JP2009088050A - 薄膜配線層及びその製造方法 - Google Patents

薄膜配線層及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】誘電体層焼成時において、Cuを導体層とする薄膜配線の配線抵抗を上昇させることなく、且つCu電極の酸化を抑制し、電極側面に残留する気泡を起因とした耐圧不良を回避可能な保護層を提供する。また、環境負荷がかからない方法で上記保護層を形成することである。
【解決手段】Cr/Cu/Cr電極の側面及び側面に連続する上面のCu露出部に第2の保護層であるNiを無電解めっき法により形成する。前記第1の保護層の被覆領域をL1、第2の保護層の被覆領域をL2とし、導体層であるCuに対するNi保護層の被覆率をXとしたときに、X(%)=L2/(L1+L2)×100≦36を満たすことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、薄膜配線層及びその製造方法に関する。特に、プラズマディスプレイパネル(PDP)のように、その製造工程において高温での熱処理を要するパネルの電極配線に好適に使用することができる。
基板主面に所定パターン形状の電極が形成されている表示パネルの代表例として、PDPが挙げられる。PDPは自発光型の表示パネルである。図1に一般的なAC型面放電方式のPDPの分解斜視図を示す。このPDPは、前面基板と背面基板を張り合わせた構造を有する。前面基板は、前面板ガラス10(表示面側)上に、ITO(酸化インジウム錫)やNESA(酸化錫)などから成る透明電極11と、AgやCr/Cu/Crなどから成るバス電極12により構成される表示電極が、2組ずつ対として複数設けられている。表示電極を覆うように低融点ガラスから成る誘電体層13を形成し、誘電体層上に酸化マグネシウムなどから成る保護膜14を形成している。背面基板は、背面板ガラス20上に、アドレス電極21を複数形成しており、アドレス電極を覆うように誘電体層22を形成し、誘電体層上に隔壁23を形成し、隔壁の側面及び誘電体層上に蛍光体24を形成している。張り合わせた前面基板と背面基板との間に放電空間を形成し、放電空間内には、ネオン及びキセノンの混合ガスから成る放電ガスが封入され、両基板間に放電セルが複数形成されている。可視光は、前面基板側の表示電極対と背面基板側のアドレス電極に電圧を印加することにより前記複数の放電セルに放電を起こし、該放電により真空紫外線が発生し、発生した真空紫外線が蛍光体を励起発光させることにより得る。
バス電極及びアドレス電極の製造方法としては、スクリーン印刷法により、Ag粒子、バインダ樹脂、有機溶剤などからなるAgペーストを塗布して所定の形状にパターニング後、焼成することによりAg電極を形成する方法、また、スパッタ法等の真空薄膜作成法により、Cr/Cu/Crの3層積層膜や、Al膜或いはAl合金膜を基板全面に形成した後、フォトリソグラフィー法により所定の形状にパターニングする方法がある。Cr/Cu/Cr電極構造において、下層のCrは、透明電極と主導電体層であるCuの密着性を確保するために、また、上層のCrは、誘電体層焼成時におけるCuの酸化を抑制するために、各々必要である。Cr/Cu/Cr電極は低抵抗で、より高精細パターンが形成可能である。
ところで、Cr/Cu/Crからなるバス電極では、次工程の誘電体層形成における大気中600℃程度の焼成時に、電極側壁部の誘電体層中に大きな気泡が発生するという問題があった。誘電体層中に気泡が残留すると、表示電極とアドレス電極間に電圧を印加し、放電させる時(或いは維持放電させる時)に、絶縁破壊を惹き起こす。従来、誘電体層としては酸化鉛を主成分とする低融点ガラスが用いられていたが、近年の環境問題への配慮から鉛成分を含まないガラス組成が用いられるようになってきている。但し、無鉛ガラスは、有鉛ガラスに比べ、軟化点が高いために脱泡性が劣り、誘電体層焼成後に気泡が残留しやすく、誘電体材料の無鉛化に際し、絶縁耐圧の点で課題があった。
絶縁破壊を惹き起こす気泡の発生は、誘電体層焼成時において、Cr/Cu/Cr電極側面部で露出するCuが酸化されることに起因する。金属Cuと酸化Cuは熱膨張係数が異なるため、その境界に空隙が形成されるが、誘電体フリットが軟化点以上に加熱されて膜状になる際に、この空隙に大気ガスが密閉される。その後の誘電体層の軟化流動と共に、酸化Cuが誘電体層中に溶解し、空隙内ガスが放出されることで気泡となる。
つまり、残留気泡をなくすには酸化Cuの生成を抑制すればよく、この観点から種々のCu被覆層の提案がなされている。
一つは、耐熱性金属によって電極を被覆する方法であり、例えば特開2003−229049号公報(特許文献1)では、所定のパターンに形成された導体層の表面全面を被覆する金属として、Cr、Ni,Ptが記載されており、さらに、特開平11−119694号公報(特許文献2)ではCoが記載されている。
また、酸化物による被覆も検討されており、例えば特開2003−331736号公報(特許文献3)ではITOによる被覆が、また、特開2003−162957号公報(特許文献4)では、電気めっき又は無電解めっきで金属錫層を形成後、酸素雰囲気中で熱酸化したSnO2を被覆層としている。
しかしながら、上記被覆層ではその形成方法とも絡んで次のような問題がある。Crを用いる場合、電気めっきによる形成方法が考えられるが、カソード極での六価クロム生成が避けられず環境上好ましくない。Niの場合にもCuの酸化抑制は可能であり、さらに電気めっき法や無電解めっき法によって環境上問題なく被覆膜の形成が出来る。しかしながら、誘電体の焼成後にはCuとNiの相互拡散が起こり配線抵抗の上昇をもたらす。
さらに、Ptの場合には地金の値段が高く、材料コスト高になるといった問題がある。
また、特開平11−119694号公報中では、Cu配線中に形成されたCoのめっき膜が配線抵抗の上昇なくCuの酸化抑制を可能とする旨の記述がある。しかしながら、実施例では窒素雰囲気下での検討結果が示されているのみで、大気雰囲気下での酸化抑制効果については言及していない。我々が検討した結果、Coのめっき膜は大気雰囲気での酸化抑制効果が少ないことが判明した。誘電体を形成する際、酸素を遮断した環境下でガラスペーストを焼成した場合にはガラス組成物が還元されて着色が起きてしまうため、酸素雰囲気下での焼成が必要条件となる。焼成プロファイル中の途中から酸素雰囲気にすることも考えられるが、酸化膜の形成とガラスの着色はトレードオフの関係にありプロセス的にマージンは狭いものとなる。
一方、酸化物による保護層形成に関しては、特開平11−119694号公報にITOによる電極被覆の記載がある。前記文献によれば、電極膜厚が厚い場合にはITOのカバレージが悪くなり、段切れを起こす虞があって好ましくない。また、特開2003−162957号公報に記載してあるように錫を電気めっき又は無電解めっきで形成後、酸素雰囲気中で熱酸化してSnO2被覆膜を導入する場合、熱酸化中にCuとSnの相互拡散が容易に起こるため、SnO2被覆膜の形成前に配線抵抗の上昇が惹き起こされてしまう。
以上纏めると、これまで検討されてきたCuの被覆層及びその形成方法に依る場合には、
(1)誘電体層焼成後の配線抵抗上昇が避けられない。
(2)酸素雰囲気中での酸化防止効果が少ない。
(3)材料コストあるいは形成コストが高い。
(4)形成過程で環境上好ましくない副生成物ができるのいずれか又は複数の問題があった。
特開2003−229049号公報 特開平11−119694号公報 特開2003−331736号公報 特開2003−162957号公報
本発明の目的は、誘電体層焼成時において、Cuを導体層とする薄膜配線の配線抵抗を上昇させることなく、且つCu電極の酸化を抑制し、電極側面に残留する気泡を起因とした耐圧不良を回避可能な保護層を提供することである。本発明の他の目的は、環境負荷がかからない方法で上記保護層を形成することである。以上により優れた耐圧特性を有するプラズマディスプレイパネルを高歩留りで提供することを目的とする。
本発明者は、種々検討の結果、Cr/Cu/Crバス電極の側面及び側面と連続する上面に、NiあるいはNi合金で構成される保護層を形成することで、誘電体焼成時におけるCu電極酸化及び焼成後の配線抵抗の上昇を抑制可能なことを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、基板上に形成される薄膜配線層であって、Cuを主成分とする導体層と該導体層を被覆する第1の保護層及び第2の保護層から成り、該第2の保護層はNi及びNi合金から構成され、且つ、該第1の保護層の被覆領域をL1、第2の保護層の被覆領域をL2とし、導体層であるCuに対する第2の保護層の被覆率をXとしたときに、X(%)=L2/(L1+L2)×100≦36を満たすことを特徴とする。
前記第2の保護層の膜厚は、0.03μm以上0.3μm以下であることが好ましい。
さらに、上記目的を達成するため、本発明は、基板上に所定のパターン形状の透明導電膜を形成する工程と、前記透明導電膜表面を含めて前記基板の表面全体を被覆するように、基板側から下地層、導体層、第1の保護層を積層する工程と、第1の保護層及び導体層を所定のパターン形状に形成する工程と、Cuを主成分とする導体層の側面及び側面と連続する上面部分にめっき法により第2の保護層を形成する工程と、前記下地層をエッチングして配線分離を行う工程とを備えることを特徴とする形成方法により、前記薄膜配線層を得る。
本発明によれば、Cuを導体層とする薄膜配線の側面及び側面と連続する上面部分に、Ni及びNi合金から成る保護層を無電解めっき法により形成することで、誘電体層焼成時において、配線抵抗を上昇させることなく、且つCu電極の酸化を抑制し、電極側面に残留する気泡をなくすことが出来る。また、環境負荷がかからない方法で上記保護層を形成することが出来る。したがって、優れた耐圧特性を有するプラズマディスプレイパネルを高歩留りで提供することが可能となる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。なお、以下の実施形態においては、PDP前面板のバス電極として薄膜配線層を形成する形態について説明するが、薄膜配線層が形成される基板材質及び基板用途に限定は無い。
先ず、バス電極となる薄膜配線層は、下地層、導体層及び保護層の順で積層された構造を持つ。少なくとも、導体層は保護層により完全に覆われている必要がある。これは、後に電極上に形成される誘電体層と導体層を構成する金属が化学反応することを防ぐためである。
下地層は、導体層を構成する金属と合金化し難い金属から構成され、下地層の厚さは、0.05μmから1.0μmであることが望ましい。下地層は、バス電極と基板との密着を確保するとともに、基板としてガラス材料を用いる場合には、例えばCr、Coを選択することができる。
導体層はCuから構成されることが望ましい。導体層の厚みは、1.0μmから6.0μmが望ましい。
第1の保護層は、導体層を構成する金属と合金化し難い金属から構成され、誘電体層焼成時における導体層の酸化を防止できることが望ましく、Crを選択することが可能である。第1の保護層の厚さは、0.05μmから1.0μmであることが望ましい。
下地層、導体層、及び第1の保護層の形成方法としては、導体層の全面に均一に形成できれば、特に限定されないが、スパッタ法や、蒸着法等の真空薄膜作成法による連続成膜が望ましい。
また、薄膜配線層のパターン形成には、フォトリソグラフィー法を用いるのが好ましい。すなわち、ガラス基板表面の全面に下地層、導体層、第1の保護層を形成した後、レジストを所望のパターンで作成し、第1の保護層、導体層をエッチングする。次に、導体層側面及び側面と連続する上面に第2の保護層であるNiを無電解めっき法により形成した後、下地層をエッチングにより配線分離する方法により形成する。バス電極の配線線幅は、50μmから150μmであることが望ましい。
第2の保護層は、Ni及びNi合金を用いることが望ましい。第2の保護層の形成方法に関しては、導体層の側面及び側面と連続する上面を完全に被覆できれば、特に限定されないが、無電解めっき法により導体層の側面及び側面に連続する上面に選択的に形成することが特に好ましい。Ni及びNi合金は、600℃程度の焼成における十分な耐熱性を単層で確保することができ、環境上好ましくない副生成物を生じることなく、保護層を形成することができ、且つ、地金の値段が低く、材料コストを低くすることができる。Niの厚さは0.03μm以上0.3μm以下であることが望ましい。Niの厚みが0.03μm未満の場合には、Cuの酸化防止効果が得られず、酸化Cuが形成されることになり好ましくない。Niの厚みが0.3μmを超えると、CuとNiの合金化によって配線抵抗が上昇してしまい好ましくなく、さらに、無電解めっき法による処理時間を勘案した場合でも、0.3μm以下が好ましい。第2の保護層の被覆領域に関しては、第1の保護層の被覆領域をL1、第2の保護層の被覆領域をL2とし、導体層であるCuに対する第2の保護層の被覆率をXとしたときに、X(%)=L2/(L1+L2)×100≦36を満たすことが望ましい。第2の保護層の被覆率Xが36%を超えると、CuとNiの合金化によって配線抵抗が上昇してしまい好ましくない。第2の保護層の被覆率に下限は特にないが、被覆領域が微小になると、めっき処理中にめっき反応が開始しなかったり、途中で反応が停止したりする問題がある。無電解めっき液には、めっきのパターン析出性や、浴安定性を向上させるために、安定剤(めっき反応抑制物質)として、PdやBi等の重金属の塩化合物、チオジグリコール酸等の硫黄化合物、有機化合物等が用いられている。めっき領域が微小であると、Pd触媒付与量に対する安定剤量が相対的に多くなり、めっき析出不良を惹き起こす場合がある。微小部位でのめっき析出性を確保するために、安定剤量を低減する方法も考えられるが、浴安定性とトレードオフの関係であり、めっき液の消費量が増大してしまい好ましくない。本発明においては、上層Crのオーバーエッチング量により第2の保護層の被覆領域を調整することで、めっき析出性と浴安定性を両立することが出来る。
加えて、めっき反応中は、導体層と接触している透明電極にも電子が流れ込むため、透明電極上でのめっき析出が避けられない。透明電極上にめっきが析出すると、光が透過する開口部の一部が遮蔽されることとなり、その結果パネルの輝度特性の低下に繋がる。したがって、保護層をめっきで形成する場合には、めっき液中で不動態膜を形成する金属を下地層として、透明電極上を全面被覆しておく必要がある。
〔実施例1〕
図2(a)〜(e)に基づいてPDPの表示電極を形成した。
ガラス基板上10に透明電極11(ITO)をスパッタ法により膜厚1000Åで成膜した。ITO上にフォトレジストを塗布し、露光現像後、前記レジストをマスクとしてITOをエッチングして所望のパターンを形成した(図2(a)参照)。ITOのエッチング液としては塩酸を使用した。レジスト剥離後、下地層30となるCr、導体層31となるCu、第1の保護層32となるCrをスパッタ法によってこの順に、Crを厚さ0.05μm、Cuを厚さ1μmから3μmの範囲で、Crを厚さ0.15μmで基板全面に成膜した。その後、Cr/Cu/Cr電極上にフォトレジスト33を塗布し、露光現像した(図2(b)参照)。バス電極の配線線幅は70μmから100μmの範囲に調整した。前記レジストをマスクとして第1の保護層であるCrを塩酸系のエッチング液でエッチングした。この際に、エッチング時間を変えることにより、レジスト端からのCrオーバーエッチング量を0μmから10μmの範囲に調整した。続いて、導体層であるCuを塩化第二鉄系のエッチング液でエッチングした(図2(c)参照)。導体層の膜厚及び上層Crのエッチング時間を調整することで、第2の保護層の被覆率Xを6%から36%とした。次に、導体層であるCuの側面及び側面に連続する上面に対し、無電解めっきにより第2の保護層であるNi34を厚さ0.3μmで形成した(図2(d)参照)。次に、下地層のCrを過硫酸ナトリウム系のエッチング液で除去した後、レジストを10%のNaOHで膨潤剥離することにより薄膜配線層を形成した(図2(e)参照)。
〔比較例1〕
ガラス基板上に透明電極(ITO)をスパッタ法により膜厚1000Åで成膜した。ITO上にフォトレジストを塗布し、露光現像後、前記レジストをマスクとしてITOをエッチングして所望のパターンを形成した。ITOのエッチング液としては塩酸を使用した。レジスト剥離後、下地層となるCr、導体層となるCuをスパッタ法によってこの順に、Crを0.05μm、Cuを3μmで基板全面に成膜した。Cr/Cu電極上にフォトレジストを塗布し、バス電極のパターン線幅が75μmとなるように露光現像した。前記レジストをマスクとして導体層であるCuを塩化第二鉄系のエッチング液でエッチングした。すなわち、第2の保護層の被覆領域を導体層であるCuの表面全面とし、第2の保護層の被覆率Xを100%とした。次に、導体層であるCuの表面全面に無電解めっきにより第2の保護層であるNiを厚さ0.03μm〜0.3μmで形成した。次に、下地層のCrを過硫酸ナトリウム系のエッチング液で除去した後、レジストを10%のNaOHで膨潤剥離を行うことにより薄膜配線層を形成した。
上記実施例1及び比較例1によって作製した薄膜配線層付ガラス基板を用いて、保護層のCu酸化防止効果及び誘電体層焼成前後の電気抵抗率を評価した。
上記評価のため、薄膜配線層付ガラス基板を大気中550℃で30分間加熱して自然冷却した。その後、基板を樹脂埋めして断面研磨を行い、金属顕微鏡及び走査型電子顕微鏡による観察によりCuの酸化防止効果を確認した。また、加熱前後の薄膜配線層の電気抵抗を直流四端子法にて測定した。薄膜配線層の厚さ及び配線幅は、薄膜配線断面の走査型電子顕微鏡像から求めた。また、電圧測定端子間の距離はノギスで測定した。各評価基板の配線抵抗を測定した後、配線断面積及び電圧測定端子の距離から電気抵抗率を算出した。
以上の観察結果及び抵抗測定結果を表1に示す。
Figure 2009088050
表1から、Niの厚みを0.3μm、Ni被覆率を100%とした場合(No.5)、Cuの酸化防止効果は得られるものの、焼成後に配線抵抗が3倍以上に上昇していることが分かる。また、Niの厚みを0.03μm、Ni被覆率を100%とした場合(No.6)、Cuの酸化防止効果が得られず、Cuの酸化が起きていることが分かる。
これに対し、Niの厚みを0.3μm、Ni被覆率を6%から36%とした場合(No.1〜4)には、Cuの酸化防止効果を有し、且つ熱処理後の配線抵抗の上昇も抑制されており本発明の有効性が確認された。
以上のように、本発明の薄膜配線層は、導体層であるCuの側面及び側面と連続する上面がNi或いはNi合金で被覆されており、大気中600℃程度での誘電体層焼成後でもCuの酸化が起きないとともに配線抵抗の上昇もないため、高い信頼性が要求される表示パネルの電極用配線として好適に利用可能である。特に、ガラス誘電体層を高い温度で焼成して配線上に形成することを要するプラズマディスプレイパネルの電極用配線として最適である。
本発明は、プラズマディスプレイパネルに関連した技術分野に好適に適用され得る。
プラズマディスプレイパネルの要部を示す分解斜視図である。 本発明である表示パネル用電極の製造工程の要部断面図である。
符号の説明
10…前面板ガラス、11…透明電極、12…バス電極、13、22…誘電体層、14…保護膜、20…背面板ガラス、21…アドレス電極、23…隔壁、24…蛍光体、30…下地導電膜、31…導体層、32…第1の保護層、33…レジスト、34…Ni保護層(第2の保護層)。

Claims (5)

  1. 基板上に形成される薄膜配線層であって、該薄膜配線層は基板側から順に、下地層、Cuを主成分とする導体層と導体層を被覆する第1の保護層及び第2の保護層で構成され、該第2の保護層はNi及びNi合金であることを特徴とする薄膜配線層。
  2. 前記第2の保護層が、Cuを主成分とする導体層の側面及び側面と連続する上面部分を被覆する薄膜配線層。
  3. 前記第1の保護層の被覆領域をL1、前記第2の保護層の被覆領域をL2とし、導体層であるCuに対する第2の保護層の被覆率をXとしたときに、以下の条件を満たすことを特徴とする請求項1乃至2記載の薄膜配線層。
    X(%)=L2/(L1+L2)×100≦36
  4. 請求項1乃至3記載の第2の保護層であるNi及びNi合金の厚さが、0.03μm以上0.3μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3記載の薄膜配線層。
  5. 基板上に所定のパターン形状の透明導電膜を形成する工程と、前記透明導電膜表面を含めて前記基板の表面全体を被覆するように、基板側から下地層、導体層、第1の保護層を積層する工程と、第1の保護層、及び導体層を所定のパターン形状に形成する工程と、Cuを主成分とする導体層の側面及び側面と連続する上面部分に無電解めっき法により第2の保護層を形成する工程と、前記下地層をエッチングして配線分離を行う工程とを備えた、請求項1乃至4記載の薄膜配線層の形成方法。
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