JP2009089088A - 光変調装置、光変調方法、及び光変調制御プログラム - Google Patents

光変調装置、光変調方法、及び光変調制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、偏波変調処理を行う際の回路の簡素化を図りながらも、光損失を低減できる光変調装置を提供する
【解決手段】光変調装置4は、互いに直交する第1の方向及び第2の方向と異なる方向に直線偏波方向を有する入力信号光の第1の方向の偏波成分及び第2の方向の偏波成分の各々に特定比率の位相シフト量を与える変調器制御信号を供給する変調器駆動制御部14と、前記変調器制御信号に基づいて、異方性結晶に入射される前記入力信号光の各方向の各偏波成分を、各々異なる位相シフト量にて各々シフトさせて、前記入力信号光を偏波変調するとともに、前記入力信号光を強度変調した強度偏波変調出力信号光を生成する強度偏波変調部20とを含む
【選択図】図3

Description

本発明は、光変調装置、光変調方法、及び光変調制御プログラムに関する。
光変調装置は、外部変調器用のデバイスとして例えば光送信装置などに用いられる。この種の光変調装置を用いた光送信装置として、例えば以下に示す特許文献1などが挙げられる。特許文献1の光送信装置を図32に示す。
特許文献1の光送信装置1000は、図32に示すように、光源1002と変調装置1003と強度変調装置1004と偏波変調装置1006とを備えている。変調装置1003は、光源1002から出射された信号光を送信データDに応じた変調をして出力する。強度変調装置1004は、変調装置1003からの信号光をクロックL1により強度変調して出力する。偏波変調装置1006は、強度変調装置1004から出力した信号光を交番信号L2により偏波変調して出力する。偏波変調装置1006は、強度変調装置1004の出力側に併設して利用される。
特開平11−355215号公報
しかしながら、特許文献1では、次のような改善すべき点がある。
すなわち、入力信号光に対して偏波状態を変調する偏波変調処理を行うには、強度変調装置1004の他に偏波変調装置1006を用意し、2種類の光変調装置が必要となり、偏波変調処理を行う際の部材点数が増大し、光送信装置内に複数の光変調装置が用いられることにより、回路規模が増大して占有面積が増大する、という改善すべき点があった。
また、各光変調装置に送信データL1や交番信号L2を供給し、各光変調装置を駆動するための駆動回路もそれぞれ用意する必要があり、回路が複雑化する、という改善すべき点があった。
さらに、強度変調装置1004と偏波変調装置1006の2種類の光変調装置を用いると、強度変調装置1004と偏波変調装置1006とを接続して使用することによる接続損失ないしは結合損失などを含む種々の光損失が増大するなどの改善すべき点があった。
本発明は、上記した技術の改善すべき点を解決することを課題としてなされたものであって、その目的とするところは、偏波変調処理を行う際の回路の簡素化を図りながらも、光損失を低減できる光変調装置、光変調方法、及び光変調制御プログラムを提供することにある。
本発明の光変調装置は、互いに直交する第1及び第2の方向の各々の成分である第1及び第2方向成分を有する入力光を入力し、該入力光を変調する変調器本体と、前記変調器本体に入力された入力光の第1方向成分、第2方向成分に各々位相偏移を印加した状態を複数生成し、これらの各状態を組み合わせる制御を制御信号に基づいて行い、前記変調器本体を制御する制御手段とを含むことを特徴としている。
本発明の光変調方法は、互いに直交する第1及び第2の方向の各々の成分である第1及び第2方向成分を有する入力光を入力して光変調を行う光変調方法であって、前記第1方向成分に第1の位相偏移を印加し前記第2方向成分に第2の位相偏移を印加する第1の状態と、前記第1方向成分に第3の位相偏移を印加し前記第2方向成分に第4の位相偏移を印加する第2の状態と、位相偏移を印加しない第3の状態、のいずれかを選択的に取る第1の位相偏移印加制御を行うとともに、前記第1方向成分に第5の位相偏移を印加し前記第2方向成分に第6の位相偏移を印加する第4の状態と、前記第1方向成分に第7の位相偏移を印加し前記第2方向成分に第8の位相偏移を印加する第5の状態と、前記第1方向成分及び前記第2方向成分のそれぞれに第9の位相偏移を印加する第6の状態、のいずれかを選択的に取る第2の位相偏移印加制御を行うことを特徴としている。
本発明の光変調制御プログラムは、互いに直交する第1及び第2の方向の各々の成分である第1及び第2方向成分を有する入力光を光変調器本体に入力して、前記入力光を光変調する前記光変調器本体を制御する制御装置が備えているコンピュータに実行させる光変調制御プログラムであって、前記第1方向成分に第1の位相偏移を印加し前記第2方向成分に第2の位相偏移を印加する第1の状態と、前記第1方向成分に第3の位相偏移を印加し前記第2方向成分に第4の位相偏移を印加する第2の状態と、位相偏移を印加しない第3の状態、のいずれかを選択的に取る第1の位相偏移印加機能と、前記第1方向成分に第5の位相偏移を印加し前記第2方向成分に第6の位相偏移を印加する第4の状態と、前記第1方向成分に第7の位相偏移を印加し前記第2方向成分に第8の位相偏移を印加する第5の状態と、前記第1方向成分及び前記第2方向成分のそれぞれに第9の位相偏移を印加する第6の状態、のいずれかを選択的に取る第2の位相偏移印加機能と、を含む機能をコンピュータに実行させることを特徴としている。
本発明によれば、入力光の第1方向成分、第2方向成分に各々位相偏移を印加する各状態を組み合わせることによって、一つの装置にて強度変調と同時に偏波変調を行うことができ、小型化、光損失の低減が図れる。
以下、本発明の好適な実施の形態の一例について、図面を参照して具体的に説明する。
〔第1の実施の形態〕
(光変調装置の基本的構成)
先ず、光変調装置の基本的構成を説明する。
光変調装置(例えば図2に示す符号1)は、互いに直交する第1及び第2の方向の各々の成分である第1及び第2方向成分を有する入力光(例えば図2、図3に示す符号Sin)を入力し、該入力光を変調する変調器本体(例えば図2に示す符号20)を有する。
さらに、光変調装置は、前記変調器本体に入力された入力光の第1方向成分、第2方向成分に各々位相偏移を印加した状態を複数生成し、これらの各状態を組み合わせる制御を制御信号(例えば図2に示す符号Vin)に基づいて行い、前記変調器本体を制御する制御手段(例えば図2に示す符号14)を有する。
これにより、光変調装置は、入力光の第1方向成分、第2方向成分に各々位相偏移を印加する各状態を組み合わせることによって、一つの装置にて強度変調と同時に偏波変調を行うものことができる。
より具体的には、前記制御手段は、第1の位相偏移印加手段(例えば図2に示す符号15a)と、第2の位相偏移印加手段(例えば図2に示す符号15b)とを含んで構成することができる。
第1の位相偏移印加手段では、第1の状態〔例えば図14(A)に示す状態を生成するための制御機能である図2に示す符号15a―1〕と、第2の状態〔例えば図14(B)に示す状態を生成するための制御機能である図2に示す符号15a―2〕と、第3の状態〔例えば図14(C)に示す状態を生成するための制御機能である図2に示す符号15a―3〕、のいずれかを選択的に取ることができる。
第1の状態は、前記第1方向成分に第1の位相偏移〔例えば図14(A)に示す3π/4〕を印加し、前記第2方向成分に第2の位相偏移〔例えば図14(A)に示すπ/4〕を印加する状態である。
第2の状態は、前記第1方向成分に第3の位相偏移〔例えば図14(B)に示す−3π/4〕を印加し前記第2方向成分に第4の位相偏移〔例えば図14(B)に示す−π/4〕を印加する状態である。
第3の状態は、位相偏移を印加しない状態である。
第2の位相偏移印加手段では、第4の状態〔例えば図14(C)に示す状態を生成するための制御機能である図2に示す符号15b―1〕と、第5の状態〔例えば図14(D)に示す状態を生成するための制御機能である図2に示す符号15b―2〕と、第6の状態〔例えば図14(E)に示す状態を生成するための制御機能である図2に示す符号15b―3〕、のいずれかを選択的に取ることができる。
第4の状態は、前記第1方向成分に第5の位相偏移〔例えば図14(D)に示すπ/4〕を印加し、前記第2方向成分に第6の位相偏移〔例えば図14(D)に示す3π/4〕を印加する状態である。
第5の状態は、前記第1方向成分に第7の位相偏移〔例えば図14(E)に示す−π/4〕を印加し前記第2方向成分に第8の位相偏移〔例えば図14(E)に示す−3π/4〕を印加する状態である。
第6の状態は、前記第1方向成分及び前記第2方向成分のそれぞれに第9の位相偏移〔例えば図14(F)に示すπ〕を印加する状態である。
このようにして、光変調器本体は、第1の状態と第4の状態を組み合わせることにより偏波および強度変調を行うことができる。また、光変調器本体は、第2の状態と第5の状態を組み合わせることにより偏波および強度変調を行うことができる。
すなわち、出力光の前記第1方向成分と前記第2方向成分による合成偏波面方向が、前記第1の状態及び第2の状態に応じて変化する偏波状態となり、かつ、前記合成偏波面方向での振幅が少なくとも前記入力光の振幅よりも大きくなるように、各位相偏移を印加することで偏波および強度変調を行うことができる。
このように、光変調装置では、入力信号光として直線偏波を用い、その偏波状態が第1の方向及び第2の方向に対して特定の角度をなすように入射する。これによって、第1の方向の偏波成分の電気光学効果と、第2の方向の偏波成分の電気光学効果との差を利用して、信号光に強度変調をかけると同時に信号光の偏波状態を変調することができる。この結果、光変調装置は、強度変調と偏波変調とを行うことができる単一の装置として構成できる。また、時間的に隣り合うビットにおける偏波方向が異なるように偏波状態の変調を行うことができる。
(光送信装置の具体的構成)
次に、本発明の「光変調装置」を通信装置の一例である「光送信装置」に適用した光送信装置の具体的構成について、全体構成から説明し、続いて各部の詳細構成について説明することとする。
先ず、本実施の形態の光送信装置の全体構成について、図1及び図2を参照しつつ説明する。図1は、本発明における第1実施の形態の光送信装置の全体の概略構成の一例を示すブロック図である。図2は、図1の光送信装置の詳細構成の一例を示すブロック図である。
本実施の形態の光送信装置1は、図1に示すように、光源部2と、この光源部2からの信号光をデータ入力信号Dに応じた変調を行う変調部3と、クロック信号CLに基づいて、前記変調部3にて変調された信号光を入力信号光として入力し強度変調するとともに、時間的に隣り合うビットの互いの偏波方向が交差する偏波変調を行い強度偏波変調出力信号光を生成可能な強度偏波変調器モジュール4と、を含んで構成される。
光源部2は、基準周波数を有する光信号を連続的に出力するものであり、例えば連続発信機能を有する半導体レーザなどにて構成されることが好ましい。
強度偏波変調器モジュール4は、図2に示すように、変調器駆動制御部14と、強度偏波変調部20と、を含んで構成される。また、強度偏波変調部20に入力信号光を入力するための偏波保存光ファイバ16が、変調部3と強度偏波変調部20との間を接続する構成としている。
変調器駆動制御部14は、クロック信号CLに基づいて強度偏波変調部20に必要な差動駆動電圧を供給する差動駆動信号SDに変換する。この際、変調器駆動制御部14は、クロック信号CLを1/2分周した入力信号Vinを生成し、この入力信号Vinを差動増幅することによって、差動駆動信号SDを生成する。
ここで、この入力信号inは、第1の電圧(例えばV)と第2の電圧(例えば−V)とを交互に繰り返す正弦波として構成することもできる。このような入力信号Vinは、変調器制御信号ということもできる。
このようにして、変調器駆動制御部14は、強度偏波変調部20に差動駆動信号SDを供給することで、強度偏波変調部20の駆動制御を行う。変調器駆動制御部14は、変調器駆動制御手段ないしは制御手段ということもできる。

この変調器駆動制御部14は、図2に示すように、第1の位相偏移印加手段15aと、第2の位相偏移印加手段15bとを含んで構成することができる。
第1の位相偏移印加手段15aでは、第1の状態〔例えば図14(A)に示す状態を生成するための制御機能である図2に示す符号15a―1〕と、第2の状態〔例えば図14(B)に示す状態を生成するための制御機能である図2に示す符号15a―2〕と、第3の状態〔例えば図14(C)に示す状態を生成するための制御機能である図2に示す符号15a―3〕、のいずれかを選択的に取ることができる。
第1の状態は、前記第1方向成分に第1の位相偏移〔例えば図14(A)に示す3π/4〕を印加し、前記第2方向成分に第2の位相偏移〔例えば図14(A)に示すπ/4〕を印加する状態である。
第2の状態は、前記第1方向成分に第3の位相偏移〔例えば図14(B)に示す−3π/4〕を印加し前記第2方向成分に第4の位相偏移〔例えば図14(B)に示す−π/4〕を印加する状態である。
第3の状態は、位相偏移を印加しない状態である。
第2の位相偏移印加手段15bでは、第4の状態〔例えば図14(C)に示す状態を生成するための制御機能である図2に示す符号15b―1〕と、第5の状態〔例えば図14(D)に示す状態を生成するための制御機能である図2に示す符号15b―2〕と、第6の状態〔例えば図14(E)に示す状態を生成するための制御機能である図2に示す符号15b―3〕、のいずれかを選択的に取ることができる。
第4の状態は、前記第1方向成分に第5の位相偏移〔例えば図14(D)に示すπ/4〕を印加し、前記第2方向成分に第6の位相偏移〔例えば図14(D)に示す3π/4〕を印加する状態である。
第5の状態は、前記第1方向成分に第7の位相偏移〔例えば図14(E)に示す−π/4〕を印加し前記第2方向成分に第8の位相偏移〔例えば図14(E)に示す−3π/4〕を印加する状態である。
第6の状態は、前記第1方向成分及び前記第2方向成分のそれぞれに第9の位相偏移〔例えば図14(F)に示すπ〕を印加する状態である。
第1の位相偏移印加手段15aからの一方の駆動信号SD1と、第2の位相偏移印加手段15bからの他方の駆動信号SD2とからなる差動駆動信号SDに基づいて、変調器駆動制御部14は、強度偏波変調部20を制御する。
偏波保存ファイバ16は、角度がθ(例えば45度など)となるように変調部3と強度偏波変調部20との間に取り付けられる。偏波保存ファイバ16は、光源部2からの信号光について、特定の直線偏波方向を有する直線偏波信号光の状態を維持する。
強度偏波変調手段としての強度偏波変調部20は、変調器本体を構成することによって機能するものであり、変調器駆動制御部14からの差動駆動信号SDに基づいて、直線偏波生成部16から入力される入力信号光Sinを強度変調するとともに、入力信号光Sinを偏波変調した強度偏波変調出力信号光を出力信号光Soutとして生成出力することができる。この強度偏波変調部20は、強度偏波変調手段ないしは変調器本体ということもできる。
ここで、光変調装置は、最も単純化した単体で構成される場合、強度偏波変調部20のみで構成することができる。この場合、強度偏波変調部20は、光変調装置本体ということができる。光変調装置本体には、入力信号光を入力するための光入力端子(不図示)、強度変調及び偏波変調された出力信号光を出力するための光出力端子(不図示)、差動駆動信号SDを入力するための駆動信号入力端子(不図示)、などをそれぞれ備えることができる。
また、光変調装置は、モジュール化して構成される場合、光変調装置本体である強度偏波変調部20と、変調器駆動制御部14とで構成することもできる(第1モジュール光変調器)。また、光変調装置は、モジュール化して構成される場合、光変調装置本体である強度偏波変調部20と、直線偏波生成部16とで構成することもできる(第2モジュール光変調器)。さらに、光変調装置は、モジュール化して構成される場合、光変調装置本体である強度偏波変調部20と、変調器駆動制御部14と、直線偏波生成部16とで構成することもできる(第3モジュール光変調器)。この場合、強度偏波変調器モジュール4が光変調装置に該当する。さらにまた、光変調装置は、モジュール化して構成される場合、光変調装置本体である強度偏波変調部20と、直線偏波生成部16と、光源部2とで構成し、光集積光源とすることもできる(第4モジュール光変調器)。加えて、光変調装置は、モジュール化して構成される場合、光変調装置本体である強度偏波変調部20と、変調器駆動制御部14と、直線偏波生成部16と、光源部2とで構成することもできる(第5モジュール光変調器)。
上述のいずれかのモージュル化して構成された光変調装置は、各部の一部又は全部を回路基板上の複数のユニットとして構成することもできるし、同一半導体プロセスにて製造可能な一体化した光集積回路として構成することもできる。
(強度偏波変調部の詳細構成)
次に、強度偏波変調部及び変調器駆動制御部の詳細構成について、図2及び図3を参照しつつ説明する。図3は、図2の光送信装置の強度偏波変調部及び変調器駆動制御部の詳細構成の一例を示す構成図である。
強度偏波変調部20は、図3に示すように、マッハツェンダ干渉計の原理を応用したマッハツェンダ型の光強度変調及び偏波変調を行うものであり、異方性結晶にて形成された基板部21と、この基板部21に形成された光導波路22と、光導波路22に電圧を印加するための第1の電極24a・第2の電極24bと、を含んで構成される。
変調器駆動制御部14は、クロック信号CLを分周する分周手段としての分周器14aと、分周器14aからの信号に基づいて、第1の電極24a・第2の電極24bに電圧v、−vを印加するための差動増幅器である差動型ドライバ14bと、を含んで構成される。差動ドライバ14bに入力する信号の入力電圧Vinを、0、V、−Vと変化させることで、信号光の変調を行う。
基板部21は、電気光学効果部材としての異方性結晶の一例であるニオブ酸リチウム(LiNbO3)等にて形成される。
光導波路22は、マッハツェンダ型干渉計を構成しており、入射された入力信号光Sinが進行する光導波路入力部22cを有する。さらに、光導波路22は、光導波路入力部22cを進行する信号光が分岐する分岐部22dを有する。さらに、光導波路22は、分岐部22dにて分岐された一方のアームを構成する第1の光導波路アーム部24aを有する。さらに、光導波路22は、分岐部22dにて分岐された他方のアームを構成する第2の光導波路アーム部24bを有する。さらに、光導波路22は、これらの第1、第2の各光導波路アーム部24a、24bが合流する合流部22eを有する。さらに、光導波路22は、合流部22eにて合流された出力信号光Soutが進行する光導波路出力部22fを有する。
ここで、マッハツェンダー干渉計の原理を用いたマッハツェンダー型変調器(Mach−Zehnder Modulator)は、例えば互いに異なる長さの第1の光導波路アーム部24a、第2の光導波路アーム部24bを有する。
具体的には、第2の光導波路アーム部24bは、第1の光導波路アーム部24aよりも長く形成される。この長さは、第2の光導波路アーム部24bを進行する信号光の位相が、第1の光導波路アーム部24aを進行する信号光の位相に対して+πとなるような長さに形成されているものとする。
第1の電極24aは、第1の光導波路アーム部22aに対応する領域に形成される。第2の電極24bは、第2の光導波路アーム部22に対応する領域に形成される。
クロック信号Dは、分周器14aによって1/2のスピードに分周され、さらに、差動ドライバ14bによって増幅される。この際、差動ドライバ14bへの入力信号Vinは、第1の電圧(V)と第2の電圧(−V)との間で交互に変化する正弦波として構成することが好ましい。
この変調器制御信号としての入力信号Vinに基づいて、差動ドライバ14bによって差動駆動信号SDが生成される。そして、第1の電極24aおよび第2の電極24bには、差動型ドライバ14bからの差動信号である差動駆動信号SDに基づいて、電圧がそれぞれ印加される。例えば、入力信号Vinの電圧がVの場合には、第1の電極24aには印加電圧svが印加され、第2の電極24bには印加電圧−svが印加される。
この際、第1の光導波路アーム部22aを進行する信号光には、印加電圧分の位相シフト量が付与される。第2の光導波路アーム部22bを進行する信号光には、印加電圧分の位相シフト量に加えて、前記第2の光導波路アーム部22bの余剰長さ分の位相シフト量が加算される。
ところで、図3において、差動ドライバ14bの一方の電圧供給線は、第1の光導波路アーム部22aの第1の電極24aに印加される電圧を供給するものである。この電圧供給線を介して差動駆動信号SDのうちの一方の駆動信号SD1(例えば図2)が供給される。
また、差動ドライバ14bの他方の電圧供給線は、第2の光導波路アーム部22bの第2の電極24bに印加される電圧を供給するものである。この電圧供給線を介して差動駆動信号SDのうちの他方の駆動信号SD2(例えば図2)が供給される。
ここで、前記一方の駆動信号SD1を供給する変調器駆動制御部14の機能を、第1の位相偏移印加手段15a(例えば図2)ということもできる。さらに、前記他方の駆動信号SD2を供給する変調器駆動制御部14の機能を、第2の位相偏移印加手段15b(例えば図2)ということもできる。
前記入力信号光Sinは、互いに直交する第1の方向の偏波成分及び第2の方向の偏波成分を含む直線偏波信号光である。入力信号光Sinは、直線偏波であり、その偏波方向が光変調装置のTEモード(第1の方向)およびTMモード(第2の方向)に対して特定の角度例えば45度などの角度をなすように入射される。また、TEモード(第1の方向)での電気光学係数とTMモード(第2の方向)での電気光学係数の比率は、例えば3対1等にて構成される。
直線偏波信号光である入力信号光Sinは、光導波路入力部22cを進行し、分岐部22dにて分岐される。そして、分岐部22dにて分岐された各々の信号光は、第1の光導波路アーム部24a、第2の光導波路アーム部24bをそれぞれ進行する。
第1の光導波路アーム部24aでは、変調器制御信号である入力信号Vinに基づく差動駆動信号SDにより電圧が印加されることにより、異方性結晶の第1の方向での電気光学係数による電気光学効果(第1の方向での電界ベクトルの大きさに基づく光の屈折率変化)により、前記直線偏波信号光の前記第1の方向の偏波成分(TEモード)が第1の位相シフト量φ(TE―a)にて位相シフトした第1の変調信号光S(TE―a)を生成する(第1の変調信号光生成機能)。
また、第1の光導波路アーム部24aでは、変調器制御信号である入力信号Vinに基づく差動駆動信号SDにより電圧が印加されることにより、異方性結晶の第2の方向での電気光学係数による電気光学効果(第2の方向での電界ベクトルの大きさに基づく光の屈折率変化)により、前記直線偏波信号光の前記第2の方向の偏波成分(TMモード)が第2の位相シフト量φ(TM―a)にて位相シフトした第2の変調信号光S(TM―a)を生成する(第2の変調信号光生成機能)。
ここで、第1の方向と第2の方向の電気光学係数の比率が3対1である場合には、第2の位相シフト量は、第1の位相シフト量の3分の1となる。
第2の光導波路アーム部24bでは、変調器制御信号である入力信号Vinに基づく差動駆動信号SDにより電圧が印加されることにより、異方性結晶の第1の方向での電気光学係数による電気光学効果により、前記直線偏波信号光の前記第1の方向の偏波成分(TEモード)が、前記第1の位相シフト量〔例えば図4に示すφ(TE―a)が+(3π)/4など〕と正負が逆の位相シフト量〔例えば−(3π)/4など〕に前記光導波路アーム部の異なる長さ分の位相シフト量〔例えばπなど〕を加えた位相シフト量〔例えば−(π)/4など〕にて位相シフトした第3の変調信号光S(TE―b)を生成する(第3の変調信号光生成機能)。ここにおいて、位相シフト量φ(TE―b)は、入力電圧が同一の場合には、前記第2の位相シフト量φ(TM―a)と同一の位相シフト量となっている。
また、第2の光導波路アーム部24bでは、変調器制御信号である入力信号Vinに基づく差動駆動信号SDにより電圧が印加されることにより、異方性結晶の第2の方向での電気光学係数による電気光学効果により、前記直線偏波信号光の前記第2の方向の偏波成分(TMモード)が、前記第2の位相シフト量〔例えば図4に示すφ(TM―a)が+π/4など〕と正負が逆の位相シフト量〔例えば−π/4など〕に前記光導波路アーム部の異なる長さ分の位相シフト量〔例えばπなど〕を加えた位相シフト量〔例えば(3π)/4など〕にて位相シフトした第4の変調信号光S(TM―b)を生成する(第4の変調信号光生成機能)。ここにおいて、位相シフト量φ(TM―b)は、入力電圧が同一の場合には、前記第1の位相シフト量φ(TE―a)と同一の位相シフト量となっている。
ここで、加えた電圧(電界)によって生じる屈折率変化に基づいて、光導波路を伝搬する信号光の位相を変化させる「電気光学効果」としては、電場の強さに比例して屈折率が変化するポッケルス効果などが挙げられる。このような電気光学効果を有する電気光学効果部材としては、異方性結晶であることが好ましい。これにより、第1の電極、第2の電極に差動駆動信号を加え、電気光学効果により光導波路の屈折率が差動駆動信号に応じて変化する。また、2つの第1、第2の光導波路アーム部24a、24bに各々印加される電界方向を逆とすることが好ましい。
第2の光導波路アーム部24a、24bが合流する合流部22eでは、前記第1の変調信号光S(TE―a)及び前記第3の変調信号光S(TE―b)を、前記第1の方向にて合成した第1の方向偏波成分強度変調信号光S(TE―a)+S(TE―b)を生成する(第1の方向偏波成分強度変調信号光生成機能)。
また、前記合流部22eでは、前記第2の変調信号光S(TM―a)及び前記第4の変調信号光S(TM―b)を前記第2の方向にて合成し、第1の方向偏波成分強度変調信号光S(TE―a)+S(TE―b)と同一位相となる第2の方向偏波成分強度変調信号光S(TM―a)+S(TM―b)を生成する(第2の方向偏波成分強度変調信号光生成機能)。
これにより、光導波路出力部22fでは、第1の方向偏波成分強度変調信号光S(TE―a)+S(TE―b)と前記第2の方向偏波成分強度変調信号光S(TM―a)+S(TM―b)とにより前記強度偏波変調出力信号光Soutが進行し、出力端より出力することとなる。
この際、第1の方向偏波成分強度偏波変調出力信号光S(TE―a)+S(TE―b)と前記第2の方向偏波成分強度偏波変調出力信号光S(TM―a)+S(TM―b)とによる合成偏波面方向が、入力電圧Vinが前記第1の電圧(V)と前記第2の電圧(―V)とで異なる方向を向く偏波状態(例えば図11、図12)となる強度偏波変調出力信号光Soutを生成することができる。この図3に示す強度偏波変調出力信号光Soutは、より詳細には、例えば図11及び図12に示すように、電圧Vの場合の信号光S(V)と、電圧―Vの場合の信号光S(−V)とは、異なる偏波面方向を向いている。
このようにして、光導波路22は、経路途中の分岐部22dにて2分岐され、それぞれが電極24aおよび電極24bによって電界が印加された後、合流部22eにて再び合波される。
ここで、上述のような各種の信号光を生成する機能は、強度偏波変調部20が有する機能であることから、強度偏波変調部20内の機能ブロックとしてまとめることができる。すなわち、強度偏波変調部20は、第1の変調信号光生成機能、第2の変調信号光生成機能、第3の変調信号光生成機能、第4の変調信号光生成機能、第1の方向偏波成分強度変調信号光生成機能、第1の方向偏波成分強度変調信号光生成機能を有するということもできる。
このうち、第1の変調信号光生成機能、第3の変調信号光生成機能、第1の方向偏波成分強度変調信号光生成機能により、第1の方向の偏波成分の強度変調を行うことができる。また、第2の変調信号光生成機能、第4の変調信号光生成機能、第1の方向偏波成分強度変調信号光生成機能により、第2の方向の偏波成分の強度変調を行うことができる。そして、第1の方向と第2の方向とが合成することにより特定の方向に偏波面方向が向くことになるが、この偏波面方向は入力電圧がVの場合と、−Vの場合で異なる方向を向く。
また、変調器駆動制御部14は、変調器制御信号生成制御機能と、変調器制御信号供給制御機能と、強度偏波変調信号光生成制御機能とを有するということもできる。変調器制御信号生成制御機能は、光導波路22に含まれる少なくとも2つの第1、第2の光導波路アーム部22a、22bに差動電圧を印加するための差動駆動信号SDを生成する差動ドライバへの入力信号Vinである変調器制御信号を制御する機能である。変調器制御信号供給制御機能は、互いに直交する第1の方向及び前記第2の方向と異なる方向に直線偏波方向を有する直線偏波信号光が進行する光導波路22に、変調器制御信号である入力信号Vinに基づく差動駆動信号SDを供給する機能である。強度偏波変調信号光生成制御機能は、光変調装置が、前記直線偏波信号光を強度変調するとともに時間的に隣り合うビットにおける偏波方向が異なる偏波変調を行う強度偏波変調信号光を生成するように制御する機能である。
ここにおいて、変調器駆動制御部14のハードウエア構成は、図3に示す分周器と、差動型ドライバと、これらを制御するコンピュータを含むコントロール回路部とにより構成することができる。そして、プログラムの制御によってコンピュータが発揮する複数の機能を、それぞれ構成要素として表現すると、変調器制御信号生成制御機能と、変調器制御信号供給制御機能と、強度偏波変調信号光生成制御機能として表現することができる。変調器駆動制御部14に備えられているコンピュータがプログラムによって実行されている動的状態(プログラムを構成する各手順を実行している状態)を機能表現した場合、変調器駆動制御部14内に各機能が構成されることになる。これらの機能は、メモリに記憶されたプログラムとして実現してもよいし、専用の他の電子回路ブロックにより実現してもよい。
(電気光学係数と位相シフト量との関係)
本実施の形態の光変調器は、外部電界に比例して屈折率が変化する1次電気光学効果(ポッケルス効果)を利用している。ニオブ酸リチウム等の強誘電体結晶は、異方性結晶であるので、外部から電界を加えると、結晶軸によって異なる屈折率変化を誘起する。このため、結晶を伝搬する光波の偏波状態が伝搬するにつれて変化する。ここで、印加電界の方向が光の伝搬軸に対して垂直方向であるとする。
ニオブ酸リチウム(LN)結晶の光学軸をZ方向とした場合、入射光をY方向に沿って入射すると、この結晶は、X方向の電界成分である偏波光に対しては屈折率n0を、また、Z方向の成分である偏波光に対しては屈折率neを示す性質を有する。
Z方向に対して45度の傾きで直線偏光された波長λ0の入射光の振幅をEiとすると、結晶中での電界Ex、Ezは、
Ex=(1/√2)EiCOS(ωt−φx)、
Ez=(1/√2)EiCOS(ωt−φz)となる。
ここにおいて、
φx=(2πn0Y)/λ0、
φz=(2πneY)/λ0とする。
x方向偏光波とz方向偏光波とが、異なる伝搬定数を有するため、位相差φx―φzは、y(信号光の進行方向)とともに増大する。
結晶の光学軸(z方向)に沿って変調電圧Vを印加すると、結晶の異方性のため、x方向偏光波とz方向偏光波に対する電気光学効果が異なり、従って屈折率変化が異なる。それらをΔn0、Δneとすると、

Δn0=−(n013V)/(2d)、
Δne=−(ne33V)/(2d)

ここで、r13、r33は電気光学係数であり、結晶特有の値となっている。この屈折率変化によって、電極の終端y=lでの位相量は、

φx´=2πl(n0+Δn0)/(λ0)、
φz´=2πl(ne+Δne)/(λ0)、
本実施の形態では、異方性結晶としてニオブ酸リチウムを用いており、電気光学係数r13=8.6、r33=30.8、屈折率n0=2.286、ne=2.180で電圧Vが特定の一定値であるとすると、φz´とφx´の比である(ne+Δne)/(n0+Δn0)は、ほぼ3:1となる。すなわち、第1の方向をZ軸方向、第2の方向をX軸方向とした場合、第1の方向の偏波成分の位相シフト量と、第2の方向の偏波成分の位相シフト量との比率は3:1となる。
また、差動ドライバへの入力として正弦波を用いて、CS―RZ(Carrier Suppressed Return to Zero:搬送波抑圧ゼロ復帰)変調を行うことができる。CSRZ変調は、光信号をパルス化するとともに、隣接するパルス間で光位相が0もしくはπの2値を交互に変化するように変調することによって長距離伝送で問題となる非線形効果への耐力を増す変調方式である。
CSRZ光パルスを生成するには、2つの電極に位相が互いに反転した正弦波の電圧を印加する。両電極の差電圧も正弦波となり、その中心となるバイアス電圧(Vb)を光透過率が最小となる正弦波の底(最適点)に合致するように設定する。バイアス電圧が最適点に合致している場合、変調器の透過率は印加したクロック電圧の周波数の2倍の周期でオン・オフを繰り返し、CSRZ光パルスが出力される。
ここで、強度偏波変調部20は、互いに直交する第1の方向及び第2の方向と異なる方向に偏波面方向を有する入力信号光が、異方性結晶部に形成された光導波路に入力され、前記光導波路に電圧が印加されることで前記入力信号光を強度変調および偏波変調した強度偏波変調出力信号光を生成可能としている。
また、前記変調器駆動制御部14は、前記入力信号光の前記第1の方向の偏波成分及び前記第2の方向の偏波成分の各々に特定比率の位相シフト量を与えるための電圧を供給するものであって、互いに異なる第1の電圧と第2の電圧に交互に変化する変調器制御信号を強度偏波変調手段に供給して該強度偏波変調手段を駆動制御する。
さらに、前記変調器駆動制御部14は、前記異方性結晶部の前記第1、第2の方向での各電気光学係数に応じた異なる位相シフト量での位相シフトを許容しつつ、前記強度偏波変調出力信号光の前記第1の方向の偏波成分と、前記第2の方向の偏波成分の位相が同一となり、前記第1の方向の偏波成分と前記第2の方向の偏波成分による合成偏波面方向が、前記第1の電圧と前記第2の電圧とで異なる方向を向く偏波状態であって、かつ、前記合成偏波面方向での振幅が前記入力信号光の振幅よりも大きくなるように、前記特定比率の位相シフト量を付与する変調器制御信号を供給することができる。
より詳細には、強度偏波変調部20は、前記入力信号光が進行する一方の前記光導波路アーム部にて、一方の前記入力信号光の第1の方向の偏波成分の位相を第1の位相シフト量にて位相シフトした第1の変調信号光を生成することができる。
また、強度偏波変調部20は、一方の前記光導波路アーム部にて、一方の前記入力信号光の第2の方向の偏波成分の位相を前記第1の位相シフト量と異なり前記異方性結晶部の電気光学係数に応じた第2の位相シフト量にて位相シフトした第2の変調信号光を生成することができる。
さらに、強度偏波変調部20は、前記一方の前記光導波路アーム部より長い他方の前記光導波路アーム部にて、他方の前記入力信号光の第1の方向の偏波成分の位相を、前記第1の位相シフト量と正負が逆の位相シフト量に前記光導波路アーム部の異なる長さ分の位相シフト量を加えた前記第2の位相シフト量にて位相シフトした第3の変調信号光を生成することができる。
さらにまた、強度偏波変調部20は、前記一方の前記光導波路アーム部より長い他方の前記光導波路アーム部にて、他方の前記入力信号光の第2の方向の偏波成分の位相を、前記第2の位相シフト量と正負が逆の位相シフト量に前記光導波路アーム部の異なる長さ分の位相シフト量を加えた前記第1の位相シフト量にて位相シフトした第4の変調信号光とを生成することができる。
また、強度偏波変調部20は、前記合流部にて、各々位相シフトされた前記第1の変調信号光と前記第3の変調信号光が合成した第1の方向偏波成分強度偏波変調出力信号光を生成することができる。また、強度偏波変調部20は、前記合流部にて、各々位相シフトされた前記第2の変調信号光と前記第4の変調信号光が合成し前記第1の方向偏波成分強度偏波変調出力信号光と同一位相の第2の方向偏波成分強度偏波変調出力信号光とを生成することができる。
さらに、強度偏波変調部20は、前記第1の方向偏波成分強度偏波変調出力信号光と前記第2の方向偏波成分強度偏波変調出力信号光とによる合成偏波面方向が、前記第1の電圧と前記第2の電圧とで異なる方向を向く偏波状態となる強度偏波変調出力信号光を生成することができる。
(光変調装置の動作の説明)
次に、以上のような構成からなる本実施の形態の光変調装置の動作について、図3、図4、図6、及び図15を参照しつつ説明する。
本実施の形態に係る光変調方法は、互いに直交する第1及び第2の方向の各々の成分である第1方向成分(例えばTE)及び第2方向成分(例えばTM)を有する入力光(Sin)を入力して光変調を行うものである。
この際に、第1の位相偏移印加制御(例えば図15に示すステップS104a)を行うとともに、第2の位相偏移印加制御(例えば図15に示すステップS104b)を行う。
この第1の位相偏移印加制御では、前記第1方向成分に第1の位相偏移を印加し前記第2方向成分に第2の位相偏移を印加する第1の状態(例えば図14(A)に示す状態)と、前記第1方向成分に第3の位相偏移を印加し前記第2方向成分に第4の位相偏移を印加する第2の状態(図14(B)に示す状態)と、位相偏移を印加しない第3の状態(例えば図14(C)に示す状態)、のいずれかを選択的に取る制御を行うことができる。
また、第2の位相偏移印加制御では、前記第1方向成分に第5の位相偏移を印加し前記第2方向成分に第6の位相偏移を印加する第4の状態(例えば図14(D)に示す状態)と、前記第1方向成分に第7の位相偏移を印加し前記第2方向成分に第8の位相偏移を印加する第5の状態(例えば図14(E)に示す状態)と、前記第1方向成分及び前記第2方向成分のそれぞれに第9の位相偏移を印加する第6の状態(例えば図14(F)に示す状態)、のいずれかを選択的に取る制御を行うことができる。
また、本実施の形態に係る光変調方法では、光変調器本体に互いに異なる第1の電圧と第2の電圧とを供給する変調器制御信号に基づく電圧を印加し、前記光変調器本体に入射する入力信号光を強度変調するとともに偏波変調を行うことができる。
この際、前記光変調器本体に、互いに直交する第1の方向及び第2の方向と異なる方向に偏波方向を有する入力信号光を入射する(例えば図15に示すステップS101)。
さらに、前記出力信号光の前記第1の方向の偏波成分と前記第2の方向の偏波成分による合成偏波面方向が、前記第1の電圧と前記第2の電圧とで異なる方向を向く偏波状態であって、かつ、前記合成偏波面方向での振幅が前記入力信号光の振幅よりも大きくなるように、前記入力信号光の前記第1の方向の偏波成分と前記第2の方向の偏波成分とに特定比率の位相シフト量を付与する変調器制御信号(例えば入力信号Vin)を供給することができる(例えば図15に示すステップS104a、S104b、S105からなる手順)。
さらに、変調器制御信号に基づいて前記直線偏波信号光を強度変調するとともに、前記第1の方向の偏波成分及び前記第2の方向の偏波成分のそれぞれの方向における各電気光学効果に基づいて変調を行うこともできる。
この際、前記第1の方向の偏波成分の位相を第1の位相シフト量、前記第2の方向の偏波成分の位相を前記第1の位相シフト量と異なる第2の位相シフト量にて位相シフトする。
これにより、時間的に隣り合うビットにおける偏波方向が異なるように偏波変調した強度偏波変調出力信号光を生成する(例えば図15に示すステップS104a、S104b、S105からなる手順)。
また、変調器制御信号は、前記直線偏波信号光を強度変調する。変調器制御信号は、前記第1の方向の偏波成分及び前記第2の方向の偏波成分のそれぞれの方向における異方性結晶の各電気光学係数に基づく位相シフトを許容しつつ、前記強度偏波変調出力信号光の前記第1の方向の偏波成分と、前記第2の方向の偏波成分の位相が同一となるようにする。
さらに、変調器制御信号は、前記第1の方向の偏波成分と前記第2の方向の偏波成分による合成偏波面方向が、前記第1の電圧と前記第2の電圧とで異なる方向を向く偏波状態でとなるようにする。変調器制御信号は、前記合成偏波面方向での振幅が前記入力信号光の振幅よりも大きくなるように、前記特定比率の位相シフト量を付与することができる。
また、本実施の形態に係る光変調方法は、前記光導波路に含まれる少なくとも2つの光導波路アーム部のうち、一方の前記光導波路アーム部にて、一方の前記入力信号光の前記第1の方向の偏波成分の位相が第1の位相シフト量にて位相シフトし(例えば図15に示すステップS104a)、他方の前記光導波路アーム部にて、他方の前記入力信号光の前記第1の方向の偏波成分の位相が前記第1の位相シフト量と異なる第3の位相シフト量にて位相シフトし(例えば図15に示すステップS104b)、前記各光導波路アーム部が合流する合流部にて、各々位相シフトされた各前記第1の方向の偏波成分を合成して前記第1の方向の偏波成分の強度変調を行う(例えば図15に示すステップS105)ことを特徴とするものである。
さらに、本実施の形態に係る光変調方法は、変調器制御信号を第1の電圧Vと第2の電圧―Vとが交互に変化する正弦波として、少なくとも2つの前記光導波路アーム部に前記変調器制御信号を差動ドライバによって差動増幅した差動駆動信号により差動電圧を印加し、前記入力信号光を時間的に隣り合うビットにおける偏波方向が異なるように偏波変調を行うとともに、前記強度偏波変調出力信号光を搬送波抑圧ゼロ復帰信号とする搬送波抑圧ゼロ復帰変調を行うことができる。
以下に、このような光変調方法のより詳細な手順を説明するが、先ず各種の信号光の定義について説明し、続いてそれらの信号光が生成される手順を説明する。
(信号光の定義)
ここにおいて、信号光を、図6に示すように分類して定義している。すなわち、入力信号光をSinとし、最終的に生成される強度偏波変調出力信号光(或いは単に出力信号光)をSoutとする。
入力信号光Sinは、互いに直交する第1の方向及び第2の方向と各々異なる方向に向いた直線偏波方向を有する直線偏波信号光であるから、第1の方向の偏波成分と第2の方向の偏波成分に分解できる。この第1の方向の偏波成分をSin(TE)とし、第2の方向の偏波成分をSin(TM)とする。
光導波路入力部22cでは、第1の方向の偏波成分Sin(TE)、第2の方向の偏波成分Sin(TM)を含む直線偏波信号光Sinが進行する。
直線偏波信号光Sinは、分岐部22dにて、第1の光導波路アーム部22aに進行する信号光と、第2の光導波路アーム部22bに進行する信号光に分岐する。第1の光導波路アーム部22aでは、第1の方向の偏波成分をSin(TE―a)とし、第2の方向の偏波成分をSin(TM―a)とする。第2の光導波路アーム部22bでは、第1の方向の偏波成分をSin(TE―b)とし、第2の方向の偏波成分をSin(TM―b)とする。
第1の光導波路アーム部22aにおいて、第1の電極24aに対応する領域を通過した信号光のうち、第1の方向の偏光成分は、第1の位相シフト量だけ位相がシフトし、第1の変調信号光となる。この第1の変調信号光(TEモードの信号光)をS(TE―a)とする。また、第1の光導波路アーム部22aにおいて、第1の電極24aに対応する領域を通過した信号光のうち、第2の方向の偏光成分は、第2の位相シフト量だけ位相がシフトし、第2の変調信号光となる。この第2の変調信号光(TMモードの信号光)をS(TM―a)とする。
第1の変調信号光S(TE−a)は、変調後の信号光の第1の方向の偏波成分であり、第1の光導波路アーム部22aを合流部22eに向けて進行する。
第2の変調信号光S(TM−a)は、変調後の信号光の第2の方向の偏波成分であり、第1の光導波路アーム部22aを第1の変調信号光S(TE−a)と異なる位相にて進行する。
第2の光導波路アーム部22bにおいて、第2の電極24bに対応する領域を通過した信号光のうち第1の方向の偏光成分は、第3の位相シフト量だけ位相がシフトし、第3の変調信号光となる。この第3の変調信号光(TEモードの信号光)をS(TE―b)とする。また、第2の光導波路アーム部22bにおいて、第2の電極24bに対応する領域を進行した信号光のうち第2の方向の偏光成分は、第4の位相シフト量だけ位相がシフトし、第4の変調信号光となる。この第4の変調信号光(TMモードの信号光)をS(TM―b)とする。
第3の変調信号光S(TE−b)は、変調後の信号光の第1の方向の偏波成分であり、第2の光導波路アーム部22bを合流部22eに向けて進行する。
第4の変調信号光S(TM−b)は、変調後の信号光の第2の方向の偏波成分であり、第2の光導波路アーム部22bを第3の変調信号光S(TE−b)と異なる位相にて進行する。
ここで、便宜上、第1の変調信号光S(TE−a)と第2の変調信号光S(TM−a)とを合わせた信号光を、第1の偏波状態変調信号光とする。さらに、第3の変調信号光S(TE−b)と第4の変調信号光S(TM−b)とを合わせた信号光を、第2の偏波状態変調信号光とする。
さらに、合流部22eにおいて、第1の変調信号光S(TE−a)と第3の変調信号光S(TE−b)とが合成することにより生成された第1の方向偏波成分強度偏波変調出力信号光をS(TE−a)+S(TE−b)とする。第1の方向偏波成分強度偏波変調出力信号光S(TE−a)+S(TE−b)は、光導波路出力部22fを進行する。
また、合流部22eにおいて、第2の変調信号光S(TM−a)と第4の変調信号光S(TM−b)とが合成することにより生成された第2の方向偏波成分強度偏波変調出力信号光をS(TM−a)+S(TM−b)とする。第2の方向偏波成分強度偏波変調出力信号光をS(TM−a)+S(TM−b)は、光導波路出力部22fを進行する。
第1の方向偏波成分強度偏波変調出力信号光S(TE−a)+S(TE−b)は、強度偏波変調出力信号光Soutの第1の方向の偏波成分である。第2の方向偏波成分強度偏波変調出力信号光S(TM−a)+S(TM−b)は、強度偏波変調出力信号光Soutの第2の方向の偏波成分である。
そして、これらの第1の位相シフト量、第2の位相シフト量、第3の位相シフト量、第4の位相シフト量をそれぞれ、φ(TE―a)、φ(TM―a)、φ(TE―b)、φ(TM―b)とする。
これらの位相と電圧の関係を示したのが図4である。図4は、光変調装置の光導波路の各部における信号光の位相と印加電圧の関係を示している。より詳細には、図4には、図3に示す光導波路アーム部22aにて位相シフトされた場合における信号光の位相の状態が示されている。
図4では、第1の位相シフト量であるφ(TE―a)は、印加電圧がVの場合には、+3π/4となり、印加電圧が0の場合には、0となり、印加電圧が−Vの場合には、−3π/4となる。第3の位相シフト量であるφ(TE―b)は、印加電圧がVの場合には、π−(3π/4)となり、印加電圧が0の場合には、πとなり、印加電圧が−Vの場合には、π+(3π/4)となる。第2の位相シフト量であるφ(TM―a)は、印加電圧がVの場合には、+π/4となり、印加電圧が0の場合には、0となり、印加電圧が−Vの場合には、−π/4となる。第4の位相シフト量であるφ(TM―b)は、印加電圧がVの場合には、π−(π/4)となり、印加電圧が0の場合には、πとなり、印加電圧が−Vの場合には、π+(π/4)となる。
本実施の形態では、図4に示すように、特定の入力電圧の場合、第3の位相シフト量が第2の位相シフト量と同一となるようしている。第2の光導波路アーム部22bを第1の光導波路アーム部22aより長く形成することによって、第2の光導波路アーム部22bを進行する信号光には前記電圧による位相差に加えてπだけづれるようにしてあるからである。同様の理由によって、第4の位相シフト量が第1の位相シフト量と同一となるようしている。
(強度変調と偏波変調を単一の変調器で行うための技術的原理)
図8には、入力電圧に応じた信号光の状態が示されている。同図(A)は、入力電圧0でのTEモード成分の信号光の状態を示し、同図(B)は、入力電圧0でのTMモード成分の信号光の状態を示す。
ここで、入力電圧は、差動ドライバ14bへの入力信号Vinにおける入力電圧を意味する。また、入力信号Vinは、少なくとも第1の電圧(V)を供給する期間と、第2の電圧(―V)を供給する期間を有する信号であるとする。
図8(A)及び図4に示すように、入力電圧が0の場合には、TEモードにおいては、信号光S(TE−a)の位相シフト量は0で、信号光S(TE−b)の位相シフト量はπであるので、これらが合流部にて合流して信号光S(TE−a)と信号光S(TE−b)とが合成することによって生成された信号光S(TE−a)+S(TE−b)は、互いに打ち消しあって0となる。すなわち、TEモードの信号光の位相φ(TE―a)と位相φ(TE―b)とは、互いにπだけずれている。このため、出力信号光SoutのTEモード成分S(TE―a)とS(TE―b)は、お互いに打ち消しあってゼロとなる。
入力電圧が0の場合でTMモードにおいても、図8(B)及び図4に示すように、信号光S(TM−a)の位相シフト量は0で、信号光S(TM−b)の位相シフト量はπであるので、これらが合流部にて合流して信号光S(TM−a)と信号光S(TM−b)とが合成することによって生成された信号光S(TM−a)+S(TM−b)は、互いに打ち消しあって0となる。すなわち、TMモードの信号光の位相φ(TM―a)と位相φ(TM―b)とは、互いにπだけずれている。このため、出力信号光SoutのTMモード成分S(TM―a)とS(TM―b)は、お互いに打ち消しあってゼロとなる。
図9には、入力電圧に応じた信号光の状態が示されている。同図(A)は、入力電圧VでのTEモード成分の信号光の状態を示し、同図(B)は、入力電圧VでのTMモード成分の信号光の状態を示す。
図9(A)及び図4に示すように、入力電圧がVの場合には、TEモードにおいては、信号光S(TE−a)の位相シフト量は3π/4で、信号光S(TE−b)の位相シフト量はπ―3π/4であるので、これらが合流部にて合流して信号光S(TE−a)と信号光S(TE−b)とが合成することによって生成された信号光S(TE−a)+S(TE−b)は、図9(A)に示す太線に示すような合波となる。
また、図9(B)及び図4に示すように、入力電圧がVの場合でTMモードにおいては、信号光S(TM−a)の位相シフト量はπ/4で、信号光S(TM−b)の位相シフト量はπ―π/4であるので、これらが合流部にて合流して信号光S(TM−a)と信号光S(TM−b)とが合成することによって生成された信号光S(TM−a)+S(TM−b)は、図9(B)に示す太線に示すような合波となる。
ここで、入力電圧Vを加えた場合、TEモードにおいては、TEモードの信号光の位相φ(TE―a)は、3π/4シフトし、φ(TE―b)は、−3π/4シフトする。また、入力電圧Vを加えた場合、TMモードにおいては、TMモードの信号光の位相シフト量は、TEモードの信号光の位相シフト量に比べて1/3であり、φ(TM―a)は、π/4シフトし、φ(TM―b)は、−π/4シフトする。さらに、各光導波路アーム部の長さの差による位相差πを加えると、図4に示すようになる。この結果、上述のような合波を生成することが可能となる。
図10には、入力電圧に応じた信号光の状態が示されている。同図(A)は、入力電圧―VでのTEモード成分の信号光の状態を示し、同図(B)は、入力電圧―VでのTMモード成分の信号光の状態を示す。
図10(A)及び図4に示すように、入力電圧が−Vの場合には、TEモードにおいては、信号光S(TE−a)の位相シフト量は−3π/4で、信号光S(TE−b)の位相シフト量はπ+3π/4であるので、これらが合流部にて合流して信号光S(TE−a)と信号光S(TE−b)とが合成することによって生成された信号光S(TE−a)+S(TE−b)は、図10(A)に示す太線に示すような合波となる。
また、図10(B)及び図4に示すように、入力電圧が−Vの場合でTMモードにおいては、信号光S(TM−a)の位相シフト量は−π/4で、信号光S(TM−b)の位相シフト量はπ+π/4であるので、これらが合流部にて合流して信号光S(TM−a)と信号光S(TM−b)とが合成することによって生成された信号光S(TM−a)+S(TM−b)は、図10(B)に示す太線に示すような合波となる。
ここで、入力電圧−Vを加えた場合、TEモードにおいては、TEモードの信号光の位相φ(TE―a)は、―3π/4シフトし、φ(TE―b)は、3π/4シフトする。また、印加電圧−Vを加えた場合、TMモードにおいては、TMモードの信号光の位相シフト量は、TEモードの信号光の位相シフト量に比べて1/3であり、φ(TM―a)は、―π/4シフトし、φ(TM―b)は、π/4シフトする。さらに、各光導波路アーム部の長さの差による位相差πを加えると、図4に示すようになる。この結果、上述のような合波を生成することが可能となる。
従って、入力電圧がV(第1の電圧)の場合には、図9(A)に示す信号光S(TE−a)+S(TE−b)と、図9(B)に示す信号光S(TM−a)+S(TM−b)とが0又はπの位相差で合成することになる。このため、図11(A)に示すように、信号光S(TE−a)+S(TE−b)と信号光S(TM−a)+S(TM−b)とが合成されると、その偏波面方向は、符号S(V)にて示される方向に向くことになる。
一方、入力電圧がV(第2の電圧)の場合には、図10(A)に示す信号光S(TE−a)+S(TE−b)と、図10(B)に示す信号光S(TM−a)+S(TM−b)とが0又はπの位相差で合成することになる。このため、図11(B)に示すように、信号光S(TE−a)+S(TE−b)と信号光S(TM−a)+S(TM−b)とが合成されると、その偏波面方向は、符号S(―V)にて示される方向に向くことになる。
差動ドライバ14bの入力信号Vinは、少なくとも第1の電圧Vを供給する期間と、第2の電圧―Vを供給する期間を有する信号としている。これによって、第1の電圧Vによる印加状態としたときの偏波面方向と、第2の電圧―Vによる印加状態としたときの偏波面方向が形成される。
このため、偏波面方向が、図11(A)に示す符号S(V)の方向を向く場合と、図11(B)に示す符号S(−V)の方向を向く場合が生じる。
前記入力信号Vinの一例として、第1の電圧Vと第2の電圧―Vとの間で変化する正弦波、矩形波などとした場合には、周期的に第1の電圧Vと第2の電圧―Vによる印加状態が交互に繰り返される。
このため、偏波面方向も、図11(A)に示す符号S(V)の方向と図11(B)に示す符号S(−V)の方向とが交互に繰り返される。
さらに、本実施の形態では、差動ドライバへの入力信号Vinとして正弦波を用いると、CSRZ(キャリア抑圧Return−to−Zero)変調を行うことができる。すなわち、図13に示すように、正弦波の電圧を印加する場合に、バイアス電圧を光透過率が最小となる正弦波の底(最適点)に合致するように設定する。バイアス電圧が最適点に合致している場合、変調器の透過率は、印加したクロック電圧の周波数の2倍の周期でオン・オフを繰り返し、CSRZ光パルスとして出力される。
このため、出力される信号光は、図12に示すように、電圧Vの場合にはS(V)の偏波面方向を有し、電圧―Vの場合には、前記偏波面方向と異なるS(−V)の偏波面方向を有するもととして出力される。
いま述べた事項を表にまとまめると図5のようになる。図5では、出力信号光SoutのTEモード成分S(TE―a)+S(TE―b)、および出力信号光SoutのTMモード成分S(TM―a)+S(TM―b)と、各電圧との関係が示されている。
図5では、第1の方向偏波成分強度偏波変調出力信号光S(TE−a)+S(TE−b)は、印加電圧がVの場合には、+√2sin(ωt)となり、印加電圧が0の場合には、0となり、印加電圧が−Vの場合には、+√2sin(ωt)となる。
また、第2の方向偏波成分強度偏波変調出力信号光S(TM−a)+S(TM−b)は、印加電圧がVの場合には、−√2sin(ωt)となり、印加電圧が0の場合には、0となり、印加電圧が−Vの場合には、+√2sin(ωt)となる。ここで、ωは、角周波数、tは、時間を示す。
入力電圧がVの場合、図5に示すように、出力信号光SoutのTEモード成分は、+√2sin(ωt)となり、出力信号光SoutのTMモード成分は、−√2sin(ωt)となる。
入力電圧がーVの場合、出力信号光SoutのTEモード成分は、+√2sin(ωt)となり、TMモード成分は、+√2sin(ωt)となる。
このように、印加電圧0の場合、出力信号光Soutはゼロになり、印加電圧V及び印加電圧−Vの場合、出力信号光Soutの偏波状態は互いに直交する。
(光変調装置における各位相遷移の状態について)
以上のような技術的原理に基づいて、本実施の形態の光変調装置1における各位相遷移の状態を示すと、図14のようになる。
図14は、光送信装置における各位相偏移の状態を説明する説明図であって、同図(A)は第1の状態を示し、同図(B)は第2の状態を示し、同図(C)は第3の状態を示し、同図(D)は第4の状態を示し、同図(E)は第5の状態を示し、同図(F)は第6の状態を示す。
ところで、図3において、差動ドライバ14bの一方の電圧供給線は、第1の光導波路アーム部22aの第1の電極24aに印加される電圧を供給するものである。この電圧供給線を介して差動駆動信号SDのうちの一方の駆動信号SD1(例えば図2)が供給される。
また、差動ドライバ14bの他方の電圧供給線は、第2の光導波路アーム部22bの第2の電極24bに印加される電圧を供給するものである。この電圧供給線を介して差動駆動信号SDのうちの他方の駆動信号SD2(例えば図2)が供給される。
ここで、前記一方の駆動信号SD1を供給する変調器駆動制御部14の機能を、第1の位相偏移印加手段15a(例えば図2)ということもできる。さらに、前記他方の駆動信号SD2を供給する変調器駆動制御部14の機能を、第2の位相偏移印加手段15b(例えば図2)ということもできる。
この第1の位相偏移印加手段15aは、互いに直交する第1及び第2の方向の各々の成分である第1方向成分(例えばTE)及び第2方向成分(例えばTM)を有する入力光に対して、第1の状態〔例えば図14(A)に示す状態〕、第2の状態〔例えば図14(B)に示す状態〕、第3の状態〔例えば図14(C)に示す状態〕のいずれかを選択的に取ることができる。
このため、第1の位相偏移印加手段15aは、図2のブロック図に示されるように、第1の状態15a―1、第2の状態15a−2、第3の状態15a−3を含む構成とすることもできる。
第1の位相偏移印加手段15aは、第1の状態15a―1では、図14(A)に示すように、入力信号として第1の電圧(V)を印加することにより、差動ドライバ14bの一方の電圧供給線から第1の電極24aを介して、前記第1方向成分(例えばTE)に第1の位相偏移(例えば3π/4)を印加し前記第2方向成分(例えばTM)に第2の位相偏移(例えばπ/4)を印加する。
第1の位相偏移印加手段15aは、第2の状態15a―2では、図14(B)に示すように、入力信号として第2の電圧(−V)を印加することにより、差動ドライバ14bの一方の電圧供給線から第1の電極24aを介して、前記第1方向成分(例えばTE)に第3の位相偏移(例えば−3π/4)を印加し前記第2方向成分(例えばTM)に第4の位相偏移(例えば−π/4)を印加する。
第1の位相偏移印加手段15aは、第3の状態15a―3では、図14(C)に示すように、入力信号として電圧(0)とすることで、位相偏移を印加しない。
また、第2の位相偏移印加手段15bは、互いに直交する第1及び第2の方向の各々の成分である第1方向成分(例えばTE)及び第2方向成分(例えばTM)を有する入力光に対して、第4の状態〔例えば図14(D)に示す状態〕、第5の状態〔例えば図14(E)に示す状態〕、第6の状態〔例えば図14(F)に示す状態〕のいずれかを選択的に取ることができる。
このため、第1の位相偏移印加手段15bは、図2のブロック図に示されるように、第4の状態15b―1、第5の状態15b−2、第6の状態15b−3を含む構成とすることもできる。
第2の位相偏移印加手段15bは、第4の状態15b―1では、図14(D)に示すように、入力信号として第1の電圧(V)を印加することにより、差動ドライバ14bの他方の電圧供給線から第2の電極24bを介して、前記第1方向成分(例えばTE)に第5の位相偏移(例えばπ/4)を印加し前記第2方向成分(例えばTM)に第6の位相偏移(例えば3π/4)を印加する。
第2の位相偏移印加手段15bは、第5の状態15b―2では、図14(E)に示すように、入力信号として第2の電圧(−V)を印加することにより、差動ドライバ14bの他方の電圧供給線から第2の電極24bを介して、前記第1方向成分(例えばTE)に第7の位相偏移(例えば−π/4)を印加し前記第2方向成分(例えばTM)に第8の位相偏移(例えば−3π/4)を印加する。
第2の位相偏移印加手段15bは、第6の状態15b―3では、前記第1方向成分(例えばTE)と前記第2方向成分(例えばTM)のそれぞれに第9の位相偏移(例えばπ)を印加する。
この第9の位相偏移の印加を実現する手法としては、たとえば、第2の光導波路アーム部24bの長さを第1の光導波路アーム部24aよりも長く形成することによって実現できる。これにより、印加電圧が0の場合であっても、第9の位相偏移を行うことができる。また、この第9の位相偏移としては、例えば半波長位相遷移であることが好ましい。
(信号光が入射した場合の動作)
以上のような信号光の定義並びに強度偏波変調の原理の下、直線偏光の入力信号光を強度偏波変調部20に入射した場合の動作について、各工程に分解して説明する。
先ず、直線偏波信号光である入力信号光Sinは、光導波路22に入射される(図15に示すステップS101)<直線偏波信号光入射ステップないしは直線偏波信号光入射機能>。
入力信号光Sinは、図7に示すように、互いに直交する第1の方向(TEモード:電界ベクトルの振動方向)の偏波成分及び第2の方向(TMモード)の偏波成分を含む直線偏波信号光である。直線偏波信号光は、前記第1の方向及び前記第2の方向と異なる方向に直線偏波方向を有する。入力信号光Sinは、直線偏波であり、その偏波方向が第1の方向の偏波成分(TEモード)、および第2の方向の偏波成分(TMモード)に対して特定の角度θ(例えば45度など)の角度をなしている。
ここで、光変調装置のTEモード(第1の方向)とTMモード(第2の方向)の電気光学効果の比率は、例えば3対1等にて構成される。
光導波路入力部22cにて、第1の方向の偏波成分(TEモード)、第2の方向の偏波成分(TMモード)を含む直線偏波信号光が進行する(図15に示すステップS102)<直線偏波信号光進行ステップないしは直線偏波信号光進行機能>。
光導波路の分岐部22dにて、第1の方向の偏波成分(TEモード)、第2の方向の偏波成分(TMモード)を含む直線偏波信号光が、それぞれ分岐する(図15に示すステップS103)<直線偏波信号光分岐ステップないしは直線偏波信号光分岐機能>。
分岐した一方の第1の光導波路アーム部24aには、直線偏波信号光Sin―aが進行し、分岐した他方の第2の光導波路アーム部24bには、直線偏波信号光Sin―bが進行する。直線偏波信号光Sin―aは、第1の方向(TEモード)の偏波成分の信号光Sin(TE−a)、第2の方向(TMモード)の偏波成分の信号光Sin(TM−a)を含む。直線偏波信号光Sin―bは、第1の方向(TEモード)の偏波成分の信号光Sin(TE−b)、第2の方向(TMモード)の偏波成分の信号光Sin(TM−b)を含む。
第1の光導波路アーム部24aでは、入力信号Vinに基づく差動駆動信号SDによる電圧が印加されることにより、第1の方向での電気光学効果(第1の方向での電界ベクトルの大きさに基づく光の屈折率変化)により、前記直線偏波信号光の前記第1の方向の偏波成分(TEモード)が第1の位相シフト量φ(TE―a)にて位相シフトした第1の変調信号光S(TE―a)を生成する<第1の変調信号光生成ステップないしは第1の変調信号光生成機能>。
また、第1の光導波路アーム部24aでは、入力信号Vinに基づく差動駆動信号SDによる電圧が印加されることにより、第2の方向での電気光学効果(第2の方向での電界ベクトルの大きさに基づく光の屈折率変化)により、前記直線偏波信号光の前記第2の方向の偏波成分(TMモード)が第2の位相シフト量φ(TM―a)にて位相シフトした第2の変調信号光S(TM―a)を生成する<第2の変調信号光生成ステップないしは第2の変調信号光生成機能>。
すなわち、第1の光導波路アーム部24aにて、電圧が印加され、第1の方向の偏波成分(TEモード)は、第1の方向での電気光学効果により第1の位相シフト量φ(TE―a)にて位相シフトする。これにより、第1の変調信号光S(TE−a)が生成される。第2の方向の偏波成分(TMモード)は、第2の方向での電気光学効果により第2の位相シフト量φ(TM―a)にて位相シフトする。これにより、第1の変調信号光S(TE−a)と異なる位相の第2の変調信号光S(TM−a)が生成される。このため、第1の変調信号光S(TE−a)と第2の変調信号光S(TM−a)よりなる第1の偏波状態変調信号光Saが生成される(図15に示すステップS104a)<第1の偏波状態変調信号光生成ステップないしは第1の偏波状態変調信号光生成機能>。
第1の偏波状態変調信号光Saの第1の方向の偏波成分が第1の変調信号光S(TE−a)である。第1の偏波状態変調信号光Saの第2の方向の偏波成分が第2の変調信号光S(TM−a)である。
ここで、第1の方向と第2の方向の電気光学効果の比率が3対1である場合には、第2の位相シフト量φ(TM―a)は、第1の位相シフト量φ(TE―a)の3分の1となる。
具体的には、上述したように、入力信号Vinにて入力電圧Vを加えた場合、TEモードにおいては、TEモードの信号光の位相φ(TE―a)は、3π/4シフトする(図4参照)。入力電圧Vを加えた場合、TMモードにおいては、TMモードの信号光の位相シフト量は、TEモードの信号光の位相シフト量に比べて1/3であり、φ(TM―a)は、π/4シフトする。
入力信号Vinにて入力電圧−Vを加えた場合、TEモードにおいては、TEモードの信号光の位相φ(TE―a)は、―3π/4シフトする。入力電圧−Vを加えた場合、TMモードにおいては、TMモードの信号光の位相シフト量は、TEモードの信号光の位相シフト量に比べて1/3であり、φ(TM―a)は、―π/4シフトする。
従って、このステップS104aでは、第1の位相偏移印加制御を行うことができるといえる。この第1の位相偏移印加制御では、前記第1方向成分に第1の位相偏移を印加し前記第2方向成分に第2の位相偏移を印加する第1の状態(例えば図14(A)に示す状態)と、前記第1方向成分に第3の位相偏移を印加し前記第2方向成分に第4の位相偏移を印加する第2の状態(図14(B)に示す状態)と、位相偏移を印加しない第3の状態(例えば図14(C)に示す状態)、のいずれかを選択的に取る制御を行うことができる。
第2の光導波路アーム部24bでは、変調器制御信号である入力信号Vinに基づく差動駆動信号SDにより電圧が印加されることにより、第1の方向での電気光学係数により、前記第1の位相シフト量φ(TE―a)と逆符号の第3の位相シフト量φ(TE―b)にて、前記直線偏波信号光の前記第1の方向の偏波成分(TEモード)を位相シフトした第3の変調信号光S(TE―b)を生成する<第3の変調信号光生成ステップないしは第3の変調信号光生成機能>。
また、第2の光導波路アーム部24bでは、変調器制御信号である入力信号Vinに基づく差動駆動信号SDにより電圧が印加されることにより、第2の方向での電気光学効果とアームの超過長さ分の位相差(例えばπ)により、第4の位相シフト量φ(TM―b)にて、前記直線偏波信号光の前記第2の方向の偏波成分(TMモード)を位相シフトした第4の変調信号光S(TM―b)を生成する<第4の変調信号光生成ステップないしは第4の変調信号光生成機能>。
すなわち、第2の光導波路アーム部24bにて、電圧が印加され、第1の方向の偏波成分(TEモード)は、第1の方向での電気光学効果により第3の位相シフト量φ(TE―b)にて位相シフトする。これにより、第3の変調信号光S(TE−b)が生成される。第2の方向の偏波成分(TMモード)は、第2の方向での電気光学効果により第4の位相シフト量φ(TM―b)にて位相シフトする。これにより、第4の変調信号光S(TM−b)が生成される。このため、第3の変調信号光S(TE−b)と第4の変調信号光S(TM−b)よりなる第2の偏波状態変調信号光Sbが生成される(図8に示すステップS104b)<第2の偏波状態変調信号光生成ステップないしは第2の偏波状態変調信号光生成機能>。
第2の偏波状態変調信号光Sbの第1の方向の偏波成分が第3の変調信号光S(TE−b)である。第2の偏波状態変調信号光Sbの第2の方向の偏波成分が第4の変調信号光S(TM−b)である。
具体的には、上述したように、入力信号Vinにて印加電圧Vを加えた場合、TEモードにおいては、TEモードの信号光の位相φ(TE―b)は、−3π/4シフトする(図4参照)。印加電圧Vを加えた場合、TMモードにおいては、TMモードの信号光の位相シフト量は、TEモードの信号光の位相シフト量に比べて1/3であり、φ(TM―b)は、−π/4シフトする。
入力信号Vinにて印加電圧−Vを加えた場合、TEモードにおいては、TEモードの信号光の位相φ(TE―b)は、3π/4シフトする。印加電圧−Vを加えた場合、TMモードにおいては、TMモードの信号光の位相シフト量は、TEモードの信号光の位相シフト量に比べて1/3であり、φ(TM―b)は、π/4シフトする。
従って、このステップS104bでは、第2の位相偏移印加制御を行うことができるといえる。この第2の位相偏移印加制御では、前記第1方向成分に第5の位相偏移を印加し前記第2方向成分に第6の位相偏移を印加する第4の状態(例えば図14(D)に示す状態)と、前記第1方向成分に第7の位相偏移を印加し前記第2方向成分に第8の位相偏移を印加する第5の状態(例えば図14(E)に示す状態)と、前記第1方向成分及び前記第2方向成分のそれぞれに第9の位相偏移を印加する第6の状態(例えば図14(F)に示す状態)、のいずれかを選択的に取る制御を行うことができる。
第2の光導波路アーム部24a、24bが合流する合流部22eでは、前記第1の変調信号光S(TE―a)及び前記第3の変調信号光S(TE―b)を、前記第1の方向にて合成した第1の方向偏波成分強度偏波変調出力信号光<S(TE―a)+S(TE―b)>を生成する<第1の方向偏波成分強度偏波変調出力信号光生成ステップないしは第1の方向偏波成分強度偏波変調出力信号光生成機能>。
また、前記合流部22eでは、前記第2の変調信号光S(TM―a)及び前記第4の変調信号光S(TM―b)を前記第2の方向にて合成した、第1の方向偏波成分強度偏波変調出力信号光と同一位相の第2の方向偏波成分強度偏波変調出力信号光<S(TM―a)+S(TM―b)>を生成する<第2の方向偏波成分強度偏波変調出力信号光生成ステップないしは第2の方向偏波成分強度偏波変調出力信号光生成機能>。
すなわち、光導波路22の合流部22eでは、第1の変調信号光S(TE−a)と第2の変調信号光S(TM−a)よりなる第1の偏波状態変調信号光Saと、第3の変調信号光S(TE−b)と第4の変調信号光S(TM−b)よりなる第2の偏波状態変調信号光Sbと、がそれぞれの方向にて合成される。この結果、第1の方向偏波成分強度偏波変調出力信号光<S(TE―a)+S(TE―b)>と第2の方向偏波成分強度偏波変調出力信号光<S(TM―a)+S(TM―b)>よりなる前記強度偏波変調出力信号光Soutが生成されるということもできる(図15に示すステップS105)<強度偏波変調出力信号光生成ステップないしは強度偏波変調出力信号光生成機能>。
ここで、入力信号Vinにて電圧Vの場合と、入力信号Vinにて電圧―Vの場合では、偏波面方向が異なるように合成されることとなる。
具体的には、上述したように、各光導波路アーム部の長さの差による位相差を考慮しない場合であって、印加電圧Vを加えた場合、TEモードにおいては、位相φ(TE―a)は、3π/4シフトし、位相φ(TE―b)は、−3π/4シフトする。TMモードにおいては、位相φ(TM―a)は、π/4シフトし、位相φ(TM―b)は、−π/4シフトする。
そして、各光導波路アーム部の長さの差による位相差πを考慮すると、図4に示すように、結果として位相φ(TE―a)は、3π/4シフトし、位相φ(TE―b)は、π−3π/4=π/4シフトし、位相φ(TM―a)は、π/4シフトし、位相φ(TM―b)は、π−π/4=3π/4シフトする。この結果、出力信号光SoutのTEモード成分は、+√2sin(ωt)となり、出力信号光SoutのTMモード成分は、−√2sin(ωt)となる(図5参照)。
また、各光導波路アーム部の長さの差による位相差を考慮しない場合であって、印加電圧−Vを加えた場合、TEモードにおいては、位相φ(TE―a)は、―3π/4シフトし、位相φ(TE―b)は、3π/4シフトする。TMモードにおいては、位相φ(TM―a)は、―π/4シフトし、位相φ(TM―b)は、π/4シフトする。
そして、各光導波路アーム部の長さの差による位相差πを考慮すると、図4に示すように、結果として位相φ(TE―a)は、−3π/4シフトし、位相φ(TE―b)は、π+3π/4=−π/4シフトし、位相φ(TM―a)は、−π/4シフトし、位相φ(TM―b)は、π+π/4=−3π/4シフトする。この結果、出力信号光SoutのTEモード成分は、+√2sin(ωt)となり、TMモード成分は、+√2sin(ωt)となる(図5参照)。
このように、入力信号Vinにて入力電圧V、および入力電圧−Vの場合、出力信号光Soutの偏波状態は互いに直交する。すなわち、クロック信号Dの1/2周期で、振幅が±Vの正弦波を、本実施の形態の光変調装置に加えることによって、図3に示されるように、CSRZ変調と同時に、ビット毎に互いの偏波状態が直交する偏波変調を行い出力信号光Soutとして出力することができる。
これにより、光導波路出力部22fでは、前記第1の方向偏波成分強度変調信号光と前記第2の方向偏波成分強度変調信号光からなる前記強度偏波変調出力信号光Soutが進行する(図15に示すステップS106)<強度偏波変調出力信号光進行ステップないしは強度偏波変調出力信号光進行機能>。
そして、光導波路22より前記強度偏波変調出力信号光Soutが出力端より出射される(図15に示すステップS107)<強度偏波変調出力信号光出射ステップないしは強度偏波変調出力信号光出射機能>。
ここで、上記図4に示されるような位相シフト量及び位相シフト比率は、例えば温度やバイアス電圧などの各種パラメータを変化させたときに最適となるように決定することが好ましい。
(効果について)
以上のように本実施の形態によれば、入力光の第1方向成分、第2方向成分に各々位相偏移を印加する各状態を組み合わせることによって、一つの装置にて強度変調と同時に偏波変調を行うことができ、小型化、光損失の低減が図れる。
より具体的には、出力信号光の第1の方向の偏波成分と第2の方向の偏波成分による合成偏波面方向が、前記電圧に応じて変化する偏波状態であって、合成偏波面方向での振幅が入力信号光の振幅よりも大きくなるように、特定比率の位相シフト量を付与する変調器制御信号を供給することにより、一つの装置にて強度変調と同時に偏波変調を行うことができ、小型化、光損失の低減が図れる。
換言すれば、強度偏波変調手段の一例である強度偏波変調部により、一つの装置にて強度変調と同時に偏波変調を行うことができ、強度変調と偏波変調を一つの部材で実現でき、部材点数を削減して、装置の小型化が図れるとともに、接続損失などの光損失の低減が図れる。
すなわち、関連技術のように、強度変調装置と偏波変調装置とを用意する必要がなく接続不要となることから接続損失ないしは結合損失などの光損失を低減できる。また、1つのマッハツェンダー型変調器によって、強度変調及び偏波変調を同時に行うことができるので、回路規模が簡素化・小型化され、装置の小型化が図れる。さらには、強度偏波変調手段は、変調器駆動信号に基づいて駆動制御されるので、関連技術のように強度変調を制御するための信号、偏波変調を制御するための信号を各々設ける必要がなく、これらの余分な回路を削減でき、装置の小型化とともに回路の簡素化を図ることができ、変調処理における信号処理速度の高速化を図ることができる。
また、光変調装置を用いることによって、CSRZ変調と同時に、ビット毎に互いの偏波状態が直交する偏波変調をかけることができる。この場合、隣接ビット同士は互いに偏波状態が直交しているため、信号光に波長分散等の影響によって波形広がりが生じても、互いの干渉を低く抑えることができる。
すなわち、波長分散によるパルス幅が広がると、隣接するパルス間でパルスが重なり、符号の0と1を判別できなくなる恐れがあるが、隣接ビット同士の偏波状態が直交しているため、隣接するパルス間での干渉を低く抑え、高速通信を行うことができる。
さらに、変調方式として、CSRZ変調を用いることにより、周波数利用効率の向上が図れる。
また、本実施の形態の光変調装置では、入力信号光として直線偏波を用い、その偏波状態が光変調装置のTEモード(TE偏波)およびTMモード(TM偏波)に対して例えば45度などの角度をなすように入射する。これによって、信号光に強度変調をかけると同時に、信号光の偏波状態を変調することができる。特に、TEモードとTMモードの各電気光学効果の比率が、1対3、あるいは3対1であるとき、光変調装置は、CSRZ(Carrier Suppressed Return to Zero)変調と同時にビット毎に互いの偏波状態が直交する偏波変調をかけることができる。このように、光変調装置は、光変調装置におけるTEモード(TE偏波)とTMモード(TM偏波)の電気光学効果の差を利用して信号光のパルス整形(強度変調)と同時にビット毎の偏波変調を行うことができる。
また、前記入力信号光は、互いに直交する第1の方向及び第2の方向と異なる方向に直線偏波方向を有する直線偏波信号光にて構成されることが好ましい。この場合、強度偏波変調手段の一例である強度偏波変調部は、前記直線偏波信号光が入射された前記光導波路にて、前記直線偏波信号光の前記第1の方向の偏波成分及び前記第2の方向の偏波成分のそれぞれの方向における各電気光学効果に基づいて、前記第1の方向の偏波成分の位相を第1の位相シフト量にて位相シフトし、前記第2の方向の偏波成分の位相を前記第1の位相シフト量と異なる第2の位相シフト量にて位相シフトすることにより、時間的に隣り合うビットにおける偏波方向が異なるように偏波状態の変調を行うことができる。
このような強度偏波変調手段では、予め直線偏波信号光を光導波路に入射すると、電圧が印加された光導波路内では、直線偏波信号光の第1の方向の偏波成分は、第1の方向における電気光学効果により第1の位相シフト量だけ位相がシフトした信号光となる。また、第2の方向の偏波成分は、第2の方向における電気光学効果により第2の位相シフト量だけ位相がシフトした信号光となる。これにより、前記第1の方向の偏波成分及び前記第2の方向の偏波成分のそれぞれの位相シフト量が異なり、第1の方向と第2の方向という異なる偏光方向を有することから、時間的に隣り合うビットにおける偏波方向が異なるように偏波変調を行うことができる。
さらに、前記光導波路は、変調器駆動信号SDに基づいて電圧が印加される少なくとも2つの光導波路アーム部と、前記各光導波路アーム部が合流する合流部とを含む構成とすることが好ましい。この場合、前記強度偏波変調手段は、第1の変調信号光生成機能、第3の変調信号光生成機能、第1の方向偏波成分強度変調信号光生成機能を有することができる。
このような強度偏波変調手段の第1の変調信号光生成機能では、入力信号光が進行する一方の前記光導波路アーム部にて、一方の前記入力信号光の第1の方向の偏波成分の位相を第1の位相シフト量にて位相シフトする。第3の変調信号光生成機能では、前記入力信号光が進行する他方の前記光導波路アーム部にて、他方の前記入力信号光の第1の方向の偏波成分の位相を第3の位相シフト量にて位相シフトする。第1の方向偏波成分強度変調信号光生成機能では、前記合流部にて、各々位相シフトされた前記第1の変調信号光と前記第3の変調信号光が合成する。これにより、第1の方向の偏波成分の強度変調を行うことができる。
また、前記強度偏波変調手段は、第2の変調信号光生成機能と、第4の変調信号光生成機能と、第2の方向偏波成分強度偏波変調出力信号光生成機能とを有することができる。
このような強度偏波変調手段の第2の変調信号光生成機能では、前記入力信号光が進行する一方の前記光導波路アーム部にて、一方の前記入力信号光の第2の方向の偏波成分の位相を第2の位相シフト量にて位相シフトした前記第2の方向の偏波成分である第2の変調信号光を生成する。第4の変調信号光生成機能では、前記入力信号光が進行する他方の前記光導波路アーム部にて、他方の前記入力信号光の第2の方向の偏波成分の位相を第4の位相シフト量にて位相シフトした前記第2の方向の偏波成分である第4の変調信号光を生成する。第2の方向偏波成分強度偏波変調出力信号光生成機能では、前記合流部にて、各々位相シフトされた前記第1の変調信号光と前記第3の変調信号光が合成し、第2の方向偏波成分強度偏波変調出力信号光を生成する。これにより、第2の方向の偏波成分の強度変調を行うことができる。
また、強度偏波変調手段は、第1の変調信号光生成機能、第2の変調信号光生成機能、第3の変調信号光生成機能、第4の変調信号光生成機能、第1の方向偏波成分強度変調信号光生成機能、第2の方向偏波成分強度変調信号光生成機能を有することにより、前記第1の方向偏波成分強度変調信号光と前記第2の方向偏波成分強度変調信号光とにより前記強度偏波変調出力信号光を出力する。
このような強度偏波変調手段では、第1の方向と第2の方向との各々異なる方向での電気光学効果により、異なる位相シフト量で偏波方向の異なる信号を生成して偏波変調を行うと同時に、各前記光導波路アーム部毎によっても異なる位相シフト量の各信号光が合流部にて合流することにより、強度変調を行うことができる。
すなわち、電界ベクトルの方向が、一方の前記光導波路アーム部と他方の前記光導波路アーム部とで逆となり、互いに逆符号の位相となる。このため、合流部にて強度変調を行うことができる。この際、強度変調は、第1の方向、第2の方向のそれぞれについてなされる。
また、入力信号Vinは、少なくとも2つの光導波路アーム部に差動電圧を印加するとともに、第1の電圧Vと第2の電圧−Vとの間で変化する正弦波を含むことが好ましい。この場合、前記強度偏波変調手段は、前記正弦波に基づいて、前記入力信号光を時間的に隣り合うビットにおける偏波方向が異なるように偏波変調をし、かつ、搬送波抑圧ゼロ復帰信号を生成する搬送波抑圧ゼロ復帰変調を行うものであることが好ましい。
このような強度偏波変調手段では、入力信号Vinを第1の電圧Vと第2の電圧−Vとの間で変化する正弦波として差動電圧を印加することで、一方の光導波路アーム部には+Vの電圧を印加し、同時に他方の光導波路アーム部には−Vの電圧を印加することになる。これにより、搬送波抑圧ゼロ復帰変調(CS―RZ変調)とともに、偏波変調を同時に行うことができる。
さらに、前記強度偏波変調手段は、前記第1の方向での第1の方向電気光学効果と、前記第2の方向での第2の方向電気光学効果との比率に応じた前記位相シフト量にて、前記強度偏波変調出力信号光を生成することが好ましい。
このような強度偏波変調手段では、前記第1の方向での第1の方向電気光学効果と、前記第2の方向での第2の方向電気光学効果との比率を変更することで、第1の方向電気光学効果に起因する位相シフト量と、第2の方向電気光学効果に起因する位相シフト量との差を調整することができる。これにより、第1の方向での信号光の波形と第2の方向での信号光の波形との振幅の比、周期の比などを調整できる。
また、前記強度偏波変調手段は、前記第1の方向電気光学効果と前記第2の方向電気光学効果との比率を3対1として、前記強度偏波変調出力信号光を生成することが好ましい。
このような強度偏波変調手段では、前記第1の方向での電気光学効果に基づく第1の方向位相推移量と、前記第2の方向での電気光学効果に基づく第2の方向位相推移(シフト)量との比率が3対1である場合には、第1の方向電気光学効果に起因する位相シフト量は、第2の方向電気光学効果に起因する位相シフト量の3倍となる。この際、第1の方向電気光学効果に起因する位相シフト量が(3π/4)で、第2の方向電気光学効果に起因する位相シフト量が(π/4)であると、強度変調しやすく、かつ、合流部にて合成された第1の方向での信号光と、第2の方向での信号光との位相が同一となり、偏波面方向が電圧に応じて異なるように形成する際に都合がよく、時間的に隣り合うビットにおける偏波方向が異なるように偏波変調を行うのに好都合となる。
さらに、前記強度偏波変調手段は、前記直線偏波信号光の直線偏波方向と、前記第1の方向又は前記第2の方向とのなす角度に応じて、前記強度偏波変調出力信号光を生成することが好ましい。このような強度偏波変調手段では、直線偏波方向と第1の方向とのなす角度を変更することで、第1の方向での信号光と第2の方向での信号光の振幅の比を調整することができる。
また、前記強度偏波変調手段は、前記直線偏波信号光の直線偏波方向と、前記第1の方向又は前記第2の方向とのなす角度を45度として、前記強度偏波変調出力信号光を生成することが好ましい。このような強度偏波変調手段では、直線偏波信号光の第1の方向の偏波成分の振幅と、直線偏波信号光の第2の方向の偏波成分の振幅とを同じに形成することができる。
さらに、光変調装置は、クロック信号に基づいて、前記強度偏波変調手段を駆動制御する変調器制御信号を生成制御する変調器駆動制御手段を有することができる。このような、前記強度偏波変調手段を駆動制御する変調器駆動制御手段により、強度変調及び偏波変調を一つの変調器駆動制御手段によって駆動制御することができる。すなわち、関連技術のように、強度変調装置用の駆動回路、偏波変調装置用の駆動回路をそれぞれ設ける必要がなく、回路規模の小型化、処理速度の高速化を図ることができる。
ここで、本実施の形態では、TE偏波、TM偏波の偏波方向に対して45度の角度の直線偏波方向を有する直線偏波信号光を入射し、信号光が光導波路内を進行中に、TE偏波成分及びTM偏波成分に適正な位相差を付与するように制御して、時間軸方向における偏波状態の適正な制御を行うことができる。
また、光変調装置は、マッハツェンダ干渉計(MZI)を電極で駆動するため、広帯域特性を得やすい、波長チャープが小さい、波長依存性がないなどの効果を有する。
さらに、RZ符号の中でもCS−RZ符号を生成する光変調装置の場合には、信号光の位相をパルス毎に0、πと交番することにより、スペクトラム広がりを抑圧し、周波数利用効率を2倍にできる。
また、前記第1の位相偏移印加手段は、第1の実施の形態に示されるように、前記第1の位相偏移と前記第2の位相偏移とを一定の条件の下に特定される異なる比率となるように印加すると共に、前記第3の位相遷移と前記第4の位相遷移とを前記比率と同一の比率となるように印加することが好ましい。
さらにまた、前記第1の位相偏移印加手段は、前記比率を、出力光の前記第1方向成分と前記第2方向成分による合成偏波面方向が、前記第1の状態及び第2の状態に応じて変化する偏波状態であって、かつ、前記合成偏波面方向での振幅が少なくとも前記入力光の振幅よりも大きくなるように、各位相偏移を印加するものである。
この場合、さらに、前記第1の位相偏移印加手段は、前記比率を、前記第1の方向での第1の電気光学係数と、前記第2の方向での第2の電気光学係数とに対応するようにして、各位相遷移を印加するものである。
本実施の形態では、前記第1の位相偏移印加手段は、前記比率を3対1とするようにして、各位相遷移を印加するようにしている。
さらに、前記第1の位相偏移印加手段は、前記比率を、出力光の前記第1方向成分と前記第2方向成分との位相差が0近傍又はπ近傍となるようにして、各位相遷移を印加するものであるということもできる。
また、前記制御信号が、少なくとも2つの光導波路アーム部に差動電圧を印加可能な正弦波を含む場合には、前記制御手段は、前記正弦波に基づいて、前記入力光を時間的に隣り合うビットにおける偏波方向が異なるように偏波変調をし、かつ、搬送波抑圧ゼロ復帰信号を生成する搬送波抑圧ゼロ復帰変調を行う制御をすることができる。
さらに、前記制御手段は、前記入力光の偏波方向と、前記第1の方向又は前記第2の方向とのなす角度に応じた各位相偏移を印加することもできる。
また、上記の説明において、上述した各ステップの動作内容及び各部の構成要素をプログラム化し、コンピュータに実行させてもよい。すなわち、前述した各制御動作にあって、その各構成部分が実行する前述した各ステップにあっては、その実行内容を、各々の機能としてプログラム化し、コンピュータに実行させるように構成してもよい。
このようにしても、前述した各ステップにおける処理内容と同等の処理をコンピュータにて実行処理することができ、これによって、光変調制御方法の場合と同一の目的を効率良く達成することができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明にかかる第2の実施の形態について、図16に基づいて説明する。以下には、前記第1の実施の形態の実質的に同様の構成に関しては説明を省略し、異なる部分についてのみ述べる。図16は、本発明の第2の実施の形態による光変調装置において、強度偏波変調部の信号光の位相と入力電圧との相関関係の一例を示す説明図である。
上述の第1の実施の形態では、第1の方向での位相シフト量と、第2の方向での位相シフト量との位相シフト比率が、3対1の場合を例に説明したが、本実施の形態においては、6対1の場合の例を開示している。
具体的には、本実施の形態の光変調装置の強度偏波変調部においては、図16に示すように、入力電圧がVの場合に、信号光S(TE−a)の第1の位相シフト量φ(TE−a)が、+6π/4となっており、信号光S(TM−a)の第2の位相シフト量φ(TE−a)の+π/4の6倍となっている。
すなわち、電圧印加のみによる第1の方向、第2の方向での各々の位相シフト量が6対1となっている。
このような場合であっても、上記第1の実施の形態のように、強度変調を行うことができる。図17(A)に示すように、一方の光導波路アームにて入力信号光(TE)に対して+6π/4位相シフトした信号光S(TE―a)と、他方の光導波路アーム部にて入力信号光(TE)に対してπ―(6π/4)位相シフトした信号光S(TE−b)とが、合波することで、信号光S(TE−a)+S(TE−b)が生成される。
この信号光S(TE−a)+S(TE−b)は、入力信号光(TE)に対して振幅が増大したものとなる。
また、図17(B)に示すように、一方の光導波路アームにて入力信号光(TM)に対して+π/4位相シフトした信号光S(TM―a)と、他方の光導波路アーム部にて入力信号光(TE)に対してπ―(π/4)位相シフトした信号光S(TM−b)とが、合波することで、信号光S(TM−a)+S(TM−b)が生成される。
この信号光S(TM−a)+S(TM−b)は、入力信号光(TM)に対して振幅が増大したものとなる。
このため、信号光S(TE−a)+S(TE−b)と信号光S(TM−a)+S(TM−b)とが合成されると、偏波面方向は、図17に示すように、信号光S(V)の方向を向くことになる。この信号光S(V)の偏波面方向は、入力信号光の偏波面方向と異なる方向を向いた状態となっている。
また、入力電圧が−Vの場合も、詳細な説明は省略するが、同様にして強度変調された信号光S(TE−a)+S(TE−b)と信号光S(TM−a)+S(TM−b)とが合成され、この信号光S(V)の偏波面方向と異なる方向を向くことになる。このようにして偏波変調が行われる。
以上のように本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏しながらも、同一電圧による第1の方向での位相シフト量と第2の方向での位相シフト量との位相シフト比率が6対1となるように設定した場合であっても、強度偏波変調を行うことができる。
その他の構成およびその他のステップ並びにその作用効果については、前述した第1の実施の形態の場合と同一となっている。
[第3の実施の形態]
次に、本発明にかかる第3の実施の形態について、図19に基づいて説明する。以下には、前記第1の実施の形態の実質的に同様の構成に関しては説明を省略し、異なる部分についてのみ述べる。図19は、本発明の第3の実施の形態による光変調装置において、強度偏波変調部の信号光の位相と入力電圧との相関関係の一例を示す説明図である。
上述の第1の実施の形態では、第1の方向での位相シフト量と、第2の方向での位相シフト量との位相シフト比率が、3対1の場合を例に説明し、第2の実施の形態では、6対1の場合を説明したが、本実施の形態においては、3m対1(ただし、mは1以上の自然数で4の倍数でないもの)の場合の例を開示している。
具体的には、本実施の形態の光変調装置の強度偏波変調部においては、図19に示すように、入力電圧がVの場合に、信号光S(TE−a)の第1の位相シフト量φ(TE−a)が、+3mπ/4となっており、信号光S(TM−a)の第2の位相シフト量φ(TE−a)の+π/4の3m倍となっている。
すなわち、電圧印加のみによる第1の方向、第2の方向での各々の位相シフト量が3m対1となっている。
m=1の場合は、前記第1の実施の形態の例であり、m=2の場合は、前記第2の実施の形態の例である。
m=3以上で、mが4の倍数以外では、入力電圧がVの場合、一方の光導波路アームにて入力信号光(TE)に対して+3mπ/4位相シフトした信号光S(TE―a)と、他方の光導波路アーム部にて入力信号光(TE)に対してπ―(3mπ/4)位相シフトした信号光S(TE−b)とが、合波することで、信号光S(TE−a)+S(TE−b)が生成される。
この信号光S(TE−a)+S(TE−b)は、入力信号光(TE)に対して振幅が増大して強度変調される。
また、TMの場合は、前記第1の実施の形態と同様となっているので説明を省略する。さらに、入力電圧が−Vの場合は、入力電圧Vの場合と同様に強度変調がなされるので説明を省略する。
例えば、m=3の場合は、図20に示すような位相シフト量となる。この結果、例えば電圧がVの場合には、図21(A)(B)に示すように、前記実施の形態と同様に、振幅が増大した信号光S(TE−a)+S(TE−b)、信号光S(TM−a)+S(TM−b)が生成される。電圧−Vの場合も同様にして生成されるので説明は省略する。
また、m=3の場合と同様にして、m=5の場合は、図22に示すような位相シフト量となる。この結果、例えば電圧がVの場合には、図23(A)(B)に示すように、前記実施の形態と同様に、振幅が増大した信号光S(TE−a)+S(TE−b)、信号光S(TE−a)+S(TE−b)が生成される。電圧−Vの場合も同様にして生成されるので説明は省略する。
ここで、mが4の倍数の場合には、信号光S(TE―a)の位相φ(TE−a)と、信号光S(TE―b)の位相φ(TE−b)との位相差がπとなるため、お互いに打ち消しあって強度変調は行われない。
このため、mが4の倍数でないとき、第1の方向での位相シフト量と、第2の方向での位相シフト量との位相シフト比率が、3m対1の場合であっても、前記第1、第2の実施の形態と同様に強度偏波変調を行うことができる。
ここで、前記第1の位相偏移印加手段は、前記比率を3m対1(mは自然数)とするようにして、各位相遷移を印加するということもできる。さらに、前記第1の位相偏移印加手段は、前記比率を1対3m(mは自然数)とするようにして、各位相遷移を印加するようにしてもよい。
その他の構成およびその他のステップ並びにその作用効果については、前述した第1の実施の形態の場合と同一となっている。
[第4の実施の形態]
次に、本発明にかかる第4の実施の形態について、図24に基づいて説明する。以下には、前記第1の実施の形態の実質的に同様の構成に関しては説明を省略し、異なる部分についてのみ述べる。図24は、本発明の第4の実施の形態による光変調装置において、強度偏波変調部の信号光の位相と入力電圧との相関関係の一例を示す説明図である。
上述の第1の実施の形態では、第1の方向での位相シフト量と、第2の方向での位相シフト量との位相シフト比率が、3対1の場合を例に説明したが、本実施の形態においては、1対3の場合の例を開示している。
具体的には、本実施の形態の光変調装置の強度偏波変調部においては、図24に示すように、入力電圧がVの場合に、信号光S(TE−a)の第1の位相シフト量φ(TE−a)が、+π/4となっており、信号光S(TM−a)の第2の位相シフト量φ(TE−a)の+3π/4の1/3倍となっている。
すなわち、電圧印加のみによる第1の方向、第2の方向での各々の位相シフト量が1対3となっている。
このような場合であっても、上記第1の実施の形態のように、強度変調を行うことができる。図25(A)に示すように、一方の光導波路アームにて入力信号光(TE)に対して+π/4位相シフトした信号光S(TE―a)と、他方の光導波路アーム部にて入力信号光(TE)に対してπ―(π/4)位相シフトした信号光S(TE−b)とが、合波することで、信号光S(TE−a)+S(TE−b)が生成される。
この信号光S(TE−a)+S(TE−b)は、入力信号光(TE)に対して振幅が増大して強度変調されたことを意味する。
また、図25(B)に示すように、一方の光導波路アームにて入力信号光(TM)に対して+3π/4位相シフトした信号光S(TM―a)と、他方の光導波路アーム部にて入力信号光(TE)に対してπ―(3π/4)位相シフトした信号光S(TM−b)とが、合波することで、信号光S(TM−a)+S(TM−b)が生成される。
この信号光S(TM−a)+S(TM−b)は、入力信号光(TM)に対して振幅が増大して強度変調されたことを意味する。
このため、信号光S(TE−a)+S(TE−b)と信号光S(TM−a)+S(TM−b)とが合成されると、偏波面方向は、特定の信号光S(V)の方向を向くことになる。
また、入力電圧が−Vの場合も、詳細な説明は省略するが、同様にして強度変調された信号光S(TE−a)+S(TE−b)と信号光S(TM−a)+S(TM−b)とが合成され、信号光S(−V)が、信号光S(V)の偏波面方向と異なる方向を向くことになる。このようにして偏波変調が行われる。
以上のように本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏しながらも、同一電圧による第1の方向での位相シフト量と第2の方向での位相シフト量との位相シフト比率が1対3となるように設定した場合であっても、強度偏波変調を行うことができる。
ここで、前記第1の位相偏移印加手段は、前記比率を1対3とするようにして、各位相遷移を印加するものであるということもできる。
その他の構成およびその他のステップ並びにその作用効果については、前述した第1の実施の形態の場合と同一となっている。
[第5の実施の形態]
次に、本発明にかかる第5の実施の形態について、図26に基づいて説明する。以下には、前記第1の実施の形態の実質的に同様の構成に関しては説明を省略し、異なる部分についてのみ述べる。図26は、本発明の第5の実施の形態による光変調装置において、位相シフト比率が変化した場合に、強度偏波変調部にて強度偏波変調された信号光の偏波面方向が変化する様子を説明するための説明図である。
上述の第1の実施の形態では、第1の方向での位相シフト量と、第2の方向での位相シフト量との位相シフト比率が、3対1の場合を例に説明したが、本実施の形態においては、厳密な3対1ではなく、例えば(2.5〜3.5)対1となるように幅を持たせた場合でも、ある程度強度偏波変調が可能となる場合の例を開示している。
具体的には、本実施の形態の光変調装置の強度偏波変調部においては、第1の方向での位相シフト量と、第2の方向での位相シフト量との位相シフト比率が、3対1から例えば2.5対1程度に変化させた場合、又は、3対1から例えば3.5対1程度に変化させた場合、図21に示すように、入力電圧Vによる出力信号光S(V)の偏波面方向と、入力電圧−Vによる出力信号光S(−V)の偏波面方向とのなす角度θが変動する。
例えば、図26では、2.5対1に変化させると、符号S(V)の偏波面が、符号S2(V)の偏波面方向に変化し、符号S(−V)の偏波面が、符号S2(−V)の偏波面方向に変化する。例えば、角度θが90度から80度程度に変化する。
逆に、図26では、3.5対1に変化させると、符号S(V)の偏波面が、符号S1(V)の偏波面方向に変化し、符号S(−V)の偏波面が、符号S1(−V)の偏波面方向に変化する。例えば、角度θが90度から110度程度に変化する。
このため、位相シフト比率を3対1に制限せず、例えば2.5対1や3.5対1などに変更した場合であっても、第1の電圧(V)による偏波面と、第2の電圧(−V)による偏波面とをそれぞれ異なる方向に向くようにすることができる。従って、前記位相シフト比率は、厳密な3対1に制限されるものではない。
本実施の形態では、位相シフト比率が、厳密な3対1に制限されない例について説明したが、逆の1対3の場合であっても、厳密な1対3に制限されるものではない。
以上のように本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏しながらも、同一電圧による第1の方向での位相シフト量と第2の方向での位相シフト量との位相シフト比率が、厳密な3対1或いは1対3ではない場合であっても、強度偏波変調を行うことができる。
ここで、前記第1の位相偏移印加手段は、前記比率を2.5対1乃至3.5対1とするようにして、各位相遷移を印加することができるということができる。
その他の構成およびその他のステップ並びにその作用効果については、前述した第1の実施の形態の場合と同一となっている。
[第6の実施の形態]
次に、本発明にかかる第6の実施の形態について、図27に基づいて説明する。以下には、前記第1の実施の形態の実質的に同様の構成に関しては説明を省略し、異なる部分についてのみ述べる。図27は、本発明の第6の実施の形態による光変調装置の概要を説明するための説明図である。
上述の第1の実施の形態では、入力信号光が直線偏波の場合の例を示したが、本実施の形態では、入力信号光が円偏波の場合を示している。
具体的には、本実施の形態の光変調装置の強度偏波変調部においては、図26に示すように、入力信号光Sinは、第1の方向の偏波成分(TEモード)と第2の方向の偏波成分(TMモード)とが予め(π/2)だけ位相差をもつ円偏波にて形成されている。
このような入力信号光Sinが入力された場合には、強度偏波変調部20による出力信号光Soutは、第1の電圧による第1偏波面方向を有する成分と、第2の電圧による第2偏波面方向を有する成分とが(π/2)だけ位相差をもつ状態となる。他は、前記第1の実施の形態同様である。
図28には、上述のような入力信号光が入力された場合において、強度偏波変調部の信号光の位相と入力電圧との相関関係の一例が示されている。
入力信号光Sinは、第1の方向の偏波成分(TEモード)と第2の方向の偏波成分(TMモード)とが予め(π/2)だけ位相差をもつため、図28に示すように、TEモードに関係する位相にはすべて(π/2)がプラスされる。
具体的には、入力電圧がVの場合、信号光S(TE−a)の第1の位相シフト量φ(TE−a)は、(π/2)+(3π/4)となり、信号光S(TE−b)の第3の位相シフト量φ(TE−b)は、(π/2)+π−(3π/4)となる。
入力電圧が0の場合、信号光S(TE−a)の第1の位相シフト量φ(TE−a)は、(π/2)となり、信号光S(TE−b)の第3の位相シフト量φ(TE−b)は、(π/2)+πとなる。
入力電圧が−Vの場合、信号光S(TE−a)の第1の位相シフト量φ(TE−a)は、(π/2)−(3π/4)となり、信号光S(TE−b)の第3の位相シフト量φ(TE−b)は、(π/2)+π+(3π/4)となる。
TEモードに関係する位相は、前記第1の実施の形態と同様となっている。
このような場合において、入力電圧がVの場合には、信号光S(TE−a)の第1の位相シフト量φ(TE−a)は、(π/2)+(3π/4)となり、信号光S(TE−b)の第3の位相シフト量φ(TE−b)は、(π/2)+π−(3π/4)となっており、上記第1の実施の形態のように、強度変調を行うことができる。
このため、信号光S(TE−a)+S(TE−b)と信号光S(TM−a)+S(TM−b)とが合成されると、偏波面方向は、特定の信号光S(V)の方向を向くことになる。
また、入力電圧が−Vの場合も、詳細な説明は省略するが、同様にして強度変調された信号光S(TE−a)+S(TE−b)と信号光S(TM−a)+S(TM−b)とが合成され、信号光S(−V)が、信号光S(V)の偏波面方向と異なる方向を向くことになる。このようにして偏波変調が行われる。
以上のように本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏しながらも、入力信号光として円偏波を用いた場合であっても、強度偏波変調を行うことができる。
その他の構成およびその他のステップ並びにその作用効果については、前述した第1の実施の形態の場合と同一となっている。
[第7の実施の形態]
次に、本発明にかかる第7の実施の形態について、図29に基づいて説明する。以下には、前記第1の実施の形態の実質的に同様の構成に関しては説明を省略し、異なる部分についてのみ述べる。図29は、本発明の光変調装置の第7の実施の形態の一例を示すブロック図である。
本実施の形態では、強度偏波機能を搭載した光変調装置を、マッハツェンダー型光変調器の他の種々の変調器に適用した一例を開示している。
具体的には、図29に示すように、本実施の形態の光変調装置は、予め分岐している第1、第2の光導波路アーム部22a、22bに各々信号光Sinを入射する構成としている。このような構成とすることによっても、前記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
その他の構成およびその他のステップ並びにその作用効果については、前述した第1の実施の形態の場合と同一となっている。
[第8の実施の形態]
次に、本発明にかかる第8の実施の形態について、図30に基づいて説明する。以下には、前記第1の実施の形態の実質的に同様の構成に関しては説明を省略し、異なる部分についてのみ述べる。図30は、本発明の光変調装置を通信装置の一例である光送信装置に適用した第8の実施の形態の一例を示すブロック図である。
本実施の形態では、上述の第1の実施の形態の強度偏波変調機能を搭載した光変調装置を用いた通信装置例えば光送信装置などの一例を開示している。
具体的には、光送信装置100は、光ファイバなどに接続して光送信を行うものであり、図30に示すように、上述の第1の実施の形態と同様の構成である強度偏波変調部104と、光源部102と、データDに応じた変調を行う変調部108と、位相変調部106を備えている。
ここで、強度偏波変調部104は、前記第1の実施の形態の強度偏波変調器モジュールとして構成することもできるし、強度偏波変調部として構成することもできる。
光源部102から出射された信号光は、変調部108によりデータDに応じた変調を行うと、位相変調部106により、信号のビットレート周波数に相当するビットレート周波数正弦波などに基づいて位相変調される。
そして、位相変調部106により位相変調された信号光は、強度偏波変調部105により、CS−RZ変調方式で強度変調されると同時に、時間的に隣り合うビットが偏波に関して直交するように偏波変調される。
以上のように本実施の形態によれば、信号光上へビットレート周波数に相当する繰り返し波で信号光を位相変調することで、自己位相変調効果と群速度分散との相互作用による波形劣化を抑圧することができる。これに加えて、強度偏波変調により、隣接ビットとの干渉を避けることができるとともに、波形劣化の抑圧をさらに高めることができる。そして、このような効果を実現するための回路構成をより簡素化、小型化を図ることができ、高い性能を維持しつつ小型化を図ることができる。
また、強度変調装置と偏波変調装置を個別に用意する必要もなく、強度変調装置と偏波変調装置とを接続する必要もないことから接続損失ないしは結合損失などの光損失を低減できる。
さらに、通信装置において、強度変調装置と偏波変調装置とを併設した場合には、通信装置内における強度変調装置の光導波路と偏波変調装置の光導波路とにより光路長が長くなるなどによる総導波損失を含む種々の光損失が生じる可能性が高い。これに対して本実施の形態の通信装置では、強度変調及び偏波変調を行う場合に、一つの強度偏波変調部の光導波路にて構成できることから、前記接続損失ないしは結合損失に加えて、光送信装置内における光路長が長くなるなどによる総導波損失を含む種々の光損失を低減できる。
その他の構成およびその他のステップ並びにその作用効果については、前述した第1の実施の形態の場合と同一となっている。
[第9の実施の形態]
次に、本発明にかかる第9の実施の形態について、図31に基づいて説明する。以下には、前記第1の実施の形態の実質的に同様の構成に関しては説明を省略し、異なる部分についてのみ述べる。図31は、本発明の光変調装置を通信装置に適用した第9の実施の形態の一例を示すブロック図である。
本実施の形態では、上述の第1の実施の形態の強度偏波変調機能を搭載した光変調装置を用いた通信装置例えば光送信装置の一例を開示している。
具体的には、光送信装置200は、光ファイバなどに接続して光送信を行うものであり、図31に示すように、上述の第1の実施の形態と同様の構成である光変調装置である強度偏波変調部204と、光源部202と、データDに応じた変調を行う変調部207と、位相変調部206と、光増幅部208a・208b・208cを備えている。
ここで、強度偏波変調部204は、前記第1の実施の形態の強度偏波変調器モジュールとして構成することもできるし、強度偏波変調部として構成することもできる。
一般に1つの光変調装置を通過すると信号光は、損失を受ける。このため、多数の光変調装置を直列又は並列的に接続して用いることは、適切な信号対雑音比を維持するのが難しい。そのため、光送信装置(光伝送システム)は、図30に示すように、各光変調装置を信号光が通過する際の損失を補償するため、光源部202と変調部207との間、変調部207と位相変調部206との間、位相変調部206と強度偏波変調部204との間の全てまたはいずれか1箇所に光増幅部208a、208b、208cを設けている。このようにすることにより、多段の光変調装置の通過による信号対雑音比の劣化を防ぐことが可能となる。
その他の構成およびその他のステップ並びにその作用効果については、前述した第1の実施の形態の場合と同一となっている。
(各種変形例)
また、本発明にかかる装置及び方法は、そのいくつかの特定の実施の形態に従って説明してきたが、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく本発明の本文に記述した実施の形態に対して種々の変形が可能である。
例えば、上述の各実施の形態では、光変調装置の基板の電気光学部材、電気光学結晶材料(強誘電体)としては、LiNbOとしたが、これに限らず、LiTaO、KDP(KHPO)、ADP(NHPO)、DKDP(KDPO)、KTP(KTiOPO)、GaAs、GaPなどで構成した光変調装置であってもよい。また、光変調装置の光導波路は、ポリマー、ポリイミド樹脂などの樹脂部材、Ti、Si、ガラスなどが挙げられる。
さらに、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。すなわち、上記実施の形態では、光導波路アーム部が2個の場合を示したが、これらの個数は制限されるものではなく、複数個形成される場合であってもよい。
さらにまた、上述の実施の形態では、電極を2つ含む構成としたが、3以上構成してもよい。例えば、各光導波路アーム部の第1、第2の電極に加えて、各光導波路アーム部に第3、第4の電極を構成してもよい。この際、バイアス調整部(バイアス調整電極)を構成する場合であってもよい。
またさらに、第1の電極、第2の電極を差動動作型ドライバで駆動する場合に限らず、第1の電極に電圧を印加する第1のドライバ、第2の電極に電圧を印加する第2のドライバを用意して2つのドライバで駆動する場合であってもよい。加えて、駆動を行う場合、差動信号を入力するデュアル駆動に限らず、シングル駆動であってもよい。また、変調器制御信号である入力信号Vinとして正弦波を用いる場合を説明したが、他の方形波、矩形波その他の入力波形を有する信号などであってもよい。
また、上述の実施の形態では、位相シフト比率を3:1、1:3、3m:1(mは4の倍数を除く自然数)、1:3m、略2.5:1〜略3.5:1などについて説明したが、これに限定されるものではない。
すなわち、出力信号光のTE偏波成分〔S(TE−a)+S(TE−b)〕とTM偏波成分〔S(TM−a)+S(TM−b)〕との位相差が、0近傍又はπ近傍となる第1条件を満たすようなもの(位相シフト比率及び位相シフト量)であれば、他の位相シフト比率、位相シフト量であっても構わない。この場合、位相シフト比率に対応する電気光学係数を有する電気光学結晶が何であるかは問わない。
加えて、入力信号光Sinの振幅より大きい信号光S(TE−a)+S(TE−b)、S(TM−a)+S(TM−b)の振幅を得るためには、
〔(4k―1)/2〕≦〔φ(TE―a)−φ(TE―b)〕≦〔(4k+1)/2〕、
〔(4k―1)/2〕≦〔φ(TM―a)−φ(TM―b)〕≦〔(4k+1)/2〕、
ただし、kは、自然数
となる第2条件を満たすようなもの(位相シフト比率及び位相シフト量)であれば、他の位相シフト比率、位相シフト量であっても構わない。この第2条件は、TMとTEの双方の条件を満たすのが好ましいが、いずれか一方のみの条件を満たす場合であってもよい。
さらに加えて、同一電圧下において、φ(TE―a)≠φ(TM―a)、φ(TE―b)≠φ(TM―b)となる第3条件を満たすようなもの(位相シフト比率及び位相シフト量)であれば、他の位相シフト比率、位相シフト量であっても構わない。
ここにおいて、位相シフト比率、位相シフト量に関する条件として、前記第1条件のみであってもよいし、第1条件に第2条件を加えた条件であってもよいし、第1条件に第2条件、第3条件を加えた条件であってもよい。
例えば、図4に示す電圧に応じた位相の値は、他の種々の値に変更することができる。具体的には、電圧Vのときの位相φ(TE―a)、φ(TE―b)、φ(TM―a)、φ(TM―b)は、それぞれ、+3π/2、π−(3π/2)、π/2、π−(π/2)としてもよい。
さらに、電圧Vのときの位相φ(TE―a)、φ(TE―b)、φ(TM―a)、φ(TM―b)は、+2π/3、π−(2π/3)、π/3、π−(2π/3)としてもよい。
また、電圧Vのときの位相φ(TE―a)、φ(TE―b)、φ(TM―a)、φ(TM―b)は、+π/2、π−(π/2)、π/2、π−(π/2)としてもよい。
さらにまた、電圧Vのときの位相φ(TE―a)、φ(TE―b)、φ(TM―a)、φ(TM―b)は、+12π/9、π−(12π/9)、4π/9、π−(4π/9)としてもよい。
また、図18の例では、位相シフト量の特定比率を3m:1とした場合、分母が4であるために、mは4の倍数を除く条件としたが、分母が他の数値である場合には、mは、その他の数値の倍数を除く条件とする場合であってもよい。
さらに、略2.5:1〜略3.5:1に限らず、1:略2.5:1〜1:略3.5であってもよい。
さらに、光変調装置を駆動する変調器駆動制御部と光変調装置本体(強度偏波変調部)とを集積したドライバ集積型の光変調装置として構成してもよい。さらにまた、光変調装置と光源部とを集積した変調器集積光源として構成してもよい。この場合、幹線系中継器として用いることもできる。さらに、光変調装置を備えた集積装置(光モジュール装置)として構成することもできる。また、光集積回路の一部として構成してよい。光集積回路にて、複数の強度偏波変調部を多層構造に積層しても構わない。
さらにまた、光変調装置は、相異なる長さの第1の光導波路アーム部、第2の光導波路アーム部を有する非対称形マッハツェンダー変調器であってもよい。
加えて、変調器は、電気光学効果を利用した屈折率変化形変調器であって、強度変調及び偏波変調が可能な構成であれば、マッハツェンダ型光変調装置に限らず、他の種々の形式の光導波路を有する光変調装置であってもよい。
またさらに、光導波路に電圧を印加することで電界を形成し、電気光学効果部材の屈折率を変化させることで、位相シフトを行う構成としたが、光導波路の上面と下面に対向する形式で2つの電極を形成し、各電極間を流れる電流に応じて各電極間の光導波路電極領域部を加熱することによって該光導波路電極領域部の屈折率を変化させ(熱光学効果)、該光導波路電極領域部を伝搬する入力信号光の位相を変化させる構成であってもよい。
また、CSRZ信号[搬送波抑圧ゼロ復帰信号]となるCSRZ変調では、信号レベルは、シングルビット期間Tの1ビットに対応する1と、次のシングルビット期間Tの別の1ビットに対応する―1との間で変化する場合であってもよい。また、このようなCSRZ変調に限らず、他の種々の変調方式であってもよい。例えば、RZ変調では、1ビットの信号レベルは、シングルビット期間Tに亘って1と0の間で変化する。
ここで、変調方式としては、RZ(Return to Zero)信号[ゼロ復帰信号]を用いたRZ変調方式、NRZ(Non Return to Zero)信号[非ゼロ復帰信号]を用いた変調方式、両極RZ方式などを用いる場合であってもよい。
さらに、TEモードとTMモードとの各電気光学効果の比率は、TEモード対TMモードの比(第1の方向での電気光学係数と第2の方向での電気光学係数の比率)がm:nである場合に限らず、逆のn:mであってもよい。この際、強度偏波変調手段は、第1の方向での電気光学効果と第2の方向での電気光学効果の比率m:nに応じた各方向での位相シフト量に基づいて、強度偏波変調出力信号光を生成することができる。加えて、強度偏波変調手段は、第1の方向での電気光学効果と第2の方向での電気光学効果の比率n:mに応じた各方向での位相シフト量に基づいて、強度偏波変調出力信号光を生成することができる。
上述の第1の実施の形態では、偏波保存ファイバを用いて直線偏波信号光を入力信号光として入力する場合を例に挙げたが、直線偏光に限らず、円偏光、楕円偏光の状態にある(第1の方向と第2の方向の各偏波成分に既に位相差が生じている)信号光を入力信号光として用いた場合であってもよい。この場合も、前記位相差を予め考慮して、前記強度偏波変調出力信号光の前記第1の方向の偏波成分と、前記第2の方向の偏波成分の位相が同一となるように、第1、第2の光導波路アーム部の長さを設定するとともに、特定比率の位相シフト量を与えるようにすればよい。
また、強度偏波変調器モジュールは、CS―RZ(搬送波抑圧ゼロ復帰)信号などの特定パターンの波形のパルスを生成するためのクロック信号CLを生成する不図示の信号生成手段としての信号生成部を備えてもよい。この場合、変調器駆動制御部は、信号生成部のクロック信号CLに基づいて、強度偏波変調部に必要な電圧である変調器駆動信号に変換し強度偏波変調部の駆動制御を変調器駆動信号を供給することで行う。この場合において、光変調装置は、モジュール化して構成される場合、光変調装置本体である強度偏波変調部と、信号生成部と、変調器駆動制御部と、直線偏波生成部と、光源部とで構成することもできる(第6モジュール光変調器)。
ここで、上述のいずれかのモジュール化して構成された光変調装置は、各部の一部又は全部を回路基板上の複数のユニットとして構成することもできるし、同一半導体プロセスにて製造可能な一体化した光集積回路として構成することもできる。この際、光源部は、例えば半導体レーザにて構成することもできる。また、入力信号光としての直線偏波信号光を生成する場合に、直線偏波保持部としての偏波保存ファイバの前段に形成される直線偏波生成部は、光源部、強度偏波変調部と独立して構成することもできる。また、偏波保存ファイバを用いない場合には、直線偏波生成部は、強度偏波変調部内の光導波路上に構成することもできるし、光源部の一例である半導体レーザ自体に(直線)偏波制御機能を備えた構成とすることもできる。
上述の実施の形態の強度偏波機能を搭載した光変調装置を用いた通信装置例えば光送信装置において、複数の強度偏波変調部と、これらの各強度偏波変調部に各々異なる波長の信号光を供給するための可変波長光源部と、各強度偏波変調部からの信号光を結合する結合部と、結合部にて結合された信号光を増幅する増幅部と、を含んで構成してもよい。可変波長光源部は、例えばCバンド(1530〜1565nm)やLバンド(1565〜1610nm)をカバーする広帯域の可変波長光源であり、CバンドもしくはLバンドの波長を出力可能となっている。
ここで、強度偏波変調部は、前記第1の実施の形態の強度偏波変調器モジュールとして構成することもできるし、強度偏波変調部として構成することもできる。
結合部は、波長選択結合部(WSC:Wavelength selective Coupler)や波長分割多重部(WDM:Wavelength division multiplexer)などを含む。
このような構成の光送信装置によれば、電磁波の振動方向に対して水平と垂直という2つの偏光状態を使って異なる信号を多重することができる。このため、偏光の直交性を使った偏光多重通信により、隣り合う波長チャネルを異なる方向に組み合わせることで、WDMの多重度を2倍に高めることができ、伝送容量の増大に寄与できる。
すなわち、伝送容量の増大には、WDMの単位波長あたりの高ビットレート化とともに、高密度多重による波長多重数の増大を行うとよいが、波長のみによる多重であると限界を有する。ここで、偏光多重WDM信号光を用いることで、隣り合う波長チャネルを異なる方向に組み合わせることで、WDMの多重度を高めることができる。
この際、受信側では、信号光の偏光変動に対して自動追随する自動偏光制御装置と偏光分離素子とを備えた通信装置を用いることが好ましい。これにより、所望のチャネルだけを分離することが可能となる。
このような光伝送システムの光送信装置にて、上述の光変調装置を採用することによって、変調時の波長変動が小さく長距離伝送が可能となる。特に、波長依存性がないことからWDM(Wavelength Division Multiplex)向けの光送信装置には好都合となり、異なる波長の複数の信号光を一本の光ファイバに多重化して伝送する波長分割多重(Wavelength Division Multiplex:WDM)方式による伝送容量の拡大を図ることができる。このため、光ファイバを伝送媒体として大容量データを高ビットレートで伝送することのできる通信装置を提供できる。
通信装置の一例である光送信装置は、上述のいずれかの複数の光変調装置と、各前記光変調装置に各入力信号光を供給する複数の波長可変光源部と、入力データ信号に基づいて、各前記光変調装置を各々駆動する各変調器駆動信号SDを各前記光変調装置に供給する一又は複数の変調器駆動制御部と、各前記光変調装置の各出力信号光を多重化する多重化部と、を含むものである。
このような光送信装置では、上述のような強度変調機能と偏波変調機能とを併せ持つ光変調装置を、波長多重化可能な通信装置に複数構成する場合には、部材点数を削減でき、装置ないしは回路規模の小型化、簡素化を図ることができる。また、偏波直交多重により伝送容量の増大を図ることができる。
また、前記実施の形態の光通信用の通信装置に用いられる可変波長光源部としては、Cバンド、Lバンドの波長を出力可能とする構成に限らず、他の波長領域、例えば、Oバンド、Eバンド、Sバンド、S+バンド、L+バンドなど種々の広帯域用の光源であってもかまわない。これにより、「強度変調及び偏波変調を同時に実施可能な光変調装置」を通信装置に搭載することによって、種々の広帯域光通信における通信装置としても利用することができる。
さらに、通信装置の一例である光送信装置は、上述のいずれかの実施の形態の光変調装置と、前記光変調装置に入力信号光を供給する光源部と、入力データ信号に基づいて、前記光変調装置を駆動する変調器駆動信号SDを前記光変調装置に供給する変調器駆動制御部と、を含むものであってもよい。
また、通信装置として光送信装置を例に挙げたが、光受信装置であってもよい。この場合、光受信装置に種々の用途に応じて光変調装置を搭載しても構わない。この光受信装置は、前記光送信装置から送信された信号光を受光して復調することができる。さらに、上述のいずれかの光変調装置を含む光送信装置と、光受信装置と、この光送信装置と光受信装置との間を接続するための光ファイバとを含む光伝送システムを構成することもできる。
また、光変調装置は、光源からの信号光を前記直線偏波信号光に変換する直線偏波生成手段としての直線偏波生成部をさらに有することが好ましい。このような光変調装置では、直線偏波生成部により、比較的簡単に前記直線偏波信号光を生成できる。直線偏波生成部としては、偏光子、ファラデー回転子、光アイソレータなどが挙げられる。
さらに、前記直線偏波生成手段は、前記入力信号光を出射する光源部と光変調装置本体との間に形成されることが好ましい。これにより、光変調装置本体と直線偏波生成手段とを別体的に構成することにより、光変調装置を製造する際の製造工程のプロセスの簡素化を行うことができる。
また、前記直線偏波生成手段は、各前記光導波路アーム部、各前記光導波路アーム部が分岐する分岐部、各前記光導波路アーム部が分岐する前の光導波路の入射部、のうちのいずれかに形成されることが好ましい。これにより、光変調装置本体と直線偏波生成手段とを一体的に構成することにより、光変調器モジュールを構成する際に、部材点数が削減できるとともに、該モジュールの小型化を図ることができる。
また、光変調装置が適用できる電子機器としては、通信装置に限らず、波長分散補償器(可変波長分散補償器)、偏波コントローラ、偏波測定装置、偏波状態発生装置などを含めることができる。
さらに、上述のような各実施の形態における光変調装置の第2の基本的構成として、以下のようにまとめることもできる。
すなわち、光変調装置(例えば図2に示す符号1)は、光導波路に変調器制御信号(例えば図2に示す符号Vin)に基づく電圧を印加し、入力信号光(例えば図2に示す符号Sin)を前記光導波路に入射して電気光学効果により前記入力信号光を光変調するものである。
光変調装置は、その基本的構成として、強度偏波変調手段(例えば図2に示す符号20)と、変調器駆動制御手段(例えば図2に示す符号14)とを含む。
この強度偏波変調手段は、互いに直交する第1の方向及び第2の方向と異なる方向に偏波面方向を有する入力信号光が光導波路に入力され、前記光導波路に電圧が印加されることで前記入力信号光を強度変調および偏波変調するものである。
また、強度偏波変調手段は、前記変調器制御信号に基づいて、前記入力信号光を強度変調するとともに、前記入力信号光を偏波変調した強度偏波変調出力信号光(例えば図2に示す符号Sout)を生成する。
前記変調器駆動制御手段は、前記入力信号光の前記第1の方向の偏波成分と前記第2の方向の偏波成分とに特定比率の位相シフト量を与えるための電圧を供給する変調器制御信号に基づいて、前記強度偏波変調手段を駆動制御するものである。
また、前記変調器駆動制御手段は、前記強度偏波変調手段にて出力する出力信号光の前記第1の方向の偏波成分と前記第2の方向の偏波成分による合成偏波面方向が、前記電圧に応じて変化する偏波状態であって、かつ、前記合成偏波面方向での振幅が少なくとも前記入力信号光の振幅よりも大きくなるように、前記特定比率の位相シフト量を付与する変調器制御信号を供給することができる。
ここにおいて、前記入力信号光は、互いに直交する第1の方向(例えば図7に示すTE)及び第2の方向(例えば図7に示すTM)と異なる方向に直線偏波方向(例えば図7)を有する直線偏波信号光とすることが好ましい。
この場合、前記強度偏波変調手段は、前記直線偏波信号光が入射された前記光導波路にて、前記直線偏波信号光の前記第1の方向の偏波成分及び前記第2の方向の偏波成分のそれぞれの方向における異方性結晶の各電気光学係数に応じた位相シフト量にて位相シフトを行う。
ここで、光導波路は、前記変調器制御信号に基づいて電圧が印加される互いに異なる長さの少なくとも2つの光導波路アーム部(例えば図3、図6に示す符号22a、22b)を含む。また、前記光導波路は、前記各光導波路アーム部が合流する合流部(例えば図3、図6に示す符号22e)を含む。
さらに、前記変調器駆動制御手段は、少なくとも第1の電圧を供給する期間と、前記第1の電圧と異なる第2の電圧を供給する期間を含む変調器制御信号を生成することが好ましい。
この場合、前記強度偏波変調手段は、前記変調器制御信号に基づいて、前記第1の電圧又は前記第2の電圧が供給される期間に、前記入力信号光が進行する一方の前記光導波路アーム部にて、一方の前記入力信号光の第1の方向の偏波成分(例えば図6に示すSin(TE―a))の位相を、第1の位相シフト量(例えば図4に示すφ(TE―a))にて位相シフトした第1の変調信号光(例えば図6に示すS(TE−a))を生成する。
また、前記強度偏波変調手段は、前記変調器制御信号に基づいて、前記第1の電圧又は前記第2の電圧が供給される期間に、前記入力信号光が進行する一方の前記光導波路アーム部にて、一方の前記入力信号光の第2の方向の偏波成分(例えば図6に示すSin(TM―a))の位相を、前記第1の位相シフト量と異なり前記異方性結晶部の電気光学係数に応じた第2の位相シフト量(例えば図4に示すφ(TM―a))にて位相シフトした第2の変調信号光(例えば図6に示すS(TM−a))を生成する。
一方、前記強度偏波変調手段は、前記変調器制御信号に基づいて、前記第1の電圧又は前記第2の電圧が供給される期間に、前記一方の前記光導波路アーム部より長い他方の前記光導波路アーム部にて、他方の前記入力信号光の第1の方向の偏波成分(例えば図6に示すSin(TE―b))の位相を、前記第1の位相シフト量と正負が逆の位相シフト量に前記光導波路アーム部の異なる長さ分の位相シフト量を加えた位相シフト量(例えば図4に示すφ(TE―b))であって、前記第2の位相シフト量と同一の位相シフト量にて位相シフトした第3の変調信号光(例えば図6に示すS(TE−b))を生成する。
さらに、前記強度偏波変調手段は、前記変調器制御信号に基づいて、前記第1の電圧又は前記第2の電圧が供給される期間に、前記入力信号光が進行する他方の前記光導波路アーム部にて、他方の前記入力信号光の第2の方向の偏波成分(例えば図6に示すSin(TM―b))の位相を、前記第2の位相シフト量と正負が逆の位相シフト量に前記光導波路アーム部の異なる長さ分の位相シフト量を加えた位相シフト量(例えば図4に示すφ(TM―b))であって、前記第1の位相シフト量と同一の位相シフト量にて位相シフトした第4の変調信号光(例えば図6に示すS(TM−b))を生成する。
このようにして、前記強度偏波変調手段は、前記第1の電圧又は前記第2の電圧が供給される期間に、前記合流部にて、各々位相シフトされた前記第1の変調信号光と前記第3の変調信号光が合成した第1の方向偏波成分強度偏波変調出力信号光(例えば図6に示すS(TE―a)+S(TE―b))を生成することができる。
さらに、前記強度偏波変調手段は、前記第1の電圧又は前記第2の電圧が供給される期間に、前記合流部にて、各々位相シフトされた前記第2の変調信号光と前記第4の変調信号光が合成し、前記第1の方向偏波成分強度偏波変調出力信号光と同一位相の第2の方向偏波成分強度偏波変調出力信号光(例えば図6に示すS(TM―a)+S(TM―b)を生成することができる。
ここで、前記強度偏波変調手段は、前記第1の電圧が供給される期間の前記第1の方向偏波成分強度偏波変調出力信号光及び前記第2の方向偏波成分強度偏波変調出力信号光と、前記第2の電圧が供給される期間の前記第1の方向偏波成分強度偏波変調出力信号光及び前記第2の方向偏波成分強度偏波変調出力信号光とをそれぞれ生成することができる。
従って、前記強度偏波変調手段は、前記第1の方向偏波成分強度偏波変調出力信号光と前記第2の方向偏波成分強度偏波変調出力信号光とによる合成偏波面方向が、前記第1の電圧と前記第2の電圧とで異なる方向を向く偏波状態となる強度偏波変調出力信号光を生成することができる。
このように、光変調装置では、入力信号光として直線偏波を用い、その偏波状態が第1の方向及び第2の方向に対して特定の角度をなすように入射する。これによって、第1の方向の偏波成分の電気光学効果と、第2の方向の偏波成分の電気光学効果との差を利用して、信号光に強度変調をかけると同時に信号光の偏波状態を変調することができる。この結果、光変調装置は、強度変調と偏波変調とを行うことができる単一の装置として構成できる。また、時間的に隣り合うビットにおける偏波方向が異なるように偏波状態の変調を行うことができる。
(プログラム)
ここで、上述した実施の形態における光変調装置において、光変調器本体に互いに異なる第1の電圧と第2の電圧とを供給する変調器制御信号(例えば入力信号Vin)に基づく電圧を印加し、前記光変調器本体に入射する入力信号光を強度変調するとともに偏波変調を行う光変調器本体を駆動制御する制御装置としての変調器駆動制御部が実行する情報処理内容を予めプログラム化し、これを制御装置が実行するようにしてもよい。
或いは、制御装置に装備したコンピュータが実行するようにしてもよい。このようにしても、上述した変調器駆動制御部と同様に機能することができる。
この場合、光変調制御プログラムは、互いに直交する第1及び第2の方向の各々の成分である第1及び第2方向成分を有する入力光を光変調器本体に入力して、前記入力光を光変調する前記光変調器本体を制御する制御装置が備えているコンピュータに実行させるものである。
この光制御プログラムは、第1の位相偏移印加機能(例えば図2に示す符号15a)と、第2の位相偏移印加機能(例えば図2に示す符号15b)とを含む機能をコンピュータに実行させるものである。
第1の位相偏移印加機能では、前記第1方向成分に第1の位相偏移を印加し前記第2方向成分に第2の位相偏移を印加する第1の状態(図14(A))と、前記第1方向成分に第3の位相偏移を印加し前記第2方向成分に第4の位相偏移を印加する第2の状態(図14(B))と、位相偏移を印加しない第3の状態(図14(C))、のいずれかを選択的に取ることができる。
第2の位相偏移印加機能では、前記第1方向成分に第5の位相偏移を印加し前記第2方向成分に第6の位相偏移を印加する第4の状態(図14(D))と、前記第1方向成分に第7の位相偏移を印加し前記第2方向成分に第8の位相偏移を印加する第5の状態(図14(E))と、前記第1方向成分及び前記第2方向成分のそれぞれに第9の位相偏移を印加する第6の状態(図14(F))、のいずれかを選択的に取ることができる。
さらに、他の形態における光変調制御プログラムは、光変調装置を駆動制御する制御装置が備えているコンピュータに実行させるものであって、変調器駆動制御機能を前記コンピュータに実行させるものである。
変調器駆動制御機能は、前記光変調器本体に、互いに直交する第1の方向及び第2の方向と異なる方向に偏波方向を有する前記入力信号光を入射する際に、変調器制御信号を供給する。
また、変調器駆動制御機能は、出力信号光の前記第1の方向の偏波成分と前記第2の方向の偏波成分による合成偏波面方向が、前記第1の電圧と前記第2の電圧とで異なる方向を向く偏波状態であって、かつ、前記合成偏波面方向での振幅が前記入力信号光の振幅よりも大きくなるように、前記入力信号光の前記第1の方向の偏波成分と前記第2の方向の偏波成分とに特定比率の位相シフト量を付与する変調器制御信号を供給する。
さらに、他の形態における光変調制御プログラムは、光変調装置を駆動制御する制御装置が備えているコンピュータに実行させるものであって、基本的構成として、前記光変調装置の光導波路に含まれる少なくとも2つの光導波路アーム部に差動電圧を印加するための変調器駆動信号を生成制御する変調器駆動信号生成制御機能(例えば図2に示す符号15a)と、互いに直交する第1の方向及び前記第2の方向と異なる方向に直線偏波方向を有する直線偏波信号光が進行する前記光導波路に、前記変調器駆動信号を供給する変調器駆動信号供給制御機能(例えば図2に示す符号15b)と、前記光変調装置が、前記直線偏波信号光を強度変調するとともに時間的に隣り合うビットにおける偏波方向が異なる偏波変調を行う強度偏波変調信号光を生成するように制御する強度偏波変調信号光生成制御機能(例えば図2に示す符号15c)とを前記コンピュータに実行させることもできる。
また、光変調制御プログラムは、光変調装置を駆動制御する制御装置が実行可能なものであって、前記光変調装置の光導波路に含まれる少なくとも2つの光導波路アーム部(例えば図3に示す符号22a、22b)に、差動電圧を印加する変調器駆動信号SDを生成制御する変調器駆動信号生成制御機能(例えば図2に示す符号15a)として前記制御装置を機能させるようにしてもよい。前記変調器駆動信号生成制御機能により、互いに直交する第1の方向及び前記第2の方向と異なる方向に直線偏波方向を有する直線偏波信号光が進行する前記光導波路に、変調器駆動信号SDを供給し、前記光変調装置を、前記直線偏波信号光を強度変調するとともに時間的に隣り合うビットにおける偏波方向が異なる偏波変調を行う強度偏波変調信号光を生成するように制御することができる。
さらに、光変調装置の各部が光集積回路として構成された場合には、その光集積回路が有する機能と同様の機能をプログラム化し、コンピュータに実行させるようにしてもよい。このようにしても、上述した光変調装置と同様に機能することができる。
ここでいう「機能」は、例えば、強度偏波変調機能、変調器駆動信号生成制御機能、直線偏波生成機能、などが挙げられる。この場合、光変調制御プログラムは、コンピュータが実行可能なものであって、コンピュータに、変調器駆動信号に基づいて、入力信号光を強度変調するとともに、前記入力信号光を偏波変調した強度偏波変調出力信号光を生成する強度偏波変調機能を含む機能を実行させることができる。
強度偏波変調機能は、前記第1の実施の形態の動作説明にて説明された前記直線偏波信号光入射機能、直線偏波信号光進行機能、直線偏波信号光分岐機能、第1の変調信号光生成機能、第2の変調信号光生成機能、第1の偏波状態変調信号光生成機能、第3の変調信号光生成機能、第4の変調信号光生成機能、第2の偏波状態変調信号光生成機能、第1の方向偏波成分強度偏波変調出力信号光生成機能、第2の方向偏波成分強度偏波変調出力信号光生成機能、強度偏波変調出力信号光生成機能、強度偏波変調出力信号光進行機能、強度偏波変調出力信号光出謝機能、などを含むことができる。
また、変調器駆動信号生成制御機能は、光変調装置の光導波路に含まれる少なくとも2つの光導波路アーム部に、差動電圧を印加する変調器駆動信号を生成制御する。また、変調器駆動信号生成制御機能では、互いに直交する第1の方向及び前記第2の方向と異なる方向に直線偏波方向を有する直線偏波信号光が進行する前記光導波路に、前記変調器駆動信号を供給し、前記光変調装置が、前記直線偏波信号光を強度変調するとともに時間的に隣り合うビットにおける偏波方向が異なる偏波変調を行う強度偏波変調信号光を生成するように制御することができる。
また、光変調制御プログラムは、光変調器本体に互いに異なる第1の電圧と第2の電圧とが交互に繰り返される変調器制御信号に基づく電圧を印加し、前記光変調器本体に入射する入力信号光を強度変調するとともに偏波変調する強度偏波変調信号光を生成する光変調器本体を駆動制御する制御装置が備えているコンピュータに実行させることができる。
この場合、光変調制御プログラムの変調器駆動制御機能は、前記光変調器本体に、互いに直交する第1の方向及び第2の方向と異なる方向に直線偏波方向を有する直線偏波信号光を前記入力信号光として入射する際に、前記変調器制御信号に基づいて前記直線偏波信号光を強度変調する。
また、変調器駆動制御機能は、前記第1の方向の偏波成分及び前記第2の方向の偏波成分のそれぞれの方向における異方性結晶の各電気光学係数に基づく位相シフトを許容しつつ、前記強度偏波変調出力信号光の前記第1の方向の偏波成分と、前記第2の方向の偏波成分の位相が同一となり、前記第1の方向の偏波成分と前記第2の方向の偏波成分による合成偏波面方向が、前記第1の電圧と前記第2の電圧とで異なる方向を向く偏波状態となるように変調器駆動信号を供給することができる。
また、変調器駆動制御機能は、前記合成偏波面方向での振幅が前記入力信号光の振幅よりも大きくなるように、前記特定比率の位相シフト量を付与する変調器制御信号を供給することができる。
このようなプログラムによれば、当該プログラムを格納するROM等の記憶媒体から、当該プログラムをコンピュータ(CPU)に読み込んで実行させれば、或いは、当該プログラムを、通信手段を介してコンピュータにダウンロードさせた後に実行させれば、上述した本発明に係る装置を比較的簡単に実現できる。
また、プログラムは、一次複製品、二次複製品などの複製段階については問わない。プログラムの供給方法として通信回線を利用して行なう場合であれば、通信回線が伝送媒体となってプログラムが利用されることになる。
また、実施の形態において示されるステップは、記載された手順に従って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理を含むものである。また、実装では、実施の形態に例示した手順(ステップ)が実行される順序を一部変更した手順、一部除去した手順とすることもできる。さらに、必要に応じて、説明した特定の手順(ステップ)と、他の手順とを組み合わした手順(ステップ)として追加、または再配置することができる。
さらに、光変調装置の各手段、各部、各機能、各ステップの手順の機能などのプログラムの全機能のうち一部の機能をハードウエアで処理し、全機能のうちさらに他の機能をソフトウエアで処理するようにしてもよい。専用のハードウエアの場合、各部を集積回路にて形成されてもよい。これらは個別に1チップ化されても良いし、一部または全部を含むように1チップ化されても良い。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能の集積化を行ってもよい。この際、これらの機能がハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現でき、いずれかに限定されるものではない。従って、各機能は、プログラムにより機能化されたコンピュータをプログラムの機能と共に説明したものと解釈することも出来るし、また、固有のハードウエアにより恒久的に機能化された複数の電子回路ブロックからなる装置とも解釈することが出来ることは、当然である。
例えば、前記第1の実施の形態では、変調器駆動制御部のハードウエア構成は、図3に示す分周器と、差動型ドライバと、これらを制御するCPUとメモリを含むコントロール回路部とにより構成することができる。そして、プログラムの制御によってCPUが発揮する複数の機能を、それぞれ構成要素として表現すると、図2に示す変調器駆動信号生成制御機能15aと、変調器駆動信号供給制御機能15bと、強度偏波変調信号光生成制御機能15cとして表現することができる。変調器駆動制御部に備えられているCPU(コンピュータ)がプログラムによって実行されている動的状態(プログラムを構成する各手順を実行している状態)を機能表現した場合、変調器駆動制御部内に各機能が構成されることになる。これらの機能は、メモリに記憶されたプログラムとして実現してもよいし、専用の他の電子回路ブロックにより実現してもよい。図2の強度偏波変調部の各機能についても同様である。
また、「入力信号光を偏波変調し、かつ、入力信号光を強度変調した強度偏波変調出力信号光を生成する」手法は、必ずしも実体のある装置に限られる必要はなく、その方法としても機能することは容易に理解できる。このため、方法にかかる発明も、必ずしも実体のある装置に限らず、その方法としても有効であることに相違はない。この場合、方法を実現するための一例として光変調装置、光変調モジュール、光集積回路、通信装置なども含めることができる。また、装置における従属請求項は、方法,プログラムにおいて従属請求項に対応した構成にすることも可能である。
ところで、このような光変調装置は、単独で存在する場合もあるし、ある機器(例えば光送信装置などの通信装置)に組み込まれた状態で利用されることもあるなど、発明の思想としてはこれに限らず、各種の態様を含むものである。従って、ソフトウェアであったりハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。発明の思想の具現化例として制御装置を含めた光変調装置がソフトウェア構成となる場合には、かかるソフトウェアを記憶した記録上においても当然に存在し、利用されるといわざるをえない。これにより、プログラムは、情報記録媒体に記録してプログラムを提供することができる。
さらに、一部がソフトウェアであって、一部がハードウェアで実現されている場合であってもよく、一部を記憶媒体上に記憶しておいて必要に応じて適宜読み込まれるような形態のものとしてあってもよい。
さらにまた、上記各実施の形態には種々の段階が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。つまり、上述の各実施の形態同士、あるいはそれらのいずれかと各変形例のいずれかとの組み合わせによる例をも実施の形態として含めることができる。
そして、各実施の形態及びそれらの変形例を含むこれまでの記述は、本発明の理解を容易にするために、本発明の多様な実施の形態のうちの一例の開示、すなわち、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、例証するものであり、制限するものではなく、適宜変形及び/又は変更が可能である。
本発明は、通信装置における光変調装置といった用途に適用できる。
本発明の光変調装置を光送信装置に適用した第1の実施の形態の全体の概略構成の一例を示すブロック図である。 図1の光送信装置の詳細構成の一例を示すブロック図である。 図2の光送信装置の強度偏波変調部及び変調器駆動制御部の詳細構成の一例を示す構成図である。 図3の光送信装置の強度偏波変調部の信号光の位相と入力電圧との相関関係の一例を示す説明図である。 図3の光送信装置の強度偏波変調部の信号光と入力電圧との相関関係の一例を示す説明図である。 図3の光送信装置の強度偏波変調部における信号光を説明するための説明図である。 図3の光送信装置の強度偏波変調部の光導波路に入射される直線偏波信号光の偏光方向を説明するための説明図である。 図3の光送信装置の強度偏波変調部での入力電圧に応じた信号光の状態を説明するための説明図であり、同図(A)は、入力電圧0でのTEモード成分の信号光の状態を示し、同図(B)は、入力電圧0でのTMモード成分の信号光の状態を示す。 図3の光送信装置の強度偏波変調部での入力電圧に応じた信号光の状態を説明するための説明図であり、同図(A)は、入力電圧VでのTEモード成分の信号光の状態を示し、同図(B)は、入力電圧VでのTMモード成分の信号光の状態を示す。 図3の光送信装置の強度偏波変調部での入力電圧に応じた信号光の状態を説明するための説明図であり、同図(A)は、入力電圧−VでのTEモード成分の信号光の状態を示し、同図(B)は、入力電圧−VでのTMモード成分の信号光の状態を示す。 図3の光送信装置の強度偏波変調部にて強度偏波変調された信号光の偏波面方向を説明するための説明図であり、同図(A)は、入力電圧Vでの偏波面方向を示し、同図(B)は、入力電圧−Vでの偏波面方向を示す。 図3の光送信装置の強度偏波変調部にて強度偏波変調された信号光の状態を説明するための説明図である。 CS―RZ変調による信号光の状態を説明するための説明図である。 本発明の第1の実施の形態による光送信装置における各位相偏移の状態を説明する説明図であって、同図(A)は第1の状態を示し、同図(B)は第2の状態を示し、同図(C)は第3の状態を示し、同図(D)は第4の状態を示し、同図(E)は第5の状態を示し、同図(F)は第6の状態を示す。 本発明の第1の実施の形態による光送信装置に含まれる光変調装置の動作状態を説明するための状態説明図である。 本発明の第2の実施の形態による光変調装置において、強度偏波変調部の信号光の位相と入力電圧との相関関係の一例を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態による光変調装置において、強度偏波変調部での信号光の状態を説明するための説明図であり、同図(A)は、入力電圧VでのTEモード成分の信号光の状態を示し、同図(B)は、入力電圧VでのTMモード成分の信号光の状態を示す。 本発明の第2の実施の形態による光変調装置において、強度偏波変調部にて強度偏波変調された信号光の入力電圧Vでの偏波面方向を示す説明図である。 本発明の第3の実施の形態による光変調装置において、強度偏波変調部の信号光の位相と入力電圧との相関関係の一例を示す説明図である。 本発明の第3の実施の形態による光変調装置において、強度偏波変調部の信号光の位相と入力電圧との相関関係の一例を示す説明図である。 本発明の第3の実施の形態による光変調装置において、強度偏波変調部での信号光の状態を説明するための説明図であり、同図(A)は、入力電圧VでのTEモード成分の信号光の状態を示し、同図(B)は、入力電圧VでのTMモード成分の信号光の状態を示す。 本発明の第3の実施の形態による光変調装置において、強度偏波変調部の信号光の位相と入力電圧との相関関係の一例を示す説明図である。 本発明の第3の実施の形態による光変調装置において、強度偏波変調部での信号光の状態を説明するための説明図であり、同図(A)は、入力電圧VでのTEモード成分の信号光の状態を示し、同図(B)は、入力電圧VでのTMモード成分の信号光の状態を示す。 本発明の第4の実施の形態による光変調装置において、強度偏波変調部の信号光の位相と入力電圧との相関関係の一例を示す説明図である。 本発明の第4の実施の形態による光変調装置において、強度偏波変調部での信号光の状態を説明するための説明図であり、同図(A)は、入力電圧VでのTEモード成分の信号光の状態を示し、同図(B)は、入力電圧VでのTMモード成分の信号光の状態を示す。 本発明の第5の実施の形態による光変調装置において、位相シフト比率が変化した場合に、強度偏波変調部にて強度偏波変調された信号光の偏波面方向が変化する様子を説明するための説明図である。 本発明の第6の実施の形態による光変調装置の概要を説明するための説明図である。 本発明の第6の実施の形態による光変調装置において、強度偏波変調部の信号光の位相と入力電圧との相関関係の一例を示す説明図である。 本発明の第7の実施の形態による光変調装置の概略構成の一例を示す平面図である。 本発明の光変調装置を光送信装置に適用した第8の実施の形態の全体の概略構成の一例を示すブロック図である。 本発明の光変調装置を光送信装置に適用した第9の実施の形態の全体の概略構成の一例を示すブロック図である。 関連技術の光送信装置の全体の概略構成の一例を示すブロック図である。
符号の説明
1 光送信装置
2 光源部
4 強度偏波変調器モジュール(光変調装置)
14 変調器駆動制御部
14a 分周器
14b 差動型ドライバ
15a 第1の位相偏移印加手段
15b 第2の位相偏移印加手段
16 直線偏光生成部
20 強度偏波変調部
21 基板
22 光導波路
22a 第1の光導波路アーム部
22b 第2の光導波路アーム部
22c 光導波路入力部
22d 分岐部
22e 合流部
22f 光導波路出力部
24a 第1の電極
24b 第2の電極
100、200、300 光送信装置
Sin 入力信号光
Sout 出力信号光(強度偏波変調出力信号光)
CL クロック信号
Vin 入力信号
DL 差動駆動信号
DL1 駆動信号
DL2 駆動信号

Claims (13)

  1. 互いに直交する第1及び第2の方向の各々の成分である第1及び第2方向成分を有する入力光が入力される光変調装置であって、
    前記第1方向成分に第1の位相偏移を印加し前記第2方向成分に第2の位相偏移を印加する第1の状態と、前記第1方向成分に第3の位相偏移を印加し前記第2方向成分に第4の位相偏移を印加する第2の状態と、位相偏移を印加しない第3の状態、のいずれかを選択的に取る第1の位相偏移印加手段と、
    前記第1方向成分に第5の位相偏移を印加し前記第2方向成分に第6の位相偏移を印加する第4の状態と、前記第1方向成分に第7の位相偏移を印加し前記第2方向成分に第8の位相偏移を印加する第5の状態と、前記第1方向成分及び前記第2方向成分のそれぞれに第9の位相偏移を印加する第6の状態、のいずれかを選択的に取る第2の位相偏移印加手段と、
    前記第1の状態と前記第4の状態とを合波する第1合波状態、前記第2の状態と前記第5の状態とを合波する第2合波状態、前記第3の状態と前記第6の状態を合波する第3合波状態、のいずれかを生成する合波生成手段と、
    を含み、
    前記第1の位相偏移印加手段は、
    前記第1の位相偏移と前記第2の位相偏移とを一定の条件の下に特定される第1比率となるように印加し、
    前記第3の位相偏移を前記第1の位相偏移に対して異なる極性とし、前記第4の位相偏移を前記第2の位相偏移に対して異なる極性とし、前記第3の位相遷移と前記第4の位相遷移とを前記第1比率と同一の比率となるように印加し、
    前記第2の位相偏移印加手段は、
    前記第5の位相偏移と前記第9の位相偏移との第1の差と、前記第6の位相偏移と前記第9の位相偏移との第2の差との比率を、前記第1比率と同一となるように印加し、
    前記第7の位相偏移と前記第9の位相偏移との第3の差を前記第1の差と異なる極性とし、前記第8の位相偏移と前記第9の位相偏移との第4の差を前記第2の差と異なる極性とし、前記第3の差と前記第4の差とを前記第1比率と同一の比率となるように印加することを特徴とする光変調装置。
  2. 請求項1に記載の光変調装置において、
    前記第1及び第2の位相偏移印加手段は、
    前記比率を、前記第1合波状態での前記第1方向成分と前記第2方向成分との第1合成面方向と、前記第2合波状態での前記第1方向成分と前記第2方向成分との第2合波面方向とが異なる状態であって、前記第1合成面方向の振幅と前記第2合成面方向の振幅とが前記入力光の振幅よりも大きくなるように、各位相偏移を印加するものであることを特徴とする光変調装置。
  3. 請求項2に記載の光変調装置において、
    前記第1及び第2の位相偏移印加手段は、
    前記比率を、出力光の前記第1方向成分と前記第2方向成分との位相差が0近傍又はπ近傍となるようにして、各位相遷移を印加するものであることを特徴とする光変調装置。
  4. 請求項2に記載の光変調装置において、
    前記第1及び第2の位相偏移印加手段は、
    前記比率を3m対1(mは自然数)とするようにして、各位相遷移を印加するものであることを特徴とする光変調装置。
  5. 請求項2に記載の光変調装置において、
    前記第1及び第2の位相偏移印加手段は、
    前記比率を3対1とするようにして、各位相遷移を印加するものであることを特徴とする光変調装置。
  6. 請求項2に記載の光変調装置において、
    前記第1及び第2の位相偏移印加手段は、
    前記比率を2.5対1乃至3.5対1とするようにして、各位相遷移を印加するものであることを特徴とする光変調装置。
  7. 請求項2に記載の光変調装置において、
    前記第1及び第2の位相偏移印加手段は、
    前記比率を1対3m(mは自然数)とするようにして、各位相遷移を印加するものであることを特徴とする光変調装置。
  8. 請求項2に記載の光変調装置において、
    前記第1及び第2の位相偏移印加手段は、
    前記比率を1対3とするようにして、各位相遷移を印加するものであることを特徴とする光変調装置。
  9. 請求項1に記載の光変調装置において、
    前記第1の位相偏移印加手段は、
    前記第1の状態、前記第2の状態、前記第3の状態をサイクリックに変化させる正弦波として印加し、
    前記第2の位相偏移印加手段は、
    前記第4の状態、前記第5の状態、前記第6の状態をサイクリックに変化させる正弦波として印加し、
    前記合波生成手段は、
    前記各正弦波に基づいて、前記入力光を時間的に隣り合うビットにおける偏波方向が異なるように偏波変調をし、かつ、搬送波抑圧ゼロ復帰信号を生成する搬送波抑圧ゼロ復帰変調を行う制御をするものであることを特徴とする光変調装置。
  10. 請求項1乃至請求項9のうちいずれか一項に記載の光変調装置において、
    前記第1及び第2の位相偏移印加手段は、
    前記入力光の偏波方向と、前記第1の方向又は前記第2の方向とのなす角度に応じた各位相偏移を印加するものであることを特徴とする光変調装置。
  11. 請求項1に記載の光変調装置において、
    前記合波生成手段は、異方性結晶にて形成され、
    前記第1及び第2の位相偏移印加手段は、
    前記比率を、前記異方性結晶の前記第1の方向での第1の電気光学係数と、前記異方性結晶の前記第2の方向での第2の電気光学係数とに対応するようにして、各位相遷移を印加するものであることを特徴とする光変調装置。
  12. 互いに直交する第1及び第2の方向の各々の成分である第1及び第2方向成分を有する入力光を入力して光変調を行う光変調方法であって、
    前記第1方向成分に第1の位相偏移を印加し前記第2方向成分に第2の位相偏移を印加する第1の状態と、前記第1方向成分に第3の位相偏移を印加し前記第2方向成分に第4の位相偏移を印加する第2の状態と、位相偏移を印加しない第3の状態、のいずれかを選択的に取る第1の位相偏移印加制御を行うとともに、
    前記第1方向成分に第5の位相偏移を印加し前記第2方向成分に第6の位相偏移を印加する第4の状態と、前記第1方向成分に第7の位相偏移を印加し前記第2方向成分に第8の位相偏移を印加する第5の状態と、前記第1方向成分及び前記第2方向成分のそれぞれに第9の位相偏移を印加する第6の状態、のいずれかを選択的に取る第2の位相偏移印加制御を行い、
    前記第1の状態と前記第4の状態とを合波する第1合波状態、前記第2の状態と前記第5の状態とを合波する第2合波状態、前記第3の状態と前記第6の状態を合波する第3合波状態、のいずれかを生成する合波生成を行い、
    を含み、
    前記第1の位相偏移印加制御では、
    前記第1の位相偏移と前記第2の位相偏移とを一定の条件の下に特定される第1比率となるように印加し、
    前記第3の位相偏移を前記第1の位相偏移に対して異なる極性とし、前記第4の位相偏移を前記第2の位相偏移に対して異なる極性とし、前記第3の位相遷移と前記第4の位相遷移とを前記第1比率と同一の比率となるように印加し、
    前記第2の位相偏移印加制御では、
    前記第5の位相偏移と前記第9の位相偏移との第1の差と、前記第6の位相偏移と前記第9の位相偏移との第2の差との比率を、前記第1比率と同一となるように印加し、
    前記第7の位相偏移と前記第9の位相偏移との第3の差を前記第1の差と異なる極性とし、前記第8の位相偏移と前記第9の位相偏移との第4の差を前記第2の差と異なる極性とし、前記第3の差と前記第4の差とを前記第1比率と同一の比率となるように印加することを特徴とする光変調方法。
  13. 互いに直交する第1及び第2の方向の各々の成分である第1及び第2方向成分を有する入力光を光変調器本体に入力して、前記入力光を光変調する前記光変調器本体を制御する制御装置が備えているコンピュータに実行させる光変調制御プログラムであって、
    前記第1方向成分に第1の位相偏移を印加し前記第2方向成分に第2の位相偏移を印加する第1の状態と、前記第1方向成分に第3の位相偏移を印加し前記第2方向成分に第4の位相偏移を印加する第2の状態と、位相偏移を印加しない第3の状態、のいずれかを選択的に取る第1の位相偏移印加機能と、
    前記第1方向成分に第5の位相偏移を印加し前記第2方向成分に第6の位相偏移を印加する第4の状態と、前記第1方向成分に第7の位相偏移を印加し前記第2方向成分に第8の位相偏移を印加する第5の状態と、前記第1方向成分及び前記第2方向成分のそれぞれに第9の位相偏移を印加する第6の状態、のいずれかを選択的に取る第2の位相偏移印加機能と、
    を含む機能をコンピュータに実行させ、
    前記変調器本体は、
    前記第1の状態と前記第4の状態とを合波する第1合波状態、前記第2の状態と前記第5の状態とを合波する第2合波状態、前記第3の状態と前記第6の状態を合波する第3合波状態、のいずれかを生成し、
    前記第1の位相偏移印加機能では、
    前記第1の位相偏移と前記第2の位相偏移とを一定の条件の下に特定される第1比率となるように印加し、
    前記第3の位相偏移を前記第1の位相偏移に対して異なる極性とし、前記第4の位相偏移を前記第2の位相偏移に対して異なる極性とし、前記第3の位相遷移と前記第4の位相遷移とを前記第1比率と同一の比率となるように印加するように前記コンピュータに実行させ、
    前記第2の位相偏移印加機能では、
    前記第5の位相偏移と前記第9の位相偏移との第1の差と、前記第6の位相偏移と前記第9の位相偏移との第2の差との比率を、前記第1比率と同一となるように印加し、
    前記第7の位相偏移と前記第9の位相偏移との第3の差を前記第1の差と異なる極性とし、前記第8の位相偏移と前記第9の位相偏移との第4の差を前記第2の差と異なる極性とし、前記第3の差と前記第4の差とを前記第1比率と同一の比率となるように印加するように前記コンピュータに実行させることを特徴とする光変調制御プログラム。
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