ではない場合や(ステップS408;No)、ステップS409にて動画像表示指令処理を実行した後には、演出制御指令処理を終了する。
図44は、図43のステップS407にて実行されるスプライト画像更新指令処理の一例を示すフローチャートである。このスプライト画像更新指令処理において、CPU131は、まず、例えば背景切替用演出制御パターンから読み出された表示制御データを読み取ることなどにより、背景切替期間であるか否かを判定する(ステップS421)。ここで、背景切替用演出制御パターンに含まれる表示制御データには、背景切替期間であるか否かを示す背景切替期間指定情報が含まれていればよい。
ステップS421にて背景切替期間ではないと判定された場合には(ステップS421;No)、例えば飾り図柄の可変表示中における演出動作を制御するための演出制御パターンから読み出された表示制御データを読み取ることなどにより、リーチ表示期間であるか否かを判定する(ステップS422)。このとき、リーチ表示期間であれば(ステップS422;Yes)、例えば可変表示開始バッファに格納されている可変表示指定データを読み取ることや、演出制御パターンの種類を特定することなどにより、現在進行している飾り図柄の可変表示パターンがスーパーAの可変表示パターンであるか否かを判定する(ステップS423)。
ステップS421にて背景切替期間である場合や(ステップS421;Yes)、ステップS423にてスーパーAの可変表示パターンである場合には(ステップS423;Yes)、合成描画指令処理を実行する(ステップS424)。ステップS422にてリーチ表示期間ではない場合や(ステップS422;No)、ステップS423にてスーパーAの可変表示パターンではない場合(ステップS423;No)、あるいはステップS424にて合成描画指令処理を実行した後には、例えば演出制御パターンから読み出された表示制御データなどから、表示を更新する対象となる画像部位を特定する(ステップS425)。
ステップS425の処理に続いて、特定した画像部位に対応する画像データの読出位置が、VDP141の一時記憶メモリ156に設けられた固定アドレスエリア156Aであるか、画像データメモリ142であるかの判定を行う(ステップS426)。すなわち、ステップS425にて特定した画像部位は、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに転送された画像データが示す画像であるか否かの判定を行う。例えば、ステップ426の処理では、事前転送設定テーブル210にステップS425の処理で特定された画像部位を示す画像データを指定するテーブルデータが含まれているか否かを判定すればよい。あるいは、ステップS426の処理では、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに一時記憶された画像データを管理するインデックステーブル220を参照して、ステップS425の処理で特定された画像部位を示す画像データが固定アドレスエリア156Aに一時記憶されているか否かを判定してもよい。
ステップS426にて画像データの読出位置が固定アドレスエリア156Aであると判定された場合には(ステップS426;Yes)、例えば演出制御パターンから読み出した表示制御データなどにより、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aにおける画像データの読出アドレスを特定する(ステップS427)。また、ステップS427と同様の表示制御データなどにより、ステップS425の処理で特定された画像部位の表示位置(表示座標)に対応したVRAM157の描画用バッファ157Aにおける画像データの書込アドレスを特定する(ステップS428)。そして、更新対象となる画像部位を示す画像データの転送データ量を特定する(ステップS429)。その後、ステップS427〜S429の処理で特定した読出アドレス、書込アドレス、転送データ量に基づいて、固定アドレス指定転送指令を作成し、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して伝送させる(ステップS430)。
ステップS426にて画像データの読出位置が固定アドレスエリア156Aではないと判定された場合には(ステップS426;No)、例えば演出制御パターンから読み出した表示制御データなどにより、画像データメモリ142のスプライト画像データエリア142Aにおける画像データの読出アドレスを特定する(ステップS431)。また、例えば表示制御データなどから、画像部位の表示位置(表示座標)に対応したVRAM157の描画用バッファ157Aにおける画像データの書込アドレスを特定する(ステップS432)。さらに、更新対象となる画像部位を示す画像データの転送データ量を特定する(ステップS433)。その後、ステップS431〜S433の処理で特定した読出アドレス、書込アドレス、転送データ量に基づいて、自動転送指令を作成し、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して伝送させる(ステップS434)。
この後、全ての更新対象となる画像部位についての指令が完了したか否かを判定する(ステップS435)。そして、指令が完了していなければ(ステップS435;No)、ステップS425の処理に戻る。これに対して、全ての更新対象となる画像部位について指令が完了することにより、表示制御部121のVDP141では、複数種類の画像データを用いた合成処理などにより、1フレーム分の表示画像を形成する表示色データなどが描画用バッファ157Aに記憶された状態となる。なお、動画像の再生表示が並行して行われる場合には、図45に示すステップS455にて動画像デコード指令が伝送されることとあわせて、1フレーム分の表示画像を形成する表示色データなどが描画用バッファ157Aに記憶された状態となる。ステップS435にて指令が完了した場合には(ステップS435;Yes)、例えばVDP141が備えるVRAM157における描画用バッファ157Aの記憶内容を表示用バッファ157Bに転送するなどして、表示用データを更新させる(ステップS436)。具体的な一例として、ステップS436の処理では、CPU131が入出力ポート135からVDP141に対して所定の表示制御指令を伝送させることなどにより、VRAM157の描画用バッファ157Aに格納されたR、G、Bの表示色データをそれぞれ6ビットから8ビットに拡張させた後に、表示用バッファ157Bへと転送させる。あるいは、VRAM157において描画用バッファ157Aと表示用バッファ157Bとの切替を行うことにより、描画用バッファ157Aの記憶内容を表示用バッファ157Bの記憶内容として設定するようにしてもよい。
図45は、図43のステップS409にて実行される動画像表示指令処理の一例を示すフローチャートである。この動画像表示指令処理において、CPU131は、まず、例えば演出制御パターンから読み出した表示制御データなどにより、画像表示装置5の表示画面上にて動画像の再生表示を開始するのか否かを判定する(ステップS451)。このとき、動画像の再生表示を開始すると判定された場合には(ステップS451;Yes)、例えば表示制御データに従って作成した動画像表示初期設定指令を、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して伝送させる(ステップS452)。これにより、VDP141と画像データメモリ142との間に接続されたデータバスのバス幅が、動画像の再生表示に対応する第2のバス幅として予め定められた32ビットに設定される。また、画像データメモリインタフェース153におけるチップセレクトの設定がCS#1とされることにより、動画像用のメモリチップ142−3が読出対象のチップに設定される。続いて、例えば表示制御データに従って作成した動画像表示開始設定指令を、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して伝送させる(ステップS453)。これにより、画像データメモリ142の動画像データエリア142Bから読み出して動画像の再生表示に用いる動画像データが特定され、その動画像データがインデックステーブル220による管理の対象として設定される。
ステップS451にて動画像の再生表示開始ではないと判定された場合や(ステップS451;No)、ステップS453の処理を実行した後には、例えば表示制御データを参照することや、表示制御部121のVDP141から伝送されるイベント割込み信号がオン状態となったか否かを判定することなどにより、動画像データのデコードタイミングとなったか否かを判定する(ステップS454)。動画像データのデコードタイミングとしては、例えばスーパーA〜スーパーDの演出制御パターンのいずれかに含まれる表示制御データにおいて、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに基づくリーチ演出が開始されるタイミングなどが、予め定められていればよい。このとき、動画像データのデコードタイミングであると判定された場合には(ステップS454;Yes)、例えば表示制御データに従った動画像デコード指令を作成して、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して伝送させる(ステップS455)。
ステップS454にて動画像データのデコードタイミングではないと判定された場合や(ステップS454;No)、ステップS455の処理を実行した後には、例えば表示制御データを参照することなどにより、画像表示装置5の表示画面上における動画像の再生表示を終了するのか否かを判定する(ステップS456)。このとき、動画像の再生表示を終了すると判定された場合には(ステップS456;Yes)、例えば表示制御データに従って作成した動画像表示終了設定指令を、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して伝送させる(ステップS457)。これにより、VDP141と画像データメモリ142との間に接続されたデータバスのバス幅が、スプライト画像の表示に対応する第1のバス幅として予め定められた64ビットに設定される。また、画像データメモリインタフェース153におけるチップセレクトの設定がCS#0とされることにより、スプライト画像用のメモリチップ142−1、142−2が読出対象のチップに設定される。このようなステップS457の処理を実行した後には、動画像表示指令処理を終了する。また、ステップS456にて動画像の再生表示終了ではないと判定された場合には(ステップS456;No)、ステップS457の処理を実行することなく、動画像表示指令処理を終了する。
図46は、図40のステップS304や図44のステップS424にて実行される合成描画指令処理の一例を示すフローチャートである。この合成描画指令処理において、CPU131は、まず、演出制御フラグ設定部191に設けられた合成中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS471)。ここで、合成中フラグは、後述するステップS474の処理が実行されたときにオン状態にセットされる一方で、ステップS485の処理が実行されたときにクリアされてオフ状態となる。
ステップS471にて合成中フラグがオフである場合には(ステップS471;No)、演出制御タイマ設定部192に設けられた経過時間タイマにタイマ初期値「0」を設定するなどして、経過時間タイマによる経過時間の計測をスタートさせる(ステップS472)。そして、例えば表示制御データに従って合成表示の対象となる画像を示す画像データを特定するなどといった、合成表示を開始するための設定を行う(ステップS473)。また、ステップS473の処理では、例えば合成表示の対象となる画像が平面画像P1、P2である場合に、図16(A)に示す平面画像P1用の奥行き値設定テーブル212Aや図16(B)に示す平面画像P2用の奥行き値設定テーブル212Bを、仮想3次元空間内に平面画像P1、P2を配置する際の奥行き値を、経過時間タイマによって計測される経過時間に応じて設定するための使用テーブルとしてセットする。加えて、図17に示す不透明度設定テーブル213を、仮想3次元空間内に配置した平面画像P1、P2の不透明度を、各平面画像P1、P2の奥行き値に応じて設定するための使用テーブルとしてセットする。その後、合成中フラグをオン状態にセットする(ステップS474)。また、ステップS471にて合成中フラグがオンである場合には(ステップS471;Yes)、経過時間タイマにおけるタイマ値である経過時間タイマ値を、例えば1加算するなどして更新する(ステップS475)。
ステップS474、S475の処理のいずれかを実行した後には、経過時間タイマ値が最大値である「100」よりも大きくなったか否かを判定する(ステップS476)。このとき、経過時間タイマ値が「100」よりも大きければ(ステップS476;Yes)、経過時間タイマをリセットしてタイマ初期値「0」に設定する(ステップS477)。これに対して、経過時間タイマ値が「100」以下であれば(ステップS476;No)、ステップS477の処理をスキップする。
続いて、CPU131は、演出制御パターンから読み出した表示制御データや、経過時間タイマ値などに基づき、描画対象画像を特定する(ステップS478)。一例として、合成表示の対象となる画像が平面画像P1、P2である場合には、その平面画像P1、P2のうちで描画の完了していないいずれかの画像が、ステップS478にて描画対象画像として特定される。演出制御パターンの表示制御データには、合成表示の対象となる画像を描画対象画像として特定する手順を予め定めるデータが含まれていればよい。例えば、合成表示の対象となる複数種類の画像には、予め描画対象画像として特定される順番を示す番号を付加しておき、その番号に従って描画対象画像として特定されるようにすればよい。あるいは、経過時間タイマ値や奥行き設定テーブル212A、212Bの設定などに基づき、奥行き値が大きな画像または小さな画像から順に、描画対象画像として特定されるように、演出制御パターンの表示制御データが設定されていてもよい。そして、経過時間タイマ値に対応する奥行き値を決定する(ステップS479)。例えば、ステップS478にて描画対象画像が平面画像P1に特定された場合には、図16(A)に示す平面画像P1用の奥行き値設定テーブル212Aを参照して、経過時間タイマ値に対応する奥行き値を示す奥行き値データを読み出すことにより、平面画像P1を仮想3次元空間内に配置するときの奥行き値を決定する。このときには、経過時間タイマ値が「0」であれば、奥行き値設定テーブル212Aにおいて経過時間「T0」と対応付けられている奥行き値を示す奥行き値データを読み出す。同様にして、経過時間タイマ値が「1」、「2」、…、「100」であれば、奥行き値設定テーブル212Aにおいて経過時間「T1」、「T2」、…、「T100」と対応付けられている奥行き値を示す奥行き値データを読み出す。また、ステップS478にて描画対象画像が平面画像P2に特定された場合には、図16(B)に示す平面画像P2用の奥行き値設定テーブル212Bを参照して、経過時間タイマ値に対応する奥行き値を示す奥行き値データを読み出すことにより、平面画像P2を仮想3次元空間内に配置するときの奥行き値を決定する。このときには、経過時間タイマ値が「0」であれば、奥行き値設定テーブル212Bにおいて経過時間「T0」と対応付けられている奥行き値データを読み出す。同様にして、経過時間タイマ値が「1」、「2」、…、「100」であれば、奥行き値設定テーブル212Bにおいて経過時間「T1」、「T2」、…、「T100」と対応付けられている奥行き値を示す奥行き値データを読み出す。これにより、例えば平面画像P1、P2といった表示要素を仮想3次元空間内に配置するときの奥行き値が、経過時間に応じて減少する方向に各表示要素を移動させるように設定される。
ステップS479にて奥行き値を決定した後には、その奥行き値に対応する不透明度を決定する(ステップS480)。例えば、図17に示す不透明度設定テーブル213を参照して、ステップS480にて決定した奥行き値に対応する不透明度を示す不透明度データを読み出すことにより、描画対象画像を仮想3次元空間内に配置した後に座標変換を伴った半透明合成を行うときの描画対象画像における不透明度を決定する。このときには、不透明度設定テーブル213における不透明度データの設定により、仮想3次元空間内の視点からみて手前側(近隣)に配置されたときの透明度が奥側(遠方)に配置されたときの透明度に比べて低くなるように、描画対象画像の不透明度が設定される。これにより、視点に近い位置に配置された表示要素の画像を、視点から遠い位置に配置された表示要素の画像に比べて濃く表示するように、描画対象画像の不透明度(透明度)が設定される。そして、ステップS478にて特定した描画対象画像や、ステップS479にて決定した奥行き値、ステップS480にて決定した不透明度に基づいて、投影・合成描画指令を作成する(ステップS481)。また、ステップS481にて作成した投影・合成描画指令を、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して送信させる(ステップS482)。
ステップS482の処理に続いて、例えば演出制御パターンから読み出された表示制御データなどに基づき、合成表示の対象となる画像の全部について、指令が完了したか否かを判定する(ステップS483)。そして、指令が完了していなければ(ステップS483;No)、ステップS478の処理に戻る。これに対して、合成表示の対象となる画像の全部ついて、指令が完了すれば(ステップS483;Yes)、例えば演出制御パターンから読み出された表示制御データや演出制御プロセスタイマ値などに基づき、合成表示の終了タイミングとなったか否かを判定する(ステップS484)。このとき、合成表示の終了タイミングであれば(ステップS484;Yes)、合成中フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS485)。また、例えば経過時間タイマによる経過時間の計測を終了させるなどといった、合成表示を終了するための設定を行う(ステップS486)。ステップS484にて合成表示の終了タイミングではない場合や(ステップS484;No)、ステップS486における設定が行われた後には、合成描画指令処理を終了する。
図47は、図39のステップS173にて実行される大当り開始待ち処理の一例を示すフローチャートである。この大当り開始待ち処理において、CPU131は、まず、大当り開始コマンド受信待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS361)。例えば、ステップS361の処理では、演出制御プロセスタイマ値を1減算するなどして更新し、更新後の値が「0」となったか否かを判定することにより、大当り開始コマンド受信待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。このとき更新される演出制御プロセスタイマにおけるタイマ初期値は、図42に示すステップS345の処理で設定されるものであればよい。
ステップS361にて大当り開始コマンド受信待ち時間が経過していない場合には(ステップS361;No)、演出制御フラグ設定部191に設けられた大当り開始フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS362)。このとき、大当り開始フラグがオフであれば(ステップS362;No)、未だ大当り開始コマンドを受信していないと判断して、大当り開始待ち処理を終了する。これに対して、大当り開始フラグがオンである場合には(ステップS362;Yes)、大当り開始フラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS363)、事前転送指令処理を実行する(ステップS364)。これにより、飾り図柄の可変表示結果として大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示されたことや、大当り遊技状態における演出表示が開始されることなどに対応して、事前転送設定テーブル210に登録された画像データを、画像データメモリ142から読み出してVDP141の一時記憶メモリ156における固定アドレスエリア156Aに転送する旨の指令が行われる。ステップS364にて事前転送指令処理を実行した後には、演出制御プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS365)、大当り開始待ち処理を終了する。また、ステップS361にて大当り開始コマンド受信待ち時間が経過した場合には(ステップS361;Yes)、演出制御プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS366)、大当り開始待ち処理を終了する。
図48は、表示制御部121のVDP141が備える転送制御回路152により実行される転送制御処理の一例を示すフローチャートである。この転送制御処理において、転送制御回路152は、まず、ホストインタフェース151を介して演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送されて受信した表示制御指令があるか否かを判定する(ステップS601)。演出制御用マイクロコンピュータ120からの受信指令がなければ(ステップS601;No)、ステップS601の処理を繰り返し実行して待機する。
ステップS601にて受信指令がある場合には(ステップS601;Yes)、その受信指令が記憶領域設定指令であるか否かを判定する(ステップS602)。そして、記憶領域設定指令であれば(ステップS602;Yes)、記憶領域設定処理を実行する(ステップS603)。これに対して、記憶領域設定指令ではなければ(ステップS602;No)、受信指令が事前転送指令であるか否かを判定する(ステップS604)。
ステップS604にて受信指令が事前転送指令である場合には(ステップS604;Yes)、事前転送処理を実行する(ステップS605)。これに対して、受信指令が事前転送指令ではない場合には(ステップS604;No)、受信指令が自動転送指令であるか否かを判定する(ステップS606)。このとき、受信指令が自動転送指令であれば(ステップS606;Yes)、自動転送制御処理を実行する(ステップS607)。受信指令が自動転送指令ではない場合には(ステップS606;No)、受信指令が投影・合成描画指令であるか否かを判定する(ステップS608)。このとき、投影・合成描画指令であれば(ステップS608;Yes)、投影・合成用転送処理を実行する(ステップS609)。ステップS608にて受信指令が投影・合成描画指令ではない場合や(ステップS608;No)、ステップS603、S605、S607、S609の処理のいずれかを実行した後には、ステップS601の処理に戻る。
図49は、図48のステップS603にて実行される記憶領域設定処理の一例を示すフローチャートである。この記憶領域設定処理において、転送制御回路152は、まず、一時記憶メモリ156をクリアして、その記憶内容を初期化する(ステップS611)。続いて、記憶領域設定指令に含まれるデータから、可変アドレスエリア156Bの先頭アドレスSTADDを特定する(ステップS612)。そして、このとき特定されたアドレスSTADDを、VDP141に内蔵された所定のレジスタにセットして格納する(ステップS613)。また、転送制御回路152は、記憶領域設定指令に含まれるデータから、可変アドレスエリア156Bの終了アドレスENADDを特定する(ステップS614)。そして、このとき特定されたアドレスENADDを、VDP141に内蔵された所定のレジスタにセットして格納してから(ステップS615)、記憶領域設定処理を終了する。こうしてVDP141の内部レジスタに可変アドレスエリア156Bの先頭アドレスSTADDや終了アドレスENADDが格納されることにより、一時記憶メモリ156にて可変アドレスエリア156Bとなる記憶領域が確保されることになる。
図50は、図48のステップS605にて実行される事前転送処理の一例を示すフローチャートである。この事前転送処理において、転送制御回路152は、まず、事前転送指令に含まれるデータから、画像データメモリ142における画像データの読出アドレスを特定する(ステップS621)。続いて、事前転送指令に含まれるデータから、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aにおける画像データの書込アドレスを特定する(ステップS622)。また、事前転送指令に含まれるデータから、転送すべき画像データのデータ量を特定する(ステップS623)。そして、ステップS621〜S623の処理で特定した画像データの読出アドレス、書込アドレス、転送データ量に基づき、画像データメモリ142から読み出した画像データを固定アドレスエリア156Aに転送するように、データ転送の開始設定を行う(ステップS624)。例えば、転送制御回路152は、ステップS624の処理において、所定のDMA装置に、画像データメモリ142の読出アドレス、一時記憶メモリ156の書込アドレス、転送する画像データのデータ量をセットして、DMA転送による画像データの転送開始を指示する。
この後、転送制御回路152は、画像データの転送が完了したか否かを判定し(ステップS625)、完了していなければ(ステップS625;No)、ステップS625の処理を繰り返して待機する。他方、例えばDMA装置から所定の転送完了信号が出力されたことなどに基づき、ステップS625にて画像データの転送が完了したと判定されれば(ステップS625;Yes)、VDP141が備えるインデックステーブル220に画像データの転送完了を登録してから(ステップS626)、事前転送処理を終了する。ステップS626の処理において、転送制御回路152は、例えば事前転送指令に含まれるデータなどに基づき、固定アドレスエリア156Aへと転送された画像データを特定可能とする「開始アドレス」、「水平サイズ」などのデータを、固定アドレスエリア156Aに対応して設けられたインデックステーブル220に書き込むとともに、対応する「読出完了フラグ」を「オン」に設定する。
図51は、図48のステップS607にて実行される自動転送制御処理の一例を示すフローチャートである。この自動転送制御処理において、転送制御回路152は、まず、自動転送指令に含まれるデータから、画像データメモリ142における画像データの読出アドレスを特定する(ステップS631)。続いて、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bにおける画像データの書込アドレスを特定する(ステップS632)。例えば、転送制御回路152は、ステップS632の処理において、インデックステーブル220を参照することにより可変アドレスエリア156Bのうち「転送完了フラグ」が「オン」となって有効な画像データ等が記憶されている領域以外の空き領域を特定する。こうして特定された空き領域のうちから、今回転送すべき画像データを記憶させる領域を決定し、その先頭アドレスを書込アドレスとして特定すればよい。
また、転送制御回路152は、自動転送指令に含まれるデータから、転送すべき画像データのデータ量を特定する(ステップS633)。そして、ステップS631〜S633の処理で特定した画像データの読出アドレス、書込アドレス、転送データ量に基づき、画像データメモリ142から読み出した画像データを可変アドレスエリア156Bに転送するように、データ転送の開始設定を行う(ステップS634)。例えば、転送制御回路152は、ステップS634の処理において、所定のDMA装置に、画像データメモリ142の読出アドレス、一時記憶メモリ156の書込アドレス、転送する画像データのデータ量をセットして、DMA転送による画像データの転送開始を指示する。
この後、転送制御回路152は、画像データの転送が完了したか否かを判定し(ステップS635)、完了していなければ(ステップS635;No)、ステップS635の処理を繰り返して待機する。他方、例えばDMA装置から所定の転送完了信号が出力されたことなどに基づき、ステップS635にて画像データの転送が完了したと判定されれば(ステップS635;Yes)、VDP141が備えるインデックステーブル220に画像データの転送完了を登録してから(ステップS636)、自動転送制御処理を終了する。ステップS636の処理において、転送制御回路152は、例えば可変アドレスエリア156Bに対応して設けられたインデックステーブル220において「転送完了フラグ」が「オフ」となっているテーブルデータを特定し、特定されたテーブルデータについて、可変アドレスエリア156Bへと転送された画像データを特定可能とする「開始アドレス」、「水平サイズ」を示すものに更新するとともに、対応する「転送完了フラグ」を「オン」に設定する。
また、この自動転送制御処理にて画像データを転送する場合には、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bに画像データを転送した後に、例えば可変アドレスエリア156Bに対応して設けられたインデックステーブル220における「インデックス番号」などといった、転送された画像データを特定するための情報を描画回路155に通知して、描画回路155による画像データの読出を可能にしてもよい。
図52は、図48のステップS609にて実行される投影・合成用転送処理の一例を示すフローチャートである。この投影・合成用転送処理において、転送制御回路152は、まず、投影・合成描画指令に含まれるデータから、描画対象画像を特定する(ステップS651)。このときには、インデックステーブル220にて描画対象画像に対して付与されたインデックス番号などといった、描画対象画像に付与された画像指定情報や、画像データメモリ142あるいは一時記憶メモリ156における画像データの記憶アドレスを示すデータなどから、描画対象画像が特定されればよい。続いて、ステップS651にて特定した描画対象画像が、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aや可変アドレスエリア156Bに対応して設けられたインデックステーブル220に登録されているか否かを判定する(ステップS652)。このとき、描画対象画像の登録があれば(ステップS652;Yes)、描画対象画像を示す画像データを画像データメモリ142から読み出す必要がないことから、投影・合成用転送処理を終了する。
ステップS652にて描画対象画像の登録がない場合には(ステップS652;No)、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bにおける画像データの書込アドレスを特定する(ステップS653)。例えば、転送制御回路152は、ステップS653の処理において、図51に示すステップS632の処理と同様にして、可変アドレスエリア156Bにおける空き領域を特定すればよい。そして、転送制御回路152は、ステップS651にて特定した描画対象画像に応じた画像データの転送データ量を設定する(ステップS654)。そして、ステップS651にて特定された描画対象画像に応じた画像データメモリ142の読出アドレスや、ステップS653にて特定された画像データの書込アドレス、ステップS654にて設定された画像データの転送データ量に基づいて、画像データメモリ142から読み出した画像データを可変アドレスエリア156Bに転送するように、データ転送の開始設定を行う(ステップS655)。
ステップS655にてデータ転送の開始設定を行った後には、画像データの転送が完了したか否かを判定し(ステップS656)、完了していなければ(ステップS656;No)、ステップS656の処理を繰り返して待機する。他方、ステップS656にて画像データの転送が完了したと判定されれば(ステップS656;Yes)、VDP141が備えるインデックステーブル220に画像データの転送完了を登録してから(ステップS657)、投影・合成用転送処理を終了する。ステップS657の処理では、例えば可変アドレスエリア156Bに対応して設けられたインデックステーブル220における「インデックス番号」などといった、転送された画像データを特定するための情報を描画回路155に通知して、描画回路155による画像データの読出を可能にしてもよい。
図53は、表示制御部121のVDP141が備える描画回路155により実行される描画処理の一例を示すフローチャートである。この描画処理において、描画回路155は、まず、ホストインタフェース151を介して演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送されて受信した表示制御指令があるか否かを判定する(ステップS701)。演出制御用マイクロコンピュータ120からの受信指令がなければ(ステップS701;No)、ステップS701の処理を繰り返し実行して待機する。
ステップS701にて受信指令がある場合には(ステップS701;Yes)、その受信指令が固定アドレス指定転送指令であるか否かを判定する(ステップS702)。そして、固定アドレス指定転送指令であれば(ステップS702;Yes)、固定アドレス指定描画処理を実行する(ステップS703)。これに対して、固定アドレス指定転送指令ではない場合には(ステップS702;No)、受信指令が自動転送指令であるか否かを判定する(ステップS704)。
ステップS704にて受信指令が自動転送指令である場合には(ステップS704;Yes)、自動転送描画処理を実行する(ステップS705)。これに対して、受信指令が自動転送指令ではない場合には(ステップS704;No)、受信指令が投影・合成描画指令であるか否かを判定する(ステップS706)。そして、受信指令が投影・合成描画指令であれば(ステップS706;Yes)、投影・合成描画処理を実行する(ステップS707)。ステップS706にて受信指令が投影・合成描画指令ではない場合や(ステップS706;No)、ステップS703、S705、S707の処理のいずれかを実行した後には、ステップS701の処理に戻る。
図54は、図53のステップS703にて実行される固定アドレス指定描画処理の一例を示すフローチャートである。この固定アドレス指定描画処理において、描画回路155は、まず、固定アドレス指定転送指令に含まれるデータから、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aにおける画像データの読出アドレスを特定する(ステップS711)。続いて、ステップS711にて特定した読出アドレスに基づきインデックステーブル220を参照し、読出対象となる画像データと対応付けられた「転送完了フラグ」が「オン」となっているか否かを判定する(ステップS712)。
ステップS712にて「転送完了フラグ」が「オン」である場合には(ステップS712;Yes)、固定アドレス指定転送指令に含まれるデータから、VRAM157の描画用バッファ157Aにおける画像データの書込アドレスを特定する(ステップS713)。この後、描画回路155は、ステップS711にて特定した読出アドレスからの画像データの読出動作と、ステップS713にて特定した書込アドレスへの画像データの書込動作とを行い、VRAM157の描画用バッファ157Aに画像データを展開記憶させる(ステップS714)。このとき、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aから読み出される画像データがピクセルデータである場合には、固定アドレスエリア156Aから読み出した画像データをそのままVRAM157の描画用バッファ157Aに書き込むようにすればよい。他方、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aから読み出される画像データが、ポイント、ライン、ポリゴンなどのベクトルデータである場合には、固定アドレスエリア156Aから読み出したベクトルデータに基づいてピクセルデータを作成し、そのピクセルデータをVRAM157の描画用バッファ157Aに書き込むようにすればよい。また、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aから読み出される画像データが、例えば離散コサイン変換(DCT;Discrete Cosine Transform)やアダマール変換といった、所定の圧縮符号化が施されている場合には、固定アドレスエリア156Aから読み出した画像データに所定の復号化処理を施すことにより得られるピクセルデータを、VRAM157の描画用バッファ157Aに書き込むようにすればよい。なお、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aから読み出される画像データが3次元表示用の画像データやポリゴンなどのベクトルデータである場合には、VDP141が画像データメモリ142にアクセスせずに、所定のCPU(例えば演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131など)が画像データメモリ142にアクセスして画像データを読み出すことがある。この場合には、そのCPUによって読み出された画像データに基づく所定の演算処理の実行結果として得られたデータを、VDP141へと転送するようにしてもよい。この場合、VDP141では、例えば描画回路155がCPUから転送されたデータに基づいてピクセルデータを作成し、描画用バッファ157Aに展開記憶させるようにすればよい。所定のCPUが所定の演算処理を実行して得られたデータは、そのままピクセルデータとして描画用バッファ157Aに書き込まれるようにしてもよい。
また、描画回路155は、描画用バッファ157Aにピクセルデータを展開記憶させるときに、VRAM157にて付されているアドレスに対応した1次元のデータとして展開するようにしてもよい。あるいは、描画回路155は、画像表示装置5の画面上における画像の表示座標に対応した2次元のデータとして展開するようにしてもよい。ここで、VRAM157にて付されているアドレスに対応した1次元のデータとしてピクセルデータを展開すれば、画像の水平サイズや垂直サイズに拘束されることなく、VRAM157にて連続するアドレスにピクセルデータを書き込むことができるので、VRAM157の使用効率を高めることができる。他方、画像表示装置5の表示画面上における演出画像の表示座標に対応した2次元のデータとしてピクセルデータを展開すれば、VRAM157から読み出される表示用データの読出位置と表示画面上における表示座標とを1対1に対応させることができ、例えばVRAM157の記憶アドレスから画像表示装置5の表示画面上における演出画像の表示座標への変換に要する処理負担を軽減することができる。ここで、描画用バッファ157Aに展開記憶するピクセルデータを1次元のデータとするか2次元のデータとするかは、例えば表示回路158に含まれる液晶ドライバといった、画像表示装置5の画面上に画像を表示させる回路の性能に合わせて、適宜設計すればよい。
加えて、ステップS714の処理では、これから描画用バッファ157Aに書き込もうとする画像データ(書込側データ)と、各画素に対応して既に描画用バッファ157Aに記憶されている画像データ(記憶側データ)との間で優先度の比較を行い、書込側データの優先度が高い画素については画像データの書込を行う一方で、記憶側データの優先度が高い画素については画像データの書込を行わないようにしてもよい。具体的な一例として、描画回路155が一時記憶メモリ156から読み出す画像データには、各画素の優先度に対応したZ値を示すデータが含まれている。また、VRAM157のZバッファ157Cには、各画素の記憶側データに付された優先度に対応したZ値が記憶されている。そして、描画回路155は、各画素の書込側データと記憶側データでZ値の比較演算を実行することで、書込側データと記憶側データのうちどちらの優先度が高いかを判定すればよい。例えば、所定のキャラクタを示す画像データでは、各画素における優先度が、背景画像を示す画像データに比べて高くなるように予め設定しておく。これにより、背景画像の前面にキャラクタの画像を出現させるように、描画用バッファ157Aへの画像データの書き込みを行うことができる。このとき、書込側データの方が記憶側データよりも優先度が高いために画像データが書き込まれた画素については、Zバッファ157Cに書込側データが有していたZ値を書き込むことにより、Z値の記憶が更新されるようにすればよい。
ステップS714の処理を実行した後には、描画用バッファ157Aに画像データを書き込むことによる描画が完了したか否かを判定し(ステップS715)、完了していなければ(ステップS715;No)、読出アドレスと書込アドレスを更新した後(ステップS716)、ステップS714の処理に戻る。他方、ステップS715にて描画が完了すれば(ステップS715;Yes)、固定アドレス指定描画処理を終了する。
ステップS712にて「転送完了フラグ」が「オフ」である場合には(ステップS712;No)、所定の転送完了待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS717)。このとき、転送完了待ち時間が経過していなければ(ステップS717;No)、ステップS712に戻って待機する。これに対して、ステップS717にて転送完了待ち時間が経過した場合には(ステップS717;Yes)、例えばホストインタフェース151を介して演出制御用マイクロコンピュータ120に対して所定のエラー情報を伝送することなどにより、エラーが発生した旨を通知してから(ステップS718)、固定アドレス指定描画処理を終了する。描画回路155がステップS718の処理を実行することにより伝送されたエラー情報を受け取った演出制御用マイクロコンピュータ120では、例えばCPU131が音制御部122やランプ制御部123に所定の制御指令を送ることなどにより、スピーカ8L、8Rからの音声出力や、所定のランプあるいはLED等を点灯や点滅させることなどにより、エラーの発生を報知するようにすればよい。このときには、スピーカ8L、8Rからの音声出力や、所定のランプやLED等を点灯や点滅させてエラーの発生を報知することにより、画像表示装置5における表示動作に異常が発生して正しく表示できない場合でも、エラーの発生を適切に報知することができる。
図55は、図53のステップS705にて実行される自動転送描画処理の一例を示すフローチャートである。この自動転送描画処理において、描画回路155は、まず、例えば転送制御回路152からの通知などに基づいて、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bにおける画像データの読出アドレスを特定する(ステップS731)。続いて、ステップS731にて特定した読出アドレスに基づきインデックステーブル220を参照し、読出対象となる画像データと対応付けられた「転送完了フラグ」が「オン」となっているか否かを判定する(ステップS732)。
ステップS732にて「転送完了フラグ」が「オン」である場合には(ステップS732;Yes)、自動転送指令に含まれるデータから、VRAM157の描画用バッファ157Aにおける画像データの書込アドレスを特定する(ステップS733)。この後、描画回路155は、ステップS731にて特定した読出アドレスからの画像データの読出動作と、ステップS733にて特定した書込アドレスへの画像データの書込動作とを行う(ステップS734)。このとき、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bから読み出される画像データがピクセルデータである場合には、可変アドレスエリア156Bから読み出した画像データをそのままVRAM157の描画用バッファ157Aに書き込むようにすればよい。他方、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bから読み出される画像データが、ポイント、ライン、ポリゴンなどのベクトルデータである場合には、可変アドレスエリア156Bから読み出したベクトルデータに基づいてピクセルデータを作成し、そのピクセルデータをVRAM157の描画用バッファ157Aに書き込むようにすればよい。また、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bから読み出される画像データが、例えば離散コサイン変換(DCT;Discrete Cosine Transform)やアダマール変換といった、所定の圧縮符号化が施されている場合には、可変アドレスエリア156Bから読み出した画像データに所定の復号化処理を施すことにより得られるピクセルデータを、VRAM157の描画用バッファ157Aに書き込むようにすればよい。なお、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bから読み出される画像データが3次元表示用の画像データやポリゴンなどのベクトルデータである場合には、VDP141が画像データメモリ142にアクセスせずに、所定のCPU(例えば演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131など)が画像データメモリ142にアクセスして画像データを読み出すことがある。この場合には、そのCPUによって読み出された画像データに基づく所定の演算処理の実行結果として得られたデータを、VDP141へと転送するようにしてもよい。この場合、VDP141では、例えば描画回路155がCPUから転送されたデータに基づいてピクセルデータを作成し、描画用バッファ157Aに展開記憶させるようにすればよい。所定のCPUが所定の演算処理を実行して得られたデータは、そのままピクセルデータとして描画用バッファ157Aに書き込まれるようにしてもよい。
ステップS734の処理を実行した後には、描画用バッファ157Aに画像データを書き込むことによる描画が完了したか否かを判定し(ステップS735)、完了していなければ(ステップS735;No)、読出アドレスと書込アドレスを更新した後(ステップS736)、ステップS734の処理に戻る。他方、ステップS735にて描画が完了すれば(ステップS735;Yes)、描画に用いた画像データと対応付けてインデックステーブル220に登録された「転送完了フラグ」をクリアして「オフ」とした後(ステップS737)、自動転送描画処理を終了する。なお、可変アドレスエリア156Bに一時記憶されている画像データを再利用する場合には、ステップS737の処理を実行することなく、自動転送描画処理を終了することで、描画に用いた画像データと対応付けてインデックステーブル220に登録された「転送完了フラグ」を「オン」のままにしておけばよい。
ステップS732にて「転送完了フラグ」が「オフ」である場合には(ステップS732;No)、所定の転送完了待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS738)。このとき、転送完了待ち時間が経過していなければ(ステップS738;No)、ステップS732に戻って待機する。これに対して、ステップS738にて転送完了待ち時間が経過した場合には(ステップS738;Yes)、例えばホストインタフェース151を介して演出制御用マイクロコンピュータ120に対して所定のエラー情報を伝送することなどにより、エラーが発生した旨を通知してから(ステップS739)、自動転送描画処理を終了する。描画回路155がステップS739の処理を実行することにより伝送されたエラー情報を受け取った演出制御用マイクロコンピュータ120では、ステップS718の処理により伝送されたエラー情報を受け取った場合と同様に、例えばCPU131が音制御部122やランプ制御部123に所定の制御指令を送ることなどにより、スピーカ8L、8Rからの音声出力や、所定のランプやLED等を点灯や点滅させることなどにより、エラーの発生を報知すればよい。
図56は、図53のステップS707にて実行される投影・合成描画処理の一例を示すフローチャートである。この投影・合成描画処理において、描画回路155は、まず、投影・合成描画指令に含まれるデータなどから、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aあるいは可変アドレスエリア156Bにおける描画対象画像を示す画像データの読出アドレスを特定する(ステップS751)。続いて、投影・合成描画指令に含まれる奥行き値設定データから、描画対象画像を仮想3次元空間内に配置するときの奥行き値を設定する(ステップS752)。また、投影・合成描画指令に含まれる不透明度設定データから、描画対象画像を半透明合成するときの不透明度を設定する(ステップS753)。このとき、描画対象画像に含まれて実際に表示の対象となる表示オブジェクトの部分には、投影・合成描画指令に含まれる不透明度データに応じた不透明度が設定される一方で、表示オブジェクト以外の部分には、完全な透明として非表示とするための不透明度(例えば「0」)が設定されるようにすればよい。例えば、図27(A)に示す平面画像P1や図27(B)に示す平面画像P2が描画対象画像として特定された場合には、表示オブジェクトCL1や表示オブジェクトCL2に対応する画素では、投影・合成描画指令に含まれる不透明度データに応じた不透明度が設定される一方で、表示オブジェクトCL1、CL2以外の部分に対応する画素では、不透明度が「0」に設定されればよい。そして、ステップS751にて読出アドレスが特定された描画対象画像の画像データや、ステップS752にて設定された奥行き値を示す奥行き情報などを用いて、透視投影変換による座標変換を行う(ステップS754)。
例えば、描画回路155は、ステップS754の処理において、一時記憶メモリ156から読み出した描画対象画像の画像データに奥行き情報で示される奥行き値を付加することで、仮想3次元空間内における描画対象画像の配置位置を特定する。続いて、描画対象画像の各画素について、透視投影により空間座標からスクリーン座標に変換する透視投影変換が行われる。このときには、描画対象画像の奥行き値と、Zバッファ157Cに格納されている各画素のZ値との比較演算を実行することで、描画対象画像の奥行き値の方がZバッファ157CにおけるZ値よりも大きい画素については、描画用バッファ157Aに対する画像データの書き込みが行われないようにしてもよい(書込拒否)。これに対して、描画対象画像の奥行き値がZバッファ157CにおけるZ値以下である画素については、描画用バッファ157Aに対する画像データの書き込みを行う(書込許可)。こうして、描画対象画像と、既に対応する画像データが描画用バッファ157Aに記憶されている画像とが重なり合う部分の画素について、仮想3次元空間における視点からみて手前側(近隣)に配置される画像を奥側(遠方)に配置される画像よりも優先して(上書きして)表示させる隠面消去を実行することができる。
また、Zバッファ157Cに格納されているZ値が予め定められた合成実行値となっている画素については、隠面消去が実行されないようにしてもよい。一例として、Zバッファ157Cに格納されているZ値が「FFH」となっている画素については、隠面消去を実行しない。あるいは、全ての画素について、隠面消去が実行されないようにしてもよい。このように隠面消去が実行されない画素については、描画対象画像の画像データや、ステップS753にて設定された不透明値を示す不透明度情報などを用いて、アルファブレンディングといった半透明合成が実行される。このときには、描画対象画像の不透明度αに基づき、描画対象画像における表示色のR、G、B成分であるR1、G1、B1と、描画用バッファ157Aにて既に描画されている画像における表示色のR、G、B成分であるR2、G2、B2とを用いて、半透明合成の結果として描画用バッファ157Aに対して書き込まれるピクセルデータが示す表示色のR、G、B成分であるRD、GD、BDを、以下のような(式1)〜(式3)により特定すればよい。
RD=α×R1+(1−α)×R2 ・・・ (式1)
GD=α×G1+(1−α)×G2 ・・・ (式2)
BD=α×B1+(1−α)×B2 ・・・ (式3)
以上のような座標変換を伴う隠面消去や半透明合成を実行して得られたピクセルデータが描画用バッファ157Aに書き込まれることにより、仮想3次元空間内に配置した表示要素を所定の視点からみた画像の描画が行われる。こうした描画により描画用バッファ157Aにピクセルデータが書き込まれた画素については、描画対象画像に付された奥行き値をZバッファ157Cに書き込むことにより、Zバッファ157Cに格納されるZ値を更新する(ステップS755)。ステップS755の処理を実行した後には、投影・合成描画処理を終了する。
図57は、表示制御部121のVDP141が備える動画像用デコーダ154により実行される動画像デコード処理の一例を示すフローチャートである。動画像用デコーダ154は、演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送された動画像デコード指令を受信したことに応答して、図57に示すような動画像デコード処理の実行を開始する。この動画像デコード処理において、動画像用デコーダ154は、まず、画像データメモリ142に記憶されている演出表示に使用する動画像データから、1フレーム分のピクチャを示すピクチャデータを読み出す(ステップS801)。なお、動画像用デコーダ154が画像データメモリ142に記憶されている動画像データを読み出す際には、例えば事前に演出制御用マイクロコンピュータ120から送信された動画像表示初期設定指令といった、動画像の再生表示を行うための初期設定指令に応答して、画像データメモリ142から動画像データを読み出すデータバスのバス幅が、32ビット幅といった、転送制御回路152が画像データメモリ142からスプライト画像データを読み出すときとは異なるバス幅に設定されている。また、ピクチャデータは、動画像データにて配列されている順番に従って再生することができるような順番で読み出される。なお、再生される順番とデコードされる順番は必ずしも一致しない。例えば、Bピクチャは、その後に配置されているIピクチャ又はPピクチャをデコードしたあとにデコードされる。ステップS801の処理において、動画像用デコーダ154は、例えば事前に演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送された動画像表示開始設定指令といった、動画像の再生表示を開始するための設定指令に応答して、画像データメモリ142における動画像データの読出位置(例えば読出アドレス)を指定する読出ポインタの値(読出ポインタ値)や、VRAM157の描画用バッファ157Aにてデコード後の画像データを書き込む書込位置(例えば書込アドレス)を指定する書込ポインタの値(書込ポインタ値)、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bにて個別の動画像に対応したデコード後の画像データを一時記憶するピクチャバッファ位置(例えば記憶アドレス)を指定するピクチャバッファポインタの値(ピクチャバッファポインタ値)の設定を行うようにすればよい。
なお、フレーム内符号化やフレーム間符号化などにより圧縮された画像データから構成される動画像データを読み出す際には、VDP141が画像データメモリ142にアクセスせずに、所定のCPU(例えば演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131など)が画像データメモリ142にアクセスして動画像データを読み出すことがある。この場合には、そのCPUによって読み出された動画像データを、そのままVDP141へと転送するようにしてもよい。この場合、VDP141では、例えば動画像用デコーダ154がステップS801の処理において、ホストインタフェース151などの外部インタフェースを介して、転送された動画像データを受け取るようにすればよい。
ステップS801にてピクチャデータを読み出した後、動画像用デコーダ154は、その読出データをデコードし(ステップS802)、デコード後のピクチャデータを一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bにてピクチャバッファポインタ値に対応したピクチャバッファに一旦記憶させた後、書込ポインタ値に対応する描画用バッファ157Aの書込アドレスに書き込んで記憶させることにより、動画像を画像表示装置5の画面内における所定位置にて再生表示可能とする(ステップS803)。なお、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bに一旦記憶されたピクチャデータを読み出して描画用バッファ157Aに書き込む処理は、描画回路155が実行するようにしてもよい。
ステップS803の処理に続いて、読出ポインタ値の更新を行う(ステップS804)。ここで、1つの動画像を再生表示するために一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bに設けられた複数のピクチャバッファを用いる場合には、ステップS804の処理においてピクチャバッファポインタ値の更新も行うようにすればよい。こうして1フレーム分のピクチャデータのデコードが完了すると、動画像用デコーダ154は、ホストインタフェース151から演出制御用マイクロコンピュータ120に対してイベント割込み信号を出力させる(ステップS805)。これにより、1フレーム分のピクチャデータのデコードが完了したことが、VDP141から演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131へと通知されることになる。そして、例えばイベント割込み信号の出力期間を計測するためのタイマをスタートさせて、そのタイマ値が所定の信号出力期間判定値に達したか否かを判定することなどにより、信号出力期間が終了したか否かを判定する(ステップS806)。あるいは、演出制御用マイクロコンピュータ120からイベント割込み信号を受け付けたことに対する応答信号を受信したか否かの判定を行うことにより、信号出力期間が終了したか否かを判断するようにしてもよい。
ステップS806にて信号出力期間が終了しない場合には(ステップS806;No)、ステップS806の処理を繰り返し実行して待機する。これに対して、信号出力期間が終了した場合には(ステップS806;Yes)、イベント割込み信号の出力を停止してから(ステップS807)、動画像デコード処理を終了する。
以下、パチンコ遊技機1における具体的な制御の一例について説明する。パチンコ遊技機1の電源が投入され、所定の電源基板から電源電圧の供給が開始されると、演出制御基板12では、演出制御用マイクロコンピュータ120が起動し、CPU131が初期化処理を実行した後(図35のステップS51)、記憶領域設定指令処理を実行する(ステップS52)。この記憶領域設定指令処理において、演出制御用マイクロコンピュータ120では、CPU131が入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して記憶領域設定指令を送信させる(図36のステップS133)。
VDP141では、例えば転送制御回路152が、記憶領域設定指令を受信したことに応答して(図48のステップS602;Yes)、記憶領域設定処理を実行する(ステップS603)。この記憶領域設定処理では、記憶領域設定指令により通知されたアドレスSTADDとアドレスENADDをVDP141の内部レジスタに格納することなどによって(図49のステップS613、S615)、一時記憶メモリ156における記憶領域に、固定アドレスエリア156Aと可変アドレスエリア156Bとが配置されることになる。
図58は、演出制御基板12に搭載された表示制御部121における画像データ処理動作の一例を示す説明図である。演出制御用マイクロコンピュータ120の起動に対応して、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が事前転送指令処理を実行する(図35のステップS53)。そして、事前転送指令処理では、例えば図14(B)に示す事前転送設定テーブル210A、210Bのうちから、パチンコ遊技機1における遊技状態を確変状態とする制御が開始されるか否かに対応したものをセットする(図37のステップS141〜S144)。続いて、処理数及び事前転送カウント値に応じて読み出したテーブルデータから特定された画像データの読出アドレス、書込アドレス、転送データ量に基づき、事前転送指令を作成してVDP141に送信する(ステップS147〜S153)。これにより、画像データメモリ142に記憶されている複数種類の画像データのうち、各画像データに対応した演出画像による画像表示の実行頻度が所要の画像データに対応した演出画像による画像表示の実行頻度に比べて高い画像データを、画像データメモリ142から読み出して一時記憶メモリ156における固定アドレスエリア156Aに転送することの指令が行われる。
VDP141では、例えば転送制御回路152が、事前転送指令を受信したことに応答して(図48のステップS604;Yes)、事前転送処理を実行する(ステップS605)。この事前転送処理では、事前転送指令により通知された画像データの読出アドレス、書込アドレス、転送データ量などに基づいて、画像データメモリ142から画像データを読み出して一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに転送する(図50のステップS621〜S625)。これにより、画像データメモリ142に記憶されている複数種類の画像データのうち、各画像データに対応した演出画像による画像表示の実行頻度が所要の画像データに対応した演出画像による画像表示の実行頻度に比べて高い画像データを、画像データメモリ142から読み出して一時記憶メモリ156における固定アドレスエリア156Aに転送することができる。
その後、遊技領域に打ち込まれた遊技球が普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口へと進入したことに基づいて、特別図柄表示装置4による特図ゲームや画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を実行するための始動条件が成立する。こうした始動条件が成立した後に開始条件が成立したことに基づき、例えば画像表示装置5では、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の可変表示が開始される。このとき、演出制御用マイクロコンピュータ120では、例えばCPU131が図15(A)に示す演出制御パターンテーブル211に格納された複数種類の演出制御パターンのうちから、可変表示開始コマンドに示された可変表示パターンなどに対応した演出制御パターンを設定する(図41のステップS327)。また、ステップS329にて演出モードの変更ありと判定された場合には、背景切替用演出制御パターンも設定される(ステップS330)。その後、定期的に演出制御プロセスタイマ値を更新し(図42のステップS341)、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから読み出した制御データが終了コードではない場合に(ステップS344;No)、演出制御指令処理を実行することで(ステップS347)、各種の演出動作を制御するための指令や設定が行われる。
例えば、演出制御パターンに含まれる表示制御パターンから読み出された表示制御データなどに従って、画像表示装置5の表示画面上におけるスプライト画像の表示を更新するための処理として、CPU131が図43に示すステップS407にてスプライト画像更新指令処理を実行する。このスプライト画像更新指令処理では、更新対象となる画像部位を示す画像データの読出位置が固定アドレスエリア156Aであるか否かを判定する(図44のステップS422)。
一例として、更新対象となる演出画像が飾り図柄を示すものである場合には、その演出画像は固定アドレスエリア156Aに画像データを事前に転送する対象となるものであり、対応する画像データの読出位置が固定アドレスエリア156Aであると判定される。こうした読出位置が固定アドレスエリア156Aである旨の判定結果に基づき(ステップS422;Yes)、CPU131は、例えば演出制御パターンから読み出した表示制御データなどによって、固定アドレスエリア156Aにおける画像データの読出位置、VRAM157の描画用バッファ157Aにおける画像データの書込位置、転送する画像データのデータ量などを特定し、固定アドレス指定転送指令を作成して、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して送信させる(ステップS427〜S430)。
VDP141では、例えば描画回路155が、固定アドレス指定転送指令を受信したことに応答して(図53のステップS702;Yes)、固定アドレス指定描画処理を実行する(ステップS703)。この固定アドレス指定描画処理では、インデックステーブル220において固定アドレスエリア156Aからの読出対象となる画像データと対応付けられた「転送完了フラグ」が「オン」である場合に(図54のステップS712;Yes)、固定アドレス指定転送指令に含まれるデータなどから特定される画像データの読出アドレス、書込アドレス、転送データ量などに基づき、固定アドレスエリア156Aから読み出した画像データをVRAM157の描画用バッファ157Aに書き込んで記憶させる(ステップS713〜S716)。
また、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131により、更新対象となる演出画像に対応した画像データの読出位置が固定アドレスエリア156Aではないと判定された場合には(図44のステップS426;No)、例えば演出制御パターンから読み出した表示制御データなどによって、画像データメモリ142における画像データの読出位置、VRAM157の描画用バッファ157Aにおける画像データの書込位置、転送する画像データのデータ量などを特定し、自動転送指令を作成して、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して送信させる(ステップS431〜S434)。
VDP141では、まず、転送制御回路152が、自動転送指令を受信したことに応答して(図48のステップS606;Yes)、自動転送制御処理を実行する(ステップS607)。この自動転送制御処理では、画像データメモリ142における画像データの読出アドレスが、自動転送指令に含まれるデータなどから特定される(図51のステップS631)。その一方で、一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bにおける画像データの書込アドレスは、例えばインデックステーブル220を参照することなどにより特定された空き領域のうちから画像データを記憶させるために選択された領域の先頭アドレスとして、転送制御回路152により自動的に特定される(ステップS632)。そして、自動転送指令により通知された転送する画像データのデータ量などに基づき(ステップS633)、画像データメモリ142から読み出した画像データを一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bに書き込んで記憶させる(ステップS634、S635)。
続いて、VDP141では、例えば描画回路155が、自動転送指令を受信したことに応答して(図53のステップS704;Yes)、自動転送描画処理を実行する(ステップS705)。この自動転送描画処理では、インデックステーブル220において可変アドレスエリア156Bからの読出対象となる画像データと対応付けられた「転送完了フラグ」が「オン」である場合に(図55のステップS732;Yes)、例えば転送制御回路152から通知された可変アドレスエリア156Bにおける画像データの読出アドレスや、自動転送指令に含まれるデータなどから特定された画像データの書込アドレス、転送する画像データのデータ量などに基づき、可変アドレスエリア156Bから読み出した画像データをVRAM157の描画用バッファ157Aに書き込んで記憶させる(ステップS733〜S736)。
転送制御回路152は、画像データメモリ142から読み出した画像データを一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aまたは可変アドレスエリア156Bに書き込むことによる画像データの転送が完了したときに、VDP141に設けられたインデックステーブル220の更新を行う。
例えば、事前転送指令に応じて画像データメモリ142から一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aへのデータ転送が完了した場合には(図50のステップS625;Yes)、固定アドレスエリア156Aへと転送された画像データを特定可能とする「開始アドレス」、「水平サイズ」などのデータをインデックステーブル220に書き込むとともに、対応する「読出完了フラグ」を「オン」に設定することなどにより、インデックステーブル220に画像データの転送完了を登録する(ステップS626)。
また、例えば、自動転送指令に応じて画像データメモリ142から一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bへのデータ転送が完了した場合には(図51のステップS635;Yes)、可変アドレスエリア156Bへと転送された画像データを特定可能とする「開始アドレス」、「水平サイズ」などのデータをインデックステーブル220に書き込むとともに、対応する「読出完了フラグ」が「オン」に設定することなどにより、インデックステーブル220に画像データの転送完了を登録する(ステップS636)。
こうしたインデックステーブル220の登録内容に基づいて、描画回路155は一時記憶メモリ156から画像データを読み出して表示用データの作成を実行できるか否かの判定を行う。例えば、描画回路155は、固定アドレス指定転送指令を受信したことに応答して、固定アドレスエリア156Aからの読出対象となる画像データと対応付けられた「転送完了フラグ」がインデックステーブル220において「オン」となっているか否かを判定する(図54のステップS712)。このとき、「読出完了フラグ」が「オン」であれば(ステップS712;Yes)、描画回路155が固定アドレスエリア156Aから画像データを読み出して表示用データを作成可能であるとの判断に基づき、固定アドレスエリア156Aから読み出した画像データをVRAM157の描画用バッファ157Aに書き込んで記憶させることなどにより表示用データを作成するための処理が実行される(ステップS713〜S716)。これに対して、「読出完了フラグ」が「オフ」であれば(ステップS712;No)、描画回路155が固定アドレスエリア156Aから画像データを読み出して表示用データを作成することができないとの判断に基づき、転送完了待ち時間が経過するまで待機する(ステップS717;No)。この待機中には、固定アドレスエリア156Aから読み出した画像データを用いた表示用データの作成が実行されない。
また、例えば、描画回路155は、自動転送指令を受信したことに応答して、可変アドレスエリア156Bからの読出対象となる画像データと対応付けられた「転送完了フラグ」がインデックステーブル220において「オン」となっているか否かを判定する(図55のステップS732)。このとき、「読出完了フラグ」が「オン」であれば(ステップS732;Yes)、描画回路155が可変アドレスエリア156Bから画像データを読み出して表示用データを作成可能であるとの判断に基づき、可変アドレスエリア156Bから読み出した画像データをVRAM157の描画用バッファ157Aに書き込んで記憶させることなどにより表示用データを作成するための処理が実行される(ステップS733〜S737)。これに対して、「転送完了フラグ」が「オフ」であれば(ステップS732;No)、描画回路155が可変アドレスエリア156Bから画像データを読み出して表示用データを作成することができないとの判断に基づき、転送完了待ち時間が経過するまで待機する(ステップS738;No)。この待機中には、可変アドレスエリア156Bから読み出した画像データを用いた表示用データの作成が実行されない。
演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、座標変換を伴う半透明合成を実行するために予め定められた処理条件が成立したときに、合成描画指令処理を実行する。例えば、図40のステップS298にてデモ表示中フラグがオンであるときや、ステップS300にてデモ表示待ち時間が経過したときには、ステップS304にて合成描画指令処理が実行される。これにより、画像表示装置5にてデモ画像表示を実行させるときには、座標変換を伴う半透明合成を開始する旨の決定が行われる。また、図44のステップS421にて背景切替期間であると判定されたときや、ステップS423にてスーパーAの可変表示パターンであると判定されたときには、ステップS424にて合成描画指令処理が実行される。これにより、画像表示装置5に表示させる背景画像を切り替えて変更するときや、所定の可変表示パターンにより飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったときには、座標変換を伴う半透明合成を開始する旨の決定が行われる。
ステップS304やステップS424にて実行される合成描画指令処理では、座標変換を伴う半透明合成が開始されたことに対応して合成中フラグがオフであれば(図46のステップS471;No)、経過時間タイマに初期値「0」が設定され(ステップS472)、合成表示を開始するための設定により(ステップS473)、例えば演出制御パターンから読み出した表示制御データに基づいて合成表示の対象となる表示要素の画像データが特定される。これに対して、合成中フラグがオンであれば(ステップS471;Yes)、経過時間タイマ値を1加算するなどして更新する(ステップS475)。このとき、経過時間タイマ値が「100」より大きな値となれば(ステップS476;Yes)、経過時間タイマがリセットされてタイマ初期値「0」に戻る(ステップS477)。すなわち、経過時間タイマは、座標変換を伴う半透明合成が開始されるタイミングからの経過時間を計測し、そのタイマ値が「100」より大きな値になるとリセットされてタイマ初期値「0」に戻る。こうして、座標変換を伴う半透明合成が開始されてから終了するまでの期間では、経過時間タイマ値が「0」から「100」までの値の範囲で周期的に更新されることになる。
そして、CPU131は、例えば演出制御パターンから読み出した表示制御データの設定などに基づいて、描画対象画像を特定し(ステップS478)、経過時間タイマ値に対応する奥行き値を決定した後(ステップS479)、奥行き値に対応する不透明度を決定する(ステップS480)。これに続いて、投影・合成描画指令を生成し(ステップS481)、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して送信させる(ステップS482)。
VDP141では、まず、転送制御回路152が、投影・合成描画指令を受信したことに応答して(図48のステップS608;Yes)、投影・合成用転送処理を実行する(ステップS609)。この投影・合成用転送処理では、描画対象画像がインデックステーブル220に登録されているか否かを判定することにより(図52のステップS652)、描画対象画像の画像データが既に一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aあるいは可変アドレスエリア156Bに記憶されているか否かが判定される。このとき、未だ一時記憶メモリ156に描画対象画像の画像データが記憶されていなければ(ステップS652;No)、例えばインデックステーブル220を参照することなどにより特定された空き領域のうちから画像データを記憶させるために選択された領域の先頭アドレスを、可変アドレスエリア156Bにおける画像データの書込アドレスとして、転送制御回路152が自動的に特定する(ステップS653)。そして、描画対象画像の画像データとして転送するデータ量を設定した後(ステップS654)、画像データメモリ142から読み出した画像データを一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bに書き込んで記憶させる(ステップS655、S656)。
続いて、VDP141では、例えば描画回路155が、投影・合成描画指令を受信したことに応答して(図53のステップS706;Yes)、投影・合成描画処理を実行する(ステップS707)。この投影・合成描画処理では、一時記憶メモリ156から読み出した描画対象画像の画像データに図56のステップS752で設定された奥行き値を付加することで、仮想3次元空間内における描画対象画像の配置位置が特定される。続いて、ステップS754にて描画対象画像の各画素につき透視投影変換が行われるときには、隠面消去あるいは半透明合成が実行されることにより、描画用バッファ157Aに対して書き込まれるピクセルデータが決定される。
一例として、図59(A)に示す仮想3次元空間VSにおいて、描画領域VRを含むスクリーン平面が、図59(A)及び(B)に示すような奥行き値Z0(例えば「00H」)の位置に配置されるものとする。なお、描画領域VRの全体は、例えば基本色(描画前の表示色)が「青色」とされていればよい。また、Zバッファ157Cに格納されるZ値は、初期設定が「FFH」とされていればよい。ここで、Zバッファ157CにおけるZ値の初期設定は、描画領域VRそのものの仮想3次元空間内における配置を示すものではなく、「青色」の基本色がバックグラウンドとなることを示すものである。
そして、投影・合成描画指令により、描画対象画像として平面画像P1が特定されたときには、その奥行き値がZ1に設定される。また、別の投影・合成描画指令により、描画対象画像として平面画像P2が特定されたときには、その奥行き値がZ1とは異なるZ2に設定される。このとき設定される奥行き値は、図46に示すステップS478にて特定された描画対象画像が平面画像P1であるか平面画像P2であるかに応じて、ステップS479にて経過時間タイマ値に基づき図16(A)に示す平面画像P1用の奥行き値設定テーブル212Aあるいは図16(B)に示す平面画像P2用の奥行き値設定テーブル212Bを参照することにより決定されたものである。図59(A)及び(B)の例では、仮想3次元空間VSにおける視点VPからみて、平面画像P1が手前側(近隣)に配置され、平面画像P2が奥側(遠方)に配置されている。この場合、図46のステップS480にて平面画像P1、P2それぞれの奥行き値に基づき図17に示す不透明度設定テーブル213を参照することにより決定される不透明度は、平面画像P1の方が平面画像P2に比べて高くなる。言い換えると、平面画像P1の透明度は、平面画像P2の透明度に比べて低くなるように、不透明度の設定が行われる。
こうした奥行き値や不透明度の設定がなされた上で透視投影による座標変換を伴った半透明合成が行われることにより、例えば図60(A)に示すように、視点VPからみて手前側(近隣)に配置された平面画像P1に含まれる表示オブジェクトCL1の方が、視点VPからみて奥側(遠方)に配置された平面画像P2に含まれる表示オブジェクトCL2に比べて、大きく濃く表示されることになる。ここでは、図56のステップS754にて透視投影変換による座標変換が行われる際に、隠面消去が実行されることにより、表示オブジェクトCL2のうち表示オブジェクトCL1と重なり合う部分の画素は、表示が制限されている。
図40のステップS304や図44のステップS424にて実行される合成描画指令処理では、図46のステップS475にて更新される経過時間タイマ値に応じて、ステップS479にて奥行き値が決定され、その奥行き値に応じて、ステップS480にて不透明度が決定される。このときには、ステップS479にて図16(A)に示す奥行き値設定テーブル212Aや図16(B)に示す奥行き値設定テーブル212Bを参照して奥行き値が決定されることにより、平面画像P1、P2が、経過時間に応じて仮想3次元空間における視点VPの遠方から近隣へと近付く方向へと、移動するように変化する。そして、各平面画像P1、P2に含まれる表示オブジェクトCL1、CL2の不透明度は、視点VPの近隣へと近付くにしたがって、徐々に増大する(濃くなる)ように設定されることになる。
一例として、経過時間タイマ値が「50」であるときには、図16(A)に示す奥行き値設定テーブル212Aにて経過時間「T50」と対応付けられた奥行き値「00H」が、平面画像P1の奥行き値として設定される。このときには、図17に示す不透明度設定テーブル213にて奥行き値「00H」と対応付けられた不透明度「1」が、平面画像P1の不透明度として設定される。こうして、例えば図60(B)に示すように、平面画像P1に含まれる表示オブジェクトCL1が、図60(A)に比べて、さらに大きく濃く表示されることになる。
他の一例として、経過時間タイマ値が「60」であるときには、図16(A)に示す奥行き値設定テーブル212Aにて経過時間「T60」と対応付けられた奥行き値「E5H」が、平面画像P1の奥行き値として設定される。このときには、図17に示す不透明度設定テーブル213にて奥行き値「E5H」と対応付けられた不透明度が、平面画像P1の不透明度として設定される。また、図16(B)に示す奥行き値設定テーブル212Bにて経過時間「T60」と対応付けられた奥行き値「66H」が、平面画像P2の奥行き値として設定される。このときには、図17に示す不透明度設定テーブル213にて奥行き値「66H」と対応付けられた不透明度が、平面画像P2の不透明度として設定される。こうして、例えば図60(C)に示すように、視点VPからみて手前側(近隣)に配置された平面画像P2に含まれる表示オブジェクトCL2の方が、視点VPからみて奥側(遠方)に配置された平面画像P1に含まれる表示オブジェクトCL1に比べて、大きく濃く表示されることになる。
図41のステップS329にて演出モードの変更ありと判定された場合にステップS330にて設定される背景切替用演出制御パターンでは、合成表示の対象となる画像として、背景画像B1、B2が指定されていればよい。そして、奥行き値を設定するためのテーブルとしては、それまで表示されていた変更前の背景画像については、経過時間に応じて仮想3次元空間における視点VPの近隣から遠方へと遠ざかる方向へと移動させるように、奥行き値を設定するものが予め用意されていればよい。その一方で、これから表示する変更後の背景画像については、図16(B)に示す平面画像P2用の奥行き値設定テーブル212Bなどを参照することにより、奥行き値が設定されればよい。また、図46のステップS484では経過時間タイマ値が「100」であるときに合成終了タイミングとなる旨の判定がなされるように、背景切替用演出制御パターンにて各種の制御データが設定されていればよい。これにより、演出モードが変更されるときには、それまで表示されていた変更前の背景画像が、経過時間に応じて仮想3次元空間における視点VPの近隣から遠方へと遠ざかるとともに、その背景画像の不透明度が徐々に低下し、背景画像の表示色が薄くなっていく。これに対して、これから表示する変更後の背景画像は、経過時間に応じて仮想3次元空間における視点VPの遠方から近隣へと近付くとともに、その背景画像の不透明度が徐々に増大し、背景画像の表示色が濃くなっていく。
演出制御用マイクロコンピュータ120では、主基板11から送られた可変表示開始コマンドにて示された可変表示パターンなどに対応して、CPU131が図41のステップS327の処理にて、図15(A)に示す演出制御パターンテーブル211に格納された複数種類の演出制御パターンのいずれかを選択し、飾り図柄の可変表示中における演出動作を制御するための演出制御パターンとする。このときには、例えば図35のステップS54にて初期表示設定処理が実行されたことや、図40のステップS292にて確変開始用の表示設定が行われたこと、あるいは、ステップS295にて確変終了用の表示設定が行われたことなどに基づき、VDP141が画像データメモリ142から画像データを読み出す際のバス幅は第1のバス幅として予め定められた64ビットに設定されており、チップセレクトの設定はスプライト画像用のメモリチップ142−1、142−2からスプライト画像データの読み出しを可能にするCS#0となっている。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して所定の表示制御指令を伝送させることなどにより、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示を開始させる。その後、所定時間が経過したことに対応して、例えば「左」の飾り図柄表示部5Lにて飾り図柄を停止表示させる。続いて、「右」の飾り図柄表示部5Rにて飾り図柄を停止表示させる。
このとき、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことなどに基づき、圧縮符号化された動画像データを用いて動画像を再生表示することによる演出動作が実行されることがある。CPU131は、演出制御パターンから読み出した表示制御データなどに基づき、例えば図43のステップS408にて動画像表示期間であると判定したことに続いて、図45のステップS451にて動画像の再生表示を開始すると判定したときには、ステップS452、S453にて動画像表示初期設定指令や動画像表示開始設定指令を入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して伝送させることにより、動画像の再生表示の開始を指示する。このときには、例えば動画像表示初期設定指令が伝送されることにより、VDP141が画像データメモリ142から画像データを読み出す際のバス幅を第2のバス幅として定められた32ビットとする設定や、チップセレクトの設定をCS#1として動画像用のメモリチップ142−3から動画像データの読み出しを可能にする設定といった、各種の指令や設定が行われる。これにより、動画像の再生表示を開始することというバス幅切替条件が成立したときに、VDP141が画像データメモリ142から画像データを読み出す際のデータバス幅を、第1のバス幅となる64ビットから、第2のバス幅となる32ビットへと、変更するように設定することができる。
これに対して、図45のステップS456にて動画像の再生表示を終了すると判定したときには、ステップS457にて動画像表示終了設定指令を入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して伝送させることにより、動画像の再生表示の終了を指示する。このときには、VDP141が画像データメモリ142から画像データを読み出す際のバス幅を第1のバス幅として定められた64ビットとする設定や、チップセレクトの設定をCS#0としてスプライト画像用のメモリチップ142−1、142−2からスプライト画像データの読み出しを可能にする設定といった、各種の設定が行われる。これにより、動画像の再生表示を終了することというバス幅切替条件が成立したときに、VDP141が画像データメモリ142から画像データを読み出す際のデータバス幅を、第2のバス幅となる32ビットから、第1のバス幅となる64ビットへと、変更するように設定することができる。
演出制御用マイクロコンピュータ120では、主基板11から伝送された確変開始コマンドを受信したときに、確変開始フラグがオン状態にセットされる(図38を参照)。また、演出制御用マイクロコンピュータ120では、主基板11から伝送された確変終了コマンドを受信したときに、確変終了フラグがオン状態にセットされる(図38を参照)。ここで、確変開始コマンドは、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU114が図34のステップS276にて送信設定を行ったことに基づき、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。また、確変終了コマンドは、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU114が図33のステップS256や図34のステップS281にて送信設定を行ったことに基づき、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、図40のステップS291にて確変開始フラグがオンであると判定したときに、ステップS292における確変開始用の表示設定として、確変開始用表示設定指令を作成し、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して伝送させる。これにより、VDP141では表示回路158のスケーラ回路における拡大率の調整が行われ、SVGAモードのサイズ(800×600ピクセル)を有する表示用データから、画像表示装置5の表示画面における画素総数に対応したXGAモードのサイズ(1024×768ピクセル)を有するピクセルデータへの変換を行えるように、拡大率の設定が行われる。また、図40のステップS291にて確変開始フラグがオンであると判定されたときには、ステップS296にて実行される事前転送指令処理において図37に示すステップS143の処理が実行されることにより、図14(B)に示す確変状態用の事前転送設定テーブル210Bが使用テーブルとしてセットされる。その後、ステップS145〜S156の処理が実行されることにより、事前転送指令が演出制御用マイクロコンピュータ120からVDP141へと伝送される。VDP141では転送制御回路152が、演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送された事前転送指令に応じて、例えば図26(B)に示すSVGA用の第1スプライト画像データエリア142A−1から読み出した画像データを、一時記憶メモリ156における固定アドレスエリア156Aに転送する。こうして、SVGAモードの画素数に対応して構成された画像データを使用して、きめの細かい演出画像を表示する際に、各画像データに対応した演出画像による画像表示の実行頻度が所要の画像データに対応した演出画像による画像表示の実行頻度に比べて高い画像データを、画像データメモリ142から読み出して一時記憶メモリ156における固定アドレスエリア156Aに転送することができる。
他方、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、図40のステップS291にて確変開始フラグがオフであると判定したことに続いて、ステップS293にて確変終了フラグがオンであると判定したときに、ステップS295における確変終了用の表示設定として、確変終了用表示設定指令を作成し、入出力ポート135から表示制御部121のVDP141に対して伝送させる。これにより、VDP141では表示回路158のスケーラ回路における拡大率の調整が行われ、VGAモードのサイズ(600×480ピクセル)を有する表示用データから、画像表示装置5の表示画面における画素総数に対応したXGAモードのサイズ(1024×768ピクセル)を有するピクセルデータへの変換を行えるように、拡大率の設定が行われる。また、図40のステップS291にて確変開始フラグがオフであると判定されたときには、ステップS296にて実行される事前転送指令処理において図37に示すステップS142の処理が実行されることにより、図14(B)に示す通常・時短状態用の事前転送設定テーブル210Aが使用テーブルとしてセットされる。その後、ステップS145〜S156の処理が実行されることにより、事前転送指令が演出制御用マイクロコンピュータ120からVDP141へと伝送される。VDP141では転送制御回路152が、演出制御用マイクロコンピュータ120から伝送された事前転送指令に応じて、図26(B)に示すVGA用の第2スプライト画像データエリア142A−2から読み出した画像データを、一時記憶メモリ156における固定アドレスエリア156Aに転送する。こうして、VGAモードの画素数に対応して構成された画像データを使用して演出画像を表示する際に、各画像データに対応した演出画像による画像表示の実行頻度が所要の画像データに対応した演出画像による画像表示の実行頻度に比べて高い画像データを、画像データメモリ142から読み出して一時記憶メモリ156における固定アドレスエリア156Aに転送することができる。
以上説明したように、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、座標変換を伴う半透明合成を実行するために予め定められた処理条件が成立したときに、図40のステップS304や図44のステップS424にて合成描画指令処理が実行される。この合成描画指令処理では、図46に示すステップS471〜S477の処理が実行されることにより、経過時間タイマ値が「0」から「100」までの値の範囲で周期的に更新される。そして、ステップS478にて特定された描画対象画像や、ステップS479にて経過時間タイマ値に対応して決定された奥行き値、ステップS480にて奥行き値に対応して決定された不透明度に基づき、ステップS481にて投影・合成描画指令が作成されて、表示制御部121のVDP141へと伝送される。ステップS479の処理では、図16(A)に示す奥行き値設定テーブル212Aや図16(B)に示す奥行き値設定テーブル212Bを参照して奥行き値を決定することにより、第1表示要素となる平面画像P1や第2表示要素となる平面画像P2などに対して、仮想3次元空間VS内にて奥行き位置を互いに異ならせて配置するための奥行き値を、経過時間に応じて視点VPの遠方から近隣へと近付く移動方向に変化させるように設定する。また、ステップS480の処理では、第1表示要素となる平面画像P1や第2表示要素となる平面画像P2などのうち、視点VPからみて手前側(近隣)に配置された表示要素の透明度が奥側(遠方)に配置された表示要素の透明度に比べて低くなるように、各表示要素の不透明度を設定する。VDP141では描画回路155が、図53のステップS707にて投影・合成描画指令にしたがった投影・合成描画処理を実行し、VRAM157の描画用バッファ157Aにピクセルデータを書き込むことなどにより、画像表示装置5に演出画像を表示させるための表示用データを作成する。こうして、例えば一時記憶メモリ156に記憶されている画像データといった、第1表示要素となる平面画像P1を示す画像データや第2表示要素となる平面画像P2を示す画像データなどは変更することなく、経過時間に応じて設定された奥行き値や不透明度に基づき座標変換を伴う半透明合成を行って、表示用データを作成する。これにより、例えば画像データメモリ142などの記憶装置におけるデータ容量の増大を防止しつつ、例えば雲や霧、煙、暗闇などの中を進むような演出表示を可能とし、演出効果を高めて遊技興趣を向上させることができる。
また、座標変換を伴う半透明合成が開始されてから終了するまでの期間では、図46に示すステップS471〜S477の処理を実行して、経過時間タイマ値が「0」から「100」までの値の範囲で周期的に更新され、その経過時間タイマ値に対応して奥行き値や不透明度などが設定されることで、画像データメモリ142などの記憶装置におけるデータ容量の増大を防止しつつ、例えば雲や霧、煙、暗闇などの中を進むような演出表示を、継ぎ目なく繰り返し実行することができる。
図44のステップS421にて背景切替期間であると判定されたときには、座標変換を伴う半透明合成を実行するための処理条件が成立したとして、ステップS424にて合成描画指令処理が実行される。これにより、例えば複数の演出モードに対応して複数の背景画像を切り替えて画像表示装置5に表示させる場合に、背景画像の切り替えに伴い斬新な演出表示を行って演出効果を高め、遊技興趣を向上させることができる。
図44のステップS422にてリーチ表示期間であると判定されたことに続いて、ステップS423にてスーパーAの可変表示パターンであると判定されたときには、座標変換を伴う半透明合成を実行するための処理条件が成立したとして、ステップS424にて合成描画指令処理が実行される。これにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったときに実行されるリーチ演出表示として、斬新な演出表示を行って演出効果を高め、遊技興趣を向上させることができる。
図40のステップS298にてデモ表示中フラグがオンであるときや、ステップS300にてデモ表示待ち時間が経過したときには、座標変換を伴う半透明合成を実行するための処理条件が成立したとして、ステップS304にて合成描画指令処理が実行される。これにより、画像表示装置5にデモンストレーション画像を表示させる際に斬新な演出表示を行って演出効果を高めることができる。
画像データメモリ142のスプライト画像データエリア142Aには、画像表示装置5の表示画面における画素総数に対応したXGAモードの画素数に比べて少ない画素数に対応した画像データを記憶するエリアとして、SVGAモードに対応したスプライト画像表示用の画像データを記憶する第1スプライト画像データエリア142A−1と、VGAモードに対応したスプライト画像表示用の画像データを記憶する第2スプライト画像データエリア142A−2とが設けられている。そして、例えばパチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態となった場合のように、遊技の進行状況に対応して所定の画像切替条件が成立したときには、図40のステップS292における確変開始用の表示設定として、入出力ポート135から確変開始用表示設定指令を表示制御部121のVDP141に対して伝送させる。VDP141では、確変開始用表示設定指令に応答して、表示回路158のスケーラ回路における拡大率の設定を変更する。これにより、画像表示装置5の表示画面における画素総数と同じ画素数の画像データを画像データメモリ142に記憶させて演出画像の表示に使用する場合に比べてデータ容量が減少することから、画像データメモリ142における記憶容量を低減することができる。また、例えばVDP141の描画回路155がVRAM157の描画用バッファ157Aに書き込む画像データのデータ容量や、描画用バッファ157Aから表示用バッファ157Bへと転送する場合における転送データのデータ容量も、例えばXGAモードに対応した表示用データを作成する場合に比べればSVGAモードやVGAモードに対応した表示用データを作成する方が小さくなることから、表示用データを作成する処理負担の増大を防止することができる。そして、例えば確変状態となることといった、予め定められた画像切替条件が成立したことにより拡大率の設定などを変更させることで、パチンコ遊技機1における遊技状態に応じて適切な拡大率と画像データによる演出画像の表示が可能になり、画像表示による演出効果を高めて遊技の興趣を向上させることができる。
図45に示すステップS452の処理が実行されることにより動画像表示初期設定指令が演出制御用マイクロコンピュータ120から表示制御部121のVDP141に対して伝送されたときには、VDP141が画像データメモリ142から画像データを読み出す際のバス幅が、第2のバス幅となる32ビットに設定される。これに対して、図35のステップS54にて初期表示設定処理が実行されたときや、図40のステップS292にて確変開始用の表示設定が行われたとき、ステップS295にて確変終了用の表示設定が行われたとき、あるいは、図45のステップS457にて動画像表示終了設定指令が送信されたときには、VDP141が画像データメモリ142から画像データを読み出す際のバス幅が、第1のバス幅となる64ビットに設定される。
このように、スプライト画像データを使用して画像表示装置5の表示画面上に演出画像を表示させる場合には、画像データメモリ142からスプライト画像データを読み出す際のバス幅を、第1のバス幅として予め定められた64ビットに設定する。その一方で、動画像データを使用して画像表示装置5の表示画面上に演出画像として動画像を再生表示させる場合には、画像データメモリ142から動画像データを読み出す際のバス幅を、第1のバス幅より狭い(ビット数が少ない)第2のバス幅として予め定められた32ビットとする。ここで、例えばスプライト画像データを使用して表示用データを作成する際には、動画像データのようなデコード処理が不要であることなどの理由により、動画像データに比べてVDP141での処理速度(表示用データの作成速度)が高速になる。こうした高速な処理が可能となるスプライト画像データを画像データメモリ142から読み出す場合には、動画像データのようにVDP141での処理負担が増大して比較的に低速な処理となる画像データを読み出す場合に比べて、広い(ビット数の多い)データバス幅で画像データメモリ142からの読み出しを行えるようにすることで、VDP141における処理効率を向上させることができる。
また、画像データを読み出す際のバス幅を変更可能とすることにより、以下のように、画像データメモリ142の記憶容量を変更する際の柔軟性を高めることができる。すなわち、バス幅の変更ができない場合には、そのバス幅に対応したメモリチップを用意しなければならなくなり、例えば画像データメモリ142の記憶容量を増大させる場合にも、増大させる記憶容量に見合ったメモリチップを用意することが困難になり、例えば特注品となることなどにより、製造コストが過剰に増大することがある。これに対して、バス幅を変更可能とすれば、変更可能ないずれかのバス幅に対応したメモリチップを用意すればよいので、例えば画像データメモリ142の記憶容量を増大させる場合にも、増大させる記憶容量に見合ったメモリチップを用意しやすくなり、製造コストの増大を抑制することができる。このように、画像データメモリ142に接続されたデータバスのバス幅を複数種類のバス幅のうちいずれかに設定できるようにすることで、画像データメモリ142の記憶容量を変更する際に用意すべきメモリチップの柔軟性を高めて、製造コストの増大を抑制することができる。
さらに、例えば図24に示すような画像データメモリ142に設けられたメモリチップ142−1〜142−3が、いずれも同一の記憶容量(例えば1ギガビット)を有しているものとする。この場合、画像データメモリ142に接続されたデータバスを常に最大のバス幅(例えば64ビット)に設定する場合には、例えばチップセレクト信号CS#0がオン状態となることによりメモリチップ142−1とメモリチップ142−2から画像データが読み出されるといったように、2個のメモリチップから画像データが読み出されることになる。したがって、画像データメモリ142の記憶容量を増大させる場合にも、例えば各メモリチップ142−1〜142−3と同一の記憶容量を有するメモリチップを、2個ずつ増設していかなければならなくなる。そのため、画像データメモリ142に記憶させる画像データのデータ容量が画像データメモリ142における記憶容量を僅かに超えただけでも、少なくとも2個のメモリチップを増設する必要があり、記憶容量を変更する際の柔軟性に欠ける。ここで、メモリチップ142−1、142−2に代えて、データバスが最大のバス幅(例えば64ビット)を有し、メモリチップ142−3の記憶容量に比べて大きな記憶容量(例えばメモリチップ142−3に比べて2倍の記憶容量)を有する1つのメモリチップを用いた場合にも、画像データのデータ容量が僅かに超過した場合に、大きな記憶容量を有するメモリチップを増設する必要があり、記憶容量を変更する際の柔軟性に欠ける。
これに対して、画像データメモリ142に接続されたデータバスのバス幅を、最大のバス幅よりも少ないバス幅(例えば32ビット)にも設定可能とする場合には、例えばチップセレクト信号CS#1がオン状態となることによりメモリチップ142−3のみから画像データが読み出されるといったように、1個のメモリチップから画像データを読み出すことができればよい。したがって、画像データメモリ142の記憶容量を増大させる場合にも、例えば各メモリチップ142−1〜142−3と同一の記憶容量を有するメモリチップを、1個ずつ増設していくことができる。このように、画像データメモリ142に接続されたデータバスのバス幅を複数種類のバス幅のうちいずれかに設定できるようにすることで、画像データメモリ142の記憶容量を変更する際の柔軟性を高めることができる。
加えて、データバスが最大のバス幅よりも少ないバス幅(例えば32ビット)を有するメモリチップ142−3に動画像データを記憶させ、その少ないバス幅で動画像データを読み出すようにすれば、例えばメモリチップ142−1、142−2の双方に動画像データを記憶させて最大のバス幅で読み出す場合に比べて、記憶容量を柔軟に変更することができるので、画像データメモリ142の使用効率を向上させることができる。
図35のステップS53では、ステップS52にて記憶領域設定指令処理が実行されたことに対応して、CPU131が事前転送指令処理を実行する。また、図40のステップS296では、ステップS291にて確変開始フラグがオンであることやステップS293にて確変終了フラグがオフであることに対応して、CPU131が事前転送指令処理を実行する。さらに、図47のステップS364では、ステップS362にて大当り開始フラグがオンであることに対応して、CPU131が事前転送指令処理を実行する。こうして、VDP141が備える一時記憶メモリ156の記憶内容が初期化されたことや、確変状態への制御が開始されたこと、確変状態への制御が終了したこと、大当り遊技状態への制御が開始されることといった、予め定められた転送条件が成立したことに対応して、例えば図14(A)に示すような事前転送設定テーブル210におけるテーブルデータの設定に基づき、事前転送指令処理が実行され、事前転送設定テーブル210に登録された画像データを、画像データメモリ142から読み出してVDP141の一時記憶メモリ156における固定アドレスエリア156Aに転送する旨の指令が行われる。VDP141では、例えば転送制御回路152が図48のステップS605にて事前転送処理を実行する。こうして、画像表示装置5における表示頻度が所要の演出画像に比べて高くなるように設定された演出画像を示す画像データは、事前に一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aに転送されて展開記憶される。これにより、画像表示の実行頻度が高い演出画像の画像データについては、一時記憶メモリ156の固定アドレスエリア156Aにおけるアドレスを指定することで固定アドレスエリア156Aに既に記憶されているデータを容易に再利用することができ、画像データメモリ142から毎回読み出す必要がなくなるので、演出表示における制御負担を軽減することができる。また、画像表示の実行頻度が高い演出画像の画像データについて、一時記憶メモリ156Aの記憶内容にノイズなどによる誤りが発生した場合でも、その記憶内容を自動的に復元させることができる。
図44のステップS434にて伝送される自動転送指令に応じて、転送制御回路152は図48のステップS607で自動転送制御処理を実行し、描画回路155は図53のステップS705で自動転送描画処理を実行する。このときには、転送制御回路152が図51に示すステップS631〜S635の処理を実行して、画像データメモリ142から読み出した画像データを一時記憶メモリ156の可変アドレスエリア156Bに転送して記憶させた後、描画回路155が図55に示すステップS731〜S736の処理を実行して、可変アドレスエリア156Bから読み出した画像データをVRAM157の描画用バッファ157Aに書き込んで記憶させる。これにより、可変アドレスエリア156Bに記憶される画像データについては、画像データメモリ142における読出位置と、VRAM157における書込位置とを指定すれば、可変アドレスエリア156Bの記憶位置を指定しなくても表示用データの作成に利用することができ、アドレス管理が容易になり、プログラム設計の負担を軽減することができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。上記実施の形態では、図23に示す投影・合成描画指令が、描画対象画像を指定するデータ、奥行き値の設定データ、不透明度の設定データを含み、描画対象画像を仮想3次元空間内に配置するときには、描画領域を含むスクリーン平面と平行に配置するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、描画対象画像を奥行き値に応じた回転量だけ予め定められた回転方向に回転させて配置するようにしてもよい。この場合、例えば図61(A)に示すような回転量設定テーブル215を、演出制御用マイクロコンピュータ120のROM132における所定領域に記憶しておく。回転量設定テーブル215には、奥行き値データと、回転量を示すデータとしての回転量データとが、対応付けて記憶されている。なお、合成表示の対象となる複数種類の画像に対応して、複数種類の回転量設定テーブルを設けることなどにより、複数種類の画像における回転量の設定を、互いに異ならせるようにしてもよい。また、投影・合成描画指令は、例えば図61(B)に示すように、回転量の設定データを含むように構成する。
そして、図40のステップS304や図44のステップS424にて実行される合成描画指令処理では、例えば図62に示すフローチャートのように、ステップS480にて不透明度を決定した後、図61(A)に示す回転量設定テーブル215を参照することにより、ステップS479にて決定された奥行き値に対応する回転量を決定する(ステップS480A)。また、ステップS481では、ステップS478にて特定された描画対象画像や、ステップS479にて決定された奥行き値、ステップS480にて決定された不透明度とともに、ステップS480Aにて決定された回転量にも基づいて、投影・合成描画指令を作成する。
表示制御部121のVDP141では、描画回路155が図53のステップS707にて投影・合成描画処理を実行するときに、例えば図63に示すフローチャートのように、ステップS753にて描画対象画像の不透明度を設定した後、投影・合成描画指令に含まれる回転量の設定データから、描画対象画像を仮想3次元空間内に配置する場合の回転量を設定する(ステップS753A)。そして、ステップS753Aにて設定した回転量に基づいて、描画対象画像を構成する各画素といった所定点の3次元座標(空間座標)を特定する(ステップS753B)。
一例として、描画対象画像を仮想3次元空間内に配置する場合に、投影・合成描画指令に含まれる回転量の設定データで示される回転量だけ、y軸(x座標及びz座標が「0」のライン)を回転軸として回転させるものとする。このときには、例えば図64に示すように、第1表示要素となる平面画像P1は、y軸周りに回転量θ1[°]だけ回転させられた状態で配置される。その一方で、第2表示要素となる平面画像P2は、y軸周りに回転量θ2[°]だけ回転させられた状態で配置される。ここで、回転量が0[°]の場合における平面画像P1上の画素(X1、Y1、Z1)は、Y軸周りの回転量がθ1[°]であるときに、以下のような(式4)〜(式6)により特定される座標(X1’、Y1’、Z1’)を有することになる。ここで、(式4)〜(式6)による座標の特定は、表示制御部121が備えるVDP141において、例えば描画回路155が所定の演算処理を実行することにより行われてもよいし、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が所定の演算処理を実行することにより行われてもよい。CPU131によって座標が特定される場合には、投影・合成描画指令が回転量の設定データに代えて各画素の3次元座標を示すデータを含むようにすればよい。
X1’=X1×cosθ1 ・・・ (式4)
Y1’=Y1 ・・・ (式5)
Z1’=Z1+X1×sinθ1 ・・・ (式6)
描画回路155は、ステップS754にて透視投影変換を行う際に、ステップS753Bにて3次元座標(空間座標)が特定された各画素について、透視投影により空間座標からスクリーン座標に変換すればよい。なお、ステップS752にて奥行き値を設定した後に、回転量の設定に基づいて所定点の3次元座標を特定してから、不透明度を設定するようにしてもよい。このときには、各点のz座標を奥行き値として、その奥行き値に対応して各点の不透明度が設定されるようにしてもよい。また、ステップS755にてZバッファ157Cの記憶内容を更新する際には、各点のz座標をZ値として、Zバッファ157Cに書き込むようにしてもよい。こうして、仮想3次元空間内に配置する描画対象画像の回転量も加味して、座標変換を伴う半透明合成が実行される。これにより、演出表示による演出効果をさらに高めて、遊技興趣を向上させることができる。なお、描画対象画像を回転させる方向は任意であり、回転軸の設定に基づいて予め定められた計算式により、描画対象画像上における各画素の3次元座標が特定されればよい。一例として、描画対象画像の回転軸を、x軸、y軸、z軸のいずれとも平行にならない斜め方向に設定することで、描画対象画像を斜めに傾けて仮想3次元空間内に配置してもよい。
上記実施の形態では、合成表示の対象となる画像として、雲の形状を有する白色の表示オブジェクトCL1、CL2を含む平面画像P1、P2や、背景画像B1、B2が用いられるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、任意の画像を用いて座標変換を伴う半透明合成が実行されるものであればよい。例えば、合成表示の対象となる画像として、建物や樹木、岩石といった障害物や、人物などを示す画像を用いてもよい。この場合、例えば描画領域の基本色を「白色」として、描画対象画像を仮想3次元空間内に配置するときの奥行き値に対応して不透明度を設定することで、雲や霧、煙の中から障害物や人物が出現するような演出表示を行うことができる。あるいは、描画領域の基本色を「黒色」として、描画対象画像を仮想3次元空間内に配置するときの奥行き値に対応して不透明度を設定することで、暗闇の中から障害物や人物が出現するような演出表示を行うことができる。
また、合成表示の対象となる画像として、飾り図柄を示す演出画像を用いてもよい。この場合、例えば飾り図柄の可変表示が開始された後に、未だ確定飾り図柄が停止表示されていない飾り図柄表示部において、描画対象画像となる飾り図柄の画像を仮想3次元空間内に配置するときの奥行き値に対応して不透明度を設定することで、複数(例えば2つ)の飾り図柄を仮想3次元空間内で奥行き位置を互いに異ならせて配置しつつ、次第に大きく濃く表示されるような演出表示を、継ぎ目なく繰り返し実行することができる。
上記実施の形態では、背景画像を切り替えるときや、リーチ演出表示を実行するとき、デモンストレーション画像を表示するときに、座標変換を伴う半透明合成を実行するための処理条件が成立するものとして説明した。しかしながら、座標変換を伴う半透明合成を実行するための処理条件は、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて予め定められた所定のタイミングで、成立するものであればよい。一例として、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「大当り」となったことに基づく大当り遊技状態における演出表示を実行するときに、処理条件が成立したとして座標変換を伴う半透明合成が実行されてもよい。また、可変表示開始コマンドで指定された可変表示パターンや表示結果通知コマンドで通知された可変表示結果の種類に基づき、例えば大当り種別が「突確」である場合に対応した特殊演出を実行するときに、処理条件が成立したとして座標変換を伴う半透明合成処理が実行されてもよい。
また、主基板11から伝送される表示結果通知コマンドを表示制御基板12にて受信した場合に、主基板11から伝送される可変表示開始コマンドを受信出来なかったときには、処理条件が成立したとして座標変換を伴う半透明合成が実行されるようにしてもよい。この場合には、主基板11から伝送される飾り図柄確定コマンドを表示制御基板12にて受信するまでは、座標変換を伴う半透明合成を継続して実行し、飾り図柄確定コマンドを受信したときに、可変表示結果となる確定飾り図柄を停止表示すればよい。ここで、飾り図柄確定コマンドは、主基板11にて可変表示時間が経過したと判定されたときに、表示制御基板12に対して伝送される演出制御コマンドである。これにより、可変表示開始コマンドを受信できずに可変表示パターンを特定できない場合でも、飾り図柄の可変表示中における演出表示として、座標変換を伴う半透明合成により生成された演出画像の表示を行うことで、不自然な演出表示が行われることを防止でき、また、飾り図柄の可変表示が開始されずに遊技者に不信感を与えることもない。
図46のステップS475における経過時間タイマ値の更新量は、座標変換を伴う半透明合成が実行される状況(成立した処理条件)に応じて、異ならせるようにしてもよい。一例として、リーチ演出表示を実行するときや、デモンストレーション画像を表示するときには、ステップS475にて経過時間タイマ値を1加算するように更新する一方で、背景画像を切り替えるときには、ステップS475にて経過時間タイマ値を10加算するように更新してもよい。そして、図46のステップS479では経過時間タイマ値に対応する奥行き値が決定され、ステップS480では奥行き値に対応する不透明度が決定されることになる。そのため、ステップS475における経過時間タイマ値の更新量が異なれば、奥行き値の更新量や不透明度の更新量も異なるものとなり、仮想3次元空間内に配置される各画像の移動速度や透明度が変化する速度を異ならせることができる。ここで、背景画像を切り替えるときには、リーチ演出表示を実行するときや、デモンストレーション画像を表示するときに比べて、経過時間タイマ値の更新量を大きな値とすることで、迅速に背景画像を切り替えて、他の演出表示との重複による演出効果の低下を防止できる。
上記実施の形態では、遊技機の例として、特別図柄や飾り図柄の可変表示を行う機能や各種の演出画像を表示する機能を有するパチンコ遊技機1を用いて説明した。しかしながら、この発明は、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1に限定されず、スロットマシンなどの他の遊技機にも適用することができる。以下、この発明を他の遊技機の一例であるスロットマシンに適用した場合について説明する。
図65は、この発明を適用したスロットマシンの一例となるスロットマシン500の正面図であり、主要部材のレイアウトを示す。スロットマシン500は、大別して、前面が開口するする筐体と、この筐体の側端に回動自在に枢支された前面扉とから構成されている。スロットマシン500の筐体内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリールRL、RC、RRを水平方向に並設した可変表示装置501が設置されている。また、スロットマシン500の前面扉には、表示機能を有する画像表示装置510が設けられている。
リールRL、RC、RRの外周部には、例えば「赤7」、「白7」、「BAR」、「JAC」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」といった、互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。リールRL、RC、RRの外周部に描かれた図柄は、可変表示装置501にて各々上中下三段に表示されている。各リールRL、RC、RRは、各々対応して設けられたリールモータ651L、651C、651R(図66)によって回転させることで、各リールRL、RC、RRの図柄が連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リールRL、RC、RRの回転を停止させることで、3つの連続する図柄が表示結果として、視認可能に導出表示されるようになっている。
スロットマシン500の前面扉における画像表示装置510の下部には、遊技者が各種の操作を行うための各種入力スイッチ等が配される操作テーブル520が設けられている。操作テーブル520の奥側には、メダルを投入可能なメダル投入口502、メダルを1枚分の賭数を設定(BET)するためのBETスイッチ503、1ゲームで賭けることのできる最高枚数分(本例では3枚分)の賭数を設定するためのMAXBETスイッチ504、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)として記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算するための精算スイッチ508が設けられている。メダル投入口502に投入されたメダルは、所定の投入メダルセンサによって検知される。
操作テーブル520の手前側には、スロットマシン500にてゲームを開始する際に操作されるスタートレバー505、リールRL、RC、RRの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ506L、506C、506Rが設けられている。操作テーブル520の下部には、メダルが払い出されるメダル払出口507が設けられている。
スロットマシン500の前面扉における画像表示装置510の上部には、スロットマシン500での遊技に関する各種の情報を表示するための遊技情報表示部が設けられている。例えば、遊技情報表示部は、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器や、ビッグボーナス中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される補助表示器、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器などを備えていればよい。遊技情報表示部の左右には、効果音を発する2つのスピーカ511L、511Rが設けられている。その他、画像表示装置510の上部には、遊技効果ランプ512が設けられており、操作テーブル520の前面左右には、それぞれ遊技効果ランプ513、514が設けられている。
スロットマシン500においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入口502から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはBETスイッチ503またはMAXBETスイッチ504を操作する。こうして賭数が設定されると、賭数に応じた複数の入賞ラインのいずれかが有効となり、スタートレバー505の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが実行可能な状態となって、可変表示の実行条件が成立する。なお、前回のゲームにてリプレイなどの再遊技役の入賞が発生した場合にも、続けて次のゲームが実行可能となり、可変表示の実行条件が成立する。
こうしてゲームが実行可能な状態でスタートレバー505が操作されると、その操作がスタートレバースイッチ505A(図66)により検知されたことに基づき、可変表示の開始条件が成立したことに対応して、各リールRL、RC、RRが回転し、各リールRL、RC、RRの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ506L、506C、506Rが操作されると、対応するリールRL、RC、RRの回転が停止し、表示結果が視認可能に導出表示される。
そして、全てのリールRL、RC、RRの回転が停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ライン上に予め定められた役と呼ばれる図柄の組合せが各リールRL、RC、RRの表示結果として停止した場合には入賞が発生する。入賞となる役の種類には、大別して、メダルの付与を伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役とがあり、遊技状態に応じて入賞となる役が定められている。スロットマシン500では、スタートレバー505が操作されたタイミングで抽出した乱数値に基づき、遊技状態に応じて定められた各役の入賞の発生を許容するか否かを決定する内部抽選を行う。この内部抽選に当選して入賞の発生が許容されていることを、「内部当選している」ともいう。各役の当選のうち、小役及び再遊技役の当選は、その当選が決定されたゲームにおいてのみ有効とされるが、特別役の当選は、その内部抽選により発生が許容された役が揃うまで有効とされる。すなわち特別役となる入賞の発生が一度許容されると、例え、各ゲームにて特別役となる入賞を発生させることができなかった場合でも、その当選は次のゲームへ持ち越されることになる。
スロットマシン500における遊技状態には、例えばレギュラーボーナス、ビッグボーナス、通常遊技状態がある。レギュラーボーナスの遊技状態では、例えばJAC、チェリー、スイカ及びベルなどの小役が、入賞となる役として定められており、内部抽選での抽選対象とされる。ビッグボーナスでは、所定の小役ゲームにおいて、例えばチェリー、スイカ及びベルなどの小役や、レギュラーボーナス(あるいはJACIN)などの特別役が、入賞となる役として定められており、各小役ゲームにおける内部抽選での抽選対象とされる。通常遊技状態では、例えばチェリー、スイカ及びベルなどの小役や、リプレイなどの再遊技役、ビッグボーナス、レギュラーボーナスなどの特別役が、入賞となる役として予め定められており、各ゲームにおける内部抽選での抽選対象とされる。
通常遊技状態においてビッグボーナスとなる特別役の入賞が発生すると、遊技状態がビッグボーナスに移行する。ビッグボーナスでは、小役ゲームと称される所定のゲームを行うことができる。ビッグボーナスは、当該ビッグボーナス中において遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数(例えば466枚)以上となった場合に終了する。通常遊技状態やビッグボーナス中の小役ゲームにおいてレギュラーボーナスとなる特別役の入賞が発生すると、遊技状態がレギュラーボーナスに移行する。レギュラーボーナスは、12ゲーム消化した場合と、8ゲーム入賞(役の種類はいずれでもよい)した場合のいずれか早いほうで終了する。通常遊技状態時のレギュラーボーナスでは、遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数以上となったときに、レギュラーボーナスを終了させるようにしてもよい。ビッグボーナス中のレギュラーボーナスで当該ビッグボーナス中において遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数以上となった場合は、ビッグボーナスとともに当該レギュラーボーナスも終了する。
スロットマシン500では、遊技状態がレギュラーボーナスやビッグボーナスなどの特別遊技状態に移行している場合に、通常遊技状態よりも多くのメダルを遊技者が獲得でき、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、特別遊技状態はレギュラーボーナスやビッグボーナスなどに限らず、通常遊技状態に比べて遊技者が多くのメダルを獲得することが期待でき、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態であればよい。このような通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態としては、例えば、リールの導出条件(例えば停止順や停止タイミング)が満たされることを条件に発生する報知対象入賞の導出条件を満たす操作手順が報知される遊技状態(いわゆるアシストタイム)や、少なくともいずれか1つのリールの引込範囲を制限することで、ストップスイッチ506L、506C、506Rが操作された際に表示されている図柄が停止しやすいように制御し、遊技者が目押しを行うことで入賞図柄の組合せを導出させることが可能となるチャレンジタイム(CT)、特定の入賞(例えばリプレイ入賞やシングルボーナス入賞等)の発生が許容される確率が高まる遊技状態(いわゆるリプレイタイムや集中状態)等、さらには、これらを組み合わせた遊技状態などであればよい。
スロットマシン500には、例えば図66に示すような主基板600、演出制御基板620、リールユニット650などが搭載されている。その他にも、スロットマシン500には、主基板600に接続された電源基板や中継基板等の他の基板も搭載されている。主基板600には、遊技制御用マイクロコンピュータ610が設けられている。遊技制御用マイクロコンピュータ610は、上記実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ100と同様に、プログラムに従った制御を行うCPU、ユーザプログラムやデータを記憶するROM、ワークエリアとしてCPUにより使用されるRAMなどを備えて構成されている。
リールユニット650は、リールモータ651L、651C、651R、リールランプ652、リールセンサ653などを備えて構成される。リールモータ651L、651C、651Rは、各リールRL、RC、RRを回転させるためのモータである。リールランプ652は、各リールRL、RC、RRの内部に設けられ、各リールRL、RC、RRに描かれた図柄のうち、可変表示装置501にて視認可能となる図柄をリールの内側から照射するためのランプである。リールセンサ653は、各リールRL、RC、RRの回転状態や回転数などを検知するためのセンサである。
演出制御基板620には、演出制御用マイクロコンピュータ630や、表示制御部631、音制御部632、ランプ制御部633などが搭載されている。演出制御用マイクロコンピュータ630は、上記実施の形態における演出制御用マイクロコンピュータ120と同様に、プログラムに従った制御を行うCPU、ユーザプログラムやデータを記憶するROM、ワークエリアとしてCPUにより使用されるRAM、リセット/割込みコントローラなどを備えて構成されている。表示制御部631は、画像表示装置510における表示動作の制御を行うものであり、上記実施の形態における表示制御部121と同様に、演出制御用マイクロコンピュータ630からの表示制御指令に従った画像データの処理を実行するVDPと、画像表示装置510の画面上に画像を表示させるために使用される各種の画像データを記憶する画像データメモリとを備えて構成されている。
表示制御部631が備えるVDPには、上記実施の形態と同様に、ホストインタフェース、転送制御回路、画像データメモリインタフェース、動画像用デコーダ、描画回路、一時記憶メモリ、VRAM(描画用バッファ、表示用バッファ、Zバッファを含む)、表示回路などが設けられている。
演出制御用マイクロコンピュータ630では、主基板600から受信した演出制御コマンドに基づく演出制御パターンに従って画像表示装置510やスピーカ511L、511R、遊技効果ランプ512〜514などによる演出動作を制御するための指令や処理が、CPUによって実行される。表示制御部631では、演出制御用マイクロコンピュータ630からの表示制御指令に従った画像データの処理が、VDPによって実行される。
画像表示装置510の画面上には、例えば上記実施の形態における画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rと同様にして、「左」、「中」、「右」の可変表示部DL、DC、DRが設けられ、例えば演出制御用マイクロコンピュータ630のCPUが上記実施の形態における図44のフローチャートに示すスプライト画像更新指令処理と同様の処理を実行することにより、可変表示装置501における図柄の可変表示に対応して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄が可変表示される。そして、画像表示装置510にデモンストレーション画像を表示させるときや、背景画像を切り替えるとき、飾り図柄の可変表示状態が所定の表示状態となったときなどに、座標変換を伴う半透明合成が行われる。
例えば、ストップスイッチ506Lが操作されたことによりリールRLの回転を停止させ、続いて、ストップスイッチ506Cが操作されることによりリールRCの回転を停止させることに対応して、画像表示装置510では、「左」の可変表示部DLに飾り図柄を停止表示させ、続いて、「中」の可変表示部DCに飾り図柄を停止表示させる。このとき、可変表示装置501では、リールRLの停止により導出表示された図柄と、リールRCの停止により導出表示された図柄とが、いずれかの入賞ライン上でビッグボーナスとなる特別役の入賞を発生可能な組合せを構成するものとする。また、画像表示装置510では、「左」の可変表示部DLに停止表示された飾り図柄と、「中」の可変表示部DCに停止表示された飾り図柄とが、いずれかの入賞ライン上でビッグボーナスとなる特別役の入賞を発生可能な組合せを構成するものとする。その後、例えば演出制御用マイクロコンピュータ630のCPUが上記実施の形態における図44のステップS424で実行される合成描画指令処理と同様の処理を実行することなどにより、描画対象画像を仮想3次元空間内に配置するときの奥行き値や不透明度などを設定して、VDPの描画回路などに座標変換を伴う半透明合成を実行させる。これにより、飾り図柄の可変表示状態が入賞を発生可能な表示状態といった所定の表示状態となったときに、座標変換を伴う半透明合成を実行して、表示制御部631が備える画像データメモリにおけるデータ容量の増大を防止しつつ、例えば雲や霧、煙、暗闇などの中を進むような演出表示を可能とし、演出効果を高めて遊技興趣を向上させることができる。
表示制御部631が備える画像データメモリには、画像表示装置510の表示画面における画素総数に対応したXGAモードの画素数に比べて少ない画素数に対応した画像データを記憶するエリアとして、SVGAモードに対応したスプライト画像表示用の画像データを記憶する第1スプライト画像データエリアと、VGAモードに対応したスプライト画像表示用の画像データを記憶する第2スプライト画像データエリアとを設ける。そして、例えばスロットマシン500における遊技状態が通常遊技状態から特別遊技状態となった場合のように、遊技の進行状況に対応して所定の画像切替条件が成立したときには、上記実施の形態における図40のステップS292と同様の処理を実行し、表示制御部631が備えるVDPに対して所定の表示制御指令を伝送させることにより、VDPの表示回路が備えるスケーラ回路における拡大率の設定を変更する。これにより、画像表示装置510の表示画面における画素総数と同じ画素数の画像データを表示制御部631の画像データメモリに記憶させて演出画像の表示に使用する場合に比べてデータ容量が減少することから、画像データメモリにおける記憶容量を低減することができる。また、例えばVDPの描画回路がVRAMの描画用バッファに書き込む画像データのデータ容量や、描画用バッファから表示用バッファへと転送する場合における転送データのデータ容量も、例えばXGAモードに対応した表示用データを作成する場合に比べればSVGAモードやVGAモードに対応した表示用データを作成する方が小さくなることから、表示用データを作成する処理負担の増大を防止することができる。そして、例えば特別遊技状態となることといった、予め定められた画像切替条件が成立したことにより拡大率の設定などを変更させることで、スロットマシン500における遊技状態に応じて適切な拡大率と画像データによる演出画像の表示が可能になり、画像表示による演出効果を高めて遊技の興趣を向上させることができる。
演出制御用マイクロコンピュータ630のCPUは、上記実施の形態における図45に示すステップS452と同様の処理を実行し、表示制御部631が備えるVDPに対して動画像表示初期設定指令を伝送させることにより、表示制御部631が備える画像データメモリからVDPに画像データを読み出す際のデータバス幅が、第2のバス幅として予め定められた32ビットに変更される。これに伴い、チップセレクトの設定をCS#1として、画像データメモリに含まれる複数のメモリチップのうち、動画像用のメモリチップから動画像データを読み出すように設定される。これに対して、上記実施の形態における図35のステップS54や、図40のステップS292、S295、あるいは、図45のステップS457と同様の処理を実行し、表示制御部631が備えるVDPに対して所定の表示制御指令を伝送させることにより、表示制御部631が備える画像データメモリからVDPに画像データを読み出す際のデータバス幅が、第1のバス幅として予め定められた64ビットに設定される。これに伴い、チップセレクトの設定をCS#0として、画像データメモリに含まれる複数のメモリチップのうち、スプライト画像用のメモリチップからスプライト画像データを読み出すように設定される。このように、スプライト画像データを画像データメモリから読み出す場合には、動画像データを読み出す場合に比べて、広い(ビット数の多い)データバス幅で読み出しを行えるようにすることで、表示制御部631が備えるVDPにおける処理効率を向上させることができ、また、画像データメモリの記憶容量を変更する際に用意すべきメモリチップの柔軟性を高めて、製造コストの増大を抑制することができる。また、画像データメモリの使用効率を向上させることもできる。
演出制御用マイクロコンピュータ630のCPUは、上記実施の形態における図35のステップS53と同様の処理を実行し、VDPが備える一時記憶メモリの記憶内容が初期化されたこと対応して、事前転送指令処理を実行する。また、演出制御用マイクロコンピュータ630のCPUは、上記実施の形態における図40のステップS296と同様の処理を実行し、特別遊技状態が終了したことに対応して、事前転送指令処理を実行する。さらに、演出制御用マイクロコンピュータ630のCPUは、上記実施の形態における図47のステップS364と同様の処理を実行し、特別遊技状態が開始されることに対応して、事前転送指令処理を実行する。こうして、VDPが備える一時記憶メモリの記憶内容が初期化されたことや、特別遊技状態への制御が終了したこと、特別遊技状態への制御が開始されることといった、予め定められた転送条件が成立したことに対応して、事前転送指令処理が実行され、事前転送設定テーブルに登録された画像データを、表示制御部631の画像データメモリから読み出してVDPの一時記憶メモリにおける固定アドレスエリアに転送する旨の指令が行われる。VDPでは、例えば転送制御回路が上記実施の形態における図48に示すステップS605での事前転送処理と同様の処理を実行することで、画像表示装置510における表示頻度が所要の演出画像に比べて高くなるように設定された演出画像を示す画像データは、事前に一時記憶メモリの固定アドレスエリアに転送されて展開記憶される。これにより、画像表示の実行頻度が高い演出画像の画像データについては、一時記憶メモリの固定アドレスエリアにおけるアドレスを指定することで固定アドレスエリアに既に記憶されているデータを容易に再利用することができ、画像データメモリから毎回読み出す必要がなくなるので、演出表示における制御負担を軽減することができる。また、画像表示の実行頻度が高い演出画像の画像データについて、一時記憶メモリの記憶内容にノイズなどによる誤りが発生した場合でも、その記憶内容を自動的に復元させることができる。
演出制御用マイクロコンピュータ630のCPUは、上記実施の形態における図44のステップS434と同様の処理を実行し、自動転送指令を表示制御部631のVDPへと伝送させる。VDPでは転送制御回路が、上記実施の形態における図48に示すステップS607での自動転送制御処理と同様の処理を実行し、描画回路が、上記実施の形態における図53に示すステップS705での自動転送描画処理と同様の処理を実行する。このときには、転送制御回路が上記実施の形態における図51に示すステップS631〜S635と同様の処理を実行し、画像データメモリから読み出した画像データを一時記憶メモリの可変アドレスエリアに転送して記憶させた後、描画回路が上記実施の形態における図55に示すステップS731〜S736と同様の処理を実行し、可変アドレスエリアから読み出した画像データをVRAMの描画用バッファに書き込んで記憶させる。これにより、可変アドレスエリアに記憶される画像データについては、画像データメモリにおける読出位置と、VRAMにおける書込位置とを指定すれば、可変アドレスエリアの記憶位置を指定しなくても表示用データの作成に利用することができ、アドレス管理が容易になり、プログラム設計の負担を軽減することができる。
加えて、本発明の遊技機は、パチンコ遊技機等の弾球遊技機において画像表示装置を有するものであれば、例えば、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であっても構わない。また、本発明は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
さらに、本発明の遊技機は、メダル並びにクレジットを使用してゲームを実施可能なスロットマシンに限らず、例えばパチンコ球を用いてゲームを行うスロットマシンや、メダルが外部に排出されることなくクレジットを使用して遊技可能な完全クレジット式のスロットマシン、可変表示装置が画像にて表示される画像式のスロットマシンなどにも適用することができる。
パチンコ遊技機1やスロットマシン500の動作をシミュレーションするゲーム機などにも本発明を適用することができる。本発明を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。